JP6477128B2 - 触媒組成物 - Google Patents
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すなわち、本発明は下記に関する。[1]クロム化合物、下記一般式(1)〜(2)のいずれかの構造の二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物。
結合線の破線は、単結合、二重結合及び共鳴構造を形成する結合のいずれかを示す。
R1〜R2は、それぞれ独立に、鎖状または環状のアルキル基、アリール基を表し、かつ、置換基を有してもよい基である。
R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基である。
A1〜A2は、無置換のエチレン基である。
Z1〜Z3は、P−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体が4員環、5員環又は6員環を形成するための構成成分であり、置換基を有してもよい基である。)
[3]前記R3〜R8は、それぞれ独立に、炭素数が1〜4のアルキル基であり、前記のP−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体の少なくとも1つの環状体が平面構造を有し、かつ、置換基を有してもよい環状体である[1]に記載の触媒組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法。
このクロム化合物及び二座ホスフィン化合物から得られる錯化合物は、主触媒をとして用いられ、有機アルミニウム化合物は助触媒として用いられる。この主触媒である錯化合物は、前記クロム化合物のクロムを中心金属とし、この中心金属1原子に配位子として前記二座ホスフィン化合物が配位して形成される錯化合物である。
前記の通り、助触媒として有機アルミニウム化合物が用いられる。この有機アルミニウム化合物としては、特に、有機アルミニウム化合物を部分加水分解することにより得られる縮合生成物である縮合有機アルミニウム化合物が、α−オレフィンのオリゴマー化における主触媒の中心金属を効率よく活性化するので、より好ましい。このような縮合有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム等を部分加水分解したメチルアルミノキサン等があげられる。
[主触媒−クロム化合物]
主触媒を構成する錯化合物の中心金属として、クロムが用いられる。このクロムは、主に三価クロムであり、配位数が6つの錯体を形成する。このようなクロム化合物としては、クロム(IV)−tert−ブトキシド、クロム(III)アセチルアセトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、クロム(III)アセテート、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート、クロム(III)ヘプタノエート、Cr(CH3 COCHCOOCH3)3、Cr(PhCOCHCOPh)3(但し、ここでPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム等があげられる。
(基本骨格)
主触媒を構成する錯化合物の配位子である二座ホスフィン化合物は、下記の化学式(L)に示すような、ホスフィン基を2つ有し、2つのホスフィン基を連結する架橋部であるA、各ホスフィン基に連結される末端部であるZ0 1〜Z0 4の構造を有する化合物である。
(Z0 1)(Z0 2)−P−A−P−(Z0 3)(Z0 4) (L)
以下に、この化合物について詳述する。
本発明における前記の化学式(L)の例としては、下記の化学式(1)〜(2)があげられる。
また、化学式(L)において架橋部を構成するAは、化学式(1)〜(2)においては、A1〜A2に相当する。さらに、化学式(L)において末端部を構成するZ0 1〜Z0 4は、化学式(1)〜(2)において、Z0 1とZ0 2、Z0 3とZ0 4が環状体を形成しない場合は、R1やR2に相当し、また、PとZ0 1とZ0 2、PとZ0 3とZ0 4が環状体を形成する場合は、P−C−Z1−C−Pで形成される環状体(以下、「Z1環状体」と称する。)、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体(以下、「Z2環状体」と称する。)、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体(以下、「Z3環状体」と称する。)に相当する。
架橋部を構成するA1〜A2は、無置換のエチレン基からなる。この架橋部がエチレン基であるので、得られる触媒組成物がα−オレフィン、特にエチレンを重合する際、三量体や四量体程度で、重合場が不安定になり、重合反応が三量体や四量体でストップしやすい傾向がある。また、無置換なので、この架橋部は回転自在となる。これにより、理由は不明であるが、三量体や四量体の収率が向上する傾向が見られる。
さらに、Z1〜Z3は、Z1環状体、Z2環状体、Z3環状体が4員環、5員環又は6員環を形成するための構成成分であり、置換基を有してもよい。
前記の二座ホスフィン化合物において、末端部が環状体を形成する場合の前記R3〜R8の例としては、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が1〜3のアルコキシ基をあげることができる。
このような末端部を有する二座ホスフィン化合物の具体例としては、下記の(L−1)〜(L−216)をあげることができる。
下記の化学反応式<I>において、末端構造の元となる1,3−プロパンジオール誘導体の種類を変えることで様々なタイプの末端に4員環の環状体を持つ二座ホスフィンを合成することができる。
前記のクロム化合物1当量に対する二座ホスフィン化合物の配合割合は、0.1当量以上がよく、0.5当量以上が好ましい。0.1当量より少ないと、オリゴマー化反応の活性がほとんど発現しなかったり、ポリマー生成のみ進行するおそれがある。一方、配合割合の上限は、5当量以下がよく、2当量以下が好ましい。2当量より多いと、触媒活性が低下するおそれがある。
前記の触媒組成物を用い、エチレン等のα−オレフィンを一般的なポリマー化の際の温度・圧力等の条件下で重合反応を行うことにより、α−オレフィンの三量体や四量体等のオリゴマーを高収率で得ることができる。
これらの溶媒の中でも助触媒のメチルアルミノキサン等をよく溶かし、高い触媒活性が得られる傾向があるという点から、炭素数が6〜10の芳香族炭化水素を用いるのが好ましく、具体的には、トルエンまたはキシレンが好ましく、最も好ましくはキシレンである。
[二座ホスフィン]
・L−114…STREM社製
・L−119…Aldrich社製
・L’−1…STREM社製
・L’−2…Aldrich社製
・Cr(acac)3トルエン溶液…和光純薬工業(株)製のクロム(III)アセチルアセトナートを、同じく和光純薬工業(株)製のトルエン(有機合成用、超脱水品)に溶解させてCr(acac)3トルエン溶液を調製。
・n−ウンデカン…和光純薬工業(株)製:ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質として使用。
・メチルアルミノキサン…Aldrich社製の10wt%のメチルアルミノキサンのトルエン溶液(=アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液)を使用。
ガラス製シュレンク管に0.018mmolの表1に記載の二座ホスフィンを入れ、窒素置換後、8.4mmol/lの濃度のCr(acac)3を含有するトルエン溶液を1.8ml(Crとして0.015mmol)ほど加え、磁性攪拌子で攪拌して二座ホスフィンを室温で溶解させた。続いて、トルエンを10.2ml、n−ウンデカン(ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質)を1.0ml加え、更に、アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液を2.0ml(Alとして3.0mmol)加えて触媒液を調製した。
前記の触媒液を、窒素ガス雰囲気下で、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに全量導入し、密閉後、オートクレーブの内液を攪拌しながら40℃に加温した後に、エチレンを系内圧力(ゲージ圧)が3.0MPaになるように液中にフィードし、そのまま40℃に温度をコントロールしながら15分間ほど反応させた。なお、反応中は系内のエチレン圧力が3.0MPaを保持するようにエチレンを供給し続けた。
実施例で使用した二座ホスフィン化合物(L−114)、(L−119)は、生成速度が速く、C6+C8の生成率が高いことが確認された。
これに対し、架橋部が回転自在でない(L’−1)や(L’−2)は、生成速度が速くなく、C6+C8の生成率も高くないことが確認された。
Claims (4)
- クロム化合物、下記一般式(1)〜(2)のいずれかの構造の二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含むエチレンのオリゴマー化用触媒組成物。
結合線の破線は、単結合、二重結合及び共鳴構造を形成する結合のいずれかを示す。
R1〜R2は、それぞれ独立に、鎖状または環状のアルキル基、アリール基を表し、かつ、置換基を有してもよい基である。
R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基である。
A1〜A2は、無置換のエチレン基である。
Z1〜Z3は、P−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体が4員環、5員環又は6員環を形成するための構成成分であり、置換基を有してもよい基である。) - 前記R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である請求項1に記載のエチレンのオリゴマー化用触媒組成物。
- 前記R3〜R8は、それぞれ独立に、炭素数が1〜4のアルキル基であり、
前記のP−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体の少なくとも1つの環状体が平面構造を有し、かつ、置換基を有してもよい環状体である請求項1に記載のエチレンのオリゴマー化用触媒組成物。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレンのオリゴマー化用触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法。
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