JP6480270B2 - 鍛造装置及び鍛造装置の再芯出しアタッチメント - Google Patents

鍛造装置及び鍛造装置の再芯出しアタッチメント Download PDF

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Description

本発明は、ダイス金型にセットした金属材料をパンチで加圧して加工する鍛造装置と、その鍛造装置に付加して使用する再芯出しアタッチメントに関する。
連続多段式ホーマやヘッダーなどの水平摺動式鍛造装置は、金属部品をワイヤー材やバー材から塑性加工にて高速に生産する設備として古くから使用されている。
先行技術文献として例示した特許文献1には、5工程分の鍛造装置が横一列に並設された連続多段式ホーマが記載されている。
この特許文献1の鍛造装置は、図7に示したように、ダイス金型101を有する固定部102と、その固定部102に向けて水平方向に往復動可能に設けられた可動部103と、その可動部103に着脱可能に取り付けられたパンチホルダー104と、前記ダイス金型101と対をなし且つパンチホルダー104に着脱可能に取り付けられたパンチ105と、を備えている。
前記パンチホルダー104は、可動部103の移動方向である水平方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔106と、同じく可動部103の移動方向に軸線を向けて貫設され且つパンチ105を挟んで第1ボルト孔106の反対側、つまり真っ直ぐ下側に設けられた第2ボルト孔107と、パンチホルダー104の第1ボルト孔106に遊嵌状に挿通するように可動部103に取り付けられた第1固定ボルト108と、パンチホルダー104の第2ボルト孔107に上下に遊嵌状に挿通するように可動部に取り付けられた第2固定ボルト109と、第1固定ボルト108に対しパンチホルダー104の外側からその第1固定ボルト108に向けて複数本を締め込み当該第1固定ボルト108を固定点としてパンチホルダー104をパンチ105の芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルト110と、第1固定ボルト108と第2固定ボルト109にそれぞれ螺合してパンチホルダー104を芯出し完了位置に固定する固定ナット111,111と、を備えてなる。
その他、図7において、符合112は可動部103を構成する移動ラム、符合113は可動部103を構成する矢板、符合114は可動部103を構成する取付板であり、この取付板114が矢板113の固定部102側の面に固着されると共に前記第1固定ボルト108と第2固定ボルト109を支持している。
しかして、上記鍛造装置は、ダイス金型101とパンチ105を取り替える事により、多種多様の部品を製造することができるが、その度に可動部103側のパンチホルダー104を調整してパンチ105と固定部102側のダイス金型101との芯を合わせるいわゆる芯出しを行う必要がある。
一般的にダイス金型101とパンチ105の径クリアランスは8/100〜5/100mm程度であり、偏荷重が掛かった場合の許容される振れ代は大きくても3/100mm以内であって、それ以上振れた場合はパンチ105またはダイス金型101の破損リスクが高まる。
そのため、微妙な芯振れを経験と試打ち後の形状を見ながら慎重に時間を掛けて許容範囲内に調整する必要があり、例え熟練工であっても長時間を要する。
特に、連続多段式ホーマでは、可動部103の一回の往復動で、切断ブランク→据え込み→穴明け、といった複数の工程が横一列に並んだ複数のダイス金型101とパンチ105で同時に行われるため、各工程毎に成形品の変形量(率)が異なり、それに伴って夫々の工程に掛かる荷重も異なり、その結果、可動部103には全体として偏荷重が掛かるから、作業者は、可動部103にある全てのパンチ105について個別に上記調整を行わなければならない煩わしさがある。
かかる芯出し作業の非効率性の問題は、近年、ネットシェープ成形品の要請に応じて9工程(9段式)や10工程(10段式)の連続多段式ホーマが開発されるに至ってより大きくなっている。
以上のような芯出し作業の非効率性を改善すべく特許文献1に記載の連続多段式ホーマは、図8の分解斜視図に示したように、前記芯出しボルト110に対し、雄ネジ部115に切り込んだ直線状のキー溝116に自己の内向きのキー117を遊嵌させて芯出しボルト110と共回動且つ軸方向に摺動可能に装着された円筒形のスリーブ118と、そのスリーブ118に遊回動可能に外嵌されたダイヤル盤119と、そのダイヤル盤119の外側から締め込んでスリーブ118とダイヤル盤119とを一体化させるセットスクリュー120と、を設け、芯出し完了時の芯出しボルト110の状態をダイヤル盤119の目盛りで再現し得るようにしている。
実公昭63−20434号公報
特許文献1に記載された芯出しボルト110と、スリーブ118と、ダイヤル盤119と、セットスクリュー120と、から構成される上記手段には、以下のような問題点があった。
第1に、芯出しボルト110とスリーブ118は、キー117とキー溝116の嵌め合いで共回動させる構造であるが、スリーブ118のキー117と芯出しボルト110のキー溝116との間には摺動性を確保すべく所定のクリアランスが設けられているため、当該クリアランスにより共回動の精度が低下する。また、目視によりダイヤル盤119の目盛りを合わせる場合、作業員の熟練度や見る角度等により誤差が発生するため、さらに精度が低下する。現在の技術水準では、1/100〜4/100mmの精度が要求されるため、これを達成するのは容易でない。
第2に、ダイヤル盤119は、スリーブ118に固定されるものの、そのスリーブ118はダイヤル盤119を伴ったまま芯出しボルト110に対して摺動するため、芯出しボルト110を複数回転させて緩めた場合、その回転数を別途記録しておかなければ再現することが困難になる。特に、左右の芯出しボルト110,110の双方を緩めた場合には、基準が崩れるため殆ど再現性がない。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的は、芯出し完了後のパンチをパンチホルダーから外して再装着するとき、再芯出しが効率的に行える鍛造装置又は鍛造装置の再芯出しアタッチメントを提供することにある。
上記の目的を達成するため本発明は、請求項1に記載したように、
ダイス金型を有する固定部と、
その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
その可動部に着脱可能に取り付けられたパンチホルダーと、
前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
前記パンチホルダーは、
前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで当該第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置において、
少なくとも一つの前記芯出しボルトの雄ネジ部に、その雄ネジ部に螺合して移動可能な位置決めナットを装着し、その位置決めナットを芯出し完了位置にあるパンチホルダーの外面に当接させた状態にして前記雄ネジ部に回動不能に固定し、そうして当該芯出しボルトと芯出し完了位置にあるパンチホルダーに装着されているパンチとをセットにしてパンチホルダーへの着脱を行わせるようにした鍛造装置を提供する。
また、請求項2に記載したように、前記芯出しボルトは、通常の芯出し作業に用いるものと、それより前記可動部の移動方向に沿って前記固定部側にずらして配置した再芯出し作業に用いるものと、からなり、その再芯出し作業に用いる芯出しボルトに前記位置決めナットが装着されている請求項1記載の鍛造装置を提供する。
また、請求項3に記載したように、前記位置決めナットを装着した前記芯出しボルトは、締付け工具係合用の凹部を軸端に設けた略イモネジ形態である請求項1又は2に記載の鍛造装置を提供する。
また、請求項4に記載したように、前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面に当接し得る厚板状のブロック体と、前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、再芯出し作業に用いる前記芯出しボルトと、を備えた再芯出しアタッチメントを形成し、
前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させた状態にして前記再芯出しアタッチメントをパンチホルダーに接合してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の鍛造装置を提供する。
また、請求項5に記載したように、ダイス金型を有する固定部と、
その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
その可動部に取り付けられたパンチホルダーと、
前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
前記パンチホルダーは、
前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置に対し、付加して使用する再芯出しアタッチメントであって、
前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面であって前記第1ボルト孔をカバーする部位に当接し得る略厚板状のブロック体と、
前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、
前記ブロック体の外側から前記延長ボルト孔に向けて締め込んで前記第1固定ボルトに当接させ得る芯出しボルトと、
その芯出しボルトの雄ネジ部に螺合して移動可能に装着された位置決めナットと、を備えており、
前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させる状態にして前記ブロック体をパンチホルダーに接合し、
そうして前記ブロック体に設けた芯出しボルトを芯出し完了後の前記第1固定ボルトに当接するまで締め込むと共にその状態で前記位置決めナットをブロック体に当接する位置まで締め込み、さらにその締め込んだ位置決めナットを前記雄ネジ部に対して回動不能状態に固定するようにした鍛造装置の再芯出しアタッチメントを提供する。
本発明の鍛造装置は、芯出しボルトの雄ネジ部に回動不能に固定した位置決めナットに、芯出し完了後のパンチの芯出し情報が物理的に残されているため、この芯出しボルトとパンチとをセットにしてパンチホルダーへの着脱を行わせれば、再装着するパンチの再芯出し作業が効率的に行える。
また、請求項2に記載したように、芯出しボルトを、通常の芯出し作業用と、再芯出し作業用とに分けることにより再芯出しの精度を長期間に亘って維持させることが可能になる。何故なら、通常の芯出し作業は、芯出しボルトを繰り返し締め戻ししながら調整するため、第1固定ボルトの接触部分が摩耗によりえぐれて寸法に狂いが生じやすく、一方、再芯出し作業に用いる芯出しボルトは、位置決めナットがパンチホルダーに当たって停止するまで所定のトルクで締めるのみでよいため、第1固定ボルトに殆ど摩耗を生じさせないからである。
また、連続多段式ホーマのように鍛造装置を横一列に並べた場合には、隣合う芯出しボルト同士が干渉し合って着脱するスペースが確保できない可能性があるが、請求項2のように、芯出しボルトを通常の芯出し作業用と、再芯出し作業用とに分けてその配置をずらすことにより、再芯出し作業用の芯出しボルトを着脱するスペースが容易に確保できる。
また、請求項3のように、位置決めナットを装着した芯出しボルトを、締付け工具係合用の凹部を軸端に設けた略イモネジ形態にすることでも、ボルトの頭部相当の寸法が短くできる分、着脱するスペースを確保することが容易になる。なお、ここで「略イモネジ形態」には、締付け工具係合用の凹部の形状が六角孔であるものの他、マイナス溝やプラス溝或は特殊な工具専用の溝などであるものも含まれる。
また、請求項4又は請求項5のように再芯出しアタッチメントを形成してパンチホルダーに接合するようにした場合には、既設の鍛造装置に付加して簡単に改造実施することができる。
パンチホルダーの分解斜視図である。 鍛造装置の可動部側を示す正面図である。 図2のA−A線断面図である。 一部を断面にしたパンチホルダーの要部拡大正面図である。 再芯出しアタッチメントの分解斜視図である。 他の形態を示すパンチホルダーの分解斜視図である。 従来の鍛造装置を示す縦断面図である。 従来の芯出しボルトを示す分解斜視図である。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
鍛造装置は、ダイス金型1を有する固定部2と、その固定部2に向けて往復動可能に設けられた可動部3と、その可動部3に着脱可能に取り付けられたパンチホルダー4と、ダイス金型1と対をなし且つパンチホルダー4に着脱可能に取り付けられたパンチ5と、を備えている。
前記固定部2は、ダイス金型1を着脱交換可能な状態に有するものであるが、この固定部2やダイス金型1は、既存の鍛造装置と同じであるため、説明を省略する。
前記可動部3は、図示を省略するが、従来技術で説明した移動ラム112と矢板113を有しており、その矢板113の固定部2側の面に取付板6が固定的に取り付けられている。また、可動部3は、図示しない駆動装置によって前記移動ラム112と矢板113と取付板6が固定部2に向けて横向きに往復動するようになっている。なお、移動ラム112と矢板113と駆動装置は、既存の鍛造装置と同じであるため、説明を省略する。
この可動部3の前記取付板6に前記往復動の方向に軸線を向けて第1固定ボルト7が植設され、また、その垂直下方に同様の第2固定ボルト8が植設されている。なお、この第1固定ボルト7と第2固定ボルト8には、対をなす固定ナット9,9が座金10,10と一緒にそれぞれに螺合している。また、第1固定ボルト7又は第2固定ボルト8は、単体構造のものを図示したが、外周にスリーブを固着した複合構造のものでもよい。
前記パンチホルダー4は、図1に示したように、パンチ5を保持する筒状のホルダー主部11と、そのホルダー主部11の基部に上向きに突設した四角い厚板状の第1取付片12と、同じくホルダー主部11の基部に下向きに突設した四角い厚板状の第2取付片13と、を備えている。
このパンチホルダー4の第1取付片12に、可動部3の移動方向に軸線を向けて前記第1固定ボルト7より大径の第1ボルト孔14が設けられ、また、第2取付片13に可動部3の移動方向に軸線を向けて前記第2固定ボルト8の外径と同幅で縦に長い長孔状の第2ボルト孔15が設けられており、この第1ボルト孔14に第1固定ボルト7が相対的に全方向に振れ得る状態に遊嵌し、一方、第2ボルト孔15に第2固定ボルト8が相対的に上下に遊動し得る状態に遊嵌している。
また、パンチホルダー4の第1取付片12には、その上端面と左右両端面の外側から第1ボルト孔14の中心に向けて雌ネジ孔16T,16L,16Rが形成されていて、その雌ネジ孔16T,16L,16Rに3本の芯出しボルト17T,17L,17Rが螺合している。
したがって、図2において、芯出しボルト17Tを締め込むことでパンチホルダー4が第1固定ボルト7を固定点として上方に移動し、左側の芯出しボルト17Lを締め込むことでパンチホルダー4が第1固定ボルト7を固定点とし且つ第2固定ボルト8を中心として左に傾き、また、右側の芯出しボルト17Rを締め込むことでパンチホルダー4が第1固定ボルト7を固定点とし且つ第2固定ボルト8を中心として右に傾く。このようなパンチホルダー4の動きによって、ホルダー主部11に保持されているパンチ5を上下左右の全方向に移動させることができるため、前記ダイス金型1に対して芯を合わせることができる。
ここまでで説明した鍛造装置は公知であるが、実施形態では、図5に示した再芯出しアタッチメント18を前記パンチホルダー4の第1取付片12に接合した点に特徴がある。
すなわち、再芯出しアタッチメント18は、パンチホルダー4の第1取付片12に整合する金属製で略厚板状のブロック体12xを母体とし、このブロック体12xに第1取付片12の第1ボルト孔14に連通可能なように穿設された延長ボルト孔14xと、ブロック体12xの上端面から延長ボルト孔14xの中心に向けて形成された雌ネジ孔19Tと、ブロック体12xの図2において左端面から延長ボルト孔14xの中心に向けて形成された雌ネジ孔19Lと、ブロック体12xの図2において右端面から延長ボルト孔14xの中心に向けて形成された雌ネジ孔19Rと、各雌ネジ孔19T,19L,19Rに螺合する芯出しボルト20T,20L,20Rと、この各芯出しボルト20T,20L,20Rの雄ネジ部21に移動可能に螺合する位置決めナット22T,22L,22Rと、からなる。
この再芯出しアタッチメント18の芯出しボルト20T,20L,20Rは、締付け工具係合用の例えば六角孔やマイナス溝或はプラス溝形態の凹部23を軸端に設けた略イモネジ形態であり、六角ボルトのような頭部を有しない。
以上のように構成される再芯出しアタッチメント18を、パンチホルダー4の第1取付片12の固定部2側の面に、自己の延長ボルト孔14xを第1ボルト孔14に連通させた状態にしてロウ付や溶接等の接合手段で一体に接合する。もちろん接合された再芯出しアタッチメント18はパンチホルダー4の一部を構成し、延長ボルト孔14xは第1ボルト孔14の一部を構成する。したがって、以後、第1ボルト孔14には、特に明示する場合を除いて延長ボルト孔14xも含まれる。
なお、実施形態は、図2に示したように複数の鍛造装置を横一列に並べた連続多段式ホーマであり、一つの可動部3に複数のパンチホルダー4が存在し、また、一つの固定部2に複数のダイス金型1が存在する。
実施形態の鍛造装置は以上のように構成されているため、先ず、全ての芯出しボルト17T,17L,17R,20T,20L,20Rを第1ボルト孔14から退避させ、また、第1固定ボルト7と第2固定ボルト8の固定ナット9,9を緩めた状態にしてパンチホルダー4にパンチ5をセットする。
次に、第1取付片12の芯出しボルト17T,17L,17Rの締め加減を上記のように調整してパンチホルダー4を移動させ、そうしてパンチ5の芯をダイス金型1の芯に合わせる。
次に、芯出しが完了した状態で第1固定ボルト7と第2固定ボルト8の固定ナット9,9を締め込んでパンチホルダー4を芯出し完了位置に固定する。
次に、再芯出しアタッチメント18の芯出しボルト20T,20L,20Rを芯出し完了後の第1固定ボルト7に当接するまで所定のトルクで締付け工具で締め込んだ後、さらに雄ネジ部21に螺合している位置決めナット22T,22L,22Rをブロック体12xに当接するまで所定のトルクで締め込み、さらにその締め込んだ位置決めナット22T,22L,22Rを前記雄ネジ部21に対して接着剤や加締め等の固定手段で回動不能状態に固定する。
こうして芯出しを完了したパンチ5で鍛造を行い、その後に別のパンチに交換する場合は、現在のパンチ5をパンチホルダー4から外し、別のパンチを上記の要領でパンチホルダー4にセットする。その際、再芯出しアタッチメント18の芯出しボルト20T,20L,20Rも同時に外して別のものに交換する。
一方、取り外したパンチ5と、位置決めナット22T,22L,22Rが固定された芯出しボルト20T,20L,20Rをセットにして保管する。このとき、芯出しボルト20Tが上、芯出しボルト20Lが左、芯出しボルト20Rが右、というように対応する雌ネジ孔19T,19L,19Rに正確に嵌め戻し得るようにするため、例えば、位置決めナット22T,22L,22R又は芯出しボルト20T,20L,20Rを色分けし又はマーキングを施す、等の識別手段を講ずるとよい。
そして、上記で取り外したパンチ5をパンチホルダー4に再装着する場合は、そのパンチ5をパンチホルダー4に装着し、次にそのパンチ5と一緒に保管しておいた芯出しボルト20Tを再芯出しアタッチメント18の雌ネジ孔19Tに、同じく芯出しボルト20Lを再芯出しアタッチメント18の雌ネジ孔19Lに、同じく芯出しボルト20Rを再芯出しアタッチメント18の雌ネジ孔19Rにそれぞれ嵌め戻し、雄ネジ部21に固定された位置決めナット22T,22L,22Rがブロック体12xに当接するまで所定のトルクで締め付ける。その際、通常の芯出し作業に用いる芯出しボルト17T,17L,17Rは退避状態のままにしておく。そうすると、第1固定ボルト7に芯出しボルト20T,20L,20Rが当接して、その第1固定ボルト7を固定点としてパンチホルダー4の芯出し完了位置が正確に再現される。よってこの状態で第1固定ボルト7と第2固定ボルト8の固定ナット9,9を締め付ければ、ごく短時間で芯出し作業が完了する。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では再芯出し作業に用いる芯出しボルト20T,20L,20Rを再芯出しアタッチメント18に設けてパンチホルダー4に接合するようにしたが、そのような再芯出しアタッチメント18に相当する形状及び構造の膨出部をパンチホルダー4に一体成形するようにしてもよい。
また、実施形態では、再芯出し作業に用いる芯出しボルト20T,20L,20Rを3本設けたが、何れか1本を設けるだけでも芯出し作業の効率アップに貢献し得る。例えば、実施形態の図2において左の芯出しボルト20Lのみを使用する場合、先にその芯出しボルト20Lを締め込んだ後、通常の芯出し作業に用いる右の芯出しボルト17Rを締め込めば、芯出しボルト20Lが基準点になるためパンチホルダー4の左右位置の芯出しが再現される。この場合、上下方向の芯出し作業には、通常の芯出し作業に用いる芯出しボルト17Tを使用するため従来と同程度の時間を要するが、トータルでは芯出し作業の効率をアップさせることができる。このことは上の芯出しボルト20Tのみを使用する場合や、右の芯出しボルト20Rのみを使用する場合でも同様である。もちろん上の芯出しボルト20Tと横の何れか一方の芯出しボルト20L又は20Rの2本を設けるようにしてもよい。なお、横の芯出しボルト20L又は20Rの何れか一方を使用する場合には、複数の鍛造装置を横並びにした場合に、芯出しボルト20L又は20Rを着脱するスペースが十分に確保できるため作業性に優れる優位性がある。
また、実施形態では、通常の芯出し作業に用いる芯出しボルト17T,17L,17Rと、再芯出し作業に用いる芯出しボルト20T,20L,20Rを別々に設けたが、通常の芯出し作業に用いる芯出しボルト17T,17L,17Rを位置決めナット22T,22L,22Rを有する前記芯出しボルト20T,20L,20Rに変更するようにしてもよい。この場合、芯出しボルト20T,20L,20Rに接する第1固定ボルト7の一部が摩耗によりえぐれて次第に精度が低下する、という難点はあるものの、摩耗による変形が限度を越えない限定範囲において芯出し作業の効率アップの利益は享受できる。
また、実施形態では第1固定ボルト7にのみ芯出しボルト20T,20L,20Rを適用したが、長期の使用により第2ボルト孔15が摩耗して遊びが全方向に拡大した場合には、図6に示したように芯出しボルト20T,20L,20R等を第2固定ボルト8に適用するようにしてもよい。
1 …ダイス金型
2 …固定部
3 …可動部
4 …パンチホルダー
5 …パンチ
7 …第1固定ボルト
8 …第2固定ボルト
9,9 …固定ナット
12x …ブロック体
14 …第1ボルト孔
14x …延長ボルト孔
15 …第2ボルト孔
17T,17L,17R…芯出しボルト
18 …再芯出しアタッチメント
20T,20L,20R…芯出しボルト
21 …雄ネジ部
22T,22L,22R …位置決めナット
23 …凹部

Claims (5)

  1. ダイス金型を有する固定部と、
    その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
    その可動部に着脱可能に取り付けられたパンチホルダーと、
    前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
    前記パンチホルダーは、
    前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
    同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
    前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
    前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
    少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで当該第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
    前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置において、
    少なくとも一つの前記芯出しボルトの雄ネジ部に、その雄ネジ部に螺合して移動可能な位置決めナットを装着し、その位置決めナットを芯出し完了位置にあるパンチホルダーの外面に当接させた状態にして前記雄ネジ部に回動不能に固定し、そうして当該芯出しボルトと芯出し完了位置にあるパンチホルダーに装着されているパンチとをセットにしてパンチホルダーへの着脱を行わせるようにしたことを特徴とする鍛造装置。
  2. 前記芯出しボルトは、通常の芯出し作業に用いるものと、それより前記可動部の移動方向に沿って前記固定部側にずらして配置した再芯出し作業に用いるものと、からなり、その再芯出し作業に用いる芯出しボルトに前記位置決めナットが装着されていることを特徴とする請求項1記載の鍛造装置。
  3. 前記位置決めナットを装着した前記芯出しボルトは、締付け工具係合用の凹部を軸端に設けた略イモネジ形態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鍛造装置。
  4. 前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面に当接し得る厚板状のブロック体と、前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、再芯出し作業に用いる前記芯出しボルトと、を備えた再芯出しアタッチメントを形成し、
    前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させた状態にして前記再芯出しアタッチメントをパンチホルダーに接合してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の鍛造装置。
  5. ダイス金型を有する固定部と、
    その固定部に向けて往復動可能に設けられた可動部と、
    その可動部に取り付けられたパンチホルダーと、
    前記ダイス金型と対をなし且つ前記パンチホルダーに着脱可能に取り付けられたパンチと、を備え、
    前記パンチホルダーは、
    前記可動部の移動方向に軸線を向けて貫設した第1ボルト孔と、
    同じく可動部の移動方向に軸線を向けて貫設され且つ前記パンチを挟んで前記第1ボルト孔の反対側に設けられた第2ボルト孔と、
    前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第1固定ボルトと、
    前記パンチホルダーの前記第2ボルト孔に遊嵌状に挿通するように前記可動部に取り付けられた第2固定ボルトと、
    少なくとも前記第1固定ボルトに対しパンチホルダーの外側からその第1固定ボルトに向けて複数本を締め込んで第1固定ボルトを固定点としてパンチホルダーをパンチの芯出し方向に移動させ得るようにした芯出しボルトと、
    前記第1固定ボルトと前記第2固定ボルトにそれぞれ螺合してパンチホルダーを芯出し完了位置に固定する固定ナットと、を備えてなる鍛造装置に対し、付加して使用する再芯出しアタッチメントであって、
    前記パンチホルダーの前記固定部に対向する側の面であって前記第1ボルト孔をカバーする部位に当接し得る略厚板状のブロック体と、
    前記パンチホルダーの前記第1ボルト孔に連通可能なように前記ブロック体に穿設された延長ボルト孔と、
    前記ブロック体の外側から前記延長ボルト孔に向けて締め込んで前記第1固定ボルトに当接させ得る芯出しボルトと、
    その芯出しボルトの雄ネジ部に螺合して移動可能に装着された位置決めナットと、を備えており、
    前記延長ボルト孔を前記第1ボルト孔に連通させる状態にして前記ブロック体をパンチホルダーに接合し、
    そうして前記ブロック体に設けた芯出しボルトを芯出し完了後の前記第1固定ボルトに当接するまで締め込むと共にその状態で前記位置決めナットをブロック体に当接する位置まで締め込み、さらにその締め込んだ位置決めナットを前記雄ネジ部に対して回動不能状態に固定するようにしたことを特徴とする鍛造装置の再芯出しアタッチメント。
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