JPWO2012073841A1 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012073841A1
JPWO2012073841A1 JP2012521894A JP2012521894A JPWO2012073841A1 JP WO2012073841 A1 JPWO2012073841 A1 JP WO2012073841A1 JP 2012521894 A JP2012521894 A JP 2012521894A JP 2012521894 A JP2012521894 A JP 2012521894A JP WO2012073841 A1 JPWO2012073841 A1 JP WO2012073841A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
group
conjugated diene
diene polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012521894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5240410B2 (ja
Inventor
あゆみ 那賀
あゆみ 那賀
城川 隆
隆 城川
芦浦 誠
誠 芦浦
慶寛 亀田
慶寛 亀田
佐藤 正樹
正樹 佐藤
圭介 前島
圭介 前島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2012521894A priority Critical patent/JP5240410B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240410B2 publication Critical patent/JP5240410B2/ja
Publication of JPWO2012073841A1 publication Critical patent/JPWO2012073841A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/30Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule
    • C08C19/42Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups
    • C08C19/44Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups of polymers containing metal atoms exclusively at one or both ends of the skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • C08K3/36Silica
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L15/00Compositions of rubber derivatives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L7/00Compositions of natural rubber
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L9/00Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。このゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムを25重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを50重量%以上含む充填剤を25〜65重量部配合し、シリカのDBP吸収量が190〜250ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積が185〜215m2/g、比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であり、かつ変性共役ジエン系重合体ゴムがシリカとの相互作用を有する官能基を含む末端変性基を有すると共に、この変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、ビニル単位含有量が20〜35%、重量平均分子量が60万〜100万であることを特徴とする。

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは低転がり抵抗性及びウェット性能を向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることと共に、ウェット性能が高く安全性が優れることが求められている。このためトレッド部を構成するゴム組成物にシリカを配合することにより、発熱を抑え転がり抵抗を低減して燃費性能を高くすると共に、トレッドゴムの動的粘弾性特性を改質してウェット性能を改良することが行われている。このようなシリカ配合に伴う作用効果を一層大きくするため、粒子径の小さいシリカを使用することが試みられている。しかしシリカはジエン系ゴムとの親和性が乏しく分散性が不十分になり易く、特にシリカの粒子径を小さくすると分散性が悪化し、ゴム組成物の損失正接(tanδ)等の動的粘弾性特性を改質して、低転がり抵抗性及びウェット性能を改良するという効果が十分に得られなかった。またシリカはカーボンブラックと比べゴム成分に配合したときの補強効果が低い傾向があるため、分散性が悪化すると耐摩耗性が不十分になるという課題があった。
このため特許文献1〜3は、末端をポリオルガノシロキサン等で変性した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴムにシリカを配合したゴム組成物によりシリカの分散性を改良して、発熱性(60℃のtanδ)を低減し、ウェットグリップ性(0℃のtanδ)を高くすることを提案している。しかし、需要者が低転がり抵抗性及びウェット性能の改良に期待する要求レベルはより高く、低転がり抵抗性及びウェット性能を一層改善することが求められていた。
日本国特開2009−91498号公報 国際公開第2005/021637号 国際公開第03/102053号
本発明の目的は、低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムを25重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、充填剤を25〜65重量部配合すると共に、前記充填剤がシリカを50重量%以上含み、該シリカが、DBP吸収量が190〜250ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が185〜215m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であり、かつ前記変性共役ジエン系重合体ゴムが、炭化水素溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤として用いて共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させた活性共役ジエン系重合体鎖に、その重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する少なくとも1種類の化合物を反応させた末端変性基を有し、該末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含むと共に、この変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、ビニル単位含有量が20〜35%、重量平均分子量が60万〜100万であることを特徴とする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させた活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と、この活性末端と反応可能な官能基を有する少なくとも1種類の化合物を反応させた末端変性基を有し、この末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含み、芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、ビニル単位含有量が20〜35%、重量平均分子量が60万〜100万である変性共役ジエン系重合体ゴムを25重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、DBP吸収量が190〜250ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が185〜215m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であるシリカを50重量%以上含む充填剤を25〜65重量部配合することにより、ジエン系ゴムとシリカとの親和性を高くしシリカの分散性を向上することにより発熱性を小さくして転がり抵抗を低減すると共に、ウェット性能を改良することができる。特に芳香族ビニル単位含有量を38〜48重量%にすることにより変性共役ジエン系重合体ゴムが微細な相分離形態を形成すると共に、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する少なくとも1種類の化合物との反応により生じる末端変性基がシリカと相互作用する官能基を含有し、その重量平均分子量を60万〜100万にすることによりその末端変性基の濃度を適正化したので、末端変性基がシリカに効率的に作用しシリカの分散性を一層良好して空気入りタイヤの低転がり抵抗性を大幅に低減し、かつウェット性能を一層向上することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、耐摩耗性を従来レベル以上に向上するため、ジエン系ゴムが前記変性共役ジエン系重合体ゴムに加え、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを含有することが好ましい。一つの実施形態は、前記ジエン系ゴム100重量%中、前記変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、天然ゴムを15〜45重量%含むことが好ましく、優れた低転がり抵抗性及びウェット性能を維持しながら、耐摩耗性を共に改良することができる。
他の実施形態は、前記ジエン系ゴム100重量%中、変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、ブタジエンゴムを15〜35重量%含むことが好ましく、優れた低転がり抵抗性及びウェット性能を維持しながら、耐摩耗性を共に改良することができる。
上述した活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物としては、下記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種類のポリオルガノシロキサン化合物を含むとよい。
Figure 2012073841
(上記式(I)において、R1〜R8は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X1およびX4は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基、または炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、X1およびX4は互いに同一であっても相違してもよい。X2は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X3の一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
Figure 2012073841
(上記式(II)において、R9〜R16は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X5〜X8は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
Figure 2012073841
(上記式(III)において、R17〜R19は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X9〜X11は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。)
本発明のゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤの実施形態の一例を示すタイヤ子午線方向の部分断面図である。
図1は、タイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤの実施形態の一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。
図1において、左右のビード部3間にタイヤ径方向に延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列してゴム層に埋設した2層のカーカス層4が延設され、その両端部がビード部3に埋設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。カーカス層4の内側にはインナーライナー層7が配置されている。トレッド部1のカーカス層4の外周側には、タイヤ周方向に傾斜して延在する補強コードをタイヤ軸方向に所定の間隔で配列してゴム層に埋設した2層のベルト層8が配設されている。この2層のベルト層8の補強コードは層間でタイヤ周方向に対する傾斜方向を互いに逆向きにして交差している。ベルト層8の外周側には、ベルトカバー層9が配置されている。このベルトカバー層9の外周側に、トレッド部1がトレッドゴム層12により形成される。トレッドゴム層12はタイヤトレッド用ゴム組成物により構成されている。各サイドウォール部2のカーカス層4の外側にはサイドゴム層13が配置され、各ビード部3のカーカス層4の折り返し部外側にはリムクッションゴム層14が設けられている。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、そのジエン系ゴムは変性共役ジエン系重合体ゴムを必ず含むようにする。変性共役ジエン系重合体ゴムは、分子鎖の両末端に官能基を有するようにした溶液重合で製造した共役ジエン系重合体ゴムである。変性共役ジエン系重合体ゴムを配合することによりシリカとの親和性を高くし分散性を改善するため、シリカの作用効果を一層向上すると共に、ウェット性能を高くする。またジエン系ゴム中のシリカの分散性が向上することに伴い、耐摩耗性が向上する。
本発明において、変性共役ジエン系重合体の骨格は、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合して得られた共重合体により構成される。共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが例示される。また芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
骨格となる共役ジエン系重合体は、その末端がイソプレン単位ブロックによって構成されることが好ましい。末端がイソプレン単位ブロックにより構成されることにより、その末端を変性し、シリカを配合したときに、変性共役ジエン系重合体とシリカとの親和性が良好となり、低発熱性、耐摩耗性が良好となる。したがって、重合体を構成する共役ジエン単量体単位がイソプレン単位以外の共役ジエンを含む場合には、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物を添加する前、あるいはこれら化合物を分けて添加する間に、活性末端を有する重合体を含有する溶液に、イソプレンを添加することにより、その重合体末端にイソプレン単位ブロックを導入することが好ましい。
本発明において、共役ジエン系重合体は、上述した共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体を、炭化水素溶媒中で有機活性金属化合物を開始剤として共重合して調製する。炭化水素溶媒としては、通常使用される溶媒であればよく、例えばシクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等が例示される。
使用する有機活性金属触媒としては、有機アルカリ金属化合物が好ましく使用され、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物が挙げられる。また、3,3−(N,N−ジエメチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジエチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジプロピルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−モルホリノ−1−プロピルリチウム、3−イミダゾール−1−プロピルリチウム及びこれらをブタジエン、イソプレン又はスチレン1〜10ユニットにより鎖延長した有機リチウム化合物なども使用することができる。
また、重合反応において、芳香族ビニル単量体を共役ジエン系単量体とランダムに共重合する目的で、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラハイドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類等の非プロトン性極性化合物を添加することも実施可能である。
本発明において、共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体を共重合して得られた活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に、反応可能な官能基を有する化合物を少なくとも1種結合させることにより、末端変性基を生成する。ここで、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に反応可能な官能基を有する化合物は、少なくとも一つの活性共役ジエン系重合体鎖と結合すればよく、一つの化合物に一つ以上の活性共役ジエン系重合体鎖が結合することができる。すなわち、本発明で使用する変性共役ジエン系重合体ゴムは、共役ジエン系重合体の両末端に変性基を有した変性ゴム、任意にその変性基が1以上の他の共役ジエン系重合体と結合した変性ゴム及びこれら複数の変性ゴムの混合物を含むことができる。また、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端とこの活性末端に反応可能な官能基を有する化合物との反応は、一段或いは多段に反応させることができる。また同一或いは異なる化合物を、逐次的に反応させることができる。
本発明において、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物としては、例えばスズ化合物、ケイ素化合物、シラン化合物、アミド化合物および/またはイミド化合物、イソシアネートおよび/またはイソチオシアネート化合物、ケトン化合物、エステル化合物、ビニル化合物、オキシラン化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、ポリスルフィド化合物、ポリシロキサン化合物、ポリオルガノシロキサン化合物、ポリエーテル化合物、ポリエン化合物、ハロゲン化合物、フラーレン類などを有する化合物を挙げることができる。なかでもポリオルガノシロキサン化合物が好ましい。これら化合物は一種類の化合物、或いは複数の化合物を組み合わせて、重合体に結合させることができる。
活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な化合物として、具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物等が例示される。
ケイ素化合物としては、例えばテトラクロルケイ素、テトラブロムケイ素、メチルトリクロルケイ素、ブチルトリクロルケイ素、ジクロルケイ素、ビストリクロルシリルケイ素等が例示される。
スズ化合物としては、例えばテトラクロルスズ、テトラブロムスズ、メチルトリクロルスズ、ブチルトリクロルスズ、ジクロルスズ、ビストリクロルシリルスズ、ビストリクロルシリルスズ等が例示される。
シラン化合物としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲンから選ばれる少なくとも一つを含むシラン化合物が例示される。このようなシラン化合物としては、例えばジメトキシジメチルシラン、ジフェノキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、トリフェノキシメチルシラン、トリフェノキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)エチルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)ビニルシラン、トリフェノキシフェニルシラン、テトラフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、フェノキシジビニルクロロシラン、メトキシビエチルクロロシラン、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジフェノキシフェニルヨードシラン、ジエトキシメチルクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシラン、トリス(2−エチルヘキシルオキシ)クロロシラン、フェノキシメチルジクロロシラン、メトキシエチルジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン、フェノキシフェニルジヨードシラン、ジフェノキシジクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ビス(2−メチルブトキシ)ジブロモシラン、ビス(2−メチルブトキシ)ジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、メトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、フェノキシトリクロロシラン、(2−エチルヘキシルオキシ)トリクロロシラン、(2−メチルブトキシ)トリクロロシラン等が例示される。
また、シラン化合物は、上記以外の官能基として、グリシジル基、エポキシ基、メタクリロキシ基等を有することができる。このようなシラン化合物としては、例えばγ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルフェノキシシラン、トリス(γ−グリシドキシプロピル)メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラン、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メトキシシラン、β-(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル−トリブトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル−トリフェノキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル−トリメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル- メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジフェノキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジイソプロペンオキシシラン等が例示される。
イソシアネート化合物またはイソチオシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート、キシリレンジイソシアナート、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、ナフタレン−1,2,5,7−テトライソシアナート、ナフタレン−1,3,7−トリイソシアナート、フェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、フェニル−1,4−ジイソチオシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート化合物等が例示される。
さらに、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジ−t−ブチルアミノベンゾフェノン、4−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジビニルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、1,3−ビス(ジフェニルアミノ)−2−プロパノン、1,7−ビス−(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等のN−置換アミノケトン類、及び対応するN−置換アミノチオケトン類;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド、4−ジビニルアミノベンズアルデヒド等のN−置換アミノアルデヒド、及び対応するN−置換アミノチオアルデヒド類;N−メチル−β−プロピオラクタム、N−t−ブチル−β−プロピオラクタム、N−フェニル−β−プロピオラクタム、N−メトキシフェニル−β−プロピオラクタム、N−ナフチル−β−プロピオラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2−ピロリドン、N−フェニル−ピロリドン、N−メトキシフェニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N−ナフチル−2−ピロリドン、N−メチル−5−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3,3’−ジメチル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−3,3’−ジメチル−2−ピロリドン、N−フェニル−3,3’−ジメチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−t−ブチル−2−ピペリドン、N−フェニル−ピペリドン、N−メトキシフェニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ベンジル−2−ピペリドン、N−ナフチル−2−ピペリドン、N−メチル−3,3’−ジメチル−2−ピペリドン、N−フェニル−3,3’−ジメチル−2−ピペリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−メトキシフェニル−ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ベンジル−ε−カプロラクタム、N−ナフチル−ε−カプロラクタム、N−メチル−ω−ラウリロラクタム、N−フェニル−ω−ラウリロラクタム、N−t−ブチル−ラウリロラクタム、N−ビニル−ω−ラウリロラクタム、N−ベンジル−ω−ラウリロラクタム等のN−置換ラクタム類およびこれらの対応するチオラクタム類;,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−チル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−2- エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジノン等のN−置換エチレン尿素類および対応するN−置換チオエチレン尿素類等;4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジブチルアミノ)−ベンゾフェノン、4、4’−ジアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン等及びこれらの対応のチオベンゾフェノン等のような一方あるいは両方のベンゼン環に少なくとも1つのアミノ基、アルキルアミノ基あるいはジアルキルアミノ基を有するベンゾフェノン及びチオベンゾフェノン;等が例示される。
ハロゲン及び/又はアルコキシ基を含むケイ素化合物としては、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましく、この化合物一分子に複数の活性共役ジエン系重合体鎖の結合が容易になる。
Figure 2012073841
(式(IV)において、X1及びX2はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルコキシ基である。p及びqは、それぞれ独立に0〜3の整数であり、式(IV)で表わされる化合物におけるハロゲン原子及び炭素数1〜20のアルコキシ基の数の合計は5以上である。R1及びR2は、それぞれ炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。nは、0〜20の整数であり、A1及びA2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜20の2価の炭化水素である。A3は、式−(SiX3 r3 2-rm−、又は−NR4−、又は−N(−A4−SiX4 S5 3-S)−で表わされる2価の基である。なお、X3,X4は、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルコキシ基である。R3,R5は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R4は、水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。A4は、単結合または炭素数1〜20の2価の炭化水素基である。rは0〜2の整数であり、mは0〜20の整数である。sは、0〜3の整数である。)
一般式(IV)で表される化合物としては、例えば、ヘキサクロロジシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,4−ビス(トリクロロシリル)ブタン、1,5−ビス(トリクロロシリル)ペンタン、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン等のハロゲン化ケイ素化合物;ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ブタン、ビス(トリエトキシシリル)ブタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘプタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリメトキシシリル)シクロヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)シクロヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリメトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリメトキシシリル)ノナン、ビス(トリエトキシシリル)ノナン、ビス(トリメトキシシリル)エチレン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)エタン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エタン等のアルコキシシラン化合物;ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)エチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)プロピルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)プロピルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ブチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ブチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)フェニルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)フェニルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ベンジルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ベンジルアミン、ビス(トリメトキシシリルメチル)メチルアミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)メチルアミン、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)メチルアミン、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)メチルアミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)プロピルアミン、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)プロピルアミン等のアミノ基を含むアルコキシシラン化合物;トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2−トリエトキシシリルエチル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン等のアミノ基を含むアルコキシシラン化合物;等を例示することができる。
ポリオルガノシロキサン化合物としては、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物が好ましい。すなわち、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物は、これらのポリオルガノシロキサン化合物から選ばれる少なくとも1種類を含むとよく、複数の種類を組み合わせてもよい。またこれらのポリオルガノシロキサン化合物と、活性末端と反応可能な官能基を有する他の化合物、例えば上述した式(IV)で表される化合物とを組み合わせてもよい。
一般式(I)
Figure 2012073841
(上記式(I)において、R1〜R8は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X1およびX4は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基、または炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、X1およびX4は互いに同一であっても相違してもよい。X2は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X3の一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
一般式(II)
Figure 2012073841
(上記式(II)において、R9〜R16は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X5〜X8は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
一般式(III):
Figure 2012073841
(上記式(III)において、R17〜R19は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X9〜X11は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。)
上記一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、R1〜R8、X1およびX4を構成する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアリール基の中では、メチル基が特に好ましい。
一般式(I)のポリオルガノシロキサンにおいて、X1、X2およびX4を構成する重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基としては、炭素数1〜5のアルコキシル基、2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基、およびエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が好ましい。
1、X2およびX4を構成する炭素数1〜5のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。なかでも、メトキシ基が好ましい。X1、X2およびX4の少なくとも一つが炭素数1〜5のアルコキシル基の場合、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端にアルコキシル基を有するポリオルガノシロキサンを反応させると、ケイ素原子とアルコキシル基の酸素原子との結合が開裂して、そのケイ素原子に活性共役ジエン系重合体鎖が直接結合して単結合を形成する。
1、X2およびX4を構成する2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基としては、下記一般式(V)で表される基が好ましく挙げられる。
Figure 2012073841
(式(V)中、jは2〜10の整数である。特にjは2であることが好ましい。)
このようにX1,X2及びX4の少なくとも一つが2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基を含むポリオルガノシロキサンを、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に反応させると、2−ピロリドニル基を構成するカルボニル基の炭素−酸素結合が開裂して、その炭素原子に重合体鎖が結合した構造を形成する。
1、X2およびX4を構成するエポキシ基を有する炭素数4〜12の基としては、下記一般式(VI)で表される基が好ましく挙げられる。
一般式(VI): ZYE
上記式(VI)中、Zは炭素数1〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、Yはメチレン基、硫黄原子または酸素原子であり、Eはエポキシ基を有する炭素数2〜10の炭化水素基である。これらの中でも、Yが酸素原子であるものが好ましく、Yが酸素原子かつEがグリシジル基であるものがより好ましく、Zが炭素数3のアルキレン基、Yが酸素原子かつEがグリシジル基であるものが特に好ましい。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X1、X2およびX4の少なくとも一つがエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基の場合、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端にポリオルガノシロキサンを反応させると、エポキシ環を構成する炭素−酸素結合が開裂して、その炭素原子に重合体鎖が結合した構造を形成する。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X1およびX4としては、上記の中でも、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基または炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、X2としては、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が好ましい。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基である。2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基としては、下記一般式(VII)で表される基が好ましい。
Figure 2012073841
式(VII)中、tは2〜20の整数であり、R1は炭素数2〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、R3は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数1〜10のアルコキシル基またはアリーロキシ基である。これらの中でも、tが2〜8の整数であり、R1が炭素数3のアルキレン基であり、R3が水素原子であり、かつR2がメトキシ基であるものが好ましい。
上記一般式(II)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、R9〜R16は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。X5〜X8は、重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。
上記一般式(III)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、R17〜R19は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。X9〜X11は、重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。
上記一般式(II)および上記一般式(III)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ならびに重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基は、一般式(I)のポリオルガノシロキサンについて説明したものと同様である。
さらに、上記反応により生成した末端変性基は、シリカとの相互作用を有する官能基を有する。このシリカとの相互作用を有する官能基は、上述した化合物の構造に含まれた官能基でよい。また、上記化合物と活性末端との反応により生じ得た官能基でもよい。シリカとの相互作用を有する官能基としては、特に制限されるものではないが、例えばアルコキシシリル基、ヒドロキシル基(オルガノシロキサン構造を含む)、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド其、チオール基、エーテル基等が例示される。なかでもヒドロキシル基(オルガノシロキサン構造を含む)基が好ましい。このように末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含むことにより、シリカとの親和性をより高くし、分散性を大幅に改良することができる。
本発明では、変性共役ジエン系重合体ゴムにおける末端変性基の濃度は、変性共役ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)との関係で決められる。変性共役ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量は60万〜100万、好ましくは65〜85万である。変性共役ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量が60万未満であると、変性共役ジエン系重合体ゴム末端の変性基濃度が高くなり、シリカの分散性は良化するが、重合体自身の分子量が低いために、ゴム組成物の強度、剛性が発現しない可能性があり、高温の粘弾性特性の改良幅も小さくなってしまう。またゴム組成物の耐摩耗性が低下することがある。変性共役ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量が100万を超えると、変性共役ジエン系重合体ゴム末端の変性基濃度が低くなりシリカとの親和性が不足し、分散性が悪化するため転がり抵抗を低減する効果が不足する。なお変性共役ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
本発明で使用する変性共役ジエン系重合体ゴムは、芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、好ましくは40〜45重量%である。変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量をこのような範囲内にすることにより、ゴム組成物の剛性及び強度を高くして空気入りタイヤにしたときのウェット性能をより高くすることができる。またゴム組成物の耐摩耗性をより高くすることができる。変性共役ジエン系重合体ゴム以外の他のジエン系ゴムを配合するとき、変性共役ジエン系重合体ゴムが他のジエン系ゴムに対して微細な相分離形態を形成する。このため、変性共役ジエン系重合体ゴムがシリカ粒子の近くに局在化するようになり、その末端変性基がシリカに対して効率的に作用することにより親和性を一層高くし、シリカの分散性を良好にすることができる。変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満であると、他のジエン系ゴムに対して微細な相分離形態を形成する作用が十分に得られない。またゴム組成物の剛性及び強度を高くする効果が十分に得られない。また変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量が48重量%を超えると、共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)が上昇し、粘弾性特性のバランスが悪くなり、発熱性を低減する効果が得られにくくなる。また耐摩耗性を確保することが難しくなる。なお変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量は赤外分光分析(ハンプトン法)により測定するものとする。
本発明では、変性共役ジエン系重合体ゴムのビニル単位含有量は20〜35%、好ましくは26〜34%にする。変性共役ジエン系重合体ゴムのビニル単位含有量を20〜35%にすることにより、変性共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)を適正化することができる。また、他のジエン系ゴムに対して形成された変性共役ジエン系重合体ゴムの微細な相分離形態を安定化することができる。更に耐摩耗性を確保することができる。変性共役ジエン系重合体ゴムのビニル単位含有量が20%未満であると、変性共役ジエン系重合体ゴムのTgが低くなり、ウェット性能の指標である0℃における動的粘弾性特性の損失正接(tanδ)が低下してしまう。また、変性共役ジエン系重合体ゴムの微細な相分離形態を安定化することができない。また変性共役ジエン系重合体ゴムのビニル単位含有量が35%を超えると加硫速度が低下したり、強度や剛性が低下したりする可能性がある。なお変性共役ジエン系重合体ゴムのビニル単位含有量は赤外分光分析(ハンプトン法)により測定するものとする。
変性共役ジエン系重合体ゴムは、油展することによりゴム組成物の成形加工性を良好にすることができる。油展量は特に制限されるものではないが、変性共役ジエン系重合体ゴム100重量部に対し、好ましくは25重量部以下にするとよい。変性共役ジエン系重合体ゴムの油展量が25重量部を超えると、ゴム組成物にオイル、軟化剤、粘着性付与剤等を配合するとき組成設計の自由度が小さくなる。
また、変性共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、好ましくは−30〜−15℃にするとよい。変性共役ジエン系重合体ゴムのTgをこのような範囲内にすることにより、ウェット性能を確保すると共に、転がり抵抗を低減することができる。変性共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。また、変性共役ジエン系重合体ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態における変性共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度とする。
本発明において、変性共役ジエン系重合体ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中、25重量%以上、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%、更に好ましくは50〜70重量%である。変性共役ジエン系重合体ゴムの含有量がジエン系ゴム中の25重量%未満であると、シリカとの親和性が悪化し、その分散性を良好にすることができない。また、変性共役ジエン系重合体ゴムの含有量が90重量%を超えると、耐摩耗性が低下する虞がある。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、耐摩耗性を従来レベル以上に向上するため、ジエン系ゴムが前記変性共役ジエン系重合体ゴムに加え、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを含有することが好ましい。耐摩耗性を改良するタイヤトレッド用ゴム組成物として、三つの実施形態を例示することができる。第一の実施形態は、ジエン系ゴム100重量%中、前記変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、天然ゴムを15〜45重量%含むことを特徴とする。第二の実施形態は、ジエン系ゴム100重量%中、変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、ブタジエンゴムを15〜35重量%含むことを特徴とする。第三の実施形態は、ジエン系ゴム100重量%中、前記変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、天然ゴムを15〜45重量%及びブタジエンゴムを15重量%以下含むことを特徴とする。これらの実施形態は、いずれも優れた低転がり抵抗性及びウェット性能を維持しながら、耐摩耗性を共に改良することができる。
耐摩耗性を改良する第一の実施形態において、変性共役ジエン系重合体ゴムに加え天然ゴムを含有することにより低転がり抵抗性及びウェット性能を高いレベルで維持しながら耐摩耗性を改良することができる。天然ゴムの配合量は、ジエン系ゴム100重量%中好ましくは15〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%にする。天然ゴムの配合量を15重量%以上にすることにより、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性を高くすることができる。また天然ゴムの配合量が45重量%を超えると、非相溶性が顕著になり過ぎてしまう虞があることからコンパウンド強度が不足してしまいウェットグリップ性能が悪化すると共に、耐摩耗性を改良することができないことが懸念される。天然ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用するとよい。
耐摩耗性を改良する第二の実施形態において、変性共役ジエン系重合体ゴムに加えブタジエンゴムを含有することにより低転がり抵抗性及びウェット性能を高いレベルで維持しながら耐摩耗性を改良することができる。ブタジエンゴムの配合量は、ジエン系ゴム100重量%中好ましくは15〜35重量%にする。ブタジエンゴムの配合量が15重量%以上にすることにより、耐摩耗性を高くすることができる。またブタジエンゴムの配合量を35重量%以下にすることにより、ウェットグリップ性能を確保すると共に、耐摩耗性を改良することができる。ブタジエンゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用するとよい。
耐摩耗性を改良する第三の実施形態において、変性共役ジエン系重合体ゴムに加え天然ゴム及びブタジエンゴムを含有することにより低転がり抵抗性及びウェット性能を高いレベルで維持しながら耐摩耗性を改良することができる。ジエン系ゴム100重量%中、前記変性共役ジエン系重合体ゴムを好ましくは40〜80重量%、天然ゴムを好ましくは15〜45重量%及びブタジエンゴムを好ましくは15重量%以下含むとよい。天然ゴムの配合量は、ジエン系ゴム100重量%中好ましくは15〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%にする。天然ゴムの配合量が15重量%以上にすることにより、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性を高くすることができる。また転がり抵抗を低減することができる。天然ゴムの配合量を45重量%以下にすることにより、ウェットグリップ性能を確保すると共に、低転がり抵抗性及び耐摩耗性を改良することができる。天然ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用するとよい。
第三の実施形態において、ブタジエンゴムの配合量は、ジエン系ゴム100重量%中好ましくは15重量%以下、より好ましくは7〜15重量%にする。天然ゴムと併用するときブタジエンゴムの配合量を15重量%にするとウェット性能及び耐摩耗性を効率的に改良することができる。
ブタジエンゴムとしてはタイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用することができる。特に第三の実施形態において好適なブタジエンゴムとしては、分子量が高く、分子量分布が狭く、かつ分子鎖の分岐が少ないものがよい。このようなブタジエンゴムとしては、重量平均分子量が好ましくは70万〜90万であり、この重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは1.5〜3.0であり、25℃のトルエン溶液粘度が好ましくは300〜1000であるとよく、ウェット性能を維持しながら低転がり抵抗性及び耐摩耗性を一層向上することができる。
好ましいブタジエンゴムの分子量は、重量平均分子量(Mw)で好ましくは70万〜90万、より好ましくは76万〜85万であるとよい。ブタジエンゴムの重量平均分子量が70万未満であると、ゴム組成物の耐摩耗性及び強度が不足する。またブタジエンゴムの重量平均分子量が90万を超えるとゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する。またシリカを含む充填剤の分散性が悪化する。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)から求められるブタジエンゴムの分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは2.0〜2.5であるとよい。ブタジエンゴムの分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満であると、入手が困難になり、生産コストが高くなる。またブタジエンゴムの分子量分布(Mw/Mn)が3.0を超えると、ウェット性能を十分に高くすることができなくなる。
本発明においてブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定する。
ブタジエンゴムの25℃のトルエン溶液粘度は好ましくは300〜1000mPa・s、より好ましくは500〜800mPa・sであるとよい。トルエン溶液粘度はブタジエンゴムの分子鎖のリニアリティー(分岐の量)を示す指標であり、トルエン溶液粘度が高いほど、分子鎖の分岐が少なく直鎖の割合が多くゴム強度(引張り破断強度及び破断伸び)が優れることを意味する。ブタジエンゴムのトルエン溶液粘度が300mPa・s未満であると、ゴム組成物の耐摩耗性及びゴム強度が不足する。またブタジエンゴムのトルエン溶液粘度が1000mPa・sを超えるとゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する。本発明においてブタジエンゴムの25℃のトルエン溶液粘度は、ブタジエンゴムを5重量%含むトルエン溶液の粘度を、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して25℃で測定した。
本発明において、ゴム成分として変性共役ジエン系重合体ゴム、天然ゴム及びブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、末端変性していない溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。好ましくは乳化重合スチレンブタジエンゴムがよい。このようなジエン系ゴムは、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中75重量%以下、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは10〜40重量%にするとよい。
本発明において、シリカを50重量%以上含む充填剤をジエン系ゴム100重量部に対し25〜65重量部、好ましくは30〜65重量部配合する。充填剤の配合量をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の低転がり抵抗及びウェット性能をより高いレベルでバランスさせることができる。またゴム組成物の耐摩耗性を確保することができる。充填剤の配合量が25重量部未満であると、ウェット性能を確保することができない。また耐摩耗性が低下する。充填剤の配合量が65重量部を超えると、転がり抵抗性が悪化する。
また充填剤100重量%中のシリカの含有量は50重量%以上、好ましくは70〜100重量%にする。充填剤中のシリカの含有量をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の低転がり抵抗及びウェット性能を両立する。また、変性共役ジエン系重合体ゴムの配合により、シリカとの親和性を高くし分散性を改善するため、シリカ配合の効果を向上する。
シリカとしては、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常使用されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。またシリカの粒子性状は、下記(1)〜(4)の4つの粒子特性をすべて満たすものとする。
(1)DBP吸収量が190〜250ml/100g
シリカのDBP吸収量は190〜250ml/100gにする。DBP吸収量が190ml/100g未満であると、破断強度が低下する。DBP吸収量が250ml/100gを超えると、シリカの分散性が低下するため、転がり抵抗が悪化し、更には耐摩耗性も悪化する。シリカのDBP吸収量は、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めるものとする。
(2)窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は194〜225m2/gにする。シリカのN2SAが194m2/g未満であるとウェット性能が悪化する。またシリカのN2SAが225m2/gを超えると、シリカの分散性が低下するため、転がり抵抗が悪化し、更には耐摩耗性も悪化する。なおシリカのN2SAはJIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
(3)CTAB比表面積(CTAB)が185〜215m2/g
シリカのCTAB比表面積(CTAB)は185〜215m2/gにする。シリカのCTABが185m2/g未満であるとウェット性能が悪化し、耐摩耗性も悪化する。またシリカのCTABが215m2/gを超えると、転がり抵抗が悪化する。なおシリカのCTABはJIS K6217−3に準拠して求めるものとする。
(4)N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4
上述したN2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)は0.9〜1.4にする。シリカの特性比(N2SA/CTAB)が0.9未満であると、補強性が低下する。またシリカの特性比(N2SA/CTAB)が1.4を超えるとシリカの分散性が低下し、転がり抵抗が悪化する。
上述した(1)〜(4)の粒子性状のすべてを満たす高比表面積のシリカは、粒子表面間の相互作用が強くジエン系ゴムとの親和性が乏しいため、単にジエン系ゴムに配合すると分散性を良好にすることが困難であり、tanδなどの動的粘弾性特性を改質する効果が十分に得られなかった。また従来の末端変性スチレンブタジエンゴムと共に配合しても高比表面積のシリカの分散性は必ずしも十分に改良されたとは言えなかった。
これに対し本発明では、(1)〜(4)の粒子性状のすべてを満たす高比表面積のシリカを上述した変性共役ジエン系重合体ゴムと共に配合することにより、高比表面積のシリカの分散性を改良することができる。このため、変性共役ジエン系重合体ゴム及び高比表面積のシリカがtanδを共に改質し、さらなる相乗的効果を得ることができる。同時にゴム組成物の耐摩耗性を向上することができる。なお、シリカとして、高比表面積のシリカを単独で使用することができる。或いは高比表面積のシリカと(1)〜(4)の粒子性状を満たさない他のシリカとを共に使用してもよい。
シリカは、市販されているものの中から適宜選択して使用することができる。また通常の製造方法により得られたシリカを使用することができる。
本発明のゴム組成物において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を向上しジエン系ゴムとの補強性をより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは3〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量がシリカ重量の3重量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤が20重量%を超えると、シランカップリング剤同士が重合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、シリカ以外の他の充填剤を配合することができる。シリカ以外の他の充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示される。なかでもカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを含む他の充填剤を配合することによりゴム強度を高くすることができる。他の充填剤の含有量は、充填剤100重量%中50重量%以下、好ましくは0〜30重量%にするとよい。他の充填剤の含有量が50重量%を超えると転がり抵抗が悪化する。
タイヤトレッド用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤトレッド用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用することができる。このゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、低転がり抵抗及びウェット性能を従来レベル以上に向上することができる。また天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを配合したゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、優れた低転がり抵抗及びウェット性能を維持しながら、耐摩耗性が従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜7
表1〜3に示す配合からなる24種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例1〜7、比較例1〜17)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を表4に示す共通配合成分と共に、1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお表1〜3において、SBRが油展オイルを含むとき、油展オイルを含むSBRの配合量を記載すると共に、括弧内にオイルを除いた正味のSBRの配合量を記載した。また表4に示した共通配合成分の量は、表1〜3に記載されたジエン系ゴム100重量部(正味のゴム量)に対する重量部で配合したことを意味する。
得られた24種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を所定形状の金型中で、160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴムサンプルを作製し、下記に示す方法で転がり抵抗(60℃のtanδ)を測定した。
転がり抵抗:tanδ(60℃)
得られた加硫ゴムサンプルの転がり抵抗を、転がり抵抗の指標であることが知られている損失正接tanδ(60℃)により評価した。tanδ(60℃)は、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件下で測定した。得られた結果は比較例1を100とする指数として、表1〜3に示した。この指数が小さいほどtanδ(60℃)が小さく低発熱であり、空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
次に、タイヤ構造が図1に示す構成で、タイヤサイズが225/50R17の空気入りタイヤを、上述した24種類のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に使用して4本ずつ製作した。得られた24種類の空気入りタイヤのウェット性能を下記に示す方法により評価した。
ウェット性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときのウェット性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例1を100とする指数として、表1〜3に示した。この指数が大きいほど乾燥路面におけるウェット性能が優れていることを意味する。
Figure 2012073841
Figure 2012073841
Figure 2012073841
なお、表1〜3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・変性S−SBR1:変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が42重量%、ビニル単位含有量が32%、重量平均分子量(Mw)が75万、Tgが−25℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR1の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4533g、スチレン338.9g(3.254mol)、ブタジエン468.0g(8.652mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン0.189mL(1.271mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.061mL(7.945mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.281g(0.318mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに、下記に示すポリオルガノシロキサンAの40wt%キシレン溶液18.3g(0.318mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR1を得た。
ポリオルガノシロキサンA; 前記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンであって、m=80、n=0、k=120、X1,X4,R1〜R3,R5〜R8がそれぞれメチル基(−CH3)、X2が下記式(VIII)で表される炭化水素基であるポリオルガノシロキサン
Figure 2012073841
・変性S−SBR2:末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、芳香族ビニル単位含有量が20重量%、ビニル単位含有量が67%、重量平均分子量(Mw)が51万、Tgが−25℃、日本ゼオン社製Nipol NS616、非油展品
・変性S−SBR3:末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、芳香族ビニル単位含有量が35重量%、ビニル単位含有量が48%、重量平均分子量(Mw)が45万、Tgが−30℃、住友化学社製SE0372、ゴム成分100重量部に対しオイル分20重量部を含む油展品
・変性S−SBR4:末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、芳香族ビニル単位含有量が30重量%、ビニル単位含有量が61%、重量平均分子量(Mw)が43万、Tgが−27℃、旭化成社製N207、非油展品
・変性S−SBR5:末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、芳香族ビニル単位含有量が42重量%、ビニル単位含有量が35%、重量平均分子量(Mw)が44万、Tgが−24℃、旭化成社製アサプレンE10、非油展品
・変性S−SBR6: 前記一般式(II)の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が42重量%、ビニル単位含有量が32%、重量平均分子量(Mw)が75万、Tgが−25℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR6の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4550g、スチレン341.1g(3.275mol)、ブタジエン459.9g(8.502mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.190mL(1.277mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.062mL(7.946mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.283g(0.320mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに下記に示すポリオルガノシロキサンBの40wt%キシレン溶液19.0g(0.330mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR6を得た。
ポリオルガノシロキサンB; 前記一般式(II)の構造を有するポリオルガノシロキサンであって、R9〜R16がそれぞれメチル基(−CH3)、X5〜X8がそれぞれ前記式(VIII)で表される炭化水素基であるポリオルガノシロキサン
・変性S−SBR7: 前記一般式(III)の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が41重量%、ビニル単位含有量が32%、重量平均分子量(Mw)が75万、Tgが−25℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR7の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4542g、スチレン339.2g(3.257mol)、ブタジエン462.8g(8.556mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.188mL(1.264mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.059mL(7.942mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.283g(0.320mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに下記に示すポリオルガノシロキサンCの40wt%キシレン溶液19.2g(0.333mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR7を得た。
ポリオルガノシロキサンC; 前記一般式(III)の構造を有するポリオルガノシロキサンであって、s=2、R17〜R19がそれぞれメチル基(−CH3)、X9〜X11がそれぞれ前記式(VIII)で表される炭化水素基であるポリオルガノシロキサン
・変性S−SBR8: 前記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が34重量%、ビニル単位含有量が34%、重量平均分子量(Mw)が76万、Tgが−33℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR8の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4541g、スチレン277.6g(2.665mol)、ブタジエン523.1g(9.671mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.175mL(1.178mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム4.984mL(7.824mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.273g(0.327mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに、上述したポリオルガノシロキサンAの40wt%キシレン溶液18.1g(0.314mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR8を得た。
・変性S−SBR9: 前記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が49重量%、ビニル単位含有量が28%、重量平均分子量(Mw)が71万、Tgが−17℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR9の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4536g、スチレン401.0g(3.850mol)、ブタジエン392.0g(7.247mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.201mL(1.352mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.141mL(8.071mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.279g(0.320mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに、上述したポリオルガノシロキサンAの40wt%キシレン溶液18.6g(0.323mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR9を得た。
・変性S−SBR10: 前記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が41重量%、ビニル単位含有量が17%、重量平均分子量(Mw)が74万、Tgが−37℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR10の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4542g、スチレン339.2g(3.257mol)、ブタジエン462.8g(8.556mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.0376mL(0.253mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.059mL(7.942mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.280g(0.331mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに、上述したポリオルガノシロキサンAの40wt%キシレン溶液18.8g(0.326mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR10を得た。
・変性S−SBR11: 前記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンからなる変性共役ジエン系重合体ゴム、芳香族ビニル単位含有量が39重量%、ビニル単位含有量が40%、重量平均分子量(Mw)が75万、Tgが−21℃、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品、以下の製造方法により調製した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム。
〔変性S−SBR11の製造方法〕
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4543g、スチレン319.8g(3.071mol)、ブタジエン480.1g(8.876mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.217mL(1.462mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.141mL(8.0714mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.279g(0.320mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに、上述したポリオルガノシロキサンAの40wt%キシレン溶液18.6g(0.323mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を25部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性S−SBR11を得た。
・S−SBR:未変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、芳香族ビニル単位含有量が41重量%、ビニル単位含有量が25%、重量平均分子量(Mw)が101万、Tgが−30℃、Dow Chemical社製SLR6430、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
・E−SBR:乳化重合スチレンブタジエンゴム、芳香族ビニル単位含有量が25重量%、ビニル単位含有量が15重量%、重量平均分子量(Mw)が60万、Tgが−52℃、日本ゼオン社製Nipol 1723、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
・NR:天然ゴム、RSS#3
・シリカ1:ローディア社製Zeosil 1165MP、DBP吸収量が200ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が160m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が159m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.01
・シリカ2:ローディア社製Zeosil Premium 200MP、DBP吸収量が203ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が200m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が197m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.02
・シリカ3:東ソーシリカ社製Nipsil KQ、DBP吸収量が261ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が235m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が214m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.10
・シリカ4:東ソーシリカ社製Nipsil AQ、DBP吸収量が192ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が210m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が160m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.31
・カーボンブラック:東海カーボン社製シーストKH
・シランカップリング剤:エボニックデグサ社製Si69
・オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト 4号S
Figure 2012073841
なお、表4において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
・ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1:加硫促進剤CBS、大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤2:加硫促進剤DPG、大内新興化学工業社製ノクセラーD
表1〜3から明らかなように実施例1〜7のタイヤトレッド用ゴム組成物は、低転がり抵抗性(60℃のtanδ)及びウェット性能が向上することが確認された。
比較例2のゴム組成物は、比較例1のシリカ2をシリカ1に変更したことにより、低転がり抵抗性およびウェット性能のバランス共に悪化する。比較例3のゴム組成物は、比較例2の変性S−SBR2を変性S−SBR1したので低転がり抵抗性およびウェット性能のバランスが改良するが、シリカ1のN2SAが194m2/g未満、CTAB比表面積が185m2/g未満であるため、実施例1〜7のゴム組成物に比べ低転がり抵抗性およびウェット性能が共に不足する。
表2から明らかなように、比較例4のゴム組成物は、変性S−SBR3の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を低減することができない。比較例5のゴム組成物は、変性S−SBR4の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を十分に低減することができない。比較例6のゴム組成物は、変性S−SBR5の重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を低減することができない。比較例7のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムの代わりに未変性のS−SBRを配合したので転がり抵抗を低減することができない。
比較例8のゴム組成物は、変性S−SBR1の配合量がジエン系ゴム中の25重量%未満であるので、転がり抵抗が悪化する。またウェット性能も不足する。比較例9のゴム組成物は、充填剤中のシリカの含有量が50重量%未満であるので転がり抵抗を低減することができない。比較例10のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が25重量部未満であるので、ウェット性能が悪化する。比較例11のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が65重量部を超えるので、転がり抵抗が悪化する。
表3から明らかなように、比較例12のゴム組成物は、変性S−SBR8の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満であるので、ウェット性能を改良する効果が実施例1〜7と比較して小さい。比較例13のゴム組成物は、変性S−SBR9の芳香族ビニル単位含有量が48重量%より大きいので、転がり抵抗を低減することができない。比較例14のゴム組成物は、変性S−SBR10のビニル単位含有量が20重量%未満なので、ウェット性能が悪化する。比較例15のゴム組成物は、変性S−SBR11のビニル単位含有量が35重量%を超えるので、転がり抵抗を低減することができない。
比較例16のゴム組成物は、シリカ3のDBPが250ml/100gを超え、N2SAが225m2/gを超えるので、シリカの分散性が低下し、転がり抵抗が悪化する。比較例17のゴム組成物は、シリカ4のCTABが185m2/g未満であるので、ウェット性能を改良する効果が実施例1〜7と比較して小さい。
実施例8〜23
表5〜10に示す配合からなる46種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例8〜23、比較例18〜47)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を上記の表4に記載した共通配合成分と共に、1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお表5〜10において、SBRが油展オイルを含むとき、油展オイルを含むSBRの配合量を記載すると共に、括弧内にオイルを除いた正味のSBRの配合量を記載した。また表4に示した共通配合成分の量は、表5〜10に記載されたジエン系ゴム100重量部(正味のゴム量)に対する重量部で配合したことを意味する。
得られた46種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を所定形状の金型中で、160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴムサンプルを作製し、下記に示す方法で転がり抵抗(60℃のtanδ)及び耐摩耗性を測定し、評価した。
転がり抵抗:tanδ(60℃)
得られた加硫ゴムサンプルの転がり抵抗を、転がり抵抗の指標であることが知られている損失正接tanδ(60℃)により評価した。tanδ(60℃)は、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件下で測定した。得られた結果は比較例18を100とする指数として、表5〜10に示した。この指数が小さいほどtanδ(60℃)が小さく低発熱であり、空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた加硫ゴムサンプルのランボーン摩耗を、JIS K6264−2に準拠して、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験機を使用し、温度20℃、荷重15N、スリップ率50%の条件で測定した。得られた結果は、比較例18を100とする指数として、表5〜10に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
次に、タイヤ構造が図1に示す構成で、タイヤサイズが225/50R17の空気入りタイヤを、上述した46種類のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に使用して4本ずつ製作した。得られた46種類の空気入りタイヤのウェット性能を下記に示す方法により測定し、評価した。
ウェット性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときのウェット性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例18を100とする指数として、表5〜10に示した。この指数が大きいほど乾燥路面におけるウェット性能が優れていることを意味する。
Figure 2012073841
Figure 2012073841
Figure 2012073841
Figure 2012073841
Figure 2012073841
Figure 2012073841
なお、表5〜10において使用した原材料の種類は、以下に記載したものを除き表1〜3で使用した原材料と同じものを使用した。
・BR1:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
表5〜10から明らかなように実施例8〜23のタイヤトレッド用ゴム組成物は、低転がり抵抗性(60℃のtanδ)、ウェット性能及び耐摩耗性が向上することが確認された。
比較例19のゴム組成物は、比較例18のシリカ2をシリカ1に変更したことにより、比較例18と比べ低転がり抵抗性(60℃のtanδ)、ウェット性能及び耐摩耗性がいずれも悪化した。
表6から明らかなように、比較例20のゴム組成物は、変性S−SBR3の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を十分に低減することができず、ウェット性能及び耐摩耗性も十分には改良することができない。比較例21のゴム組成物は、変性S−SBR4の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を十分に低減することができず、耐摩耗性を改良することができない。またウェット性能も十分には改良することができない。比較例22のゴム組成物は、変性S−SBR5の重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を十分に低減することができず、耐摩耗性も十分には改良することができない。比較例23のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムの代わりに未変性のS−SBRを配合したので転がり抵抗を十分に低減することができない。またウェット性能及び耐摩耗性も実施例8〜23とくらべ低いレベルである。
比較例24のゴム組成物は、ジエン系ゴム中、変性S−SBR1の含有量が85重量%であるので、耐摩耗性を改良する効果が比較的小さい。比較例25のゴム組成物は、充填剤中のシリカの含有量が50重量%未満であるので転がり抵抗を低減することができない。またウェット性能も実施例8〜23と比べ十分に改良することができない比較例26のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が25重量部未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性が低下する。比較例27のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が65重量部を超えるので、転がり抵抗が悪化する。
表7から明らかなように、比較例28のゴム組成物は、変性S−SBR8の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満であるので、ウェット性能を改良する効果が実施例8〜15と比較して小さい。また耐摩耗性が悪化する。比較例29のゴム組成物は、変性S−SBR9の芳香族ビニル単位含有量が48重量%より大きいので、共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)が上昇し、転がり抵抗を低減することができない。さらに耐摩耗性も悪化する。比較例30のゴム組成物は、変性S−SBR10のビニル単位含有量が20重量%未満なので、ウェット性能を改良する効果が実施例8〜15と比較して小さい。また、強度を高くする効果が十分に得られない為に耐摩耗性が悪化する。比較例31のゴム組成物は、変性S−SBR11のビニル単位含有量が35重量%を超えるので、転がり抵抗を低減することができず、強度が低下する為に耐摩耗性が悪化する。
比較例32のゴム組成物は、シリカ3のDBPが250ml/100gを超え、N2SAが225m2/gを超えるので、シリカの分散性が低下し、転がり抵抗が悪化、さらには耐摩耗性が悪化する。比較例33のゴム組成物は、シリカ4のCTABが185m2/g未満であるので、ウェット性能を改良する効果が得られず、さらには耐摩耗性が悪化する。
表8から明らかなように、比較例34のゴム組成物は、変性S−SBR3の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を十分に改良することができない。
表9から明らかなように、比較例35のゴム組成物は、変性S−SBR4の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を十分に改良することができない。比較例36のゴム組成物は、変性S−SBR5の重量平均分子量が60万未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を十分に改良することができない。比較例37のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムの代わりに未変性のS−SBRを配合したので、転がり抵抗及びウェット性能のバランスが実施例と比べて劣る。比較例38のゴム組成物は、ジエン系ゴム中、変性S−SBR1の含有量が85重量%であるので、耐摩耗性を改良する効果が比較的小さい。比較例39のゴム組成物は、充填剤中のシリカの含有量が50重量%未満であるので転がり抵抗を低減することができない。またウェット性能も実施例8〜23と比べ十分に改良することができない。比較例40のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が25重量部未満であるので、転がり抵抗及び耐摩耗性が悪化する。比較例41のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が65重量部を超えるので、転がり抵抗が悪化する。
表10から明らかなように、比較例42のゴム組成物は、変性S−SBR8の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満であるので、ウェット性能を改良する効果が実施例16〜23と比較して小さい。また強度を高くする効果が十分に得られない為に耐摩耗性が悪化する。比較例43のゴム組成物は、変性S−SBR9の芳香族ビニル単位含有量が48重量%より大きいので、共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)が上昇し、転がり抵抗を低減することができない。さらに耐摩耗性も悪化する。比較例44のゴム組成物は、変性S−SBR10のビニル単位含有量が20重量%未満なので、ウェット性能を改良する効果が実施例16〜23と比較して小さい。また、強度を高くする効果が十分に得られない為に耐摩耗性が悪化する。比較例45のゴム組成物は、変性S−SBR11のビニル単位含有量が35重量%を超えるので、転がり抵抗を低減することができず、強度が低下する為に耐摩耗性が悪化する。
比較例46のゴム組成物は、シリカ3のDBPが250ml/100gを超え、N2SAが225m2/gを超えるので、シリカの分散性が低下し、転がり抵抗が悪化、さらには耐摩耗性が悪化する。比較例47のゴム組成物は、シリカ4のCTABが185m2/g未満であるので、ウェット性能を改良する効果が実施例16〜23と比較して小さく、さらには耐摩耗性が悪化する。
実施例24〜31
表11〜13に示す配合からなる23種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例24〜31、比較例48〜62)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を上記の表4に記載した共通配合成分と共に、1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお表11〜13において、SBRが油展オイルを含むとき、油展オイルを含むSBRの配合量を記載すると共に、括弧内にオイルを除いた正味のSBRの配合量を記載した。また表4に示した共通配合成分の量は、表11〜13に記載されたジエン系ゴム100重量部(正味のゴム量)に対する重量部で配合したことを意味する。
得られた23種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を所定形状の金型中で、160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴムサンプルを作製し、下記に示す方法で転がり抵抗(60℃のtanδ)及び耐摩耗性を測定し、評価した。
転がり抵抗:tanδ(60℃)
得られた加硫ゴムサンプルの転がり抵抗を、転がり抵抗の指標であることが知られている損失正接tanδ(60℃)により評価した。tanδ(60℃)は、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件下で測定した。得られた結果は比較例48を100とする指数として、表11〜13に示した。この指数が小さいほどtanδ(60℃)が小さく低発熱であり、空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた加硫ゴムサンプルのランボーン摩耗を、JIS K6264−2に準拠して、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験機を使用し、温度20℃、荷重15N、スリップ率50%の条件で測定した。得られた結果は、比較例48を100とする指数として、表11〜13に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
次に、タイヤ構造が図1に示す構成で、タイヤサイズが225/50R17の空気入りタイヤを、上述した23種類のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に使用して4本ずつ製作した。得られた23種類の空気入りタイヤのウェット性能を下記に示す方法により測定し、評価した。
ウェット性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときのウェット性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例48を100とする指数として、表11〜13に示した。この指数が大きいほど乾燥路面におけるウェット性能が優れていることを意味する。
Figure 2012073841
Figure 2012073841
Figure 2012073841
なお、表11〜13において使用した原材料の種類は、以下に記載したものを除き表1〜10で使用した原材料と同じものを使用した。
・BR1:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220、重量平均分子量(Mw)が49万、分子量分布(Mw/Mn)が2.7、トルエン溶液粘度が60mPa・s
・BR2:ブタジエンゴム、ランクセス社製CB21、重量平均分子量(Mw)が77万、分子量分布(Mw/Mn)が2.4、トルエン溶液粘度が600mPa・s
・テルペン樹脂:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジン−TO125
表11〜13から明らかなように実施例24〜31のタイヤトレッド用ゴム組成物は、低転がり抵抗性(60℃のtanδ)、ウェット性能及び耐摩耗性が向上することが確認された。比較例49のゴム組成物は、比較例48の天然ゴムの代わりにE−SBRを配合すると共に、シリカ2をシリカ1に変更したことにより、比較例48と比べ転がり抵抗性、ウェット性能及び耐摩耗性がいずれも悪化する。
表12から明らかなように、比較例50のゴム組成物は、変性S−SBR3の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を低減することができず、ウェット性能及び耐摩耗性を改良することができない。比較例51のゴム組成物は、変性S−SBR4の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を改良することができない。比較例52のゴム組成物は、変性S−SBR5の重量平均分子量が60万未満であるので、転がり抵抗を十分に低減することができない。またウェット性能及び耐摩耗性を改良することができない。比較例53のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムの代わりに未変性のS−SBRを配合したので転がり抵抗を十分に低減することができない。またウェット性能及び耐摩耗性が低下する。
比較例54のゴム組成物は、充填剤中のシリカの含有量が50重量%未満であるので転がり抵抗を低減しウェット性能を改良することができない。比較例55のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が25重量部未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を改良することができない。比較例56のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が65重量部を超えるので、転がり抵抗が悪化する。
表13から明らかなように、比較例57のゴム組成物は、変性S−SBR8の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満であるので、ウェット性能を改良する効果が実施例24〜31と比較して小さい。また耐摩耗性が悪化する。比較例58のゴム組成物は、変性S−SBR9の芳香族ビニル単位含有量が48重量%より大きいので、共役ジエン系重合体ゴムのガラス転移温度(Tg)が上昇し、転がり抵抗を低減することができない。さらに耐摩耗性も悪化する。比較例59のゴム組成物は、変性S−SBR10のビニル単位含有量が20重量%未満なので、ウェット性能を改良する効果が実施例24〜31と比較して小さい。また、強度を高くする効果が十分に得られない為に耐摩耗性が悪化する。比較例60のゴム組成物は、変性S−SBR11のビニル単位含有量が35重量%を超えるので、転がり抵抗を低減することができず、強度が低下する為に耐摩耗性が悪化する。
比較例61のゴム組成物は、シリカ3のDBPが250ml/100gを超え、N2SAが225m2/gを超えるので、シリカの分散性が低下し、転がり抵抗が悪化、さらには耐摩耗性を十分に改良することができない。比較例62のゴム組成物は、シリカ4のCTABが185m2/g未満であるので、ウェット性能を改良する効果が得られず、さらには耐摩耗性が悪化する。
1 トレッド部
12 トレッドゴム層
ウェット性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときのウェット性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例1を100とする指数として、表1〜3に示した。この指数が大きいほど湿潤路面におけるウェット性能が優れていることを意味する。
実施例8〜23及び実施例32,33
表5〜10に示す配合からなる46種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例8〜23及び実施例32,33、比較例18〜23,25〜37,39〜47)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を上記の表4に記載した共通配合成分と共に、1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお表5〜10において、SBRが油展オイルを含むとき、油展オイルを含むSBRの配合量を記載すると共に、括弧内にオイルを除いた正味のSBRの配合量を記載した。また表4に示した共通配合成分の量は、表5〜10に記載されたジエン系ゴム100重量部(正味のゴム量)に対する重量部で配合したことを意味する。
ウェット性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときのウェット性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例18を100とする指数として、表5〜10に示した。この指数が大きいほど湿潤路面におけるウェット性能が優れていることを意味する。
Figure 2012073841
Figure 2012073841
実施例32のゴム組成物は、ジエン系ゴム中、変性S−SBR1の含有量が85重量%であるので、耐摩耗性を改良する効果が比較的小さい。比較例25のゴム組成物は、充填剤中のシリカの含有量が50重量%未満であるので転がり抵抗を低減することができない。またウェット性能も実施例8〜23と比べ十分に改良することができない比較例26のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が25重量部未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性が低下する。比較例27のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が65重量部を超えるので、転がり抵抗が悪化する。
表9から明らかなように、比較例35のゴム組成物は、変性S−SBR4の芳香族ビニル単位含有量が38重量%未満、ビニル単位含有量が35重量%を超え、重量平均分子量が60万未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を十分に改良することができない。比較例36のゴム組成物は、変性S−SBR5の重量平均分子量が60万未満であるので、ウェット性能及び耐摩耗性を十分に改良することができない。比較例37のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムの代わりに未変性のS−SBRを配合したので、転がり抵抗及びウェット性能のバランスが実施例と比べて劣る。実施例33のゴム組成物は、ジエン系ゴム中、変性S−SBR1の含有量が85重量%であるので、耐摩耗性を改良する効果が比較的小さい。比較例39のゴム組成物は、充填剤中のシリカの含有量が50重量%未満であるので転がり抵抗を低減することができない。またウェット性能も実施例8〜23と比べ十分に改良することができない。比較例40のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が25重量部未満であるので、転がり抵抗及び耐摩耗性が悪化する。比較例41のゴム組成物は、シリカを含めた充填剤の配合量が65重量部を超えるので、転がり抵抗が悪化する。
ウェット性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときのウェット性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例48を100とする指数として、表11〜13に示した。この指数が大きいほど湿潤路面におけるウェット性能が優れていることを意味する。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体ゴムを25重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、充填剤を25〜65重量部配合すると共に、前記充填剤がシリカを50重量%以上含み、該シリカが、DBP吸収量が190〜250ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が185〜215m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であり、かつ前記変性共役ジエン系重合体ゴムが、炭化水素溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤として用いて共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させた活性共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種類のポリオルガノシロキサン化合物を反応させた末端変性基を有し、該末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含むと共に、この変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、ビニル単位含有量が20〜35%、重量平均分子量が60万〜100万であることを特徴とする。
Figure 2012073841
(上記式(I)において、R 1 〜R 8 は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X 1 およびX 4 は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基、または炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、X 1 およびX 4 は互いに同一であっても相違してもよい。X 2 は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。X 3 は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X 3 の一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
Figure 2012073841
(上記式(II)において、R 9 〜R 16 は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X 5 〜X 8 は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
Figure 2012073841
(上記式(III)において、R 17 〜R 19 は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X 9 〜X 11 は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。)
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させた活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と、前記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種類のポリオルガノシロキサン化合物を反応させた末端変性基を有し、この末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含み、芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、ビニル単位含有量が20〜35%、重量平均分子量が60万〜100万である変性共役ジエン系重合体ゴムを25重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、DBP吸収量が190〜250ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が185〜215m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であるシリカを50重量%以上含む充填剤を25〜65重量部配合することにより、ジエン系ゴムとシリカとの親和性を高くしシリカの分散性を向上することにより発熱性を小さくして転がり抵抗を低減すると共に、ウェット性能を改良することができる。特に芳香族ビニル単位含有量を38〜48重量%にすることにより変性共役ジエン系重合体ゴムが微細な相分離形態を形成すると共に、前記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種類のポリオルガノシロキサン化合物との反応により生じる末端変性基がシリカと相互作用する官能基を含有し、その重量平均分子量を60万〜100万にすることによりその末端変性基の濃度を適正化したので、末端変性基がシリカに効率的に作用しシリカの分散性を一層良好して空気入りタイヤの低転がり抵抗性を大幅に低減し、かつウェット性能を一層向上することができる。
発明のゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上することができる。
本発明において、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物は、ポリオルガノシロキサン化合物であ。ポリオルガノシロキサン化合物は一種類の化合物、或いは複数の化合物を組み合わせて、重合体に結合させることができる。
ポリオルガノシロキサン化合物は、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物である。すなわち、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物は、これらのポリオルガノシロキサン化合物から選ばれる少なくとも1種類を含み、複数の種類を組み合わせてもよい。
一般式(I)
Figure 2012073841
(上記式(I)において、R1〜R8は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X1およびX4は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基、または炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、X1およびX4は互いに同一であっても相違してもよい。X2は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X3の一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
一般式(II)
Figure 2012073841
(上記式(II)において、R9〜R16は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X5〜X8は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
一般式(III):
Figure 2012073841
(上記式(III)において、R17〜R19は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X9〜X11は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。)
1、X2およびX4を構成する2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基としては、下記一般式(V)で表される基が好ましく挙げられる。
Figure 2012073841
(式(V)中、jは2〜10の整数である。特にjは2であることが好ましい。)
このようにX1,X2及びX4の少なくとも一つが2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基を含むポリオルガノシロキサンを、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に反応させると、2−ピロリドニル基を構成するカルボニル基の炭素−酸素結合が開裂して、その炭素原子に重合体鎖が結合した構造を形成する。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基である。2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基としては、下記一般式(VII)で表される基が好ましい。
Figure 2012073841
式(VII)中、tは2〜20の整数であり、R1は炭素数2〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、R3は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数1〜10のアルコキシル基またはアリーロキシ基である。これらの中でも、tが2〜8の整数であり、R1が炭素数3のアルキレン基であり、R3が水素原子であり、かつR2がメトキシ基であるものが好ましい。
ポリオルガノシロキサンA; 前記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンであって、m=80、n=0、k=120、X1,X4,R1〜R3,R5〜R8がそれぞれメチル基(−CH3)、X2が下記式(VIII)で表される炭化水素基であるポリオルガノシロキサン
Figure 2012073841

Claims (5)

  1. 変性共役ジエン系重合体ゴムを25重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、充填剤を25〜65重量部配合すると共に、前記充填剤がシリカを50重量%以上含み、該シリカが、DBP吸収量が190〜250ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が185〜215m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であり、かつ前記変性共役ジエン系重合体ゴムが、炭化水素溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤として用いて共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させた活性共役ジエン系重合体鎖に、その重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する少なくとも1種類の化合物を反応させた末端変性基を有し、該末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含むと共に、この変性共役ジエン系重合体ゴムの芳香族ビニル単位含有量が38〜48重量%、ビニル単位含有量が20〜35%、重量平均分子量が60万〜100万であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100重量%中、変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、天然ゴムを15〜45重量%含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100重量%中、変性共役ジエン系重合体ゴムを40〜80重量%、ブタジエンゴムを15〜35重量%含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物が、下記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種類のポリオルガノシロキサン化合物を含むことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2012073841
    (上記式(I)において、R1〜R8は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X1およびX4は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基、または炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、X1およびX4は互いに同一であっても相違してもよい。X2は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X3の一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
    Figure 2012073841
    (上記式(II)において、R9〜R16は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X5〜X8は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
    Figure 2012073841
    (上記式(III)において、R17〜R19は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X9〜X11は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
JP2012521894A 2010-12-03 2011-11-25 タイヤトレッド用ゴム組成物 Active JP5240410B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012521894A JP5240410B2 (ja) 2010-12-03 2011-11-25 タイヤトレッド用ゴム組成物

Applications Claiming Priority (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010270800 2010-12-03
JP2010270800 2010-12-03
JP2010270790 2010-12-03
JP2010270819 2010-12-03
JP2010270819 2010-12-03
JP2010270810 2010-12-03
JP2010270810 2010-12-03
JP2010270790 2010-12-03
PCT/JP2011/077255 WO2012073841A1 (ja) 2010-12-03 2011-11-25 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2012521894A JP5240410B2 (ja) 2010-12-03 2011-11-25 タイヤトレッド用ゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5240410B2 JP5240410B2 (ja) 2013-07-17
JPWO2012073841A1 true JPWO2012073841A1 (ja) 2014-05-19

Family

ID=46171776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012521894A Active JP5240410B2 (ja) 2010-12-03 2011-11-25 タイヤトレッド用ゴム組成物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9416252B2 (ja)
JP (1) JP5240410B2 (ja)
CN (1) CN103221476B (ja)
DE (1) DE112011104012B9 (ja)
WO (1) WO2012073841A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103237841B (zh) * 2010-12-03 2014-12-24 横滨橡胶株式会社 轮胎胎面用橡胶组合物
JP5429255B2 (ja) * 2011-09-30 2014-02-26 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JP5316660B2 (ja) * 2012-02-15 2013-10-16 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6019946B2 (ja) * 2012-08-31 2016-11-02 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5737324B2 (ja) 2013-05-02 2015-06-17 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物
DE112014002459B9 (de) * 2013-05-17 2018-03-15 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Kautschukzusammensetzung für Reifenlauffläche, vulkanisiertes Produkt davon und dessen Verwendung in einer Reifenlauffläche eines Luftreifens
JP6615444B2 (ja) * 2013-10-17 2019-12-04 日信工業株式会社 ゴム組成物の製造方法及びゴム組成物
WO2015076048A1 (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 住友ゴム工業株式会社 冬用タイヤ
CN103724710A (zh) * 2014-01-08 2014-04-16 上海轮胎橡胶(集团)股份有限公司轮胎研究所 一种含有钕系顺丁橡胶的橡胶组合物
CA2915787C (en) * 2014-03-07 2017-12-05 Industrias Negromex, S.A. De C.V. Silica masterbatch made with emulsion and solution rubber
EP3106491B1 (en) 2014-03-31 2020-04-01 UBE Industries, Ltd. Rubber composition for tires
US10233313B2 (en) 2014-08-07 2019-03-19 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Rubber composition and pneumatic tire using the same
JP6520018B2 (ja) * 2014-08-27 2019-05-29 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP6227506B2 (ja) * 2014-08-27 2017-11-08 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP6064952B2 (ja) * 2014-08-27 2017-01-25 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP6601409B2 (ja) * 2014-10-17 2019-11-06 日本ゼオン株式会社 タイヤ用ゴム組成物
KR101830492B1 (ko) * 2016-01-26 2018-02-20 한화토탈 주식회사 변성공액디엔계 중합체 및 이를 이용한 타이어 고무조성물
JP6354924B1 (ja) * 2017-01-12 2018-07-11 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2019031659A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 旭化成株式会社 変性共役ジエン系重合体組成物、及びタイヤ
JP7159566B2 (ja) * 2018-02-13 2022-10-25 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物
WO2019221184A1 (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019218503A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 住友ゴム工業株式会社 サイドウォールおよび空気入りタイヤ
JP2019218504A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 住友ゴム工業株式会社 ベーストレッドおよび空気入りタイヤ
TW202022035A (zh) * 2018-10-25 2020-06-16 日商Jsr股份有限公司 聚合物組成物、交聯聚合物及輪胎
JP7072532B2 (ja) * 2019-03-19 2022-05-20 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3711598B2 (ja) * 1995-10-19 2005-11-02 住友化学株式会社 変性ジエン系重合体ゴムの製造方法
JP3685572B2 (ja) 1996-12-17 2005-08-17 住友ゴム工業株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP4817519B2 (ja) * 2001-03-26 2011-11-16 旭化成ケミカルズ株式会社 変性共役ジエン系重合体組成物及びゴム組成物
AU2003241733A1 (en) 2002-05-31 2003-12-19 Zeon Corporation Conjugated diene rubber, process for producing the same, and rubber composition
EP1661946B1 (en) * 2003-09-01 2012-12-26 Zeon Corporation Conjugated diene rubber compositions, process for production of the same and products of crosslinking thereof
JP4426331B2 (ja) * 2004-02-09 2010-03-03 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP4492788B2 (ja) * 2004-03-17 2010-06-30 日本ゼオン株式会社 共役ジエン系ゴム組成物およびゴム架橋物
JP5350577B2 (ja) * 2005-09-15 2013-11-27 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP5167512B2 (ja) * 2007-06-27 2013-03-21 住友ゴム工業株式会社 トレッドゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5245346B2 (ja) * 2007-10-10 2013-07-24 日本ゼオン株式会社 共役ジエン重合体組成物の製造方法
JP5287235B2 (ja) * 2008-12-26 2013-09-11 日本ゼオン株式会社 変性芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムおよびゴム組成物
JP2010241898A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
WO2010126095A1 (ja) * 2009-04-28 2010-11-04 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP4875757B2 (ja) * 2010-01-13 2012-02-15 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5240409B2 (ja) * 2010-12-03 2013-07-17 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
CN103237841B (zh) * 2010-12-03 2014-12-24 横滨橡胶株式会社 轮胎胎面用橡胶组合物
JP5429255B2 (ja) * 2011-09-30 2014-02-26 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
CN103221476A (zh) 2013-07-24
DE112011104012B4 (de) 2017-04-06
DE112011104012T5 (de) 2013-08-29
US9416252B2 (en) 2016-08-16
US20130338255A1 (en) 2013-12-19
WO2012073841A1 (ja) 2012-06-07
CN103221476B (zh) 2014-11-12
DE112011104012B9 (de) 2017-08-03
JP5240410B2 (ja) 2013-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5447667B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
WO2012073841A1 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5429255B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
WO2013122237A1 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5376027B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
WO2012073838A1 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5835409B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5776356B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
WO2016039005A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6019946B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5691456B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5789968B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2013166865A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5838760B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
US20240132706A1 (en) Rubber composition for tires and tire

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5240410

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250