JP6483534B2 - 発泡体用組成物及び発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は発泡体用組成物及び発泡体に関する。
靴の底部を構成する靴底材には、靴の着用者の体重を支え運動に伴う荷重や衝撃力に耐えうる硬度、履き心地、軽量性、グリップ性、耐摩耗性が求められている。これらの中でも、適度な硬度と、軽量性、耐摩耗性の要求が大きく、これらの特性に優れた靴底材が求められている。
例えば、特許文献1には、濡れた床面に対するグリップ性を高めた履物底材用架橋発泡体が開示されている。この履物底材用架橋発泡体の原料となる組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、エチレンプロピレン系ゴム、エチレンプロピレン非共役ジエン三元共重合樹脂及び塩素化ポリエチレンより選ばれた合成ゴムと、架橋剤、発泡剤とを含有する。しかしながら、この履物底材用架橋発泡体は、比重は低いものの靴底材としては硬度が低い上、十分な耐摩耗性を有するかについては不明であった。
また、特許文献2には、エチレン−α−オレフィン共重合体と発泡剤とを含有する、靴底材用の組成物が開示されている。しかしながら、この組成物から得られる靴底材は、低比重で圧縮永久歪性、反撥弾性に優れるものの、十分な耐摩耗性を有するかについては不明であった。
さらに、特許文献3には、発泡成形体を有する発泡ソールが開示されている。この発泡成形体の原料となる組成物は、ゴム又はエラストマー、樹脂、補強材、発泡剤を含有する。しかしながら、この発泡成形体は、比較的軽量で熱収縮しにくいものの、比重は0.5程度であり、軽量性については十分とは言えなかった。
特開昭58−125726号公報 特開2004−43606号公報 国際公開第2013/108378号
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、硬度、軽量性、及び耐摩耗性に優れる発泡体、及び、該発泡体を得ることができる発泡体用組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の[1]〜[11]の通りである。
[1] 塩素の含有量が20質量%以上45質量%以下で且つ121℃でのムーニー粘度ML(1+4)が30以上120以下である非結晶性の塩素化ポリエチレン(A)50質量%以上90質量%以下と、少なくともスチレンを単量体とするポリマーであるスチレン系ポリマー(B)5質量%以上25質量%以下と、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)5質量%以上25質量%以下と、からなるポリマー組成物100質量部に対して、安定剤(D)を3質量部以上30質量部以下、補強材(E)を5質量部以上30質量部以下、有機過酸化物(F)を1質量部以上3.5質量部以下、架橋助剤(G)を0.3質量部以上1.5質量部以下、発泡剤(H)を3質量部以上15質量部以下配合した発泡体用組成物。
[2] 前記スチレン系ポリマー(B)の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)が40以上であり、且つ、前記スチレン系ポリマー(B)の単量体全体のうちのスチレンの割合が50質量%以上である[1]に記載の発泡体用組成物。
[3] 前記エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレートが1g/10分以上20g/10分以下である[1]又は[2]に記載の発泡体用組成物。
[4] 前記安定剤(D)が周期律表の第2族の元素の化合物及びハイドロタルサイト石群から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
[5] 前記補強材(E)が、SiO単位を有する無機化合物及びセルロース類から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
[6] 前記有機過酸化物(F)の1分半減期温度が130℃以上である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
[7] 前記架橋助剤(G)は多官能性モノマーであり、シアヌレート類及びアリルフタレート類から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
[8] 前記発泡剤(H)が熱膨張型発泡剤又は熱分解型発泡剤である[1]〜[7]のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の発泡体用組成物を熱処理することによって得られる発泡体。
[10] 23℃での比重が0.05以上0.35以下であり且つJIS K7312−1996附属書2のスプリング硬さ試験タイプC試験方法に規定の方法で測定した硬度が50以上75以下である[9]に記載の発泡体。
[11] 研磨輪の種類がH22、付加力が9.8N、試験回転数が1000回転との条件でJIS K6264−2に規定のテーバー摩耗試験を行って測定した摩耗体積が0.3mm以下である[9]又は[10]に記載の発泡体。
本発明の発泡体用組成物は、硬度、軽量性、及び耐摩耗性に優れる発泡体を得ることができる。また、本発明の発泡体は、硬度、軽量性、及び耐摩耗性に優れる。
本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明者らは、前記従来技術が有する種々の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリマー組成物と、安定剤、補強材、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤とを組み合わせることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本実施形態の発泡体用組成物は、塩素の含有量が20質量%以上45質量%以下で且つ121℃でのムーニー粘度ML(1+4)が30以上120以下である非結晶性の塩素化ポリエチレン(A)50質量%以上90質量%以下と、少なくともスチレンを単量体とするポリマーであるスチレン系ポリマー(B)5質量%以上25質量%以下と、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)5質量%以上25質量%以下と、からなるポリマー組成物100質量部に対して、安定剤(D)を3質量部以上30質量部以下、補強材(E)を5質量部以上30質量部以下、有機過酸化物(F)を1質量部以上3.5質量部以下、架橋助剤(G)を0.3質量部以上1.5質量部以下、発泡剤(H)を3質量部以上15質量部以下配合したものである。
このような本実施形態の発泡体用組成物は、熱処理を施すことによって、硬度、軽量性、及び耐摩耗性に優れ、さらに気泡均一性、耐候性、グリップ性、反撥弾性に優れる発泡体を得ることができる。よって、得られた発泡体は、例えば、靴の底部を構成する靴底材として好適である。
以下に、本実施形態の発泡体用組成物の各成分について説明する。
<(1)塩素化ポリエチレン(A)について>
塩素化ポリエチレンは、非結晶性又は結晶性であり、例えば、原料であるポリエチレンを塩素化することにより得ることができる。ポリエチレンを塩素化する方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン粉末を界面活性剤とともに水に混合してポリエチレン粉末を水に懸濁させた懸濁液、又は、ポリエチレンを溶剤に溶解させた溶液に塩素を導入し、加熱又は紫外線照射により塩素化する方法が挙げられる。
原料であるポリエチレンの種類は特に限定されるものではないが、例えば、高密度又は低中密度のポリエチレンを用いることができる。また、原料であるポリエチレンの分子量は特に限定されるものではないが、その重量平均分子量は13万以上としてもよく、好ましくは14万以上であり、より好ましくは15万以上である。原料であるポリエチレンの重量平均分子量が13万以上であれば、発泡体用組成物から均質なセルを有する発泡体が得られやすい。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定しポリスチレン換算した平均分子量である。
さらに、塩素化ポリエチレン(A)の塩素の含有量は、20質量%以上45質量%以下であり、好ましくは25質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上45質量%以下である。塩素化ポリエチレン(A)の塩素の含有量が上記の数値範囲内であれば、発泡体用組成物から十分な柔軟性を有し且つ比重が小さく軽量性に優れる発泡体が得られやすい。
さらに、塩素化ポリエチレン(A)の121℃でのムーニー粘度ML(1+4)は、30以上120以下であり、好ましくは50以上100以下であり、より好ましくは55以上90以下である。塩素化ポリエチレン(A)の121℃でのムーニー粘度ML(1+4)が上記の数値範囲内であれば、耐摩耗性、圧縮永久歪性等の機械的特性に優れ、且つ均質で比重の小さい発泡体が発泡体用組成物から得られやすい。なお、本発明におけるムーニー粘度ML(1+4)は、JIS K6300に準拠して測定されたものである。
本発明における塩素化ポリエチレン(A)は非晶性である。ここで、本発明における非晶性とは、示差走査熱量計を用い、測定サンプルを室温から毎分10℃の昇温速度で昇温して測定された結晶融解熱量が2.0J/g以下であることを意味する。
塩素化ポリエチレン(A)、スチレン系ポリマー(B)、及びエチレン−α−オレフィン共重合体(C)からなるポリマー組成物中の塩素化ポリエチレン(A)の割合は、50質量%以上90質量%以下であり、好ましくは55質量%以上85質量%以下であり、より好ましくは60質量%以上80質量%以下である。ポリマー組成物中の塩素化ポリエチレン(A)の割合が上記の数値範囲内であれば、発泡体用組成物から比重が小さく軽量性に優れる発泡体が得られやすい。
<(2)スチレン系ポリマー(B)について>
スチレン系ポリマー(B)とは、少なくともスチレンを単量体とするポリマーであり、例えば、ポリスチレンやスチレンと他の単量体との共重合体があげられる。スチレン系ポリマー(B)が共重合体である場合には、スチレンと他の単量体とを合わせた単量体全体のうちのスチレンの割合は50質量%以上としてもよく、好ましくは52質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上である。単量体全体のうちのスチレンの割合が50質量%以上であれば、発泡体用組成物から耐摩耗性に優れる発泡体が得られやすい。
スチレン系ポリマー(B)の種類は特に限定されるものではなく、樹脂(スチレン系樹脂)でもよいし、エラストマー(スチレン系エラストマー)でもよい。スチレン系樹脂としては、例えばスチレンブタジエン熱可塑性樹脂があげられ、スチレン系エラストマーとしては、例えばスチレンブタジエンエラストマーがあげられる。スチレン系ポリマー(B)の具体例としては、JSR株式会社製のハイスチレンゴム JSR0061が挙げられる。
また、スチレン系ポリマー(B)の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)は、40以上としてもよく、好ましくは41以上であり、より好ましくは43以上である。スチレン系ポリマー(B)の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)が40以上であれば、発泡体用組成物から耐摩耗性に優れる発泡体が得られやすい。なお、スチレン系ポリマー(B)のメルトフローレートは1g/10分以上15g/10分以下としてもよく、好ましくは1g/10分以上13g/10分以下であり、より好ましくは1g/10分以上10g/10分以下である。なお、本発明において、スチレン系ポリマー(B)のメルトフローレートは、JIS K7210に準拠し、温度200℃、荷重49Nの条件下で測定されたものである。
ポリマー組成物中のスチレン系ポリマー(B)の割合は、5質量%以上25質量%以下であり、好ましくは8質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上15質量%以下である。ポリマー組成物中のスチレン系ポリマー(B)の割合が上記の数値範囲内であれば、発泡体用組成物から発泡体を得る際の発泡が十分となるため、比重が小さく軽量性に優れる発泡体が得られやすい。
<(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(C)について>
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば炭素数3以上20以下のα−オレフィンがあげられる。エチレンと共重合されるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−ウンデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンの中でも、炭素数が3以上10以下のα−オレフィンが好ましく、特に1−ブテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレートは1g/10分以上20g/10分以下としてもよく、好ましくは2g/10分以上20g/10分以下であり、より好ましくは3g/10分以上18g/10分以下である。エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレートが上記の数値範囲内であれば、発泡体用組成物から均質な発泡体が得られやすい。なお、本発明において、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレートは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重21.18Nの条件下で測定されたものである。
ポリマー組成物中のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)の割合は、5質量%以上25質量%以下であり、好ましくは10質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上15質量%以下である。ポリマー組成物中のエチレン−α−オレフィン共重合体(C)の割合が上記の数値範囲内であれば、発泡体用組成物の混練加工性が良好であるため、発泡体用組成物から発泡体を得る際の発泡が十分となるとともに、発泡が均一となり、比重が小さく軽量性に優れる発泡体が得られやすい。
<(4)安定剤(D)について>
本実施形態の発泡体用組成物に配合される安定剤(D)の種類は、発泡体用組成物の熱安定性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、有機錫系化合物等が挙げられる。有機錫系化合物としては、例えば、ブチル錫ラウレート、ブチル錫マレート、ブチル錫メルカプト、オクチル錫マレート等が挙げられる。複合安定剤では、例えば、カルシウム−亜鉛−錫系等の混合物やハイドロタルサイト等が挙げられる。
これらの安定剤(D)の中では、周期律表の第2族の元素の化合物及びハイドロタルサイト石群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ハイドロタルサイト及び酸化マグネシウムがより好ましい。
これらの安定剤(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の発泡体用組成物においては、ポリマー組成物100質量部に対する安定剤(D)の配合量は3質量部以上30質量部以下であり、好ましくは5質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上25質量部以下である。安定剤(D)の配合量が3質量部以上であれば、発泡体の熱安定性が優れている。一方、安定剤(D)の配合量が30質量部以下であれば、発泡体の機械的特性が優れている。
<(5)補強材(E)について>
本実施形態の発泡体用組成物に配合される補強材(E)の種類は特に限定されるものではないが、SiO単位を有する無機化合物及びセルロース類から選ばれる少なくとも1種が好ましい。SiO単位を有する無機化合物の具体例としては、ホワイトカーボン(シリカ)、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムが挙げられる。シリカには湿式法及び乾式法で得られたものがあるが、いずれも使用可能である。また、セルロース類の具体例としては、セルロース等の繊維物質が挙げられる。これらの補強材(E)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の発泡体用組成物においては、ポリマー組成物100質量部に対する補強材(E)の配合量は5質量部以上30質量部以下であり、好ましくは10質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上25質量部以下である。補強材(E)の配合量が5質量部以上であれば、補強材(E)の補強効果が十分に得られるため、発泡体の硬度、機械的強度、及び耐摩耗性が優れている。一方、補強材(E)の配合量が30質量部以下であれば、発泡体用組成物の加工性及び粘着性が優れているため、発泡体からなる各種製品を製造しやすい。
<(6)有機過酸化物(F)について>
本実施形態の発泡体用組成物に配合される有機過酸化物(F)の種類は、発泡体用組成物中の各種ポリマー(A)、(B)、(C)を架橋反応させることができるならば特に限定されるものではなく、例えば、ステアロイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ,2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などが挙げられる。これらの有機過酸化物(F)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの有機過酸化物(F)の中では、1分半減期温度が130℃以上であるものが好ましい。1分半減期温度が130℃以上であれば、発泡体用組成物から発泡体を得る際の発泡が十分となり、比重が小さく軽量性に優れる発泡体が得られやすい。
なお、有機過酸化物(F)の1分半減期温度とは、有機過酸化物(F)が分解して1分間で初期の活性酸素量が半分になる温度である。その測定方法は特に限定されるものではないが、ラジカルに対して比較的不活な溶媒(例えばベンゼン)中で、複数の温度で有機過酸化物(F)の半減期を求め、それらのデータをプロットする方法によって得ることができる。
本実施形態の発泡体用組成物においては、ポリマー組成物100質量部に対する有機過酸化物(F)の配合量は1質量部以上3.5質量部以下であり、好ましくは1質量部以上3.3質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上3質量部以下である。有機過酸化物(F)の配合量が1質量部以上であれば、発泡体用組成物の架橋反応が速く進行し、機械的強度及び耐摩耗性に優れる発泡体が得られやすい。一方、有機過酸化物(F)の配合量が3.5質量部以下であれば、発泡体用組成物から発泡体を得る際の発泡が良好となるため、発泡体用組成物の加工性が優れている。
<(7)架橋助剤(G)について>
本実施形態の発泡体用組成物に配合される架橋助剤(G)は、エチレン性二重結合を2つ以上有するものであり、例えば、p−キノンジオキシム、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートアクリルメタクリレート、ジアリルフタレート、メタクリル酸亜鉛が挙げられる。
これらの架橋助剤(G)の中では、シアヌレート類及びアリルフタレート類から選ばれる少なくとも1種が好ましく、架橋効率をより高めることができることから、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンジマレイミドがより好ましい。
これらの架橋助剤(G)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の発泡体用組成物においては、ポリマー組成物100質量部に対する架橋助剤(G)の配合量は0.3質量部以上1.5質量部以下であり、好ましくは0.3質量部以上1.3質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上1.3質量部以下である。架橋助剤(G)の配合量が0.3質量部以上であれば、発泡体用組成物の架橋反応が速く進行し、機械的強度及び耐摩耗性に優れる発泡体が得られやすい。一方、架橋助剤(G)の配合量が1.5質量部以下であれば、発泡体用組成物から発泡体を得る際の発泡が良好となるため、発泡体用組成物の加工性が優れている。
<(8)発泡剤(H)について>
本実施形態の発泡体用組成物に配合される発泡剤(H)の種類は特に限定されるものではなく、熱分解型発泡剤(化学発泡剤)及び熱膨張型発泡剤(物理発泡剤)のいずれも使用することができる。
熱分解型発泡剤としては、有機系熱分解型発泡剤及び無機系熱分解型発泡剤が挙げられる。有機系熱分解型発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン}等のアゾ化合物や、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物や、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジン)等のヒドラジン誘導体や、トリヒドラジノトリアジンがあげられる。
また、無機系熱分解型発泡剤の具体例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩や、炭酸アンモニウム等の炭酸塩があげられる。
これらの熱分解型発泡剤の中では、アゾジカルボンアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、炭酸水素アンモニウムが特に好ましい。
なお、これらの熱分解型発泡剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、熱膨張型発泡剤(物理発泡剤)としては、有機系物理発泡剤及び無機系物理発泡剤があげられる。有機系物理発泡剤の具体例としては、シクロペンタン、プロパン、ブタン等の脂肪族炭化水素類や、ジクロルエタン等の塩化炭化水素類や、フロン等のフッ化塩化炭化水素類があげられる。また、無機系物理発泡剤の具体例としては、二酸化炭素等があげられる。これらの熱膨張型発泡剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、熱膨張型発泡剤を用いて発泡体用組成物を発泡させつつ成形を行い発泡体を得る場合は、熱膨張型発泡剤を予め発泡体用組成物に混合しておき、発泡体用組成物を加熱することにより熱膨張型発泡剤を熱膨張させつつ成形を行い発泡体を得る方法を採用することができる。あるいは、熱膨張型発泡剤を含有しない発泡体用組成物を加熱する際に発泡体用組成物に熱膨張型発泡剤を添加し、発泡させつつ成形を行い発泡体を得る方法を採用することもできる。
本実施形態の発泡体用組成物においては、ポリマー組成物100質量部に対する発泡剤(H)の配合量は3質量部以上15質量部以下であり、好ましくは5質量部以上15質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上13質量部以下である。発泡剤(H)の配合量が3質量部以上であれば、泡が均一に配された発泡体が得られやすい。一方、発泡剤(H)の配合量が15質量部以下であれば、発泡体の角部に割れが発生しにくいので、良好な発泡体が得られやすい。
なお、本実施形態の発泡体用組成物には、必要に応じて、安定剤(D)、補強材(E)、有機過酸化物(F)、架橋助剤(G)、発泡剤(H)以外の添加剤を添加してもよい。添加可能な添加剤としては、例えば、滑剤、可塑剤、軟化材、加工助剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤があげられる。
また、本実施形態の発泡体用組成物は、未架橋且つ未発泡状態の組成物であり、溶融状態又は冷却固化したシート又はペレットであってもよい。
ペレット状の発泡体用組成物は、塩素化ポリエチレン(A)、スチレン系ポリマー(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)、安定剤(D)、補強材(E)、有機過酸化物(F)、架橋助剤(G)、発泡剤(H)を、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー等の混練機にて、分解しない温度(通常は130℃以下)で溶融可塑化し、均一に混合分散させた後に、造粒機にて造粒することにより調製することができる。
あるいは、塩素化ポリエチレン(A)、スチレン系ポリマー(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)、安定剤(D)、補強材(E)、有機過酸化物(F)、架橋助剤(G)、発泡剤(H)を、ヘンシエルミキサー等で混合し、押出機等の混練機にて分解しない温度(通常は130℃以下)で溶融可塑化し、均一に混合分散させた後に、造粒機にて造粒することによっても調製することができる。
また、シート状の発泡体用組成物は、塩素化ポリエチレン(A)、スチレン系ポリマー(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)、安定剤(D)、補強材(E)、有機過酸化物(F)、架橋助剤(G)、発泡剤(H)を、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー等の混練機にて、一般的に過酸化物や発泡剤が分解しない温度、すなわち通常は60℃以上130℃未満で溶融可塑化し、均一に混合分散させた後に、シート状に加工することにより調製することができる。シート状に加工する方法としては、例えば、ロール混練機でシート化する方法、プレス成形機でシート化する方法、押出機のTダイ又は環状ダイを通してシート化する方法が挙げられる。
このような本実施形態の発泡体用組成物を熱処理し、発泡及び架橋反応を生じさせることによって、発泡体を得ることができる。熱処理の条件は特に限定されるものではないが、温度は130℃以上200℃以下としてもよい。また、本実施形態の発泡体用組成物を熱処理する際には、金型を用いてもよく、金型に本実施形態の発泡体用組成物を充填して加熱及び成形を行ってもよいが、その際の型締め圧力は2.94MPa以上25.4MPa以下としてもよい。さらに、熱処理時間(発泡及び架橋反応を行う時間)は、5分以上60分以下としてもよい。
得られた本実施形態の発泡体の各種物性は、以下の通りであってもよい。すなわち、JIS K7222に規定の方法で測定した23℃での比重は、0.05以上0.35以下であってもよい。また、JIS K7312−1996附属書2のスプリング硬さ試験タイプC試験方法に規定の方法で測定した硬度(以下「アスカーC硬度」と記すこともある)は、50以上75以下であってもよい。
さらに、JIS K6251に規定の方法で測定した破断強度は、2MPa以上であってもよい。さらに、JIS K6262に規定の方法で測定した圧縮永久歪は、85%以下であってもよい。さらに、JIS K6255に規定の方法で測定した反撥弾性率は、20%以上50%以下であってもよい。さらに、研磨輪の種類がH22、付加力が9.8N、試験回転数が1000回転との条件でJIS K6264−2に規定のテーバー摩耗試験を行って測定した摩耗体積は、0.3mm以下であってもよい。
発泡体用組成物を熱処理して得られた本実施形態の発泡体には、再度熱処理(以下「二次熱処理」と記すこともある)を施してもよい。例えば、本実施形態の発泡体を金型に入れ、温度120℃以上200℃以下、型締め圧力2.94MPa以上25.4MPa以下、熱処理時間5分以上60分以下との条件で圧縮成形し、二次熱処理を行ってもよい。あるいは、本実施形態の発泡体を乾燥機又はギヤーオーブン機に入れ、常圧下、温度120℃以上200℃以下、熱処理時間10分以上60分以下との条件で二次熱処理を行ってもよい。このような二次熱処理を本実施形態の発泡体に施して、発泡及び架橋反応をさらに行うことにより、二次発泡体を得ることができ、この二次発泡体も本発明の発泡体に包含される。
得られた二次発泡体の各種物性は、以下の通りであってもよい。すなわち、JIS K7222に規定の方法で測定した23℃での比重は、0.05以上0.35以下であってもよい。また、アスカーC硬度は、50以上75以下であってもよい。さらに、JIS K6251に規定の方法で測定した破断強度は、2MPa以上であってもよい。さらに、JIS K6262に規定の方法で測定した圧縮永久歪は、85%以下であってもよい。さらに、JIS K6255に規定の方法で測定した反撥弾性率は、20%以上50%以下であってもよい。さらに、研磨輪の種類がH22、付加力が9.8N、試験回転数が1000回転との条件でJIS K6264−2に規定のテーバー摩耗試験を行って測定した摩耗体積は、0.3mm以下であってもよい。
さらに、本実施形態の発泡体及び二次発泡体には、さらに熟成処理を施してもよい。熟成処理としては加熱処理があげられる。例えば、本実施形態の発泡体又は二次発泡体を乾燥機又はギヤーオーブン機に入れ、例えば常圧下、温度70℃で22時間加熱して熟成処理を施してもよい。このような熟成処理が施された発泡体及び二次発泡体(以下「熟成発泡体」と記すこともある)も、本発明の発泡体に包含される。
上記のような物性を有する本実施形態の発泡体、二次発泡体、及び熟成発泡体は、肌荒れが少なく、柔軟な感触である。また、破断強度が高く、圧縮永久歪みが小さく、反撥弾性率が高く、しかも耐摩耗性が優れていると共に、賦形性にも優れる。
本実施形態の発泡体は、例えば以下のような方法により作製することができる。前述の方法によって調製されたシート状の発泡体用組成物を、130℃以上200℃以下の温度に保持された金型内に挿入する。このとき、シート状の発泡体用組成物は、金型空間であるキャビティの容積に対して105%以上130%以下の範囲のサイズに裁断して用いる。そして、金型の型締め圧力を2.94MPa以上25.4MPa以下とし、熱処理を5分間以上60分間以下施して、発泡体(一次発泡体)を作製する。
このようにして得られた一次発泡体を乾燥機又はギヤーオーブン機に入れ、常圧下、温度130℃以上160℃以下、熱処理時間20分以上60分以下との条件で二次熱処理を行って、二次発泡体を作製する。
さらに、得られた二次発泡体を乾燥機又はギヤーオーブン機に入れ、常圧下、温度50℃以上100℃以下、熱処理時間30分間以上60分間以下との条件で熟成処理を施し、熟成発泡体を作製する。
なお、本発明においては、得られた発泡体の物性試験は、後述のようにスキン層を除去したサンプルを使用する。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
以下に発泡体用組成物及び発泡体の実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
塩素化ポリエチレン(A)とスチレン系ポリマー(B)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)とを、温度130℃に設定された10インチ(254mm)ミキシングロール(日豊工機株式会社製)に投入し、前記3種のポリマー(A)、(B)、(C)が均一に相溶されるまで混練してポリマー組成物を得た。ミキシングロールの回転速度は、フロント側のロールが22rpm、バック側のロールが27.8rpmである。また、相溶に要した時間は、約20分間であった。なお、前記3種のポリマー(A)、(B)、(C)の種類及び配合比は、表1に示す通りである(配合比の数値の単位は質量部である)。
Figure 0006483534
次に、上記と同様の条件に設定された10インチ(254mm)ミキシングロールに、ポリマー組成物を巻きつけた後に、安定剤(D)及び補強材(E)を添加し、均一に混合した。なお、安定剤(D)及び補強材(E)の種類及び配合比は、表1に示す通りである(配合比の数値の単位は質量部である)。
続いて、上記の10インチ(254mm)ミキシングロールの温度を90℃に設定し、架橋剤である有機過酸化物(F)及び架橋助剤(G)を添加して分散させた後に、発泡剤(H)を添加した。そして、これらを均一に分散をさせるために切り返しを5回実施し、2つのロール間のギャップを0.5mmに設定して丸め通しをさらに5回実施した後に、所望の厚さのシートを成形した。なお、有機過酸化物(F)、架橋助剤(G)、及び発泡剤(H)の種類及び配合比は、表1に示す通りである(配合比の数値の単位は質量部である)。
こうして得られたシートをプレス金型に充填し、圧力19.6MPa、温度160℃、時間12分間の条件で加圧、加熱して発泡及び架橋反応を行って、発泡体(一次発泡体)を得た。使用したプレス金型のサイズは、厚さ7mm、縦115mm、横165mmである。
次に、得られた一次発泡体を、温度150℃に設定されたギヤーオーブン試験機(株式会社東洋精機製作所製)にて30分間エージング(二次熱処理)して、発泡及び架橋反応をさらに行うことにより、二次発泡体を得た。
さらに、この二次発泡体を、温度70℃に設定されたギヤーオーブン試験機(株式会社東洋精機製作所製)にて22時間熟成処理して、熟成発泡体を得た。このようにして得られた発泡体のサイズは、厚さ約10mm、縦約150mm、横約200mmであった。
なお、表1に記載した各種ポリマー(A)、(B)、(C)及び各種添加剤(D)、(E)、(F)、(G)、(H)は、それぞれ以下の通りである。
<塩素化ポリエチレン(A)>
A−1:昭和電工株式会社製エラスレン301A(塩素の含有量:32質量%、121℃でのムーニー粘度ML(1+4):85、結晶量(結晶融解熱量):2J/g以下)
A−2:昭和電工株式会社製エラスレン401A(塩素の含有量:40質量%、121℃でのムーニー粘度ML(1+4):115、結晶量(結晶融解熱量):2J/g以下)
A−3:昭和電工株式会社製エラスレン302NA(塩素の含有量:30質量%、121℃でのムーニー粘度ML(1+4):45、結晶量(結晶融解熱量):2J/g以下)
A−4:昭和電工株式会社製エラスレン301MA(塩素の含有量:32質量%、121℃でのムーニー粘度ML(1+4):120超、結晶量(結晶融解熱量):2J/g以下)
A−5:昭和電工株式会社製エラスレン303A(塩素の含有量:32質量%、121℃でのムーニー粘度ML(1+4):20、結晶量(結晶融解熱量):2J/g以下)
A−6:昭和電工株式会社製エラスレン352GB(塩素の含有量:35質量%、結晶量(結晶融解熱量):20J/g、121℃でのムーニー粘度ML(1+4):結晶量が多いため正確な測定は不可)
<スチレン系ポリマー(B)>
B−1:JSR株式会社製ハイスチレンゴム JSR0061(単量体全体のうちのスチレンの割合:67質量%、100℃でのムーニー粘度ML(1+4):62)
B−2:AMERIPOL CHEMICAL社製AMERIPOL4906(単量体全体のうちのスチレンの割合:48質量%、100℃でのムーニー粘度ML(1+4):32)
<エチレン−α−オレフィン共重合体(C)>
C−1:日本ポリエチレン株式会社製低密度ポリエチレン ノバテックLL UJ371(エチレン−ブテン共重合体、メルトフローレート(MFR):16g/10分)
C−2:日本ポリエチレン株式会社製低密度ポリエチレン ノバテックLL UF420(エチレン−ブテン共重合体、MFR:0.9g/10分)
C−3:日本ポリエチレン株式会社製低密度ポリエチレン ノバテックLL UJ480(エチレン−ブテン共重合体、MFR:30g/10分)
C−4:三井デュポンポリケミカル株式会社製エチレン系ポリマー エバフレックスEV460(エチレン−酢酸ビニル共重合体(単量体全体のうちの酢酸ビニルの割合は19質量%)、MFR:2.5g/10分)
なお、C−4のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)の対照用として用いるものであり、そのメルトフローレートは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重21.18Nの条件下で測定されたものである。
<安定剤(D)>
D−1:協和化学工業株式会社製ハイドロタルサイト DHT−4A
<補強材(E)>
E−1:東ソー・シリカ株式会社製シリカ ニップシールVN−3
E−2:日本アエロジル株式会社製シリカ アエロジルR972
E−3:日本製紙株式会社製セルロース繊維 KCフロック W−400Y
E−4:白石カルシウム株式会社製炭酸カルシウム 白艶華CC
<有機過酸化物(F)>
F−1:日油株式会社製ジクミルペルオキシド パークミルD−40(40%希釈品)(1分半減期温度:175℃)
<架橋助剤(G)>
G−1:日本化成株式会社製トリアリルイソシアヌレート タイクWH−60
<発泡剤(H)>
H−1:永和化成工業株式会社製発泡剤 エクセラー AK#2(アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン系)
[実施例2〜11及び比較例1〜9]
ポリマー(A)、(B)、(C)及び添加剤(D)、(E)、(F)、(G)、(H)の種類及び配合比を表1に示すように変更した点以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜9の発泡体(熟成発泡体)を得た。
次に、実施例1〜11及び比較例1〜9の発泡体について、発泡成形性、比重、反撥弾性率、アスカーC硬度、引張強度(破断強度)、破断伸び、圧縮永久歪性、及び耐摩耗性を、下記の方法に従って評価又は測定した。評価結果及び測定結果を表1に示す。
<発泡成形性>
発泡体中のセルの均質性を調べ、発泡成形性を以下の3段階で評価した。
○:セルが均一で緻密なもの
△:部分的にセルが不均一なもの
×:発泡不良で評価可能な発泡体が得られなかったもの
<比重>
株式会社東洋精機製作所製のDENSIMETER D−H100を用いて、スキン層の部分を除去した発泡体(以下「スキンOFFの発泡体」と記す)の比重を測定した。なお、発泡体の表面をスライサーを用いて除去することにより、スキン層の部分を除去した。
<反撥弾性>
スキンOFFの発泡体の反撥弾性率を、JIS K6255に規定の方法で測定した。
<アスカーC硬度>
スキンOFFの発泡体のアスカーC硬度を、JIS K7312−1996附属書2のスプリング硬さ試験タイプC試験方法に規定の方法で測定した。
<引張試験>
スキンOFFの発泡体をシート状に成形し、その発泡体シートの引張試験をJIS K6251に規定の方法で行い、引張強度(破断強度)及び破断伸び測定した。測定温度は23℃であり、引張速度は500min/mmである。
<圧縮永久歪性>
スキンOFFの発泡体の圧縮永久歪性を、JIS K6262に規定の方法で測定した。すなわち、スキンOFFの発泡体の試験片を圧縮装置に組み込んで圧縮して(圧縮率は50%)歪みを与えた後に、試験片を組み込んだ圧縮装置を温度70℃の恒温槽に投入して22時間放置した。試験片を組み込んだ圧縮装置を恒温槽から取り出して、圧縮装置から試験片を開放し、室温で30分間放置した後に厚さを測定した。そして、圧縮前後の試験片の厚さから、圧縮歪み量を算出した。
<耐摩耗性>
スキンOFFの発泡体の耐摩耗性(摩耗体積)を、JIS K6264−2に規定のテーバー摩耗試験を行って測定した。試験条件は、試験温度23℃、研磨輪の種類H22、付加力9.8N、試験回転数1000回転である。
表1に示す評価結果及び測定結果から分かるように、実施例1〜11の発泡体は、発泡成形性(気泡均一性)に優れるとともに、硬度、軽量性(低比重)、機械的特性(破断強度、破断伸び)、及び耐摩耗性に優れ、さらに、圧縮永久歪性(グリップ性)、反撥弾性に優れていた。
これに対して比較例1の発泡体は、塩素化ポリエチレン(A)の割合が高いため、発泡が不十分であり、比重が高かった。
また、比較例2の発泡体は、スチレン系ポリマー(B)の割合が高いため、発泡体中のセルが不均一となり、比重が高かった。
比較例3は、塩素化ポリエチレン(A)の割合が低いため、発泡不良が生じて発泡体が得られなかった。
比較例4の発泡体は、塩素化ポリエチレン(A)のムーニー粘度が高いため、発泡が不十分となり、比重が高かった。
比較例5、6の発泡体は、塩素化ポリエチレン(A)のムーニー粘度が低いため、発泡が不均一となり、耐摩耗性が低かった。
比較例7の発泡体は、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用したため、耐摩耗性が低かった。
比較例8の発泡体は、補強材を使用していないため、耐摩耗性が低かった。
比較例9の発泡体は、補強材の量が多いため、発泡不足となり、比重及び硬度が高くなった。

Claims (11)

  1. 塩素の含有量が20質量%以上45質量%以下で且つ121℃でのムーニー粘度ML(1+4)が30以上120以下である非結晶性の塩素化ポリエチレン(A)50質量%以上90質量%以下と、少なくともスチレンを単量体とするポリマーであるスチレン系ポリマー(B)5質量%以上25質量%以下と、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)5質量%以上25質量%以下と、からなるポリマー組成物100質量部に対して、安定剤(D)を3質量部以上30質量部以下、補強材(E)を5質量部以上30質量部以下、有機過酸化物(F)を1質量部以上3.5質量部以下、架橋助剤(G)を0.3質量部以上1.5質量部以下、発泡剤(H)を3質量部以上15質量部以下配合した発泡体用組成物。
  2. 前記スチレン系ポリマー(B)の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)が40以上であり、且つ、前記スチレン系ポリマー(B)の単量体全体のうちのスチレンの割合が50質量%以上である請求項1に記載の発泡体用組成物。
  3. 前記エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレートが1g/10分以上20g/10分以下である請求項1又は請求項2に記載の発泡体用組成物。
  4. 前記安定剤(D)が周期律表の第2族の元素の化合物及びハイドロタルサイト石群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
  5. 前記補強材(E)が、SiO単位を有する無機化合物及びセルロース類から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
  6. 前記有機過酸化物(F)の1分半減期温度が130℃以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
  7. 前記架橋助剤(G)は多官能性モノマーであり、シアヌレート類及びアリルフタレート類から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
  8. 前記発泡剤(H)が熱膨張型発泡剤又は熱分解型発泡剤である請求項1〜7のいずれか一項に記載の発泡体用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の発泡体用組成物を熱処理することによって得られる発泡体。
  10. 23℃での比重が0.05以上0.35以下であり且つJIS K7312−1996附属書2のスプリング硬さ試験タイプC試験方法に規定の方法で測定した硬度が50以上75以下である請求項9に記載の発泡体。
  11. 研磨輪の種類がH22、付加力が9.8N、試験回転数が1000回転との条件でJIS K6264−2に規定のテーバー摩耗試験を行って測定した摩耗体積が0.3mm以下である請求項9又は請求項10に記載の発泡体。
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