JP6480889B2 - 板材切断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、板材を所定幅に小割りするための切断装置に関するものである。
出願人は、この種の切断装置として、図11に示す様に、丸鋸刃111を装着する主軸110と、丸鋸刃111による切断位置の近傍でワークWを横方向からクランプ固定するための主バイス装置113と、ワーク定寸送りのための搬送バイス装置115とを備えると共に、主軸110の前方側に、斜め後方に下降する様に昇降可能に取り付けられると共に丸鋸刃111の盤面に沿う方向に前後所定距離をあけて配置され、丸鋸刃のワーク上面切断位置を挟んで前後に位置する2個のローラ121,122を備えた上押さえローラ装置120が配置されると共に、主軸110の後方側に、斜め前方に下降する様に昇降可能に取り付けられると共に、丸鋸刃111による切断線上に位置し、外周が楔状断面とされた楔ローラ131を備えた楔ローラ装置130を備えた自動丸鋸盤100を提案した(特許文献1)。
特許文献1の自動丸鋸盤100は、図12に示す様に、最大厚さの鋼材Wmaxに対しても最小厚さの鋼材Wminに対しても、切り始めの時点で前側ローラ121がワーク上面を既に押圧している状態となり、ある程度前進すると前後のローラ121,122がワーク上面切断位置の前後を押圧した状態となり、さらにある時点からはワークに形成された切り溝に楔ローラ131が食い込んで溝を開こうとする力を作用させた状態で切断が進行し、切り抜け時点で後側ローラ122がワーク上面を押圧したままの状態となる結果、切断の進行に伴うワーク内部の歪みや応力の開放によるワークのズレや丸鋸刃の挟み込みをなくすことができるという優れた作用・効果を発揮するものである。
特許第5026539号
ところで、板材切断の分野においては、長尺の板材を長尺の帯板材に切断したいという要望や、板材を重ねた状態にして複数枚の板材を同時に切断したいという要望がある。
本発明は、これらの要望に対しても、切断の進行に伴うワーク内部の歪みや応力の開放によるワークのズレや丸鋸刃の挟み込みをなくすことができる板材切断装置を提供することを目的としてなされたものである。
上記目的を達するためになされた本発明の板材切断装置は、板材を載置するワークテーブルと、該ワークテーブルに載置された板材を所定方向に直線状に切断し得る丸鋸切断機とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記ワークテーブルが板材を水平に載置することができると共に鋸刃通過用の直線状の溝部を有するテーブル部を備え、前記丸鋸切断機が前記溝部から前記テーブル部の上方へと丸鋸刃を突出させた状態で前記テーブル部の下方を前記溝部に沿って直線状に移動可能に構成されていること。
(1B)前記テーブル部に載置された板材を上方から押さえ付けると共に前記丸鋸刃が通過可能な鋸刃逃がし溝が下端部に形成された上押さえ装置を、該鋸刃逃がし溝が前記溝部の真上に位置する様に所定間隔で複数個備えていること。
(1C)前記テーブル部の所定範囲内に、前記丸鋸刃によって板材に形成された切り溝に対して打ち込み得る楔部材を下端に備えた楔打ち装置を備えていること。
(1D)前記丸鋸切断機は、前記丸鋸刃の切断時移動方向の後方側において前記テーブル部の溝部から上方へと突出し得る楔付き円板を上下動可能に備えていること。
本発明の板材切断装置によれば、テーブル部に載置された板材は、テーブル部に形成された溝部に沿って切断される。このとき、板材は、所定間隔で配置された複数の上押さえ装置により、溝部の真上から押さえ付けられているが、各上押さえ装置には鋸刃逃がし溝が形成されているから、上押さえ装置で押さえたままで丸鋸刃による板材の切断が可能である。板材が切断されて切り溝が形成されたら、楔打ち装置を作動させて切り溝に楔を打ち込むことにより、切り溝を閉じようとする力が働いたとしても丸鋸刃を挟みつけてしまうことがない。また、板材を重ねた状態で切断する場合において、上側の板材については上方からの楔の打ち込みにより、下側の板材については下方からの楔付き円板の侵入により、切り溝が閉じるのを防止することができ、重ね合わせの板材を切断する場合の丸鋸刃の挟み込みを防止することができる。
ここで、本発明の板材切断装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(2)前記楔打ち装置を複数個備え、該複数個の楔打ち装置は、前記溝部に沿って前記複数個の上押さえ装置と交互に並ぶ様に配置されていること。
かかる構成をも備え、丸鋸刃が通過した箇所において順次楔打ち装置を作動させることにより、長尺の板材から長尺の帯板材を切断する場合の丸鋸刃の挟み込みをより的確に防止することができる。
これら本発明の板材切断装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
)前記テーブル部に載置された板材の切り込み開始側の端部をクランプすると共に、前記丸鋸刃によって板材に形成された前記切り溝を開く方向の力を加える端部クランプ装置を備えていること。
かかる構成をも備えることにより、端部クランプ装置による切り溝を開こうとする力によって板厚が大きく長尺の板材であっても、切り溝が閉じようとすることを防止することができる。
長尺材の切断においても、重ねた状態での切断においても、厚板材の切断においても効果を発揮し得る様になされた本発明の板材切断装置は、板材を載置するワークテーブルと、該ワークテーブルに載置された板材を所定方向に直線状に切断し得る丸鋸切断機とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
A)前記ワークテーブルが板材を水平に載置することができると共に鋸刃通過用の直線状の溝部を有するテーブル部を備え、前記丸鋸切断機が前記溝部から前記テーブル部の上方へと丸鋸刃を突出させた状態で前記テーブル部の下方を前記溝部に沿って直線状に移動可能に構成されていること。
B)前記テーブル部に載置された板材を上方から押さえ付けると共に前記丸鋸刃が通過可能な鋸刃逃がし溝が下端部に形成された上押さえ装置を、該鋸刃逃がし溝が前記溝部の真上に位置する様に所定間隔で複数個備えていること。
C)前記丸鋸切断機は、前記丸鋸刃の切断時移動方向の後方側において前記テーブル部の溝部から上方へと突出し得る楔付き円板を上下動可能に備えていること。
D)前記テーブル部の溝部に沿った所定範囲内に、前記上押さえ装置同士の間に位置し、前記丸鋸刃によって板材に形成された切り溝に対して打ち込み得る楔部材を下端に備えた複数個の楔打ち装置を備えていること。
E)前記テーブル部に載置された板材の切り込み開始側の端部をクランプすると共に、前記丸鋸刃によって板材に形成された前記切り溝を開く方向の力を加える端部クランプ装置を備えていること。
F)前記複数個の上押さえ装置を作動させて前記テーブル部に載置された板材を前記溝部に沿った複数箇所で押さえ付けると共に、前記端部クランプ装置を作動させ、前記丸鋸切断機を作動させ、前記楔付き円板が前記テーブル部の下側に入り込む位置へと前記丸鋸切断機が移動したら前記楔付き円板を上方へ突出させ、前記丸鋸刃が通過し終えた範囲内に配置された楔打ち装置を順次作動させる制御を、前記丸鋸切断機の移動状態に応じて実行する制御装置を備えていること。
上記構成を有する板材切断装置によれば、制御装置が、複数個の上押さえ装置を作動させてテーブル部に載置された板材を溝部に沿った複数箇所で押さえ付けると共に、端部クランプ装置を作動させることにより、板材をしっかりとテーブル部に押し付けた状態としつつ切断開始時において丸鋸刃を挟み付けてしまうことも防止できる。そして、制御装置は、丸鋸切断機の移動状態に応じて、楔付き円板がテーブル部の下側に入り込む位置へと丸鋸切断機が移動したら楔付き円板を上方へ突出させ、丸鋸刃が通過し終えた範囲内に配置された楔打ち装置を順次作動させることにより、板材の切断の進行に合わせて丸鋸刃の後方側で切り溝が閉じることを防止する。
本発明によれば、長尺の板材を長尺の帯板材に切断したり、板材を重ねた状態にして複数枚の板材を同時に切断したりする場合においても、切断の進行に伴うワーク内部の歪みや応力の開放によるワークのズレや丸鋸刃の挟み込みをなくすことができる。
実施例1の板材切断装置の斜視図である。 実施例1の板材切断装置の正面図である。 実施例1の板材切断装置を示し、(A)は上押さえ装置及び楔打ち装置が交互に配置された様子を示す要部正面図、(B)は楔打ち装置及び楔付き円板の動作状態を示す要部背面図、(C)は上押さえ装置の動作状態を示す要部背面図である。 実施例1の板材切断装置を示し、(A)は左側面図、(B)は端部クランプ装置を示す要部右側面図、(C)は端部クランプ装置の平面図、(D)は端部クランプ装置を表側から見た斜視図、(E)は端部クランプ装置を裏側から見た斜視図である。 実施例1の板材切断装置における丸鋸切断機の要部正面図である。 実施例1の板材切断装置で板材を切断する様子を示す斜視図である。 実施例1の板材切断装置で板材を切断する際に端部クランプ装置で板材をクランプする様子を示し、(A)はクランプ前の表側から見た斜視図、(B)はクランプした状態の表側から見た斜視図である。 実施例1の板材切断装置で板材を切断する際に楔付き円板を作動させた様子を示し、(A)は要部正面図、(B)は下方から見た要部斜視図である。 実施例1の板材切断装置で板材を切断する際に楔打ち装置を作動させる様子を示し、(A)は上方から見た要部斜視図、(B)は要部正面図である。 実施例1の板材切断装置の制御装置を示し、(A)は制御系統のブロック図、(B)は制御処理のフローチャートである。 特許文献1の切断装置の構成を模式的に示し、(A)は装置全体の平面図、(B)は垂直断面図である。 特許文献1の切断装置でワークを切断する際の上押さえローラ装置及び楔ローラ装置の作用を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について実施例1で説明する。
実施例1の板材切断装置1は、図1,図2に示す様に、ワークテーブル2と、丸鋸切断機3とを備えている。
ワークテーブル2は、長尺の板材を水平に載置することができるテーブル部10と、切断時におけるワークのズレや切り溝の開きを防止するための機構を備えている。
テーブル部10は、箱状に形成された前面側脚部11と、同じく箱状に形成された背面側脚部12とを前後方向に対面させ、前面側脚部11の天板11aに対して背面側にはみ出す様に設置された水平支持部材13と、背面側脚部12の天板12aに対して前面側にはみ出す様に設置された水平支持部材14とを、間に長手方向に伸びる所定幅の溝部15を形成する様に設置した構成となっている。
切断時におけるワークのズレや切り溝の開きを防止するための機構として、テーブル部10の長手方向の両端にて、前面側脚部11と背面側脚部12の天板11a,12aを跨ぐ様にして連結する左側壁部21と右側壁部22とを備え、これら左右の壁部21,22の間を連結する様に梁部材23が掛け渡された構造となっている。この梁部材23には、左側から、上押さえ装置30,楔打ち装置40,上押さえ装置30,楔打ち装置40,…と、上押さえ装置30と楔打ち装置40とが長手方向に沿って交互に並び、テーブル部10の溝部15の真上に位置する様に設置されている。なお、梁部材23の右端側は、上押さえ装置30が4本並んだ状態に設置されている。
図3(A),(B)に示す様に、上押さえ装置30は、油圧シリンダ31によって上下動される垂直ロッド32の下端を平坦部33とすると共に、この平坦部33から垂直ロッド32の下端側所定高さにかけて、鋸刃逃がし溝34を形成したものとなっている。また、楔打ち装置40は、油圧シリンダ41によって上下動される垂直ロッド42の下端に、ワークに形成される切り溝に打ち込むことができる楔部材43を取り付けた構造となっている。
切断時におけるワークの切り溝の開きを防止するための機構としては、さらに、図1,図2に示す様に、左側壁部21の右側面に、端部クランプ装置50も備えている。端部クランプ装置50は、図4(B)〜(E)に示す様に、前面側クランパ51aと背面側クランパ51bとを備えている。前面側及び背面側のクランパ51a,51bは、テーブル部10の溝部15を中心とする様に前後方向に隙間を開けて設置されている。各クランパ51a,51bは、油圧シリンダ52a,52bと、油圧シリンダ52a,52bを支持する本体ブロック53a,53bとを備えている。各本体ブロック53a,53bには、上押さえジョー54a,54bと下押さえジョー55a,55bとが、油圧シリンダ52a,52bによって上下方向からワークを挟み付けることができる様に設けられている。さらに、前面側クランパ51aと背面側クランパ51bは、水平方向に向けて設置された油圧シリンダ56により、互いに離間し合う方向へと動作し得る様にも構成されている。なお、前面側クランパ51aと背面側クランパ51bは、上部をトーションバー57で連結されている。
図1,図2,図4(A)に示す様に、ワークテーブル2のテーブル部10の下方には、長手方向に伸びるガイド部材60が設置されている。丸鋸切断機3は、このガイド部材60にガイドされ、溝部15から丸鋸刃71の上部を突出させた状態で、ワークテーブル2の長手方向に移動可能とされている。
丸鋸切断機3は、図4(A),図5に示す様に、ガイド部材60に設けられた2条のレール61,61に嵌合するリニアベアリング72を下面側に備えるベース体73の上に、鋸刃駆動用モータ74によって回転駆動される丸鋸刃71を設置すると共に、丸鋸刃71の左側(切断方向に対して後ろ側)に設置された油圧シリンダ75によって上下動される垂直ロッド76の上端に回転可能に取り付けた楔付き円板77を備えている。丸鋸刃71及び楔付き円板77は、テーブル部10の溝部15の延長線上に、溝部15の伸びる方向と同じ方向を向く様に設置されている。この丸鋸切断機3の全体は、左端に設置された移動用サーボモータ78により、ボールネジ式の送り機構62を介して、レール61,61に沿って長手方向へと移動し得る様に構成されている。
つぎに、図6〜図9に基づき、本実施例の板材切断装置1を用いて、2枚の厚板鋼板W1,W2を重ねて帯状に切断する際の各機構の動作について説明する。
切断動作を開始するに当たっては、制御盤80を操作して、切断条件(例えば、厚板鋼板W1,W2の長さ,板厚など)を入力する。スタートボタンを押すと、図6に示す様に、入力した長さに対応する範囲に設置されている上押さえ装置30の油圧シリンダ31をロッド突出方向へと作動させ、厚板鋼板W1,W2をワークテーブル2のテーブル部10に押し付ける様に上押さえする。
続いて、図7に示す様に、端部クランプ装置50の油圧シリンダ52a,52bを作動させ、上押さえジョー54a,54bと下押さえジョー55a,55bとで厚板鋼板W1,W2の端部をクランプする。このとき、油圧シリンダ56も作動させることにより、前後のクランパ51a,51bは、互いに離間しようとする力を加えられた状態とされる。このとき、トーションバー57には、この離間方向へ動作させようとする力が蓄積された状態となる。
こうして2枚重ねとした厚板鋼板W1,W2は、上押さえ装置30により切断予定ライン上を適宜間隔で押圧されると共に、切断開始側の端部に対しては切断線を閉じる方向の力に抵抗する力が付与された状態となる。
その後、丸鋸切断機3の鋸刃駆動用モータ74及び移動用サーボモータ78を駆動して端部クランプ装置50でクランプした側から切断を開始する。そして、図8に示す様に、ある程度切り進んで楔付き円板77が厚板鋼板W1の下側に入り込んだら、油圧シリンダ75を駆動してロッド76を伸長させ、楔付き円板77を、下側の厚板鋼板W1の切り溝CLに侵入させる。この楔付き円板77は、ロッド76の上端部に回転可能に軸支されているから、その後は、丸鋸切断機3の移動に伴って回転しながら切り溝CL内を進んでいくこととなる。
切断がさらに進行すると、図9に示す様に、丸鋸刃71が通過した位置の楔打ち装置40を作動させて楔部材43を、上側の厚板鋼板W2の切り溝CLに対して順次打ち込んでいく。
なお、上押さえ装置30には鋸刃逃がし溝34を形成してあるから、切断の実行中、上押さえ装置30は厚板鋼板W1,W2を上から押さえつけたままの状態としておくことができる。
なお、楔付き円板77を下から打ち込むタイミングや、楔打ち装置40の楔部材43を上から打ち込むタイミングは、移動用サーボモータ78から入力される信号に基づいて判断することができる。楔打ち装置40の楔部材43を上から打ち込むタイミングについては、楔付き円板77が楔打ち装置40の真下に移動したタイミングに合わせることができる。厚板鋼板W1,W2には、端部クランプ装置50によって切り溝CLを開こうとする力が加わっており、上から楔部材43が打ち込まれ、下から楔付き円板77が押し込まれることにより、切り溝CLが閉じるのを防止することができる。
本実施例においては、図10(A)に示す様に、制御装置90は、制御盤80からの操作信号を入力し、各上押さえ装置30,30,…の油圧シリンダ31,31,…、楔打ち装置40,40,…の油圧シリンダ41,41,…、端部クランプ装置50の油圧シリンダ52a,52b,56、丸鋸切断機3の鋸刃駆動用モータ74、油圧シリンダ75、移動用サーボモータ78に対して制御指令を出力すると共に、移動用サーボモータ78からのエンコーダ信号を入力する様に構成されている。
そして、制御装置90は、制御盤80のスタートボタンが押下されると、図10(B)に示す様に、板材の長さに対応する範囲に設置されている上押さえ装置30の油圧シリンダ31をロッド突出方向へと作動させ(S10)、端部クランプ装置50の油圧シリンダ52a,52bを作動させ(S20)、油圧シリンダ56も作動させる(S30)。続いて、丸鋸切断機3の鋸刃駆動用モータ74を駆動する(S40)。そして、移動用サーボモータ78を駆動すると共に(S50)、移動用サーボモータ78からのエンコーダ信号に基づいて、丸鋸切断機3の移動位置を算出する(S60)。そして、楔付き円板77がテーブル部10の下側に入り込む位置まで丸鋸切断機3が移動したか否かを判定する(S70)。入り込んだと判定したら(S70:YES)、油圧シリンダ75を駆動してロッド76を伸長させる(S80)。また、丸鋸刃71が通過し終えた範囲の楔打ち装置40があるか否かを判定し(S90)、YESと判定される毎に対応する楔打ち装置40の油圧シリンダ41をロッド伸長方向へと作動させる(S100)。以下、切断完了までS90以下の処理を繰り返し実行する(S110)。
以上説明した様に、本実施例によれば、2枚の厚板鋼板W1,W2を重ねた状態で同時に切断して帯板を形成する際に、ワークのズレや応力の開放による挟み付けを生じることなく、スムーズに切断を実行することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内での種々なる変形実施が可能であることはいうまでもない。
厚板鋼板等の金属板の切断に適用することができる。
1・・・板材切断装置、2・・・ワークテーブル、3・・・丸鋸切断機、10・・・テーブル部、11・・・前面側脚部、12・・・背面側脚部、13・・・水平支持部材、14・・・水平支持部材、15・・・溝部、21・・・左側壁部、22・・・右側壁部、23・・・梁部材、30・・・上押さえ装置、31・・・油圧シリンダ、32・・・垂直ロッド、33・・・平坦部、34・・・鋸刃逃がし溝、40・・・楔打ち装置、41・・・油圧シリンダ、42・・・垂直ロッド、43・・・楔部材、50・・・端部クランプ装置、51a・・・前面側クランパ、51b・・・背面側クランパ、52a,52b・・・油圧シリンダ、53a,53b・・・本体ブロック、54a,54b・・・上押さえジョー、55a,55b・・・下押さえジョー、56・・・油圧シリンダ、57・・・トーションバー、60・・・ガイド部材、61・・・レール、62・・・ボールネジ式の送り機構、71・・・丸鋸刃、72・・・リニアベアリング、73・・・ベース体、74・・・・鋸刃駆動用モータ、75・・・油圧シリンダ、76・・・垂直ロッド、77・・・楔付き円板、78・・・移動用サーボモータ、80・・・制御盤、90・・・制御装置。

Claims (4)

  1. 板材を載置するワークテーブルと、該ワークテーブルに載置された板材を所定方向に直線状に切断し得る丸鋸切断機とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする板材切断装置。
    (1A)前記ワークテーブルが板材を水平に載置することができると共に鋸刃通過用の直線状の溝部を有するテーブル部を備え、前記丸鋸切断機が前記溝部から前記テーブル部の上方へと丸鋸刃を突出させた状態で前記テーブル部の下方を前記溝部に沿って直線状に移動可能に構成されていること。
    (1B)前記テーブル部に載置された板材を上方から押さえ付けると共に前記丸鋸刃が通過可能な鋸刃逃がし溝が下端部に形成された上押さえ装置を、該鋸刃逃がし溝が前記溝部の真上に位置する様に所定間隔で複数個備えていること。
    (1C)前記テーブル部の所定範囲内に、前記丸鋸刃によって板材に形成された切り溝に対して打ち込み得る楔部材を下端に備えた楔打ち装置を備えていること。
    (1D)前記丸鋸切断機は、前記丸鋸刃の切断時移動方向の後方側において前記テーブル部の溝部から上方へと突出し得る楔付き円板を上下動可能に備えていること。
  2. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1に記載の板材切断装置。
    (2)前記楔打ち装置を複数個備え、該複数個の楔打ち装置は、前記溝部に沿って前記複数個の上押さえ装置と交互に並ぶ様に配置されていること。
  3. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の板材切断装置。
    )前記テーブル部に載置された板材の切り込み開始側の端部をクランプすると共に、前記丸鋸刃によって板材に形成された前記切り溝を開く方向の力を加える端部クランプ装置を備えていること。
  4. 板材を載置するワークテーブルと、該ワークテーブルに載置された板材を所定方向に直線状に切断し得る丸鋸切断機とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする板材切断装置。
    A)前記ワークテーブルが板材を水平に載置することができると共に鋸刃通過用の直線状の溝部を有するテーブル部を備え、前記丸鋸切断機が前記溝部から前記テーブル部の上方へと丸鋸刃を突出させた状態で前記テーブル部の下方を前記溝部に沿って直線状に移動可能に構成されていること。
    B)前記テーブル部に載置された板材を上方から押さえ付けると共に前記丸鋸刃が通過可能な鋸刃逃がし溝が下端部に形成された上押さえ装置を、該鋸刃逃がし溝が前記溝部の真上に位置する様に所定間隔で複数個備えていること。
    C)前記丸鋸切断機は、前記丸鋸刃の切断時移動方向の後方側において前記テーブル部の溝部から上方へと突出し得る楔付き円板を上下動可能に備えていること。
    D)前記テーブル部の溝部に沿った所定範囲内に、前記上押さえ装置同士の間に位置し、前記丸鋸刃によって板材に形成された切り溝に対して打ち込み得る楔部材を下端に備えた複数個の楔打ち装置を備えていること。
    E)前記テーブル部に載置された板材の切り込み開始側の端部をクランプすると共に、前記丸鋸刃によって板材に形成された前記切り溝を開く方向の力を加える端部クランプ装置を備えていること。
    F)前記複数個の上押さえ装置を作動させて前記テーブル部に載置された板材を前記溝部に沿った複数箇所で押さえ付けると共に、前記端部クランプ装置を作動させ、前記丸鋸切断機を作動させ、前記楔付き円板が前記テーブル部の下側に入り込む位置へと前記丸鋸切断機が移動したら前記楔付き円板を上方へ突出させ、前記丸鋸刃が通過し終えた範囲内に配置された楔打ち装置を順次作動させる制御を、前記丸鋸切断機の移動状態に応じて実行する制御装置を備えていること。
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