JP6483573B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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そこで特許文献1に開示された動力伝達装置では、対向面の凹凸部の表面に基液をはじく撥液層を形成している。これにより、基液を排出し易くして、磁場を印加しない動力遮断状態における引きずり損を低減している。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、動力伝達状態における最大伝達トルクを増大させ、かつ、動力遮断状態における引きずり損を低減する動力伝達装置を提供することにある。
磁性流体は、流体室に充填され、基液中の磁性粒子が筺体とロータとの間で回転動力が伝達される方向である「動力伝達方向」に連なるように磁場が作用したとき、筺体とロータとの締結力を増加させる。
磁場発生手段は、通電により磁性粒子に作用する磁場を発生させる。
この動力伝達装置は、磁場発生手段への通電の切り替えにより、ロータと筺体との間で回転動力を伝達する「動力伝達状態」、及び、回転動力を遮断する「動力遮断状態」を切り替える。
なお、集中部は、凸状に形成される以外に、例えば対向面に比較的強い磁性体を局所的に配置し、その周囲に比較的弱い磁性体又は非磁性体を配置することによって形成されてもよい。
また、この動力伝達装置は、筺体又はロータの少なくとも一方の対向面に、集中部と格納部とが交互に隣接していることにより、磁性粒子が集中部から連なる状態と、その磁性粒子が格納部に格納される状態との切り替えの応答性を高めることが可能である。
なお、格納部は、凹状に形成される以外に、例えば対向面の表面に磁性粒子が貼り付くように保持される態様では、対向面の表面そのものを格納部と見なしてもよい。
筺体又はロータと共に流体室の磁性流体が回転すると、その遠心力によりロータの筒部とその筒部を覆う筐体との間の流体室の磁性粒子の密度が高くなり、円盤部とその円盤部の外側を覆う筐体との間の流体室の磁性粒子の密度が低くなる場合が考えられる。その場合、円盤部とその円盤部の外側を覆う筐体との間の流体室を磁束が流れに難くなる。そこで、この動力伝達装置は、筐体がロータの筒部を覆う箇所に対して径方向内側または径方向外側に磁場発生手段を設けている。この磁場発生手段が発生する磁力線は、ロータの筒部とその筒部を覆う筐体とその間の流体室を主に通過する。そのため、動力伝達装置は、円盤部とその円盤部の外側を覆う筐体との間の流体室の磁性粒子の密度の低下に関わらず、動力伝達状態における最大伝達トルクを増大させることが可能である。
具体的には、第2磁場発生手段は永久磁石であり、第1磁場発生手段が動力伝達状態において発生させる磁場の強さよりも弱い磁場を発生させる。
磁場発生手段が2つのコイルを含んで構成される場合、次に示すように、動力伝達方向が軸方向の態様と、動力伝達方向が径方向の態様とでは、2つのコイルの通電方向が異なるものとなる。
また、動力遮断状態では、動力伝達方向と直交する対向面に沿う方向に磁力線を生成することにより、磁性粒子は、格納部の溝壁に引き寄せられて格納部に格納される。したがって、磁性粒子による引きずり損を好適に低減することができる。
1つの図中に実質的に同一の部材が複数存在するとき、複数のうち一部のみに符号を付す場合がある。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による動力伝達装置を図1〜図4に示す。
動力伝達装置101は、互いに相対回転可能に設けられた筺体とロータとの間で、回転動力を伝達する動力伝達(係合)状態、及び、回転動力を遮断する動力遮断(解放)状態を切り替えるクラッチ装置として用いられる。
筺体301とロータ401とは、共通の回転軸Oに対して同軸に配置されている。なお、本明細書で「軸方向」とは、この回転軸Oに平行な方向をいう。筺体301は、例えば鉄等の磁性体で、内部にロータ401を収容可能な有底円筒状に形成されている。ロータ401は、例えば鉄等の磁性体で円板状に形成されており、筺体301の内部に収容されている。また、筺体301の筒状部には、「磁場発生手段」または「第1磁場発生手段」としてのコイル5が設けられている。
シャフト7の外壁と筺体301の開口部39の内壁との間には、環状のシール軸受75が設けられている。シール軸受75は、筺体301の外部と内部との間を液密にシールしつつ、シャフト7を回転可能に支持している。
磁性流体9は、いわゆる「機能性流体」の一つである磁気粘性流体(MR流体)であり、水や油等の基液90中に、カルボニル鉄、マグネタイト、マンガン亜鉛フェライト等の強磁性を有する磁性粒子Mが分散した流体である。本実施形態では、磁性粒子Mとして直径5μm程度の粒子を想定する。磁性粒子Mは、その表面に吸着された界面活性剤と基液との親和力、及び、界面活性剤同士の反発力により、基液90中で凝集したり沈降したりすることなく、安定した分散状態が保たれている。
以下、コイル5に通電して磁性粒子Mが連なった粒子クラスタPCを形成し、回転動力を伝達する状態を「動力伝達状態」、コイル5への通電を停止して磁性粒子Mを基液90中に分散させ、回転動力を遮断する状態を「動力遮断状態」という。
格納部34は、隣接する集中部33同士の間で凹状に形成されている。特に本実施形態では、図3に示すように、集中部33及び格納部34は同心円の条溝として形成されている。
また、永久磁石61、62が発生する磁場の強さは、コイル5が通電時に発生する磁場の強さよりも弱くなるように設定されている。
図1、図4(a)に示すように、動力伝達状態では、コイル5に通電されることにより、コイル5を中心とする磁力線φaが生成される。この磁力線φaは、筺体301とロータ401との対向面311、411の間を軸方向に通過する。このとき、集中部33は、磁性粒子Mが動力伝達方向に連なるように磁力線φaを動力伝達方向に集中させる。そのため、粒子クラスタPCが形成され、筺体301とロータ401との締結力が増加する。よって、最大伝達トルクを増大させることができる。
なお、永久磁石61、62間には径方向の磁力線φbが常時通過しているが、永久磁石61、62による磁場は相対的に弱いため、動力伝達状態での作用には影響しない。
さらに本実施形態では、集中部33及び格納部34を同心円の条溝として形成しているため、対向面311、411の間の締結力特性を周方向で均一にすることができる。
本発明の第2実施形態による動力伝達装置を図5、図6に示す。第2実施形態は、第1実施形態に対し、動力伝達方向を径方向とする点が異なる。
図5、図6に示すように、第2実施形態の動力伝達装置102は、筺体302の内周の対向面32と、ロータ402の外周の対向面42とが対向する径方向が動力伝達方向となる。筺体302の内周の対向面32は、凸状の集中部33及び凹状の格納部34が形成されている。詳しくは、格納部34が全周方向に溝状に形成されている。
筺体302の対向面32の軸方向における集中部33及び格納部34の一方(反シャフト7側)及び他方(シャフト7側)には、「第2磁場発生手段」としての環状の永久磁石63、64が設けられている。ロータ402の軸方向の対称面をVとすると、反シャフト7側に設けられる永久磁石63の対称面V側の磁極(例えばN極)と、シャフト7側に設けられる永久磁石64の対称面V側の磁極(例えばS極)とは極性が反対であるため、永久磁石63、64間には軸方向の磁力線φbが常時生成される。
また、永久磁石63、64が発生する磁場の強さは、コイル53、54が通電時に発生する磁場の強さよりも弱くなるように設定されている。
なお、永久磁石63、64間には軸方向の磁力線φbが常時通過しているが、永久磁石63、64による磁場は相対的に弱いため、動力伝達状態での作用には影響しない。
図7に示すように、本発明の第3実施形態の動力伝達装置103は、第1実施形態に対し、筺体303の対向面313でなくロータ403の対向面413に集中部43及び格納部44が形成されている。
図7では、回転軸Oに対して図の上側に動力伝達状態、図の下側に動力遮断状態の磁力線を図示する。動力伝達状態では、第1実施形態の図1と同様に、コイル5が発生する磁場によって生成される磁力線φaが集中部43に集中し、集中部43から筺体303の対向面313に向かって磁性粒子Mが動力伝達方向に連なる。
また、永久磁石65、66が発生する磁場の強さは、コイル5が通電時に発生する磁場の強さよりも弱くなるように設定されている。
本発明の動力伝達装置は、さらに第1実施形態と第3実施形態とを複合し、筐体及びロータの双方に集中部及び格納部を形成するようにしてもよい。
図8に示すように、本発明の第4実施形態の動力伝達装置104は、第1実施形態(図3の径方向断面図参照)に対し、環溝状ではなく穴状の格納部38が同心円上に離散して形成されている。また、穴状の格納部38以外の部分全体が集中部37を構成している。このような形態でも第1実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、格納部38の穴形状は、円形に限らず、どのような形状としてもよい。
本発明の第5実施形態による動力伝達装置を図9〜図12に示す。
動力伝達装置201は、筺体301、ロータ401、コイル51、52、シャフト7、及び磁性流体9等を備えている。
筺体301の筒状部には、「磁場発生手段」としての2つのコイル51、52が軸方向に並んで設けられている。2つのコイル51、52は、電磁気的特性が同等であることが好ましい。
以下、2つのコイル51、52に対し所定の通電方向に通電して磁性粒子Mが連なった粒子クラスタPCを形成し、回転動力を伝達する状態を「動力伝達状態」、2つのコイル51、52への通電方向を変更して磁性粒子Mを基液90中に分散させ、回転動力を遮断する状態を「動力遮断状態」という。
2つのコイル51、52は、動力伝達状態では、磁力線φaの向きが互いに同方向となるように通電されることで軸方向に磁力線φaを生成する。動力遮断状態では、磁力線φbの向きが互いに逆方向となるように通電されることで、筺体301及びロータ401を径方向に周回するように磁力線φbを生成する。
格納部34は、隣接する集中部33同士の間で凹状に形成されている。特に本実施形態では、図11に示すように、集中部33及び格納部34は同心円の条溝として形成されている。
図9、図12(a)に示すように、動力伝達状態では、コイル51、52に同方向に通電することにより、コイル51、52を中心とする互いに同方向の磁力線φaを生成する。この磁力線φaは、筺体301とロータ401との対向面311、411の間を軸方向に通過する。このとき集中部33は、磁性粒子Mが動力伝達方向に連なるように磁力線φaを動力伝達方向に集中させる。そのため、粒子クラスタPCが形成され、筺体301とロータ401との締結力が増加する。よって、最大伝達トルクを増大させることができる。
本発明の第6実施形態による動力伝達装置を図13、図14に示す。第6実施形態は、第5実施形態に対し、動力伝達方向を径方向とする点が異なる。
図13、図14に示すように、第6実施形態の動力伝達装置202は、筺体302の内周の対向面32と、ロータ402の外周の対向面42とが対向する径方向が動力伝達方向となる。筺体302の内周の対向面32は、凸状の集中部33及び凹状の格納部34が形成されている。詳しくは、格納部34が全周方向に溝状に形成されている。
第6実施形態は、第5実施形態に対し、「径方向」と「軸方向」との関係が逆転する。つまり、2つのコイル53、54は、動力伝達状態では、磁力線φaの向きが互いに逆方向となるように通電されることで径方向に磁力線φaを生成する。動力遮断状態では、磁力線φbの向きが互いに同方向となるように通電されることで、筺体302及びロータ402を軸方向に周回するように磁力線φbを生成する。
図15に示すように、本発明の第7実施形態の動力伝達装置203は、第5実施形態に対し、筺体303の対向面313でなくロータ403の対向面413に集中部43及び格納部44が形成されている。
図15では、回転軸Oに対して図の上側に動力伝達状態、図の下側に動力遮断状態の磁力線を図示する。動力伝達状態では、第5実施形態の図9と同様に、コイル51、52によって互いに同方向に生成される磁力線φaが集中部43に集中し、集中部43から筺体303の対向面313に向かって磁性粒子Mが動力伝達方向に連なる。
本発明の動力伝達装置は、さらに第5実施形態と第7実施形態とを複合し、筐体及びロータの双方に集中部及び格納部を形成するようにしてもよい。
図16に示すように、本発明の第8実施形態の動力伝達装置204は、第5実施形態(図11の径方向断面図参照)に対し、環溝状ではなく穴状の格納部38が同心円上に離散して形成されている。また、穴状の格納部38以外の部分全体が集中部37を構成している。このような形態でも第5実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、格納部38の穴形状は、円形に限らず、どのような形状としてもよい。
図17に示すように、第9実施形態の動力伝達装置205が備えるロータ405は、円盤部420と、その円盤部420の外縁から回転軸の一方に延びる筒部430とを有する。ロータ405の円盤部420と筒部430との間には、円環状の非磁性体80が設けられている。筐体305は、ロータ405が有する円盤部420および筒部430の外側を覆う中空形状に形成されている。
筐体305において、ロータ405の筒部430の軸方向に位置する箇所には、「磁場発生手段」または「第1磁場発生手段」としてのコイル5が設けられている。筐体305には、コイル5の軸方向に位置する箇所に、非磁性体81,82が設けられている。これにより、コイル5への通電によりコイル5を中心として筐体305、ロータ405および流体室8を通過する磁力線φaを生成可能な磁気回路が形成される。
ここで、図20に示したように、軸方向から見たとき、筐体305の対向面315に形成された集中部33とその集中部33に向き合うロータ405の対向面415に形成された集中部43との間の断面積(図20に斜線部分αで示す)と、凹状に形成された格納部34の内側の断面積(図20に斜線部分βで示す)とは同等の大きさに形成されている。
図22に示すように、第10実施形態の動力伝達装置206では、筐体306において、ロータ406の筒部430の径方向内側に位置する箇所に「磁場発生手段」または「第1磁場発生手段」としてのコイル5が設けられている。
ロータ406の筒部430には、コイル5の径方向外側に位置する箇所に非磁性体83が設けられている。また、ロータ406の円盤部420と筒部430との接続箇所の近傍にも、非磁性体84が設けられている。
筐体306には、コイル5の径方向外側に位置する箇所に、非磁性体85が設けられている。また、筐体306において、ロータ406の筒部430の軸方向に位置する箇所にも、非磁性体86が設けられている。これにより、コイル5への通電によりコイル5を中心とする磁力線φaを生成可能な磁気回路が形成される。この磁気回路による磁力線φaは、ロータ406の筒部430、その筒部430の外側を覆う筐体306、及び、筒部430と筐体306との間の流体室8を主に通過する。
本発明の第11実施形態による動力伝達装置を図23〜図26に示す。第11実施形態の動力伝達装置207は、第1実施形態と同じく、軸方向を「動力伝達方向」とする。但し、第11実施形態は、第1実施形態が第2磁場発生手段として備えていた永久磁石61,62を廃止し、その代わりに第2磁場発生手段として複数のコイル6を備えている点が第1実施形態の構成と異なる。複数のコイル6は、筺体301及びロータ401の回転軸Oを中心とした同心円状に設けられている。
以下の説明において、第2磁場発生手段として複数のコイル6を「第2磁場コイル6」と称し、第1磁場発生手段としてコイル5を「第1磁場コイル5」と称することとする。
複数の第2磁場コイル6は、集中部33または格納部34に対して動力伝達方向の一方に配置される。具体的に、第11実施形態では、集中部33が形成される領域に対し軸方向における流体室8とは反対側に、第2磁場コイル6が配置されている。
図26に示すように、動力伝達状態において、第1磁場コイル5に通電されると、集中部33のエッジEに磁力線が集中し、そこに磁性粒子Mが連なった粒子クラスタPCが形成されると考えられる。したがって、この動力伝達装置207は、粒子クラスタPCの列が、筐体307およびロータ407の回転方向に対し交差する方向に断続的に形成されるので、筐体307とロータ407との締結力が増加し、動力伝達状態における最大伝達トルクを増大することが可能である。
図27に示すように、第12実施形態の動力伝達装置208では、第2磁場コイル6が、複数の格納部34または複数の集中部33に跨って設けられている。なお、第12実施形態においても、第11実施形態と同様に、第2磁場コイル6は、筺体301及びロータ401の回転軸Oを中心とした同心円状に設けられている。第12実施形態では、第11実施形態と比べて、第2磁場コイル6の数を少なくすることが可能である。
(ア)図28(a)に示す動力伝達装置105では、筺体305の対向面311に比較的強い磁性体で形成された集中部35が局所的に配置され、集中部35の周囲に比較的弱い磁性体又は非磁性体で形成された非集中部35Nが配置されている。そのため、動力伝達状態で生成された磁力線φaは、図4(a)と同様に集中部35に集中し、磁性粒子Mが動力伝達方向に連なることにより、最大伝達トルクを増大させることができる。このように、本発明の「集中部」は、凸状に形成されるものに限らない。
(オ)第5実施形態において、2つのコイルによる磁力線の向きは、それらが互いに同方向であるか逆方向であるかという関係を変更しない限り、各図面で図示した方向と逆であってもよい。
(カ)本発明の要部以外の構成に関しては、上記実施形態に対し形状、配置、数量等、適宜変更してよい。例えば、シャフトとロータとの接続、シャフトの軸受け、流体室の形状、筐体におけるコイルの設置や配線等については、どのように構成してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
301−308 ・・・筺体、
311、313、32、315・・・(筺体の)対向面、
33、35、37 ・・・(筺体の)集中部、
34、36、38 ・・・(筺体の)格納部、
401−403 ・・・ロータ、
411、413、42、415・・・(ロータの)対向面、
43 ・・・(ロータの)集中部、
44 ・・・(ロータの)格納部、
5、51、52、53、54 ・・・コイル(磁場発生手段、第1磁場発生手段)、
61、615、62、63、64、65、66・・・永久磁石(第2磁場発生手段)、
6 ・・・コイル(第2磁場発生手段)、
8 ・・・流体室、
9 ・・・磁性流体、 90・・・基液、 M ・・・磁性粒子。
Claims (13)
- 磁性体で設けられた筺体(307)と、
磁性体で前記筺体と相対回転可能に設けられ、前記筺体との間に流体室(8)を形成するロータ(407)と、
前記流体室に充填され、基液(90)中の磁性粒子(M)が前記筺体と前記ロータとの間で回転動力が伝達される方向である動力伝達方向に連なるように磁場が作用したとき、前記筺体と前記ロータとの締結力を増加させる磁性流体(9)と、
通電により前記磁性粒子に作用する磁場を発生させる磁場発生手段(5)と、
を備え、前記磁場発生手段への通電の切り替えにより、前記ロータと前記筺体との間で回転動力を伝達する動力伝達状態、及び、回転動力を遮断する動力遮断状態を切り替える動力伝達装置(207)であって、
前記筐体および前記ロータの回転方向に対し断続的に設けられ、前記筺体及び前記ロータが前記動力伝達方向に沿って対向している対向面(317/417)のうち前記筺体又は前記ロータの少なくとも一方の前記対向面に、前記動力伝達状態において前記磁性粒子が前記動力伝達方向に連なるように磁力線(φa)を前記動力伝達方向に集中させる集中部(33)、及び、前記動力遮断状態において前記磁性粒子が前記動力伝達方向に連なることを抑制するように前記磁性粒子を格納する格納部(34)が形成されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記集中部(33)は、前記筺体又は前記ロータの一方の前記対向面から他方の前記対向面に向かって突起した凸状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記格納部(34)は、前記筺体又は前記ロータの前記対向面に対して凹み、複数の前記磁性粒子を格納可能な大きさの凹状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
- 前記動力伝達方向は、前記筐体および前記ロータの回転軸に対して径方向であり、前記流体室に対して径方向外側に位置する前記筐体及び前記ロータの前記対向面に前記格納部が形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
- 前記ロータは、円盤部(420)、およびその円盤部の外縁から回転軸の一方に延びる筒部(430)を有し、
前記筐体の内壁は、前記ロータが有する前記円盤部および前記筒部に沿ってその外側を覆うものであり、
前記磁場発生手段は、前記筐体が前記ロータの前記筒部を覆う箇所に対して径方向内側または径方向外側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。 - 前記動力伝達方向は、軸方向であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
- 前記集中部は、前記筐体および前記ロータの回転方向に対し交差する方向に延びることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
- 前記動力伝達方向に対し垂直な方向から見たとき、前記筺体の前記対向面に形成された前記集中部と当該集中部に向き合う前記ロータの前記対向面に形成された前記集中部との間の断面積(α)と、凹状に形成された前記格納部の内側の断面積(β)とは同等の大きさであることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
- 前記磁場発生手段は第1磁場発生手段であり、
前記動力遮断状態において、前記対向面に沿う方向の磁力線(φb)を生成し前記磁性粒子を前記格納部へ導くように磁場を発生させる第2磁場発生手段(61)をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。 - 前記第2磁場発生手段は永久磁石であり、
前記第1磁場発生手段が前記動力伝達状態において発生させる磁場の強さよりも弱い磁場を発生させることを特徴とする請求項9に記載の動力伝達装置。 - 前記第2磁場発生手段は、前記集中部または前記格納部に対して前記動力伝達方向の一方に配置されたコイル(6)により構成され、前記動力遮断状態において、前記動力伝達方向に交差する方向の磁力線を前記格納部に生成することを特徴とする請求項9に記載の動力伝達装置。
- 前記第2磁場発生手段を構成するコイルは、複数の前記格納部または複数の前記集中部に跨って設けられることを特徴とする請求項11に記載の動力伝達装置。
- 磁性体で設けられた筺体(301、303、304)と、
磁性体で前記筺体と相対回転可能に設けられ、前記筺体との間に流体室(8)を形成するロータ(401、403)と、
前記流体室に充填され、基液(90)中の磁性粒子(M)が前記筺体と前記ロータとの間で回転動力が伝達される方向である動力伝達方向として軸方向に連なるように磁場が作用したとき、前記筺体と前記ロータとの締結力を増加させる磁性流体(9)と、
軸方向に並んで設けられる2つのコイル(51/52)を含んで構成され、通電により前記磁性粒子に作用する磁場を発生させる磁場発生手段と、
を備え、前記磁場発生手段への通電の切り替えにより、前記ロータと前記筺体との間で回転動力を伝達する動力伝達状態、及び、回転動力を遮断する動力遮断状態を切り替える動力伝達装置(201、203、204)であって、
前記筺体及び前記ロータが前記動力伝達方向に沿って対向している対向面(311/411、313/413)のうち前記筺体又は前記ロータの少なくとも一方の前記対向面に、前記動力伝達状態において前記磁性粒子が前記動力伝達方向に連なるように磁力線(φa)を前記動力伝達方向に集中させる集中部(33、37、43)、及び、前記動力遮断状態において前記磁性粒子が前記動力伝達方向に連なることを抑制するように前記磁性粒子を格納する格納部(34、38、44)が形成されており、
前記2つのコイルは、
前記動力伝達状態では、磁力線の向きが互いに同方向となるように通電されることで前記動力伝達方向である軸方向に磁力線を生成し、
前記動力遮断状態では、磁力線の向きが互いに逆方向となるように通電されることで、前記動力伝達方向と直交する前記対向面に沿う方向であって、前記筺体及び前記ロータを径方向に周回するように磁力線を生成することを特徴とする動力伝達装置。
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