以下、図面を参照して本発明の車両制御装置の実施形態について説明する。尚、以下では、本発明の車両制御装置の一例が適用されたハイブリッド車両を用いて、本発明の車両制御装置の実施形態の説明を進める。
(1)第1実施形態のハイブリッド車両1
図1から図9を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両1について説明する。
(1−1)ハイブリッド車両1の構造
はじめに、図1を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両1の構造の一例について説明する。図1は、第1実施形態のハイブリッド車両1の構造の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、センサ11と、GPS(Global Positioning System)受信部12と、地図DB(DataBase)13と、ナビゲーションシステム14と、アクチュエータ15と、HMI(Human Machine Interface)16と、ハイブリッドシステム17と、「車両制御装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)18と、暖房機器19とを備えている。
センサ11は、ハイブリッド車両1の走行に必要な又は有用な情報を検出する検出機器である。センサ11の検出結果は、ナビゲーションシステム14及びECU18に対して適宜出力される。センサ11は、例えば、外部センサ111と、内部センサ112とを含む。
外部センサ111は、ハイブリッド車両1の外部状況を検出する検出機器である。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の周囲の環境(いわゆる、走行環境)を含んでいてもよい。
外部センサ111は、環境温度センサ1111を含む。環境温度センサ1111は、ハイブリッド車両1が位置する空間の温度(いわゆる、環境温度又は気温)を検出する検出機器である。環境温度センサ1111は、環境温度の検出結果を示す環境温度情報を、ECU18に対して出力する。
外部センサ111は、更に、カメラ、レーダー及びライダー(LIDER:Laser Imaging DEtection and Ranging)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
カメラは、ハイブリッド車両1の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば、ハイブリッド車両1のフロントガラスの裏側(内側)に設置されている。カメラは、撮像結果(検出結果)を示す撮像情報を、ECU18に対して出力する。カメラは、単眼カメラであってもよい。カメラは、両眼視差を再現するように配置された2つの撮像部を備える複眼カメラ(言い換えれば、ステレオカメラ)であってもよい。ステレオカメラから出力される撮像情報は、奥行方向の情報も含む。
レーダーは、電波(例えば、ミリ波)を利用してハイブリッド車両1の周囲の物体(例えば、障害物や、他の車両や、歩行者や、動物等)を検出する。レーダーは、ハイブリッド車両1の周囲に向けて電波を出射すると共に物体で反射された電波を検出することで、物体を検出する。レーダーは、物体の検出結果を示す第1物体情報を、ECU18に対して出力する。尚、ECU18がセンサーフュージョンを行う場合には、レーダーは、物体の検出結果を示す第1物体情報に加えて又は代えて、電波の検出結果を示す電波情報をECU18に対して出力してもよい。
ライダーは、光を利用してハイブリッド車両1の周囲の物体を検出する。ライダーは、ハイブリッド車両1の周囲に向けて光を出射すると共に物体で反射された光を検出することで、物体を検出する。ライダーは、物体の検出結果を示す第2物体情報を、ECU18に対して出力する。尚、ECU18がセンサーフュージョンを行う場合には、ライダーは、物体の検出結果を示す第2物体情報に加えて又は代えて、光の検出結果を示す光情報をECU18に対して出力してもよい。
内部センサ112は、ハイブリッド車両1の内部状況を検出する検出機器である。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の走行状態を含んでいてもよい。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1が備える各種機器の動作状態を含んでいてもよい。
内部センサ112は、SOC(State Of Charge)センサ1121と、水温センサ1122と、車室温度センサ1123とを含む。
SOCセンサ1121は、後述するバッテリ173のSOCを検出する検出機器である。SOCは、バッテリ173に蓄積されている電力の総量を評価可能なパラメータである。SOCは、例えば、バッテリ173に蓄積されている電力の総量(つまり、バッテリ173から出力可能な電力の総量)の、バッテリ173に蓄積可能な電力の総量の上限値(つまり、総容量)に対する割合を示す。SOCセンサ1121は、例えば、バッテリ173を流れるバッテリ電流を検出可能な電流センサを含む。SOCセンサ1121は、検出したバッテリ電流を積算することで、SOCを計測可能である。SOCセンサ1121は、SOCの検出結果を示すSOC情報を、ECU18に対して出力する。但し、SOCセンサ1121は、バッテリ電流の検出結果を示す電流情報をEUC18に対して出力してもよい。この場合、バッテリ電流に基づいてECU18がSOCを算出してもよい。
水温センサ1122は、冷却水の温度(冷却水温)を検出する検出機器である。冷却水は、後述する冷却装置176が後述するエンジンENGを冷却するためにエンジンENGに供給する冷却媒体である。水温センサ1122は、検出結果である冷却水温を示す水温情報を、ECU18に対して出力する。
車室温度センサ1123は、ハイブリッド車両1の車室空間の温度(いわゆる、車室温度ないしは車内温度)を検出する検出機器である。車室温度センサ1123は、車室温度の検出結果を示す車室温度情報を、ECU18に対して出力する。
内部センサ112は、更に、車速センサ、加速度センサ及びヨーレートセンサのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
車速センサは、ハイブリッド車両1の速度を検出する検出機器である。車速センサの一例として、ハイブリッド車両1の車輪175又は車輪175と一体的に回転する車軸174等に対して設置され、且つ、車輪175の回転速度を検出可能な車輪速センサがあげられる。車速センサは、速度の検出結果を示す速度情報を、ECU18に対して出力する。
加速度センサは、ハイブリッド車両1の加速度を検出する検出機器である。加速度センサは、例えば、ハイブリッド車両1の前後方向の加速度を検出する第1加速度センサと、ハイブリッド車両1の横方向の加速度を検出する第2加速度センサとを含んでいてもよい。加速度センサは、加速度の検出結果を示す加速度情報を、ECU18に対して出力する。
ヨーレートセンサは、ハイブリッド車両1の重心の鉛直方向の軸周りの回転角速度(つまり、ヨーレート)を検出する検出機器である。ヨーレートセンサの一例として、ジャイロセンサがあげられる。ヨーレートセンサは、ヨーレートの検出結果であるヨーレート情報を、ECU18に対して出力する。
GPS受信部12は、3個以上のGPS衛星からGPS信号を受信することで、ハイブリッド車両1の位置(例えば、ハイブリッド車両1の緯度及び経度であり、以降適宜“車両位置”と称する)を計測する。GPS受信部12は、計測した車両位置を示す車両位置情報を、ナビゲーションシステム14及びECU18に対して出力する。尚、ハイブリッド車両1は、GPS受信部12に加えて又は代えて、車両位置を計測可能な計測機器を備えていてもよい。更に、センサ11の検出結果と後述する地図情報とを照合するためには、ハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1の方位を計測する計測機器を備えていることが好ましい。
地図DB13は、 地図を示す地図情報を格納するデータベースである。地図DB13は、ハイブリッド車両1に搭載された記録媒体(例えば、HDD(Hard Disk Drive))内に構築されている。地図情報は、例えば、地図内に含まれる道路、交差点、分岐点及び信号等の位置を示す道路位置情報や、地図内に含まれる道路の形状を示す道路形状情報(例えば、曲線及び直線等の種別を示す情報や、曲線の曲率等を示す情報)等を含む。地図情報は、更に、建物や壁等の遮蔽構造物の位置を示す建物位置情報を含んでいてもよい。地図情報は更に、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術をECU18に実行させるべく、外部センサ111の検出結果を含んでいてもよい。尚、地図DB13は、ハイブリッド車両1と通信可能な外部のサーバ内に構築されていてもよい。この場合、ECU18は、必要に応じて、外部のサーバから地図DB13の少なくとも一部をダウンロードすることが好ましい。
ナビゲーションシステム14は、ハイブリッド車両1の搭乗者によって設定された目的地に到達するように、搭乗者に対して案内を行う。ナビゲーションシステム14は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、ハイブリッド車両1の現在位置(或いは、搭乗者が設定した所定の出発位置)から目的地に至るまでにハイブリッド車両1が走行するべき経路を示す目標ルートを算出する。ナビゲーションシステム14は、複数車線が存在する走行区間においてハイブリッド車両1が走行することが好ましい車線を特定可能な目標ルートを算出していてもよい。ナビゲーションシステム14は、不図示のディスプレイでの表示及び不図示のスピーカによる音声出力を用いて、目標ルートを搭乗者に通知する。更に、ナビゲーションシステム14は、目標ルートを示す目標ルート情報を、ECU18に対して出力する。尚、ナビゲーションシステム14は、ハイブリッド車両1に搭載されることに加えて又は代えて、外部のサーバに搭載されていてもよい。この場合、ECU18は、必要に応じて、外部のサーバに対して車両位置情報を送信する共に、外部のサーバから送信される目標ルート情報を受信することが好ましい。
アクチュエータ15は、ハイブリッド車両1の走行を制御する。アクチュエータ15は、スロットルアクチュエータ151を含む。スロットルアクチュエータ151は、ECU18の制御下で、後述するエンジンENGに対する空気の供給量を制御する。その結果、スロットルアクチュエータ151は、エンジンENGの出力を制御することができる。つまり、スロットルアクチュエータ151は、ハイブリッド車両1の駆動力を制御することができる。
アクチュエータ15は、更に、ブレーキアクチュエータ及び操舵アクチュエータを含んでいてもよい。ブレーキアクチュエータは、ECU18の制御下で、ハイブリッド車両1が備える不図示の液圧ブレーキシステムが車輪175に対して付与する液圧ブレーキ力を制御する。つまり、ブレーキアクチュエータは、ハイブリッド車両1の減速度を制御することができる。操舵アクチュエータは、ECU18の制御下で、ハイブリッド車両1が備える不図示の電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの動作を制御する。その結果、操舵アクチュエータは、ハイブリッド車両1の操舵力及び操舵方向を制御することができる。
HMI16は、ハイブリッド車両1の搭乗者とハイブリッド車両1との間で情報の入力及び出力を行うためのインタフェースである。HMI16は、例えば、搭乗者に提示する画像を表示可能なディスプレイを含んでいてもよい。HMI16は、例えば、搭乗者に提示する音声を出力可能なスピーカを含んでいてもよい。HMI16は、例えば、搭乗者によって操作可能な操作機器(例えば、操作ボタンやタッチパネル等)を含んでいてもよい。HMI16は、無線でハイブリッド車両1に接続された携帯情報端末を用いて、搭乗者とハイブリッド車両1との間で情報の入力及び出力を行ってもよい。
ハイブリッドシステム17は、ECU18の制御下でハイブリッド車両1の駆動力を生成するハイブリッド車両1のパワートレインである。ハイブリッドシステム17は、「内燃機関」の一具体例であるエンジンENGと、「回転電機」及び「第1回転電機」の夫々の一具体例であるモータジェネレータMG1と、「回転電機」及び「第2回転電機」の夫々の一具体例であるモータジェネレータMG2と、動力分割機構171と、インバータ172と、「蓄電装置」の一具体例であるバッテリ173とを備える。
エンジンENGは、ガソリンや軽油等の燃料を燃焼することで作動する。エンジンENGは、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する主たる駆動源として機能する。加えて、エンジンENGは、モータジェネレータMG1の回転軸を回転させる(言いかえれば、駆動する)ための駆動源として機能する。
モータジェネレータMG1は、バッテリ173を充電するための発電機として機能する。モータジェネレータMG1が発電機として機能する場合には、モータジェネレータMG1の回転軸は、エンジンENGの動力によって回転する。但し、モータジェネレータMG1は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて作動することで、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する電動機として機能してもよい。
モータジェネレータMG2は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて作動することで、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する電動機として機能する。
モータジェネレータMG2は、更に、バッテリ173を充電するための発電機として機能する。この場合、モータジェネレータMG2の回転軸は、車輪175に連結された車軸174からモータジェネレータMG2に伝達される動力(つまり、ハイブリッド車両1の運動エネルギー)によって回転する。このため、モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両1の運動エネルギーを電力エネルギーに変換する回生動作を行う。その結果、モータジェネレータMG2は、回生動作により電力を生成することができる。加えて、モータジェネレータMG2が回生動作を行っている場合には、車軸174には、回生動作に起因したブレーキトルク(以降、適宜“回生トルク”)が付与される。その結果、ハイブリッド車両1を減速させるように作用する回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される。
動力分割機構171は、図示せぬサンギア、プラネタリキャリア、ピニオンギア、及びリングギアを備えた遊星歯車機構である。サンギアの回転軸はモータジェネレータMG1の回転軸に連結されている。リングギアの回転軸は、モータジェネレータMG2の回転軸に連結されている。サンギアとリングギアの中間にあるプラネタリキャリアの回転軸はエンジンENGの回転軸(つまり、クランクシャフト)に連結されている。エンジンENGの回転は、プラネタリキャリア及びピニオンギアによって、サンギア及びリングギアに伝達される。つまり、エンジンENGの動力は、2系統に分割される。リングギアの回転軸は、車軸174に連結されている。ハイブリッドシステム17が生成する駆動力は、この車軸174を介して車輪175に伝達される。
インバータ172は、バッテリ173から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG1及びMG2に供給する。更に、インバータ172は、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ173に供給する。
バッテリ173は、モータジェネレータMG1及びMG2が作動するための電力をモータジェネレータMG1及びMG2に供給する電力供給源である。バッテリ173は、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された電力を用いて充電可能な蓄電池である。但し、バッテリ173に加えて又は代えて、任意のキャパシタが用いられてもよい。
車軸174は、エンジンENG及びモータジェネレータMG2から出力された動力を車輪175に伝達するための伝達軸である。車輪175は、車軸174を介して伝達される動力を、ハイブリッド車両1の駆動力として路面に伝達する手段である。
ハイブリッドシステム17は更に、冷却装置176を備える。冷却装置176は、エンジンENGを冷却する。具体的には、冷却装置176は、例えば、ウォーターポンプと、冷却水路とを含む。ウォーターポンプは、エンジンENGを冷却するための冷却水を、冷却水路内を循環させる。冷却水路の一部は、エンジンENG内のウォータージャケットを通過する。その結果、エンジンENGと冷却水との間で熱交換が行われる。このため、エンジンENGが冷却されると共に、冷却水が加熱される。
冷却装置176は、更に、ヒータコアを備えている。冷却水路の一部は、ヒータコア内を通過する。ヒータコアは、当該ヒータコアの内部を通過する冷却水と空気との間で熱交換を行うことで、冷却水が有する熱を回収する。ヒータコアが回収した熱によって温められた空気は、暖房機器19によって利用される。暖房機器19は、ヒータコアが回収した熱によって温められた空気を用いて、暖房等(例えば、ヒータやデフロスタやデアイス等)を行う。
ECU18は、ハイブリッド車両1の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。本実施形態では特に、ECU18は、ハイブリッド車両1を自動走行させるための自動走行動作を実行する。
主として自動走行動作を実行するために、ECU18は、その内部に実現される論理的な処理ブロック又は物理的な処理回路として、車両位置認識部181と、外部状況認識部182と、内部状況認識部183と、「生成手段」の一具体例である走行計画生成部184と、「第1制御手段」の一具体例である走行制御部185とを備えている。
車両位置認識部181は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、車両位置(特に、地図上での車両位置)を認識する。尚、車両位置認識部181は、ナビゲーションシステム14が用いる車両位置をナビゲーションシステム14から取得することで、車両位置を認識してもよい。道路等に設置されたセンサによってハイブリッド車両1の位置が計測される場合には、車両位置認識部181は、当該センサと通信することで車両位置を認識してもよい。尚、車両位置認識部181は、外部センサ111の検出結果と地図情報とを照合することで、車両位置の計測精度を補うようにGPS受信部12の計測結果である車両位置情報を補正してもよい。
外部状況認識部182は、外部センサ111の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の外部状況を認識する。外部状況は、例えば、環境温度を含む。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1に対する走行車線の白線の位置及びハイブリッド車両1に対する走行車線の中心の位置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。外部状況は、例えば、道路幅及び道路の形状(例えば、走行車線の曲率や、外部センサ111がハイブリッド車両1からどれだけ離れた位置の外部状況を検出することができるかを推定するために参照される走行車線の勾配及びうねり等)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。外部状況は、ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況を含んでいてもよい。ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況は、物体の動きの有無、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な位置、ハイブリッド車両1と物体との間の相対的な距離(相対距離)、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な移動方向、及び、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な速度(相対速度)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
内部状況認識部183は、内部センサ112の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の内部状況を認識する。内部状況は、例えば、SOC、冷却水温及び車室温度を含んでいる。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の速度、ハイブリッド車両1の加速度及びハイブリッド車両1のヨーレートのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
走行計画生成部184は、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況及び内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、ハイブリッド車両1の目標進路を生成する。目標進路は、目標ルートにおいてハイブリッド車両1が進むべき軌跡を示す。走行計画生成部184は、目標ルート上においてハイブリッド車両1が安全、法令順守及び走行効率等の基準を考慮しながら好適に走行するように、目標進路を生成する。走行計画生成部184は、ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況に基づいて、物体との接触を回避するように目標進路を生成する。
尚、ここで言う目標ルートには、特許第5382218号(国際公開第2011/158347号パンフレット)に記載された運転支援装置又は特開2011−162132号公報に記載された自動運転装置における道なり走行ルートが包含される。道なり走行ルートとは、目的地が搭乗者によって明示的に指定されていない場合に、外部状況や地図情報等に基づいて自動的に生成される経路を示す走行ルートである。
走行計画生成部184は、生成した目標進路に応じた走行計画を生成する。具体的には、走行計画生成部184は、ハイブリッド車両1の外部状況及び地図情報に基づいて、目標進路に沿ってハイブリッド車両1を走行させる走行計画を生成する。走行計画生成部184は、例えば、ハイブリッド車両1に対して固定された座標系でのハイブリッド車両1の目標位置p及び各目標位置pでのハイブリッド車両1の目標速度vを含む配位座標(p、v)を複数含む走行計画を生成する。ここで、目標位置pは、ハイブリッド車両1に対して固定された座標系でのx座標及びy座標の位置又は当該位置と等価な情報である。
走行計画は、ハイブリッド車両1の挙動(言い換えれば、走行態様)を特定可能である限りは、どのような情報を含んでいてもよい。例えば、走行計画は、目標速度vに加えて又は代えて、各目標位置pにハイブリッド車両1が到達するべき目標時刻tを含んでいてもよい。走行計画は、目標速度vに加えて又は代えて、目標時刻tと当該目標時刻tの時点でのハイブリッド車両1の目標方位(或いは、進行方向)とを含んでいてもよい。尚、目標時刻tは、目標位置pを用いて目標速度vへの換算が可能であるという点で、目標速度vを間接的に示しているとも言える。
通常、走行計画は、現在時刻から数秒先の将来に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定していれば十分である。つまり、走行計画は、現在の車両位置から数秒先の将来の時点でハイブリッド車両1が位置するであろうと推定される所定地点に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定していれば十分である。但し、ハイブリッド車両1が特定の走行パターンで走行する(例えば、ハイブリッド車両1が交差点を右折する又は追い越しをかける)場合には、走行計画は、現在時刻から数十秒先の将来に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定することが好ましい。従って、走行計画が含む配位座標(p、v)の数及び2つの配位座標(p、v)の間の間隔(或いは、2つの目標位置pの間の間隔)は可変であることが好ましい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中のハイブリッド車両1の目標速度vの推移を特定する速度パターンを含む。速度パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔(例えば、1メートル間隔)で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標速度vと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、v、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中のハイブリッド車両1の目標加速度aの推移を特定する加速度パターンを含んでいてもよい。加速度パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標加速度aと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、a、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中の、電動パワーステアリングシステムが付与するべき操舵トルクの目標値(目標操舵トルクTtg)の推移を特定する操舵パターンを含んでいてもよい。操舵パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標操舵トルクTtgと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、Ttg、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画生成部184は、スプライン関数等を用いて複数の配位座標をつなぐ曲線を近似すると共に、当該曲線を特定可能なパラメータを含む走行計画を生成してもよい。走行計画生成部184は、旅行時間(具体的には、ハイブリッド車両1が目的地に到達するために要する時間)が最も小さくなるように、走行計画を生成してもよい。走行計画の具体的な生成方法としては、ハイブリッド車両1の挙動を特定することが可能な走行計画を生成可能である限りは、公知の生成方法が採用可能である。
走行制御部185は、走行計画生成部184が生成した走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する。
例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行するように、アクチュエータ15を制御する。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッドシステム17を制御する。具体的には、例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が加速する又は定常走行する場合には、エンジンENG並びにモータジェネレータMG1及びMG2を制御することで、ハイブリッド車両1を自動走行させてもよい。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する場合には、回生ブレーキ力を付与するようにモータジェネレータMG2を制御することで、ハイブリッド車両1を減速させてもよい。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する場合には、液圧ブレーキ力を付与するように不図示の液圧ブレーキシステムを制御することで、ハイブリッド車両1を減速させてもよい。その結果、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行するように自動走行する。具体的には、例えば走行計画が配位座標(p、v、t)を含む場合には、ハイブリッド車両1は、目標時刻tの時点で目標位置pを目標速度vで通過するように自動走行する。
ECU18は、上述した自動走行動作(つまり、走行計画を生成すると共に走行計画に基づいてハイブリッド車両1を制御する動作)と並行して、自動走行動作を補助する動作に相当する熱量制御動作を実行する。熱量制御動作は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が停止する(つまり、目標速度vがゼロになる)停車期間中にエンジンENGが作動しなくても暖房機器19が必要とする熱量(以降、適宜“必要熱量”と称する)が冷却水から回収できるように、冷却水が蓄積している熱量(以降、適宜“蓄積熱量”と称する)を制御する動作である。
主として熱量制御動作を行うために、ECU18は、「予測手段」の一具体例である状態予測部186と、「第2制御手段」の一具体例である熱量制御部187とを備えている。
熱量予測部186は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行する自動走行期間中の蓄積熱量(具体的には、蓄積熱量の推移)を予測する。具体的には、熱量予測部186は、外部センサ111が検出した外部状況(特に、環境温度)、内部センサ112が検出した内部状況(特に、冷却水温及び車室温度)及び走行計画生成部184が生成した走行計画等に基づいて、自動走行期間中の蓄積熱量を予測する。
熱量予測部186は、更に、予測した蓄積熱量に基づいて、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されるか否か(つまり、エンジンENGが作動する必要があるか否か)を判定する。
熱量制御部187は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止される(つまり、エンジンENGが作動する必要がある)と予測される場合には、停車期間中にエンジンENGが作動しなくても必要熱量が冷却水から回収できるように、蓄積熱量を制御する。具体的には、熱量制御部187は、熱量予測部186が予測した蓄積熱量と比較して、停車期間の開始時点での蓄積熱量が増加するように、蓄積熱量を制御する。尚、熱量制御部187の具体的な動作については、図3等を参照しながら後に詳述する。
(1−2)第1実施形態のハイブリッド車両1の動作
続いて、図2から図7を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う動作(特に、自動走行動作及び熱量制御動作)について説明する。以下では、説明の便宜上、自動走行動作について説明した後に、熱量制御動作について説明する。
(1−2−1)自動走行動作の流れ
図2を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作の流れについて説明する。図2は、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作の流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、ECU18は、搭乗者が自動走行動作の実行を要求しているか否かを判定する(ステップS111)。搭乗者は、HMI16を用いて自動走行動作の実行を要求することができる。従って、ECU18は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、搭乗者が自動走行動作の実行を要求しているか否かを判定してもよい。
ステップS111の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の実行を要求していないと判定される場合には(ステップS111:No)、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了する。その後、ECU18は、第1所定期間経過後に、再度図2に示す自動走行動作を開始してもよい。
他方で、ステップS111の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の実行を要求していると判定される場合には(ステップS111:Yes)、車両位置認識部181は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、車両位置を認識する(ステップS112)。更に、外部状況認識部182は、外部センサ111の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の外部状況を認識する(ステップS112)。更に、内部状況認識部183は、内部センサ112の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の内部状況を認識する(ステップS112)。
その後、走行計画部184は、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況及び内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、走行計画を生成する(ステップS113)。
その後、走行制御部185は、走行計画生成部184が生成した走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する(ステップS114)。その結果、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を自動走行する。つまり、ハイブリッド車両1は、搭乗者の操作がなくても、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行する。
その後、ECU18は、搭乗者が自動走行動作の停止を要求しているか否かを判定する(ステップS115)。搭乗者は、HMI16を用いて自動走行動作の停止を要求することができる。従って、ECU18は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、搭乗者が自動走行動作の停止を要求しているか否かを判定してもよい。
ステップS115の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していないと判定される場合には(ステップS115:No)、ECU18は、第2所定期間が経過する毎に、ステップS112からステップS114の動作を繰り返す。従って、ハイブリッド車両1は、周期的に生成される走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行するように自動走行し続ける。
他方で、ステップS115の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していると判定される場合には(ステップS115:Yes)、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了する。その後、ECU18は、第1所定期間経過後に、再度図2に示す自動走行動作を開始してもよい。
尚、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していない場合であっても、ハイブリッド車両1が目的地に到達した場合に、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了してもよい。この場合、HMI16は、搭乗者に対して、ハイブリッド車両1が目的地に到達し且つ自動走行動作が終了する旨を通知してもよい。
(1−2−2)熱量制御動作の流れ
続いて、図3を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う熱量制御動作の第1例の流れについて説明する。図3は、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う熱量制御動作の第1例の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、ECU18は、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中であるか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121の判定の結果、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中でないと判定される場合には(ステップS121:No)、ECU18は、図3に示す熱量制御動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す熱量制御動作を開始してもよい。
他方で、ステップS121の判定の結果、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中であると判定される場合には(ステップS121:Yes)、熱量予測部186及び熱量制御部187は、走行計画生成部184が生成した走行計画を取得する(ステップS122)。更に、熱量予測部186は、外部状況認識部182から、外部状況(特に、環境温度)を取得する(ステップS123)。更に、熱量予測部186は、内部状況認識部183から、内部状況(特に、冷却水温及び車室温度)を取得する(ステップS123)。
その後、熱量予測部186は、暖房機器19が必要とする熱量である必要熱量を取得する(ステップS124)。必要熱量は、典型的には、搭乗者が暖房機器19に要求する暖房レベルに依存する。暖房レベルが高くなるほど(つまり、搭乗者が要求する暖房の強度が強くなるほど)、必要熱量が大きくなる。搭乗者は、例えば、HMI16を介して暖房レベルを要求することができる。このため、熱量予測部186は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、必要熱量を取得してもよい。
その後、熱量予測部186は、ステップS122で取得した走行計画、ステップS123で取得した環境温度、冷却水温及び車室温度、並びに、ステップS124で取得した必要熱量のうちの少なくとも一つに基づいて、「第1期間」の一具体例である自動走行期間中の蓄積熱量(特に、蓄熱熱量の推移)を予測する(ステップS125)。特に、熱量予測部186は、後述する停車期間が開始する前に、停車期間を含む自動走行期間中の蓄積熱量を予測する。
蓄積熱量は、エンジンENGから冷却水に伝達される熱量(以降、適宜“エンジン熱量”と称する)に依存して変動する。例えば、エンジン熱量が大きくなればなるほど、蓄積熱量が減少しにくい若しくは増加しやすい。或いは、エンジン熱量が大きくなればなるほど、蓄積熱量の減少量が小さくなる又は増加量が大きくなる。蓄積熱量に影響を与えるエンジン熱量は、エンジンENGの出力に依存して変動する。例えば、エンジンENGの出力が大きくなればなるほど、エンジン熱量もまた大きくなる。従って、エンジンENGの出力が大きくなればなるほど、蓄積熱量が減少しにくい若しくは増加しやすい、又は、蓄積熱量の減少量が小さくなる若しくは増加量が大きくなる。蓄積熱量に影響を与えるエンジンENGの出力は、走行計画から予測可能である。このため、熱量予測部186は、走行計画に基づいて、蓄積熱量を好適に予測することができる。
蓄積熱量は、環境温度に依存して変動する。例えば、環境温度が高くなればなるほど、蓄積熱量が増加しやすい又は減少しにくい。例えば、環境温度が高くなればなるほど、蓄積熱量の増加量が大きくなる又は減少量が小さくなる。従って、熱量予測部186は、環境温度に基づいて、蓄積熱量を好適に予測することができる。
蓄積熱量は、車室温度に依存して変動する。例えば、車室温度が高くなればなるほど、必要熱量が小さくなる。必要熱量が小さくなればなるほど、ヒータコアが冷却水から回収する熱量が小さくなる。ヒータコアが冷却水から回収する熱量が小さくなればなるほど、蓄積熱量が減少しにくい又は増加しやすい。或いは、ヒータコアが冷却水から回収する熱量が小さくなればなるほど、蓄積熱量の減少量が小さくなる又は増加量が大きくなる。従って、車室温度が高くなればなるほど、蓄積熱量が減少しにくい若しくは増加しやすい、又は、蓄積熱量の減少量が小さくなる若しくは増加量が大きくなる。従って、熱量予測部186は、車室温度に基づいて、蓄積熱量を好適に予測することができる。
蓄積熱量は、必要熱量に依存して変動する。例えば、必要熱量が大きくなるほど、ヒータコアが冷却水から回収する熱量が大きくなる。ヒータコアが冷却水から回収する熱量が大きくなればなるほど、蓄積熱量が減少しやすい又は増加しにくい。或いは、ヒータコアが冷却水から回収する熱量が大きくなればなるほど、蓄積熱量の減少量が大きくなる又は増加量が小さくなる。従って、必要熱量が大きくなればなるほど、蓄積熱量が減少しやすい若しくは増加しにくい、又は、蓄積熱量の減少量が大きくなる若しくは増加量が小さくなる。従って、熱量予測部186は、必要熱量に基づいて、蓄積熱量を好適に予測することができる。
典型的には、熱量予測部186は、現在の蓄積熱量に対して、走行計画、環境温度、車室温度及び必要熱量のうちの少なくとも一つに起因した変動量を加算することで、蓄積熱量を予測することができる。尚、熱量予測部186は、冷却水温に基づいて、現在の蓄積熱量を容易に算出することができる。
但し、熱量予測部186は、走行計画、環境温度、車室温度、冷却水温及び必要熱量のうちの少なくとも一つに基づくことに加えて又は代えて、蓄積熱量(或いは、冷却水温)に影響を与えるその他の要因に基づいて、蓄積熱量を予測してもよい。
その後、熱量予測部186は、ステップS125で予測した蓄積熱量に基づいて、「第2期間」の一具体例である停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されるか否かを予測する(ステップS126)。言い換えれば、熱量予測部186は、停車期間中にエンジンENGが作動する必要があるか否かを予測する(ステップS126)。尚、熱量予測部186は、停車期間が開始する前に、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されるか否かを予測する。
熱量予測部186は、停車期間中に蓄積熱量(つまり、予測した蓄積熱量)が必要熱量を下回るか否かを予測することで、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されるか否かを予測する。具体的には、蓄積熱量が必要熱量を下回る場合には、蓄積熱量の不足を補う必要がある。蓄積熱量の不足は、冷却水の加熱によって実現される。冷却水の加熱は、エンジンENGから冷却水に対する熱の伝達によって実現される。このため、蓄積熱量が必要熱量を下回る場合には、エンジンENGが作動する必要があると想定される。従って、熱量予測部186は、停車期間中に蓄積熱量が必要熱量を下回ると予測される場合には、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測する。
但し、熱量予測部186は、その他の方法で、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されるか否かを予測してもよい。いずれの方法を用いるにせよ、停車期間中に必要熱量を満たすことができるだけの蓄積熱量を確保することができないと予測される場合には、熱量予測部186は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測する。
ステップS126の予測の結果、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される場合には(ステップS126:Yes)、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために、停車期間中にエンジンENGが作動すると想定される。しかしながら、停車期間中は、ハイブリッド車両1が必要とする駆動力がゼロである。このため、停車期間中は、エンジンENGが停止していても問題はない。逆に、燃費の向上を図るためには、停車期間中は、エンジンENGが停止することが好ましい。このため、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGが作動すると、停車期間中にエンジンENGが停止している場合と比較して、燃費が悪化する。
そこで、第1実施形態では、熱量制御部187は、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGが作動することで生ずる燃費の悪化を抑制するための動作を行う(ステップS127)。具体的には、熱量制御部187は、停車期間中に蓄積熱量が必要熱量を下回ることがないように、停車期間の開始前に、実際の蓄積熱量を、熱量予測部186が予測した蓄積熱量よりも増加させる。言い換えれば、熱量制御部187は、停車期間の開始時点での実際の蓄積熱量が、熱量予測部186が予測した蓄積熱量よりも大きくなるように、実際の蓄積熱量を増加させる。実際の蓄積熱量が増加した結果、停車期間中に蓄積熱量が必要熱量を下回ることがなくなる。このため、停車期間中にエンジンENGが作動しなくてもよくなる。従って、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGが作動することで生ずる燃費の悪化が抑制される。
熱量制御部187は、自動走行期間のうち停車期間の開始前の期間である非停車期間において、ステップS127の動作が行われない場合と比較して冷却水に伝達される熱量を増加させることで、蓄積熱量を増加させる。熱量制御部187は、非停車期間の全体に渡って、ステップS127の動作が行われない場合と比較して冷却水に伝達される熱量を増加させてもよい。或いは、熱量制御部187は、非停車期間の一部に渡って、ステップS127の動作が行われない場合と比較して冷却水に伝達される熱量を増加させてもよい。以下の説明においても、特段の説明がない場合には、「非停車期間」は、非停車期間の全体及び一部の双方を含む。尚、非停車期間は、「第3期間」の一具体例である。
第1実施形態では、熱量制御部187は、エンジンENGの出力を増加させることで、蓄積熱量を増加させる。具体的には、熱量制御部187は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、非停車期間において、エンジンENGの出力を、基準出力値よりも増加させる(ステップS127)。基準出力値は、ステップS122で取得した走行計画が特定する目標速度vでハイブリッド車両1を走行させるためにエンジンENGに要求される出力を示す。エンジンENGの出力が増加すると、エンジンENGの出力が増加していない場合と比較して、エンジンENGが発生する熱量もまた増加する。エンジンENGが発生する熱量が増加すると、エンジンENGが発生する熱量が増加していない場合と比較して、エンジンENGから冷却水に伝達される熱量もまた増加する。このため、蓄積熱量が増加する。
熱量制御部187は、例えば、スロットルアクチュエータ151にスロットル開度を制御させることで、エンジンENGの出力を増加させてもよい。熱量制御部187は、エンジンENGに設置されている燃料噴射弁からの燃料の噴射量及び噴射時期のうちの少なくとも一方を制御することで、エンジンENGの出力を増加させてもよい。熱量制御部187は、その他の方法でエンジンENGの出力を増加させてもよい。
熱量制御部187は、非停車期間のうちエンジンENGが作動している期間中において、エンジンENGの出力を、基準出力値よりも増加させることが好ましい。但し、熱量制御部187は、非停車期間のうちエンジンENGが停止している期間中において、エンジンENGを新たに作動させてもよい。この場合も、エンジンENGが停止している期間中の基準出力値がゼロであるがゆえに、熱量制御部187は、エンジンENGの出力を基準出力値(つまり、ゼロ)よりも増加させていると言える。
上述したように、熱量制御部187は、蓄積熱量を、停車期間中にエンジンENGが作動しなくても蓄積熱量が必要熱量を下回らなくなる程度に増加させる。蓄積熱量の増加量は、エンジンENGの出力の増加量に依存する。従って、熱量制御部187は、停車期間中にエンジンENGが作動しなくても蓄積熱量が必要熱量を下回らなくなる状態を実現するために必要な熱量がエンジンENGから冷却水に伝達されるように、エンジンENGの出力を適切な量だけ増加させる。但し、蓄積熱量の増加量は、エンジンENGの出力を増加させている期間にも依存する。従って、熱量制御部187は、停車期間中にエンジンENGが作動しなくても蓄積熱量が必要熱量を下回らなくなる状態を実現するために必要な熱量がエンジンENGから冷却水に伝達されるように、エンジンENGの出力を増加させる期間を適切に設定してもよい。
一方で、エンジンENGの出力がハイブリッド車両1の駆動力として用いられることは上述したとおりである。このため、単にエンジンENGの出力が増加するだけでは、ハイブリッド車両1の駆動力も、目標速度vで走行するために必要な駆動力よりも大きくなってしまう。その結果、ハイブリッド車両1が目標速度vで走行することができなくなる可能性がある。更には、ハイブリッド車両1が目標速度vで走行することができないことに起因して、ハイブリッド車両1の走行中に走行計画の変更(つまり、再生成)が必要になる可能性がある。ハイブリッド車両1が目標速度vで走行しない場合には、目標速度vでの走行を期待している搭乗者に違和感を与えてしまいかねない。或いは、ハイブリッド車両1の走行中の走行計画の変更もまた、当初の目標速度vでのスムーズな走行を期待している搭乗者に違和感を与えてしまいかねない。
そこで、第1実施形態では、熱量制御部187は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、エンジンENGの出力を増加させることに加えて、エンジンENGの出力の増加分を用いてモータジェネレータMG1に発電させる。つまり、エンジンENGの出力のうち基準出力値を上回る増加分(いわゆる、ハイブリッド車両1の駆動力にとっての余剰分)を用いて、モータジェネレータMG1が発電する。例えば、エンジンENGの出力が増加する前にモータジェネレータMG1がエンジンENGの出力を用いて発電していない場合には、エンジンENGの出力が増加した後において、モータジェネレータMG1は、エンジンENGの出力の増加分を用いて発電する。或いは、例えば、エンジンENGの出力が増加する前にモータジェネレータMG1がエンジンENGの出力の少なくとも一部を用いて既に発電している場合には、エンジンENGの出力が増加した後において、モータジェネレータMG1は、既に発電のために利用していたエンジンENGの出力の少なくとも一部に加えてエンジンENGの出力の増加分を用いて発電する。
このため、エンジンENGの出力の増加分が、モータジェネレータMG1の発電によって相殺(或いは、吸収)される。その結果、エンジンENGの出力が増加する場合であっても、ハイブリッド車両1の駆動力は、目標速度vで走行するために必要な駆動力よりも大きくなることはない。その結果、エンジンENGの出力が増加する場合であっても、ハイブリッド車両1は、生成済みの走行計画が特定する目標速度vでの走行を継続することができる。つまり、エンジンENGの出力が増加する場合であっても、走行計画生成部184は、走行計画を変更(つまり、再生成)しなくてもよくなる。このため、ハイブリッド車両1が目標速度vで走行しないことに起因した又は走行計画の変更に起因した違和感を搭乗者に与えてしまうことは殆ど又は全くない。
その後、ECU18は、図3に示す熱量制御動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す熱量制御動作を開始してもよい。
他方で、ステップS126の予測の結果、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されないと予測される場合には(ステップS126:No)、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGが作動することはない。このため、熱量制御部187は、ステップS127に示す燃費の悪化を抑制するための動作を行わなくてもよい。この場合、ECU18は、図3に示す熱量制御動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す熱量制御動作を開始してもよい。
ここで、図4を参照しながら、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される場合の動作について更に説明する。図4は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される場合の目標速度v、蓄積熱量、エンジンENGの出力、モータジェネレータMG1の発電量及びハイブリッド車両1の実際の速度を示すタイミングチャートである。
図4の1段目のグラフに示すように、時刻t41から時刻t42までの期間が、目標車速vがゼロになる停車期間であるものとする。更に、図4の2段目のグラフ中の点線で示すように、熱量予測部186が予測した蓄積熱量は、時刻t41から時刻t42までの期間の一部と重複する時刻t43からt42までの期間中に、必要熱量を下回るものとする。ここで、上述したステップS127に示す燃費の悪化を抑制するための動作が行われない場合には、図4の3段目のグラフ中に点線で示すように、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために時刻t43からt42までの期間中にエンジンENGが作動する必要がある。つまり、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される。
第1実施形態では、図4の3段目のグラフ中に実線で示すように、時刻t41よりも前の時刻t44から時刻t45までの期間中のエンジンの出力が、基準出力値(点線参照)よりも大きくなる。その結果、図4の2段目のグラフ中に実線で示すように、実際の蓄積熱量は、熱量予測部186が予測した蓄積熱量(つまり、エンジンENGの出力が基準出力値に一致している、言い換えれば、エンジンENGの出力が増加していない場合の蓄積熱量)よりも大きくなる。このため、時刻t41から時刻t42までの停車期間において、実際の蓄積熱量が必要熱量を下回ることはなくなる。従って、図4の3段目のグラフ中に実線で示すように、時刻t41から時刻t42までの停車期間において、エンジンENGが作動しなくてもよくなる。
更に、時刻t44から時刻t45までの期間において、モータジェネレータMG1は、エンジンENGの出力の増加分を用いて発電する。従って、エンジンENGの出力が増加した場合であっても、ハイブリッド車両1の駆動力が変動することはない。このため、図4の5段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1の実際の速度は、目標速度vに一致する。つまり、ハイブリッド車両1は、目標速度vで走行し続けることができる。
以上説明したように、第1実施形態のハイブリッド車両1は、停車期間の開始前にエンジンENGの出力を増加させることで、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGを作動させなくてもよくなる。このため、第1実施形態のハイブリッド車両1は、冷却水を加熱する(つまり、蓄積熱量の不足を補う)ためにエンジンENGが作動することに起因した燃費の悪化を抑制することができる。
尚、図4は、停車期間の全体に渡って蓄積熱量が必要熱量を下回ることがないように、蓄積熱量が増加する例を示している。しかしながら、停車期間の一部において蓄積熱量が必要熱量を下回るように、蓄積熱量が増加してもよい。具体的には、熱量制御部187は、熱量予測部186が予測した蓄積熱量が停車期間中に必要熱量を下回る期間よりも、実際の蓄積熱量が停車期間中に必要熱量を下回る期間が短くなるように、蓄積熱量を増加させてもよい。例えば、図5に示す例では、時刻t51から時刻t52までの停車期間のうちの一部である時刻t53から時刻t52までの期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測されるものとする。この場合、停車期間よりも前の時刻t54から時刻t55までの期間中のエンジンの出力が、基準出力値(点線参照)よりも大きくなる。その結果、停車期間中にエンジンENGが作動する期間は、時刻t53から時刻t52までの期間から、時刻t56から時刻t52までの期間に短縮される。その結果、停車期間中にエンジンENGが作動する期間が短くなる以上、燃費の悪化が抑制されることに変わりはない。
図3及び図4は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されている場合に、エンジンENGの出力を増加させる動作の例を示している。しかしながら、停車期間のみならず、ハイブリッド車両1の速度が所定速度よりも低い低車速期間(図6の1段目のグラフ参照)においても、エンジンENGは停止することが好ましい。従って、熱量制御部187は、低車速期間中にエンジンENGの停止が禁止されるか否かを予測し(図3のステップS126)、低車速期間の開始前に、エンジンENGの出力を基準出力値よりも増加させてもよい(図3のステップS127)。例えば、図6に示す例では、時刻t61から時刻t62までの低車速期間のうちの一部である時刻t63から時刻t62までの期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測されるものとする。この場合、低車速期間よりも前の時刻t64から時刻t65までの期間中のエンジンの出力が、基準出力値(点線参照)よりも大きくなる。
尚、低車速期間には、エンジンENGは、熱効率が良好でない(或いは、過度に悪化している)動作点で作動する可能性が相対的に大きくなる。このため、低車速期間にエンジンENGを停止させることが好ましい理由は、熱効率が良好でない動作点でのエンジンENGの作動を回避することで燃費を向上させるためである。そうすると、低車速期間を定義する「所定速度」としては、エンジンENGの熱効率が良好でない動作点でエンジンENGが作動する必要がある状態とエンジンENGの熱効率が良好な動作点でエンジンENGが作動する必要がある状態とを識別可能な値が用いられることが好ましい。
(1−3)第1実施形態の熱量制御動作の変形例
続いて、図7を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う熱量制御動作の変形例について説明する。図7は、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う熱量制御動作の変形例の流れを示すフローチャートである。尚、図3に示す熱量制御動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
図7に示すように、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う熱量制御動作の変形例は、熱量予測部186が内部状況及び外部状況を取得することに加えて、熱量制御部187がハイブリッド車両1の内部状況としてSOCを取得するという点で、図3に示す熱量制御動作とは異なる。更に、熱量制御動作の変形例は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測された後の動作が異なるという点で、図3に示す熱量制御動作とは異なる。第1実施形態のハイブリッド車両1が行う熱量制御動作の第1変形例のその他の動作は、図3に示す熱量制御動作のその他の動作と同一であってもよい。
具体的には、熱量制御部187は、内部状況認識部183から、SOCを取得する(ステップS131)。尚、ステップS131では、ステップS123と同様に、熱量予測部186が内部状況及び外部状況を取得する。その後、変形例においても、上述したステップS124からステップS126の動作が行われる。
ステップS126の判定の結果、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測された場合には(ステップS126:Yes)、熱量制御部187は、ステップS131で取得したSOCが所定の第1閾値TH1より小さいか否かを判定する(ステップS132)。第1閾値TH1は、モータジェネレータMG1が発電した電力を蓄積する余力がバッテリ173に残っているか否かを判定するための指標である。このため、第1閾値TH1として、モータジェネレータMG1が発電した電力を蓄積する余力がバッテリ173に残っている状態とモータジェネレータMG1が発電した電力を蓄積する余力がバッテリ173に残っていない状態とを好適に識別可能な値が用いられることが好ましい。但し、第1閾値TH1として、任意の値が用いられてもよい。
更に、熱量制御部187は、バッテリ173がWin制限を受けているか否かを判定する(ステップS133)。Win制限とは、バッテリ173に入力可能な電力の上限値を超える電力のバッテリ173への入力の制限(言い換えれば、禁止)である。つまり、Win制限とは、バッテリ173に入力可能な電力の上限値を超える電力によるバッテリ173の充電の制限(言い換えれば、禁止)である。
ステップS132及びステップS133の判定の結果、SOCが第1閾値TH1より小さく且つバッテリ173がWin制限を受けていないと判定される場合には(ステップS132:Yes且つステップS133:No)、熱量制御部187は、非停車期間において、エンジンENGの出力を基準出力値よりも増加させる(ステップS127)。その結果、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGが作動することで生ずる燃費の悪化が抑制される。更に、この場合には、モータジェネレータMG1が発電した電力を蓄積する余力がバッテリ173に残っており且つバッテリ173の充電が制限されていないと推定される。つまり、モータジェネレータMG1が発電した電力をバッテリ173に入力可能であると推定される。従って、熱量制御部187は、エンジンENGの出力の増加分を用いてモータジェネレータMG1に発電させる(ステップS127)。その結果、ハイブリッド車両1は、生成済みの走行計画が特定する目標速度vでの走行を継続することができる。
他方で、ステップS132及びステップS133の判定の結果、SOCが第1閾値TH1より小さくないか、又は、バッテリ173がWin制限を受けていると判定される場合には(ステップS132:No、又は、ステップS133:Yes)、熱量制御部187は、非停車期間において、エンジンENGの出力を基準出力値よりも増加させる(ステップS134)。尚、ステップS134でのエンジンENGの出力を増加させる動作は、ステップS127でのエンジンENGの出力を増加させる動作と同一である。その結果、停車期間中の蓄積熱量の不足を補うために停車期間中にエンジンENGが作動することで生ずる燃費の悪化が抑制される。更に、この場合には、モータジェネレータMG1が発電した電力を蓄積する余力がバッテリ173に残っていないか、又は、バッテリ173の充電が制限されていると推定される。つまり、モータジェネレータMG1が発電した電力をバッテリ173に入力できないと推定される。従って、熱量制御部187は、エンジンENGの出力の増加分を用いてモータジェネレータMG1に発電させることができない。そこで、熱量制御部187は、ハイブリッド車両1の駆動力に対するエンジンENG及びモータジェネレータMG2の出力の夫々の分担割合を変更する(ステップS134)。具体的には、熱量制御部187は、エンジンENGの出力が増加した分だけ、モータジェネレータMG2の出力を基準出力値よりも減少させる。尚、基準出力値は、ステップS122で取得した走行計画が特定する目標速度vでハイブリッド車両1を走行させるためにモータジェネレータMG2に要求される出力を示す。言い換えれば、熱量制御部187は、エンジンENGの出力が増加すればするほど、モータジェネレータMG2の出力を減少させる。つまり、熱量制御部187は、エンジンENGの出力の増加分が、モータジェネレータMG2の出力の減少によって相殺されるように、エンジンENG及びモータジェネレータMG2の出力の夫々の分担割合を変更する。その結果、エンジンENGの出力が増加した場合であっても、ハイブリッド車両1の駆動力が変動することはない。従って、ハイブリッド車両1は、生成済みの走行計画が特定する目標速度vでの走行を継続することができる。
尚、熱量制御部187は、非停車期間のうちモータジェネレータMG2が作動している期間中において、エンジンENGの出力を増加させると共に、モータジェネレータMG2の出力を減少させることが好ましい。
ここで、図8を参照しながら、SOCが第1閾値TH1より小さくないか、又は、バッテリ173がWin制限を受けていると判定される場合の動作について更に説明する。図8は、SOCが第1閾値TH1より小さくないか、又は、バッテリ173がWin制限を受けていると判定される場合の目標速度v、蓄積熱量、エンジンENGの出力、モータジェネレータMG2の出力及びハイブリッド車両1の実際の速度を示すタイミングチャートである。
図8の1段目のグラフに示すように、時刻t81から時刻t82までの期間が、目標車速vがゼロになる停車期間であるものとする。更に、図8の2段目のグラフ中の点線で示すように、熱量予測部186が予測した蓄積熱量は、時刻t81から時刻t82までの期間の一部と重複する時刻t83からt82までの期間中に、必要熱量を下回るものとする。つまり、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される。
変形例では、図8の3段目のグラフ中に実線で示すように、時刻t81よりも前の時刻t84から時刻t85までの期間中のエンジンの出力が、基準出力値(点線参照)よりも大きくなる。その結果、図8の2段目のグラフ中に実線で示すように、実際の蓄積熱量は、熱量予測部186が予測した蓄積熱量よりも大きくなる。従って、図8の3段目のグラフ中に実線で示すように、時刻t81から時刻t82までの停車期間において、エンジンENGが作動しなくてもよくなる。
更に、時刻t84から時刻t85までの期間において、モータジェネレータMG2の出力が、基準出力値(点線参照)よりも小さくなる。従って、エンジンENGの出力が増加した場合であっても、ハイブリッド車両1の駆動力が変動することはない。このため、図8の5段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1の実際の速度は、目標速度vに一致する。つまり、ハイブリッド車両1は、目標速度vで走行し続けることができる。
以上説明したように、熱量制御動作の変形例を実行するハイブリッド車両1は、図3に示す熱量制御動作を実行するハイブリッド車両1が享受可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。特に、熱量制御動作の変形例を実行するハイブリッド車両1は、モータジェネレータMG1が発電した電力をバッテリ173に入力できない場合であっても、図3に示す熱量制御動作を実行するハイブリッド車両1が享受可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、熱量制御部187は、SOCが第1閾値TH1より小さいか否か及びバッテリ173がWin制限を受けているか否かを判定することなく、エンジンENGの出力を増加させ且つモータジェネレータMG2の出力を減少させてもよい。つまり、熱量制御部187は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される場合に、エンジンENGの出力を増加させ且つモータジェネレータMG2の出力を減少させてもよい。
また、上述した説明(図7)では、SOCが第1閾値TH1より小さいという第1条件(ステップS132:Yes)及びバッテリ173がWin制限を受けていないという第2条件(ステップS133:No)の双方が成立した場合に、熱量制御部187は、ステップS127の動作を行っている。しかしながら、熱量制御部187は、第1条件及び第2条件のいずれか一方が成立する一方で第1条件及び第2条件のいずれか他方が成立しない場合であっても、ステップS127の動作を行ってもよい。
同様に、上述した説明(図7)では、SOCが第1閾値TH1より小さくないという第3条件(ステップS132:No)及びバッテリ173がWin制限を受けているという第4条件(ステップS133:Yes)のいずれか一方が成立した場合に、熱量制御部187は、ステップS134の動作を行っている。しかしながら、熱量制御部187は、第3条件及び第4条件の双方が成立する場合に、ステップS134の動作を行ってもよい。
(2)第2実施形態のハイブリッド車両2
続いて、図9から図12を参照しながら、第2実施形態のハイブリッド車両2について説明する。
(2−1)第2実施形態のハイブリッド車両2の構造
はじめに、図9を参照しながら、第2実施形態のハイブリッド車両2の構造の一例について説明する。図9は、第2実施形態のハイブリッド車両2の構造の一例を示すブロック図である。尚、図1に示すハイブリッド車両1が備える構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態のハイブリッド車両2は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて冷却水を加熱可能であって且つ「熱源」の一具体例である電気ヒータ177を更に備えているという点において、第1実施形態のハイブリッド車両1とは異なる。第2実施形態のハイブリッド車両2が備えるその他の構成要件は、第1実施形態のハイブリッド車両1が備えるその他の構成要件と同一であってもよい。
(2−2)第2実施形態のハイブリッド車両1の動作
続いて、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う動作について説明する。但し、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う自動走行動作は、第1実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作と同一である。このため、以下では、図10を参照しながら、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作について説明する。図10は、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作の流れを示すフローチャートである。尚、図3又は図7に示す熱量制御動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
図10に示すように、第2実施形態の熱量制御動作は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測された後の動作が異なるという点で、図7に示す熱量制御動作とは異なる。第2実施形態の熱量制御動作のその他の動作は、図7に示す熱量制御動作のその他の動作と同一であってもよい。
具体的には、ステップS126の判定の結果、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測された場合には(ステップS126:Yes)、熱量制御部187は、ステップS131で取得したSOCが所定の第2閾値TH2より大きいか否かを判定する(ステップS141)。第2閾値TH2は、放電する余力がバッテリ173に残っているか否かを判定するための指標である。このため、第2閾値TH2として、放電する余力がバッテリ173に残っている状態と放電する余力がバッテリ173に残っていない状態とを好適に識別可能な値が用いられることが好ましい。典型的には、第2閾値TH2は、第1閾値TH1よりも大きい。但し、第2閾値TH2として、任意の値が用いられてもよい。
更に、熱量制御部187は、バッテリ173がWout制限を受けているか否かを判定する(ステップS142)。Wout制限とは、バッテリ173から出力可能な電力の上限値を超える電力のバッテリ173からの出力の制限(言い換えれば、禁止)である。つまり、Wout制限とは、バッテリ173から出力可能な電力の上限値を超える電力のバッテリ173からの放電の制限(言い換えれば、禁止)である。
ステップS141及びステップS142の判定の結果、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定される場合には(ステップS141:Yes且つステップS142:No)、放電する余力がバッテリ173に残っており且つバッテリ173の放電が制限されないと推定される。つまり、バッテリ173は、電気ヒータ177に対して電力を供給可能であると推定される。従って、この場合には、熱量制御部187は、非停車期間において、エンジンENGの出力を増加させることに代えて、バッテリ173に蓄積された電力を用いて冷却水を加熱するように電気ヒータ177を制御する(ステップS143)。つまり、熱量制御部187は、電気ヒータ177を用いて蓄積熱量を増加させる。
例えば、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定された時点で電気ヒータ177が冷却水を加熱していない場合には、熱量制御部187は、冷却水の加熱を新たに開始するように電気ヒータ177を制御する。つまり、熱量制御部187は、電気ヒータ177を新たに作動させる。その結果、電気ヒータ177が冷却水を加熱していない場合と比較して、電気ヒータ177から冷却水に伝達される熱量が増加する。このため、蓄積熱量が増加する。
例えば、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定された時点で電気ヒータ177が既に冷却水を加熱している場合には、熱量制御部187は、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定される前と比較して、電気ヒータ177の発熱量を増加させる。その結果、電気ヒータ177の発熱量が増加しない場合と比較して、電気ヒータ177から冷却水に伝達される熱量が増加する。このため、蓄積熱量が増加する。
他方で、ステップS141及びステップS142の判定の結果、SOCが第2閾値TH2より大きくないか、又は、バッテリ173がWout制限を受けていると判定される場合には(ステップS141:No、又は、ステップS142:Yes)、放電する余力がバッテリ173に残っていないか、又は、バッテリ173の放電が制限されると推定される。つまり、バッテリ173は、電気ヒータ177に対して電力を供給できないと推定される。この場合には、熱量制御部187は、図7に示す熱量制御動作の変形例におけるステップS132以降の動作を行う。つまり、熱量制御部187は、エンジンENGの出力を増加させる。更に、熱量制御部187は、エンジンENGの出力の増加分を用いてモータジェネレータMG1に発電させるか、又は、モータジェネレータMG2の出力を減少させる。但し、熱量制御部187は、図3に示す熱量制御動作と同様に、SOCが第1閾値TH1より小さいか否か及びバッテリ173がWin制限を受けているか否かを判定することなく、エンジンENGの出力を増加させ且つエンジンENGの出力の増加分を用いてモータジェネレータMG1に発電させてもよい。
ここで、図11を参照しながら、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定される場合の動作について更に説明する。図11は、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定される場合の目標速度v、蓄積熱量、エンジンENGの出力、電気ヒータ177の発熱量及びハイブリッド車両1の実際の速度を示すタイミングチャートである。
図11の1段目のグラフに示すように、時刻t111から時刻t112までの期間が、目標車速vがゼロになる停車期間であるものとする。更に、図11の2段目のグラフ中の点線で示すように、熱量予測部186が予測した蓄積熱量は、時刻t111から時刻t112までの期間の一部と重複する時刻t113からt112までの期間中に、必要熱量を下回るものとする。つまり、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される。
第2実施形態では、図11の4段目のグラフ中に実線で示すように、時刻t111よりも前の時刻t114において、電気ヒータ177が新たに作動する。但し、時刻t114の時点で電気ヒータ177が既に作動している場合には、時刻t104以降の電気ヒータ177の発熱量が、時刻t114以前の電気ヒータ177の発熱量よりも大きくなる。その結果、図11の2段目のグラフ中に実線で示すように、実際の蓄積熱量は、熱量予測部186が予測した蓄積熱量よりも大きくなる。従って、図11の3段目のグラフ中に実線で示すように、時刻t111から時刻t112までの停車期間において、エンジンENGが作動しなくてもよくなる。
更に、エンジンENGの出力が基準出力値のままでよいため、ハイブリッド車両1の駆動力が変動することはない。このため、図11の5段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1の実際の速度は、目標速度vに一致する。つまり、ハイブリッド車両1は、目標速度vで走行し続けることができる。
以上説明したように、第2実施形態のハイブリッド車両1は、第1実施形態のハイブリッド車両1が享受可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。特に、第2実施形態のハイブリッド車両1は、電気ヒータ177を用いて、蓄積熱量を増加させることができる。従って、第2実施形態のハイブリッド車両2は、ハイブリッド車両2の走行に与える影響(例えば、駆動力の意図せぬ変動等)を極力抑制しながら、蓄積熱量を増加させることができる。
尚、ハイブリッド車両2は、電気ヒータ177に加えて又は代えて、冷却水を加熱可能な任意の装置を備えていてもよい。このような任意の装置の一例として、例えば、排気ガスを用いて冷却水を加熱可能な装置があげられる。
図10に示す例では、ハイブリッド車両2は、エンジンENGの出力を増加させる動作と、電気ヒータ177を用いて冷却水を加熱する動作とを択一的に行っている。しかしながら、ハイブリッド車両2は、エンジンENGの出力を増加させると共に、電気ヒータ177を用いて冷却水を加熱してもよい。
或いは、熱量制御部187は、SOCが第2閾値TH2より小さいか否か及びバッテリ173がWout制限を受けているか否かを判定することなく、電気ヒータ177を用いて冷却水を加熱してもよい。つまり、熱量制御部187は、停車期間中にエンジンENGの停止が禁止されると予測される場合に、電気ヒータ177を用いて冷却水を加熱してもよい。
また、上述した説明(図10)では、SOCが第2閾値TH2より大きいという第5条件(ステップS141:Yes)及びバッテリ173がWout制限を受けていないという第6条件(ステップS142:No)の双方が成立した場合に、熱量制御部187は、ステップS143の動作を行っている。しかしながら、熱量制御部187は、第5条件及び第6条件のいずれか一方が成立する一方で第5条件及び第6条件のいずれか他方が成立しない場合であっても、ステップS143の動作を行ってもよい。
同様に、上述した説明(図10)では、SOCが第2閾値TH2より大きくないという第7条件(ステップS141:No)及びバッテリ173がWout制限を受けているという第8条件(ステップS142:Yes)のいずれか一方が成立した場合に、熱量制御部187は、ステップS132以降の動作を行っている。しかしながら、熱量制御部187は、第7条件及び第8条件の双方が成立する場合に、ステップS132以降の動作を行ってもよい。
(2−3)第2実施形態の熱量制御動作の変形例
続いて、図12を参照しながら、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作の変形例について説明する。図12は、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作の変形例の流れを示すフローチャートである。尚、図10に示す熱量制御動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
図12に示すように、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作の変形例は、熱量制御部187がバッテリ173の充電状況を走行履歴情報として記憶しておくという点で、図10に示す熱量制御動作とは異なる。更に、第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作の変形例は、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定された後の動作が異なるという点で、図10に示す熱量制御動作とは異なる。第2実施形態のハイブリッド車両2が行う熱量制御動作の変形例のその他の動作は、図10に示す熱量制御動作のその他の動作と同一であってもよい。
具体的には、熱量制御部187は、ステップS126の判定を行う前に又は適宜、ハイブリッドシステム17の動作状況を監視することで、バッテリ173の充電状況を走行履歴情報としてメモリに記憶しておく(ステップS151)。
充電状況は、例えば、バッテリ173に入力された電力の供給元を識別する情報を含む。例えば、充電状況は、バッテリ173に入力された電力の供給元がモータジェネレータMG1であるのか又はモータジェネレータMG2であるのかを識別する情報を含む。つまり、充電状況は、バッテリ173に入力された電力が、エンジンENGの出力を用いてモータジェネレータMG1が発電した電力であるのか又はハイブリッド車両1の運動エネルギーを用いてモータジェネレータMG2が回生した電力であるのかを識別する情報を含む。
充電状況は、例えば、バッテリ173に入力された電力量を、その供給元毎に特定する情報を含む。例えば、充電状況は、エンジンENGの出力を用いてモータジェネレータMG1が発電した電力がどれだけバッテリ173に入力されたかを特定可能な情報を含む。例えば、充電状況は、ハイブリッド車両1の運動エネルギーを用いてモータジェネレータMG2が回生した電力がどれだけバッテリ173に入力されたかを特定可能な情報を含む。
熱量制御部187は、ある一定期間中の充電状況を、走行履歴情報としてメモリに記憶しておくことが好ましい。例えば、熱量制御部187は、現在時刻を終点とする一定期間中の充電状況を、走行履歴情報として記憶しておいてもよい。
その後、第1変形例においても、上述したステップS126及びステップS141からステップS142の動作が行われる。
その後、ステップS141及びステップS142の判定の結果、SOCが第2閾値TH2より大きく且つバッテリ173がWout制限を受けていないと判定される場合には(ステップS141:Yes且つステップS142:No)、熱量制御部187は、ステップS151で記憶された走行履歴情報(充電状況)に基づいて、MG1電力量に対するMG2電力量の割合を示す回生比率が所定の第3閾値TH3よりも大きいか否かを判定する(ステップS152)。尚、MG1電力量は、バッテリ173に蓄積されている電力量のうちモータジェネレータMG1の発電に起因する電力量を示す。MG2電力量は、バッテリ173に蓄積されている電力量のうちモータジェネレータMG2の回生に起因する電力量(つまり、回生量)を示す。第3閾値TH3は、50%よりも大きい任意の値(例えば、70%)である。
ステップS152の判定の結果、回生比率が第3閾値TH3よりも大きいと判定される場合には(ステップS152:Yes)、バッテリ173に蓄積されている電力量の過半は、モータジェネレータMG2の回生に起因した電力量であると推定される。つまり、バッテリ173に蓄積されている電力量の過半は、燃料を消費することなく発電された相対的に低燃費な電力量であると推定される。この場合には、熱量制御部187は、相対的に低燃費な電力を用いて、蓄積熱量を増加させる。具体的には、熱量制御部187は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて冷却水を加熱するように電気ヒータ177を制御する(ステップS143)。
他方で、ステップS152の判定の結果、回生比率が第3閾値TH3よりも大きくないと判定される場合には(ステップS152:No)、バッテリ173に蓄積されている電力量の過半は、モータジェネレータMG1の発電に起因した電力量であると推定される。つまり、バッテリ173に蓄積されている電力量の過半は、燃料を消費することで発電された相対的に低燃費でない電力量であると推定される。この場合には、熱量制御部187は、相対的に低燃費でない電力を用いることなく、蓄積熱量を増加させる。具体的には、熱量制御部187は、図10に示す熱量制御動作の変形例におけるステップS132以降の動作を行う。つまり、熱量制御部187は、エンジンENGの出力を増加させる(ステップS127又はステップS134)。
以上説明したように、熱量制御動作の変形例を実行するハイブリッド車両2は、図10に示す熱量制御動作を実行するハイブリッド車両2が享受可能な効果と同様の効果を好適に享受することができる。特に、熱量制御動作の変形例を実行するハイブリッド車両2は、回生比率に基づいて、燃費の悪化をより一層抑制するように蓄積熱量を増加させることができる。
上述のハイブリッド車両1は、2つのモータジェネレータMG1及びMG2を備えている。しかしながら、ハイブリッド車両1は、単一の又は3つ以上のモータジェネレータを備えていてもよい。
上述の実施形態で説明された一の構成要件は、上述の実施形態で説明された他の構成要件と適宜組み合わせることができる。上述の実施形態で説明された構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。
尚、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置もまた本発明の技術思想に含まれる。