JP6479606B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤに用いられるゴム組成物においては、低燃費性と湿潤路面でのグリップ性能(即ち、ウェットグリップ性能)を向上することが求められている。この目的のため、充填剤としてシリカを用いるとともに、シリカの分散性を改良するためにシランカップリング剤が配合されている。しかしながら、低燃費性とウェットグリップ性能の両立に対する要求は益々高くなっている。
ところで、従来、タイヤ用ゴム組成物において、アクリル系ポリマーを配合することが知られている。例えば、特許文献1には、耐摩耗性を維持又は向上しつつ、ウェットグリップ性能を向上するために、タイヤ用ゴム組成物に無溶剤型アクリル樹脂を配合することが開示されている。しかしながら、従来、タイヤ用ゴム組成物にアクリル系ブロックポリマーを用いることは知られていない。
なお、従来、耐摩耗性や低燃費性などの特性を改良することを目的として、ブロックポリマーを配合することは知られている。例えば、特許文献2には、スチレンブタジエンゴムとブタジエンゴムとの非相溶ブレンド系のゴム成分において相溶性を改善して耐摩耗性を向上するために、スチレンブタジエン共重合体ブロックを含むブロック共重合体を配合することが開示されている。また、特許文献3には、耐摩耗性及び低燃費性の改善を目的として、スチレンモノマーユニットのブロックセグメント及びジエンモノマーユニットのブロックセグメントから構成されるトリブロック共重合体を配合することが開示され、特許文献4は、該トリブロック共重合体として極性官能基を持つ変性ブロック共重合体を配合することが開示されている。しかしながら、これらの文献には、ブロックポリマーを単にゴム組成物に配合することが開示されているのみであり、ブロックポリマーをシリカ表面に付着させた表面改質シリカを用いる点は開示されていない。
特開2014−214163号公報 特開平08−283465号公報 特開2004−002622号公報 特開2014−105293号公報
本発明は、低燃費性とウェットグリップ性能を向上することができるタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムと、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメント及びポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントを含むアクリル系ブロックポリマーがシリカ表面に付着した表面改質シリカと、を含有するものである。本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いて作製されたものである。
本発明によれば、シリカ表面に上記のアクリル系ブロックポリマーを付着させることにより、ジエン系ゴムとの界面相互作用を向上させることができ、低燃費性とウェットグリップ性能を向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、(A)ジエン系ゴムと、(B)アクリル系ブロックポリマーで表面処理された表面改質シリカとを含有するものである。
(A)ジエン系ゴム
ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなど、通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。これらの中でも、NR、BR及びSBRからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。一実施形態として、ジエン系ゴムは、SBR単独、又はSBRと他のジエン系ゴム(例えばBR及び/又はNR)とのブレンドからなるものであってもよく、例えば、SBRを50質量%以上含むものでもよい。
(B)表面改質シリカ
本実施形態で用いる表面改質シリカは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のブロックセグメントとポリアクリル酸ブチル(PBA)のブロックセグメントを含むアクリル系ブロックポリマーがシリカ表面に付着したものである。該アクリル系ブロックポリマーは、メタクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸ブチル(BA)のブロック共重合体であり、常温でゴム弾性を有するアクリル系熱可塑性エラストマーである。そのため、例えば、シリカとともに加熱混合することにより、シリカ表面にアクリル系ブロックポリマーを溶融凝着させることができる。該表面改質シリカは、シリカ表面に上記アクリル系ブロックポリマーが付着しており、シリカ表面で該アクリル系ブロックポリマーの層構造が形成されているため、ジエン系ゴムとの界面相互作用を向上することができ、ジエン系ゴム中におけるシリカの分散性を向上することができる。その結果、低燃費性とウェットグリップ性能を向上できると考えられる。また、該アクリル系ブロックポリマーをシリカに予め処理した表面改質シリカを用いることにより、少量のアクリル系ブロックポリマーで低燃費性とウェットグリップ性能の改良効果を発揮することができる。
表面改質対象として用いるシリカとしては、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。表面改質前のシリカのコロイダル特性は特に限定されず、例えば、BET法による窒素吸着比表面積(BET)が90〜250m2/gであるものを用いてもよく、150〜230m2/gのものを用いてもよい。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
上記アクリル系ブロックポリマーとしては、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントAとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントBを含むA−B−Aトリブロック共重合体であることが好ましい。ここで、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントAが、ハードセグメントであり、ポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントBがソフトセグメントである。なお、アクリル系ブロックポリマーには、このようなA−B−Aトリブロック共重合体の他に、(A−B)k−Aの形を持つブロックポリマー(kは2以上の整数)が含まれてもよい。
A−B−Aトリブロック共重合体の一例として、(ポリメタクリル酸メチル)−(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリメタクリル酸メチル)トリブロック共重合体の構造式を以下に示す。式中のl,m,nはそれぞれ1以上の整数である。一実施形態において、ハードセグメントであるポリメタクリル酸メチルのガラス転移温度(Tg)は100〜120℃でもよく、ソフトセグメントであるポリアクリル酸ブチルのTgは−40〜−50℃でもよい。このようなアクリル系ブロックポリマーの市販品としては、例えば、(株)クラレ製「クラリティ」が挙げられる。ここで、Tgは、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)法により測定される(昇温速度:20℃/分)。
Figure 0006479606

上記アクリル系ブロックポリマーとしては、その重量平均分子量(Mw)が30,000〜100,000であり、かつ、ポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量(Mw)が8,000〜28,000であるものが好ましく用いられる。このような分子量を持つアクリル系ブロックポリマーを用いることにより、低燃費性とウェットグリップ性能の改良効果を高めることができる。アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量は、より好ましくは30,000〜65,000であり、32,000〜64,000でもよく、30,000〜50,000でもよい。また、ポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量は、より好ましくは10,000〜25,000であり、10,000〜20,000でもよく、11,000〜18,000でもよい。
上記アクリル系ブロックポリマーにおいて、ポリメタクリル酸メチルの含有量は、特に限定されず、例えば10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜60質量%であり、更に好ましくは20〜50質量%であり、25〜40質量%でもよい。ここで、ポリメタクリル酸メチルの含有量とは、当該アクリル系ブロックポリマーの質量に対する、ハードセグメントであるポリメタクリル酸メチルの質量の比率である。なお、ポリアクリル酸ブチルの含有量は、ポリメタクリル酸メチルの含有量の残部とすることができ、30〜90質量%でもよく、40〜85質量%でもよく、50〜80質量%でもよく、60〜75質量%でもよい。
シリカに対するアクリル系ブロックポリマーの付着量は、特に限定されず、例えば、1〜30質量%(すなわち、表面改質前のシリカ100質量部に対してアクリル系ブロックポリマーが1〜30質量部)であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%であり、5〜15質量%でもよい。
表面改質シリカの配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜100質量部であり、10〜80質量部でもよく、20〜70質量部でもよい。
(C)その他の成分
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の成分の他に、カーボンブラック、オイル、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。また、表面改質シリカでない未処理のシリカを、本実施形態の効果が損なわれない範囲内で追加的に配合してもよい。
加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3質量部である。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。例えば、第1混練段階で、ジエン系ゴムに対し、表面改質シリカとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を加えて混練し、次いで、得られた混練物に、最終混練段階で、加硫剤と加硫促進剤を添加し混練することによりゴム組成物を得ることができる。
このようにして得られたゴム組成物は、タイヤ用として利用することができ、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど、各種用途、サイズの空気入りタイヤのトレッド部、サイドウォール部などタイヤの各部位に適用することができる。すなわち、該ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。これらの中でも、タイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いることが好ましい。空気入りタイヤのトレッド部には、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各測定方法及び試験方法は以下の通りである。
[アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)での測定により、ポリスチレン換算のMwを求めた。詳細には、測定試料は0.2mgをTHF1mLに溶解させたものを用いた。(株)島津製作所製「LC−20DA」を使用し、試料をフィルター透過後、温度40℃、流量0.7mL/分でカラム(Polymer Laboratories社製「PL Gel3μm Guard×2」)を通し、Spectra System社製「RI Detector」で検出した。
[アクリル系ブロックポリマーの組成分析]
NMRにより、アクリル系ブロックポリマーの構造同定を行い、得られたNMRスペクトルから、アクリル系ブロックポリマーにおけるポリメタクリル酸メチルの含有量(PMMA量)を算出した。NMRスペクトルは、BRUKER社製「400ULTRASHIELDTM PLUS」によりTMSを標準とし、ポリマー1gを重クロロホルム5mLに溶解し、測定した。
[ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の重量平均分子量(Mw)]
上記で測定したアクリル系ブロックポリマーのMwに、ポリメタクリル酸メチルの含有比(PMMA量/100)を乗じて算出した(Mw×PMMA量(質量%)/100)。
[ウェットグリップ性能]
USM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数50Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度0℃の条件で損失係数tanδを測定し、表1では比較例1の値を、表2では比較例5の値を、表3では比較例8の値を、それぞれ100とした指数で表示した。0℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、湿潤路面に対するグリップ性能の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが大きく、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
[低燃費性]
温度を60℃に変え、その他はウェットグリップ性能の評価と同様にして、tanδを測定し、その逆数について、表1では比較例1の値を、表2では比較例5の値を、表3では比較例8の値を、それぞれ100とした指数で表示した。60℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、低発熱性の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、タイヤとしての低燃費性能に優れることを示す。
実施例及び比較例で用いた各原料は以下の通りである。
・アクリル系ブロックポリマー1:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA2330」(Mw:64,000、PMMA量:27質量%、PMMAのMw:17,280)
・アクリル系ブロックポリマー2:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA4285」(Mw:37,000、PMMA量:56質量%、PMMAのMw:20,720)
・アクリル系ブロックポリマー3:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA2250」(Mw:32,000、PMMA量:36質量%、PMMAのMw:11,520)
・アクリル系ブロックポリマー4:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA2140e」(Mw:43,000、PMMA量:28質量%、PMMAのMw:12,040)
・アクリル系ポリマーA:メタクリル酸メチルの単独重合体(Mw:10,000、PMMA量:100質量%)。合成方法:反応器として水冷冷却管を取り付けた4つ口フラスコにメタクリル酸メチル100質量部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)12.8質量部、トルエン400質量部を投入し、60℃に加温し、3時間重合させた。得られた反応液を貧溶媒としてエタノールを使用して凝固させ、取り出した固体を真空乾燥することでアクリル系ポリマーAを得た。
・アクリル系ポリマーB:アクリル酸ブチルの単独重合体(Mw:10,000、PMMA量:0質量%)。合成方法:投入モノマーとしてアクリル酸ブチル100質量部、AIBN3.2質量部、トルエン400質量部とし、その他はアクリル系ポリマーAと同様にしてアクリル系ポリマーBを得た。
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」(BET:205m2/g)
・ジエン系ゴム:日本ゼオン(株)製スチレンブタジエンゴム「Nipol 1502」
・プロセスオイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「X-140」
・シランカップリング剤:エボニック・デグザ製「Si69」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤A:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
・加硫促進剤B:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
[表面改質シリカ1の調製]
120℃で溶融させた10質量部のアクリル系ブロックポリマー1に100質量部のシリカを加え、超音波振動器内で1時間、振動撹拌させた後、取り出したブロックポリマー含有シリカを、常温に冷却後、テトラヒドロフラン溶液内に30分浸漬させ、撹拌溶解後、取り出したシリカ粒子のみを真空乾燥で24時間乾燥させた。これにより、シリカに対するアクリル系ブロックポリマー1の付着量が8質量%である表面改質シリカ1を調製した。
[表面改質シリカ2の調製]
アクリル系ブロックポリマー1の代わりにアクリル系ブロックポリマー2を用い、その他は表面改質シリカ1と同様にして、シリカに対するアクリル系ブロックポリマー2の付着量が8質量%である表面改質シリカ2を調製した。
[表面改質シリカ3の調製]
アクリル系ブロックポリマー1の代わりにアクリル系ブロックポリマー3を用い、その他は表面改質シリカ1と同様にして、シリカに対するアクリル系ブロックポリマー3の付着量が8質量%である表面改質シリカ3を調製した。
[表面改質シリカ4の調製]
アクリル系ブロックポリマー1の代わりにアクリル系ブロックポリマー4を用い、その他は表面改質シリカ1と同様にして、シリカに対するアクリル系ブロックポリマー4の付着量が8質量%である表面改質シリカ4を調製した。
[表面改質シリカ5(比較例)の調製]
アクリル系ブロックポリマー1の代わりにアクリル系ポリマーAを用い、その他は表面改質シリカ1と同様にして、シリカに対するアクリル系ポリマーAの付着量が8質量%である表面改質シリカ5を調製した。
[表面改質シリカ6(比較例)の調製]
アクリル系ブロックポリマー1の代わりにアクリル系ポリマーBを用い、その他は表面改質シリカ1と同様にして、シリカに対するアクリル系ポリマーBの付着量が8質量%である表面改質シリカ6を調製した。
[ゴム組成物の調製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1〜3に示す配合(質量部)に従って、常法に従いタイヤ用ゴム組成物を調製した。詳細には、第一混練段階で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=150℃)、次いで、得られた混練物に、最終混練段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=110℃)、ゴム組成物を調製した。
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、動的粘弾性試験を行い、ウェットグリップ性能(tanδ(0℃))と低燃費性(tanδ(60℃))を評価した。
Figure 0006479606
Figure 0006479606
Figure 0006479606
結果は表1〜3に示す通りである。比較例1は、未処理シリカをシランカップリンク剤とともに第1混練段階で添加混合したコントロール配合である。かかる比較例1に対し、アクリル系ブロックポリマーで表面処理した表面改質シリカ1〜4を配合した実施例1〜4であると、低燃費性とウェットグリップ性能の顕著な向上効果がみられた。一般に、シリカ配合のゴム組成物では、シリカの分散性を向上するためにシランカップリング剤が配合されるが、実施例1〜4ではシランカップリンク剤を配合しなくても、シリカの分散性向上による、低燃費性とウェットグリップ性能の両立効果が得られた。これに対し、アクリル系ブロックポリマーでなくアクリル系ホモポリマーで表面処理した表面改質シリカ5,6を配合した比較例2,3では、低燃費性とウェットグリップ性能の改良効果は得られなかった。また、シリカを事前に表面処理することなく、アクリル系ブロックポリマーと未処理シリカを第1混練段階で添加混合した比較例4では、実施例1〜4に比べて、低燃費性とウェットグリップ性能の改良効果に劣っていた。
シリカの配合量を増量した実施例5〜8及び9〜12でも、実施例1〜4と同様、それぞれコントロールである比較例5及び8に対して、低燃費性とウェットグリップ性能が顕著に向上した。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムと、
    ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメント及びポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントを含むアクリル系ブロックポリマーがシリカ表面に付着した表面改質シリカと、
    を含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記表面改質シリカを、前記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部含有する、請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記アクリル系ブロックポリマーが、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントAとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントBを含むA−B−Aトリブロック共重合体である、請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
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JP2017039819A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

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