JP6481736B1 - ゴム組成物、変性ジエン系重合体及び変性ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

ゴム組成物、変性ジエン系重合体及び変性ジエン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工性、シリカの分散性に優れるゴム組成物、変性ジエン系重合体、及び、変性ジエン系重合体の製造方法の提供。【解決手段】下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体と、シリカとを含有する、ゴム組成物、変性ジエン系重合体及びその製造方法。式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、X2はスルホン系保護基、カルバメート系保護基及び−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は炭化水素基を表す。【選択図】なし

Description

本発明はゴム組成物、変性ジエン系重合体及び変性ジエン系重合体の製造方法に関する。
従来、タイヤの転がり抵抗低減のため、タイヤに用いられるゴム組成物にはシリカが多用されている。シリカは粒子同士が凝集しやすく、ゴムへの分散は一般的に困難である。シリカの分散を高めるためには、例えば、液状ゴムを添加する方法が知られている。
液状ゴムを含有するゴム組成物としては、例えば、特許文献1に、シリカの分散性を高めるタイヤトレッド用ゴム組成物の提供を目的して、高ビニル、高分子量スチレンブタジエン共重合体ゴムを50重量部以上含むジエン系ゴム100重量部に対して、BET比表面積100〜300m2/gのシリカを80重量%以上含む補強性充填剤30〜150重量部、及びカルボキシル基を1分子当たり2〜10個有し、数平均分子量が10000〜60000の液状ポリイソプレンを1〜20重量部配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物が記載されている。
特開2008−297445号公報
このようななか、本発明者らは特許文献1を参考にしてカルボキシル基を有する液状ポリイソプレンを含有するゴム組成物を調製しこれを評価したところ、このような組成物は、ムーニー粘度を改善できず加工性が低く、シリカの分散性が低い場合があることが明らかとなった(比較例1)。
そこで、本発明は、ゴム組成物の加工性を優れたものにでき、かつ、シリカの分散性の改善に繋がる、変性ジエン系重合体を提供することを目的とする。
また、本発明は、ゴム組成物、及び、変性ジエン系重合体の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、変性ジエン系重合体が所定の基を有することによって所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1]
下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体と、シリカとを含有する、ゴム組成物。

式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、*は結合位置を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
[2]
上記式(I)において、X1が窒素原子であり、n2が1であり、X2が上記式(X2−1)を表す、[1]に記載のゴム組成物。
[3]
上記式(I)において、X1が酸素原子又は硫黄原子であり、n2が0である、[1]に記載のゴム組成物。
[4]
上記式(I)で表される基が、有機基を介して、上記変性ジエン系重合体の側鎖又は末端に結合する、[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5]
上記式(II)で表される基が、有機基を介して、上記変性ジエン系重合体の側鎖又は末端に結合する、[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[6]
更に、ジエン系ゴム(ただし上記変性ジエン系重合体を除く。)を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のゴム組成物。
[7]
下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体。

式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、*は結合位置を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
[8]
酸無水物基を有するジエン系重合体と、
式(III)で表されるヘテロ環化合物と、
式(IV)で表されるアミノシランカップリング剤とを反応させることによって、[7]に記載の変性ジエン系重合体を製造する、変性ジエン系重合体の製造方法。

式(III)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

式(IV)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表す。
[9]
上記酸無水物基に対する、上記ヘテロ環化合物が有するヘテロ環における窒素原子に結合する活性水素の当量数(式(III)におけるNH<由来の活性水素/酸無水物基)が0.1〜2.0モル当量である、[8]に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
[10]
上記酸無水物基に対する、上記アミノシランカップリング剤が有するアミノ基及び/又はイミノ基の活性水素の当量数(式(IV)におけるNH(R1-4)−由来の活性水素/酸無水物基)が0.1〜4.0モル当量である、[8]又は[9]に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
[11]
上記酸無水物基を有するジエン系重合体が、23℃の環境下において、液状である、[8]〜[10]のいずれかに記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
本発明のゴム組成物は、加工性、シリカの分散性に優れる。
本発明の変性ジエン系重合体によれば、加工性、シリカの分散性に優れるゴム組成物が得られる。
本発明の製造方法によれば、本発明の変性ジエン系重合体を製造できる。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその製造方法について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
[変性ジエン系重合体]
本発明の変性ジエン系重合体(本発明の化合物)は、
下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体である。

式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、*は結合位置を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
本発明の化合物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明の化合物が式(I)で表される基において有するヘテロ環は親水性を有する。また、本発明の化合物は式(II)で表される基において加水分解性シリル基(−Si−(OR1-2m1(R1-3m2)を有する。
本発明の化合物をシリカに対して使用する場合、上記親水性及び上記加水分解性シリル基を有することによって、本発明の化合物はシリカと相互作用しやすいと考えられる。
このように、本発明の化合物は、上記親水性及び上記加水分解性シリル基によって、シリカの分散性を高め、未加硫ゴムにおけるムーニー粘度を低くでき、加工性に優れると本発明者らは推測する。
以下、本発明について詳述する。
本発明の化合物において、式(I)で表される基は、本発明の化合物の骨格と結合できる。式(I)で表される基は、直接又は有機基を介して本発明の化合物の骨格と結合できる。上記有機基は特に制限されない。式(I)で表される基は、例えば、本発明の化合物の側鎖及び/又は末端に結合できる。
式(II)で表される基も同様である。
<<式(I)で表される基>>
本発明の化合物が有する式(I)で表される基は以下のとおりである。
(X1
式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
上記式(I)において、X1は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、酸素原子、窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
(X3
式(I)中、X3は炭化水素基(1価の炭化水素基)を表す。上記炭化水素基は特に制限されない。例えば、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐状又は環状を含む。)、芳香族炭化水素基、及び、これらの組合せが挙げられる。
式(I)で表される基がX3を有する場合(n3が1〜4)、炭化水素基は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、炭素原子と水素原子のみからなるものが好ましい。
(n3)
式(I)中、n3は0〜4を表す。
n3は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、0が好ましい。
(*)
式(I)中、*は結合位置を表す。上記*において、式(I)で表される基は、本発明の化合物の骨格と結合できる。
式(I)で表される基は、上記*において、直接又は有機基を介して本発明の化合物の骨格と結合できる。上記有機基は特に制限されない。
なお、式(II)で表される基における*は、上記*と同様である。
(X1が窒素原子である場合)
式(I)中、X1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
・スルホン系保護基
スルホン系保護基としては、例えば、メタンスルホニル基、トシル基及びノシル基が挙げられる。
・カルバメート系保護基
カルバメート系保護基としては、例えば、tert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基及び9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基が挙げられる。
・式(X2−1)で表される基
式(X2−1):−(R−O)n4−Hにおいて、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表す。
・・R
式(X2−1)において、Rとしての2価の炭化水素基は特に制限されない。例えば、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐状又は環状を含む。)、芳香族炭化水素基、及び、これらの組合せが挙げられる。
上記2価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状、又は、これらの組合せの何れであってもよい。
2価の炭化水素基は、炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。
2価の炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基が挙げられる。
・・n4
式(X2−1)において、n4は1〜10を表し、1〜5が好ましい。
(X1が酸素原子又は硫黄原子である場合)
式(I)において、X1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。
(有機基)
本発明において、式(I)で表される基は、有機基を介して、本発明の化合物の骨格と結合できる。また、式(I)で表される基は、例えば、上記骨格の側鎖又は末端に結合できる。
上記有機基は特に制限されない。上記有機基としては、例えば、炭素数2以上の、2価又は3価の連結基が挙げられる。
上記有機基としては、具体的には例えば、
HOOC−CH2−CaH−*、
a2−CH(COOH)−*、
a2−CaH−*、で表される連結基が挙げられる。
上記各連結基において、*は上記連結基が本発明の化合物の骨格と結合する結合位置を表し、Caは式(I)で表される基又は式(II)で表される基が結合し得る炭素原子を表す。
・上記連結基におけるカルボキシ基
HOOC−CH2−CaH−*及びCa2−CH(COOH)−*におけるカルボキシ基は、シリカの分散に寄与できる。
・Ca2−CaH−*
上記Ca2−CaH−*において、2つのCaのうち、いずれか一方のCaに、式(I)で表される基又は式(II)で表される基が結合できる。
(式(I′)又は式(II′)で表される基)
本発明の化合物は、更に、下記式(I′)又は式(II′)で表される基を有することができる。
本発明の化合物が更に下記式(I′)又は式(II′)で表される基を有する場合、上記連結基が上記Ca2−CaH−*であり、上記2つのCaのうち、いずれか一方のCaに式(I)で表される基又は式(II)で表される基が結合し、上記Caとは別のCaに下記式(I′)で表される基又は式(II′)で表される基が結合ことが好ましい態様の1つとして挙げられる。
・式(I′)で表される基
式(I′)は以下のとおりである。下記に示すように式(I′)で表される基は塩を形成する。

式(I′)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。
式(I′)中の、X1〜X3、n2、n3、*は、それぞれ、上記式(I)で表される基のX1〜X3、n2、n3、*と同様である。
・式(II′)で表される基
式(II′)は以下のとおりである。下記に示すように式(II′)で表される基は塩を形成する。


式(II′)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
式(II′)中の、R1-1〜R1-4、m1、m2、m1+m2、*は、それぞれ、上記式(I)で表される基のR1-1〜R1-4、m1、m2、m1+m2、*と同様である。
(式(I)で表される基を有する基の具体例)
式(I)で表される基を有する基(式(I)で表される基及び上記有機基を含む。)としては、例えば、下記式(I−1)〜式(I−4)、式(V−1)及び式(V−2)で表される基が挙げられる。

上記各式において、*は上記各式で表される基が本発明の化合物の骨格と結合する結合位置を表し、Caは式(I)で表される基、又は、式(I′)若しくは式(II′)で表される基が結合する炭素原子を表す。
式(I−3)又は式(I−4)において、複数のX1は同じであっても異なってもよい。X2、3、n2、n3も同様である。
式(I)で表される基を有する基は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、式(V−1)、式(V−2)で表される基が好ましい。
<<式(II)で表される基>>
本発明の化合物が有する式(II)で表される基は以下のとおりである。
(R1-1
式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基は特に制限されない。例えば、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐状又は環状を含む。)、芳香族炭化水素基、及び、これらの組合せが挙げられる。2価の炭化水素基は、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。2価の炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、イソブチレン基が挙げられる。
(R1-2、R1-3
式(II)中、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表す。1価の炭化水素基は特に制限されない。例えば、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐状又は環状を含む。)、芳香族炭化水素基、及び、これらの組合せが挙げられる。1価の炭化水素基は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
(m1)
式(II)中、m1は1〜3であり、2〜3が好ましい。
(m2)
式(II)中、m2は0〜2であり、0〜1が好ましい。
(m1+m2)
式(II)中、m1+m2は3である。
(R1-4
式(II)中、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表す。1価の炭化水素基は、上記R1-2又はR1-3としての1価の炭化水素基と同様である。
1-4は、加工性により優れるという観点から、水素原子が好ましい。
1-4は、シリカの分散性により優れるという観点から、1価の炭化水素基が好ましい。
(*)
式(II)中、*は結合位置を表す。*は上記式(I)の*と同様である。
(有機基)
本発明において、式(II)で表される基は、有機基を介して、本発明の化合物の骨格と結合できる。また、式(II)で表される基は、例えば、上記骨格の側鎖又は末端に結合できる。
上記有機基は、上記式(I)で表される基が結合し得る有機基と同様である。
(式(II)で表される基を有する基の具体例)
式(II)で表される基を有する基(式(II)で表される基及び有機基を含む。)としては、例えば、下記式(II−1)〜式(II−4)、式(V−3)及び式(V−4)で表される基が挙げられる。

上記各式において、*は上記各式で表される基が本発明の化合物の骨格と結合する結合位置を表し、Caは式(II)で表される基、又は、式(I′)若しくは式(II′)で表される基が結合する炭素原子を表す。
式(II−3)又は式(II−4)において、複数のR1-1は同じであっても異なってもよい。R1-2〜R1-4、m1、m2も同様である。
式(II)で表される基を有する基は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、式(V−3)、式(V−4)で表される基が好ましい。
本発明の化合物は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、式(I−1)〜式(I−4)、式(V−1)及び式(V−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種で表される基と、式(II−1)〜式(II−4)、式(V−3)及び式(V−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種で表される基とを有することが好ましく、
式(I−3)〜式(I−4)、式(V−1)及び式(V−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種で表される基と、式(II−3)〜式(II−4)、式(V−3)及び式(V−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種で表される基とを有することがより好ましく、
式(V−1)で表される基及び/又は式(V−2)で表される基と、式(V−3)で表される基及び/又は式(V−4)で表される基とを有することがさらに好ましい。
(本発明の化合物の骨格)
本発明の化合物の骨格(基本骨格又は主鎖)を構成するジエン系重合体は、共役ジエンによる繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限されない。
上記ジエン系重合体としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)のような芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)及びクロロプレンゴム(CR)のようなジエン系ゴムが挙げられる。
上記骨格は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、ブタジエンゴム、SBRが好ましい。
本発明の化合物の数平均分子量は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、1,000〜50,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましい。
本発明において、本発明の化合物の数平均分子量については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、ポリスチレン換算の分子量に基づくチャートを得て、そのチャートに基づいて求めた。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィの具体的な測定条件は、以下のとおりである。
・測定器:HLC−8020(東ソー社製)
・カラム:GMH−HR−H(東ソー社製)2本を直列に連結した
・検出器:示差屈折計RI−8020(東ソー社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン
・カラム温度:40℃
本発明の化合物は、上記式(I)及び式(II)で表される基の他に、カルボキシ基を更に有してもよい。上記カルボキシ基は、本発明の化合物を製造する際に使用され得る、例えば、カルボキシ基を有するジエン系重合体に由来することができる。上記カルボキシ基は酸無水物基を形成してもよい。
本発明の化合物は、本発明の化合物を製造する際に使用され得る、例えば、カルボキシ基又は酸無水物基を有するジエン系重合体、後述する式(III)で表されるヘテロ環化合物、及び、後述する式(IV)で表されるアミノシランカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含んでもよい。
本発明の化合物は、例えば、ゴム用配合剤として使用できる。
[変性ジエン系重合体の製造方法]
本発明の変性ジエン系重合体の製造方法(本発明の製造方法)は、
酸無水物基を有するジエン系重合体(原料ジエン系重合体)と、
式(III)で表されるヘテロ環化合物と、
式(IV)で表されるアミノシランカップリング剤とを反応させることによって、本発明の変性ジエン系重合体を製造する、変性ジエン系重合体の製造方法である。
本発明の製造方法において、上記原料ジエン系重合体が有する酸無水物基が上記ヘテロ環化合物が有するHN<結合(後述する、式(III)における囲み枠内の基)と反応して、上記酸無水物基は式(I)で表される基に変性される。
また、上記原料ジエン系重合体が有する酸無水物基が上記アミノシランカップリング剤が有するアミノ基又はイミノ基(後述する、式(IV)における上記囲み枠内の基)と反応して、上記酸無水物基は式(II)で表される基に変性される。
このように、上記ヘテロ環化合物及び上記アミノシランカップリング剤は、上記酸無水物基に対する変性剤として機能できる。
<<ヘテロ環化合物>>
本発明の製造方法に使用されるヘテロ環化合物は、下記式(III)で表される化合物である。

式(III)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。
式(III)中、X1〜X3、n2、n3は、それぞれ、上記式(I)で表される基のX1〜X3、n2、n3と同様である。
式(III)で表されるヘテロ環化合物は、ヘテロ環において、イミノ基(下記式(III)における下記囲み枠内の基)を有する。
<<アミノシランカップリング剤>>
本発明の製造方法で使用されるアミノシランカップリング剤は下記式(IV)で表される化合物である。

式(IV)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表す。
式(IV)中、R1-1〜R1-4、m1、m2、m1+m2は、それぞれ、上記式(I)で表される基のR1-1〜R1-4、m1、m2、m1+m2と同様である。
上記式(IV)で表されるアミノシランカップリング剤は、アミノ基(R1-4が水素原子の場合)又はイミノ基(R1-4が1価の炭化水素基の場合)を有する(下記式(IV)における下記囲み枠内の基)。
<<酸無水物基を有するジエン系重合体>>
本発明の製造方法で使用されるジエン系重合体(原料ジエン系重合体)は、酸無水物基を有し、骨格が共役ジエンによる繰り返し単位を有するポリマーである。
(骨格)
上記原料ジエン系重合体の骨格は、共役ジエンによる繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限されない。例えば、上記本発明の化合物の骨格と同様のものが挙げられる。
<酸無水物基>
上記原料ジエン系重合体が有する酸無水物基は、−CO−O−CO−を有する基であれば特に制限されない。
酸無水物基としては、例えば、下記式で表される基(以下これを無水マレイン酸による基とも称する。)が挙げられる。

上記式中、*は、原料ジエン系重合体との結合位置を示す。
上記酸無水物基は、上記骨格に、直接又は有機基を介して結合できる。上記有機基は特に制限されない。
また、上記原料ジエン系重合体における酸無水物基の結合位置は特に制限されない。
上記原料ジエン系重合体が有する酸無水物基は、上記骨格の、例えば、末端及び/又は側鎖に結合できる。
原料ジエン系重合体の数平均分子量は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、1,000〜50,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましい。
本発明において、上記原料ジエン系重合体の数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算で測定できる。
上記原料ジエン系重合体は、加工性、シリカの分散性により優れ、本発明の製造方法における取扱い性に優れるという観点から、23℃の環境下において、液状であることが好ましい。
上記原料ジエン系重合体が有する酸無水物基の含有量は、原料ジエン系重合体(全体)に対して、例えば、3〜30質量%とできる。
(式(III)におけるNH<由来の活性水素/酸無水物基)
本発明の製造方法において、上記酸無水物基に対する、上記ヘテロ環化合物が有するヘテロ環における窒素原子に結合する活性水素(上記式(III)における囲み枠内の水素)の当量数(式(III)におけるNH<由来の活性水素/酸無水物基)は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、0.1〜2.0モル当量であることが好ましく、0.5〜2.0モル当量であることがより好ましく、0.8〜1.5モル当量が更に好ましい。
(式(IV)におけるNH(R1-4)−由来の活性水素/酸無水物基)
本発明の製造方法において、上記酸無水物基に対する、上記アミノシランカップリング剤が有するアミノ基及び/又はイミノ基の活性水素(上記式(IV)における囲み枠内の水素)の当量数(式(IV)におけるNH(R1-4)−由来の活性水素/酸無水物基)は、加工性により優れるという観点から、0.1〜4.0モル当量であることが好ましく、1.0〜4.0モル当量であることがより好ましく、1.5〜3.0モル当量が更に好ましい。
本発明の製造方法としては、上記原料ジエン系重合体と、上記ヘテロ環化合物と、上記アミノシランカップリング剤とを、例えば、0〜30℃の条件下において、反応させる方法が挙げられる。
上記反応において、更に、トルエンのような有機溶剤を使用してもよい。上記有機溶剤の使用量は、例えば、上記原料ジエン系重合体、上記ヘテロ環化合物及び上記アミノシランカップリング剤の合計100質量部に対して、10〜300質量部とできる。上記有機溶剤を使用した場合、反応後、反応溶液から上記有機溶剤を留去して、本発明の化合物を得ることができる。
(変性率1)
上記酸無水物基が上記式(1)で表される基に変性される変性率(以下これを変性率1とも称する。)は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、10〜90%であることが好ましく、20〜80%であることがより好ましく、30〜75%が更に好ましく、50〜75%が特に好ましい。
上記変性率1は、上記原料ジエン系重合体が有する全ての酸無水物基のうち、上記式(1)で表される基に変性された割合(モル%)を表す。
また、上記変性率1は、本発明の化合物において、上記式(1)で表される基、上記式(2)で表される基及び原料に由来する酸無水物基の合計モル数に対する上記式(1)で表される基の割合(モル%)であるものとする。
本発明における上記変性率1の算出方法は以下のとおりである。
まず、上記原料ジエン系重合体及び上記変性ジエン系重合体をそれぞれ1H−NMR測定で分析した(溶媒CDCl3、400MHz、標準物質テトラメチルシラン)。
次に、上記分析によって得られたチャートをもとにして、3.66ppm付近(アミド結合に隣接する炭素のプロトンに帰属する)のピークの面積を測定して、変性率1を算出した。
なお、上記変性ジエン系重合体の1H−NMR測定は、上記変性ジエン系重合体をトルエンに溶解して、メタノールに沈殿させる精製を2回繰り返した後に、減圧下で乾燥したサンプルを用いて測定した。後述する変性率2においても同様である。
また、上記変性率1は、上記式(I′)で表される基による変性を含まない。
(変性率2)
上記酸無水物基が上記式(2)で表される基に変性される変性率(以下これを変性率2とも称する。)は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、10〜90%であることが好ましく、20〜80%であることがより好ましく、25〜70%が更に好ましく、25〜50%が特に好ましい。
上記変性率2は、上記原料ジエン系重合体が有する全ての酸無水物基のうち、上記式(2)で表される基に変性された割合(モル%)を表す。
また、上記変性率2は、本発明の化合物において、上記式(1)で表される基、上記式(2)で表される基及び原料に由来する酸無水物基の合計モル数に対する上記式(2)で表される基の割合(モル%)であるものとする。
本発明における上記変性率2の算出方法は以下のとおりである。
まず、上記原料ジエン系重合体及び上記変性ジエン系重合体をそれぞれ1H−NMR測定で分析した(溶媒CDCl3、400MHz、標準物質テトラメチルシラン)。
次に、上記分析によって得られたチャートをもとにして、3.44ppm付近(アミド結合に隣接する炭素のプロトンに帰属する)のピークの面積を測定して、変性率2を算出した。
なお、上記変性率2は、上記式(II′)で表される基による変性を含まない。
(合計変性率)
上記変性率1と上記変性率2の合計(合計変性率)は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、20〜100%であることが好ましく、75〜98%であることがより好ましい。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(本発明の組成物)は、
下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体と、シリカとを含有する、ゴム組成物である。

式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、*は結合位置を表す。
1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
<<変性ジエン系重合体>>
本発明の組成物に含有される変性ジエン系重合体は、本発明の変性ジエン系重合体(本発明の化合物)であれば特に制限されない。
(変性ジエン系重合体の含有量)
上記変性ジエン系重合体の含有量は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、上記シリカの含有量に対して、1〜30質量%であるのが好ましく、1〜20質量%であるのがより好ましく、8〜15質量%が更に好ましい。
<<シリカ>>
本発明の組成物に含有されるシリカは特に限定されない。
上記シリカとしては、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記シリカのBET比表面積は、低発熱性に優れる点から、150〜300m2/gが好ましい。シリカのBET比表面積は、ISO 5794/1の別表Dに相当するブルナウラー・エメット・テラー法に準拠して測定するものとする。
(ジエン系ゴム)
本発明の組成物は、上記変性ジエン系重合体及びシリカ以外に、更に、ジエン系ゴム(上記変性ジエン系重合体を除く)を含有することができる。
本発明の組成物が更に上記ジエン系ゴムを含有する場合、本発明の変性ジエン系重合体の骨格はジエン系重合体なので、本発明の変性ジエン系重合体は上記ジエン系ゴムに対する親和性を有する。このため、上記の場合、本発明の変性ジエン系重合体が上記ジエン系ゴムとシリカとの間の仲立として機能し、上記ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改善できるので、本発明の組成物が更にジエン系ゴムを含有する場合においても加工性に優れると本発明者らは推測する。
上記ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)のような芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)及びクロロプレンゴム(CR)のようなジエン系ゴムが挙げられる。
上記ジエン系ゴムは、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、ブタジエンゴム、SBRが好ましい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、100,000〜3,000,000であることが好ましく、100,000〜2,000,000であることがより好ましい。
本発明において、上記ジエン系ゴムの重量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算で測定するものとする。
本発明の組成物が更に上記ジエン系ゴムを含有する場合、上記シリカの含有量は、低発熱性に優れるという観点から、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜150質量部であることが好ましく、50〜130質量部であることがより好ましい。
(添加剤)
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、シランカップリング剤(例えば、硫黄を含むシランカップリング剤)、加硫促進剤、樹脂、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル、硫黄のような加硫剤、過酸化物などのゴム組成物に一般的に使用されるものが挙げられる。添加剤の含有量は適宜選択することができる。
(カーボンブラック)
本発明の組成物はカーボンブラックを更に含有することが好ましい。
上記カーボンブラックは、特に限定されない。カーボンブラックとしては、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace。以下同様)−HS(High Structure。以下同様)、SAF、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace。以下同様)−HS、ISAF、ISAF−LS(Low Structure。以下同様)、IISAF(Intermediate ISAF)−HS、HAF(High Abrasion Furnace。以下同様)−HS、HAF、HAF−LS、FEF(Fast Extruding Furnace)等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、加工性、シリカの分散性により優れるという観点から、50〜200m2/gが好ましい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準じて測定されたものとする。
上記カーボンブラックの含有量は、上記変性ジエン系重合体100質量部に対して、10〜500質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。
本発明の組成物が更に上記ジエン系ゴムを含有する場合、上記カーボンブラックの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
(ゴム組成物の製造方法)
本発明の組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、上述した必須成分、必要に応じて使用できる任意成分(硫黄及び加硫促進剤を除く。)を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、100〜200℃の条件下で混合して混合物を得、上記混合物に硫黄及び加硫促進剤を加えてさらに混合することによって、本発明の組成物を製造する方法などが挙げられる。
本発明の組成物は、例えば、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明の組成物を用いて、例えば、タイヤ、コンベヤベルト、ホースを作製することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<変性ジエン系重合体1の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8。酸含有量7〜9質量%、数平均分子量5,246。酸無水物基として上記無水マレイン酸による基を有する。23℃の環境下において液状。以下同様)49.5gと、モルホリン(東京化成工業(株)製)1.7g(酸無水物基に対する、上記モルホリンの窒素原子に結合する活性水素の当量数は0.5モル当量)と、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−903)4.4g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は1.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、変性ジエン系重合体1を得た。
変性ジエン系重合体1の数平均分子量は5,357、変性率1は36%、変性率2は35%であった。
なお、変性ジエン系重合体1〜6は、有機基を介して、式(I)で表される基を、側鎖又は末端に有する。上記有機基は、カルボキシ基、又は、カルボキシ基と変性ジエン系重合体1〜6を合成する際に使用されたヘテロ環化合物とによって構成される塩を有してもよい。式(II)で表される基についても同様である。
<変性ジエン系重合体2の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8)49.5gと、モルホリン(東京化成工業(株)製)3.4g(酸無水物基に対する、上記モルホリンの窒素原子に結合する活性水素の当量数は1.0モル当量)と、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−903)8.8g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は2.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、変性ジエン系重合体2を得た。
変性ジエン系重合体2の数平均分子量は4,737、変性率1は65%、変性率2は33%であった。
<変性ジエン系重合体3の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8)49.5gと、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(日本乳化剤(株)製ヒドロキシエチルピペラジン)5.2g(酸無水物基に対する、上記ピペラジン化合物のピペラジン環の窒素原子に結合する活性水素の当量数は1.0モル当量)と、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−903)8.8g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は2.0モル当量)とを、トルエン中、室温の条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、変性ジエン系重合体3を得た。
変性ジエン系重合体3の数平均分子量4,851は、変性率1は59%、変性率2は35%であった。
<変性ジエン系重合体4の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)製Ricon 131MA5。酸含有量4.5〜5.5質量%、ブタジエンに対する1,2−ビニル結合含有量18〜33モル%、数平均分子量8,986。酸無水物基として無水マレイン酸による基を有する。23℃の環境下において液状。)79.2gと、モルホリン(東京化成工業(株)製)1.7g(酸無水物基に対する、上記モルホリンの窒素原子に結合する活性水素の当量数は0.5モル当量)と3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−903)4.4g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は1.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、変性ジエン系重合体4を得た。
変性ジエン系重合体4の数平均分子量は9,090、変性率1は37%、変性率2は34%であった。
<変性ジエン系重合体5の合成>
無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 184MA6。酸含有量5〜7質量%。ブタジエンに対する1,2−ビニル結合含有量20〜40モル%、スチレン含有量17〜27質量%。数平均分子量12,650。酸無水物基として無水マレイン酸による基を有する。23℃の環境下において液状。)66.0gと、モルホリン(東京化成工業(株)製)1.7g(酸無水物基に対する、上記モルホリンの窒素原子に結合する活性水素の当量数は0.5モル当量)と、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−903)4.4g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は1.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、変性ジエン系重合体5を得た。
変性ジエン系重合体5の数平均分子量は12,785、変性率1は34%、変性率2は31%であった。
<変性ジエン系重合体6の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8)49.5gと、モルホリン(東京化成工業(株)製)1.7g(酸無水物基に対する、上記モルホリンの窒素原子に結合する活性水素の当量数は0.5モル当量)と、N−エチル−3−アミノイソブチルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製A−LINK15)4.4g(酸無水物基に対する、イミノ基の活性水素の当量数は0.5モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、変性ジエン系重合体6を得た。
変性ジエン系重合体6の数平均分子量は5,360、変性率1は38%、変性率2は38%であった。
<(比較)変性ジエン系重合体8の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8)49.5gと、ドデシルアミン(東京化成工業(株)製)7.4g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は2.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、(比較)変性ジエン系重合体8を得た。(比較)変性ジエン系重合体8は、式(I)で表される基及び式(II)で表される基を有さず、式(I)で表される基の代わりにC1225−NH−CO−で表される基を有する。
<(比較)変性ジエン系重合体9の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8)49.5gと、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製KBE−903)8.8g(酸無水物基に対する、アミノ基の活性水素の当量数は2.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、(比較)変性ジエン系重合体9を得た。(比較)変性ジエン系重合体9は、式(II)で表される基を有するものの、式(I)で表される基を有さない。
<(比較)変性ジエン系重合体11の合成>
無水マレイン酸変性ポリブタジエン(トタル・ルブリカンツ・ジャパン(株)Ricon 130MA8)49.5gと、モルホリン(東京化成工業(株)製)3.4g(酸無水物基に対する、上記モルホリンの窒素原子に結合する活性水素の当量数は1.0モル当量)とを、トルエン中、室温条件下で30分反応させた。反応溶液を濃縮して、(比較)変性ジエン系重合11を得た。(比較)変性ジエン系重合体11は、式(I)で表される基を有するものの、式(II)で表される基を有さない。
<ゴム組成物の製造>
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いた。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃付近に温度を上げてから、5分間混合した後に放出し、室温まで冷却して混合物を得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、上記のとおり得られた混合物に硫黄及び加硫促進剤を加えてこれらを混合し、ゴム組成物を製造した。
なお、第1表中、SBRの配合量はゴム(油展品)の量(単位:質量部)である。油展品のSBR110質量部中、正味のSBRの含有量は80質量部である。
<評価>
上記のとおり製造されたゴム組成物を用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。第1表において、各評価項目について、各実施例の評価結果を、標準例1の評価結果(100)に対する指数で表した。
(ムーニー粘度)
上記のとおり製造されたゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2013に準じ、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度(ML1+4)を測定した。
本発明において、上記ムーニー粘度の指数が94以下である場合、加工性に優れるものとする。上記指数が小さいほど加工性により優れる。
(ペイン効果)
上記のとおり製造されたゴム組成物を160℃の条件下で、20分間加硫し、得られた加硫ゴムを用いて、ASTM D6204に準拠し、110℃の条件下で、RPA2000(α−テクノロジー社製歪せん断応力測定機)で、歪0.28%の歪せん断応力G′(0.28%)と、歪450%の歪せん断応力G′(450%)を測定し、ΔG′=G′(0.28%)−G′(450%)を算出した。
本発明において、ΔG′の指数が小さいほど、ペイン効果の低減又は抑制が良好なこと(シランの分散性が良好であること)を示す。
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
*1:SBR(旭化成社製タフデン3830、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)、スチレンブタジエンゴム、重量平均分子量950,000
*2:BR(日本ゼオン社製Nipol BR1220)、ブタジエンゴム、重量平均分子量490,000
*3:シリカ1(ローディア社製Zeosil 1165MP、BET比表面積=165m2/g)
*4:カーボンブラック(キャボットジャパン社製ショウブラックN339、窒素吸着比表面積(N2SA)=90m2/g)
*5:シランカップリング剤(エボニックデグッサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業社製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油社製ステアリン酸YR)
*8:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*9:プロセスオイル(昭和シェル石油社製エキストラクト4号S)
*10:変性ジエン系重合体1(上述のとおり合成した変性ジエン系重合体1)
*11:変性ジエン系重合体2(上述のとおり合成した変性ジエン系重合体2)
*12:変性ジエン系重合体3(上述のとおり合成した変性ジエン系重合体3)
*13:変性ジエン系重合体4(上述のとおり合成した変性ジエン系重合体4)
*14:変性ジエン系重合体5(上述のとおり合成した変性ジエン系重合体5)
*15:変性ジエン系重合体6(上述のとおり合成した変性ジエン系重合体6)
*16:(比較)変性ジエン系重合体7(クラレ社製クラプレンLIR−403、無水マレイン酸変性ポリイソプレン)
*17:(比較)変性ジエン系重合体8(上述のとおり合成した(比較)変性ジエン系重合体8)
*18:(比較)変性ジエン系重合体9(上述のとおり合成した(比較)変性ジエン系重合体9)
*19:(比較)ジエン系重合体10(クラレ社製クラプレンLBR−305、変性されていないポリブタジエン)
*23:(比較)変性ジエン系重合体11(上述のとおり合成した(比較)変性ジエン系重合体11)
*20:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*21:加硫促進剤1(大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G)
*22:加硫促進剤2(Flexsys社製Perkacit DPG)
第1表に示す結果から明らかなように、所定の変性ジエン系重合体を含有せず、代わりに、無水マレイン酸で変性されたポリイソプレン((比較)ジエン系重合体7)を含有する比較例1は、ムーニー粘度が高く加工性に劣り、ペイン効果が高くシリカの分散性に劣った。
所定の式(I)及び式(II)で表される基を有さず、代わりに、C1225−NH−CO−で表される基を有するポリブタジエン((比較)ジエン系重合体8)を含有する比較例2は、ムーニー粘度が高く加工性に劣り、ペイン効果が高くシリカの分散性に劣った。
式(II)で表される基を有するものの、式(I)で表される基を有さないポリブタジエン((比較)ジエン系重合体9)を含有する比較例3は、ムーニー粘度が高く加工性に劣り、ペイン効果が高くシリカの分散性に劣った。
所定の式(I)、式(II)で表される基及びカルボキシ基を含さない、未変性のポリブタジエン((比較)ジエン系重合体10)を含有する比較例4は、ムーニー粘度が高く加工性に劣り、ペイン効果が高くシリカの分散性に劣った。
式(I)で表される基を有するものの、式(II)で表される基を有さないポリブタジエン((比較)変性ジエン系重合体11)を含有する比較例5は、ムーニー粘度が高く加工性に劣り、ペイン効果が高くシリカの分散性に劣った。
上記(比較)ジエン系重合体9及び上記(比較)変性ジエン系重合体11を含有する比較例6は、ムーニー粘度が高く加工性に劣り、ペイン効果が高くシリカの分散性に劣った。
これに対して、本発明のゴム組成物は加工性、シリカの分散性に優れた。
実施例2は実施例1よりも加工性及びシリカの分散性により優れた。これは、実施例2で使用された変性ジエン系重合体2が、実施例1で使用された変性ジエン系重合体1よりも、変性率1と変性率2との合計が大きい、変性率1が大きい(上記式(1)で表される基を多く有する)、又は、上記式(I−3)、式(I−4)、式(II−3)、式(II−4)及び式(V−1)〜式(V−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種で表される基を多く有するためであると推測される。

Claims (11)

  1. 下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体と、シリカとを含有する、ゴム組成物。

    式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、*は結合位置を表す。
    1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
    式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
    1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

    式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
  2. 前記式(I)において、X1が窒素原子であり、n2が1であり、X2が前記式(X2−1)を表す、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記式(I)において、X1が酸素原子又は硫黄原子であり、n2が0である、請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 前記式(I)で表される基が、有機基を介して、前記変性ジエン系重合体の側鎖又は末端に結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記式(II)で表される基が、有機基を介して、前記変性ジエン系重合体の側鎖又は末端に結合する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 更に、ジエン系ゴム(ただし前記変性ジエン系重合体を除く。)を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有する変性ジエン系重合体。

    式(I)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表し、*は結合位置を表す。
    1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
    式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
    1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

    式(II)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、*は結合位置を表す。
  8. 酸無水物基を有するジエン系重合体と、
    式(III)で表されるヘテロ環化合物と、
    式(IV)で表されるアミノシランカップリング剤とを反応させることによって、請求項7に記載の変性ジエン系重合体を製造する、変性ジエン系重合体の製造方法。

    式(III)中、X1は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、X3は炭化水素基を表し、n3は0〜4を表す。
    1が窒素原子である場合、n2は1であり、X2は、スルホン系保護基、カルバメート系保護基及び式(X2−1):−(R−O)n4−Hからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
    式(X2−1)中、Rはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、n4は1〜10を表す。
    1が酸素原子又は硫黄原子である場合、n2は0を表す。

    式(IV)中、R1-1は2価の炭化水素基を表し、R1-2及びR1-3はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、m1は1〜3であり、m2は0〜2であり、m1+m2は3であり、R1-4は水素原子又は1価の炭化水素基を表す。
  9. 前記酸無水物基に対する、前記ヘテロ環化合物が有するヘテロ環における窒素原子に結合する活性水素の当量数(式(III)におけるNH<由来の活性水素/酸無水物基)が0.1〜2.0モル当量である、請求項8に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
  10. 前記酸無水物基に対する、前記アミノシランカップリング剤が有するアミノ基及び/又はイミノ基の活性水素の当量数(式(IV)におけるNH(R1-4)−由来の活性水素/酸無水物基)が0.1〜4.0モル当量である、請求項8又は9に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
  11. 前記酸無水物基を有するジエン系重合体が、23℃の環境下において、液状である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
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