JP5920455B2 - 磁気ギア装置 - Google Patents
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- H02K49/102—Magnetic gearings, i.e. assembly of gears, linear or rotary, by which motion is magnetically transferred without physical contact
Description
従って、少なくとも、第1入出力軸及び第2入出力軸の他の箇所をそれぞれ軸受けで支持させることにより、磁気ギア装置の支持構造を3つの軸受けで構成することができる。
よって、第1及び第2入出力軸をそれぞれ2箇所、即ち計4箇所で支持する従来技術に比べ、回転軸方向の寸法を小さく構成することが可能である。
また、第1回転子と、第2回転子との間に位置する軸受けによって、第1入出力軸と、第2入出力軸とは連結し、略一体の軸として機能する。このため、第1入出力軸及び第2入出力軸の前記他の箇所を支持する2つの軸受けによって、1本の軸を支持するような構成となり、磁気ギア装置の機械的強度を担保することが可能である。
更に、第1回転子と、第2回転子との間には単一の軸受けが配されているため、複数の軸受けが位置する場合に比べて、短い磁路で第1及び第2回転子を磁気結合させることが可能である。
なお、円柱状の第1及び第2回転子には、円筒状が含まれる。
図1は、本実施の形態に係る磁気ギア装置を示す側面図、図2は、本実施の形態に係る磁気ギア装置を示す側断面図、図3は、図2のIII−III線断面図、図4は、磁気ギア装置の要部を示した分解側断面図、図5A及び図5Bは、等配された磁極対の数と、磁束との関係を示した概念図である。図6A及び図6Bはハルバッハ型の磁場配向を有する磁石で形成された磁極対による磁束の流れを示した概念図である。
本発明の実施の形態に係る磁気ギア装置は、中空円柱状をなす非磁性体金属製の筐体1を備える。筐体1は、円筒体11と、該円筒体11の両端をそれぞれ閉鎖する円板状の第1蓋体12及び第2蓋体13とで構成されている。第1及び第2蓋体12、13の内面側には、円筒体11に内嵌する環状部12a,13aが形成されている。第1及び第2蓋体12、13は、該環状部12a,13aが円筒体11に内嵌した状態で、それぞれ円筒体11の両端にねじ8で締結されている。第1及び第2蓋体12、13は略中央部に孔部を有し、該孔部の内周部分に軸受座12b、13bが形成されている。各孔部には、トルクが入出力する磁性体金属製の第1入出力軸2及び第2入出力軸3が円筒体11の中心線に沿って挿通し、軸受け72,73を介して第1及び第2蓋体12、13の軸受座12b、13bに支持されている。
同様にして、第2入出力軸3の先端部には、第1回転子4の磁極対41と異なるピッチで、複数の磁極対51が周方向に等配された円筒状磁石52が外嵌され第2回転子5を構成している。磁極対51は、図5Bに示すように、例えば厚さ方向に着磁した断面円弧状の外周側S極磁石51aと、外周側N極磁石51bとで構成される。第1回転子4及び第2回転子5は、中心軸が略一致するように、該中心軸に沿って、図2中左右に配されている。磁極対41,51の詳細は後述する。
なおここで第1入出力軸2と第1回転子4は一体で回転するものであり、又第2入出力軸3と第2回転子5は一体で回転するものである。本明細書ではそれぞれ説明箇所に合わせてそれぞれの呼称を使用する。
第2入出力軸3は、図2及び図4に示すように、中心軸に沿って、第1回転子4側へ突出した回転軸31を備える。軸受保持部21aには軸受け71の外輪が内嵌しており、該軸受けの内輪に回転軸31が圧入されている。
なおここで磁極対41,51で構成された円筒状磁石42,52としたが、径方向に配向した円筒状磁石を用い必要な着磁を行ってもよいし、断面円弧状の磁石を入出力軸の先端部に張り合わせ円筒状としてもよい、その場合隣り合う円弧状磁石間に本発明の作用効果を失わない程度に隙間を持たせてもよい。
図5A及び図5Bは半径方向に配向した磁石で円筒状を形成した場合を示している。
第2回転子5に配された磁極対51のピッチは、例えば、図5A及び図5Bに示すように、第1回転子4に配された磁極対41のピッチよりも長く構成されている。つまり、図5A及び図5Bに示すように、磁極対41の数が、磁極対51の数よりも多い構成である。この場合、磁気結合した第1回転子4は低速回転し、第2回転子5は高速回転することになる。
ハルバッハ配向させた場合、周方向に流れる磁束を妨げない十分な径方向の厚さがあれば内径側に磁極は発生しないため、第1回転子4を構成する磁極対41の径方向内側における磁界の影響を考える必要は無い。また径方向の十分な厚さを確保できず内径側に磁極が発生した場合においても、内径側に発生する磁界は極めて弱いため、第1回転子4の磁極対41の磁界が軸受け71に及ぼす影響を抑えることができる。なお、ハルバッハ型磁石は一例であり、後述するように、磁界の強さが軸受け71の機能に悪影響を及ぼさない程度であれば、他の磁石を用いても良い。例えば、外径側に極異方性配向を有する円筒状磁石等も使用可能である。
なお磁極対41,51として酸化物磁石(例えばフェライト磁石)を用いる場合には渦電流の発生は極めて少ないため組立て効率やコスト等を考慮し第1回転子4と第2回転子5にどのような製法の磁石を配置するかは適宜設定すれば良い。
つまり、本実施の形態に係る第1入出力軸2及び第2入出力軸3は、軸受け71を介して連結され、1本の軸のように構成される。図2中、第1入出力軸2及び第2入出力軸3の左右両側は、軸受け72,73で支持される。第1入出力軸2及び第2入出力軸3の中心軸方向における軸受け72と、軸受け73との距離Dは十分に長く、磁気ギア装置の機械的強度を保持することができる。
また、第1及び第2入出力軸2,3は、第1回転子4と、第2回転子5の間に位置する単一の軸受け71によって連結されるため、中心軸方向における第1回転子4及び第2回転子5の寸法を短くすることができる。
更に、第1回転子4と、第2回転子5との距離が短くなると、磁路も短くなり、第1及び第2回転子4,5の磁気結合力も強くなる。従って、伝達可能なトルクを向上させることができる。
第1回転子4は磁極対41のピッチが短いので磁石から一定距離離れた位置での磁界強度は、相対的に磁極ピッチの長い第2回転子5に比べて小さい。よって第2回転子5側に軸受保持部21aを設ける場合に比べて磁石で発生した磁界が軸受保持部21aによって短絡される度合いが少なく第1回転子4の外周側の磁束(磁性体6に到達できる磁束)が減少する度合いが少ないという効果がある。
第2回転子5は磁極対51のピッチが長いので、相対的にではあるが、第1回転子4に比べてより遠くまで強い磁界が発生する。
したがって第2回転子5に軸受保持部を設けると軸受(不図示)が強い磁場にさらされる可能性がある。
軸受に使用されるベアリング等の部品は強度確保やコスト低減を目的として鉄を多く含有した金属を用いることが多く磁性を有する。よって軸受が強い磁界にさらされると、軸受自体が磁路の一部となり、軸受の回転を阻害したり、軸受の部品であるベアリングの摩耗に偏りが発生したりと、損失が発生する可能性がある。しかし、実際には、軸受は外周側が軸受保持部の内周面側で、また片側の端部は軸受保持部の内周側底部で保持されていることから、軸受保持部は実質的に、第2回転子5の磁石で発生する磁界を十分ではないがシールドする役目を果たし、軸受に達する磁界強度を弱めることが可能となり、軸受での損失を低減できる。
また径方向外側に強い磁界を発生するため、第1及び第2回転子4,5の外側に配した磁性体6を介して力を伝達する本発明の磁気ギアにおいては、磁石を有効利用することができる。
図7は、変形例1に係る磁気ギア装置を示す側断面図である。変形例1に係る磁気ギア装置は、磁極対で構成された円筒状磁石45の径方向内側に軸受保持部121aを形成してある点が実施の形態に係る磁気ギア装置と異なるため、以下では主に上記相異点を説明する。
変形例1に係る第1入出力軸102の先端部、即ち第1回転子104側の端面には、断面円形の凹部をなし、軸受け171の外輪が内嵌する軸受保持部121aが形成されている。つまり、軸受保持部121aは、第1入出力軸102の先端部に設けられた凹部であり、軸受保持部121aに軸受け171が内嵌した場合、軸受け171の端面と、第1回転子104の端面が略面一になるように構成されている。軸受け171には、実施の形態と同様、第2入出力軸103から突出した回転軸131が圧入されている。なお、各端面の位置関係は一例であり、軸受け171が第1回転子104の端面よりも第2回転子105側に位置しても良いし、その逆でも良い。
軸受保持部121a及び軸受け171の寸法は、実施の形態で説明したように、磁極対41が生成する磁界の影響を考慮して決定される。
図8は、変形例2に係る磁気ギア装置を示す側断面図である。変形例2に係る磁気ギア装置は、磁極対で構成された円筒状磁石46の径方向内側に軸受保持部221aを形成し、複数の軸受け271a,271bで回転軸231を支持している点が実施の形態に係る磁気ギア装置と異なるため、以下では主に上記相異点を説明する。
変形例2に係る第1入出力軸202の先端部、即ち第1回転子204側の端面には、断面円形の凹部をなし、離隔した2つの軸受け271a,271bの外輪が内嵌する軸受保持部221aが形成されている。つまり、軸受保持部221aは、第1入出力軸202の先端部に設けられた凹部であり、軸受保持部221aに2つの軸受け271a,271bが内嵌した場合、第1回転子204の端面が軸受け271a、271bの端面よりも第2回転子205側に位置するような孔寸法になるように形成されている。なお、端面の位置関係は一例である。
軸受保持部221a及び軸受け271a,271bの寸法は、実施の形態で説明したように、磁極対41が生成する磁界の影響を考慮して決定される。
図9は、変形例3に係る磁気ギア装置を示す側断面図である。変形例3に係る磁気ギア装置は、隣接した複数の軸受け371a,371bで回転軸331を支持している点が変形例2に係る磁気ギア装置と異なるため、以下では主に上記相異点を説明する。
軸受保持部321a及び軸受け371a,371bの寸法は、実施の形態で説明したように、磁極対41が生成する磁界の影響を考慮して決定される。
2 第1入出力軸
3 第2入出力軸
4 第1回転子
5 第2回転子
6 磁性体
8 ねじ
11 円筒体
12 第1蓋体
13 第2蓋体
12b,13b 軸受座
21 突出部
21a 軸受保持部
31 回転軸
41,51 磁極対
42,52 円筒状磁石
71,72,73 軸受け
Claims (4)
- 複数の磁極対が周方向に等配された円柱状の第1回転子と、前記磁極対と異なるピッチで、複数の磁極対が周方向に等配された円柱状の第2回転子とを備え、前記第1回転子及び第2回転子は、中心軸が略一致するように、該中心軸に沿って配されており、更に、前記第1回転子及び第2回転子の外周を囲繞するように周方向に等配された複数の磁性体とを備える磁気ギア装置において、
前記第2回転子から前記第1回転子側へ突出した回転軸と、
該回転軸を支持する軸受けと、
中心軸に沿って前記第1回転子から前記第2回転子側へ突出した突出部と、
該突出部に形成されており、前記軸受けを保持する保持部と
を備えることを特徴とする磁気ギア装置。 - 複数の磁極対が周方向に等配された円柱状の第1回転子と、前記磁極対と異なるピッチで、複数の磁極対が周方向に等配された円柱状の第2回転子とを備え、前記第1回転子及び第2回転子は、中心軸が略一致するように、該中心軸に沿って配されており、更に、前記第1回転子及び第2回転子の外周を囲繞するように周方向に等配された複数の磁性体とを備える磁気ギア装置において、
前記第2回転子から前記第1回転子側へ突出した回転軸と、
該回転軸を支持する軸受けと、
前記第1回転子の前記第2回転子側に設けられており、前記軸受けを保持する保持部と
を備え、
前記保持部は、前記第1回転子の前記第2回転子側端面に凹設されており、
前記第1回転子に配された磁極対のピッチは、前記第2回転子に配された磁極対のピッチよりも短いことを特徴とする磁気ギア装置。 - 前記第1回転子に配された磁極対のピッチは、前記第2回転子に配された磁極対のピッチよりも短い
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ギア装置。 - 前記第1回転子及び第2回転子に配された磁極対は、該回転子の径方向外側に強い磁界を生成するハルバッハ型磁石である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の磁気ギア装置。
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