JP6500488B2 - 触媒組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は下記に関する。[1]クロム化合物、下記一般式(1)〜(3)のいずれかの構造の二座ホスファイト化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法。
このクロム化合物及び二座ホスファイト化合物から得られる錯化合物は、主触媒をとして用いられ、有機アルミニウム化合物は助触媒として用いられる。この主触媒である錯化合物は、前記クロム化合物のクロムを中心金属とし、この中心金属1原子に配位子として前記二座ホスファイト化合物が配位して形成される錯化合物である。
前記の通り、助触媒として有機アルミニウム化合物が用いられる。この有機アルミニウム化合物としては、特に、有機アルミニウム化合物を部分加水分解することにより得られる縮合生成物である縮合有機アルミニウム化合物が、α−オレフィンのオリゴマー化における主触媒の中心金属を効率よく活性化するので、より好ましい。このような縮合有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム等を部分加水分解したメチルアルミノキサン等があげられる。
[主触媒−クロム化合物]
主触媒を構成する錯化合物の中心金属として、クロムが用いられる。このクロムは、三価クロムであり、配位数が6つの錯体を形成する。このようなクロム化合物としては、クロム(IV)−tert−ブトキシド、クロム(III)アセチルアセトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、クロム(III)アセテート、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート、クロム(III)ヘプタノエート、Cr(CH3 COCHCOOCH3)3、Cr(PhCOCHCOPh)3(但し、ここでPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム等があげられる。
(基本骨格)
主触媒を構成する錯化合物の配位子である二座ホスファイト化合物は、下記の化学式(L)に示すような、ホスファイト基を2つ有し、2つのホスファイト基を連結する架橋部A、各ホスファイト基に連結される末端部Z0 1〜Z0 4の構造を有する化合物である。
(Z0 1−O)(Z0 2−O)−P−O−A−O−P−(O−Z0 3)(O−Z0 4)・・・(L)
以下に、この化合物について詳述する。
本発明における上記の化学式(L)の例としては、下記の化学式(1)〜(3)があげられる。
上記一般式(1)〜(3)において、R11〜R16は、それぞれ独立に、鎖状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表わす。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ナフチル基、ジ−t−ブチルナフチル基、ピリジル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基等が挙げられる。
上記のZ1〜Z3及びA1〜A3は、それぞれ独立に、二価の有機基を表わす。その種類としては、反応系に悪影響を及ぼす虞のないものであれば特に制限されないが、無置換又は置換の、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン−アリーレン基、又はジアリーレン基が好ましい。
上記のアルキレン−アリーレン基が有していても良い置換基の好ましい例としては、上述のアルキレン基が有していても良い置換基の好ましい例と同一の基が挙げられる。無置換又は置換のアルキレン−アリーレン基の具体例としては、下記式(D−1)〜(D−12)で表わされる構造の置換基が挙げられる。
上記のジアリーレン基とは、二つのアリーレン基が直接、又は二価の有機基を介して連結された基のことであり、具体的には−Ar1−(Q1)n−Ar2−で表わされる構造を有する基である。ここで、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアリーレン基を表わす。このアリーレン基の炭素数は、通常6〜30である。中でも、その炭素数は通常30以下、好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。一方、炭素数の下限は、通常6以上、好ましくは8以上、更に好ましくは10以上である。
以上述べてきたように、上記一般式(1)〜(3)で示される二座ホスファイト化合物としては、構成する置換基の組合せにより、様々な構造の二座ホスファイト化合物をあげることができる。その中でも好ましい具体例としては、下記式(L−6)〜(L−69)で表わされる構造の二座配位ホスファイトを挙げることができる。
上記のクロム化合物1当量に対する二座ホスファイト化合物の配合割合は、0.1当量以上がよく、0.5当量以上が好ましい。0.1当量より少ないと、オリゴマー化反応の活性がほとんど発現しなかったり、ポリマー生成のみ進行するおそれがある。一方、配合割合の上限は、5当量以下がよく、2当量以下が好ましい。2当量より多いと、触媒活性が低下するおそれがある。
上記の触媒組成物を用い、エチレン等のα−オレフィンを一般的なポリマー化の際の温度・圧力等の条件下で重合反応を行うことにより、α−オレフィンの三量体や四量体等のオリゴマーを高収率で得ることができる。
・二座ホスファイト…特開昭62−116587号公報、特開平08−259578号公報、特開平09−087292号公報、特開平10−045776号公報、特開平11−130720号公報等を参考に、実施例用として少量合成した。また、これらの公開公報に記載されていない二座ホスファイトについては、これらの公開公報に記載の方法を用い、対応する架橋部原料(ジオールやビフェノール類)、及び末端部原料(アルコールやフェノール類)を変えて合成した。
・n−ウンデカン…和光純薬工業(株)製:ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質として使用。
・メチルアルミノキサン…アルドリッチ(株)製の10wt%のメチルアルミノキサンのトルエン溶液(=アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液)を使用。
ガラス製シュレンク管に0.018mmolの表1又は2に記載の二座ホスファイトを入れ、窒素置換後、8.4mmol/lの濃度のCr(acac)3を含有するトルエン溶液を1.8ml(Crとして0.015mmol)ほど加え、磁性攪拌子で攪拌して二座ホスファイトを室温で溶解させた。続いて、トルエンを10.2ml、n−ウンデカン(ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質)を1.0ml加え、更に、アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液を2.0ml(Alとして3.0mmol)加えて触媒液を調製した。
上記の触媒液を、窒素ガス雰囲気下で、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに全量導入し、密閉後、オートクレーブの内液を攪拌しながら40℃に加温した後に、エチレンを系内圧力(ゲージ圧)が3.0MPaになるように液中にフィードし、そのまま40℃に温度をコントロールしながら15分間ほど反応させた。なお、反応中は系内のエチレン圧力が3.0MPaを保持するようにエチレンを供給し続けた。
反応終了後、反応容器を氷水で冷やして10℃に冷却し、エチレンガスをパージした後、オートクレーブを開放し反応液を全量ガラス容器に回収した。回収した反応液にエタノールを1ml加えて攪拌し、更に2mol/lの塩酸を5ml加えて攪拌した後、静置して上層のトルエン相を別のガラス容器に回収した。続いて上記トルエン相を15mlの水を用いて洗浄し、当該トルエン相の一部を用いてガスクロマトグラフィーにて分析することで反応生成物(三量体又は四量体のオリゴマー)を定量した。そして、オリゴマーの生成速度(クロム含量1gあたり、かつ、1時間当たりのオリゴマー生成量(g))を算出した。なお、オートクレーブを開放した時にポリマーが生成していた場合には、別途回収し、減圧下で乾燥させた後、重量を測定して生成率を計算した。結果を表3に示す。
上で例示した二座ホスファイト化合物の中でも、上記式(L−6)〜(L−69)のホスファイト化合物が好ましい。更に、ホスファイト化合物の安定性を向上させるためにも、R11〜R16がそれぞれ独立に無置換又は置換のアリール基であり、Z1〜Z3及びA1〜A3がそれぞれ独立に無置換又は置換のジアリーレン基であることが好ましく、そのような二座配位ホスファイトの具体例として、特に上記の式(L−18)〜(L−20)、(L−24)〜(L−30)、(L−39)、(L−45)、(L−46)、(L−52)〜(L−62)、(L−66)〜(L−69)の化合物を挙げることができる。それらの中でもより好ましくは、A1〜A3として上記一般式(4)に示すジアリーレン基を用いた二座ホスファイト化合物であり、具体例としては上記の式(L−24)〜(L−30)、(L−45)、(L−46)、(L−52)〜(L−62)の化合物が挙げられる。更にそれらの中で最も好ましい構造としては、一般式(1)で表されるような末端基が互いに結合を有していない構造の二座ホスファイト化合物であり、具体例としては上記の式(L−24)〜(L−30)、(L−57)、(L−59)〜(L−62)の化合物が挙げられる。
Claims (4)
- クロム化合物、下記一般式(1)〜(3)のいずれかの構造の二座ホスファイト化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む、α−オレフィンの低重合のための触媒組成物。
- 前記一般式(4)において、少なくともR21及びR28が炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の触媒組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法。
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