JP6476974B2 - 蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法 Download PDF

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Description

本明細書に記載された技術は、正極と、負極と、非水電解質とを有する蓄電素子、及びその製造方法に関する。
正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質を備えた非水電解質二次電池として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。非水電解質二次電池においては、活物質同士を結着させたり、活物質と極板とを結着させたりするために、結着剤が用いられる。
特開2003−142082号公報
活物質と結着剤とが混合された合剤の粘度が不足するような場合には、合剤に増粘剤が添加される場合がある。すると、この増粘剤によって活物質の表面に被膜が形成される場合がある。この被膜によって、非水電解質が活物質の表面にまで到達することができにくくなる結果、非水電解質二次電池の入力特性が低下することが懸念される。
本明細書に記載された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、入力特性が向上された蓄電素子を提供することを目的とする。
本明細書に記載された技術に係る蓄電素子は、正極と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極と、電解質と、前記負極合剤層に混合される負極バインダ及び負極増粘剤と、を備え、前記負極増粘剤は複数の細孔を有している。
本明細書に記載された技術によれば、低温時の入力特性が向上した蓄電素子を提供することができる。なぜならば、負極の表面に増粘剤の被膜が形成された場合であっても、被膜に形成された複数の細孔を通じて電解質が負極の表面にまで到達することができるからである。
本明細書に記載された技術によれば、蓄電素子の入力特性を向上させることができる。
実施形態1に係る蓄電素子を示す斜視図 蓄電素子を示す断面図 貧溶媒を添加したか否かと、貧溶媒の種類に基づく、回生入力比率の変化を示すグラフ 貧溶媒の分子量に基づく、回生入力比率の変化を示すグラフ N-メチルピロリドンの添加量に対する、回生入力比率の変化を示すグラフ 負極板を示すSEM写真 負極板について、細孔孔径に対する微分細孔容積の変化を示すグラフ 図7に示すグラフの一次導関数を示すグラフ
(実施形態の概要)
本明細書に記載された蓄電素子は、正極と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極と、電解質と、前記負極合剤層に混合される負極バインダ及び負極増粘剤と、を備え、前記負極増粘剤は複数の細孔を有している。
本明細書に記載された技術によれば、低温時の入力特性が向上した蓄電素子を提供することができる。なぜならば、負極の表面に増粘剤の被膜が形成された場合であっても、被膜に形成された複数の細孔を通じて電解質が負極の表面にまで到達することができるからである。
本明細書に記載された蓄電素子は、正極と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極と、電解質と、前記負極合剤層に混合される負極バインダ及び負極増粘剤と、を備え、水銀圧入法により測定された前記負極の細孔分布において、細孔径0.5μm以下の領域に、上に凸のピークを有する。
本明細書に記載された技術によれば、低温時の入力特性が向上した蓄電素子を提供することができる。なぜならば、水銀圧入法により測定された前記負極の細孔分布において、細孔径0.5μm以下の領域に、上に凸のピークを有して分布する細孔は、負極増粘剤に形成された細孔であり、この細孔を通じて電解質が負極の表面にまで到達することができるからである。
本明細書に記載された蓄電素子の製造方法は、負極活物質と、負極バインダと、負極増粘剤と、前記負極増粘剤に対する良溶媒と、前記良溶媒よりも沸点が高く、且つ、前記良溶媒よりも前記負極増粘剤の溶解度が小さい貧溶媒と、を混合して負極合剤を調製する工程と、前記負極合剤を負極箔に塗布する工程と、前記良溶媒を蒸発させる第1乾燥工程と、前記貧溶媒を蒸発させる第2乾燥工程と、を有する。
本明細書に記載された技術によれば、低温時の入力特性が向上した蓄電素子を提供することができる。これは以下の理由による。まず、第1乾燥工程において良溶媒が蒸発すると、負極増粘剤が固化する。このとき、貧溶媒は蒸発せずに、固化した負極増粘剤中に残存している。この貧溶媒の、負極増粘剤に対する溶解度は比較的に小さいので、負極増粘剤は貧溶媒中から排除され、貧溶媒中に溶解している負極増粘剤は比較的に少ないものとなっている。次に、第2乾燥工程において貧溶媒が蒸発すると、貧溶媒からは負極増粘剤はあまり析出せず、貧溶媒が残存していた領域は細孔となる。この細孔を通じて電解質が負極の表面にまで到達することができるようになっているので、蓄電素子の低温時の入力特性を向上させることができる。
(前記貧溶媒の質量)/(前記良溶媒の質量+前記貧溶媒の質量)は、0.05以上であることが好ましい。また、(前記貧溶媒の質量)/(前記良溶媒の質量+前記貧溶媒の質量)は、0.20以下であることが好ましい。
(前記貧溶媒の質量)/(前記良溶媒の質量+前記貧溶媒の質量)が、0.05よりも小さい場合には、電解質を負極の表面にまで到達させることができない可能性があるので好ましくない。これは、細孔を十分に形成することができないためであると考えられる。また、(前記貧溶媒の質量)/(前記良溶媒の質量+前記貧溶媒の質量)が、0.20よりも大きな場合には、負極バインダの性能が低下するので好ましくない。これは、貧溶媒が蒸発した後に形成される細孔が過度に多くなり、負極バインダがもろくなるからであると考えられる。
前記貧溶媒の分子量は、80以上であることが好ましい。
上記の態様によれば、蓄電素子の入力特性を向上させることができる。
前記貧溶媒は、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートからなる群から選ばれる一つ又は複数の物質であることが好ましい。
上記の態様によれば、負極増粘剤に確実に細孔を形成することができるので、低温時における蓄電素子の入力特性を確実に向上させることができる。
<実施形態1>
以下、実施形態1について図1から図7を参照しつつ説明する。実施形態1に係る蓄電素子10は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、動力源として使用される。実施形態1に係る蓄電素子10は、リチウムイオン電池であって、ケース11内に、正極板(正極に相当)18と、負極板(負極に相当)19と、セパレータ21と、電解液と、を収容してなる。なお、蓄電素子10としてはリチウムイオン電池に限られず、必要に応じて任意の蓄電池を選択することができる。
図1に示すように、ケース11は扁平な直方体形状をなしている。ケース11は金属製であってもよく、また、合成樹脂製であってもよい。ケース11を構成する金属としては、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を選択しうる。ケース11を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等、必要に応じて任意の合成樹脂を選択しうる。
ケース11は、上方に開口するケース本体14と、このケース本体14に取り付けられて、ケース本体14の開口を塞ぐ蓋15と、を備える。蓋15はケース本体14の開口と略同じ形状に形成されている。蓋15の上面には、正極端子16と、負極端子17とが、上方に突出して設けられている。正極端子16は、ケース11内において公知の手法により正極板18と電気的に接続されている。また、負極端子17は、ケース11内において公知の手法により負極板19と電気的に接続されている。
図2に示すように、ケース11内には、正極板18、セパレータ21、負極板19、セパレータ21の順に積層し、それら全体を巻回させてなる蓄電要素20が収容されている。また、ケース11内には、電解液(図示せず)が注入されている。
正極板18は、金属製の正極箔の片面又は両面に正極合剤層が形成されてなる。正極合剤は、正極活物質と、導電助剤と、結着剤としての正極バインダと、を含む。正極箔は金属製の箔状をなしている。本実施形態に係る正極箔は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、正極活物質として、LiMPO、LiMSiO、LiMBO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム等のスピネル化合物、LiMO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。
導電助剤の種類は特に制限されず、金属であっても非金属であってもよい。金属の導電剤としては、CuやNiなどの金属元素から構成される材料を用いることができる。また、非金属の導電剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料を用いることができる。
正極バインダは、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定であり、また、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば特にその種類は制限されない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、正極合剤に正極増粘剤などを含有させてもよい。正極増粘剤としては、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸など必要に応じて任意の化合物を適宜に選択することができる。セルロース系樹脂としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロースなどを適宜に選択することができる。
(負極板19)
負極板19は、負極箔の片面又は両面に負極合剤層が形成されてなる。負極合剤は、負極活物質と、結着剤としての負極バインダと、負極増粘剤と、を含む。負極箔は金属製の箔状をなしている。本実施形態に係る負極箔は、銅又は銅合金からなる。
負極活物質としては、炭素材料、その他リチウムと合金化可能な元素、合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、などが挙げられる。炭素材料の例としてはハードカーボン,ソフトカーボン,グラファイト等が挙げられる.リチウムと合金可能な元素の例としては、例えば、Al、Si、Zn、Ge、Cd、Sn、およびPb等を挙げることができる。これらは単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、合金の例としてはNi−Si合金、およびTi−Si合金等の遷移金属元素を含む合金等が挙げられる.金属酸化物の例としてはSnB0.40.63.1などのアモルファススズ酸化物、SnSiOなどのスズ珪素酸化物、SiOなどの酸化珪素、Li4+xTi12などのスピネル構造のチタン酸リチウムなどが挙げられる。金属硫化物の例としては、TiSなどの硫化リチウム、MoSなどの硫化モリブデン、FeS、FeS、LiFeSなどの硫化鉄が挙げられる.これらの中でも特にハードカーボン、中でもD50が8μmより小さい小粒子径ハードカーボンが好ましく、D50が2μm〜7μmであることがより好ましい。
また、必要に応じて、負極合剤に導電助剤を含有させてもよい。導電助剤の種類は特に制限されず、金属であっても非金属であってもよい。金属の導電剤としては、CuやNiなどの金属元素から構成される材料を用いることができる。また、非金属の導電剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料を用いることができる。
負極バインダは、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定であり、また、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば特にその種類は制限されない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。
負極バインダとしては、いわゆる非水系バインダを用いてもよく、また、いわゆる水系バインダを用いてもよい。環境問題を考慮した場合には、水系バインダを好適に用いることができる。水系バインダは、水には溶解しないが良好に水中に分散する水分散系バインダと、水に溶解する水溶性バインダとを含む。
また、負極合剤は負極増粘剤を含有する。負極増粘剤としては、セルロース系樹脂、アクリル酸など必要に応じて任意の化合物を適宜に選択することができる。セルロース系樹脂としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロースなどを適宜に選択することができる。負極活物質層の剥離強度を高める観点から、負極増粘剤には、セルロース系樹脂を用いることが好ましく、カルボキシメチルセルロースを用いることが特に好ましい。
負極活物質と、導電助剤と、負極バインダと、負極増粘剤と、比較的に沸点が低く且つ比較的に負極増粘剤の溶解度が高い良溶媒と、良溶媒よりも沸点が高く且つ良溶媒よりも負極増粘剤の溶解度が低い貧溶媒と、を混合することにより、負極ペーストが調製される。良溶媒としては、例えば、水が挙げられる。貧溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ブタンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のジオール類及びその誘導体、ガンマブチロラクトン、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状エステル類、ジメチルスルフォキシド(DMS)等からなる群から選ばれる、1つ又は複数の溶媒を適宜に選択することができる。ここで、良溶媒とは、負極増粘剤の溶解度が1g/100g以上である(溶媒100gに対して負極増粘剤を1g以上溶解する)ものを意味する。また、貧溶媒とは、選択された良溶媒よりも負極増粘剤の溶解度が低いものを意味する。
負極ペーストは、負極箔の一面又は両面に、リバースロール方式、ダイレクトロール方式、ブレード方式、ナイフ方式、ディップ方式、公知の手法により塗工される。
その後、負極に対して乾燥工程が実行される。乾燥工程は、良溶媒を乾燥させるための第1乾燥工程と、貧溶媒を乾燥させるための第2乾燥工程と、を含む。第1乾燥工程において負極板を乾燥するための温度は、第2乾燥工程における温度よりも低く設定されている。第1乾燥工程の乾燥条件は、温度が10℃〜100℃であり、乾燥時間が10秒〜30分とされる。また、第2乾燥工程の乾燥条件は、温度が50℃〜150℃であり、乾燥時間が2秒〜30分とされる。
例えば、負極板を乾燥炉内に収容し、この乾燥炉中で第1乾燥工程を実行した後に、負極板を乾燥炉から取り出すことなく、連続的に第2乾燥工程を実行してもよい。また、第1乾燥工程を実行した後に、乾燥炉から負極板を取り出して負極板を放冷した後、第2乾燥工程を実行してもよい。
負極板は、乾燥工程が終了した後、所定の厚みにプレスされる。
セパレータ21としては、ポリオレフィン微多孔膜、合成樹脂製の織物又は不織布、天然繊維、ガラス繊維又はセラミック繊維の織物又は不織布、紙等を用いることができる。ポリオレフィン微多孔膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの複合膜を利用することができる。合成樹脂繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、又はこれらの混合物から選択することができる。セパレータ21の厚さは、5〜35μmが好ましい。
セパレータ21には、少なくとも片面に、耐熱粒子とバインダとを含む耐熱層が形成されていてもよい。セパレータ21に耐熱層が形成されている場合には、耐熱層は正極合剤層に対向するように配されるのが好ましい。耐熱粒子は大気下で500℃にて重量減少が5%以下であるものが望ましい。中でも800℃にて重量減少が5%以下であるものが望ましい。そのような材料として無機化合物が挙げられる。無機化合物は下記のうちの一つ以上の無機物の単独もしくは混合体もしくは複合化合物からなる。無機化合物として、酸化鉄、SiO、Al、TiO、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物などの酸化物微粒子、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物微粒子、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶微粒子、シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶微粒子、タルク、モンモリロナイトなどの粘土微粒子、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカなどの鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物などが挙げられる。また、耐熱粒子として、金属微粒子、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの酸化物微粒子、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質微粒子などの導電性微粒子の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、上記の電気絶縁性の無機粒子を構成する材料)で表面処理することで、電気絶縁性を持たせた微粒子であってもよい。耐熱粒子として、特に、SiO、Al、アルミナ−シリカ複合酸化物が好ましい。
電解液としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。電解液は、ケース11内においてセパレータ21に含浸されている。電解液は限定されるものではなく、一般にリチウムイオン電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、電解液には公知の添加剤を加えてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiClO,LiBF,LiAsF,LiPF,LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
また、電解液として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、上方に開口されたケース本体14の内部に蓄電要素20を収容し、正極板18と正極端子16とを接続し、負極板19と負極端子17とを接続した後に電解液を注入し、ケース本体14に蓋15を溶接することにより、蓄電素子10を作製した。
正極板は次のようにして作製した。正極活物質としては、D50粒子径4.0μmであって、組成式LiNi1/3Co1/3Mn1/3で表されるリチウム複合酸化物を用いた。粒子径は、島津製作所社製のSALD−2200(制御ソフトはWing SALD−2200)で測定した。正極活物質91質量部と、導電助剤としてアセチレンブラック4.5質量部と、正極バインダとしてポリフッ化ビニリデン4.5質量部と、を混合した。これにN−メチルピロリドンを適宜加えてペースト状に調製することにより、正極合剤を作製した。この正極合剤を、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極箔の両面に塗布した。これを乾燥した後、ロールプレス機で加圧することにより、正極板を作製した。
負極板は次のようにして作製された。負極活物質としては、D50粒子径3.7μmのハードカーボンを用いた。粒子径は、島津製作所社製のSALD−2200(制御ソフトはWing SALD−2200)で測定した。負極活物質96.7質量部と、負極増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.2質量部と、負極バインダとしてスチレンブタジエンゴム2.1質量部と、を混合した。これに、水90質量部と、N−メチルピロリドン(NMP)10質量部とを混合した混合溶媒を適宜加えてペースト状に調製することにより、負極合剤を作製した。この負極合剤を厚さ10μmの銅箔からなる負極箔の両面に塗布した。
NMPの沸点は202℃であり、分子量は99.13である。また、水と、NMPとの混合割合については、(NMPの質量)/(水の質量+NMPの質量)は、0.10であった。
その後、負極合剤が塗布された負極箔に対して、乾燥炉中で、25℃で15分間乾燥させる工程を行うことにより水を蒸発させた(第1乾燥工程の一例)。続いて、乾燥炉中で、120℃で15分間乾燥させる工程を行うことにより、NMPを蒸発させた(第2乾燥工程の一例)。これをロールプレス機で加圧することにより負極板を作製した。
セパレータには、ポリエチレン微多孔膜の片面に、Alを耐熱粒子として含む耐熱層が形成されたものを用意した。
上記のようにして得られた正極板と、セパレータと、負極板と、セパレータと、を順に重ね合わせ、渦巻き状に巻回することにより巻回型の蓄電要素20を作製した。
電解液としては、溶質としてLiPFを用い、溶媒としてプロピレンカーボネートと、ジメチルカーボネートと、エチルメチルカーボネートとの混合溶媒を用いた。混合溶媒は、各成分の体積比が、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5となるよう調製した。この混合溶媒にLiPFを溶解させて、LiPFの濃度が1 mol/Lとなるように調製した。
<実施例2>
負極合剤を調製する際に、NMPに代えて、プロピレンカーボネート(PC)を添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る蓄電素子を調製した。PCの沸点は242℃であり、分子量は102.09である。また、水と、PCとの混合割合については、(PCの質量)/(水の質量+PCの質量)は、0.10であった。
<実施例3>
負極合剤を調製する際に、N−メチルピロリドンに代えて、エチレンカーボネート(EC)を添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る蓄電素子を調製した。ECの沸点は240℃であり、分子量は88.06である。また、水と、ECとの混合割合については、(ECの質量)/(水の質量+ECの質量)は、0.10であった。
<実施例4>
負極合剤を調製する際に、NMPに代えて、ジメチルスルフォキシド(DMS)を添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る蓄電素子を調製した。DMSの沸点は189℃であり、分子量は78.13である。また、水と、DMSとの混合割合については、(DMSの質量)/(水の質量+DMSの質量)は、0.10であった。
<比較例1>
負極活物質96.7質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.2質量部と、バインダとしてスチレンブタジエンゴム2.1質量部と、を混合した。これに、水を適宜加えてペースト状に調製することにより、負極合剤を作製した。負極板は、乾燥炉中で、120℃で30分間乾燥させる工程を行うことにより水を蒸発させた。上記以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る蓄電素子を調製した。
(回生入力試験)
実施例1〜4、及び比較例1に係る蓄電素子に対して、回生入力試験を行った。25℃、5Aにて、4.2Vまで定電流充電を行い、さらに4.2V定電圧で合計3時間充電した後、5Aで、終止電圧2.4Vの条件で定電流放電することにより各蓄電素子の放電容量を測定した。各蓄電素子について、前述の測定で得られた放電容量の75%を充電することで電池のSOC(State Of Charge)を75%に調整後、マイナス30℃で4時間保持した。その後4.2Vの定電圧充電を行い、1秒目の電流値及び電圧値を乗ずることにより、低温時の回生入力値を算出した。
表1、及び図3には、比較例1に係る蓄電素子の充電電流を100とした場合における、他の実験例に係る蓄電素子の充電電流の比を示した。また、図4には、貧溶媒の分子量と、回生入力比率との関係を示すグラフを示した。
Figure 0006476974
負極ペーストの溶媒として、良溶媒である水のみを用いた比較例1に比べて、負極ペーストの溶媒として、良溶媒である水と、貧溶媒と、を含む混合溶媒を用いた実施例1〜4は、回生入力電流が大きなものとなっている。これは以下の理由によると考えられる。
まず、比較例1においては、負極箔に塗布された負極合剤に対して乾燥工程を実施することにより水を蒸発させると、CMCが析出する。このとき、負極活物質の表面がCMCの被膜によって覆われる。すると、電解質が負極活物質の表面に到達することができないため、入力特性が低下すると考えられる。
これに対して、実施例1〜4においては、まず、負極板に対する第1乾燥工程において、水が蒸発すると、CMCが析出する。このとき、貧溶媒は、析出したCMC中に液体の分散相として残存する。貧溶媒は比較的にCMCの溶解度が低いので、分散相中のCMCの残存量は比較的に少ないものとなっている。
次に、負極板に対して第2乾燥工程が実行されると、貧溶媒が蒸発する。これにより、析出したCMC中に分散相として残存していた貧溶媒が蒸発することになるので、貧溶媒が残存していた部分は空孔となる。これは、貧溶媒中にはCMCの残存量が比較的に少ないので、貧溶媒が残存していた部分を埋めるのに十分な量のCMCが溶存していないからである。このようにして、多孔質化された負極増粘剤が形成される。
上記のように形成された空孔は、三次元的に連通した連通孔となっている。つまり、負極活物質の表面に形成されたCMCの被覆層を貫通する経路が形成されている。この経路を通って、電解質が負極活物質の表面にまで到達することができるようになっている。これにより、蓄電素子の入力特性を向上させることができる。特に、試験温度マイナス30℃という、比較的に低温における入力特性が向上した。
図2に示すように、78.13よりも大きな分子量を有するものであって、且つ、CMC、に対する貧溶媒を添加した場合には、蓄電素子の回生入力比率は108.6%以上と、優れた効果を示した。貧溶媒の分子量が80よりも大きな場合は、蓄電素子の回生入力比率は126.9%以上となるので、好ましい。貧溶媒の分子量が90よりも大きな場合は、蓄電素子の回生入力比率は126.9%よりも大きくなるので、より好ましい。貧溶媒の分子量が100よりも大きな場合は、蓄電素子の回生入力比率は129.7%よりも大きくなるので、特に好ましい。
<実施例1、5及び6、並びに、比較例1〜2>
実施例5、6、及び比較例2について、水の添加量、及びNMPの添加量を表2に示したものとした以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を調製した。
実施例5、6、及び比較例2について、実施例1と同様にして回生入力試験を実施した。結果を表2に纏めて示した。また、実施例1、及び比較例2についても表2に合わせて示した。また、図5には、NMPの添加量に対する回生入力比率の変化を示した。
Figure 0006476974
表2に示すように、NMPの質量の、NMPの質量と水の質量との和に対する質量%が5mass%から20mass%である実施例1、5、及び6は、回生入力比率が、比較例1を100とした場合において、109.9%〜129.7%となり、入力特性が向上した。これは、NMPの質量%が5mass%よりも小さい場合には、細孔を十分に形成することができず、電解質を負極の表面にまで到達させることができないためと考えられる。
また、NMPの質量%が20mass%よりも大きな場合には、負極バインダとしてのCMCの性能が低下するので好ましくない。これは、NMPが蒸発した後に形成される細孔が過度に多くなり、CMCがもろくなるからであると考えられる。
図3に示すように、NMPの添加量が、5mass%〜20mass%であると、蓄電素子の回生入力比率が109.9%以上となるので好ましい。NMPの添加量が、10mass%である場合は、蓄電素子の回生入力比率が129.7%となるので、特に好ましい。
(細孔分布)
図6には、実施例1に係る負極板のSEM(走査電子顕微鏡)写真を示す。倍率は20,000倍である。図6において、破線で囲まれた領域A内に存在する物質が、負極活物質30の表面に付着した、多孔質化された負極増粘剤31と考えられる。上記したように、負極増粘剤31には複数の細孔が形成されている。この細孔を通って、負極活物質30の表面に電解質が到達することができるようになっている。
図7には、比較例1、実施例1、実施例2に係る蓄電素子について、水銀圧入法により測定された負極の微分細孔容積を示す。図7において、実線は比較例1を示し、破線は実施例1を示し、一点鎖線は実施例2を示す。
水銀圧入法による細孔分布の測定は以下のように行った。まず、蓄電素子を解体し、負極板をサンプリングした。サンプリングした試料は、負極板のうち、正極合剤層と負極合剤層とがセパレータを介して対向している位置から、大きさ、2cm×10cmのものを採取した。これらをジメチルカーボネートで洗浄し、常温で真空乾燥することにより前処理した。
上記のように作成したサンプルについて、Micromeritics WIN9400を使用し、JIS R 1655に準拠して水銀圧入法により、微分細孔容積(cm/g)を測定した。測定の際、サンプルに対する接触角を130°に設定した。
図7に示すように、貧溶媒が添加されていない比較例1においては、水銀圧入法により測定された負極の細孔分布において、負極活物質に起因する0.7μm付近にピークが観察されている。しかし、負極板の細孔孔径0.5μm以下に、微分細孔容積の変化を示すグラフは、上に凸のピークを有しない。
これに対して、貧溶媒としてNMPが添加された実施例1、及び貧溶媒としてPCが添加された実施例2においては、負極活物質に起因する0.8μm付近のピークに加え、水銀圧入法により測定された負極の細孔分布において、負極板の細孔孔径0.5μm以下に、微分細孔容積の変化を示すグラフが上に凸のピークを有する。
詳細には、NMPが添加された実施例1、及びPCが添加された実施例2においては、少なくとも細孔孔径が0.03μm〜0.3μmの範囲において、比較例1に係るグラフと比較して、上に凸のピークが形成されている。
上記のピークは、貧溶媒であるNMP、又はPCが負極板から蒸発した際に形成された細孔の存在を示していると考えられる。この細孔により、負極活物質の表面に電解質が到達するようになっていると考えられる。この細孔に到達した電解質を介して、リチウムイオンが負極活物質に到達することが可能となる結果、低温時の入力特性が向上した蓄電素子を提供することができると推測される。
電解質が細孔中に侵入する観点から、細孔の大きさは小さ過ぎないことが好ましい。具体的には、負極の細孔分布において、0.01μm以上の領域にピークを有することが好ましく、0.03μm以上の領域にピークを有することがさらに好ましい。
また、増粘剤がもろくなる観点から、細孔の大きさは大き過ぎないことが好ましい。具体的には、負極の細孔分布において、0.3μm以下の領域にピークを有することが好ましく、0.1μm以下の領域にピークを有することがさらに好ましく、0.08μm以下の領域にピークを有することが特に好ましい。
(微分細孔容積曲線一次導関数)
図8には、図7に係るグラフを微分することにより作成した、微分細孔容積一次導関数のグラフを示す。
貧溶媒が添加されていない比較例1のグラフ(実線)は、(dVp/dlog(r))’が0となる横軸に対して、約0.08μmの近傍で1回だけ交差している。詳細には、約0.08μmよりも細孔孔径が小さい場合には負の値となっており、約0.08μmよりも細孔孔径が大きい場合には正の値となっている。これは、比較例1に係る微分細孔容積のグラフが、細孔孔径が約0.08μmの近傍にピークを有する下に凸のグラフであることを意味している。
一方、貧溶媒としてNMPが添加された実施例1のグラフ(破線)は、(dVp/dlog(r))’が0となる横軸に対して、約0.03μmの近傍で、負の値から正の値へと交差し、約0.07μmの近傍で、正の値から負の値へと交差しており、約0.17μmの近傍で、負の値から正の値へと交差している。すなわち、実施例1のグラフは、(dVp/dlog(r))’が0となる横軸に対して、3回交差している。これは、実施例1に係る微分細孔容積のグラフが、細孔孔径が約0.03μmの近傍で下に凸のピークを有すると共に、細孔孔径が約0.07μmの近傍で上に凸のピークを有すると共に、細孔孔径が約0.17μmの近傍で下に凸のピークを有することを意味している。
また、貧溶媒としてPCが添加された実施例2のグラフ(一点鎖線)も、(dVp/dlog(r))’が0となる横軸に対して、3回交差している。詳細には以下の通りである。実施例2のグラフ(一点鎖線)は、(dVp/dlog(r))’が0となる横軸に対して、約0.04μmの近傍で、負の値から正の値へと交差し、約0.08μmの近傍で、正の値から負の値へと交差しており、約0.17μmの近傍で、負の値から正の値へと交差している。これは、実施例2に係る微分細孔容積のグラフが、細孔孔径が約0.04μmの近傍で下に凸のピークを有すると共に、細孔孔径が約0.08μmの近傍で上に凸のピークを有すると共に、細孔孔径が約0.17μmの近傍で下に凸のピークを有することを意味している。
このように、微分細孔容積一次導関数のグラフを解析することにより、負極板の細孔孔径0.5μm以下の領域に、微分細孔容積の変化を示すグラフが上に凸のピークを有することを明確に判別することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)蓄電素子としては、リチウムイオン二次電池に限られず、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、アルカリ蓄電池等、任意の蓄電素子を用いることができる。
(2)本実施形態に係る複数の細孔は、互いに連通するものとしたが、これに限られず、複数の細孔は独立気泡であってもよい。
(3)貧溶媒の分子量は80よりも小さくてもよい。
10:蓄電素子
18:正極板
19:負極板
30:負極活物質
31:負極増粘剤

Claims (6)

  1. 正極と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極と、電解質と、前記負極合剤層に混合される負極バインダ及び負極増粘剤と、を備え、
    前記負極増粘剤は複数の細孔を有している蓄電素子。
  2. 負極活物質と、負極バインダと、負極増粘剤と、前記負極増粘剤に対する良溶媒と、前記良溶媒よりも沸点が高く、且つ、前記良溶媒よりも前記負極増粘剤の溶解度が小さい貧溶媒と、を混合して負極合剤を調製する工程と、
    前記負極合剤を負極箔に塗布する工程と
    固化した前記負極増粘剤中に前記貧溶媒が残存するように前記良溶媒を蒸発させる第1乾燥工程と
    前記負極増粘剤中に残存している前記貧溶媒を蒸発させる第2乾燥工程と、
    を有する蓄電素子の製造方法。
  3. (前記貧溶媒の質量)/(前記良溶媒の質量+前記貧溶媒の質量)が、0.05以上である請求項2に記載の蓄電素子の製造方法。
  4. (前記貧溶媒の質量)/(前記良溶媒の質量+前記貧溶媒の質量)が、0.20以下である請求項2または請求項3に記載の蓄電素子の製造方法。
  5. 前記貧溶媒の分子量は、80以上である請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の蓄電素子の製造方法。
  6. 前記貧溶媒は、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートからなる群から選ばれる一つ又は複数の物質である請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の蓄電素子の製造方法。
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