JP6517628B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、空気入りタイヤに用いられるゴム組成物において、アクリル系ポリマーを配合することが知られている。例えば、特許文献1には、耐摩耗性を維持又は向上しつつ、ウェットグリップ性能を向上するために、タイヤ用ゴム組成物に無溶剤型アクリル樹脂を配合することが開示されている。しかしながら、従来、タイヤ用ゴム組成物に配合するアクリル系ポリマーとして、アクリル系ブロックポリマーを用いることは知られていない。
なお、従来、耐摩耗性や低燃費性などの特性を改良することを目的として、ブロックポリマーを配合することは知られている。例えば、特許文献2には、スチレンブタジエンゴムとブタジエンゴムとの非相溶ブレンド系のゴム成分において相溶性を改善して耐摩耗性を向上するために、スチレンブタジエン共重合体ブロックを含むブロック共重合体を配合することが開示されている。また、特許文献3には、耐摩耗性及び低燃費性の改善を目的として、スチレンモノマーユニットのブロックセグメント及びジエンモノマーユニットのブロックセグメントから構成されるトリブロック共重合体を配合することが開示され、特許文献4は、該トリブロック共重合体として極性官能基を持つ変性ブロック共重合体を配合することが開示されている。しかしながら、アクリル系ブロックポリマーをジエン系ゴムに配合することで、耐摩耗性が改善されることについては開示されていない。
特開2014−214163号公報 特開平08−283465号公報 特開2004−002622号公報 特開2014−105293号公報
本発明は、耐摩耗性を向上することができるタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントを含むアクリル系ブロックポリマーを1〜30質量部含有し、前記アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量が30,000〜65,000であり、前記アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量にポリメタクリル酸メチルの含有比を乗じて算出されるポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量が10,000〜20,000であるものである。本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いて作製されたものである。
本発明によれば、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントを含むアクリル系ブロックポリマーをジエン系ゴムに配合することにより、耐摩耗性を向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、(A)ジエン系ゴムと、(B)アクリル系ブロックポリマーを含有するものである。
(A)ジエン系ゴム
ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなど、通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。これらの中でも、NR、BR及びSBRからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。一実施形態として、ジエン系ゴムは、SBR単独、又はSBRと他のジエン系ゴム(例えばBR及び/又はNR)とのブレンドからなるものであってもよく、例えば、SBRを50質量%以上含むものでもよい。
(B)アクリル系ブロックポリマー
本実施形態で用いるアクリル系ブロックポリマーは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のブロックセグメントとポリアクリル酸ブチル(PBA)のブロックセグメントを含むものである。すなわち、該アクリル系ブロックポリマーは、メタクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸ブチル(BA)のブロック共重合体であり、常温でゴム弾性を有するアクリル系熱可塑性エラストマーである。
かかるアクリル系ブロックポリマーは、ジエン系ゴムとの相溶性が低いことから、ジエン系ゴム中に非架橋状態のドメインを形成する。詳細には、ゴム組成物は、ジエン系ゴムを連続相とし、該連続相中にアクリル系ブロックポリマーからなる分散相が分散した海島構造を持つ。ここで、一実施形態において、分散相は一分子のアクリル系ブロックポリマーにより形成され、その場合、分散相の大きさは、アクリル系ブロックポリマーの分子量により決まる。上記のような海島構造であると、タイヤが路面に接地したとき、ジエン系ゴムからなる連続相(マトリックスゴム)は変形するが、分散相は周囲のマトリックスゴムに対する相溶性が低いので、マトリックスゴムの変形には追従しない。その結果、分散相で摩耗エネルギーが吸収され、摩耗エネルギーの散逸効果が発揮されるので、耐摩耗性を向上することができると考えられる。また、アクリル系ブロックポリマーを配合することにより、低燃費性を維持しつつ、湿潤路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性能)を向上することができる。
アクリル系ブロックポリマーとしては、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントAとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントBを含むA−B−Aトリブロック共重合体であることが好ましい。ここで、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントAが、ハードセグメントであり、ポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントBがソフトセグメントである。なお、アクリル系ブロックポリマーには、このようなA−B−Aトリブロック共重合体の他に、(A−B)k−Aの形を持つブロックポリマー(kは2以上の整数)が含まれてもよい。
A−B−Aトリブロック共重合体の一例として、(ポリメタクリル酸メチル)−(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリメタクリル酸メチル)トリブロック共重合体の構造式を以下に示す。式中のl,m,nはそれぞれ1以上の整数である。一実施形態において、ハードセグメントであるポリメタクリル酸メチルのガラス転移温度(Tg)は100〜120℃でもよく、ソフトセグメントであるポリアクリル酸ブチルのTgは−40〜−50℃でもよい。このようなアクリル系ブロックポリマーの市販品としては、例えば、(株)クラレ製「クラリティ」が挙げられる。ここで、Tgは、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)法により測定される(昇温速度:20℃/分)。
Figure 0006517628

上記アクリル系ブロックポリマーとしては、その重量平均分子量(Mw)が30,000〜100,000であり、かつ、ポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量(Mw)が8,000〜28,000であるものが好ましく用いられる。このような分子量を持つアクリル系ブロックポリマーを用いることにより、低燃費性の低下を抑えながら、ウェットグリップ性能と耐摩耗性を向上することができる。アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量は、より好ましくは30,000〜65,000であり、32,000〜64,000でもよい。また、ポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量は、より好ましくは10,000〜25,000であり、10,000〜20,000でもよく、11,000〜18,000でもよい。
上記アクリル系ブロックポリマーにおいて、ポリメタクリル酸メチルの含有量は、特に限定しないが、10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜60質量%であり、更に好ましくは20〜50質量%であり、25〜40質量%でもよい。ここで、ポリメタクリル酸メチルの含有量とは、当該アクリル系ブロックポリマーの質量に対する、ハードセグメントであるポリメタクリル酸メチルの質量の比率である。なお、ポリアクリル酸ブチルの含有量は、ポリメタクリル酸メチルの含有量の残部とすることができ、30〜90質量%でもよく、40〜85質量%でもよく、50〜80質量%でもよく、60〜75質量%でもよい。
アクリル系ブロックポリマーの配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜30質量部であり、好ましくは3〜20質量部であり、5〜15質量部でもよい。配合量が30質量部以下であることにより、耐摩耗性を改善することができる。
(C)その他の成分
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の成分の他に、補強性充填剤、シランカップリング剤、オイル、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
補強性充填剤としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)等のシリカやカーボンブラックが好ましく用いられる。より好ましくは、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能のバランスを向上するために、シリカを用いることであり、シリカ単独又はシリカとカーボンブラックの併用が好ましい。補強性充填剤の配合量は、特に限定されず、例えば、上記ジエン系ゴム100質量部に対して20〜150質量部でもよく、20〜100質量部でもよく、30〜80質量部でもよい。シリカの配合量も特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して20〜150質量部でもよく、20〜100質量部でもよく、30〜80質量部でもよい。
シリカを配合する場合、スルフィドシランやメルカプトシラン等のシランカップリング剤を併用することが好ましく、その場合、シランカップリング剤の配合量は、シリカ質量の2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは4〜15質量%である。
加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3質量部である。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。例えば、第1混練段階で、ジエン系ゴムに対し、アクリル系ブロックポリマーとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を加えて混練し、次いで、得られた混練物に、最終混練段階で、加硫剤と加硫促進剤を添加し混練することによりゴム組成物を得ることができる。
このようにして得られたゴム組成物は、タイヤ用として利用することができ、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど、各種用途、サイズの空気入りタイヤのトレッド部、サイドウォール部などタイヤの各部位に適用することができる。すなわち、該ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。これらの中でも、タイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いることが好ましい。空気入りタイヤのトレッド部には、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例6は参考例である。各測定方法及び試験方法は以下の通りである。
[アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)での測定により、ポリスチレン換算のMwを求めた。詳細には、測定試料は0.2mgをTHF1mLに溶解させたものを用いた。(株)島津製作所製「LC−20DA」を使用し、試料をフィルター透過後、温度40℃、流量0.7mL/分でカラム(Polymer Laboratories社製「PL Gel3μm Guard×2」)を通し、Spectra System社製「RI Detector」で検出した。
[アクリル系ブロックポリマーの組成分析]
NMRにより、アクリル系ブロックポリマーの構造同定を行い、得られたNMRスペクトルから、アクリル系ブロックポリマーにおけるポリメタクリル酸メチルの含有量(PMMA量)を算出した。NMRスペクトルは、BRUKER社製「400ULTRASHIELDTM PLUS」によりTMSを標準とし、ポリマー1gを重クロロホルム5mLに溶解し、測定した。
[ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の重量平均分子量(Mw)]
上記で測定したアクリル系ブロックポリマーのMwに、ポリメタクリル酸メチルの含有比(PMMA量/100)を乗じて算出した(Mw×PMMA量(質量%)/100)。
[耐摩耗性]
JIS K6264に準じて、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重29.4N、スリップ率20%、温度23℃で摩耗量を測定し、摩耗量の逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
[ウェットグリップ性能]
USM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数50Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度0℃の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。0℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、湿潤路面に対するグリップ性能の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが大きく、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
[低燃費性]
温度を60℃に変え、その他はウェットグリップ性能の評価と同様にして、tanδを測定し、その逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。60℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、低発熱性の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、タイヤとしての低燃費性能に優れることを示す。
[ゴム組成物の調製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、常法に従いタイヤ用ゴム組成物を調製した。詳細には、第一混練段階で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=150℃)、次いで、得られた混練物に、最終混練段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=110℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・ジエン系ゴム:日本ゼオン(株)製スチレンブタジエンゴム「Nipol 1502」
・アクリル系ブロックポリマー1:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA2330」(Mw:64,000、PMMA量:27質量%、PMMAのMw:17,280)
・アクリル系ブロックポリマー2:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA4285」(Mw:37,000、PMMA量:56質量%、PMMAのMw:20,720)
・アクリル系ブロックポリマー3:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA2250」(Mw:32,000、PMMA量:36質量%、PMMAのMw:11,520)
・アクリル系ブロックポリマー4:メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体、(株)クラレ製「クラリティLA2140e」(Mw:43,000、PMMA量:28質量%、PMMAのMw:12,040)
・アクリル系ポリマーA:下記合成例1で得られたメタクリル酸メチルの単独重合体(Mw:20,000、PMMA量:100質量%)
・アクリル系ポリマーB:下記合成例2で得られたメタクリル酸メチルの単独重合体(Mw:10,000、PMMA量:100質量%)
・アクリル系ポリマーC:下記合成例3で得られたアクリル酸ブチルの単独重合体(Mw:10,000、PMMA量:0質量%)
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・プロセスオイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「X-140」
・シランカップリング剤:エボニック・デグザ製「Si69」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤A:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
・加硫促進剤B:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
[合成例1:アクリル系ポリマーA]
反応器として水冷冷却管を取り付けた4つ口フラスコにメタクリル酸メチル100質量部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)6.4質量部、トルエン400質量部を投入し、60℃に加温し、3時間重合させた。得られた反応液を貧溶媒としてエタノールを使用して凝固させ、取り出した固体を真空乾燥することでアクリル系ポリマーAを得た。
[合成例2:アクリル系ポリマーB]
メタクリル酸メチル100質量部、AIBN12.8質量部、トルエン400質量部とし、その他は合成例1と同様にしてアクリル系ポリマーBを得た。
[合成例3:アクリル系ポリマーC]
投入モノマーとしてアクリル酸ブチル100質量部、AIBN3.2質量部、トルエン400質量部とし、その他は合成例1と同様にしてアクリル系ポリマーCを得た。
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、動的粘弾性試験を行い、ウェットグリップ性能(tanδ(0℃))と低燃費性(tanδ(60℃))を評価するとともに、摩耗試験を行い、耐摩耗性を評価した。
Figure 0006517628
結果は表1に示す通りである。コントロールである比較例1に対し、アクリル系ブロックポリマー1〜4を配合した実施例1〜8であると、低燃費性の低下を抑えながら、ウェットグリップ性能を改善することができ、また耐摩耗性に優れていた。アクリル系ブロックポリマーとしては、ポリメタクリル酸メチルのMwが2万を超えるアクリル系ブロックポリマー2を用いた実施例6よりも、該Mwが2万以下のアクリル系ブロックポリマー1,3,4を用いた実施例2,7,8の方が、ウェットグリップ性能と耐摩耗性の改良効果に優れていた。
一方、アクリル系ブロックポリマー1〜4の配合量が多すぎる比較例2〜5では、ウェットグリップ性能の改良効果はみられたものの、耐摩耗性が悪化していた。また、ブロックポリマーでないアクリル系ポリマーA〜Cを配合した比較例6〜11では、ウェットグリップ性能は多少改善されたものの、低燃費性が大きく損なわれ、また、耐摩耗性も悪化していた。
実施例1〜8のゴム組成物を加硫した試験片について、走査電子顕微鏡(STEM)を用いて断面構造を5万倍から40万倍の倍率で観察したところ、ジエン系ゴムからなる連続相中に100nm以下のアクリル系ブロックポリマーからなるドメインが分散相として形成されていた。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントを含むアクリル系ブロックポリマーを1〜30質量部含有し、
    前記アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量が30,000〜65,000であり、前記アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量にポリメタクリル酸メチルの含有比を乗じて算出されるポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量が10,000〜20,000である、
    タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記アクリル系ブロックポリマーが、ポリメタクリル酸メチルのブロックセグメントAとポリアクリル酸ブチルのブロックセグメントBを含むA−B−Aトリブロック共重合体である、請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
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