JP2016098347A - ゴム組成物用配合剤およびゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とを含有するゴム組成物を調製するためのゴム組成物用配合剤であって、ゴム組成物のペイン効果の増加を抑えながら加硫後のゴム組成物の剛性を向上させるゴム組成物用配合剤、および、上記ゴム組成物用配合剤を含有するゴム組成物を提供する。【解決手段】金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物である、ゴム組成物用配合剤であって、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造される、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される、ゴム組成物用配合剤。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物用配合剤およびゴム組成物に関する。
タイヤには、剛性や低燃費性など様々な特性が求められる。このような要求に応えるために、タイヤに使用されるゴム組成物には様々な配合剤(例えば、カーボンブラック、金属酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)、シランカップリング剤など)が配合される。
また、特許文献1には、ゴム組成物に配合する化合物としてアルコキシ変性シルセスキオキサンが開示されている。
また、特許文献1には、ゴム組成物に配合する化合物としてアルコキシ変性シルセスキオキサンが開示されている。
このようななか、本発明者が、特許文献1を参考に、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合してゴム組成物を調製したところ、加硫後の剛性には優れるが、ペイン効果が大きく、ゴム組成物中の金属酸化物粒子の分散性が低いことが分かった。このようにゴム組成物中の金属酸化物粒子の分散性が低いと、タイヤにしたときに発熱し易くなり、低燃費性に劣るため、問題である。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とを含有するゴム組成物を調製するためのゴム組成物用配合剤であって、ゴム組成物のペイン効果の増加を抑えながら加硫後のゴム組成物の剛性を向上させるゴム組成物用配合剤、および、上記ゴム組成物用配合剤を含有するゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物を使用することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物である、ゴム組成物用配合剤であって、
金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造される、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される、ゴム組成物用配合剤。
(2) 上記シルセスキオキサン化合物が、少なくとも2種以上のシランカップリング剤を縮合させることで得られる化合物であり、
上記少なくとも2種以上のシランカップリング剤のうち少なくとも1種以上のシランカップリング剤が、硫黄原子含有シランカップリング剤である、上記(1)に記載のゴム組成物用配合剤。
(3) 上記シルセスキオキサン化合物が、硫黄原子含有シランカップリング剤と硫黄原子非含有シランカップリング剤とを縮合させることで得られる化合物であり、
上記硫黄原子含有シランカップリング剤の量に対する、上記硫黄原子非含有シランカップリング剤の量が、モル比で、0.1〜10である、上記(1)または(2)に記載のゴム組成物用配合剤。
(4) 金属酸化物粒子の存在下で硫黄原子含有シランカップリング剤を縮合させることにより製造される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物用配合剤であって、
上記金属酸化物粒子の量に対する、上記硫黄原子含有シランカップリング剤の量が、3質量%以上である、ゴム組成物用配合剤。
(5) 上記金属酸化物粒子が、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子および酸化マグネシウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含む、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物用配合剤。
(6) ジエン系ゴムと、予め製造された上記(1)〜(5)のいずれかに記載のゴム組成物用配合剤と、を含有する、ゴム組成物。
(7) さらに、シランカップリング剤を含有する、上記(6)に記載のゴム組成物。
(8) さらに、充填剤を含有する、上記(6)または(7)に記載のゴム組成物。
金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造される、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される、ゴム組成物用配合剤。
(2) 上記シルセスキオキサン化合物が、少なくとも2種以上のシランカップリング剤を縮合させることで得られる化合物であり、
上記少なくとも2種以上のシランカップリング剤のうち少なくとも1種以上のシランカップリング剤が、硫黄原子含有シランカップリング剤である、上記(1)に記載のゴム組成物用配合剤。
(3) 上記シルセスキオキサン化合物が、硫黄原子含有シランカップリング剤と硫黄原子非含有シランカップリング剤とを縮合させることで得られる化合物であり、
上記硫黄原子含有シランカップリング剤の量に対する、上記硫黄原子非含有シランカップリング剤の量が、モル比で、0.1〜10である、上記(1)または(2)に記載のゴム組成物用配合剤。
(4) 金属酸化物粒子の存在下で硫黄原子含有シランカップリング剤を縮合させることにより製造される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物用配合剤であって、
上記金属酸化物粒子の量に対する、上記硫黄原子含有シランカップリング剤の量が、3質量%以上である、ゴム組成物用配合剤。
(5) 上記金属酸化物粒子が、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子および酸化マグネシウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含む、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物用配合剤。
(6) ジエン系ゴムと、予め製造された上記(1)〜(5)のいずれかに記載のゴム組成物用配合剤と、を含有する、ゴム組成物。
(7) さらに、シランカップリング剤を含有する、上記(6)に記載のゴム組成物。
(8) さらに、充填剤を含有する、上記(6)または(7)に記載のゴム組成物。
以下に示すように、本発明によれば、ゴム組成物のペイン効果の増加を抑えながら加硫後のゴム組成物の剛性を向上させるゴム組成物用配合剤、および、上記ゴム組成物用配合剤を含有するゴム組成物を提供することができる。
以下に、本発明のゴム組成物用配合剤、および、上記ゴム組成物用配合剤を含有するゴム組成物について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、(メタ)アクリル基は、アクリル基またはメタクリル基を表す。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、(メタ)アクリル基は、アクリル基またはメタクリル基を表す。
[ゴム組成物用配合剤]
本発明のゴム組成物用配合剤(以下、単に「本発明の配合剤」とも言う)は、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物であり、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造されるか、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される。
本発明の配合剤はこのような構成をとるため、上述した本発明の効果が得られるものと考えられる。
本発明のゴム組成物用配合剤(以下、単に「本発明の配合剤」とも言う)は、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物であり、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造されるか、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される。
本発明の配合剤はこのような構成をとるため、上述した本発明の効果が得られるものと考えられる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
上述のとおり、本発明の配合剤は、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物であり、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造されるか、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される。そのため、本発明の配合剤が製造される過程で、シルセスキオキサン化合物は金属酸化物粒子の表面に化学的または物理的に吸着し、金属酸化物粒子の表面の一部または全部がシルセスキオキサン化合物によって被覆されたハイブリッド構造が形成されるものと考えられる。
このようなハイブリッド構造を有する本発明の配合剤をジエン系ゴムに配合した場合、金属酸化物粒子の表面を被覆しているシルセスキオキサン化合物とジエン系ゴムとの親和性が高いため、金属酸化物粒子は極めて高いレベルで分散するものと考えられる。結果として、ペイン効果の増加が抑えられるものと考えられる。
一方、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物を予め製造せずに、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合した場合には、上述したハイブリッド構造が形成されないため、金属酸化物粒子の分散が不十分になるものと考えられる。
このことは、後述する比較例が示すように、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合した場合(比較例2)には、ペイン効果の増加が抑えられないことからも推測される。
また、本発明の配合剤をジエン系ゴムに配合した場合、ゴム組成物中にシルセスキオキサン構造が付与されるため、加硫後のゴム組成物の剛性が向上するものと考えられる。
上述のとおり、本発明の配合剤は、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物であり、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造されるか、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される。そのため、本発明の配合剤が製造される過程で、シルセスキオキサン化合物は金属酸化物粒子の表面に化学的または物理的に吸着し、金属酸化物粒子の表面の一部または全部がシルセスキオキサン化合物によって被覆されたハイブリッド構造が形成されるものと考えられる。
このようなハイブリッド構造を有する本発明の配合剤をジエン系ゴムに配合した場合、金属酸化物粒子の表面を被覆しているシルセスキオキサン化合物とジエン系ゴムとの親和性が高いため、金属酸化物粒子は極めて高いレベルで分散するものと考えられる。結果として、ペイン効果の増加が抑えられるものと考えられる。
一方、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物を予め製造せずに、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合した場合には、上述したハイブリッド構造が形成されないため、金属酸化物粒子の分散が不十分になるものと考えられる。
このことは、後述する比較例が示すように、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合した場合(比較例2)には、ペイン効果の増加が抑えられないことからも推測される。
また、本発明の配合剤をジエン系ゴムに配合した場合、ゴム組成物中にシルセスキオキサン構造が付与されるため、加硫後のゴム組成物の剛性が向上するものと考えられる。
まず、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物について説明し、その後、本発明の配合剤の製造方法について説明する。
<金属酸化物粒子>
金属酸化物粒子は粒子状の金属酸化物であれば特に制限されない。
粒子状とは小さい粒状を指し、その具体例としては、球状、楕円体状などが挙げられる。完全な球や楕円体である必要は無く、一部が歪んでいても良い。
金属酸化物を構成する金属は、特に制限されず、その具体例としては、Si、Ti、Al、Mg、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir等が挙げられる。なかでも、Si、Ti、Al、Mgが好ましく、Siがより好ましい。
金属酸化物粒子は、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子および酸化マグネシウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含むのが好ましい。
以下、金属酸化物粒子の好適な態様であるシリカ粒子について詳述する。
金属酸化物粒子は粒子状の金属酸化物であれば特に制限されない。
粒子状とは小さい粒状を指し、その具体例としては、球状、楕円体状などが挙げられる。完全な球や楕円体である必要は無く、一部が歪んでいても良い。
金属酸化物を構成する金属は、特に制限されず、その具体例としては、Si、Ti、Al、Mg、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir等が挙げられる。なかでも、Si、Ti、Al、Mgが好ましく、Siがより好ましい。
金属酸化物粒子は、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子および酸化マグネシウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含むのが好ましい。
以下、金属酸化物粒子の好適な態様であるシリカ粒子について詳述する。
(シリカ粒子)
シリカ粒子としては、例えば、湿式シリカ粒子、乾式シリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子、珪藻土粒子などが挙げられる。シリカ粒子は、1種のシリカ粒子を単独で用いても、2種以上のシリカ粒子を併用してもよい。
シリカ粒子の窒素吸着比表面積(N2SA)は特に制限されないが、100〜300m2/gであることが好ましく、150〜200m2/gであることがより好ましい。
なお、N2SAは、シリカ粒子がゴム分子との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ粒子表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
シリカ粒子としては、例えば、湿式シリカ粒子、乾式シリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子、珪藻土粒子などが挙げられる。シリカ粒子は、1種のシリカ粒子を単独で用いても、2種以上のシリカ粒子を併用してもよい。
シリカ粒子の窒素吸着比表面積(N2SA)は特に制限されないが、100〜300m2/gであることが好ましく、150〜200m2/gであることがより好ましい。
なお、N2SAは、シリカ粒子がゴム分子との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ粒子表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
配合剤中の金属酸化物粒子の割合は特に制限されないが、50〜99質量%であることが好ましく、80〜96質量%であることがより好ましい。
<シルセスキオキサン化合物>
シルセスキオキサン化合物は、少なくとも一部にシルセスキオキサン構造を有する化合物である。ここで、シルセスキオキサン構造とは、RSiO1.5(R:水素原子または置換基)の繰り返し単位からなる構造である。
シルセスキオキサン構造としては、例えば、かご型シルセスキオキサン構造、はしご型シルセスキオキサン構造(ラダー型シルセスキオキサン構造)、ランダム型シルセスキオキサン構造などが挙げられる。
ここで、かご型シルセスキオキサン構造とは、かご状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。かご型シルセスキオキサン構造は、完全かご型シルセスキオキサン構造であっても、不完全かご型シルセスキオキサン構造であってもよいが、完全かご型シルセスキオキサン構造であることが好ましい。
また、はしご型シルセスキオキサン構造とは、はしご状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。
また、ランダム型シルセスキオキサン構造とは、骨格がランダムのシルセスキオキサン構造である。
シルセスキオキサン化合物は、シルセスキオキサン構造のみからなる化合物(シルセスキオキサン)であることが好ましい。シルセスキオキサンとしては、例えば、かご型シルセスキオキサン(完全かご型シルセスキオキサン、不完全かご型シルセスキオキサン)、はしご型シルセスキオキサン、ランダム型シルセスキオキサンなどが挙げられる。
シルセスキオキサン化合物は、少なくとも一部にシルセスキオキサン構造を有する化合物である。ここで、シルセスキオキサン構造とは、RSiO1.5(R:水素原子または置換基)の繰り返し単位からなる構造である。
シルセスキオキサン構造としては、例えば、かご型シルセスキオキサン構造、はしご型シルセスキオキサン構造(ラダー型シルセスキオキサン構造)、ランダム型シルセスキオキサン構造などが挙げられる。
ここで、かご型シルセスキオキサン構造とは、かご状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。かご型シルセスキオキサン構造は、完全かご型シルセスキオキサン構造であっても、不完全かご型シルセスキオキサン構造であってもよいが、完全かご型シルセスキオキサン構造であることが好ましい。
また、はしご型シルセスキオキサン構造とは、はしご状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。
また、ランダム型シルセスキオキサン構造とは、骨格がランダムのシルセスキオキサン構造である。
シルセスキオキサン化合物は、シルセスキオキサン構造のみからなる化合物(シルセスキオキサン)であることが好ましい。シルセスキオキサンとしては、例えば、かご型シルセスキオキサン(完全かご型シルセスキオキサン、不完全かご型シルセスキオキサン)、はしご型シルセスキオキサン、ランダム型シルセスキオキサンなどが挙げられる。
上記かご型シルセスキオキサンの好適な態様としては、例えば、下記式(B−1)〜(B−3)のいずれか1つの式で表される化合物が挙げられる。
上記式(B−1)〜(B−3)中、Rは、水素原子または置換基を表す。複数あるRは、同一であっても、異なってもよい。
上記置換基は1価の置換基であれば特に制限されないが、具体例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ブロック化メルカプト基(例えば、アシル基でブロック(保護)されたメルカプト基)、アシル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、シリル基、ビニル基、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、(メタ)アクリル基含有基およびエポキシ基含有基などが挙げられる。なかでも、エポキシ基含有基(好ましくはグリシジル基(−CH2−A、A:エポキシ基)含有基、より好ましくはグリシドキシ基(−O−B、B:グリシジル基)含有基)であることが好ましい。
上記置換基は1価の置換基であれば特に制限されないが、具体例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ブロック化メルカプト基(例えば、アシル基でブロック(保護)されたメルカプト基)、アシル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、シリル基、ビニル基、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、(メタ)アクリル基含有基およびエポキシ基含有基などが挙げられる。なかでも、エポキシ基含有基(好ましくはグリシジル基(−CH2−A、A:エポキシ基)含有基、より好ましくはグリシドキシ基(−O−B、B:グリシジル基)含有基)であることが好ましい。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記式(B−1)〜(B−3)中のRは、下記式(X)で表される基であることが好ましい。
上記式(X)中、Rxは、エポキシ基、グリシジル基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリル基またはメルカプト基を表す。
上記式(X)中、L1は、単結合または2価の有機基を表す。
2価の有機基としては、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−NR−(R:炭化水素基)、−SiR1R2−(R1およびR2:炭化水素基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。なかでも、アルキレン基、−O−、−S−、−NR−またはこれらを組み合わせた基が好ましい。
上記式(X)中、*は結合位置を表す。
2価の有機基としては、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−NR−(R:炭化水素基)、−SiR1R2−(R1およびR2:炭化水素基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。なかでも、アルキレン基、−O−、−S−、−NR−またはこれらを組み合わせた基が好ましい。
上記式(X)中、*は結合位置を表す。
上記はしご型シルセスキオキサンの好適な態様としては、例えば、下記式(C)で表される構造単位を有する化合物が挙げられる。
上記式(C)中、RCは、水素原子または置換基を表す。複数あるRCは、同一であっても、異なってもよい。RCの具体例および好適な態様は、上述した式(B−1)〜(B−3)中のRと同じである。
(好適な態様)
上記シルセスキオキサン化合物は、シランカップリング剤を縮合させることで得られたものであるのが好ましい。
上記シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記シルセスキオキサン化合物は、シランカップリング剤を縮合させることで得られたものであるのが好ましい。
上記シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記有機官能基は特に制限されないが、有機化合物と化学結合を形成し得る基であることが好ましく、例えば、メルカプト基、ブロック化メルカプト基(例えば、アシル基でブロック(保護)されたメルカプト基)、ポリスルフィド基(好ましくは、ジスルフィド基、テトラスルフィド基)、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリル基、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基などが挙げられる。ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の具体例および好適な態様は、上述した式(B−1)〜(B−3)中のRと同じである。
上記シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤は、硫黄原子を含むのが好ましい。すなわち、上記シランカップリング剤は、硫黄原子含有シランカップリング剤であることが好ましい。なかでも、メルカプト基を有するシランカップリング剤(メルカプト系シランカップリング剤)であることが好ましい。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、加水分解性基およびメルカプト基(−SH)を有するシラン化合物であれば特に制限されない。加水分解性基の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、加水分解性基およびメルカプト基(−SH)を有するシラン化合物であれば特に制限されない。加水分解性基の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
上記シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、下記式(3)で表されるシラン化合物が挙げられる。
上記式(3)中のXの定義、具体例および好適な態様は、上述した式(X)で表される基と同じである。
上記シルセスキオキサン化合物は、少なくとも2種以上のシランカップリング剤を縮合させることで得られる化合物であるのが好ましく、上記少なくとも2種以上のシランカップリング剤のうち少なくとも1種以上のシランカップリング剤が、硫黄原子含有シランカップリング剤であるのがより好ましい。
上記シルセスキオキサン化合物は、硫黄原子含有シランカップリング剤と硫黄原子非含有シランカップリング剤とを縮合させることで得られる化合物であるのが好ましく、上記硫黄原子含有シランカップリング剤の量に対する上記硫黄原子非含有シランカップリング剤の量はモル比で0.1〜10であるのが好ましく、0.1〜2であるのがより好ましい。
上記硫黄原子非含有シランカップリング剤の有機官能基は、得られるゴム組成物の加工性がより優れる理由から、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、または、ビニル基であるのが好ましく、芳香族炭化水素基またはビニル基であるのがより好ましく、芳香族炭化水素基であるのがさらに好ましい。
上記硫黄原子非含有シランカップリング剤の有機官能基は、得られるゴム組成物の加工性がより優れる理由から、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、または、ビニル基であるのが好ましく、芳香族炭化水素基またはビニル基であるのがより好ましく、芳香族炭化水素基であるのがさらに好ましい。
配合剤中のシルセスキオキサン化合物の割合は特に制限されないが、1〜50質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましい。
<製造方法>
本発明の配合剤は、下記方法(1)または(2)により製造される。なかでも、より均質なハイブリッド構造が形成されて、ゴム組成物中の金属酸化物粒子の分散性がより向上する理由から、下記方法(2)が好ましい。
方法(1):金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合する。
方法(2):金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させる。
以下、各方法について説明する。
本発明の配合剤は、下記方法(1)または(2)により製造される。なかでも、より均質なハイブリッド構造が形成されて、ゴム組成物中の金属酸化物粒子の分散性がより向上する理由から、下記方法(2)が好ましい。
方法(1):金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合する。
方法(2):金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させる。
以下、各方法について説明する。
(方法(1))
方法(1)は、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合する方法である。金属酸化物粒子、シルセスキオキサン化合物の定義、具体例および好適な態様は上述のとおりである。
混合する方法は特に制限されないが、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを撹拌機を用いて混合する方法(例えば、シルセスキオキサン化合物をTHFに溶解させ、そこに金属酸化物粒子を加えて撹拌する方法)などが挙げられる。
方法(1)は、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合する方法である。金属酸化物粒子、シルセスキオキサン化合物の定義、具体例および好適な態様は上述のとおりである。
混合する方法は特に制限されないが、金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを撹拌機を用いて混合する方法(例えば、シルセスキオキサン化合物をTHFに溶解させ、そこに金属酸化物粒子を加えて撹拌する方法)などが挙げられる。
(方法(2))
方法(2)は、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させる方法である。方法(2)では、シランカップリング剤を縮合させることでシルセスキオキサン化合物が生成し、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物が得られる。金属酸化物粒子およびシランカップリング剤の定義、具体例および好適な態様は上述のとおりである。また、方法(2)において、金属酸化物粒子の量に対するシランカップリング剤の量は3質量%以上であるのが好ましく、5〜22質量%であることがより好ましい。
方法(2)は、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させる方法である。方法(2)では、シランカップリング剤を縮合させることでシルセスキオキサン化合物が生成し、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物が得られる。金属酸化物粒子およびシランカップリング剤の定義、具体例および好適な態様は上述のとおりである。また、方法(2)において、金属酸化物粒子の量に対するシランカップリング剤の量は3質量%以上であるのが好ましく、5〜22質量%であることがより好ましい。
本発明の配合剤において、一部または全てのシルセスキオキサン化合物は金属酸化物粒子に吸着している。金属酸化物粒子へのシルセスキオキサン化合物の吸着量(混合物中のシルセスキオキサン化合物のうち、金属酸化物粒子に吸着している割合(質量%))は、特に制限されないが、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、88質量%以上であることが特に好ましい。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも言う)は、ジエン系ゴムと、予め製造された上述した本発明の配合剤とを含有する。
本発明のゴム組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも言う)は、ジエン系ゴムと、予め製造された上述した本発明の配合剤とを含有する。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
上記ジエン系ゴムは、変性ゴムであることが好ましい。なかでも、ヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがあることが好ましく、末端がヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがより好ましい。
上記ジエン系ゴムとしては、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(特に末端がヒドロキシ基で変性されたもの)を用いることが好ましく、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともにブタジエンゴム(BR)を併用することがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、20〜45質量%であることが好ましく、23〜42質量%であることがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、上記ジエン系ゴムの50〜100質量%であることが好ましい。
上記ジエン系ゴム(特に、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体)の重量平均分子量は、得られるタイヤの靭性と本発明の組成物の取り扱いの観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、600,000〜1,300,000であることがより好ましい。ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
<ゴム組成物用配合剤>
本発明の組成物は、予め製造された上述した本発明の配合剤を含有する。
本発明の組成物において、本発明の配合剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、50〜150質量部であることが好ましい。
本発明の組成物において、本発明の配合剤中の金属酸化物粒子の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることが好ましい。
本発明の組成物は、予め製造された上述した本発明の配合剤を含有する。
本発明の組成物において、本発明の配合剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、50〜150質量部であることが好ましい。
本発明の組成物において、本発明の配合剤中の金属酸化物粒子の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることが好ましい。
<任意成分>
本発明の組成物には、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、充填剤(シリカ粒子(例えば、上述したシリカ粒子)、カーボンブラック、クレイ、炭酸カルシウムなど)、シランカップリング剤(例えば、上述したシランカップリング剤)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、ワックス、オイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
本発明の組成物には、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、充填剤(シリカ粒子(例えば、上述したシリカ粒子)、カーボンブラック、クレイ、炭酸カルシウムなど)、シランカップリング剤(例えば、上述したシランカップリング剤)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、ワックス、オイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<ゴム組成物の調製方法>
本発明のゴム組成物の調製方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは140〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のゴム組成物の調製方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは140〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
以下、本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤについて説明する。本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤは、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ(以下、「本発明のタイヤ」とも言う)の実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
以下、本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤについて説明する。本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤは、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ(以下、「本発明のタイヤ」とも言う)の実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<混合物の製造>
(配合剤1)
ナスフラスコ中でKBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)(3.93g)、KBM−103(フェニルトリメトキシシラン)(1.98g)、5%TMAH(1.71g)、Zeogil 1165MP(シリカ粒子)(65.5g)をTHFに溶解させ、室温にて3時間攪拌した。ロータリーエバポレーターでTHFを除去し、150℃で3時間加熱して、KBM−803およびKBM−103を縮合させた。その後、メタノールをナスフラスコに加え、室温にて1時間攪拌、洗浄を行った。吸引ろ過でメタノールを除去し、120℃で24時間加熱、乾燥した。得られた粉体をボールミルにより粉砕し、シリカ粒子およびシルセスキオキサン化合物(KBM−803およびKBM−103を縮合させることで得られた化合物)の混合物を得た。得られた混合物を配合剤1とする。
(配合剤1)
ナスフラスコ中でKBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)(3.93g)、KBM−103(フェニルトリメトキシシラン)(1.98g)、5%TMAH(1.71g)、Zeogil 1165MP(シリカ粒子)(65.5g)をTHFに溶解させ、室温にて3時間攪拌した。ロータリーエバポレーターでTHFを除去し、150℃で3時間加熱して、KBM−803およびKBM−103を縮合させた。その後、メタノールをナスフラスコに加え、室温にて1時間攪拌、洗浄を行った。吸引ろ過でメタノールを除去し、120℃で24時間加熱、乾燥した。得られた粉体をボールミルにより粉砕し、シリカ粒子およびシルセスキオキサン化合物(KBM−803およびKBM−103を縮合させることで得られた化合物)の混合物を得た。得られた混合物を配合剤1とする。
(配合剤2)
KBM−103(1.98g)を使用する代わりに、KBM−1003(1.48g)を使用した以外は、配合剤1と同様の手順に従って、混合物を調製した。得られた混合物を配合剤2とする。
KBM−103(1.98g)を使用する代わりに、KBM−1003(1.48g)を使用した以外は、配合剤1と同様の手順に従って、混合物を調製した。得られた混合物を配合剤2とする。
(配合剤3)
KBM−103(1.98g)を使用する代わりに、KBM−13(1.36g)を使用した以外は、配合剤1と同様の手順に従って、混合物を調製した。得られた混合物を配合剤3とする。
KBM−103(1.98g)を使用する代わりに、KBM−13(1.36g)を使用した以外は、配合剤1と同様の手順に従って、混合物を調製した。得られた混合物を配合剤3とする。
下記表1に、配合剤1〜3を調製するのに使用された各成分とその割合(質量部)をまとめて示す。
上記表1に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・シリカ粒子:ローディア(株)製 Zeosil 1165MP
・KBM−803:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−803)
・KBM−103:フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−103)
・KBM−1003:ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−1003)
・KBM−13:メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−13)
・シリカ粒子:ローディア(株)製 Zeosil 1165MP
・KBM−803:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−803)
・KBM−103:フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−103)
・KBM−1003:ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−1003)
・KBM−13:メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−13)
(配合剤4)
ナスフラスコ中でKBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)(3.93g)、KBM−103(フェニルトリメトキシシラン)(1.98g)、5%TMAH(1.71g)をTHFに溶解させ、室温にて3時間攪拌した。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで目的物であるシルセスキオキサン化合物(4.2g)を得た。得られたシルセスキオキサン化合物のGPC分析から、シルセスキオキサン化合物中のかご型シルセスキオキサンの含有量は25質量%であり、シルセスキオキサン化合物中のはしご型シルセスキオキサンとランダム型シルセスキオキサンの合計の含有量は75質量%であった。なお、GPC分析の条件は以下のとおりである。
・装置:島津製作所製GPCシステム
・システムコントローラー:CBM−20A
・カラムオープン:CTO−20A
・オンラインデガッサ:DGU−20A3
・送液ポンプ:LC−20AD
・オートサンプラ:SIL−20AHT
・展開溶媒:THF
・PPG換算
ナスフラスコ中でKBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)(3.93g)、KBM−103(フェニルトリメトキシシラン)(1.98g)、5%TMAH(1.71g)をTHFに溶解させ、室温にて3時間攪拌した。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで目的物であるシルセスキオキサン化合物(4.2g)を得た。得られたシルセスキオキサン化合物のGPC分析から、シルセスキオキサン化合物中のかご型シルセスキオキサンの含有量は25質量%であり、シルセスキオキサン化合物中のはしご型シルセスキオキサンとランダム型シルセスキオキサンの合計の含有量は75質量%であった。なお、GPC分析の条件は以下のとおりである。
・装置:島津製作所製GPCシステム
・システムコントローラー:CBM−20A
・カラムオープン:CTO−20A
・オンラインデガッサ:DGU−20A3
・送液ポンプ:LC−20AD
・オートサンプラ:SIL−20AHT
・展開溶媒:THF
・PPG換算
ナスフラスコ中で上記シルセスキオキサン化合物(4.2g)をTHFに溶解させ、そこにZeosil 1165MP(シリカ粒子)(70g)を加えた。室温にて1時間攪拌後、ロータリーエバポレーターでTHFを除去し、150℃で3時間加熱した。その後、メタノールをナスフラスコに加え、室温にて1時間攪拌、洗浄を行った。吸引ろ過でメタノールを除去し、120℃で24時間加熱、乾燥した。得られた粉体をボールミルにより粉砕し、シリカ粒子およびシルセスキオキサン化合物(KBM−803およびKBM−103を縮合させることで得られた化合物)の混合物を得た。得られた混合物を配合剤4とする。
配合剤1〜4において、混合物中のシリカ粒子の割合はいずれも94質量%、混合物中のシルセスキオキサン化合物の割合はいずれも6質量%であった。
得られた配合剤1〜4について、FT−IR測定(KBr法)を行ったところ、シリカ粒子のシラノール基に由来するピークの減少が確認され、シリカ粒子とシルセスキオキサンとが反応していることが分かった。
また、得られた配合剤1〜4について、大気雰囲気下で600℃まで昇温速度10℃/minで加熱し、そのときの重量減少からシリカ粒子へのシルセスキオキサン化合物の吸着量(混合物中のシルセスキオキサン化合物のうち、シリカ粒子に吸着している割合(質量%))を調べた。結果を表2に示す。
また、得られた配合剤1〜4について、大気雰囲気下で600℃まで昇温速度10℃/minで加熱し、そのときの重量減少からシリカ粒子へのシルセスキオキサン化合物の吸着量(混合物中のシルセスキオキサン化合物のうち、シリカ粒子に吸着している割合(質量%))を調べた。結果を表2に示す。
<ゴム組成物の調製>
下記表3に示す成分を、同表に示す割合(質量部)で配合し、ゴム組成物を調製した。
具体的には、まず、下記表3に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
下記表3に示す成分を、同表に示す割合(質量部)で配合し、ゴム組成物を調製した。
具体的には、まず、下記表3に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
<ムーニースコーチ>
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2013に準じ、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムt5(分)を測定した。
結果を表3に示す。値が小さいほど加工性に優れ、好ましい。
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2013に準じ、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムt5(分)を測定した。
結果を表3に示す。値が小さいほど加工性に優れ、好ましい。
<ペイン効果>
調製したゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)を用い、170℃で10分間加硫した後、歪0.28%の歪せん断弾性率G′と歪30.0%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)−G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
結果を表3に示す。結果は、比較例1のペイン効果を100とする指数で表した。
指数が小さい(ペイン効果が小さい)ほど、金属酸化物粒子の分散性が優れ、低発熱性が優れるため、好ましい。なお、指数が110以下であれば、ゴム組成物のペイン効果の増加が抑えられていると言える。
調製したゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)を用い、170℃で10分間加硫した後、歪0.28%の歪せん断弾性率G′と歪30.0%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)−G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
結果を表3に示す。結果は、比較例1のペイン効果を100とする指数で表した。
指数が小さい(ペイン効果が小さい)ほど、金属酸化物粒子の分散性が優れ、低発熱性が優れるため、好ましい。なお、指数が110以下であれば、ゴム組成物のペイン効果の増加が抑えられていると言える。
<硬度>
調製したゴム組成物(未加硫)を、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴム試験片を作製した。得られた加硫ゴム試験片について、JIS K6253に従って、20℃で硬度(タイプAデュロメータ硬さ)を測定した。結果を表3に示す。結果は、比較例1の硬度を100とする指数で表した。
指数が大きいほど、剛性に優れるため、好ましい。
調製したゴム組成物(未加硫)を、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴム試験片を作製した。得られた加硫ゴム試験片について、JIS K6253に従って、20℃で硬度(タイプAデュロメータ硬さ)を測定した。結果を表3に示す。結果は、比較例1の硬度を100とする指数で表した。
指数が大きいほど、剛性に優れるため、好ましい。
<100%モジュラス(M100)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で100%モジュラス(100%変形時の応力)を測定した。
結果を表3に示す。結果は比較例1の100%モジュラスを100とする指数で表した。指数が大きいほど、剛性に優れるため、好ましい。
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で100%モジュラス(100%変形時の応力)を測定した。
結果を表3に示す。結果は比較例1の100%モジュラスを100とする指数で表した。指数が大きいほど、剛性に優れるため、好ましい。
上記表3に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:日本ゼオン(株)製 Nipol 1502
・配合剤1〜4:上述のとおり製造された配合剤1〜4
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製 シースト6
・シリカ粒子:ローディア(株)製 Zeosil 1165MP(N2SA=165m2/g)
・酸化亜鉛:正同化学工業(株)製 酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油(株)製 ステアリン酸
・老化防止剤:住友化学(株)製 アンチゲン6C
・アロマオイル:昭和シェル石油(株)製 エキストラクト4号S
・ポリスルフィドシラン:信越化学工業(株)製 KBE−846
・シルセスキオキサン1:KBM−803とKBM−103とをKBM−803:KBM−103=2:1(モル比)で縮合させることで得られたシルセスキオキサン
・硫黄:(株)軽井沢精錬所製 油処理硫黄
・加硫促進剤CZ:内新興化学工業(株)製 ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤DPG:住友化学工業(株)製 ソクシノールD−G
・SBR:日本ゼオン(株)製 Nipol 1502
・配合剤1〜4:上述のとおり製造された配合剤1〜4
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製 シースト6
・シリカ粒子:ローディア(株)製 Zeosil 1165MP(N2SA=165m2/g)
・酸化亜鉛:正同化学工業(株)製 酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油(株)製 ステアリン酸
・老化防止剤:住友化学(株)製 アンチゲン6C
・アロマオイル:昭和シェル石油(株)製 エキストラクト4号S
・ポリスルフィドシラン:信越化学工業(株)製 KBE−846
・シルセスキオキサン1:KBM−803とKBM−103とをKBM−803:KBM−103=2:1(モル比)で縮合させることで得られたシルセスキオキサン
・硫黄:(株)軽井沢精錬所製 油処理硫黄
・加硫促進剤CZ:内新興化学工業(株)製 ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤DPG:住友化学工業(株)製 ソクシノールD−G
本実施例と比較例1との対比から分かるように、金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物である本実施例の配合剤は、得られるゴム組成物のペイン効果の増加を抑えながら加硫後のゴム組成物の剛性を大幅に向上させた。なかでも、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される実施例1〜3の配合剤は、得られるゴム組成物のペイン効果の増加がより抑えられていた。そのなかでも、シルセスキオキサン化合物が硫黄原子含有シランカップリング剤と硫黄原子非含有シランカップリング剤とを縮合させることで得られる化合物であり、上記硫黄原子非含有シランカップリング剤の有機官能基が芳香族炭化水素基またはビニル基である実施例1および2の配合剤は、得られるゴム組成物の加工性が優れていた。そのなかでも、上記官能基が芳香族炭化水素基である実施例1の配合剤は、得られるゴム組成物の加工性がより優れていた。
なお、予め製造された本発明の配合剤を使用せずに、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合した場合には、加硫後のゴム組成物の剛性は向上するものの、ペイン効果の増加が抑えられていなかった(比較例2)。
なお、予め製造された本発明の配合剤を使用せずに、ジエン系ゴムと金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを一緒に混合した場合には、加硫後のゴム組成物の剛性は向上するものの、ペイン効果の増加が抑えられていなかった(比較例2)。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (8)
- 金属酸化物粒子およびシルセスキオキサン化合物の混合物である、ゴム組成物用配合剤であって、
金属酸化物粒子とシルセスキオキサン化合物とを混合することにより製造される、または、金属酸化物粒子の存在下でシランカップリング剤を縮合させることにより製造される、ゴム組成物用配合剤。 - 前記シルセスキオキサン化合物が、少なくとも2種以上のシランカップリング剤を縮合させることで得られる化合物であり、
前記少なくとも2種以上のシランカップリング剤のうち少なくとも1種以上のシランカップリング剤が、硫黄原子含有シランカップリング剤である、請求項1に記載のゴム組成物用配合剤。 - 前記シルセスキオキサン化合物が、硫黄原子含有シランカップリング剤と硫黄原子非含有シランカップリング剤とを縮合させることで得られる化合物であり、
前記硫黄原子含有シランカップリング剤の量に対する、前記硫黄原子非含有シランカップリング剤の量が、モル比で、0.1〜10である、請求項1または2に記載のゴム組成物用配合剤。 - 金属酸化物粒子の存在下で硫黄原子含有シランカップリング剤を縮合させることにより製造される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物用配合剤であって、
前記金属酸化物粒子の量に対する、前記硫黄原子含有シランカップリング剤の量が、3質量%以上である、ゴム組成物用配合剤。 - 前記金属酸化物粒子が、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子および酸化マグネシウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物用配合剤。
- ジエン系ゴムと、予め製造された請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物用配合剤と、を含有する、ゴム組成物。
- さらに、シランカップリング剤を含有する、請求項6に記載のゴム組成物。
- さらに、充填剤を含有する、請求項6または7に記載のゴム組成物。
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JP2014238462A JP2016098347A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | ゴム組成物用配合剤およびゴム組成物 |
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JP2017114975A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
CN109627508A (zh) * | 2018-12-24 | 2019-04-16 | 贵州轮胎股份有限公司 | 低滚阻复合材料及其制备方法、胎面胶料及其制备方法 |
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2014
- 2014-11-26 JP JP2014238462A patent/JP2016098347A/ja active Pending
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