JP6480270B2 - 鍛造装置及び鍛造装置の再芯出しアタッチメント - Google Patents
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この特許文献1の鍛造装置は、図7に示したように、ダイス金型101を有する固定部102と、その固定部102に向けて水平方向に往復動可能に設けられた可動部103と、その可動部103に着脱可能に取り付けられたパンチホルダー104と、前記ダイス金型101と対をなし且つパンチホルダー104に着脱可能に取り付けられたパンチ105と、を備えている。
一般的にダイス金型101とパンチ105の径クリアランスは8/100〜5/100mm程度であり、偏荷重が掛かった場合の許容される振れ代は大きくても3/100mm以内であって、それ以上振れた場合はパンチ105またはダイス金型101の破損リスクが高まる。
そのため、微妙な芯振れを経験と試打ち後の形状を見ながら慎重に時間を掛けて許容範囲内に調整する必要があり、例え熟練工であっても長時間を要する。
特に、連続多段式ホーマでは、可動部103の一回の往復動で、切断ブランク→据え込み→穴明け、といった複数の工程が横一列に並んだ複数のダイス金型101とパンチ105で同時に行われるため、各工程毎に成形品の変形量(率)が異なり、それに伴って夫々の工程に掛かる荷重も異なり、その結果、可動部103には全体として偏荷重が掛かるから、作業者は、可動部103にある全てのパンチ105について個別に上記調整を行わなければならない煩わしさがある。
かかる芯出し作業の非効率性の問題は、近年、ネットシェープ成形品の要請に応じて9工程(9段式)や10工程(10段式)の連続多段式ホーマが開発されるに至ってより大きくなっている。
第1に、芯出しボルト110とスリーブ118は、キー117とキー溝116の嵌め合いで共回動させる構造であるが、スリーブ118のキー117と芯出しボルト110のキー溝116との間には摺動性を確保すべく所定のクリアランスが設けられているため、当該クリアランスにより共回動の精度が低下する。また、目視によりダイヤル盤119の目盛りを合わせる場合、作業員の熟練度や見る角度等により誤差が発生するため、さらに精度が低下する。現在の技術水準では、1/100〜4/100mmの精度が要求されるため、これを達成するのは容易でない。
第2に、ダイヤル盤119は、スリーブ118に固定されるものの、そのスリーブ118はダイヤル盤119を伴ったまま芯出しボルト110に対して摺動するため、芯出しボルト110を複数回転させて緩めた場合、その回転数を別途記録しておかなければ再現することが困難になる。特に、左右の芯出しボルト110,110の双方を緩めた場合には、基準が崩れるため殆ど再現性がない。
ダイス金型を有する固定部と、
その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
その可動部に着脱可能に取り付けられたパンチホルダーと、
前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
前記パンチホルダーは、
前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで当該第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置において、
少なくとも一つの前記芯出しボルトの雄ネジ部に、その雄ネジ部に螺合して移動可能な位置決めナットを装着し、その位置決めナットを芯出し完了位置にあるパンチホルダーの外面に当接させた状態にして前記雄ネジ部に回動不能に固定し、そうして当該芯出しボルトと芯出し完了位置にあるパンチホルダーに装着されているパンチとをセットにしてパンチホルダーへの着脱を行わせるようにした鍛造装置を提供する。
前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させた状態にして前記再芯出しアタッチメントをパンチホルダーに接合してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の鍛造装置を提供する。
その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
その可動部に取り付けられたパンチホルダーと、
前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
前記パンチホルダーは、
前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置に対し、付加して使用する再芯出しアタッチメントであって、
前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面であって前記第1ボルト孔をカバーする部位に当接し得る略厚板状のブロック体と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、
前記ブロック体の外側から前記延長ボルト孔に向けて締め込んで前記第1固定ボルトに当接させ得る芯出しボルトと、
その芯出しボルトの雄ネジ部に螺合して移動可能に装着された位置決めナットと、を備えており、
前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させる状態にして前記ブロック体をパンチホルダーに接合し、
そうして前記ブロック体に設けた芯出しボルトを芯出し完了後の前記第1固定ボルトに当接するまで締め込むと共にその状態で前記位置決めナットをブロック体に当接する位置まで締め込み、さらにその締め込んだ位置決めナットを前記雄ネジ部に対して回動不能状態に固定するようにした鍛造装置の再芯出しアタッチメントを提供する。
また、連続多段式ホーマのように鍛造装置を横一列に並べた場合には、隣合う芯出しボルト同士が干渉し合って着脱するスペースが確保できない可能性があるが、請求項2のように、芯出しボルトを通常の芯出し作業用と、再芯出し作業用とに分けてその配置をずらすことにより、再芯出し作業用の芯出しボルトを着脱するスペースが容易に確保できる。
また、請求項3のように、位置決めナットを装着した芯出しボルトを、締付け工具係合用の凹部を軸端に設けた略イモネジ形態にすることでも、ボルトの頭部相当の寸法が短くできる分、着脱するスペースを確保することが容易になる。なお、ここで「略イモネジ形態」には、締付け工具係合用の凹部の形状が六角孔であるものの他、マイナス溝やプラス溝或は特殊な工具専用の溝などであるものも含まれる。
鍛造装置は、ダイス金型1を有する固定部2と、その固定部2に向けて往復動可能に設けられた可動部3と、その可動部3に着脱可能に取り付けられたパンチホルダー4と、ダイス金型1と対をなし且つパンチホルダー4に着脱可能に取り付けられたパンチ5と、を備えている。
このパンチホルダー4の第1取付片12に、可動部3の移動方向に軸線を向けて前記第1固定ボルト7より大径の第1ボルト孔14が設けられ、また、第2取付片13に可動部3の移動方向に軸線を向けて前記第2固定ボルト8の外径と同幅で縦に長い長孔状の第2ボルト孔15が設けられており、この第1ボルト孔14に第1固定ボルト7が相対的に全方向に振れ得る状態に遊嵌し、一方、第2ボルト孔15に第2固定ボルト8が相対的に上下に遊動し得る状態に遊嵌している。
したがって、図2において、芯出しボルト17Tを締め込むことでパンチホルダー4が第1固定ボルト7を固定点として上方に移動し、左側の芯出しボルト17Lを締め込むことでパンチホルダー4が第1固定ボルト7を固定点とし且つ第2固定ボルト8を中心として左に傾き、また、右側の芯出しボルト17Rを締め込むことでパンチホルダー4が第1固定ボルト7を固定点とし且つ第2固定ボルト8を中心として右に傾く。このようなパンチホルダー4の動きによって、ホルダー主部11に保持されているパンチ5を上下左右の全方向に移動させることができるため、前記ダイス金型1に対して芯を合わせることができる。
この再芯出しアタッチメント18の芯出しボルト20T,20L,20Rは、締付け工具係合用の例えば六角孔やマイナス溝或はプラス溝形態の凹部23を軸端に設けた略イモネジ形態であり、六角ボルトのような頭部を有しない。
次に、第1取付片12の芯出しボルト17T,17L,17Rの締め加減を上記のように調整してパンチホルダー4を移動させ、そうしてパンチ5の芯をダイス金型1の芯に合わせる。
次に、芯出しが完了した状態で第1固定ボルト7と第2固定ボルト8の固定ナット9,9を締め込んでパンチホルダー4を芯出し完了位置に固定する。
次に、再芯出しアタッチメント18の芯出しボルト20T,20L,20Rを芯出し完了後の第1固定ボルト7に当接するまで所定のトルクで締付け工具で締め込んだ後、さらに雄ネジ部21に螺合している位置決めナット22T,22L,22Rをブロック体12xに当接するまで所定のトルクで締め込み、さらにその締め込んだ位置決めナット22T,22L,22Rを前記雄ネジ部21に対して接着剤や加締め等の固定手段で回動不能状態に固定する。
一方、取り外したパンチ5と、位置決めナット22T,22L,22Rが固定された芯出しボルト20T,20L,20Rをセットにして保管する。このとき、芯出しボルト20Tが上、芯出しボルト20Lが左、芯出しボルト20Rが右、というように対応する雌ネジ孔19T,19L,19Rに正確に嵌め戻し得るようにするため、例えば、位置決めナット22T,22L,22R又は芯出しボルト20T,20L,20Rを色分けし又はマーキングを施す、等の識別手段を講ずるとよい。
2 …固定部
3 …可動部
4 …パンチホルダー
5 …パンチ
7 …第1固定ボルト
8 …第2固定ボルト
9,9 …固定ナット
12x …ブロック体
14 …第1ボルト孔
14x …延長ボルト孔
15 …第2ボルト孔
17T,17L,17R…芯出しボルト
18 …再芯出しアタッチメント
20T,20L,20R…芯出しボルト
21 …雄ネジ部
22T,22L,22R …位置決めナット
23 …凹部
Claims (5)
- ダイス金型を有する固定部と、
その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
その可動部に着脱可能に取り付けられたパンチホルダーと、
前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
前記パンチホルダーは、
前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで当該第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置において、
少なくとも一つの前記芯出しボルトの雄ネジ部に、その雄ネジ部に螺合して移動可能な位置決めナットを装着し、その位置決めナットを芯出し完了位置にあるパンチホルダーの外面に当接させた状態にして前記雄ネジ部に回動不能に固定し、そうして当該芯出しボルトと芯出し完了位置にあるパンチホルダーに装着されているパンチとをセットにしてパンチホルダーへの着脱を行わせるようにしたことを特徴とする鍛造装置。 - 前記芯出しボルトは、通常の芯出し作業に用いるものと、それより前記可動部の移動方向に沿って前記固定部側にずらして配置した再芯出し作業に用いるものと、からなり、その再芯出し作業に用いる芯出しボルトに前記位置決めナットが装着されていることを特徴とする請求項1記載の鍛造装置。
- 前記位置決めナットを装着した前記芯出しボルトは、締付け工具係合用の凹部を軸端に設けた略イモネジ形態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鍛造装置。
- 前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面に当接し得る厚板状のブロック体と、前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、再芯出し作業に用いる前記芯出しボルトと、を備えた再芯出しアタッチメントを形成し、
前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させた状態にして前記再芯出しアタッチメントをパンチホルダーに接合してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の鍛造装置。 - ダイス金型を有する固定部と、
その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
その可動部に取り付けられたパンチホルダーと、
前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
前記パンチホルダーは、
前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置に対し、付加して使用する再芯出しアタッチメントであって、
前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面であって前記第1ボルト孔をカバーする部位に当接し得る略厚板状のブロック体と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、
前記ブロック体の外側から前記延長ボルト孔に向けて締め込んで前記第1固定ボルトに当接させ得る芯出しボルトと、
その芯出しボルトの雄ネジ部に螺合して移動可能に装着された位置決めナットと、を備えており、
前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させる状態にして前記ブロック体をパンチホルダーに接合し、
そうして前記ブロック体に設けた芯出しボルトを芯出し完了後の前記第1固定ボルトに当接するまで締め込むと共にその状態で前記位置決めナットをブロック体に当接する位置まで締め込み、さらにその締め込んだ位置決めナットを前記雄ネジ部に対して回動不能状態に固定するようにしたことを特徴とする鍛造装置の再芯出しアタッチメント。
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JP2015108772A JP6480270B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 鍛造装置及び鍛造装置の再芯出しアタッチメント |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015108772A JP6480270B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 鍛造装置及び鍛造装置の再芯出しアタッチメント |
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Family Applications (1)
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