JP6477175B2 - 船外機の操舵ハンドル取付構造 - Google Patents
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Description
エンジン18は、バーティカル型であって例えば水冷式4サイクル単気筒エンジンが適用される。エンジン18は、鉛直方向に沿って配設されているクランクシャフト19を回転自在に支持する。クランクシャフト19は、ピストン20による前後方向の往復運動によって回転する。クランクシャフト19の上端部には、リコイル21が設けられ、このリコイル21には図示しない手動用スタータロープが巻き付けられている。
操船者が操舵ハンドル60を水平方向に旋回させることで、スイベルブラケット12の本体部14に支持されたドライブシャフトハウジング23はクランクシャフト19の中心軸線Laを中心にして同方向に旋回する。したがって、ドライブシャフトハウジング23の旋回に応じて船外機本体13の操舵角が変更されることから、船体1の進行方向を変えることができる。
図2は、図1に示すハンドルブラケット40の周辺を拡大して示した拡大図である。図3は、図1に示すI−I線を矢印方向から見た図である。図4は、図2に示すII−II線を矢印方向から見た断面図である。図6は、図2に示すIII−III線を矢印方向から見た断面図である。
ハンドルブラケット40は、前側に操舵ハンドル60を回動自在に支持する回動支持部41と、後側にドライブシャフトハウジング23に取付けられる取付部42と、を有している。取付部42は、クランクシャフト19の中心軸線Laを挟み、前側に位置する第1取付部43と、後側に位置する第2取付部44とを有する。本実施形態では、図3に示すように、第1取付部43および第2取付部44は、第1取付部43と中心軸線Laとの間の前後方向の距離L1が、第2取付部44と中心軸線Laとの間の前後方向の距離L2よりも長くなる位置に配置されている。
図4に示すように、第1取付部43には、固定ボルト45を挿通させるための挿通孔46が左右方向に貫通して形成される。挿通孔46内には、円筒状の第1弾性部材47が嵌め込まれる。第1弾性部材47は、エンジン18からエンジンホルダ22、ドライブシャフトハウジング23を介して、ハンドルブラケット40に伝達される振動を吸収する。
第1弾性部材47のうち前後に位置する部位には、左右方向に沿って貫通する空間49が形成されている。したがって、第1弾性部材47は、水平方向の弾性率が鉛直方向の弾性率よりも小さくなるように形成されている。
また、挿通孔46の両端にはそれぞれワッシャー51が配置される。ワッシャー51は、それぞれ第1弾性部材47のフランジ部48およびスペーサ50の端面に当接する。
図6に示すように、回動支持部41には、支持孔52が略左右方向に貫通して形成される。ここで、回動支持部41の回動軸線Lbは、図3に示すように平面視で見た場合には左右方向に沿った直線であるものの、図6に示すように前後方向から見た場合には船外機10の外側に向かうにしたがって下側になるように傾斜している。すなわち、図6に示すように、回動軸線Lbは水平に対して角度θだけ傾斜している。
支持孔52内には、円筒状の第3弾性部材53が嵌め込まれる。第3弾性部材53は、例えば天然ゴム、合成ゴム等が適用される。第3弾性部材53は、左右両端に支持孔52の内径よりも大きな外径に形成されたフランジ部54を有する。両端にフランジ部54が形成された第3弾性部材53を支持孔52に嵌め込むために、第3弾性部材53は左右に分割して構成されている。なお、第3弾性部材53は、上述した第1弾性部材47と同様に、水平方向の弾性率が鉛直方向の弾性率よりも小さくなるように設定されていることが好ましい。
円筒部材55内には、操舵ハンドル60の回動部62が回動軸線Lbを中心にして回動可能に嵌め込まれる。ここで、回動部62は、操舵ハンドル60の後端から屈曲して右側に延出して形成される。また、回動部62は、端面が開口する円筒状であって、左右方向の中央に円筒部材55と接するフランジ部63が形成される。回動部62の端面には、板状の抜止部材56が結合される。
図7は、船外機10の平面図であって、折り畳んだ後の操舵ハンドル60を二点鎖線で示している。また、図1でも折り畳んだ後の操舵ハンドル60の一部を二点鎖線で示している。折り畳む前の操舵ハンドル60は、先端に向かうにしたがって左側に傾斜するように延出する。上述したように回動軸線Lbは水平に対して角度θで傾斜していることから、操舵ハンドル60が上方に回動するときに、操舵ハンドル60がエンジンカバー17を避けるように折り畳まれる。折り畳んだ後の操舵ハンドル60は、エンジンカバー17、具体的にはロアカバー17bの左側に水平状態で位置し、先端に向かうにしたがって左側に傾斜して延出している。このとき、操舵ハンドル60は、側面視でエンジンカバー17およびハンドルブラケット40に対して重なり合って配置され、先端がエンジンカバー17よりも前側に位置する。なお、操舵ハンドル60の回動限界は、ハンドルブラケット40に形成された図示しないストッパにより設定することができる。
まず、予め操舵ハンドル60の回動部62をハンドルブラケット40に回動可能に軸支させる。具体的には、ハンドルブラケット40の支持孔52の内側に第3弾性部材53を嵌め込み、第3弾性部材53の内側に円筒部材55を嵌め込む。なお、第3弾性部材53および円筒部材55は左右に分割して構成されているので、それぞれ支持孔52の左右から挟むようにして組み立てる。次に、操舵ハンドル60の回動部62を船外機10の外側から円筒部材55内に挿入する。回動部62のフランジ部63と円筒部材55とを当接させた状態で、抜止部材56を回動部62の端面に結合する。このようにして、操舵ハンドル60とハンドルブラケット40とを一つのユニットにする。
本実施形態では、ハンドルブラケット40をドライブシャフトハウジング23の左側に取付ける場合について説明したが、この場合に限られず、ドライブシャフトハウジング23の右側に取付けてもよい。すなわち、ハンドルブラケット40は、ドライブシャフトハウジング23の左右何れか一方側に取付けることができる。なお、ドライブシャフトハウジング23の右側に取付ける場合には、ドライブシャフトハウジング23、ハンドルブラケット40および操舵ハンドル60を上述した実施形態の構成と左右対称にすることで実現できる。
本実施形態では、エンジンホルダ22にエンジン18を保持する場合について説明したが、この場合に限らず、エンジンホルダ22を省略して、ドライブシャフトハウジング23が直接、エンジン18を保持してもよい。
本実施形態では、取付部42は第1取付部43と第2取付部44とを有する場合について説明したが、この場合に限られず、更に取付部を有していてもよい。
Claims (5)
- クランクシャフトが鉛直方向に沿って配設されるエンジンと、
前記クランクシャフトに接続され前記エンジンから下側に向かって延出されるドライブシャフトと、
前記ドライブシャフトを収容するドライブシャフトハウジングと、
前記ドライブシャフトハウジングを水平方向に回動可能に支持するスイベルブラケットと、
前記ドライブシャフトハウジングの左右何れか一方側に取付けられるハンドルブラケットと、
前記ハンドルブラケットに支持されると共に、操船者による操舵に応じて前記ドライブシャフトハウジングを旋回させる操舵ハンドルと、
前記ハンドルブラケットと前記ドライブシャフトハウジングとの間に介在する弾性部と、を備える船外機の操舵ハンドル取付構造であって、
前記ハンドルブラケットは、
前側に前記操舵ハンドルを回動自在に支持する回動支持部と、
後側に前記ドライブシャフトハウジングに取付けられる取付部と、を有し、
前記取付部は、
前記クランクシャフトの中心軸線を挟み、前側に位置する第1取付部と、後側に位置する第2取付部と、を有し、
前記弾性部は、水平方向の弾性率が鉛直方向の弾性率よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする船外機の操舵ハンドル取付構造。 - 前記エンジンを覆うエンジンカバーを備え、
前記取付部は、前記エンジンカバーの外周面よりも前記船外機の内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の船外機の操舵ハンドル取付構造。 - 前記弾性部は、
前記第1取付部と前記ドライブシャフトハウジングとの間に介在される第1弾性部材と、
前記第2取付部と前記ドライブシャフトハウジングとの間に介在される第2弾性部材と、を有し、
前記第1取付部および前記第2取付部は、
前記第1取付部と前記ドライブシャフトの中心軸線との間の前後方向の距離が、前記第2取付部と前記ドライブシャフトの中心軸線との間の前後方向の距離よりも長くなる位置に配置され、
前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材よりも弾性率が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の船外機の操舵ハンドル取付構造。 - 前記回動支持部と前記操舵ハンドルとの間に介在される第3弾性部材を有することを特徴とする請求項3に記載の船外機の操舵ハンドル取付構造。
- 前記エンジンを覆うエンジンカバーを備え、
前記回動支持部は、前記エンジンカバーの外周面よりも前記船外機の内側に位置し、
前記回動支持部の回動軸線が前記船外機の外側に向かうにしたがって下側になるように傾斜していることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の船外機の操舵ハンドル取付構造。
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Family Applications (1)
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