以下、図面を参照して本発明の車両制御装置の実施形態について説明する。尚、以下では、本発明の車両制御装置の一例が適用されたハイブリッド車両1を用いて、本発明の車両制御装置の実施形態の説明を進める。
(1)ハイブリッド車両1の構造
図1を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1の構造の一例について説明する。図1は、本実施形態のハイブリッド車両1の構造の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、センサ11と、GPS(Global Positioning System)受信部12と、地図DB(DataBase)13と、ナビゲーションシステム14と、アクチュエータ15と、HMI(Human Machine Interface)16と、ハイブリッドシステム17と、「車両制御装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)18と、液圧ブレーキシステム19とを備えている。
センサ11は、ハイブリッド車両1の走行に必要な又は有用な情報を検出する検出機器である。センサ11の検出結果は、ナビゲーションシステム14及びECU18に対して適宜出力される。センサ11は、例えば、外部センサ111と、内部センサ112とを含む。
外部センサ111は、ハイブリッド車両1の外部状況を検出する検出機器である。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の周囲の環境(いわゆる、走行環境)を含んでいてもよい。
外部センサ111は、カメラ1111を含む。カメラ1111は、ハイブリッド車両1の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラ1111は、例えば、ハイブリッド車両1のフロントガラスの裏側(内側)に設置されている。このため、カメラ1111は、典型的には、ハイブリッド車両1の前方の風景を撮像する。特に、カメラ1111は、ハイブリッド車両1の前方に存在する信号を撮像可能である。カメラ1111は、撮像結果(検出結果)を示す撮像情報を、ECU18に対して出力する。カメラ1111は、単眼カメラであってもよい。カメラ1111は、両眼視差を再現するように配置された2つの撮像部を備える複眼カメラ(言い換えれば、ステレオカメラ)であってもよい。ステレオカメラから出力される撮像情報は、奥行方向の情報も含む。
外部センサ111は、更に、レーダー及びライダー(LIDER:Laser Imaging DEtection and Ranging)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
レーダーは、電波(例えば、ミリ波)を利用してハイブリッド車両1の周囲の物体(例えば、障害物や、他の車両や、歩行者や、動物等)を検出する。レーダーは、ハイブリッド車両1の周囲に向けて電波を出射すると共に物体で反射された電波を検出することで、物体を検出する。レーダーは、物体の検出結果を示す第1物体情報を、ECU18に対して出力する。尚、ECU18がセンサーフュージョンを行う場合には、レーダーは、物体の検出結果を示す第1物体情報に加えて又は代えて、電波の検出結果を示す電波情報をECU18に対して出力してもよい。
ライダーは、光を利用してハイブリッド車両1の周囲の物体を検出する。ライダーは、ハイブリッド車両1の周囲に向けて光を出射すると共に物体で反射された光を検出することで、物体を検出する。ライダーは、物体の検出結果を示す第2物体情報を、ECU18に対して出力する。尚、ECU18がセンサーフュージョンを行う場合には、ライダーは、物体の検出結果を示す第2物体情報に加えて又は代えて、光の検出結果を示す光情報をECU18に対して出力してもよい。
内部センサ112は、ハイブリッド車両1の内部状況を検出する検出機器である。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の走行状態を含んでいてもよい。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1が備える各種機器の動作状態を含んでいてもよい。
内部センサ112は、車速センサ1121を含む。車速センサ1121は、ハイブリッド車両1の速度を検出する検出機器である。車速センサ1121の一例として、ハイブリッド車両1の車輪175又は車輪175と一体的に回転する車軸174等に対して設置され、且つ、車輪175の回転速度を検出可能な車輪速センサがあげられる。車速センサ1121は、速度の検出結果を示す速度情報を、ECU18に対して出力する。
内部センサ112は、更に、加速度センサ及びヨーレートセンサのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
加速度センサは、ハイブリッド車両1の加速度を検出する検出機器である。加速度センサは、例えば、ハイブリッド車両1の前後方向の加速度を検出する第1加速度センサと、ハイブリッド車両1の横方向の加速度を検出する第2加速度センサとを含んでいてもよい。加速度センサは、加速度の検出結果を示す加速度情報を、ECU18に対して出力する。
ヨーレートセンサは、ハイブリッド車両1の重心の鉛直方向の軸周りの回転角速度(つまり、ヨーレート)を検出する検出機器である。ヨーレートセンサの一例として、ジャイロセンサがあげられる。ヨーレートセンサは、ヨーレートの検出結果であるヨーレート情報を、ECU18に対して出力する。
GPS受信部12は、3個以上のGPS衛星からGPS信号を受信することで、ハイブリッド車両1の位置(例えば、ハイブリッド車両1の緯度及び経度であり、以降適宜“車両位置”と称する)を計測する。GPS受信部12は、計測した車両位置を示す車両位置情報を、ナビゲーションシステム14及びECU18に対して出力する。尚、ハイブリッド車両1は、GPS受信部12に加えて又は代えて、車両位置を計測可能な計測機器を備えていてもよい。更に、センサ11の検出結果と後述する地図情報とを照合するためには、ハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1の方位を計測する計測機器を備えていることが好ましい。
地図DB13は、 地図を示す地図情報を格納するデータベースである。地図DB13は、ハイブリッド車両1に搭載された記録媒体(例えば、HDD(Hard Disk Drive))内に構築されている。地図情報は、例えば、地図内に含まれる道路、交差点、分岐点及び信号等の位置を示す道路位置情報や、地図内に含まれる道路の形状を示す道路形状情報(例えば、曲線及び直線等の種別を示す情報や、曲線の曲率等を示す情報)等を含む。地図情報は、更に、建物や壁等の遮蔽構造物の位置を示す建物位置情報を含んでいてもよい。地図情報は更に、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術をECU18に実行させるべく、外部センサ111の検出結果を含んでいてもよい。尚、地図DB13は、ハイブリッド車両1と通信可能な外部のサーバ内に構築されていてもよい。この場合、ECU18は、必要に応じて、外部のサーバから地図DB13の少なくとも一部をダウンロードすることが好ましい。
ナビゲーションシステム14は、ハイブリッド車両1の搭乗者によって設定された目的地に到達するように、搭乗者に対して案内を行う。ナビゲーションシステム14は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、ハイブリッド車両1の現在位置(或いは、搭乗者が設定した所定の出発位置)から目的地に至るまでにハイブリッド車両1が走行するべき経路を示す目標ルートを算出する。ナビゲーションシステム14は、複数車線が存在する走行区間においてハイブリッド車両1が走行することが好ましい車線を特定可能な目標ルートを算出していてもよい。ナビゲーションシステム14は、不図示のディスプレイでの表示及び不図示のスピーカによる音声出力を用いて、目標ルートを搭乗者に通知する。更に、ナビゲーションシステム14は、目標ルートを示す目標ルート情報を、ECU18に対して出力する。尚、ナビゲーションシステム14は、ハイブリッド車両1に搭載されることに加えて又は代えて、外部のサーバに搭載されていてもよい。この場合、ECU18は、必要に応じて、外部のサーバに対して車両位置情報を送信する共に、外部のサーバから送信される目標ルート情報を受信することが好ましい。
アクチュエータ15は、ハイブリッド車両1の走行を制御する。アクチュエータ15は、スロットルアクチュエータ151を含む。スロットルアクチュエータ151は、ECU18の制御下で、後述するエンジンENGに対する空気の供給量を制御する。その結果、スロットルアクチュエータ151は、エンジンENGの出力を制御することができる。つまり、スロットルアクチュエータ151は、ハイブリッド車両1の駆動力を制御することができる。
アクチュエータ15は、更に、ブレーキアクチュエータ及び操舵アクチュエータのうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。ブレーキアクチュエータは、ECU18の制御下で、ハイブリッド車両1が備える液圧ブレーキシステム19が車輪175に対して付与する液圧ブレーキ力を制御する。つまり、ブレーキアクチュエータは、ハイブリッド車両1の減速度を制御することができる。操舵アクチュエータは、ECU18の制御下で、ハイブリッド車両1が備える不図示の電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの動作を制御する。その結果、操舵アクチュエータは、ハイブリッド車両1の操舵力及び操舵方向を制御することができる。
HMI16は、ハイブリッド車両1の搭乗者とハイブリッド車両1との間で情報の入力及び出力を行うためのインタフェースである。HMI16は、例えば、搭乗者に提示する画像を表示可能なディスプレイを含んでいてもよい。HMI16は、例えば、搭乗者に提示する音声を出力可能なスピーカを含んでいてもよい。HMI16は、例えば、搭乗者によって操作可能な操作機器(例えば、操作ボタンやタッチパネル等)を含んでいてもよい。HMI16は、無線でハイブリッド車両1に接続された携帯情報端末を用いて、搭乗者とハイブリッド車両1との間で情報の入力及び出力を行ってもよい。
ハイブリッドシステム17は、ECU18の制御下でハイブリッド車両1の駆動力を生成するハイブリッド車両1のパワートレインである。ハイブリッドシステム17は、「内燃機関」の一具体例であるエンジンENGと、モータジェネレータMG1と、「回転電機」の一具体例であるモータジェネレータMG2と、動力分割機構171と、インバータ172と、バッテリ173とを備える。
エンジンENGは、ガソリンや軽油等の燃料を燃焼することで作動する。エンジンENGは、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する主たる駆動源として機能する。加えて、エンジンENGは、モータジェネレータMG1の回転軸を回転させる(言いかえれば、駆動する)ための駆動源として機能する。
モータジェネレータMG1は、バッテリ173を充電するための発電機として機能する。モータジェネレータMG1が発電機として機能する場合には、モータジェネレータMG1の回転軸は、エンジンENGの動力によって回転する。但し、モータジェネレータMG1は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて作動することで、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する電動機として機能してもよい。
モータジェネレータMG2は、バッテリ173に蓄積された電力を用いて作動することで、ハイブリッド車両1の駆動力を供給する電動機として機能する。
モータジェネレータMG2は、更に、バッテリ173を充電するための発電機として機能する。この場合、モータジェネレータMG2の回転軸は、車輪175に連結された車軸174からモータジェネレータMG2に伝達される動力(つまり、ハイブリッド車両1の運動エネルギー)によって回転する。このため、モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両1の運動エネルギーを電力エネルギーに変換する回生動作を行う。その結果、モータジェネレータMG2は、回生動作により電力を生成することができる。加えて、モータジェネレータMG2が回生動作を行っている場合には、車軸174には、回生動作に起因したブレーキトルク(以降、適宜“回生トルク”)が付与される。その結果、ハイブリッド車両1を減速させるように作用する回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される。
動力分割機構171は、図示せぬサンギア、プラネタリキャリア、ピニオンギア、及びリングギアを備えた遊星歯車機構である。サンギアの回転軸はモータジェネレータMG1の回転軸に連結されている。リングギアの回転軸は、モータジェネレータMG2の回転軸に連結されている。サンギアとリングギアの中間にあるプラネタリキャリアの回転軸は、クラッチCを介してエンジンENGの回転軸(つまり、クランクシャフト)に連結されている。エンジンENGの回転は、プラネタリキャリア及びピニオンギアによって、サンギア及びリングギアに伝達される。つまり、エンジンENGの動力は、2系統に分割される。リングギアの回転軸は、車軸174に連結されている。ハイブリッドシステム17が生成する駆動力は、この車軸174を介して車輪175に伝達される。
インバータ172は、バッテリ173から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG1及びMG2に供給する。更に、インバータ172は、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ173に供給する。
バッテリ173はモータジェネレータMG1及びMG2が作動するための電力をモータジェネレータMG1及びMG2に供給する電力供給源である。バッテリ173は、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された電力を用いて充電可能な蓄電池である。但し、バッテリ173に加えて又は代えて、任意のキャパシタが用いられてもよい。
車軸174は、エンジンENG及びモータジェネレータMG2から出力された動力を車輪175に伝達するための伝達軸である。車輪175は、車軸174を介して伝達される動力を、ハイブリッド車両1の駆動力として路面に伝達する手段である。
ECU18は、ハイブリッド車両1の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。本実施形態では特に、ECU18は、ハイブリッド車両1を自動走行させるための自動走行動作を実行する。
主として自動走行動作を実行するために、ECU18は、その内部に実現される論理的な処理ブロック又は物理的な処理回路として、車両位置認識部181と、「認識手段」の一具体例である外部状況認識部182と、内部状況認識部183と、「生成手段」の一具体例である走行計画生成部184と、「第1制御手段」の一具体例である走行制御部185とを備えている。
車両位置認識部181は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、車両位置(特に、地図上での車両位置)を認識する。尚、車両位置認識部181は、ナビゲーションシステム14が用いる車両位置をナビゲーションシステム14から取得することで、車両位置を認識してもよい。道路等に設置されたセンサによってハイブリッド車両1の位置が計測される場合には、車両位置認識部181は、当該センサと通信することで車両位置を認識してもよい。尚、車両位置認識部181は、外部センサ111の検出結果と地図情報とを照合することで、車両位置の計測精度を補うようにGPS受信部12の計測結果である車両位置情報を補正してもよい。
外部状況認識部182は、外部センサ111の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の外部状況を認識する。外部状況は、ハイブリッド車両1の前方(具体的には、ハイブリッド車両1の進行方向に沿った前方)に存在する信号の状態を含んでいる。この場合、外部状況認識部182は、例えば、カメラ1111の撮像結果に基づいて、ハイブリッド車両1の前方に信号が存在するか否かを認識する。ハイブリッド車両1の前方に信号が存在すると認識した場合には、外部状況認識部182は、更に、信号が赤信号であるか否か(つまり、信号の状態が、ハイブリッド車両1の停止を指示する状態であるか否か)を認識する。或いは、外部状況認識部182は、カメラ1111の撮像結果に基づいて、信号が青信号であるか否か(つまり、信号の状態が、ハイブリッド車両1の進行を許可する状態)であるか否かを認識してもよい。
外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況を含んでいてもよい。ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況は、物体の動きの有無、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な位置、ハイブリッド車両1と物体との間の相対的な距離(相対距離)、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な移動方向、及び、ハイブリッド車両1に対する物体の相対的な速度(相対速度)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。外部状況は、例えば、ハイブリッド車両1に対する走行車線の白線の位置及びハイブリッド車両1に対する走行車線の中心の位置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。外部状況は、例えば、道路幅及び道路の形状(例えば、走行車線の曲率や、外部センサ111がハイブリッド車両1からどれだけ離れた位置の外部状況を検出することができるかを推定するために参照される走行車線の勾配及びうねり等)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
内部状況認識部183は、内部センサ112の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の内部状況を認識する。内部状況は、例えば、ハイブリッド車両1の速度、ハイブリッド車両1の加速度及びハイブリッド車両1のヨーレートのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
走行計画生成部184は、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況及び内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、ハイブリッド車両1の目標進路を生成する。目標進路は、目標ルートにおいてハイブリッド車両1が進むべき軌跡を示す。走行計画生成部184は、目標ルート上においてハイブリッド車両1が安全、法令順守及び走行効率等の基準を考慮しながら好適に走行するように、目標進路を生成する。走行計画生成部184は、ハイブリッド車両1の周囲の物体の状況に基づいて、物体との接触を回避するように目標進路を生成する。
尚、ここで言う目標ルートには、特許第5382218号(国際公開第2011/158347号パンフレット)に記載された運転支援装置又は特開2011−162132号公報に記載された自動運転装置における道なり走行ルートが包含される。道なり走行ルートとは、目的地が搭乗者によって明示的に指定されていない場合に、外部状況や地図情報等に基づいて自動的に生成される経路を示す走行ルートである。
走行計画生成部184は、生成した目標進路に応じた走行計画を生成する。具体的には、走行計画生成部184は、ハイブリッド車両1の外部状況及び地図情報に基づいて、目標進路に沿ってハイブリッド車両1を走行させる走行計画を生成する。走行計画生成部184は、例えば、ハイブリッド車両1に対して固定された座標系でのハイブリッド車両1の目標位置p及び各目標位置pでのハイブリッド車両1の目標速度vを含む配位座標(p、v)を複数含む走行計画を生成する。ここで、目標位置pは、ハイブリッド車両1に対して固定された座標系でのx座標及びy座標の位置又は当該位置と等価な情報である。
走行計画は、ハイブリッド車両1の挙動(言い換えれば、走行態様)を特定可能である限りは、どのような情報を含んでいてもよい。例えば、走行計画は、目標速度vに加えて又は代えて、各目標位置pにハイブリッド車両1が到達するべき目標時刻tを含んでいてもよい。走行計画は、目標速度vに加えて又は代えて、目標時刻tと当該目標時刻tの時点でのハイブリッド車両1の目標方位(或いは、進行方向)とを含んでいてもよい。尚、目標時刻tは、目標位置pを用いて目標速度vへの換算が可能であるという点で、目標速度vを間接的に示しているとも言える。
通常、走行計画は、現在時刻から数秒先の将来に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定していれば十分である。つまり、走行計画は、現在の車両位置から数秒先の将来の時点でハイブリッド車両1が位置するであろうと推定される所定地点に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定していれば十分である。但し、ハイブリッド車両1が特定の走行パターンで走行する(例えば、ハイブリッド車両1が交差点を右折する又は追い越しをかける)場合には、走行計画は、現在時刻から数十秒先の将来に至るまでの期間中のハイブリッド車両1の挙動を特定することが好ましい。従って、走行計画が含む配位座標(p、v)の数及び2つの配位座標(p、v)の間の間隔(或いは、2つの目標位置pの間の間隔)は可変であることが好ましい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中のハイブリッド車両1の目標速度vの推移を特定する速度パターンを含んでいてもよい。速度パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔(例えば、1メートル間隔)で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標速度vと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、v、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中のハイブリッド車両1の目標加速度aの推移を特定する加速度パターンを含んでいてもよい。加速度パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標加速度aと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、a、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画は、目標ルートに沿った目標進路をハイブリッド車両1が走行する期間中の、電動パワーステアリングシステムが付与するべき操舵トルクの目標値(目標操舵トルクTtg)の推移を特定する操舵パターンを含んでいてもよい。操舵パターンは、例えば、目標進路上に所定間隔で設定された目標位置pと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達した時点での目標操舵トルクTtgと、ハイブリッド車両1が目標位置pに到達するべき目標時刻tとを含む配位座標(p、Ttg、t)を複数含んでいてもよい。
走行計画生成部184は、スプライン関数等を用いて複数の配位座標をつなぐ曲線を近似すると共に、当該曲線を特定可能なパラメータを含む走行計画を生成してもよい。走行計画生成部184は、旅行時間(具体的には、ハイブリッド車両1が目的地に到達するために要する時間)が最も小さくなるように、走行計画を生成してもよい。走行計画の具体的な生成方法としては、ハイブリッド車両1の挙動を特定することが可能な走行計画を生成可能である限りは、公知の生成方法が採用可能である。
走行制御部185は、走行計画生成部184が生成した走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する。
例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行するように、アクチュエータ15を制御する。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッドシステム17を制御する。具体的には、例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が加速する又は定常走行する場合には、エンジンENG並びにモータジェネレータMG1及びMG2を制御することで、ハイブリッド車両1を自動走行させてもよい。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する場合には、回生ブレーキ力を付与するようにモータジェネレータMG2を制御することで、ハイブリッド車両1を減速させてもよい。例えば、走行制御部185は、走行計画に基づいてハイブリッド車両1が減速する場合には、液圧ブレーキ力を付与するように液圧ブレーキシステムを制御することで、ハイブリッド車両1を減速させてもよい。その結果、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行するように自動走行する。具体的には、例えば走行計画が配位座標(p、v、t)を含む場合には、ハイブリッド車両1は、目標時刻tの時点で目標位置pを目標速度vで通過するように自動走行する。
加えて、走行制御部185は、外部状況認識部182が認識した信号の状態に基づいて、ハイブリッド車両1を制御する。例えば、ハイブリッド車両1の前方に位置する信号が赤信号である場合には、走行制御部185は、当該信号においてハイブリッド車両1が停止するように、ハイブリッド車両1を制御する。例えば、ハイブリッド車両1の前方に位置する信号が青信号である場合には、走行制御部185は、走行計画に基づく走行を継続することでハイブリッド車両1が当該信号を通過するように、ハイブリッド車両1を制御する。
ECU18は、上述した自動走行動作(つまり、走行計画を生成すると共に走行計画に基づいてハイブリッド車両1を制御する動作)と並行して、自動走行動作を補助する動作に相当する減速補助動作を実行する。減速補助動作は、ハイブリッド車両1が信号に接近している状況下で外部状況認識部182が当該信号の状態を認識することができなかった場合に、ハイブリッド車両1の減速を促す(言い換えれば、停止に備える)動作である。
主として減速補助動作を行うために、ECU18は、「第2制御手段」の一具体例である減速制御部187を備えている。
減速制御部187は、ハイブリッド車両1が信号に接近しているか否かを判定する。更に、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が信号に接近している状況下で外部状況認識部182が当該信号の状態を認識することができなかった場合に、ハイブリッド車両1の減速を促す。尚、減速制御部187の具体的な動作については、図3等を参照しながら後に詳述する。
液圧ブレーキシステム19は、ブレーキ液等の液圧(典型的には、油圧)を利用してハイブリッド車両1に液圧ブレーキ力を付与する。例えば、液圧ブレーキシステム19は、ブレーキパッドと、当該ブレーキパッドが押し当てられると共に車輪175と共に回転するブレーキローターとを備えている。上述したブレーキアクチュエータは、液圧を調整することでブレーキローターに対してブレーキパッドを押し付ける力を調整する。その結果、ブレーキパッドとブレーキローターとの機械的摩擦に起因した液圧ブレーキ力が、ハイブリッド車両1に付与される。液圧ブレーキ力が機械的摩擦に起因していることを考慮すれば、液圧ブレーキシステム19は、摩擦ブレーキシステムであるとも言える。
(2)ハイブリッド車両1の動作
続いて、図2から図7を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う動作(特に、自動走行動作及び減速補助動作)について説明する。以下では、説明の便宜上、自動走行動作について説明した後に、減速補助動作について説明する。
(2−1)自動走行動作の流れ
図2を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作の流れについて説明する。図2は、本実施形態のハイブリッド車両1が行う自動走行動作の流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、ECU18は、搭乗者が自動走行動作の実行を要求しているか否かを判定する(ステップS111)。搭乗者は、HMI16を用いて自動走行動作の実行を要求することができる。従って、ECU18は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、搭乗者が自動走行動作の実行を要求しているか否かを判定してもよい。
ステップS111の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の実行を要求していないと判定される場合には(ステップS111:No)、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了する。その後、ECU18は、第1所定期間経過後に、再度図2に示す自動走行動作を開始してもよい。
他方で、ステップS111の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の実行を要求していると判定される場合には(ステップS111:Yes)、車両位置認識部181は、GPS受信部12の計測結果である車両位置情報及び地図DB13が格納する地図情報に基づいて、車両位置を認識する(ステップS112)。更に、外部状況認識部182は、外部センサ111の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の外部状況を認識する(ステップS112)。更に、内部状況認識部183は、内部センサ112の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両1の内部状況を認識する(ステップS112)。
その後、走行計画部184は、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況及び内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、走行計画を生成する(ステップS113)。
その後、走行制御部185は、走行計画生成部184が生成した走行計画に基づいて、ハイブリッド車両1が自動走行するように、ハイブリッド車両1を制御する(ステップS114)。その結果、ハイブリッド車両1は、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を自動走行する。つまり、ハイブリッド車両1は、搭乗者の操作がなくても、走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行する。
その後、ECU18は、搭乗者が自動走行動作の停止を要求しているか否かを判定する(ステップS115)。搭乗者は、HMI16を用いて自動走行動作の停止を要求することができる。従って、ECU18は、HMI16を介した搭乗者の操作内容を監視することで、搭乗者が自動走行動作の停止を要求しているか否かを判定してもよい。
ステップS115の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していないと判定される場合には(ステップS115:No)、ECU18は、第2所定期間が経過する毎に、ステップS112からステップS114の動作を繰り返す。従って、ハイブリッド車両1は、周期的に生成される走行計画に基づいて、目標ルート上の目標進路を走行するように自動走行し続ける。
他方で、ステップS115の判定の結果、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していると判定される場合には(ステップS115:Yes)、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了する。その後、ECU18は、第1所定期間経過後に、再度図2に示す自動走行動作を開始してもよい。
尚、搭乗者が自動走行動作の停止を要求していない場合であっても、ハイブリッド車両1が目的地に到達した場合に、ECU18は、図2に示す自動走行動作を終了してもよい。この場合、HMI16は、搭乗者に対して、ハイブリッド車両1が目的地に到達し且つ自動走行動作が終了する旨を通知してもよい。
(2−2)減速補助動作の流れ
続いて、図3を参照しながら、本実施形態のハイブリッド車両1が行う減速補助動作の流れについて説明する。図3は、本実施形態のハイブリッド車両1が行う減速補助動作の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、ECU18は、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中であるか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121の判定の結果、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中でないと判定される場合には(ステップS121:No)、ECU18は、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。
他方で、ステップS121の判定の結果、ハイブリッド車両1が自動走行動作を実行中であると判定される場合には(ステップS121:Yes)、減速制御部187は、走行計画生成部184が生成した走行計画を取得する(ステップS122)。
その後、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が、当該ハイブリッド車両1の前方に存在し且つ目標ルート上に存在する信号に接近しているか否かを判定する(ステップS123)。ここでは、減速制御部187は、外部状況認識部182による信号の存在の認識結果に関わらず、ハイブリッド車両1が、地図情報によってその存在が示されている信号に接近しているか否かを判定する。つまり、減速制御部187は、地図上での車両位置が、地図上において信号が存在する位置に接近しているか否かを判定する。尚、以下では、特段の説明がない場合には、「ハイブリッド車両1が接近している、地図情報によってその存在が示されている信号」を単に「信号」と表記する。
減速制御部187は、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間に基づいて、ハイブリッド車両1が信号に接近しているか否かを判定してもよい。例えば、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間が所定時間よりも長ければ、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が信号に未だ接近していないと判定してもよい。例えば、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間が所定時間よりも短ければ、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が信号に接近していると判定してもよい。
減速制御部187は、ハイブリッド車両1の速度と、ハイブリッド車両1から信号までの距離とに基づいて、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間を算出(言い換えれば、予測)することができる。減速制御部187は、内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、ハイブリッド車両1の速度を認識することができる。減速制御部187は、走行計画生成部184が生成した走行計画と、車両位置認識部181が認識した車両位置と、地図DB13が格納する地図情報とに基づいて、ハイブリッド車両1から信号までの距離を認識することができる。従って、減速制御部187は、走行計画、車両位置、地図情報及び内部状況に基づいて、ハイブリッド車両1が信号に接近しているか否かを判定することができる。
但し、減速制御部187は、その他の方法で、ハイブリッド車両1が信号に接近しているか否かを判定してもよい。例えば、減速制御部187は、地図DB13が格納する地図情報、ナビゲーションシステム14が算出した目標ルート、車両位置認識部181が認識した車両位置、外部状況認識部182が認識した外部状況、内部状況認識部183が認識した内部状況、及び、走行計画生成部184が生成した走行計画のうちの少なくとも一つに基づいて、ハイブリッド車両1が信号に接近しているか否かを判定してもよい。
ハイブリッド車両1の前方に複数の信号が存在する場合には、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が、複数の信号のうちの少なくとも一つに接近しているか否かを判定する。例えば、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が、複数の信号のうちハイブリッド車両1に最も近接する(言い換えれば、次にハイブリッド車両1が到達する)一つの信号に接近しているか否かを判定してもよい。
ステップS123の判定の結果、ハイブリッド車両1が信号に接近していないと判定される場合には(ステップS123:No)、ECU18は、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。
他方で、ステップS123の判定の結果、ハイブリッド車両1が信号に接近していると判定される場合には(ステップS123:Yes)、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識しているか否かを判定する(ステップS124)。
上述したように、外部状況認識部182は、カメラ1111の撮像結果に基づいて、ハイブリッド車両1の前方に信号が存在するか否かを認識する。カメラ1111の撮像環境が良好でない場合には、地図情報によってその存在が示されている信号にハイブリッド車両1が接近しているにも関わらず、ハイブリッド車両1の前方に信号が存在しないと外部状況認識部182が認識することがある。カメラ1111の撮像環境が良好でない場合の一例として、カメラ1111による信号の撮像に影響を与える逆光や障害物や信号の汚れ等が存在する場合があげられる。この場合には、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定する。一方で、地図情報によってその存在が示されている信号にハイブリッド車両1が接近している状況下で、ハイブリッド車両1の前方に信号が存在すると外部状況認識部182が認識している場合には、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定する。
或いは、上述したように、外部状況認識部182は、カメラ1111の撮像結果に基づいて、信号が赤信号(或いは、青信号)であるか否かを認識する。この場合においても、カメラ1111の撮像環境が良好でない場合には、地図情報によってその存在が示されている信号にハイブリッド車両1が接近している又はハイブリッド車両1の前方に信号が存在すると外部状況認識部182が認識しているにも関わらず、信号が赤信号であるのか又は青信号であるのかを外部状況認識部182が認識できない場合がある。この場合には、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定する。一方で、信号が赤信号であるのか又は青信号であるのかを外部状況認識部182が認識している場合には、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定する。
ステップS124の判定の結果、外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定される場合には(ステップS124:Yes)、ECU18は、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第3所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。
他方で、ステップS124の判定の結果、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には(ステップS124:No)、地図情報によってその存在が示されている信号にハイブリッド車両1が接近しているにも関わらず、当該信号の状態をハイブリッド車両1が認識することができていない。このため、ハイブリッド車両1は、信号が青信号であるがゆえに走行計画に基づく走行をそのまま継続してもよいのか又は信号が赤信号であるがゆえに信号において停止するべきであるのかを決定することができない。そこで、本実施形態では、減速制御部187は、ハイブリッド車両1の安全な走行を優先させるべく、外部状況認識部182が状態を認識することができなかった信号が赤信号であるものと推定する。その上で、減速制御部187は、信号での停止に備えてハイブリッド車両1の減速を促す動作(言い換えれば、ハイブリッド車両1を実際に停止させなくてよいものの、ハイブリッド車両1の停止に備える動作)を行う。
具体的には、減速制御部187は、ハイブリッド車両1がHV(Hybrid Vehicle)モードで走行しているか否かを判定する(ステップS125)。尚、HVモードは、エンジンENGが停止していない(つまり、エンジンENGの出力がハイブリッド車両1の駆動力として用いられる)走行モードである。
ステップS125の判定の結果、ハイブリッド車両1がHVモードで走行していると判定される場合には(ステップS125:Yes)、減速制御部187は更に、エンジンENGの停止が禁止されているか否かを判定する(ステップS131)。つまり、減速制御部187は、エンジンENGの間欠運転が禁止されているか否かを判定する。
例えば、エンジンENGが暖機中である場合には、エンジンENGの暖機を促進するべく、エンジンENGの停止が禁止されることが多い。従って、エンジンENGが暖機中である場合には、減速制御部187は、エンジンENGの停止が禁止されている(つまり、間欠運転が禁止されている)と判定してもよい。
例えば、ハイブリッド車両1が備えるヒータの要求熱量が相対的に大きい(例えば、所定熱量よりも大きい)場合には、要求熱量を満たすべく、エンジンENGの停止が禁止されることが多い。従って、ヒータの要求熱量が相対的に大きい場合には、減速制御部187は、エンジンENGの停止が禁止されていると判定してもよい。
尚、エンジンENGの停止が禁止されているか否かを示すエンジン停止禁止フラグというパラメータが、ハイブリッドシステム17を制御するためにECU18によって適宜参照されるパラメータとして用意されていてもよい。この場合、減速制御部187は、エンジン停止禁止フラグを参照することで、エンジンENGの停止が禁止されているか否かを判定してもよい。
ステップS131の判定の結果、エンジンENGの停止が禁止されていると判定される場合には(ステップS131:Yes)、減速制御部187は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される前と比較して、ハイブリッド車両1の駆動力を低下させる(ステップS132)。例えば、減速制御部187は、エンジンENGの出力を低下させることで、ハイブリッド車両1の駆動力を低下させることが好ましい。或いは、減速制御部187は、エンジンENGの出力を低下させることに加えて又は代えて、モータジェネレータMG2の出力を低下させることで、ハイブリッド車両1の駆動力を低下させてもよい。この場合、減速制御部187は、スロットルアクチュエータ151及びハイブリッドシステム17のうちの少なくとも一方を制御する。
その後、ECU18は、エンジンENGの出力を低下させたまま、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第4所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。その後、ECU18は、ステップS123でハイブリッド車両1が信号に接近していないと判定される、ステップS124で外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定される、ステップS125でハイブリッド車両1がHVモードで走行していないと判定される、又は、ステップS131でエンジンENGの停止が禁止されていないと判定されるまで、エンジンENGの出力を低下させる動作を継続する。
ここで、図4を参照しながら、図3のステップS131でエンジンENGの停止が禁止されていると判定される場合に行われる動作について更に説明する。図4は、図3のステップS131でエンジンENGの停止が禁止されていると判定される場合のハイブリッド車両1の速度、エンジン停止禁止フラグ、エンジンENGの出力及びモータジェネレータMG2の出力を示すタイミングチャートである。
図4に示すように、時刻t41において、外部状況認識部182が信号の状態を認識しておらず且つハイブリッド車両1がHVモードで走行していると判定されたものとする。更に、図4の2段目のグラフに示すように、エンジン停止禁止フラグがONになっているがゆえに、時刻t41において、エンジンENGの停止が禁止されていると判定される。その結果、減速制御部187の制御下で、時刻t41以降の期間中のエンジンENGの出力Pe42が時刻t41以前の期間中のエンジンENGの出力Pe41よりも小さくなるように、エンジンENGの出力が低下する。加えて、図4の4段目のグラフに示すように、時刻t41以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm42が、時刻t41以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm41よりも小さくなる。
但し、時刻t41以降の期間中のハイブリッド車両1の駆動力が、時刻t41以前の期間中のハイブリッド車両1の駆動力よりも小さくなる限りは、時刻t41以降の期間中のエンジンENGの出力Pe42は、時刻t41以前の期間中のエンジンENGの出力Pe41よりも小さくなくてもよい。例えば、時刻t41以降の期間中のエンジンENGの出力Pe42は、時刻t41以前の期間中のエンジンENGの出力Pe41と同一でもよい。例えば、時刻t41以降の期間中のエンジンENGの出力Pe42は、時刻t41以前の期間中のエンジンENGの出力Pe41よりも大きくてもよい。
同様に、時刻t41以降の期間中のハイブリッド車両1の駆動力が、時刻t41以前の期間中のハイブリッド車両1の駆動力よりも小さくなる限りは、時刻t41以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm42は、時刻t41以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm41よりも小さくなくてもよい。例えば、時刻t41以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm42は、時刻t41以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm41と同一でもよい。例えば、時刻t41以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm42は、時刻t41以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm41よりも大きくてもよい。時刻t41以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm42がゼロであってもよい。
ハイブリッド車両1の駆動力が低下する場合には、ハイブリッド車両1の駆動力が低下しない場合と比較して、図4の1段目のグラフに示すように、ハイブリッド車両1の速度が低下する。つまり、時刻t41以降の期間中のハイブリッド車両1の速度V42が時刻t41以前の期間中のハイブリッド車両1の速度V41よりも小さくなる。ハイブリッド車両1の速度が低下すればするほど、ハイブリッド車両1を停止させるために必要なブレーキ力もまた小さくなる。従って、信号の状態を認識するべき本来のタイミングで外部状況認識部182が信号の状態を認識することができなかったものの、その後信号が赤信号であると外部状況認識部182が又は搭乗者が認識した場合であっても、相対的に大きなブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される可能性が小さくなる。特に、燃費の向上に寄与しにくい相対的に大きい液圧ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される可能性が小さくなる。このため、相対的に大きなブレーキ力(特に、液圧ブレーキ力)に起因して燃費が悪化する可能性が小さくなる。
再び図3において、他方で、ステップS131の判定の結果、エンジンENGの停止が禁止されていないと判定される場合には(ステップS131:No)、減速制御部187は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、エンジンENGを停止する(ステップS133)。つまり、減速制御部187は、エンジンENGに燃料が供給されなくなるように、ハイブリッドシステム17を制御する。例えば、減速制御部187は、エンジンENGを停止するように、スロットルアクチュエータ151及びハイブリッドシステム17のうちの少なくとも一方を制御する。或いは、減速制御部187は、エンジンENGを停止するように、エンジンENGが備える燃料噴射弁を制御する。
その後、ECU18は、エンジンENGを停止したまま、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第4所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。その後、ECU18は、ステップS123でハイブリッド車両1が信号に接近していないと判定される、ステップS124で外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定される、ステップS125でハイブリッド車両1がHVモードで走行していないと判定される、又は、ステップS131でエンジンENGの停止が禁止されていると判定されるまで、エンジンENGを停止する動作を継続する。
ここで、図5を参照しながら、図3のステップS131でエンジンENGの停止が禁止されていないと判定される場合に行われる動作について更に説明する。図4は、図3のステップS131でエンジンENGの停止が禁止されていないと判定される場合のハイブリッド車両1の速度、エンジン停止禁止フラグ、エンジンENGの出力及びモータジェネレータMG2の出力を示すタイミングチャートである。
図5に示すように、時刻t51において、外部状況認識部182が信号の状態を認識しておらず且つハイブリッド車両1がHVモードで走行していると判定されたものとする。更に、図5の2段目のグラフに示すように、エンジン停止禁止フラグがOFFになっているがゆえに、時刻t51において、エンジンENGの停止が禁止されていないと判定される。その結果、減速制御部187の制御下で、時刻t51においてエンジンENGが停止する。このため、時刻t51以降の期間中のエンジンENGの出力がゼロになる。
加えて、図5の4段目のグラフに示すように、時刻t51以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm52が、時刻t51以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm51よりも小さくなる。但し、時刻t51以降の期間中のハイブリッド車両1の駆動力が、時刻t51以前の期間中のハイブリッド車両1の駆動力よりも小さくなる限りは、時刻t51以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm52は、時刻t51以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm51よりも小さくなくてもよい。例えば、時刻t51以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm52は、時刻t51以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm51と同一でもよい。例えば、時刻t51以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm52は、時刻t51以前の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm51よりも大きくてもよい。時刻t51以降の期間中のモータジェネレータMG2の出力Pm52がゼロであってもよい。
エンジンENGが停止すると、エンジンENGが停止していない場合と比較して、ハイブリッド車両1の駆動力が低下する。従って、図5の1段目のグラフに示すように、エンジンENGが停止する場合には、エンジンENGが停止していない場合と比較して、ハイブリッド車両1の速度が低下する。つまり、時刻t51以降の期間中のハイブリッド車両1の速度V52が時刻t51以前の期間中のハイブリッド車両1の速度V51よりも小さくなる。ハイブリッド車両1の速度が低下すればするほど、ハイブリッド車両1を停止させるために必要なブレーキ力もまた小さくなる。従って、信号の状態を認識するべき本来のタイミングで外部状況認識部182が信号の状態を認識することができなかったものの、その後信号が赤信号であると外部状況認識部182が又は搭乗者が認識した場合であっても、相対的に大きなブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される可能性が小さくなる。特に、燃費の向上に寄与しにくい相対的に大きい液圧ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される可能性が小さくなる。このため、相対的に大きなブレーキ力(特に、液圧ブレーキ力)に起因して燃費が悪化する可能性が小さくなる。
加えて、エンジンENGが停止する場合には、エンジンENGが停止しない場合と比較して、燃料の消費量が減少する。従って、エンジンENGが停止する場合には、エンジンENGが停止しない場合と比較して、燃費が向上する。つまり、エンジンENGが停止する場合には、エンジンENGが停止しない場合と比較して、燃費の悪化が抑制される。
再び図3において、他方で、ステップS125の判定の結果、ハイブリッド車両1がHVモードで走行していないと判定される場合には(ステップS125:No)、ハイブリッド車両1は、EV(Electric Vehicle)モードで走行していると推定される。尚、EVモードは、モータジェネレータMG2の出力がハイブリッド車両1の駆動力として用いられる共にエンジンENGが停止している走行モードである。
この場合、減速制御部187は、必要に応じて走行制御部185と協調しながら、原則として、モータジェネレータMG2が回生するようにハイブリッドシステム17を制御する。その結果、回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される(ステップS143)。
一方で、回生ブレーキ力の付与は、ハイブリッド車両1を積極的に減速させ続ける動作である。このため、外部状況認識部182が認識することができなかった信号が青信号である場合には、回生ブレーキ力の付与は、本来は低下させなくてもよかったハイブリッド車両1の速度を積極的に又は過度に低下させてしまうという技術的問題を引き起こす。
このような技術的問題の発生を回避するべく、減速制御部187は、回生ブレーキ力をハイブリッド車両1に付与し始めるタイミングを、適切なタイミングに設定する。具体的には、減速制御部187は、回生ブレーキ力をハイブリッド車両1に付与し始めるタイミングを、回生ブレーキ力の付与によってハイブリッド車両1が信号に到達した時点でハイブリッド車両1を停止させることができるタイミングに設定する。
尚、一般的には、回生ブレーキ力が付与されているハイブリッド車両1が停止する直前には、ハイブリッド車両1に付与される総ブレーキ力が、回生ブレーキ力から液圧ブレーキ力へと切り替わる。従って、回生ブレーキ力の付与によってハイブリッド車両1が信号に到達した時点でハイブリッド車両1が停止するという動作は、回生ブレーキ力の付与によってハイブリッド車両1が減速していくと共に、ハイブリッド車両1が信号に到達した時点で総ブレーキ力が回生ブレーキ力から液圧ブレーキ力へと切り替わり且つハイブリッド車両1が停止する動作を意味するものとする。
回生ブレーキ力をハイブリッド車両1に付与し始めるタイミングを設定するために、減速制御部187は、減速制御部187は、現時点で回生ブレーキ力が付与され始めた場合に、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができるか否かを判定する(ステップS141)。
減速制御部187は、例えば、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間と、回生ブレーキ力が付与された場合にハイブリッド車両1が停止するまでに要する時間とを比較することで、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができるか否かを判定してもよい。ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間が、回生ブレーキ力が付与された場合にハイブリッド車両1が停止するまでに要する時間以下である場合には、減速制御部187は、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができないと判定してもよい。ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間が、回生ブレーキ力が付与された場合にハイブリッド車両1が停止するまでに要する時間よりも長い場合には、減速制御部187は、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができると判定してもよい。
尚、上述したように、減速制御部187は、内部状況、走行計画、車両位置及び地図情報に基づいて、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間を容易に算出(言い換えれば、予測)することができる。また、減速制御部187は、回生ブレーキ力によって実現される減速度を容易に認識することができる。例えば、走行計画生成部184は、回生ブレーキ力を用いて基準減速度でハイブリッド車両1が減速するように走行計画を生成可能である。この場合には、減速制御部187は、回生ブレーキ力によって実現される減速度が走行計画を生成する際に用いられる基準減速度であると認識してもよい。或いは、モータジェネレータMG2の仕様等によって、回生ブレーキ力の最大値が定まっている。最大値に相当する最大の回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与されている場合には、ハイブリッド車両1は、最大の回生ブレーキ力に相当する減速度(以降、適宜“最大減速度”と称する)で減速する。この場合には、減速制御部187は、回生ブレーキ力によって実現される減速度が最大減速度であると認識してもよい。加えて、減速度制御部187は、内部状況認識部183が認識した内部状況に基づいて、ハイブリッド車両1の速度を認識することができる。従って、減速制御部187は、回生ブレーキ力によって実現される減速度とハイブリッド車両1の速度とに基づいて、回生ブレーキ力が付与された場合にハイブリッド車両1が停止するまでに要する時間を容易に算出(言い換えれば、予測)することができる。従って、減速制御部187は、内部状況、走行計画、車両位置及び地図情報に基づいて、現時点で回生ブレーキ力が付与され始めた場合に、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができるか否かを好適に判定することができる。
ステップS141の判定の結果、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができると判定される場合には(ステップS141:Yes)、回生ブレーキ力が付与され始めるタイミングを遅らせたとしても、回生ブレーキ力の付与によってハイブリッド車両1が信号に到達した時点でハイブリッド車両1が停止することができると想定される。従って、この場合は、減速制御部187は、即座に回生ブレーキ力をハイブリッド車両1に付与することに代えて、EVモードでの走行を継続するようにハイブリッド車両1を制御する(ステップS142)。
その後、ECU18は、EVモードでの走行を継続するようにハイブリッド車両1を制御したまま、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第4所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。その後、ECU18は、ステップS123でハイブリッド車両1が信号に接近していないと判定される、ステップS124で外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定される、ステップS125でハイブリッド車両1がHVモードで走行していると判定される、又は、ステップS141で信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができないと判定されるまで、EVモードでの走行を継続するようにハイブリッド車両1を制御する動作を継続する。
他方で、ステップS141の判定の結果、信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができないと判定される場合には(ステップS141:No)、回生ブレーキ力が付与され始めるタイミングを遅らせると、回生ブレーキ力の付与によってハイブリッド車両1が信号に到達した時点でハイブリッド車両1が停止することができないと想定される。言い換えれば、今すぐに回生ブレーキ力が付与され始めなければ、回生ブレーキ力の付与によってハイブリッド車両1が信号に到達した時点でハイブリッド車両1が停止することができなくなると想定される。つまり、回生ブレーキ力が付与され始めるタイミングを遅らせると、ハイブリッド車両1が信号に到達した時点でハイブリッド車両1を停止させるためには、ハイブリッド車両1に液圧ブレーキ力が付与される必要があると想定される。つまり、回生ブレーキ力が付与され始めるタイミングを遅らせるほど、ハイブリッド車両1の運動エネルギーのうち回生によって回収できないエネルギー分が増えてしまうと想定される。従って、この場合には、減速制御部187は、即座に回生ブレーキ力をハイブリッド車両1に付与するように、ハイブリッドシステム17を制御する(ステップS143)。
その後、ECU18は、回生ブレーキ力をハイブリッド車両1に付与したまま、図3に示す減速補助動作を終了する。その後、ECU18は、第4所定期間経過後に、再度図3に示す減速補助動作を開始してもよい。その後、ECU18は、ステップS123でハイブリッド車両1が信号に接近していないと判定される、ステップS124で外部状況認識部182が信号の状態を認識していると判定される、ステップS125でハイブリッド車両1がHVモードで走行していると判定される、又は、ステップS141で信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができると判定されるまで、回生ブレーキ力を付与する動作を継続する。
ここで、図6及び図7を参照しながら、図3のステップS141で信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができないと判定される場合に行われる動作について更に説明する。図6及び図7は、夫々、図3のステップS141で信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができないと判定される場合のハイブリッド車両1の速度、エンジンENGの出力、モータジェネレータMG2の出力(回生ブレーキ力)及び液圧ブレーキ力を示すタイミングチャートである。
図6に示すように、時刻t61において、外部状況認識部182が信号の状態を認識しておらず且つハイブリッド車両1がHVモードで走行していないと判定されたものとする。ハイブリッド車両1がHVモードで走行していないがゆえに、図6の2段目のグラフに示すように、エンジンENGの出力はゼロである。
一方で、時刻t61の時点では、時刻t61の時点で回生ブレーキ力が付与され始めた場合に信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができると判定されるものとする(図6の1段目のグラフの点線参照)。この場合、上述したように、ハイブリッド車両1は、モータジェネレータMG2の出力を駆動力として用いることで、EVモードでの走行を継続する。つまり、ハイブリッド車両1には回生ブレーキ力は付与されない。
その後、時刻t62の時点では、時刻t62の時点で回生ブレーキ力が付与され始めなければ信号に到達する前にハイブリッド車両1が停止することができなくなると判定されるものとする。この場合、上述したように、時刻t62の時点から回生ブレーキ力が付与される。尚、ここでの回生ブレーキ力は、上述した基準減速度に対応する回生ブレーキ力であるものとする。
回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与されている場合には、回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与されていない場合と比較して、ハイブリッド車両1の速度が低下する。このため、ハイブリッド車両1の速度の低下に伴って、ハイブリッド車両1を停止させるために必要なブレーキ力もまた小さくなる。従って、信号の状態を認識するべき本来のタイミングで外部状況認識部182が信号の状態を認識することができなかったものの、その後信号が赤信号であると外部状況認識部182が又は搭乗者が認識した場合であっても、相対的に大きなブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される可能性が小さくなる。特に、燃費の向上に寄与しにくい相対的に大きい液圧ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与される可能性が小さくなる(但し、ハイブリッド車両1が停止する直前の総ブレーキ力の切替に伴う液圧ブレーキ力の付与を除く)。このため、相対的に大きなブレーキ力(特に、液圧ブレーキ力)に起因して燃費が悪化する可能性が小さくなる。
加えて、回生によって、ハイブリッド車両1の運動エネルギーが電力に変換される。従って、モータジェネレータMG2が回生している場合には、モータジェネレータMG2が回生していない場合と比較して、燃費が向上する。つまり、モータジェネレータMG2が回生している場合には、モータジェネレータMG2が回生していない場合と比較して、燃費の悪化が抑制される。
ハイブリッド車両1の速度が徐々に減少していくと、ハイブリッド車両1が停止する(つまり、速度がゼロになる)直前に、総ブレーキ力が回生ブレーキ力から液圧ブレーキ力へと切り替わる。その結果、時刻t63の時点で、ハイブリッド車両1が停止すると共に、ハイブリッド車両1が信号に到達する。このため、モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両1が停止するまで、回生を継続することができる。従って、モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両1の運動エネルギーを最大限利用した回生を行うことができる。
尚、図7は、最大減速度に対応する回生ブレーキ力が付与される例を示すという点で、基準減速度に対応する回生ブレーキ力が付与される例を示す図6とは異なる。図7に示すように、基準減速度よりも大きい最大減速度に対応する回生ブレーキ力が付与されるがゆえに、基準減速度に対応する回生ブレーキ力が付与される時刻t62よりも遅い時刻t64において、最大減速度に対応する回生ブレーキ力が付与され始める。
このように、本実施形態のハイブリッド車両1は、外部状況認識部182が信号の状態を認識することができない場合であっても燃費の悪化を抑制しながら走行することができる。
尚、上述した減速補助動作は一例である。従って、減速補助動作の一部が適宜改変されてもよい。以下、減速補助動作の改変例(変形例)について説明する。
図3では、減速制御部187は、ステップS125、ステップS131及びステップS141の判定結果に基づいて、信号での停止に備えてハイブリッド車両1の減速を促す動作を選択している。しかしながら、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS125、ステップS131及びステップS141のうちの少なくとも一つの動作を行うことなく、ステップS132、ステップS133、ステップS142又はステップS143の動作を行ってもよい。
例えば、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS125、ステップS131及びステップS141の動作を行うことなく、エンジンENGを停止する(ステップS133)又はハイブリッド車両1の駆動力を低下させてもよい(ステップS132)。或いは、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS125及びステップS141の動作を行うことなく、ステップS131の動作を行った上で、エンジンENGを停止する(ステップS133)又はハイブリッド車両1の駆動力を低下させてもよい(ステップS132)。このような動作は、ハイブリッド車両1がモータジェネレータMG1及びMG2を備えていない場合に特に有効である。
或いは、例えば、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS125、ステップS131及びステップS141の動作を行うことなく、回生ブレーキ力を付与してもよい(ステップS143)。減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS125及びステップS131の動作を行うことなく、ステップS141の動作を行った上で、EVモードでの走行を継続させるか(ステップS142)又は回生ブレーキ力を付与してもよい(ステップS143)。このような動作は、ハイブリッド車両1がエンジンENGを備えていない(つまり、電気自動車である)場合に特に有効である。
或いは、例えば、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS131及びステップS141の動作を行うことなく、ステップS125の動作を行った上で、エンジンENGを停止する(ステップS133)若しくはハイブリッド車両1の駆動力を低下させるか、又は、回生ブレーキ力を付与してもよい(ステップS143)。或いは、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される場合には、ステップS141の動作を行うことなく、ステップS125及びステップS131の動作を行った上で、エンジンENGを停止する(ステップS133)若しくはハイブリッド車両1の駆動力を低下させるか、又は、回生ブレーキ力を付与してもよい(ステップS143)。
図3のステップS132において、減速制御部187は、ハイブリッド車両1の駆動力を、予め定まる固定量だけ低下させてもよい。減速制御部187は、ハイブリッド車両1の駆動力を、適宜変更可能な可変量だけ低下させてもよい。例えば、減速制御部187は、ハイブリッド車両1の駆動力が、ハイブリッド車両1の速度が所望速度にまで低下させることが可能な駆動力にまで低下させてもよい。例えば、減速制御部187は、ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間が短ければ短いほどハイブリッド車両1の駆動力の低下量が大きくなるように、エンジンENGの出力を低下させてもよい。ハイブリッド車両1が信号に到達するまでの時間が短い場合には、外部状況認識部182が状態を認識することができなかった信号が赤信号である場合に備えてハイブリッド車両1を減速させる必要性が相対的に強くなるからである。
図4の説明では、エンジンENGの出力は、時刻t41以降において、低下後の出力Pe42に維持される。しかしながら、時刻t41以降において、エンジンENGの出力が適宜変動してもよい。
図4又は図5の説明では、ハイブリッド車両1の速度は、時刻t41又はt51以降において、低下後の速度V42又はV52に維持される。しかしながら、時刻t41又はt51以降において、ハイブリッド車両1の速度が適宜変動してもよい。例えば、ハイブリッド車両1が信号に到達するタイミングでハイブリッド車両1の速度がゼロになるように、時刻t41又はt51以降において、ハイブリッド車両1の速度が連続的に又は段階的に減少してもよい。この場合、エンジンENG及びモータジェネレータMG2の夫々の出力もまた、ハイブリッド車両1の速度の変動に合わせて適宜変動する。
図3のステップS142において、減速制御部187は、外部状況認識部182が信号の状態を認識していないと判定される前と比較して、モータジェネレータMG2の出力を低下させた上で、EVモードでの走行を継続するようにハイブリッド車両1を制御してもよい。つまり、減速制御部187は、ハイブリッド車両1の速度が図4又は図5に示すハイブリッド車両1の速度と同様に変化するように、モータジェネレータMG2の出力を低下させてもよい。
図6又は図7の説明では、回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与され始めた後は、回生ブレーキ力がハイブリッド車両1に付与され続ける。その結果、ハイブリッド車両1の速度が減少し続ける。しかしながら、図4又は図5に示すハイブリッド車両1の速度と同様に、時刻t62又はt64以降の期間中のハイブリッド車両1の速度が時刻t62又はt64以前の期間中のハイブリッド車両1の速度よりも小さくなるように、回生ブレーキ力が付与されてもよい。例えば、ハイブリッド車両1の速度を低下させることが可能な回生ブレーキ力が一時的に付与されてもよい。
上述のハイブリッド車両1は、2つのモータジェネレータMG1及びMG2を備えている。しかしながら、ハイブリッド車両1は、単一の又は3つ以上のモータジェネレータを備えていてもよい。
上述の実施形態で説明された一の構成要件は、上述の実施形態で説明された他の構成要件と適宜組み合わせることができる。上述の実施形態で説明された構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。
尚、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置もまた本発明の技術思想に含まれる。