以下、図面を参照して本発明の車両制御装置の実施形態について説明する。尚、以下では、本発明の車両制御装置の一例が適用されたハイブリッド車両1を用いて、本発明の車両制御装置の実施形態の説明を進める。
(1)ハイブリッド車両1の構造
図1を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1の構造の一例について説明する。図1は、本実施形態のハイブリッド車両1の構造の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、センサ11と、GPS(Global Positioning System)受信部12と、地図DB(DataBase)13と、ナビゲーションシステム14と、アクチュエータ15と、HMI(Human Machine Interface)16と、ハイブリッドシステム17と、「車両制御装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)18とを備えている。
センサ11は、ハイブリッド車両1の走行に必要な又は有用な情報を検出する検出機器である。センサ11の検出結果は、ナビゲーションシステム14及びECU18に対して適宜出力される。センサ11は、例えば、外部センサ111と、内部センサ112とを含む。
外部センサ111は、ハイブリッド車両1の外部状況を検出する検出機器である。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の周囲の環境(いわゆる、走行環境)を含んでいてもよい。
外部センサ111は、レーダー1111及びライダー(LIDER:Laser Imaging DEtection and Ranging)1112のうちの少なくとも一つを含む。
レーダー1111は、電波(例えば、ミリ波)を利用してハイブリッド車両1の周囲の物体(例えば、障害物や、他の車両や、歩行者や、動物等)を検出する。レーダー1111は、ハイブリッド車両1の周囲に向けて電波を出射すると共に物体で反射された電波を検出することで、物体を検出する。レーダー1111は、物体の検出結果を示す第1物体情報を、ECU18に対して出力する。尚、ECU18がセンサーフュージョンを行う場合には、レーダー1111は、物体の検出結果を示す第1物体情報に加えて又は代えて、電波の検出結果を示す電波情報をECU18に対して出力してもよい。
ライダー1112は、光を利用してハイブリッド車両1の周囲の物体を検出する。ライダー1112は、ハイブリッド車両1の周囲に向けて光を出射すると共に物体で反射された光を検出することで、物体を検出する。ライダー1112は、物体の検出結果を示す第2物体情報を、ECU18に対して出力する。尚、ECU18がセンサーフュージョンを行う場合には、ライダー1112は、物体の検出結果を示す第2物体情報に加えて又は代えて、光の検出結果を示す光情報をECU18に対して出力してもよい。
外部センサ111は、カメラを更に含んでいてもよい。カメラは、ハイブリッド車両1の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば、ハイブリッド車両1のフロントガラスの裏側(内側)に設置されている。カメラは、撮像結果(検出結果)を示す撮像情報を、ECU18に対して出力する。カメラは、単眼カメラであってもよい。カメラは、両眼視差を再現するように配置された2つの撮像部を備える複眼カメラ(言い換えれば、ステレオカメラ)であってもよい。ステレオカメラから出力される撮像情報は、奥行方向の情報も含む。
内部センサ112は、ハイブリッド車両1の内部状況を検出する検出機器である。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の走行状態を含んでいてもよい。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1が備える各種機器の動作状態を含んでいてもよい。
内部センサ112は、SOC(State Of Charge)センサ1121を含む。SOCセンサ1121は、後述するバッテリ173のSOCを検出する検出機器である。SOCは、バッテリ173に蓄積されている電力の総量を評価可能なパラメータである。SOCは、例えば、バッテリ173に蓄積されている電力の総量(つまり、バッテリ173から出力可能な電力の総量)の、バッテリ173に蓄積可能な電力の総量の上限値(つまり、総容量)に対する割合を示す。SOCセンサ1121は、例えば、バッテリ173を流れるバッテリ電流を検出可能な電流センサを含む。SOCセンサ1121は、検出したバッテリ電流を積算することで、SOCを計測可能である。SOCセンサ1121は、SOCの検出結果を示すSOC情報を、ECU18に対して出力する。但し、SOCセンサ1121は、バッテリ電流の検出結果を示す電流情報をEUC18に対して出力してもよい。この場合、バッテリ電流に基づいてECU18がSOCを算出してもよい。
内部センサ112は、更に、車速センサ、加速度センサ及びヨーレートセンサのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
車速センサは、ハイブリッド車両1の速度を検出する検出機器である。車速センサの一例として、ハイブリッド車両1の車輪175又は車輪175と一体的に回転する車軸174等に対して設置され、且つ、車輪175の回転速度を検出可能な車輪速センサがあげられる。車速センサは、速度の検出結果を示す速度情報を、ECU18に対して出力する。
加速度センサは、ハイブリッド車両1の加速度を検出する検出機器である。加速度センサは、例えば、ハイブリッド車両1の前後方向の加速度を検出する第1加速度センサと、ハイブリッド車両1の横方向の加速度を検出する第2加速度センサとを含んでいてもよい。加速度センサは、加速度の検出結果を示す加速度情報を、ECU18に対して出力する。
ヨーレートセンサは、ハイブリッド車両1の重心の鉛直方向の軸周りの回転角速度(つまり、ヨーレート)を検出する検出機器である。ヨーレートセンサの一例として、ジャイロセンサがあげられる。ヨーレートセンサは、ヨーレートの検出結果であるヨーレート情報を、ECU18に対して出力する。
GPS受信部12は、3個以上のGPS衛星からGPS信号を受信することで、ハイブリッド車両1の位置(例えば、ハイブリッド車両1の緯度及び経度であり、以降適宜“車両位置”と称する)を計測する。GPS受信部12は、計測した車両位置を示す車両位置情報を、ナビゲーションシステム14及びECU18に対して出力する。尚、ハイブリッド車両1は、GPS受信部12に加えて又は代えて、車両位置を計測可能な計測機器を備えていてもよい。更に、センサ11の検出結果と後述する地図情報とを照合するためには、ハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1の方位を計測する計測機器を備えていることが好ましい。
地図DB13は、 地図を示す地図情報を格納するデータベースである。地図DB13は、ハイブリッド車両1に搭載された記録媒体(例えば、HDD(Hard Disk Drive))内に構築されている。地図情報は、例えば、地図内に含まれる道路、交差点、分岐点及び信号等の位置を示す道路位置情報や、地図内に含まれる道路の形状を示す道路形状情報(例えば、曲線及び直線等の種別を示す情報や、曲線の曲率等を示す情報)等を含む。地図情報は、更に、建物や壁等の遮蔽構造物の位置を示す建物位置情報を含んでいてもよい。地図情報は更に、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術をECU18に実行させるべく、外部センサ111の検出結果を含んでいてもよい。尚、地図DB13は、ハイブリッド車両1と通信可能な外部のサーバ内に構築されていてもよい。この場合、ECU18は、必要に応じて、外部のサーバから地図DB13の少なくとも一部をダウンロードすることが好ましい。
ナビゲーションシステム14は、ハイブリッド車両1の搭乗者によって設定された目的地に到達するように、搭乗者に対して案内を行う。ナビゲーションシステム14は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、ハイブリッド車両1の現在位置(或いは、搭乗者が設定した所定の出発位置)から目的地に至るまでにハイブリッド車両1が走行するべき経路を示す目標ルートを算出する。ナビゲーションシステム14は、複数車線が存在する走行区間においてハイブリッド車両1が走行することが好ましい車線を特定可能な目標ルートを算出していてもよい。ナビゲーションシステム14は、不図示のディスプレイでの表示及び不図示のスピーカによる音声出力を用いて、目標ルートを搭乗者に通知する。更に、ナビゲーションシステム14は、目標ルートを示す目標ルート情報を、ECU18に対して出力する。尚、ナビゲーションシステム14は、ハイブリッド車両1に搭載されることに加えて又は代えて、外部のサーバに搭載されていてもよい。この場合、ECU18は、必要に応じて、外部のサーバに対して車両位置情報を送信する共に、外部のサーバから送信される目標ルート情報を受信することが好ましい。
アクチュエータ15は、ハイブリッド車両1の走行を制御する。アクチュエータ15は、スロットルアクチュエータ151を含む。スロットルアクチュエータ151は、ECU18の制御下で、後述するエンジンENGに対する空気の供給量を制御する。その結果、スロットルアクチュエータ151は、エンジンENGの出力を制御することができる。つまり、スロットルアクチュエータ151は、ハイブリッド車両1の駆動力を制御することができる。
アクチュエータ15は、更に、ブレーキアクチュエータ及び操舵アクチュエータのうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。ブレーキアクチュエータは、ECU18の制御下で、ハイブリッド車両1が備える不図示の液圧ブレーキシステムが車輪175に対して付与する液圧ブレーキ力を制御する。つまり、ブレーキアクチュエータは、ハイブリッド車両1の減速度を制御することができる。操舵アクチュエータは、ECU18の制御下で、ハイブリッド車両1が備える不図示の電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの動作を制御する。その結果、操舵アクチュエータは、ハイブリッド車両1の操舵力及び操舵方向を制御することができる。
HMI16は、ハイブリッド車両1の搭乗者とハイブリッド車両1との間で情報の入力及び出力を行うためのインタフェースである。HMI16は、例えば、搭乗者に提示する画像を表示可能なディスプレイを含んでいてもよい。HMI16は、例えば、搭乗者に提示する音声を出力可能なスピーカを含んでいてもよい。HMI16は、例えば、搭乗者によって操作可能な操作機器(例えば、操作ボタンやタッチパネル等)を含んでいてもよい。HMI16は、無線でハイブリッド車両1に接続された携帯情報端末を用いて、搭乗者とハイブリッド車両1との間で情報の入力及び出力を行ってもよい。
ハイブリッドシステム17は、ECU18の制御下でハイブリッド車両1の駆動力を生成するハイブリッド車両1のパワートレインである。ハイブリッドシステム17は、「内燃機関」の一具体例であるエンジンENGと、「回転電機」の一具体例であるモータジェネレータMG1と、モータジェネレータMG2と、動力分割機構171と、インバータ172と、「蓄電装置」の一具体例であるバッテリ173とを備える。
エンジンENGは、ガソリンや軽油等の燃料を燃焼することで作動する。エンジンENGは、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する主たる駆動源として機能する。加えて、エンジンENGは、モータジェネレータMG1の回転軸を回転させる(言いかえれば、駆動する)ための駆動源として機能する。
モータジェネレータMG1は、バッテリ173を充電するための発電機として機能する。モータジェネレータMG1が発電機として機能する場合には、モータジェネレータMG1の回転軸は、エンジンENGの動力によって回転する。但し、モータジェネレータMG1は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて作動することで、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する電動機として機能してもよい。
モータジェネレータMG2は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて作動することで、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する電動機として機能する。
モータジェネレータMG2は、更に、バッテリ173を充電するための発電機として機能する。この場合、モータジェネレータMG2の回転軸は、車輪175に連結された車軸174からモータジェネレータMG2に伝達される動力(つまり、ハイブリッド車両1の運動エネルギー)によって回転する。このため、モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両1の運動エネルギーを電力エネルギーに変換する回生動作を行う。その結果、モータジェネレータMG2は、回生動作により電力を生成することができる。加えて、モータジェネレータMG2が回生動作を行っている場合には、車軸174には、回生動作に起因したブレーキトルク(以降、適宜“回生トルク”)が付与される。その結果、ハイブリッド車両1を減速させるように作用する回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される。
動力分割機構171は、図示せぬサンギア、プラネタリキャリア、ピニオンギア、及びリングギアを備えた遊星歯車機構である。サンギアの回転軸はモータジェネレータMG1の回転軸に連結されている。リングギアの回転軸は、モータジェネレータMG2の回転軸に連結されている。サンギアとリングギアの中間にあるプラネタリキャリアの回転軸は、クラッチCを介してエンジンENGの回転軸(つまり、クランクシャフト)に連結されている。エンジンENGの回転は、プラネタリキャリア及びピニオンギアによって、サンギア及びリングギアに伝達される。つまり、エンジンENGの動力は、2系統に分割される。リングギアの回転軸は、車軸174に連結されている。ハイブリッドシステム17が生成する駆動力は、この車軸174を介して車輪175に伝達される。
インバータ172は、バッテリ173から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG1及びMG2に供給する。更に、インバータ172は、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ173に供給する。
バッテリ173はモータジェネレータMG1及びMG2が作動するための電力をモータジェネレータMG1及びMG2に供給する電力供給源である。バッテリ173は、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された電力を用いて充電可能な蓄電池である。但し、バッテリ173に加えて又は代えて、任意のキャパシタが用いられてもよい。
車軸174は、エンジンENG及びモータジェネレータMG2から出力された動力を車輪175に伝達するための伝達軸である。車輪175は、車軸174を介して伝達される動力を、ハイブリッド車両1の駆動力として路面に伝達する手段である。
ECU18は、ハイブリッド車両1の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。本実施形態では特に、ECU18は、ハイブリッド車両1を自動走行させるための自動走行動作を実行する。
主として自動走行動作を実行するために、ECU18は、その内部に実現される論理的な処理ブロック又は物理的な処理回路として、車両位置認識部181と、外部状況認識部182と、内部状況認識部183と、「生成手段」の一具体例である走行計画生成部184と、「第1制御手段」の一具体例である走行制御部185とを備えている。
車両位置認識部181は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、車両位置(特に、地図上での車両位置)を認識する。尚、車両位置認識部181は、ナビゲーションシステム14が用いる車両位置をナビゲーションシステム14から取得することで、車両位置を認識してもよい。道路等に設置されたセンサによってハイブリッド車両1の位置が計測される場合には、車両位置認識部181は、当該センサと通信することで車両位置を認識してもよい。尚、車両位置認識部181は、外部センサ111の検出結果と地図情報とを照合することで、車両位置の計測精度を補うようにGPS受信部12の計測結果である車両位置情報を補正してもよい。
外部状況認識部182は、外部センサ111の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の外部状況を認識する。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況を含んでいる。ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況は、物体の動きの有無、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な位置、ハイブリッド車両1と物体との間の相対的な距離(相対距離)、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な移動方向、及び、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な速度(相対速度)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1に対する走行車線の白線の位置及びハイブリッド車両1に対する走行車線の中心の位置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。外部状況は、例えば、道路幅及び道路の形状(例えば、走行車線の曲率や、外部センサ111がハイブリッド車両1からどれだけ離れた位置の外部状況を検出することができるかを推定するために参照される走行車線の勾配及びうねり等)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
内部状況認識部183は、内部センサ112の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の内部状況を認識する。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の速度、ハイブリッド車両1の加速度及びハイブリッド車両1のヨーレートのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
走行計画生成部184は、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況及び内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、ハイブリッド車両1の目標進路を生成する。目標進路は、目標ルートにおいてハイブリッド車両1が進むべき軌跡を示す。走行計画生成部184は、目標ルート上においてハイブリッド車両1が安全、法令順守及び走行効率等の基準を考慮しながら好適に走行するように、目標進路を生成する。走行計画生成部184は、ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況に基づいて、物体との接触を回避するように目標進路を生成する。
尚、ここで言う目標ルートには、特許第5382218号(国際公開第2011/158347号パンフレット)に記載された運転支援装置又は特開2011−162132号公報に記載された自動運転装置における道なり走行ルートが包含される。道なり走行ルートとは、目的地が搭乗者によって明示的に指定されていない場合に、外部状況や地図情報等に基づいて自動的に生成される経路を示す走行ルートである。
走行計画生成部184は、生成した目標進路に応じた走行計画を生成する。具体的には、走行計画生成部184は、ハイブリッド車両1の外部状況及び地図情報に基づいて、目標進路に沿ってハイブリッド車両1を走行させるに沿った走行計画を生成する。走行計画生成部184は、例えば、ハイブリッド車両1に対して固定された座標系でのハイブリッド車両1の目標位置p及び各目標位置pでのハイブリッド車両1の目標速度vを含む配位座標(p、v)を複数含む走行計画を生成する。ここで、目標位置pは、ハイブリッド車両1に対して固定された座標系でのx座標及びy座標の位置又は当該位置と等価な情報である。
走行計画は、ハイブリッド車両1の挙動(言い換えれば、走行態様)を特定可能である限りは、どのような情報を含んでいてもよい。例えば、走行計画は、目標速度vに加えて又は代えて、各目標位置pにハイブリッド車両1が到達するべき目標時刻tを含んでいてもよい。走行計画は、目標速度vに加えて又は代えて、目標時刻tと当該目標時刻tの時点でのハイブリッド車両1の目標方位(或いは、進行方向)とを含んでいてもよい。尚、目標時刻tは、目標位置pを用いて目標速度vへの換算が可能であるという点で、目標速度vを間接的に示しているとも言える。
通常、走行計画は、現在時刻から数秒先の将来に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定していれば十分である。つまり、走行計画は、現在の車両位置から数秒先の将来の時点でハイブリッド車両1が位置するであろうと推定される所定地点に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定していれば十分である。但し、ハイブリッド車両1が特定の走行パターンで走行する(例えば、ハイブリッド車両1が交差点を右折する又は追い越しをかける)場合には、走行計画は、現在時刻から数十秒先の将来に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定することが好ましい。従って、走行計画が含む配位座標(p、v)の数及び2つの配位座標(p、v)の間の間隔(或いは、2つの目標位置pの間の間隔)は可変であることが好ましい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中のハイブリッド車両1の目標速度vの推移を特定する速度パターンを含んでいてもよい。速度パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔(例えば、1メートル間隔)で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標速度vと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、v、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中のハイブリッド車両1の目標加速度aの推移を特定する加速度パターンを含んでいてもよい。加速度パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標加速度aと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、a、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中の、電動パワーステアリングシステムが付与するべき操舵トルクの目標値(目標操舵トルクTtg)の推移を特定する操舵パターンを含んでいてもよい。操舵パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標操舵トルクTtgと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、Ttg、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画生成部184は、スプライン関数等を用いて複数の配位座標をつなぐ曲線を近似すると共に、当該曲線を特定可能なパラメータを含む走行計画を生成してもよい。走行計画生成部184は、旅行時間(具体的には、ハイブリッド車両1が目的地に到達するために要する時間)が最も小さくなるように、走行計画を生成してもよい。走行計画の具体的な生成方法としては、ハイブリッド車両1の挙動を特定することが可能な走行計画を生成可能である限りは、公知の生成方法が採用可能である。
走行制御部185は、走行計画生成部184が生成した走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する。
例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行するように、アクチュエータ15を制御する。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッドシステム17を制御する。具体的には、例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が加速する又は定常走行する場合には、エンジンENG並びにモータジェネレータMG1及びMG2を制御することで、ハイブリッド車両1を自動走行させてもよい。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する場合には、回生ブレーキ力を付与するようにモータジェネレータMG2を制御することで、ハイブリッド車両1を減速させてもよい。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する場合には、液圧ブレーキ力を付与するように不図示の液圧ブレーキシステムを制御することで、ハイブリッド車両1を減速させてもよい。その結果、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行するように自動走行する。具体的には、例えば走行計画が配位座標(p、v、t)を含む場合には、ハイブリッド車両1は、目標時刻tの時点で目標位置pを目標速度vで通過するように自動走行する。
ECU18は、上述した自動走行動作(つまり、走行計画を生成すると共に走行計画に基づいてハイブリッド車両1を制御する動作)と並行して、自動走行動作を補助する動作に相当する充電補助動作を実行する。充電補助動作は、SOCが後述する第1閾値TH1以下となる場合に、バッテリ173の充電を促進する動作である。
主として充電補助動作を行うために、ECU18は、「判定手段」の一具体例であるSOC判定部186と、「判定手段」の一具体例である距離判定部187と、「第2制御手段」の一具体例である充電制御部188とを備えている。
SOC判定部186は、内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、SOCが、「第1所定値」の一具体例である第1閾値TH1以下であるか否かを判定する。
距離判定部187は、外部状況認識部182が認識した外部状況に基づいて、物体とハイブリッド車両1との間の相対距離が、「第2所定値」の一具体例である所定距離D以下であるか否かを判定する。尚、ここで言う「物体」とは、走行計画を生成した後に外部センサ111が新たに検出したハイブリッド車両1の前方(特に、進行方向に対して前方)に存在する物体を意味するものとする。このような物体の一例として、ハイブリッド車両1の前方に割り込んできた車両があげられる。以下の充電補助動作に関する説明中においても、特段の説明がない場合には、「物体」は、走行計画を生成した後に外部センサ111が新たに検出したハイブリッド車両1の前方に存在する物体を意味するものとする。但し、走行計画生成部184は、所定期間(例えば、後述する第2所定期間)が経過する毎に走行計画を繰り返し生成している。従って、ここで言う「走行計画を生成した後に新たに検出された物体」は、「走行計画をしてから次に走行計画を生成するまでに新たに検出された物体」を意味するものとする。
充電制御部188は、SOC判定部186の判定結果に基づいて、バッテリ173の充電を促進する。例えば、充電制御部188は、SOCが第1閾値TH1以下である場合には、SOCが第1閾値TH1以下でない場合と比較して、バッテリ173の充電量(つまり、新たにバッテリ173に入力される電力量)を増加させる。
充電制御部188は、距離判定部187の判定結果に基づいて、バッテリ173の充電を促進するための動作を変更する。具体的には、相対距離が所定値D以下である場合には、充電制御部188は、バッテリ173の充電を促進するための動作として、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を選択する。一方で、相対距離が所定値D以下でない場合には、充電制御部188は、バッテリ173の充電を促進するための動作として、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が加速する加速期間において走行計画が規定する目標速度vを実現するための加速度(或いは、目標加速度a)よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速し、且つ、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する減速期間において回生が行われるように走行計画を変更する(つまり、再生成する)動作を選択する。
尚、充電制御部188の具体的な動作については、図3等を参照しながら後に詳述する。
(2)ハイブリッド車両1の動作
続いて、図2から図5を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う動作(特に、自動走行動作及び充電補助動作)について説明する。以下では、説明の便宜上、自動走行動作について説明した後に、充電補助動作について説明する。
(2−1)自動走行動作の流れ
図2を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作の流れについて説明する。図2は、本実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作の流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、ECU18は、搭乗者が自動走行動作の実行を要求しているか否かを判定する(ステップS111)。搭乗者は、HMI16を用いて自動走行動作の実行を要求することができる。従って、ECU18は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、搭乗者が自動走行動作の実行を要求しているか否かを判定してもよい。
ステップS111の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の実行を要求していないと判定される場合には(ステップS111:No)、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了する。その後、ECU18は、第1所定期間経過後に、再度図2に示す自動走行動作を開始してもよい。
他方で、ステップS111の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の実行を要求していると判定される場合には(ステップS111:Yes)、車両位置認識部181は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、車両位置を認識する(ステップS112)。更に、外部状況認識部182は、外部センサ111の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の外部状況を認識する(ステップS112)。更に、内部状況認識部183は、内部センサ112の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の内部状況を認識する(ステップS112)。
その後、走行計画部184は、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況及び内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、走行計画を生成する(ステップS113)。
その後、走行制御部185は、走行計画生成部184が生成した走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する(ステップS114)。その結果、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を自動走行する。つまり、ハイブリッド車両1は、搭乗者の操作がなくても、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行する。
その後、ECU18は、搭乗者が自動走行動作の停止を要求しているか否かを判定する(ステップS115)。搭乗者は、HMI16を用いて自動走行動作の停止を要求することができる。従って、ECU18は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、搭乗者が自動走行動作の停止を要求しているか否かを判定してもよい。
ステップS115の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していないと判定される場合には(ステップS115:No)、ECU18は、第2所定期間が経過する毎に、ステップS112からステップS114の動作を繰り返す。従って、ハイブリッド車両1は、周期的に生成される走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行するように自動走行し続ける。
他方で、ステップS115の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していると判定される場合には(ステップS115:Yes)、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了する。その後、ECU18は、第1所定期間経過後に、再度図2に示す自動走行動作を開始してもよい。
尚、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していない場合であっても、ハイブリッド車両1が目的地に到達した場合に、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了してもよい。この場合、HMI16は、搭乗者に対して、ハイブリッド車両1が目的地に到達し且つ自動走行動作が終了する旨を通知してもよい。
(2−2)充電補助動作の流れ
続いて、図3を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う充電補助動作の流れについて説明する。図3は、本実施形態のハイブリッド車両1が行う充電補助動作の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、ECU18は、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中であるか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121の判定の結果、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中でないと判定される場合には(ステップS121:No)、ECU18は、図3に示す充電補助動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す充電補助動作を開始してもよい。
他方で、ステップS121の判定の結果、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中であると判定される場合には(ステップS121:Yes)、充電制御部188は、走行計画生成部184が生成した走行計画を取得する(ステップS122)。
その後、SOC判定部186は、内部状況認識部183が認識した内部状況(特に、SOCセンサ1121の検出結果であるSOC)に基づいて、SOCが第1閾値TH1以下であるか否かを判定する(ステップS122)。
SOCが第1閾値以下である場合には、バッテリ173が充電される。このため、SOCが第1閾値TH1以下であるか否かを判定する動作は、バッテリ173を充電することが好ましいか否かを判定する動作であるとも言える。このため、SOC判定部186が使用する第1閾値TH1としては、バッテリ173を充電することが好ましい状態とバッテリ173を充電しなくてもよい状態とを識別可能な値が用いられることが好ましい。第1閾値TH1としては、典型的には、ハイブリッド車両1毎に、バッテリ173毎に又はハイブリッド車両1の走行状態に応じて設定される適切な値が用いられる。例えば、第1閾値TH1として、40%から50%の範囲内の任意の値が用いられてもよい。
ステップS123の判定の結果、SOCが第1閾値TH1以下でないと判定される場合には(ステップS123:No)、ECU18は、図3に示す充電補助動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す充電補助動作を開始してもよい。
他方で、ステップS123の判定の結果、SOCが第1閾値TH1以下であると判定される場合には(ステップS123:Yes)、距離判定部187は、外部状況認識部183が認識した外部状況に基づいて、物体とハイブリッド車両1との間の相対距離が所定値D以下であるか否かを判定する(ステップS124)。つまり、距離判定部187は、自動運転動作によって走行計画が生成された(言い換えれば、自動運転動作による走行計画の生成が完了した)時点では検出されていなかった新たな物体が外部センサ111によって検出された場合には、当該新たな物体とハイブリッド車両1との間の相対距離が所定値D以下であるか否かを判定する。
上述したように、充電制御部188は、加速期間において走行計画が規定する目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速するように走行計画を変更する動作を、バッテリ173の充電を促進するための動作として選択する場合がある。一方で、ハイブリッド車両1の前方に物体が存在する場合に目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速すると、本来は避けるべき又は適正な距離を間に確保するべき物体に向かってより一層加速する(つまり、より早く近付く)かのような違和感を搭乗者に与えかねない。この違和感は、ハイブリッド車両1が物体に対して相対的に近い位置に位置する場合に強くなると推定される。
このように、違和感の強さに対してハイブリッド車両1と物体との間の相対距離が相関を有している。そうすると、相対距離が所定値D以下であるか否かを判定する動作は、目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速しても搭乗者が違和感を抱かない程度に相対距離が大きいか否か判定する動作であるとも言える。つまり、相対距離が所定値D以下であるか否かを判定する動作は、目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速すると搭乗者が相対的に強い違和感を抱いてしまう程度に相対距離が小さいか否か判定する動作であるとも言える。言い換えれば、相対距離が所定値D以下であるか否かを判定する動作は、目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速することで相対距離が徐々に縮まっても搭乗者が違和感を抱かない程度に相対距離が大きいか否か(つまり、相対距離の短縮が可能か否か)判定する動作であるとも言える。つまり、相対距離が所定値D以下であるか否かを判定する動作は、目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速することで相対距離が徐々に縮まると搭乗者が相対的に強い違和感を抱く程度に相対距離が小さいか否か(つまり、相対距離の短縮が可能か否か)判定する動作であるとも言える。このため、距離判定部187が使用する所定値Dとしては、上述した違和感を搭乗者が抱かない程度に相対距離が大きい(或いは、相対距離の短縮が可能である)状態と、上述した違和感を搭乗者が相対的に強く抱いてしまう程度に相対距離が小さい(或いは、相対距離の短縮が困難である)状態とを識別可能な値が用いられることが好ましい。所定値Dとしては、典型的には、ハイブリッド車両1毎に、搭乗者毎に又はハイブリッド車両1の走行状態に応じて設定される適切な値が用いられる。
ステップS124の判定の結果、相対距離が所定値D以下であると判定される場合には(ステップS124:Yes)、上述した違和感を搭乗者が相対的に強く抱いてしまう程度に相対距離が小さい(或いは、相対距離の短縮が困難である)と推定される。従って、この場合には、充電制御部188は、走行計画生成部184が生成済みの走行計画を維持する。つまり、充電制御部188は、走行計画を変更する(再生成する)ように走行計画生成部184を制御しない。その結果、ハイブリッド車両1は、既に生成済みの走行計画に基づく走行を継続する。
その上で、充電制御部188は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を選択する(ステップS126)。特に、充電制御部188は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が加速する加速期間のうちの少なくとも一部におけるモータジェネレータMG1の発電量を増加させる。
通常、モータジェネレータMG1の発電量(つまり、バッテリ173の充電量)は、SOCや、ハイブリッド車両1の速度や、ハイブリッド車両1の駆動力や、エンジンENGの出力等に応じて適宜算出(設定)される基準発電量に設定されている。充電制御部188は、加速期間中のモータジェネレータMG1の発電量を、この基準発電量よりも増加させる。尚、相対距離が所定値D以下でないと判定される場合には、加速期間中のモータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作が実行されない。このため、相対距離が所定値D以下でない(更に、後述する走行計画の変更が行われない)場合には、加速期間中のモータジェネレータMG1の発電量は、基準発電量に一致している。従って、充電制御部188は、相対距離が所定値D以下であると判定される場合における加速期間中のモータジェネレータMG1の発電量を、相対距離が所定値D以下でないと判定される場合における加速期間中のモータジェネレータMG1の発電量よりも増加させているとも言える。
モータジェネレータMG1は、例えば、モータジェネレータMG1が発電するべき電力(つまり、バッテリ173に充電されるべき電力)を示す充電要求量という制御パラメータに基づいて発電する。この場合、モータジェネレータMG1の発電量を増加させるため、充電制御部188は、この充電要求量を、基準発電量よりも増加させる。
充電要求量が増加すると、充電制御部188は、エンジンENGの出力を、充電要求量の増加分に応じた出力分だけ増加させる。つまり、エンジンENGの出力は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1を走行させるためにエンジンENGに本来要求される出力である基準出力値よりも、充電要求量の増加分に応じた出力分だけ増加する。尚、充電制御部188は、エンジンENGの回転数を増加させることで、エンジンENGの出力を増加させてもよい。充電制御部188は、エンジンENGのトルクを増加させることで、エンジンENGの出力を増加させてもよい。エンジンENGの出力の増加分は、モータジェネレータMG1の発電に用いられる。その結果、モータジェネレータMG1の発電量が増加する。
充電制御部188は、スロットルアクチュエータ151を制御することで、エンジンENGの出力を増加させてもよい。或いは、充電制御部188は、エンジンENGに設置されている燃料噴射弁からの燃料の噴射量及び噴射時期のうちの少なくとも一方を制御することで、エンジンENGの出力を増加させてもよい。
尚、相対距離が所定値D以下でないと判定される場合には、加速期間中のモータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作が実行されない。このため、相対距離が所定値D以下でない(更に、後述する走行計画の変更が行われない)場合には、加速期間中のエンジンENGの出力は、基準出力値に一致している。従って、充電制御部188は、相対距離が所定値D以下であると判定される場合における加速期間中のエンジンENGの出力を、相対距離が所定値D以下でないと判定される場合における加速期間中のエンジンENGの出力よりも増加させているとも言える。
エンジンENGの出力の増加分がモータジェネレータMG1の発電に用いられるがゆえに、エンジンENGの出力の増加によってハイブリッド車両1の駆動力が増加することはない。つまり、ハイブリッド車両1の駆動力は、エンジンENGの出力の増加に影響を受けることなく、走行計画に基づいてハイブリッド車両1を走行させるために必要な駆動力のまま維持される。このため、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づく走行を継続することができる。
充電制御部188は、外部状況認識部182が認識した外部状況、内部状況認識部183が認識した内部状況及び走行計画生成部184が生成した走行計画等に基づいて、モータジェネレータMG1の発電量の増加量を適宜設定してもよい。例えば、SOCが相対的に小さいがゆえにバッテリ173が相対的に急速に充電されることが好ましい場合には、充電制御部188は、モータジェネレータMG1の発電量の増加量を相対的に大きな値に設定してもよい。例えば、SOCが相対的に小さくないがゆえにバッテリ173が相対的に緩やかに充電されれば十分である場合には、充電制御部188は、モータジェネレータMG1の発電量の増加量を相対的に小さな値に設定してもよい。或いは、モータジェネレータMG1の発電量の増加量がエンジンENGの出力の増加量に依存するがゆえに、充電制御部188は、モータジェネレータMG1の発電量の増加量を、エンジンENGの動作状態やハイブリッド車両1の走行状態等に応じた値に設定してもよい。
充電制御部188は、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を、SOCが第1閾値TH1よりも大きくなるまで継続する。或いは、充電制御部188は、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を、加速期間が終了するまで継続する。つまり、SOCが第1閾値TH1よりも大きくなる又は加速期間が終了するまでは、モータジェネレータMG1の発電量が基準発電量よりも増加した状態が維持される。SOCが第1閾値TH1よりも大きくなった又は加速期間が終了した場合には、充電制御部188は、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を終了する。このため、モータジェネレータMG1の発電量は、元の基準発電量に戻る。
但し、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を開始するか否かを判定するための閾値と、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を終了するか否かを判定するための閾値とが共に第1閾値TH1である場合には、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作の開始と終了が頻繁に繰り返される可能性がある。従って、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を開始するか否かを判定するための閾値と、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を終了するか否かを判定するための閾値とが異なっていてもよい。例えば、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作を開始するか否かを判定するための閾値が第1閾値TH1であり、エンジンENGの出力を増加させる動作を終了するか否かを判定するための閾値が第1閾値に対して所定の第1マージンを加算した値であってもよい。
ここで、図4を参照しながら、図3の充電補助動作が実行されている状況下でSOCが第1閾値TH1以下であり且つ相対距離が所定距離D以下となる場合の動作について更に説明する。図4は、SOCが第1閾値TH1以下であり且つ相対距離が所定距離D以下となる場合の目標速度v、ハイブリッド車両1の速度、エンジンENGの回転数、充電要求量及びSOCを示すタイミングチャートである。
図4に示すように、時刻t41においてハイブリッド車両1が走行を開始するものとする。その結果、ハイブリッド車両1の速度は、目標車速vに追従するように増加していく。
ハイブリッド車両1が走行を開始する時刻t41からハイブリッド車両1の必要とする駆動力がある駆動力を上回ることになる時刻t42までの間は、ハイブリッド車両1は、モータジェネレータMG2の出力を駆動力として用いて走行する。つまり、ハイブリッド車両1は、エンジンENGの出力を駆動力として用いない。このため、時刻t41から時刻t42までの間は、エンジンENGが停止している(つまり、エンジンENGの出力はゼロのままである)。更に、時刻t41から時刻t42までの間は、モータジェネレータMG2がバッテリ173に蓄積された電力を消費するがゆえに、SOCが減少する。
その後、時刻t42においてハイブリッド車両1の必要とする駆動力がある駆動力を上回ることになると、エンジンENGが始動する。ここで、相対距離が所定距離D以下であるため、図4の4段目のグラフに示すように、充電要求量が、基準発電量よりも大きくなる。増加した充電要求量を満たすべく、エンジンENGの出力は、充電要求量が増加していない場合(つまり、相対距離が所定距離D以下でない場合)のエンジンENGの出力よりも大きくなる。つまり、エンジンENGの出力は、基準出力値よりも大きくなる。尚、図4の3段目のグラフは、エンジンENGの出力の増加が、エンジンENGの回転数の増加によって実現されている例を示す。その結果、モータジェネレータMG1の発電に伴って、SOCが回復していく。特に、充電要求量の増加によってモータジェネレータMG1の発電量が増加しているがゆえに、充電要求量が増加してない場合と比較して、SOCはより急速に回復していく。
加えて、エンジンENGの出力の増加分がMG1の発電に使用されるため、図4の1段目及び2段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1は、目標速度vでの走行を継続することができる。
その後、時刻t43において、ハイブリッド車両1の速度が巡航速度に到達する。つまり、時刻t43以降の期間は、ハイブリッド車両1は、概ね一定速度で走行する。従って、時刻t43において加速期間が終了する。このため、時刻t43において、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作が終了する。
再び図3において、他方で、ステップS124の判定の結果、相対距離が所定値D以下でないと判定される場合には(ステップS124:No)、上述した違和感を搭乗者が抱かない程度に相対距離が大きい(或いは、相対距離の短縮が可能である)と推定される。従って、この場合には、充電制御部188は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、以下の条件を満たす走行計画を再生成するように、走行計画生成部184に要求する(ステップS125)。
具体的には、再生成される走行計画は、加速期間において再生成前の走行計画が規定する目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1を加速させるという条件を満たす。更に、再生成される走行計画は、減速期間にハイブリッド車両1に回生させるという条件を満たす。尚、ステップS125の動作は、特許文献1(特開2009−286185号公報)に記載された動作と同一である。従って、説明の便宜上、ステップS125の動作の詳細については省略する。
走行計画の再生成の結果、走行計画が規定する速度パターン等が変更される。走行制御部185は、再生成された走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する。
ここで、図5を参照しながら、SOCが第1閾値TH1以下であり且つ相対距離が所定距離D以下でない場合の動作について更に説明する。図5は、図3の充電補助動作が実行されている状況下でSOCが第1閾値TH1以下であり且つ相対距離が所定距離D以下でない場合の目標速度v、ハイブリッド車両1の速度、エンジンENGの回転数、充電要求量、モータジェネレータMG2の回生量(つまり、回生による発電量)及びSOCを示すタイミングチャートである。
図5に示すように、時刻t51においてハイブリッド車両1が走行を開始するものとする。但し、相対距離が所定距離D以下でないがゆえに、図5の1段目のグラフに示すように、再生成前の走行計画が規定する目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1が加速する走行計画が再生成されている。このため、図5の2段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1の速度は、再生成前の走行計画が規定する目標速度vよりも速く増加していく。
ハイブリッド車両1の速度が相対的に速く増加していくため、加速期間中のハイブリッド車両1の運動エネルギーもまた相対的に早く増加していく。つまり、充電制御部188は、走行計画を再生成することで、後の減速期間で行われる回生等に利用可能な運動エネルギーの生成タイミングを調整する(この場合、早める)ことができる。従って、本来はエンジンENGを停止することが可能な減速期間においてSOCの過度な低下に起因してエンジンENGを始動しなければならないという技術的不都合が発生することが回避される。つまり、SOCの過度な低下に起因した燃費の悪化が抑制される。
更に、ハイブリッド車両1の速度が相対的に速く増加していくため、ハイブリッド車両1の必要とする駆動力もまた相対的に速く増加していく。その結果、再生成後の走行計画に基づいてハイブリッド車両1が走行する場合には、再生成前の走行計画に基づいてハイブリッド車両1が走行する場合と比較して、エンジンENGが始動するタイミングが早くなる。尚、エンジンENGが始動するタイミングが早くなるため、充電要求量が立ち上がるタイミングもまた早くなる。
その結果、時刻t52においてエンジンENGが始動するものとする。エンジンENGが始動するタイミングが早くなるため、再生成後の走行計画に基づいてハイブリッド車両1が走行する場合には、再生成前の走行計画に基づいてハイブリッド車両1が走行する場合と比較して、モータジェネレータMG2による電力の消費量が減少する。このため、図5の6段目のグラフに示すように、再生成後の走行計画に基づいてハイブリッド車両1が走行する場合には、再生成前の走行計画に基づいてハイブリッド車両1が走行する(更には、モータジェネレータMG1の発電量を増加させる動作も行われない)場合と比較して、SOCの低下が抑制される。
相対距離が所定距離D以下でないため、充電要求量は、基準発電量と一致している。このため、エンジンENGの出力もまた、基準出力値と一致している。但し、再生成後の走行計画に基づいて作動するエンジンENGの出力は、再生成前の走行計画に基づいて作動するエンジンENGの出力よりも大きくなる傾向にある。
その後、時刻t53において、ハイブリッド車両1が減速し始める。このため、図5の5段目のグラフに示すように、時刻t53において、モータジェネレータMG2が回生を開始する。その結果、減速期間においてバッテリ173の充電が促進されるがゆえに、SOCが回復していく。
加えて、加速期間中の加速度が大きくなり且つ減速期間中にバッテリ173が充電される場合には、加速期間中にバッテリ173が充電される場合と比較して、ハイブリッド車両1の平均速度が増加する。このため、ハイブリッド車両1が目的地に到達するまでに要する到達時間が短縮される。逆に言えば、ハイブリッド車両1は、到達時間の短縮分を活用することで、所望の時間に目的地に到達しながらも、燃費の向上を図るための動作(例えば、惰行走行や低速走行等)を実行することができる。
尚、再生成の対象となる走行計画は、加速期間及び減速期間を規定していることが好ましい。このため、走行計画を再生成する動作は、例えば、加速期間と減速期間とを交互に繰り返すようにハイブリッド車両1を走行させる走行計画を対象として行われることが好ましい。走行計画を再生成する動作は、例えば、エンジンが作動する状態でハイブリッド車両1が力行する期間とエンジンが停止している状態でハイブリッド車両1が惰性で走行する期間とを交互に繰り返すようにハイブリッド車両1を走行させる走行計画を対象として行われることが好ましい。但し、走行計画を再生成する動作は、加速期間及び減速期間を規定している任意の走行計画に対して行われてもよい。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド車両1は、SOCが第1所定閾値TH1以下である場合には、バッテリ173の充電を促進することができる。このため、ハイブリッド車両1は、第1所定閾値TH1以下になるまで小さくなったSOCを回復することができる。
更に、本実施形態のハイブリッド車両1は、走行計画の生成後に新たに検出された物体とハイブリッド車両1との間の相対距離が所定距離D以下である場合には、走行計画を変更することなく(つまり、目標速度vを変更することなく)、バッテリ173の充電を促進することができる。このため、ハイブリッド車両1の前方に物体が存在する状況下でバッテリ173が充電される場合において、本来は避けるべき又は適正な距離を間に確保するべき物体に向かってより一層加速する(つまり、より早く近付く)かのような違和感を搭乗者に与えることは殆どない。従って、ハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1の前方に何らかの物体が存在する場合においても、搭乗者に違和感を与えることなくバッテリ173を好適に充電することができる。
(3)充電補助動作の変形例
続いて、図6から図10を参照しながら、上述した充電補助動作の変形例について説明する。以下では、充電補助動作の第1変形例及び第2変形例について順に説明する。
(3−1)充電補助動作の第1変形例
図6及び図7を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う充電補助動作の第1変形例の流れについて説明する。図6は、本実施形態のハイブリッド車両1が行う充電補助動作の第1変形例の流れを示すフローチャートである。図7は、図6の充電補助動作の第1変形例が実行されている状況下でSOCが第2閾値TH2以下であり且つ相対距離が所定距離D以下となる場合の目標速度v、ハイブリッド車両1の速度、エンジンENGの回転数、充電要求量及びSOCを示すタイミングチャートである。尚、図3に示す充電補助動作が行う動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
図6及び図7に示すように、充電補助動作の第1変形例は、定常走行期間のうちの少なくとも一部にモータジェネレータMG1の発電量を増加させる(図6のステップS136)という点で、加速期間中にモータジェネレータMG1の発電量を増加させる(図3のステップS126)図3に示す充電補助動作とは異なる。充電補助動作の第1変形例のその他の動作は、図3に示す充電補助動作のその他の動作と同一であってもよい。
定常走行期間は、図7の2段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1が一定速度で走行する期間である。つまり、定常走行期間は、図7の1段目のグラフに示すように、目標速度vが一定となる(言い換えれば、変動しない)期間である。尚、図7は、時刻t71にハイブリッド車両1が走行を開始し、時刻t72にエンジンENGが始動し、時刻t73に定常走行期間が開始する例を示している。図7の4段目のグラフに示すように、第1変形例では、時刻t73以降の定常走行期間において、充電要求量が基準発電量よりも大きくなる。更に、図7の3段目のグラフに示すように、第1変形例では、時刻t71から時刻t72までの加速期間中のエンジンENGの出力が基準出力値に一致する一方で、時刻t73以降の定常走行期間中のエンジンENGの出力が基準出力値よりも大きくなる。
定常走行期間は、加速期間と比較して相対的に長くなる傾向が強い。このため、定常走行期間中にモータジェネレータMG1の発電量を増加させる場合には、加速期間中にモータジェネレータMG1の発電量を増加させる場合と比較して、モータジェネレータMG1が発電する電力の総量が大きくなる。このため、バッテリ173の充電がより一層促進される。従って、充電補助動作の第1変形例を実行するハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1の前方に何らかの物体が存在する場合においても、搭乗者に違和感を与えることなくバッテリ173をより好適に(例えば、より迅速に)充電することができる。
加えて、第1変形例の充電補助動作は、モータジェネレータMG1が発電する電力の総量を相対的に大きくすることができるがゆえに、SOCが過度に低下している場合においてもSOCが回復するようにバッテリ173を充電することができる。一方で、図3に示す充電補助動作は、モータジェネレータMG1が発電する電力の総量が相対的に小さいがゆえに、SOCが過度に低下している場合にはSOCが十分に回復するようにバッテリ173を充電することができない場合がある。このため、第1変形例の充電補助動作では、バッテリ173の充電の促進を開始するための条件の一つである「SOCが第1閾値TH1以下になる」という条件(図3のステップS123)に代えて、「SOCが第1閾値TH1よりも小さい第2閾値TH2以下になる」という条件が用いられてもよい(図6のステップS133)。但し、第1変形例の充電補助動作においても、「SOCが第1閾値TH1以下になる」という条件が用いられてもよい。
尚、図8のタイミングチャートに示すように、充電制御部188は、定常走行期間及び加速期間の双方において、モータジェネレータMG1の発電量を増加させてもよい。尚、図8は、時刻t81にハイブリッド車両1が走行を開始し、時刻t82にエンジンENGが始動し、時刻t83に定常走行期間が開始する例を示している。図8の4段目のグラフに示すように、時刻t81から時刻t82までの加速期間及び時刻t83以降の定常走行期間の双方において、充電要求量が基準発電量よりも大きくなってもよい。更に、図8の3段目のグラフに示すように、時刻t81から時刻t82までの加速期間及び時刻t83以降の定常走行期間の双方においてエンジンENGの出力が基準出力値よりも大きくなる。その結果、定常走行期間及び加速期間のうちのいずれか一方においてモータジェネレータMG1の発電量を増加させる場合と比較して、モータジェネレータMG1が発電する電力の総量がより一層大きくなる。このため、バッテリ173の充電がより一層促進される。
(3−2)充電補助動作の第2変形例
続いて、図9及び図10を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う充電補助動作の第2変形例の流れについて説明する。図9は、本実施形態のハイブリッド車両1が行う充電補助動作の第2変形例の流れを示すフローチャートである。図10は、図9に示す充電補助動作の第2変形例が実行されている状況下でSOCが第3閾値TH3以下であり且つ相対距離が所定距離D以下とならない場合の目標速度v、ハイブリッド車両1の速度、エンジンENGの回転数、充電要求量、回生量及びSOCを示すタイミングチャートである。尚、図3に示す充電補助動作が行う動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、充電補助動作の第2変形例は、相対距離が所定距離D以下でないと判定された後の動作が異なるという点で、図3に示す充電補助動作とは異なる。充電補助動作の第2変形例のその他の動作は、図3に示す充電補助動作のその他の動作と同一であってもよい。
具体的には、ステップS124の判定の結果、相対距離が所定値D以下でないと判定される場合には(ステップS124:No)、SOC判定部186は、内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、SOCが、第1閾値TH1及び第2閾値TH2よりも小さい第3閾値TH3以下であるか否かを判定する(ステップS141)。
SOCが第3閾値TH3以下であるか否かを判定する動作は、SOCが過度に低下しているか否か(言い換えれば、バッテリ173の放電が過度に進行しているか否か)を判定する動作であるとも言える。このため、SOC判定部186が使用する第3閾値TH3としては、SOCが過度に低下している状態とSOCが過度に低下しているとまでは言えない状態とを識別可能な値が用いられることが好ましい。第3閾値TH3としては、典型的には、ハイブリッド車両1毎に、バッテリ173毎に又はハイブリッド車両1の走行状態に応じて設定される適切な値が用いられる。例えば、第3閾値TH1として、40%以下の任意の値が用いられてもよい。
ステップS141の判定の結果、SOCが第3閾値TH3以下でないと判定される場合には(ステップS141:No)、充電制御部188は、走行計画を再生成するように、走行計画生成部184に要求する(ステップS125)。
他方で、ステップS141の判定の結果、SOCが第3閾値TH3以下であると判定される場合には(ステップS141:Yes)、充電制御部188は、以下の条件を満たす走行計画を再生成するように、走行計画生成部184に要求する(ステップS142)。
具体的には、ステップS142で再生成される走行計画は、加速期間において再生成前の走行計画が規定する目標速度vを実現するための加速度よりも大きな加速度でハイブリッド車両1を加速させるという条件を満たす。更に、ステップS142で再生成される走行計画は、減速期間にハイブリッド車両1に回生させるという条件を満たす。これら2つの条件は、ステップS125において再生成される走行計画が満たすべき条件と同じである。加えて、ステップS142で再生成される走行計画は、定常走行期間において再生成前の走行計画が規定する目標速度v(巡航速度)よりも高い巡航速度でハイブリッド車両1を走行させるという条件を満たす。
ここで、図10を参照しながら、SOCが第3閾値TH1以下であり且つ相対距離が所定距離D以下でない場合の動作について更に説明する。図10は、図9の充電補助動作の第2変形例が実行されている状況下でSOCが第1閾値TH1以下であり且つ相対距離が所定距離D以下でない場合の目標速度v、ハイブリッド車両1の速度、エンジンENGの回転数、充電要求量、モータジェネレータMG2の回生量(つまり、回生による発電量)及びSOCを示すタイミングチャートである。
図10は、時刻t101にハイブリッド車両1が走行を開始し、時刻t102にエンジンENGが始動し、時刻t103に定常走行期間が開始し、時刻t104に減速期間が開始する例を示している。図10の1段目のグラフに示すように、再生成後の走行計画が規定する定常走行期間中の目標速度vは、再生成前の走行計画が規定する定常走行期間中の目標速度vよりも高い。このため、図10の2段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1は、定常走行期間中において、再生成後の走行計画が規定する定常走行期間中の目標速度vよりも高い巡航速度で走行する。
その結果、走行計画が再生成される場合には、走行計画が再生成されない場合と比較して、ハイブリッド車両1の運動エネルギーが増加する。このため、走行計画が再生成される場合には、走行計画が再生成されない場合と比較して、時刻t104以降の減速期間における回生量もまた増加する。つまり。減速期間においてバッテリ173の充電がより一層促進されるがゆえに、SOCがより急速に回復していく。
上述のハイブリッド車両1は、2つのモータジェネレータMG1及びMG2を備えている。しかしながら、ハイブリッド車両1は、単一の又は3つ以上のモータジェネレータを備えていてもよい。
上述の実施形態で説明された一の構成要件は、上述の実施形態で説明された他の構成要件と適宜組み合わせることができる。上述の実施形態で説明された構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。
尚、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置もまた本発明の技術思想に含まれる。