(実施形態の概要)
本明細書に記載された技術は、正極と、負極と、を備えた蓄電素子であって、前記負極は、黒鉛と、難黒鉛化炭素と、を有し、前記難黒鉛化炭素の、粒子径の粒度分布における累積体積が50%となるD50粒子径が2μm〜8μmであり、前記黒鉛の、粒子径の粒度分布における累積体積が50%となるD50粒子径が2μm以上であり、前記難黒鉛化炭素の質量と前記黒鉛の質量との総量に対する、前記黒鉛の質量の比率が、5質量%〜45質量%であり、前記難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する、前記黒鉛のD50粒子径の比が1.02以下である。
本構成によれば、蓄電素子のサイクル後出力を向上させることができると共に、サイクル後容量も向上させることができる。これは以下の理由によると考えられる。
負極が黒鉛と難黒鉛化炭素とを有することにより、容量が大きく、かつサイクル特性に優れた蓄電素子を得ることができる。
難黒鉛化炭素のD50粒子径を2μm〜8μmとすることにより出力特性を向上させることができる。
黒鉛のD50粒子径を2μm以上とすることにより、サイクル特性を向上させることができる。これは、黒鉛のD50粒子径を2μm未満とすると、比較的に電気抵抗の低い黒鉛に電流が集中しやすくなることにより、リチウム電析が生じやすくなるからであると推測される。
難黒鉛化炭素の質量と黒鉛の質量との総和に対する黒鉛の質量の比率を5質量%〜45質量%とすることにより、蓄電素子のサイクル特性の低下を抑制することができる。
難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02以下とすることにより、蓄電素子のサイクル特性を向上させることができる。これは、以下の理由によると考えられる。難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02を超える値とすることは、難黒鉛化炭素に比べて、黒鉛の粒子径が比較的に大きくなることを意味する。黒鉛は充放電に伴う体積の膨張、又は収縮が比較的に大きいため、充放電が繰り返されることによって黒鉛の膨張と収縮が繰り返されると、黒鉛の一部が分離し、導電パスの切断が生じやすくなる。難黒鉛化炭素に比べて黒鉛の粒子径が比較的に大きくなると、導電パスが切断されることによる出力低下の影響が大きくなると考えられるのである。
上記の蓄電素子では、前記難黒鉛化炭素の質量と前記黒鉛の質量との総量に対する、前記黒鉛の質量の比率が、5質量%〜20質量%であることが好ましい。
本構成によれば、サイクル後出力を一層向上させることができる。これは、負極に含まれる黒鉛の量を5質量%〜20質量%とすることにより、サイクル特性の低下が抑制されたためと考えられる。
上記の蓄電素子では、前記難黒鉛化炭素のD50粒子径が2μm〜4.5μmであることが好ましい。
本構成によれば、サイクル後出力の絶対値を向上させることができる。これは、サイクル特性に優れる難黒鉛化炭素のD50粒子径を2μm〜4.5μmとすることにより、充放電を繰り返した後における出力特性が向上したためと考えられる。
上記の蓄電素子では、前記難黒鉛化炭素の質量と前記黒鉛の質量との総量に対する、前記黒鉛の質量の比率が、15質量%〜20質量%であることが好ましい。
本構成によれば、サイクル後容量の絶対値を向上させることができる。これは、黒鉛の量を15質量%〜20質量%とすることにより、サイクル特性の低下が抑制されたためと考えられる。
<実施形態1>
以下、実施形態1について図1から図16を参照しつつ説明する。実施形態1に係る蓄電素子10は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、動力源として使用される。実施形態1に係る蓄電素子10は、リチウムイオン電池であって、ケース11内に蓄電要素20を収容してなる。蓄電要素20は、正極板(正極に相当)18と、負極板(負極に相当)19と、セパレータと、電解液(図示せず)と、を備える。なお、蓄電素子10としてはリチウムイオン電池に限られず、必要に応じて任意の蓄電池を選択することができる。
図1に示すように、ケース11は扁平な直方体形状をなしている。ケース11は金属製であってもよく、また、合成樹脂製であってもよい。ケース11を構成する金属としては、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を選択しうる。ケース11を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等、必要に応じて任意の合成樹脂を選択しうる。
ケース11は、上方に開口するケース本体14と、このケース本体14に取り付けられて、ケース本体14の開口を塞ぐ蓋15と、を備える。蓋15はケース本体14の開口と略同じ形状に形成されている。蓋15の上面には、正極端子16と、負極端子17とが、上方に突出して設けられている。正極端子16は、ケース11内において公知の手法により正極板18と電気的に接続されている。また、負極端子17は、ケース11内において公知の手法により負極板19と電気的に接続されている。
図2に示すように、ケース11内には、正極板18、セパレータ、負極板19を積層し、それら全体を巻回させてなる蓄電要素20が収容されている。また、ケース11内には、電解液が注入されている。
正極板18は、金属製の正極箔の片面又は両面に正極合剤層が形成されてなる。正極合剤は、正極活物質と、正極バインダと、を含む。正極合剤は、さらに、導電助剤を含んでもよい。正極箔は金属製の箔状をなしている。本実施形態に係る正極箔は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、正極活物質として、LixMOy(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(LixCoO2、LixNiO2、LixMn2O4、LixMnO3、LixNiyCo(1−y)O2、LixNiyMnzCo(1−y−z)O2、LixNiyMn(2−y)O4など)、又は、LiwMex(XOy)z(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO4、LiMnPO4、LiNiPO4、LiCoPO4、Li3V2(PO4)3、Li2MnSiO4、Li2CoPO4Fなど)を用いることができる。また、これらの化合物中の元素またはポリアニオンは一部他の元素またはアニオン種で置換されていてもよく、表面にZrO2、MgO、Al2O3などの金属酸化物や炭素を被覆されていてもよい。さらに、正極活物質として、ジスルフィド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラスチレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬黒鉛構造炭素質材料等を用いてもよく、正極活物質の材料は、これらに限定されるものではない。また、正極活物質は、これらの化合物を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
導電助剤の種類は特に制限されず、金属であっても非金属であってもよい。金属の導電剤としては、CuやNiなどの金属元素から構成される材料を用いることができる。また、非金属の導電剤としては、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)などの炭素材料を用いることができる。これらの導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
正極バインダは、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定であり、また、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば特にその種類は制限されない。例えば、正極合材の組成物に水性溶媒を用いる場合、正極バインダとして、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;等の水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、正極合材の組成物に非水性溶媒を用いる場合、正極バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のポリマーを好ましく採用することができる。これらの正極用バインダは単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、上記組成物の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
また、必要に応じて、正極合剤に正極増粘剤などを含有させてもよい。正極増粘剤としては、メチルセルロース(MC)もしくはカルボキシメチルセルロース(CMC)等の多糖類、これらの多糖類のナトリウム塩もしくはアンモニウム塩、又はN−メチルピロリドン(NMP)など必要に応じて任意の化合物を適宜に選択することができる。
正極ペーストは、正極箔の一面又は両面に、リバースロール方式、ダイレクトロール方式、ブレード方式、ナイフ方式、ディップ方式、公知の手法により塗工される。
その後、正極板は所定の厚みにプレスされた後,乾燥工程において乾燥される。
(負極板19)
負極板19は、負極箔の片面又は両面に負極合剤層が形成されてなる。負極合剤は、負極活物質と、負極バインダと、を含む。負極合剤は、さらに、導電助剤又は負極増粘剤を含んでもよい。負極箔は金属製の箔状をなしている。本実施形態に係る負極箔は、銅又は銅合金からなる。
本実施形態に係る負極活物質は、少なくとも、難黒鉛化炭素及び黒鉛を含む。黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。人造黒鉛は、例えば易黒鉛化炭素を焼成することによって得ることができる。難黒鉛化炭素は、石油ピッチ、ポリアセン、ポリシロキサン、ポリパラフェニレン、ポリフルフリルアルコールなどを所定の温度で焼成した炭素材料から得ることができる。
負極活物質は、さらに、炭素材料、その他リチウムと合金化可能な元素、合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、などを含んでもよい。炭素材料の例としては黒鉛、難黒鉛化炭素の他、易黒鉛化炭素等が挙げられる。
リチウムと合金可能な元素の例としては、例えば、Al、Si、Zn、Ge、Cd、Sn、およびPb等を挙げることができる。これらは単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、合金の例としてはNi−Si合金、およびTi−Si合金等の遷移金属元素を含む合金等が挙げられる。金属酸化物の例としてはSnB0.4P0.6O3.1などのアモルファススズ酸化物、SnSiO3などのスズ珪素酸化物、SiOなどの酸化珪素、Li4+xTi5O12などのスピネル構造のチタン酸リチウムなどが挙げられる。金属硫化物の例としては、TiS2などの硫化リチウム、MoS2などの硫化モリブデン、FeS、FeS2、LixFeS2などの硫化鉄が挙げられる。
難黒鉛化炭素の、粒子径の粒度分布における累積体積が50%となるD50粒子径は、2μm〜8μmが好ましい。出力特性が向上するからである。
黒鉛のD50粒子径を2μm以上とすることにより、サイクル特性を向上させることができる。これは、黒鉛のD50粒子径を2μm未満とすると、比較的に電気抵抗の低い黒鉛に電流が集中しやすくなることにより、リチウム電析が生じやすくなるからであると推測される。
難黒鉛化炭素のD50粒子径は2μm〜4.5μmであることがより好ましい。サイクル後出力の絶対値を向上させることができるからである。これは、サイクル特性に優れる難黒鉛化炭素のD50粒子径を2μm〜4.5μmとすることにより、充放電を繰り返した後における出力特性が向上したためと考えられる。
黒鉛のD50粒子径は2μm以上とすることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。これは、黒鉛のD50粒子径を2μm未満とすると、比較的に電気抵抗の低い黒鉛に電流が集中しやすくなることにより、リチウム電析が生じやすくなるからであると推測される。
難黒鉛化炭素の質量と黒鉛の質量との総和に対する黒鉛の質量の比率は、5質量%〜45質量%とすることが好ましい。蓄電素子のサイクル特性の低下を抑制することができるからである。
難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02以下とすることにより、蓄電素子のサイクル特性を向上させることができる。これは、以下の理由によると考えられる。難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02とすることは、難黒鉛化炭素に比べて、黒鉛の粒子径が比較的に大きくなることを意味する。黒鉛は充放電に伴う体積の膨張、又は収縮が比較的に大きいため、充放電が繰り返されることによって黒鉛の膨張と収縮が繰り返されると、黒鉛の一部が分離し、導電パスの切断が生じやすくなる。難黒鉛化炭素に比べて黒鉛の粒子径が比較的に大きくなると、導電パスが切断されることによる出力低下の影響が大きくなると考えられるのである。
難黒鉛化炭素の質量と前黒鉛の質量との総量に対する、黒鉛の質量の比率は、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。なぜならば、負極に含まれる黒鉛の量を5質量%〜20質量%とすることにより、サイクル特性の低下が抑制されるからである。
難黒鉛化炭素の質量と黒鉛の質量との総量に対する、黒鉛の質量の比率は、15質量%〜20質量%であることが特に好ましい。サイクル後容量の絶対値を向上させることができるからである。これは、黒鉛の量を15質量%〜20質量%とすることにより、サイクル特性の低下が抑制されたためと考えられる。
難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比は、1.02以下であることが好ましい。蓄電素子のサイクル特性を向上させることができるからである。これは、以下の理由によると考えられる。難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02を超える値とすることは、難黒鉛化炭素に比べて、黒鉛の粒子径が比較的に大きくなることを意味する。黒鉛は充放電に伴う体積の膨張、又は収縮が比較的に大きいため、充放電が繰り返されることによって黒鉛の膨張と収縮が繰り返されると、黒鉛の一部が分離し、導電パスの切断が生じやすくなる。難黒鉛化炭素に比べて黒鉛の粒子径が比較的に大きくなると、導電パスが切断されることによる出力低下の影響が大きくなると考えられるのである。
導電助剤の種類は、電子伝導性を有するものであれば、とくに制限はされない。導電助剤として、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;銅、ニッケル等の金属粉末類;又はポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等を用いることができる。これらの負極用の導電助剤は単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。これらの負極用の導電剤の中でも、人造黒鉛、アセチレンブラック、炭素繊維を用いることが特に好ましい。負極用の導電助剤の添加量は、負極活物質の質量に対して、5質量%以下とすることが好ましい。
負極バインダは、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定であり、また、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば特にその種類は制限されない。例えば、負極合材の組成物に水性溶媒を用いる場合、負極バインダとして、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;等の水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、負極合材の組成物に非水性溶媒を用いる場合、負極バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のポリマーを好ましく採用することができる。これらの負極用バインダは単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、上記組成物の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
負極バインダとしては、いわゆる非水系バインダを用いてもよく、また、いわゆる水系バインダを用いてもよい。環境問題を考慮した場合には、水系バインダを好適に用いることができる。水系バインダは、水には溶解しないが良好に水中に分散する水分散系バインダと、水に溶解する水溶性バインダとを含む。
また、負極合剤は負極増粘剤を含有する。負極増粘剤としては、メチルセルロース(MC)もしくはカルボキシメチルセルロース(CMC)等の多糖類、これらの多糖類のナトリウム塩もしくはアンモニウム塩、又はN−メチルピロリドン(NMP)など必要に応じて任意の化合物を適宜に選択することができる。
負極ペーストは、負極箔の一面又は両面に、リバースロール方式、ダイレクトロール方式、ブレード方式、ナイフ方式、ディップ方式、公知の手法により塗工される。
その後、負極板は、所定の厚みにプレスされた後,乾燥工程において乾燥される。
セパレータとしては、ポリオレフィン微多孔膜、合成樹脂製の織物又は不織布、天然繊維、ガラス繊維又はセラミック繊維の織物又は不織布、紙等を用いることができる。ポリオレフィン微多孔膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの複合膜を利用することができる。合成樹脂繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、又はこれらの混合物から選択することができる。これらの中でも、セパレータとして、有機溶剤に不溶な織布、不織布、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる合成樹脂微多孔膜を用いることが好ましい。セパレータは、材料、重量平均分子量、又は、空孔率の異なる複数の微多孔膜が積層して構成されてもよく、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、又は、難燃剤等の添加剤を適量含有していてもよい。また、セパレータは、微多孔膜の片面又は両面にシリカ又はアルミナ等の無機酸化物を塗布したものであってもよい。セパレータは、厚さ、膜強度、又は膜抵抗等の観点から、ポリエチレン及びポリプロピレン製の微多孔膜、アラミド又はポリイミドと複合化させたポリエチレン及びポリプロピレン製の微多孔膜、又は、これらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜を用いることが特に好ましい。セパレータの厚さは、5〜35μmが好ましい。
電解液としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。電解液は、ケース11内においてセパレータに含浸されている。電解液は限定されるものではなく、一般にリチウムイオン電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、電解液には公知の添加剤を加えてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,Li2B10Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3,LiN(CF3SO2)2,LiN(C2F5SO2)2,LiN(CF3SO2)(C4F9SO2),LiC(CF3SO2)3,LiC(C2F5SO2)3,(CH3)4NBF4,(CH3)4NBr,(C2H5)4NClO4,(C2H5)4NI,(C3H7)4NBr,(n−C4H9)4NClO4,(n−C4H9)4NI,(C2H5)4N−maleate,(C2H5)4N−benzoate,(C2H5)4N−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
また、電解液として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例及び比較例>
実施例及び比較例については、正極板、負極板、及びセパレータを積層して巻回後、正極板の正極活物質非形成領域、及び負極板の負極活物質非形成領域を正極集電体及び負極集電体にそれぞれ公知の方法により溶接して金属製のケース本体14の内部に収容し、ケース本体14に蓋15を溶接した後、非水電解質を注入して封口することにより、蓄電素子10を作製した。
正極板は次のようにして作製した。正極活物質として、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用い、導電助剤としてはアセチレンブラックを用い、バインダとしてはPVDFを用いた。正極ペーストは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として、導電助剤が4.5質量%、バインダが4.5質量%、正極活物質が91質量%となるように混合、混練することで作製した。また、作製した正極ペーストを、厚さ15μmのアルミ箔上に幅83mm、未塗布部(正極活物質非形成領域)幅11mmとなるように6.9mg/cm2の質量で塗布、乾燥後、ロールプレスを行い、真空乾燥して水分を除去した。
負極板は次のようにして作製した。負極活物質としては、黒鉛と、難黒鉛化炭素と、を所定の混合比率で混合したものを用いた。図3〜図7に、黒鉛のD50粒子径(以下、DGともいう)、難黒鉛化炭素のD50粒子径(以下、DNともいう)、黒鉛と難黒鉛化炭素の混合比率についてまとめた。なお、混合比率とは、「難黒鉛化炭素と黒鉛の総量に対する難黒鉛化炭素又は黒鉛の比率」を意味する。
また、水系バインダとしてはスチレン・ブタジエンゴム(以下、SBRと記載)とアンモニウム塩のカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記載)とを用い、SBRが2質量%、CMCが1質量%、負極活物質(黒鉛及び難黒鉛化性炭素の合計)が97質量%となるように混合、混錬することで作製した。また、作製した負極ペーストを、厚さ8μmの銅箔上に幅87mm、未塗布部(負極活物質非形成領域)幅9mmとなるように3.0mg/cm2の質量で塗布乾燥後、ロールプレスを行い、真空乾燥して水分を除去した。
セパレータには、透気度が約100秒/100ccである厚さ21μmのポリエチレン微多孔膜を用いた。
上記のようにして得られた正極板と、セパレータと、負極板と、セパレータと、を順に重ね合わせ、渦巻き状に巻回することにより巻回型の蓄電要素20を作製した。
非水電解質は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、それぞれ30体積%、40体積%、30体積%となるように混合した溶媒に、塩濃度が1.2mol/LとなるようにLiPF6を溶解させ、さらにビニレンカーボネートが0.3質量%となるように添加することで作製した。
<測定>
実施例及び比較例について下記の測定試験を行い、また、各種の値を算出し、図8〜図12にまとめた。
(容量確認試験)
作製した電池について、25℃の恒温槽中で5Aの充電電流、4.2Vの定電流定電圧充電を3時間行い、10分の休止後、5Aの放電電流にて2.4Vまで定電流放電を行うことで、電池の放電容量Qを測定した。
(出力確認試験)
容量確認試験後の電池について、前述の容量確認試験で得られた放電容量の20%を充電することで電池のSOC(State Of Charge)を20%に調整後、−10℃にて4時間保持し、その後2.3Vの定電圧放電を1秒間行い、1秒目の電流値から低温時の出力Pを算出した。
(充放電サイクル試験)
充放電サイクル試験の試験条件を決めるために、SOC50%に調整した電池を55℃にて4時間保持し、SOC80%になるまで40Aの定電流充電を行い、その後、SOC80%からSOC20%まで40Aの定電流放電を行うことで、SOC80%の充電電圧V80とSOC20%の放電電圧V20を決定した。
55℃サイクル試験は、40Aの定電流にて行い、充電時のカットオフ電圧をV80とし、放電時のカットオフ電圧をV20として、休止時間を設定せずに連続して行った。サイクル時間は合計3000時間とした。3000時間のサイクル試験終了後、25℃で4時間保持し、前述の容量確認試験と低温出力確認試験を行った。サイクル試験後の容量低下率は、サイクル試験前の容量(初期容量)をQ1、サイクル試験後の容量(サイクル後容量)をQ2としたとき、容量低下率ΔQ=100−Q2/Q1×100の式から算出した。同様に、出力低下率は、サイクル試験前の出力(初期出力)をP1、サイクル試験後の出力(サイクル後出力)をP2としたとき、出力低下率ΔP=100−P2/P1×100の式から算出した。
図8〜図12中において、「容量低下率」は、容量低下率ΔQを意味し、「出力低下率」は、出力低下率ΔPを意味する。図8〜図12中の初期容量は、サイクル試験前の容量Q1を意味し、図8〜図12中の初期出力は、サイクル試験前の出力P1を意味する。図8〜図12中のサイクル後容量は、サイクル試験後の容量Q2を意味し、図8〜図12中のサイクル後出力は、サイクル試験後の出力P2を意味する。
(D50粒子径の測定)
黒鉛、及び難黒鉛化炭素について、D50粒子径を測定した。本願明細書において、D50粒子径とは、体積標準の粒度分布における累積度50%の粒径を示す。具体的には、測定装置としてレーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2200、株式会社島津製作所製)、測定制御ソフトとしてWing SALD−2200を用いた。
(サイクル後容量(比較例比)、及びサイクル後出力(比較例比))
D50粒子径が同等の難黒鉛化炭素の比率が100%の実験例(比較例1〜6)を100%とした場合における各実験例のサイクル後容量Q3及びサイクル後出力P3を算出した。図8〜図12中の「サイクル後容量(比較例比)」は、D50粒子径が同等の難黒鉛化炭素の比率が100%の実験例(比較例1〜6)を100%とした場合におけるサイクル後容量Q3を意味し、図8〜図12中の「サイクル後出力(比較例比)」は、D50粒子径が同等の難黒鉛化炭素の比率が100%の実験例(比較例1〜6)を100%とした場合におけるサイクル後出力P3を意味する。
具体的には、D50粒子径が2.1μmの難黒鉛化炭素を用いた実施例1の場合、同等のD50粒子径の難黒鉛化炭素を用いた比較例2のサイクル後容量及びサイクル後出力を100%として、実施例1の「サイクル後容量(比較例比)」及び「サイクル後出力(比較例比)」を算出した。同様にD50粒子径が4.5μmの難黒鉛化炭素を用いた実施例及び比較例は、D50粒子径が4.5μmの難黒鉛化炭素を用いた比較例3のサイクル後容量及びサイクル後出力を100%として、「サイクル後容量(比較例比)」及び「サイクル後出力(比較例比)」を算出した。
また、難黒鉛化炭素を添加していない黒鉛比率100質量%の実験例(比較例87〜92)については、黒鉛のD50粒子径と同等のD50粒子径の難黒鉛化炭素を用いた実験例(比較例1〜6)を100%とした場合における各実験例のサイクル後容量Q3及びサイクル後出力P3を算出した。具体的には、例えば、比較例87の場合、比較例1のサイクル後容量及びサイクル後出力を100%として、比較例87の「サイクル後容量(比較例比)」及び「サイクル後出力(比較例比)」を算出した。同様に、比較例88については、比較例2の値を100%として、「サイクル後容量(比較例比)」及び「サイクル後出力(比較例比)」を算出した。
なお、この場合、比較例90のDG(6.3μm)と比較例4のDN(6.2μm)とを同等のD50粒子径とみなして、比較例90の「サイクル後容量(比較例比)」及び「サイクル後出力(比較例比)」算出した。同様に、比較例91のDG(8.3μm)と比較例5のDN(8.1μm)とを同等のD50粒子径とみなすと共に、比較例92のDG(10.1μm)と比較例6のDN(10.4μm)とをD50粒子径とみなして、比較例91及び比較例92の「サイクル後容量(比較例比)」及び「サイクル後出力(比較例比)」を算出した。
<結果>
(サイクル後出力(比較例比))
図13に示された結果について以下に説明する。図13に示されたデータの各系列と、実施例又は比較例との対応を下記に示す。
・DN1.5μm:比較例1,7,23,39,55,71,87
・DN2.1μm:比較例2,実施例1,11,21,31,41,比較例88
・DN4.5μm:比較例3,実施例3,13,23,33,43,比較例89
・DN6.2μm:比較例4,実施例6,16,26,36,46,比較例90
・DN8.1μm:比較例5,実施例10,20,30,40,50,比較例91
・DN10.4μm:比較例6,22,38,54,70,86,92
難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する、黒鉛のD50粒子径の比(以下、DG/DNともいう)を0.97〜1.02とほぼ一定にして、難黒鉛化炭素と黒鉛との比率を変化させたところ、DNが1.5μmのものは、黒鉛の添加量が増えるにつれて、サイクル後出力が低下した。
一方、DNが2.1μm〜8.1μmである場合、黒鉛比率が5質量%〜45質量%のものについては、黒鉛比率が0質量%のものに比べてサイクル後出力が向上した。
更に、黒鉛比率を5質量%〜20質量%とすることにより、サイクル後出力が向上するという効果が顕著になることがわかった。これは、黒鉛比率を5質量%〜20質量%とすることにより、サイクル特性の低下が抑制されたためと考えられる。
また、DNが10.4μmのものは、サイクル後出力が他の粒径のものに比べて大きくなる場合もあったものの、小さくなる場合もあり、他の粒径のものと同様の傾向が見られなかった。また、DNが10.4μmのものは、相対的にサイクル後の出力の絶対値が小さかった。
このように、DNが2.1μm〜8.1μmである難黒鉛化炭素については、黒鉛の混合比率を5質量%〜45質量%とすることにより、DNが同等であって黒鉛の混合比率が0質量%である比較例(比較例2,3,4,5)に比べて、サイクル後出力が向上するという効果が得られることがわかった。
次に、図14に示された結果について以下に説明する。図14には、図13において示された実施例及び比較例のデータが記載されている。
DG/DNを0.97〜1.02とほぼ一定にして、難黒鉛化炭素と黒鉛との比率を変化させたところ、DNが1.5μmのものは、黒鉛の添加量が増えるにつれて、サイクル後容量が低下した。
一方、DNが2.1μm〜8.1μmである場合、黒鉛比率が5質量%〜45質量%のものについては、黒鉛比率が0質量%のものに比べてサイクル後容量が向上した。
また、DNが10.4μmのものは、サイクル後容量が他の粒径のものに比べて大きくなる場合もあったものの、小さくなる場合もあり、他の粒径と同様の傾向が見られなかった。
このように、DNが2.1μm〜8.1μmである難黒鉛化炭素については、黒鉛の混合比率を5質量%〜45質量%とすることにより、DNが同等であって黒鉛の混合比率が0質量%である比較例(比較例2,3,4,5)に比べて、サイクル後容量が向上するという効果が得られることがわかった。
図13及び図14に記載された実施例及び比較例も含めて、実施例1〜50と、比較例1〜92とを比較すると、下記の条件を満たす実施例1〜50は、サイクル後出力が向上するという効果と、サイクル後容量が向上するという効果とが得られることがわかった。さらに、黒鉛の混合比率を5質量%〜20質量%とすることにより、特に、サイクル後出力が向上するという効果が顕著になることがわかった。
・ 難黒鉛化炭素の、粒子径の粒度分布における累積体積が50%となるD50粒子径が2μm〜8μmであること
・ 黒鉛の、粒子径の粒度分布における累積体積が50%となるD50粒子径が2μm以上であること
・ 難黒鉛化炭素の質量と黒鉛の質量との総量に対する、黒鉛の質量の比率が、5質量%〜45質量%であること
・ 難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する、黒鉛のD50粒子径の比が1.02以下であること
本実施例によれば、蓄電素子のサイクル後出力を向上させることができると共に、サイクル後容量も向上させることができる。これは以下の理由によると考えられる。
まず、負極が黒鉛と難黒鉛化炭素とを有することにより、容量が大きく、かつサイクル特性に優れた蓄電素子を得ることができる。
また、難黒鉛化炭素のD50粒子径を2μm〜8μmとすることにより出力特性を向上させることができることがわかった。
黒鉛のD50粒子径を2μm以上とすることにより、サイクル特性を向上させることができる。これは、黒鉛のD50粒子径を2μm未満とすると、比較的に電気抵抗の低い黒鉛に電流が集中しやすくなることにより、リチウム電析が生じやすくなるからであると推測される。
また、難黒鉛化炭素の質量と黒鉛の質量との総和に対する黒鉛の質量の比率を5質量%〜45質量%とすることにより、蓄電素子のサイクル特性の低下を抑制することができることがわかった。
難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02以下とすることにより、蓄電素子のサイクル特性を向上させることができる。これは、以下の理由によると考えられる。難黒鉛化炭素のD50粒子径に対する黒鉛のD50粒子径の比を1.02を超える値とすることは、難黒鉛化炭素に比べて、黒鉛の粒子径が比較的に大きくなることを意味する。黒鉛は充放電に伴う体積の膨張、又は収縮が比較的に大きいため、充放電が繰り返されることによって黒鉛の膨張と収縮が繰り返されると、黒鉛の一部が分離し、導電パスの切断が生じやすくなる。難黒鉛化炭素に比べて黒鉛の粒子径が比較的に大きくなると、導電パスが切断されることによる出力低下の影響が大きくなると考えられるのである。
また、DNが2μm〜4.5μmである実施例1,2,3,11,12,13,21,22,23,31,32,33,41,42,43においては、サイクル出力の絶対値を向上させることができる。これは、サイクル特性に優れる難黒鉛化炭素のDNを2μm〜4.5μmとすることにより、充放電を繰り返した後における出力特性が向上したためと考えられる。
更に、難黒鉛化炭素と黒鉛の総量に対する比率が5質量%〜20質量%であって、且つ、DNが2μm〜4.5μmである、実施例1,2,3,11,12,13,21,22,23,31,32,33においては、容量低下率が10%以下となるという効果と、出力低下率が10%以下になるという効果を得ることがわかった。
更に、難黒鉛化炭素と黒鉛の総量に対する黒鉛の比率が15質量%〜20質量%であって、且つ、DNが2μm〜4.5μmである、実施例21,22,23,31,32,33においては、サイクル後容量が、4.94Ah〜5.04Ahとなっており、サイクル後容量の絶対値が向上するという効果が得られることがわかった。これは、黒鉛の比率を15質量%〜20質量%とすることにより、サイクル特性の低下が抑制されたためと考えられる。
続いて、図15に記載された結果について説明する。図15に示されたデータの各系列と、実施例又は比較例との対応を下記に示す。
・Gra0mass%:比較例1,2,3,4,5,6
・Gra5mass%:比較例7,25,実施例1,3,6,10
・Gra10mass%:比較例23,38,実施例11,13,16,20
・Gra15mass%:比較例39,54,実施例21,23,26,30
・Gra20mass%:比較例55,70,実施例31,33,36,40
・Gra45mass%:比較例71,86,実施例41,43,46,50
DG/DNを0.97〜1.02とほぼ一定にして、DNを変化させたところ、DNが1.5μmのもの及び10.4μmのものは、出力低下率が高い傾向があり、DNが2.1μm〜8.1μmのものは、出力低下率が低い傾向にあることがわかった。
図16に記載された結果について説明する。図16には、図15において示された実施例及び比較例のデータが記載されている。
図15によれば、DNが2.1μmから4.5μmのものは、他の粒子径のものに比べて、サイクル後出力の絶対値が向上することがわかった。
<他の実施形態>
本明細書に記載した技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載した技術の範囲に含まれる。
(1)本実施形態に係る蓄電素子は角型電池であったが、これに限られず、円筒型、ラミネート型でもよく、必要に応じて任意の形状を適宜に選択できる。また、本実施形態に係る蓄電要素は巻回型であったが、これに限られず、スタック型であってもよい。
(2)本実施形態に係る蓄電素子はリチウムイオン電池であったが、これに限られず、キャパシタであってもよい。