JP6482083B2 - 無効電力補償装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、無効電力補償装置に関する。
アーク炉などの負荷は急激な負荷変動を生じ、無効電力の変動、有効電力の変動、歪み電流および逆相電流の4つの要因によって、電圧フリッカが発生する。電圧フリッカを発生する負荷を有する需要家は、電力会社が定めた電圧フリッカの規制値以内に電圧フリッカを抑制する必要がある。無効電力補償装置は、電圧フリッカの発生を抑制するために電力系統に連系されて用いられる。自己消弧型の電力スイッチング素子を含む自励式変換器を有する自励式無効電力補償装置は、電圧フリッカのような、不規則かつ急峻な無効電力変動の抑制に有効であることが知られている。
自励式無効電力補償装置は、優れた電圧フリッカ改善性能を持つ一方で、自励式変換器を構成する自己消弧形の電力スイッチング素子が高速スイッチングするため、スイッチング損失等による運転ロスが発生する。負荷から発生する電圧フリッカが小さい場合であっても、無効電力補償装置自体の運転を継続すると運転ロスが発生し、むだなエネルギを消費するおそれがある。
特開平10−201101号公報
実施形態は、負荷より発生する電圧フリッカの発生量を判定し、電圧フリッカの発生量が大きいときに無効電力補償装置を動作させ、電圧フリッカの発生量が小さいときに無効電力補償装置を停止して運転ロスを低減することによって、効率的な運転を行う無効電力補償装置を提供する。
実施形態に係る無効電力補償装置は、電力系統に連系して無効電力を供給する電力変換部と、電圧フリッカ値を検出する周期である第1周期での第1電圧フリッカ値と、前記第1周期よりも後の第2周期までに前記第1電圧フリッカ値に積算された第2電圧フリッカ値と、を検出するフリッカ検出部と、複数のしきい値を有し、前記複数のしきい値のそれぞれと前記第1電圧フリッカ値とにもとづいて前記第1周期における第1信号を生成し、前記複数のしきい値のそれぞれと前記第2電圧フリッカ値とにもとづいて前記第2周期における第2信号を生成するフリッカ判定部と、前記第1信号および前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を動作または停止させる制御部と、を備える。前記複数のしきい値は、第1しきい値と、第2しきい値と、を含む。前記第1しきい値は、前記第1周期から前記第2周期にわたって同一の値をとり、前記第2しきい値は、時間に対して単調に増加し、前記第1周期から前記第2周期にわたって前記第1しきい値よりも小さい値をとり、前記フリッカ判定部は、前記第1電圧フリッカ値が前記第1しきい値以上のときには、前記制御部が前記第1信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、前記第1電圧フリッカ値が前記第2しきい値よりも小さいときには、前記制御部が前記第1信号にもとづいて前記電力変換部を停止させ、前記第1電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さく、前記第2しきい値以上のときには、前記第1周期の直前の前記電力変換部の状態を維持し、前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値以上のときには、前記制御部が前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、前記第2電圧フリッカ値が前記第2しきい値よりも小さいときには、前記制御部が前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を停止させ、前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さく、前記第2しきい値以上のときには、前記第2周期の直前の前記電力変換部の状態を維持する。前記複数のしきい値は、第3しきい値をさらに含む。前記第3しきい値は、時間に対して単調に増加し、前記第1周期から前記第2周期にわたって前記第2しきい値よりも大きい値をとり、前記第1周期において前記第1しきい値よりも小さく、前記第2周期において前記第1しきい値よりも大きい値をとる。前記フリッカ判定部は、前記第1電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さくかつ前記第3しきい値以上のときには、前記制御部が前記第1信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、前記第1電圧フリッカ値が前記第3しきい値よりも小さくかつ前記第2しきい値以上のときには、前期制御部が前記第1周期の直前の前記電力変換部の状態を維持し、前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも大きく、前記第3しきい値よりも小さいときには、前記制御部が前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、前記第2電圧フリッカ値が前記記第1しきい値よりも小さく、前記第2しきい値以上のときには、前記制御部が前記第2周期の直前の前記電力変換部の状態を維持する。
本実施形態では、異なる時間ごとに取得された電圧フリッカ値と複数のしきい値のそれぞれとを比較して、電力変換部を動作または停止させるフリッカ判定部を備えるので、電圧フリッカの発生量が少ないときに電力変換部の動作を停止させて運転ロスを低減することができ、効率的な運転を行うことが可能である。
第1の実施形態に係る自励式無効電力補償装置を例示するブロック図である。 図1の自励式無効電力補償装置のフリッカ判定部の動作を説明する図である。 図1の自励式無効電力補償装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。 第2の実施形態に係る自励式無効電力補償装置を例示するブロック図である。 図4の自励式無効電力補償装置のフリッカ推定部およびフリッカ判定部の動作を説明する図である。 図4の自励式無効電力補償装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る自励式無効電力補償装置を例示するブロック図である。
図2は、図1の自励式無効電力補償装置のフリッカ判定部の動作を説明する図である。
図3は、図1の自励式無効電力補償装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
図1に示すように、本実施形態の自励式無効電力補償装置1は、電力変換部10と、制御回路20と、を備える。自励式無効電力補償装置1は、母線3を介して、電力系統2に連系されている。また、自励式無効電力補償装置1は、母線3に接続された系統電圧検出部31および母線3に接続されたフリッカ発生負荷4に流れる線電流を検出する電流検出部32に接続されている。系統電圧検出部31は、たとえば計器用変圧器であり、母線3の電圧を検出する。電流検出部32は、たとえば計器用変流器である。フリッカ発生負荷4は、たとえば製鋼用アーク炉、圧延機あるいは溶接機等のように、供給電力が急峻な変動を生じ、電圧フリッカを発生する装置や機器である。自励式無効電力補償装置1は、連系される電流検出部32によって検出されたフリッカ発生負荷4に流れる線電流および系統電圧検出部31によって検出されたフリッカ発生負荷4が接続されている母線3の電圧を自励式無効電力補償装置の制御回路20に入力し、これらにもとづいて無効電力を制御し、電圧フリッカの発生量を抑制する。
電力変換部10は、変圧器12と、主回路14と、を含んでいる。変圧器12は、主回路14で生成された無効電力を昇圧して母線3を介して電力系統2へ供給する。主回路14は、母線3の電圧、フリッカ発生負荷4の線電流、および自己が出力する電流にもとづいて、制御回路20によって生成された制御信号によって、適切な振幅、周波数および位相の出力電圧および出力電流を生成する。電力変換部10は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の自己消弧型半導体素子による高周波スイッチング動作を行うインバータ回路である。
制御回路20は、フリッカ監視部22と、フリッカ検出部23と、フリッカ判定部24と、制御部25と、を含む。制御回路20は、フリッカ発生負荷4から発生し、検出された電圧フリッカ値としきい値とを比較する。制御回路20は、電圧フリッカ値がしきい値よりも大きいときには、電力変換部10に対して出力電圧および出力電流を制御するための制御信号を送出し、電圧フリッカ値がしきい値よりも小さいときには、電力変換部10に対して、電力変換部10を停止させる信号、たとえばゲートブロック信号を送出する。電力変換部10は、制御信号を受信したときには、無効電力補償動作を行い、ゲートブロック信号を受信したときには、無効電力補償動作を停止する。
フリッカ監視部22は、系統電圧検出部31および電流検出部32の出力に接続されている。フリッカ監視部22は、母線3の電圧およびフリッカ発生負荷4に流れる線電流を入力して、10Hzに換算した電圧フリッカ値ΔV10を1分間積分値として測定する。フリッカ検出部23は、フリッカ監視部22によって測定される電圧フリッカ値をn秒周期で検出する。ここで、nは、1から60までの整数であり、たとえば、n=1[秒]である。以下では、特に断らない限りn=1[秒]として説明する。nは、電圧フリッカ値を検出する周期であることから、以下では検出周期と呼ぶ。また、検出周期nごとに積算された電圧フリッカ値をΔV10(n)と表すこととする。つまり、ΔV10=ΔV10(60)である。
フリッカ判定部24は、フリッカ検出部23に接続されている。フリッカ判定部24は、電圧フリッカ値ΔV10に対して3つのしきい値ΔV10th,ΔV10reg1,ΔV10reg2を有する。n=1[秒]ごとに検出された電圧フリッカ値ΔV10(n)は、3つのしきい値ΔV10th,ΔV10A(n),ΔV10B(n)のそれぞれと比較される。3つのしきい値のうちの1つは、ΔV10thである。ΔV10thは、電圧フリッカ値ΔV10の検出周期n=1[秒]ごとに一定のしきい値を与える。3つのしきい値のうち残りの2つΔV10A(n)およびΔV10B(n)は、検出周期nに応じて増大するしきい値である。n=60[秒]において、ΔV10A(n)は、ΔV10reg1に、ΔV10B(n)は、ΔV10reg2に等しい。つまり、任意の検出周期nにおけるΔV10A(n),ΔV10B(n)と、ΔV10reg1,ΔV10reg2と、の関係は、以下のように表すことができる。
ΔV10A(n)=(ΔV10reg1/60)×n
ΔV10B(n)=(ΔV10reg2/60)×n
ΔV10reg1は、ΔV10reg2よりも大きい値を有する。したがって、ΔV10A(n)は、全検出周期nにわたって、ΔV10B(n)よりも大きい。
より具体的には、図2に示すように、ΔV10thは、時間に依存しない一定のしきい値であり、ΔV10A(n)およびΔV10B(n)は、時間とともに線形に増大するしきい値である。ΔV10A(n)およびΔV10B(n)は、電圧フリッカ値ΔV10(n)の測定始期においては、いずれも0である。フリッカ値の測定の終期(60秒)では、ΔV10reg1>ΔV10th>ΔV10reg2となるように設定されている。
フリッカ判定部24の各しきい値ΔV10th,ΔV10A(n),ΔV10B(n)と、検出周期nにおける電圧フリッカ値ΔV10(n)との関係は、以下のとおりである。すなわち、電圧フリッカ値ΔV10(n)が、しきい値ΔV10thよりも大きいときには、フリッカ判定部24は、フリッカ発生負荷4の線電流および母線3の電圧にもとづいて、無効電力補償動作のための制御信号を制御部25へ送信する。電圧フリッカ値ΔV10(n)が、しきい値ΔV10A(n)よりも大きいときには、制御部25によって、無効電力補償動作のための制御信号を電力変換部10へ送信する。電圧フリッカ値ΔV10(n)が、しきい値ΔV10B(n)よりも小さいときには、フリッカ判定部24は、制御部25によって、ゲートブロック信号を電力変換部10へ送信する。上述以外の条件の場合には、後述するように、電圧フリッカ値ΔV10(n)と検出周期ごとの各しきい値との大小関係によって、フリッカ判定部24の動作は異なる。
制御部25は、フリッカ判定部24から出力された、電圧フリッカ値ΔV10(n)と各しきい値との比較結果にしたがって、制御信号またはゲートブロック信号を生成して、電力変換部10に供給する。電力変換部10は、制御信号を受けた場合には無効電力補償動作を行い、ゲートブロック信号を受けた場合には無効電力補償動作を停止する。
図3のフローチャートを用いて、本実施形態の自励式無効電力補償装置1の動作について説明する。図3に示すように、フリッカ検出部23によって検出された電圧フリッカ値ΔV10(n)は、フリッカ判定部24において、検出周期nごとに、各しきい値ΔV10th,ΔV10A(n),ΔV10B(n)と比較される。比較された結果、制御部25は、電力変換部10に対する適切な信号を生成する。
ステップS1において、制御回路20によって、検出周期n=1[秒]に設定される。nの初期値は、あらかじめ設定されており、制御回路20内の図示しない記憶部等に格納されている。なお、nの値は、1〜60[秒]の範囲で任意の整数に設定することができる。
ステップS2において、制御回路20によって、検出周期nが60[秒]以上であるか否かが判定される。nが60[秒]以上である場合には、この判定サイクルのプログラムを終了し、開始に戻って次の判定サイクルのプログラムを開始させる。nが60[秒]に満たない場合には、次のステップに遷移する。
ステップS3において、フリッカ検出部23によって、n=1[秒]のときの電圧フリッカ値ΔV10(1)が検出される。
ステップS4において、フリッカ判定部24によって、電圧フリッカ値ΔV10(1)と、しきい値ΔV10thと、の大小関係が比較される。電圧フリッカ値ΔV10(1)がしきい値ΔV10th以上の場合には、ステップS5に遷移する。ステップS5では、制御部25によって、制御信号が生成され、生成された制御信号は、電力変換部10に供給される。この制御信号によって電力変換部10は、無効電力補償動作を行う。その後、処理は、次のステップS6に遷移し、検出周期nに1を加算して、ステップS2に戻る。
ステップS4において、フリッカ判定部24によって、電圧フリッカ値ΔV10(1)が、しきい値ΔV10thよりも小さいと判定された場合には、ステップS7に遷移する。
ステップS7において、フリッカ判定部24によって、電圧フリッカ値ΔV10(1)と、しきい値ΔV10A(1)との大小関係が比較される。電圧フリッカ値ΔV10(1)が、しきい値ΔV10A(1)以上の場合には、ステップS5に遷移し、制御部25によって制御信号が生成される。ステップS5では、制御信号によって、電力変換部10は、無効電力補償動作を行う。その後、ステップS6に遷移して、次の検出周期のためのサイクルを繰り返す。電圧フリッカ値ΔV10(1)が、しきい値ΔV10A(1)よりも小さい場合には、ステップS8に遷移する。
ステップS8において、フリッカ判定部24によって、電圧フリッカ値ΔV10(1)と、しきい値ΔV10B(1)と、の大小関係が比較される。電圧フリッカ値ΔV10(1)が、しきい値ΔV10B(1)よりも小さい場合には、ステップS9に遷移する。ステップS9では、制御部25によって、ゲートブロック信号が電力変換部10に送出されて、電力変換部10の動作が停止する。その後、ステップS6に遷移して、次の検出周期のためのサイクルを繰り返す。
ステップS8では、電圧フリッカ値ΔV10(1)がしきい値ΔV10B(1)以上の場合には、1つ前の検出周期の動作状態を維持する。つまり、ステップS10において、フリッカ判定部24によって、直前の検出周期で、電力変換部10が制御部25から制御信号を受けて無効電力補償動作をしていた場合には、無効電力補償動作が継続される。直前の検出周期において、電力変換部10を停止させるようにゲートブロック信号が送出されている場合には、電力変換部10の停止状態が維持される。ステップS10の実行後、ステップS6を経てステップS2に戻って次のサイクルを繰り返す。
図2には、各しきい値とともに、自励式無効電力補償装置1の動作の具体例が合わせて示されている。以下では、図3のフローチャートにあてはめて、この具体例の動作について説明する。
図2の具体例E1では、検出周期n=0[秒]〜n1[秒]の範囲では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも小さく(ステップS4)、しきい値ΔV10A(n)よりも大きい(ステップS7)。したがって、ステップS5において、フリッカ判定部24は、制御部25に対して無効電力補償動作を行うための制御信号を電力変換部10に送出するように指令する。自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を行う。
検出周期n=n1[秒]〜n2[秒]の範囲では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも小さく(ステップS4)、しきい値ΔV10A(n)よりも小さく(ステップS7)、しきい値Δ10B(n)よりも大きい(ステップS8)。したがって、ステップS10において、直前の検出周期における動作を継続する指令を制御部25に対して送出する。つまり、自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を行う。
検出周期n=n2[秒]〜n3[秒]の範囲では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも小さく(ステップS4)、しきい値ΔV10A(n)よりも大きい(ステップS7)。したがって、自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を行う。
検出周期n=n3[秒]以降では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも大きいので(ステップS4)、自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を行う。
上述のように、具体例E1の場合には、全検出期間にわたって、自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を行う。
次に、具体例E2の場合について説明する。検出周期n=0[秒]〜n4[秒]の範囲では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも小さく(ステップS4)、しきい値ΔV10A(n)よりも小さく(ステップS7)、しきい値ΔV10B(n)よりも小さい(ステップS8)。したがって、フリッカ判定部24は、制御部25に対してゲートブロック信号を電力変換部10に供給するように指令を送出する。自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を停止する。
検出周期n=n4[秒]〜n5[秒]の範囲では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも小さく(ステップS4)、しきい値ΔV10A(n)よりも小さく(ステップS7)、しきい値ΔV10B(n)よりも大きい(ステップS8)。したがって、フリッカ判定部24は、制御部25に対して、直前の検出周期における動作を継続する指令を送出する。つまり、自励式無効電力補償装置1は、動作停止状態を維持する。
検出周期n=n5[秒]以降では、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10thよりも大きい(ステップS4)。したがって、フリッカ判定部24は、制御部25に対して制御信号を生成して電力変換部10に送出するように指令する。自励式無効電力補償装置1は、無効電力補償動作を行う。
このようにして、本実施形態の自励式無効電力補償装置1では、電圧フリッカ値ΔV10(n)を検出周期nごとに、各しきい値ΔV10th,ΔV10A(n),ΔV10B(n)と比較して、無効電力補償動作を行うか否かを決定する。
本実施形態の自励式無効電力補償装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態の自励式無効電力補償装置1は、電圧フリッカ値ΔV10(n)と、3つのしきい値ΔV10th,ΔV10A(n),ΔV10B(n)のそれぞれとを、電圧フリッカ値ΔV10(n)の検出周期nごとに比較して、制御部25に対して制御信号またはゲートブロック信号を電力変換部10に対して送出する指令を有するフリッカ判定部24を備えている。そのため、電圧フリッカ値ΔV10(n)の大きさが大きいときに無効電力補償動作をさせて、電圧フリッカ値ΔV10の大きさが小さいときに無効電力補償動作停止させることができる。電圧フリッカ値ΔV10(n)が小さいときに、電力変換部10を停止させることができるので、自励式無効電力補償装置1は、電圧フリッカ値ΔV10を規定値に抑えつつ、消費電力を低減させることが可能になる。
自励式無効電力補償装置1のフリッカ判定部24は、しきい値ΔV10reg1よりも小さく、ΔV10reg2よりも大きい、検出周期nによらないしきい値ΔV10thを有している。そのため、具体例E2のように、電圧フリッカ値ΔV10(n)が取得期間中で急激に増大した場合であっても、電力変換部10を無効電力補償動作に切り替えることができるので、効率の高い無効電力補償動作を行いつつ、確実にフリッカ発生を抑制することが可能になる。
上述の例では、検出周期nを1[秒]として説明したが、検出周期nは、n=2[秒]やn=10[秒]等n=1〜60[秒]の任意の自然数に設定することができる。たとえば、n=2[秒]に設定する場合には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1でn=2に設定し、ステップS5で繰り返しループごとに2[秒]を加算するようにすればよい。
(第2の実施形態)
図4は、本実施形態に係る自励式無効電力補償装置を例示するブロック図である。
図5は、図4の自励式無効電力補償装置のフリッカ推定部およびフリッカ判定部の動作を説明する図である。
図6は、図4の自励式無効電力補償装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
第1の実施形態の自励式無効電力補償装置1では、電圧フリッカ値ΔV10の検出周期nごとに、電圧フリッカ値ΔV10(n)と、各しきい値とを比較して、電力変換部10の動作または停止を決定する。本実施形態の自励式無効電力補償装置1aでは、必ずしも検出周期nごとに電圧フリッカ値ΔV10(n)と複数のしきい値との比較を行わない。自励式無効電力補償装置1aでは、所定の区間の電圧フリッカ値ΔV10(n)のデータを取得し、取得されたデータにもとづいて未来の電圧フリッカ値ΔV10(n+m)を予測して、その予測値としきい値とを比較する。電圧フリッカの積分値は、時間に対してほぼ線形に増大するので、複数の電圧フリッカ値を実際に検出して、この複数の電圧フリッカ値にもとづいて線形の推定式を算出する。算出された線形推定式を用いて未来の電圧フリッカ値を求めて、しきい値との比較を行う。
図4に示すように、本実施形態の自励式無効電力補償装置1aは、制御回路20aを備えており、制御回路20aは、フリッカ推定部28を有する。本実施形態の自励式無効電力補償装置1aの他の構成については、第1の実施形態の自励式無効電力補償装置1と同じであり、同じ構成要素については同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。
フリッカ推定部28の入力は、フリッカ検出部23の出力に接続されており、フリッカ推定部28の出力は、フリッカ判定部24の入力に接続されている。フリッカ推定部28は、フリッカ検出部23から検出周期nごとに電圧フリッカ値ΔV10(n)を取得する。取得された電圧フリッカ値ΔV10(n)は、フリッカ推定部28の記憶部28aに格納される。たとえば、記憶部28aには、1分間の積算期間の最初の10秒間10個の電圧フリッカ値が別々の場所に格納されている。フリッカ推定部28は、演算部28bを有している。演算部28bは、たとえば10[秒]の区間内の電圧フリッカ値ΔV10にもとづいて、その時点(たとえば、n=10[秒])における電圧フリッカ値ΔV10の線形近似式を計算する。つまり、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、以下の式(1)のように表される。
ΔV10(n)=S×n+b (1)
ここで、Sは、検出周期nに対する電圧フリッカ値の増分の割合である。bは、時間n=0のときの電圧フリッカ値に相当する。
式(1)については、推定区間Diに含まれる(n,ΔV10(n))の組を用いて、最小二乗法によって導出することができる。線形近似の手法については、他の周知のものを用いてもよい。
フリッカ推定部28において、計算されたΔV10(n)の推定式(1)を用いて、未来の電圧フリッカ値ΔV10(n+m)が求められる。フリッカ判定部24において、未来の電圧フリッカ値ΔV10(n+m)としきい値ΔV10th’との大小関係を比較することによって、電力変換部10の動作判定が行われる。ここで、mは、任意の自然数であり、この例ではm=30[秒]としている。つまり、未来の電圧フリッカ値として、30[秒]先の推定値を用いて電力変換部10の動作判定が行われる。なお、未来の電圧フリッカ値の判定時として、固定値を用いてもよい。たとえば、各推定区間Diにおいて、ΔV10(60)の値を推定し、しきい値ΔV10th’との比較を行ってもよい。
図5を用いて、ΔV10(n)の推定式(1)としきい値ΔV10th’との関係について具体的に説明する。図5には、横軸に検出周期n、縦軸に、検出周期ごとの電圧フリッカ値ΔV10(n)が積算値として示されている。しきい値ΔV10th’は、検出周期nによらない一定値である。しきい値ΔV10th’は、第1の実施形態の自励式無効電力補償装置1のフリッカ判定部24が有するしきい値ΔV10thと等しい値であってもよい。n=60[秒]におけるしきい値ΔV10reg2’は、ΔV10th’よりも小さい値である。座標(0,0)と(60,ΔV10reg2’)とを結んだ直線の傾きを、傾きに関するしきい値Sth=ΔV10reg2’/60とする。しきい値ΔV10reg2’は、第1の実施形態の自励式無効電力補償装置1のしきい値ΔV10reg2と等しい値であってもよい。
本実施形態の自励式無効電力補償装置1aでは、検出周期nごとに、電圧フリッカ値ΔV10(n)としきい値ΔV10th’とを比較して、電圧フリッカ値ΔV10(n)がしきい値ΔV10th’よりも大きいときには、電力変換部10を動作させる。電圧フリッカ値ΔV10(n)がしきい値ΔV10th’よりも小さいときには、式(1)の係数Sとしきい値Sthとを比較し、(n+m)[秒]における電圧フリッカ値ΔV10(n+m)の値としきい値ΔV10th’との大小関係が比較される。推定区間Diは、検出周期nをj個含む一定の期間である。
図6のフローチャートを用いて、本実施形態の自励式無効電力補償装置1aの動作を説明する。この例では、検出周期nを1[秒]、推定区間Diを10[秒]としている。推定区間Diとは、連続する複数の検出周期nを含む区間であり、未来の検出周期における電圧フリッカ値を推定するために、複数の検出周期および電圧フリッカ値の組を含んでいる。推定区間Diを10[秒]とした場合、1つの推定区間には、j=10個の検出周期および電圧フリッカ値の組が含まれている。そして、電圧フリッカの判定サイクル60[秒]の間には、6個の推定区間D1,D2,…,D6が含まれている。この例では、m=30[秒]として、30[秒]先の電圧フリッカ値を推定するものとする。
この例では、プログラムの開始後、最初の推定区間D1において、1[秒]から10[秒]の間でj=10個の電圧フリッカ値ΔV10(1),…ΔV10(10)を求め、ΔV10(n)の線形近似式を推定する。推定された線形近似式から、n+30=40[秒]における電圧フリッカ値ΔV10(40)としきい値ΔV10th’との大小比較を行い、電力変換部10の動作判定を行う。次に、推定区間D2において、検出周期nが11[秒]〜20[秒]の電圧フリッカ値ΔV10(11),…,V10(20)を測定して、これらからΔV10(20)の線形式を推定し、n+30=50[秒]の電圧フリッカ値ΔV10(50)の推定値としきい値ΔV10th’との比較を行う。同様に、推定区間D3において、検出周期nが21[秒]〜30[秒]におけるΔV10(30)の推定式を求め、n+30=60[秒]における電圧フリッカ値としきい値との比較を行う。なお、推定区間D4以降においては、30[秒]先の時間は、判定サイクルの60[秒]を超過するが、以下の例では、60[秒]を超える仮想的な検出周期が存在するものとして、計算および推定を繰り返す。すなわち、D4において計算された推定式によって、n+30=70[秒]におけるΔV10(70)を計算し、D5において計算された推定式によって、n+30=80[秒]のおけるΔV10(80)を計算する。それぞれの電圧フリッカ値の推定値としきい値ΔV10th’との比較を行う。検出周期nは、上述の推定区間の個数iおよび推定区間内のデータ個数jを用いて以下のように表すことができる。
n=10×(i−1)+j (2)
この例では、i=1〜6の自然数、j=1〜10の自然数である。
ステップS11およびステップS12において、制御回路20では、検出周期nを1[秒]に設定するために式(2)より、i=1およびj=1が設定される。
ステップS13において、制御回路20によって、検出周期nが60[秒]を超えたか否かが判定される、検出周期nが60[秒]を超えたときには、この電圧フリッカ値の判定サイクルを終了し、次の1分間の電圧フリッカ値の判定サイクルを開始する。検出周期nが60[秒]に満たないときには、次のステップに遷移する。
ステップS14において、フリッカ検出部23によって、検出周期n=1[秒]のときの電圧フリッカ値ΔV10(1)を検出し、その値をフリッカ推定部28の記憶部28aに格納する。
ステップS15において、フリッカ判定部24によって、電圧フリッカ値ΔV10(1)としきい値ΔV10th’との大小関係を比較する。電圧フリッカ値ΔV10(1)がしきい値ΔV10th’以上のときには、制御部25に対して電力変換部10を動作させる制御信号を送出すべき指令を送出する。
ステップS16において、制御部25によって、電力変換部10に対して制御信号を送出し、電力変換部10は、無効電力補償動作を行う。その後、電圧フリッカ値ΔV10(n)は、しきい値ΔV10th’を下回ることはないので、プログラムを終了し、この判定サイクルの残り時間だけ電力変換部10が無効電力補償動作をすることを継続する。その後、次の判定サイクルを開始する。
ステップS15において、フリッカ判定部24によって、電圧フリッカ値ΔV10(1)がしきい値ΔV10th’よりも小さいと判定されたときには、次のステップS17に遷移する。
ステップS17において、制御回路20によって、検出周期および電圧フリッカ値のデータの組が10個に達したか否かを判定する。これら10個のデータの組は、それぞれ記憶部28aの異なるアドレスに格納されている。データの組の個数が10個に達していないときには、ステップS18において、データ個数jに1を加算して、ステップS13に戻る。組のデータ個数jが10個に達した場合には、次のステップへ遷移する。
ステップS19において、フリッカ推定部28によって、記憶部28aにそれぞれ格納されている各検出周期n=1,…,10の電圧フリッカ値ΔV10(1),…,ΔV10(10)にもとづいて、最小二乗法によって、式(1)の係数Sおよび定数bを算出する。
ステップS20において、フリッカ判定部24によって、係数S(10)としきい値Sthとの大小関係を比較する。係数S(10)がしきい値Sth以上のときには、ステップS21に遷移し、係数Sがしきい値Sthよりも小さいときには、ステップS24に遷移する。
ステップS21においては、フリッカ判定部24によって、n=10[秒]よりも30[秒]先の、すなわちn=40[秒]のときの電圧フリッカ値ΔV10(40)と、しきい値ΔV10th’との大小関係を比較する。n=40[秒]のときの電圧フリッカ値ΔV10(40)は、フリッカ推定部28で求められた係数Sおよび定数bを用いて式(1)から計算される。
電圧フリッカ値ΔV10(40)が、しきい値ΔV10th’以上のときには、ステップS22に遷移して、電力変換部10が無効電力補償動作を行うように制御部25が制御信号を送出する。その後、ステップS23において、制御部25によって、iに1を加算して、次の推定区間D2の判定ステップを実行する。
電圧フリッカ値ΔV10(40)が、しきい値ΔV10th’よりも小さいときには、ステップS24において、制御部25は、ゲートブロック信号を電力変換部10に送出し、無効電力補償動作を停止させる。
ステップS24を実行した後には、ステップS23において、制御回路20によって、iに1を加算して次の推定区間D2の判定ステップを実行する。
図5のグラフには、具体例E3(太実線)が合わせて示されており、図6のフローチャートにあてはめてより具体的に自励式無効電力補償装置1aの動作について説明する。具体例E3では、検出周期n=1〜10[秒]の期間、すなわち、推定区間D1では、すべての取得期間の電圧フリッカ値ΔV10(1),…,ΔV10(10)は、しきい値ΔV10th’よりも小さい(ステップS15)。フリッカ推定部28によって計算された係数Sは、図5においては、具体例E3の推定区間D1における傾きを表している。推定区間D1における係数Sは、しきい値Sthよりも大きい(ステップS20)が、式(1)から計算されるn=40のときの電圧フリッカ値ΔV10(40)の推定値は、図5のプロットP1に示すように、しきい値ΔV10th’よりも少し小さい(ステップS21)。したがって、n=10[秒]の時点においては、電力変換部10は、無効電力補償動作を行わず、停止状態である。なお、初期状態(0[秒]〜10[秒])では、電力変換部10は停止状態なので、0[秒]から次の推定区間直前の20[秒]まで、電力変換部10は停止状態が維持される。
次の推定区間D2(11[秒]〜20秒[秒])では、各電圧フリッカ値ΔV10(11),…,ΔV10(20)は、すべてしきい値ΔV10th’よりも小さい(ステップS15)。係数Sは、しきい値Sthよりも小さい(ステップS20)。図5のプロットP2に示すように、n=50[秒]における電圧フリッカ値ΔV10(50)の推定値もしきい値ΔV10th’よりも小さい(ステップS21)。したがって、フリッカ判定部24は、制御部25が電力変換部10にゲートブロック信号を送出して無効電力補償動作を停止するように動作する。
次の推定区間D3(21[秒]〜30[秒])では、各電圧フリッカ値ΔV10(21),…,ΔV10(30)は、すべてしきい値ΔV10th’よりも小さい(ステップS15)が、係数Sはしきい値Sthよりも大きい(ステップS20)。しかし、図5のプロットP3に示すように、n=60[秒]における電圧フリッカ値ΔV10(60)の推定値は、しきい値ΔV10th’よりも小さいので、フリッカ判定部24は、制御部25に対して、電力変換部10が無効電力補償動作を停止することを継続するように指令する。
さらに、次の推定区間D4(31[秒]〜40[秒])では、各電圧フリッカ値ΔV10(31),…,ΔV10(40)は、すべてしきい値ΔV10th’よりも小さい(ステップS15)が、係数Sは、しきい値Sthよりも大きい(ステップS20)。また、n=70[秒]における電圧フリッカ値ΔV10(70)の推定値は、しきい値ΔV10th’よりも大きい。同様に、推定区間D5(41[秒]〜50[秒])においても、各電圧フリッカ値ΔV10(41),…,ΔV10(50)は、しきい値ΔV10th’よりも小さく(ステップS15)、係数Sは、しきい値Sthよりも大きい(ステップS20)。n=80[秒]における電圧フリッカ値ΔV10(80)は、しきい値ΔV10th’よりも大きい(ステップS21)。したがって、推定区間D4,D5の推定計算の結果、n=50[秒]〜60[秒]の間では、電力変換部10が無効電力補償動作を行う(プロットP4およびP5)。
本実施形態の自励式無効電力補償装置1aの作用および効果について説明する。
上述のように、本実施形態の自励式無効電力補償装置1aでは、フリッカ推定部28を有している。そのため、適切に係数しきい値Sthを設定し、推定区間Dnに含まれる各電圧フリッカ値ΔV10(n)にもとづいて、未来の電圧フリッカ値ΔV10(n+m)を推定することができる。自励式無効電力補償装置1aでは、推定された未来の電圧フリッカ値ΔV10(n+m)と、しきい値ΔV10th’との大小関係の比較を行うことによって、全検出期間中における早期の期間において、電力変換部10の動作を停止させる条件を広く設定することができる。そのため、より電力変換部10の運転ロスを低減して省エネルギ効果を向上させることが可能になる。
第1の実施形態の自励式無効電力補償装置1では、検出周期の早期の期間において、電圧フリッカ値ΔV10(n)がしきい値ΔV10A(n)を超えると、電力変換部10が無効電力補償動作を行うので、しきい値ΔV10thに対して十分余裕があるにもかかわらず電力変換部10の動作にともなうロスが発生する場合がある。これに対して、本実施形態の自励式無効電力補償装置1aでは、未来の電圧フリッカ値ΔV10(n+m)としきい値ΔV10th’とを比較するので、電圧フリッカ値の検出の初期段階において、電力変換部10の無効電力補償動作を停止させることができる。したがって、電力変換部10が動作する期間を短くすることによって、より効率的な運転を行うことができる。
上述の第2の実施形態においては、推定区間Diに含まれる複数のデータを用いて、最小二乗法によって未来の電圧フリッカ値のための線形推定式を求めたが、他の方法によって線形推定式を求めてもよい。たとえば、推定区間Diを規定する始期および終期の検出周期と、それぞれの電圧フリッカ値との2つのデータの組から線形推定式を求めることによって、演算量を減らすことができる。また、フリッカ発生負荷の動作等によってフリッカの発生が時間に対して非線形となる場合には、線形近似以外のフィッティング手法を用いてもよい。
以上説明した実施形態によれば、電圧フリッカの発生量が小さいときに無効電力補償装置を停止して運転ロスを低減することによって、効率的な運転を行う自励式無効電力補償装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1,1a 自励式無効電力補償装置、2 電力系統、3 母線、4 フリッカ発生負荷、10 電力変換部、12 変圧器、14 主回路、20,20a 制御回路、22 フリッカ監視部、23 フリッカ検出部、24 フリッカ判定部、25 制御部、28 フリッカ推定部、31 系統電圧検出部、32 電流検出部

Claims (1)

  1. 電力系統に連系して無効電力を供給する電力変換部と、
    電圧フリッカ値を検出する周期である第1周期での第1電圧フリッカ値と、前記第1周期よりも後の第2周期までに前記第1電圧フリッカ値に積算された第2電圧フリッカ値と、を検出するフリッカ検出部と、
    複数のしきい値を有し、前記複数のしきい値のそれぞれと前記第1電圧フリッカ値とにもとづいて前記第1周期における第1信号を生成し、前記複数のしきい値のそれぞれと前記第2電圧フリッカ値とにもとづいて前記第2周期における第2信号を生成するフリッカ判定部と、
    前記第1信号および前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を動作または停止させる制御部と、
    を備え、
    前記複数のしきい値は、第1しきい値と、第2しきい値と、を含み、
    前記第1しきい値は、前記第1周期から前記第2周期にわたって同一の値をとり、
    前記第2しきい値は、時間に対して単調に増加し、前記第1周期から前記第2周期にわたって前記第1しきい値よりも小さい値をとり、
    前記フリッカ判定部は、
    前記第1電圧フリッカ値が前記第1しきい値以上のときには、前記制御部が前記第1信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、
    前記第1電圧フリッカ値が前記第2しきい値よりも小さいときには、前記制御部が前記第1信号にもとづいて前記電力変換部を停止させ、
    前記第1電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さく、前記第2しきい値以上のときには、前記第1周期の直前の前記電力変換部の状態を維持し、
    前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値以上のときには、前記制御部が前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、
    前記第2電圧フリッカ値が前記第2しきい値よりも小さいときには、前記制御部が前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を停止させ、
    前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さく、前記第2しきい値以上のときには、前記第2周期の直前の前記電力変換部の状態を維持し、
    前記複数のしきい値は、第3しきい値をさらに含み、
    前記第3しきい値は、時間に対して単調に増加し、前記第1周期から前記第2周期にわたって前記第2しきい値よりも大きい値をとり、前記第1周期において前記第1しきい値よりも小さく、前記第2周期において前記第1しきい値よりも大きい値をとり、
    前記フリッカ判定部は、
    前記第1電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さくかつ前記第3しきい値以上のときには、前記制御部が前記第1信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、
    前記第1電圧フリッカ値が前記第3しきい値よりも小さくかつ前記第2しきい値以上のときには、前期制御部が前記第1周期の直前の前記電力変換部の状態を維持し、
    前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも大きく、前記第3しきい値よりも小さいときには、前記制御部が前記第2信号にもとづいて前記電力変換部を動作させ、
    前記第2電圧フリッカ値が前記第1しきい値よりも小さく、前記第2しきい値以上のときには、前記制御部が前記第2周期の直前の前記電力変換部の状態を維持する無効電力補償装置。
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