JP6500488B2 - 触媒組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒組成物に関する。詳しくは、α−オレフィン、特にエチレンを低重合させ、選択的に三量体や四量体等のオリゴマーを高収率で得ることのできる触媒組成物に関する。
従来から、エチレン等のα−オレフィンを低重合させてオリゴマーを製造する触媒は知られている。例えば、配位原子が窒素原子である単座配位子を用いた触媒(特許文献1〜3)や、配位原子が窒素原子やリン原子である二座配位子であり、両配位子は、窒素原子やヒドロカルビル基で架橋された触媒が知られている(特許文献4)。
特開2005−105286号公報 特表2008−533030号公報 特開2000−313714号公報 特表2006−511625号公報
ところで、エチレンの低重合反応のための触媒は、前記の各文献に記載の触媒以外に、種々の触媒があると考えられるが、触媒によっては、α−オレフィンのポリマー化が優勢になって、オリゴマーの生成率が低下したり、また、α−オレフィンのポリマー生成率は低いものの、触媒活性そのものが低い場合がある。
そこで、この発明は、ポリマー生成率が低く、かつ、触媒活性の高い、新規のエチレン等のα−オレフィンの低重合化触媒を得ることを目的とする。
本発明者らは、下記の[1]〜[4]を要旨とする触媒組成物を見出すことにより前記の課題を解決した。
すなわち、本発明は下記に関する。[1]クロム化合物、下記一般式(1)〜(3)のいずれかの構造の二座ホスファイト化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物。
Figure 0006500488
Figure 0006500488
Figure 0006500488
(前記の式(1)〜(3)において、R11〜R16は、それぞれ独立して、アルキル基、又は アリール基を表し、更に置換基を有していてもよい基であり、Z〜Z及びA〜Aは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキレン−アリーレン基、アリーレン基、又は−Ar−(Q)n−Ar−のように真ん中に二価の連結基を有していてもよいジアリーレン基(但し、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基を表す。)を表す。)
[2]前記一般式(1)〜(3)において、A〜Aの構造が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする[1]に記載の触媒組成物。
Figure 0006500488
(式(4)において、R21〜R28は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アリール基、若しくはアリーロキシ基や、鎖状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシロキシ基、カルボキシ基、若しくはエステル基を表わす。これらの基は、更に置換基を有していても良く、任意の2つの置換基が結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
[3]前記一般式(4)において、少なくともR21及びR28が炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基であることを特徴とする[2]に記載の触媒組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法。
本発明方法によれば、α−オレフィン、特にエチレンを低重合させて、選択的に三量体や四量体のオリゴマーを高収率で得ることができ、かつ、高分子量重合体の生成を抑制することができ、多大な工業的利益を提供する。
以下に本発明の触媒組成物の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。
この発明にかかる触媒組成物は、クロム化合物、所定の構造を有する二座ホスファイト化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む組成物である。
このクロム化合物及び二座ホスファイト化合物から得られる錯化合物は、主触媒をとして用いられ、有機アルミニウム化合物は助触媒として用いられる。この主触媒である錯化合物は、前記クロム化合物のクロムを中心金属とし、この中心金属1原子に配位子として前記二座ホスファイト化合物が配位して形成される錯化合物である。
[助触媒]
前記の通り、助触媒として有機アルミニウム化合物が用いられる。この有機アルミニウム化合物としては、特に、有機アルミニウム化合物を部分加水分解することにより得られる縮合生成物である縮合有機アルミニウム化合物が、α−オレフィンのオリゴマー化における主触媒の中心金属を効率よく活性化するので、より好ましい。このような縮合有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム等を部分加水分解したメチルアルミノキサン等があげられる。
[主触媒]
[主触媒−クロム化合物]
主触媒を構成する錯化合物の中心金属として、クロムが用いられる。このクロムは、三価クロムであり、配位数が6つの錯体を形成する。このようなクロム化合物としては、クロム(IV)−tert−ブトキシド、クロム(III)アセチルアセトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、クロム(III)アセテート、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート、クロム(III)ヘプタノエート、Cr(CHCOCHCOOCH、Cr(PhCOCHCOPh)(但し、ここでPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム等があげられる。
[主触媒−二座ホスファイト化合物]
(基本骨格)
主触媒を構成する錯化合物の配位子である二座ホスファイト化合物は、下記の化学式(L)に示すような、ホスファイト基を2つ有し、2つのホスファイト基を連結する架橋部A、各ホスファイト基に連結される末端部Z 〜Z の構造を有する化合物である。
(Z −O)(Z −O)−P−O−A−O−P−(O−Z )(O−Z )・・・(L)
以下に、この化合物について詳述する。
本発明における上記の化学式(L)の例としては、下記の化学式(1)〜(3)があげられる。
Figure 0006500488
Figure 0006500488
Figure 0006500488
(R11〜R16
上記一般式(1)〜(3)において、R11〜R16は、それぞれ独立に、鎖状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表わす。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ナフチル基、ジ−t−ブチルナフチル基、ピリジル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基等が挙げられる。
なお、上述のアルキル基及びアリール基は、更に置換基を有していても良い。この置換基としては、反応系に悪影響を及ぼす虞のないものであれば特に制限されないが、具体的には、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリーロキシ基、アミノ基、アミド基、パーフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基、エステル基等が好ましい。
上記のR11〜R16の炭素数は、通常1〜40、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。上述のアルキル基又はアリール基が更に置換基を有している場合には、この置換基を含めた全体の炭素数が上記範囲となるようにする。
上記例示基のうち、上記二座ホスファイト化合物の安定性を考えると、R11〜R16としては、無置換又は置換のアリール基が好ましい。無置換又は置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−t−ブチル−2−ナフチル基、3−メチロキシカルボニル−2−ナフチル基、3,6−ジ−t−ブチル−2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル基等が挙げられる。
(Z〜Z、A〜A
上記のZ〜Z及びA〜Aは、それぞれ独立に、二価の有機基を表わす。その種類としては、反応系に悪影響を及ぼす虞のないものであれば特に制限されないが、無置換又は置換の、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン−アリーレン基、又はジアリーレン基が好ましい。
〜Z及びA〜Aの各々の炭素数は、通常1〜60である。中でも、無置換又は置換のアルキレン基、無置換又は置換のアリーレン基、無置換又は置換のアルキレン−アリーレン基の場合には、その炭素数は通常40以下、好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。一方、無置換又は置換のジアリーレン基の場合には、その炭素数は通常60以下、好ましくは50以下、更に好ましくは40以下である。
上記のアルキレン基は、鎖状であっても環状であっても良い。アルキレン基が有していても良い置換基の好ましい例としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリーロキシ基、アミノ基、アミド基、パーフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基、エステル基等が挙げられる。無置換又は置換のアルキレン基の具体例としては、エチレン基、テトラメチルエチレン基、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等が挙げられる。
上記のアリーレン基が有していても良い置換基の好ましい例としては、上述のアルキレン基が有していても良い置換基の好ましい例と同一の基が挙げられる。無置換又は置換のアリーレン基の具体例としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、3,5−ジ−t−ブチル−1,2−フェニレン基、2,3−ナフチレン基、1,4−ジ−t−ブチル−2,3−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基等が挙げられる。
(Z〜Z、A〜A:無置換又は置換のアルキレン−アリーレン基)
上記のアルキレン−アリーレン基が有していても良い置換基の好ましい例としては、上述のアルキレン基が有していても良い置換基の好ましい例と同一の基が挙げられる。無置換又は置換のアルキレン−アリーレン基の具体例としては、下記式(D−1)〜(D−12)で表わされる構造の置換基が挙げられる。
Figure 0006500488
(Z〜Z、A〜A:ジアリーレン基)
上記のジアリーレン基とは、二つのアリーレン基が直接、又は二価の有機基を介して連結された基のことであり、具体的には−Ar−(Q−Ar−で表わされる構造を有する基である。ここで、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアリーレン基を表わす。このアリーレン基の炭素数は、通常6〜30である。中でも、その炭素数は通常30以下、好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。一方、炭素数の下限は、通常6以上、好ましくは8以上、更に好ましくは10以上である。
上記のQは、二価の有機基を表わす。その具体例としては、−O−、−S−、−CO−、又は−CR1718−で表わされる基が挙げられる。ここで、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を表わす。nは、0又は1を表わす。Ar,Arのアリーレン基、並びに、R17,R18のアルキル基及びアリール基が、それぞれ有していても良い置換基の好ましい具体例としては、上記のアルキレン基が有していても良い置換基の好ましい例と同一の基が挙げられる。
上記のA〜Aにおいては、上記ジアリーレン基の中でも、下記一般式(4)に示される構造を有するジアリーレン基を用いると、α−オレフィンのポリマー化を抑制し、オリゴマー化を促進する傾向が強くなるので、より好ましい。
Figure 0006500488
この一般式(4)において、R21〜R28は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アリール基、アリーロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシロキシ基、カルボキシ基、又はエステル基を表わす。そして、これらのうち、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシロキシ基、カルボキシ基、若しくはエステル基は、鎖状又は環状の構造を有する。これらの基は、更に置換基を有していても良く、任意の2つの置換基が結合を形成して環状構造を形成しても良い。上記置換基の好ましい具体例としては、上記のアルキレン基が有していても良い置換基の好ましい例と同一の基が挙げられる。
上記一般式(4)のR21〜R28、その中でも少なくともR21及びR28は、炭素数が1〜8の鎖状又は環状のアルキル基を用いると、二座ホスファイト化合物の安定性が増加するので、より好ましい。炭素数の下限は3がさらに好ましく、その上限は5がさらに好ましい。
この様な一般式(4)で示されるジアリーレン基を含むジアリーレン基の具体例としては、下記式(A−1)〜(A−18)で表わされる構造の基が挙げられる。
Figure 0006500488
Figure 0006500488
(二座ホスファイト化合物の具体例)
以上述べてきたように、上記一般式(1)〜(3)で示される二座ホスファイト化合物としては、構成する置換基の組合せにより、様々な構造の二座ホスファイト化合物をあげることができる。その中でも好ましい具体例としては、下記式(L−6)〜(L−69)で表わされる構造の二座配位ホスファイトを挙げることができる。
Figure 0006500488
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ホスファイト化合物の安定性を向上させるためにも、R11〜R16がそれぞれ独立に無置換又は置換のアリール基であり、Z〜Z及びA〜Aがそれぞれ独立に無置換又は置換のジアリーレン基であることが好ましく、そのような二座配位ホスファイトの具体例として、特に上記の式(L−18)〜(L−20)、(L−24)〜(L−30)、(L−39)、(L−45)、(L−46)、(L−52)〜(L−62)、(L−66)〜(L−69)の化合物を挙げることができる。それらの中でもより好ましくは、A〜Aとして上記一般式(4)に示すジアリーレン基を用いた二座ホスファイト化合物であり、具体例としては上記の式(L−24)〜(L−30)、(L−45)、(L−46)、(L−52)〜(L−62)の化合物が挙げられる。更にそれらの中で最も好ましい構造としては、一般式(1)で表されるような末端基が互いに結合を有していない構造の二座ホスファイト化合物であり、具体例としては上記の式(L−24)〜(L−30)、(L−57)、(L−59)〜(L−62)の化合物が挙げられる。
[配合割合]
上記のクロム化合物1当量に対する二座ホスファイト化合物の配合割合は、0.1当量以上がよく、0.5当量以上が好ましい。0.1当量より少ないと、オリゴマー化反応の活性がほとんど発現しなかったり、ポリマー生成のみ進行するおそれがある。一方、配合割合の上限は、5当量以下がよく、2当量以下が好ましい。2当量より多いと、触媒活性が低下するおそれがある。
また、上記のクロム化合物及び二座ホスファイト化合物からなる錯化合物(主触媒)のクロムのモル数に対する有機アルミ化合物(助触媒)の配合割合は、クロム1モルに対し、アルミニウムのモル数として、10モル以上がよく、50モル以上が好ましい。50モルより少ないと、触媒活性が低下するおそれがある。一方、配合割合の上限は、1000モル以下がよく、500モル以下が好ましい。500モルより多いと、助触媒の使用量が多くなりすぎるため効率的でなく、また、助触媒のコストが非常に高くなる問題点を生じる場合がある。
[α−オレフィンのオリゴマー化方法]
上記の触媒組成物を用い、エチレン等のα−オレフィンを一般的なポリマー化の際の温度・圧力等の条件下で重合反応を行うことにより、α−オレフィンの三量体や四量体等のオリゴマーを高収率で得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<原材料>
・二座ホスファイト…特開昭62−116587号公報、特開平08−259578号公報、特開平09−087292号公報、特開平10−045776号公報、特開平11−130720号公報等を参考に、実施例用として少量合成した。また、これらの公開公報に記載されていない二座ホスファイトについては、これらの公開公報に記載の方法を用い、対応する架橋部原料(ジオールやビフェノール類)、及び末端部原料(アルコールやフェノール類)を変えて合成した。
・Cr(acac)トルエン溶液…和光純薬工業(株)製のクロム(III)アセチルアセトナートを、同じく和光純薬工業(株)製のトルエン(有機合成用、超脱水品)に溶解させてCr(acac)トルエン溶液を調製。
・n−ウンデカン…和光純薬工業(株)製:ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質として使用。
・メチルアルミノキサン…アルドリッチ(株)製の10wt%のメチルアルミノキサンのトルエン溶液(=アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液)を使用。
<実施例1〜15>
ガラス製シュレンク管に0.018mmolの表1又は2に記載の二座ホスファイトを入れ、窒素置換後、8.4mmol/lの濃度のCr(acac)を含有するトルエン溶液を1.8ml(Crとして0.015mmol)ほど加え、磁性攪拌子で攪拌して二座ホスファイトを室温で溶解させた。続いて、トルエンを10.2ml、n−ウンデカン(ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質)を1.0ml加え、更に、アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液を2.0ml(Alとして3.0mmol)加えて触媒液を調製した。
上記の触媒液を、窒素ガス雰囲気下で、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに全量導入し、密閉後、オートクレーブの内液を攪拌しながら40℃に加温した後に、エチレンを系内圧力(ゲージ圧)が3.0MPaになるように液中にフィードし、そのまま40℃に温度をコントロールしながら15分間ほど反応させた。なお、反応中は系内のエチレン圧力が3.0MPaを保持するようにエチレンを供給し続けた。
反応終了後、反応容器を氷水で冷やして10℃に冷却し、エチレンガスをパージした後、オートクレーブを開放し反応液を全量ガラス容器に回収した。回収した反応液にエタノールを1ml加えて攪拌し、更に2mol/lの塩酸を5ml加えて攪拌した後、静置して上層のトルエン相を別のガラス容器に回収した。続いて上記トルエン相を15mlの水を用いて洗浄し、当該トルエン相の一部を用いてガスクロマトグラフィーにて分析することで反応生成物(三量体又は四量体のオリゴマー)を定量した。そして、オリゴマーの生成速度(クロム含量1gあたり、かつ、1時間当たりのオリゴマー生成量(g))を算出した。なお、オートクレーブを開放した時にポリマーが生成していた場合には、別途回収し、減圧下で乾燥させた後、重量を測定して生成率を計算した。結果を表3に示す。
Figure 0006500488
Figure 0006500488
Figure 0006500488
生成するC6(ヘキセン)のうち1−ヘキセンの選択率は、実施例1〜15において、97〜98%の範囲内であった。また、生成するC8(オクセン)のうち1−オクセンの選択率も、実施例1〜15において、97〜98%の範囲内であった。
[考察]
上で例示した二座ホスファイト化合物の中でも、上記式(L−6)〜(L−69)のホスファイト化合物が好ましい。更に、ホスファイト化合物の安定性を向上させるためにも、R11〜R16がそれぞれ独立に無置換又は置換のアリール基であり、Z〜Z及びA〜Aがそれぞれ独立に無置換又は置換のジアリーレン基であることが好ましく、そのような二座配位ホスファイトの具体例として、特に上記の式(L−18)〜(L−20)、(L−24)〜(L−30)、(L−39)、(L−45)、(L−46)、(L−52)〜(L−62)、(L−66)〜(L−69)の化合物を挙げることができる。それらの中でもより好ましくは、A〜Aとして上記一般式(4)に示すジアリーレン基を用いた二座ホスファイト化合物であり、具体例としては上記の式(L−24)〜(L−30)、(L−45)、(L−46)、(L−52)〜(L−62)の化合物が挙げられる。更にそれらの中で最も好ましい構造としては、一般式(1)で表されるような末端基が互いに結合を有していない構造の二座ホスファイト化合物であり、具体例としては上記の式(L−24)〜(L−30)、(L−57)、(L−59)〜(L−62)の化合物が挙げられる。

Claims (4)

  1. クロム化合物、下記一般式(1)〜(3)のいずれかの構造の二座ホスファイト化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む、α−オレフィンの低重合のための触媒組成物。
    Figure 0006500488
    Figure 0006500488
    Figure 0006500488
    (式(1)〜(3)において、R11〜R16は、それぞれ独立に、鎖状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基を表し、更に置換基を有していてもよい基であり、Z〜Z及びA〜Aは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキレン−アリーレン基、アリーレン基、又は−Ar−(Q)n−Ar−のように真ん中に二価の連結基を有していてもよいジアリーレン基(但し、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基を表す。)を表す。)
  2. 前記一般式(1)〜(3)において、A〜Aの構造が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1に記載の触媒組成物。
    Figure 0006500488
    (式(4)において、R21〜R28は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アリール基、若しくはアリーロキシ基や、鎖状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシロキシ基、カルボキシ基、若しくはエステル基を表わす。これらの基は、更に置換基を有していても良く、任意の2つの置換基が結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
  3. 前記一般式(4)において、少なくともR21及びR28が炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の触媒組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法。
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