JP6476378B1 - バイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー及びこれを用いた除染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】BSCの外側からカバーを被せて、ほぼ密閉状態にして除染が行えるようにするもので、BSC内部の除染用密閉式循環用樹脂カバーを提供する。
【解決手段】天板1、正面板2、背面板3、左右側面板4、5から成る逆向き袋状の樹脂カバーAを設け、正面板2の穴2c、2dに上下端を接続したダクト13を設け、正面板2と背面板3の両端を近接させて固定するバンド片6、7、8、9を設け、ダクト13の下端の接続箇所より下の外周を巻き回して、樹脂カバーAの上から締め付ける第1締付けバンド14aを設け、ダクト13の上端接続部13aは、樹脂カバーAの中空部12に対向した位置に設け、ダクト13の下端接続部13bは、BSCのシャッター開口部に対向した位置に設けた。
【選択図】図4

Description

この発明は、製薬企業や大学等の研究室、医療関連施設や食品関連施設の検査室等において、使用されているバイオセーフティキャビネット(Biological safety cabinet、以下「BSC」と言う。「安全キャビネット」とも言う。)の内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー及びこれを用いた除染方法に関するものである。
現在、製薬企業や大学等の研究室、医療関連施設や食品関連施設の実験室や検査室等においては、病原体や遺伝子組換え生物等を取り扱う実験者がこれらの病原体等に感染したり、有害な物質に接触してしまわないようにする必要がある。その為に、病原体、微生物やウイルスの封じ込め機構を設けた作業台として、前記BSCが多く使用されている。
BSCは、扱う微生物の危険度によってバイオセーフティレベル(BSL)でBSL2からBSL4まで分類されている。中でも、世界で最も使用されているBSL2、BSL3を取り扱うことが出来るものを「BSCクラス2(実際はローマ数字。以下同じ)」と言う。
図6の示すように、BSCクラス2のBSC21は、正面の開閉自在に設けられたシャッター21a、このシャッター21aで開閉される中央のワークエリア21b、このワークエリア21bの直ぐ上の汚染プリナム21d、この汚染プリナム21d上部に設けられた排気用HEPAフィルター21e、同下部に設けられた循環用HEPAフィルター21f、汚染プリナム21dの手前に設けられた循環用ファン21c、前記ワークエリア21bから前記汚染プリナム21dまでつながった負圧プリナム21g等から構成されている。そして、作業に当っては、シャッター21aを開けて当該シャッター21aの開口部から手を入れて作業すると共に、前記循環用ファン21cによってBSC21内部の空気は、ワークエリア21bから開口部21h、21i及び負圧プリナム21gを通って汚染プリナム21dへ流れ、一部循環、一部排気するようになっており、このBSCクラス2のBSC21内部のワークエリア21bは、作業中は「封じ込め」のために陰圧となる。
JIS規格では、JISK3800:2009により、以下の場合には、BSC内部の除染を実施することが規定されている。a)定期検査・保守点検の前、b)HEPAフィルター交換前、c)キャビネットの移動前、d)内部が大量汚染された場合、e)使用目的が変更された場合、f)その他必要な場合である。
ところが、これまで、一般的に行われてきた除染方法であるホルマリン燻蒸法は、世界保健機構(WHO)が2012年、ホルマリンを発がん性物質に分類したことで、代替法として、現在、二酸化塩素ガスを用いた方法と過酸化水素ミスト/ガスを用いた方法が海外で開発されている。しかしこれらの除染剤は発がん性物質ではないが人間にとって有害なガスであるため有効な代替法とはなっていない。
すなわち、前記二酸化塩素等を使用した除染では、実際、大型で高価な装置と安全上ガスマスクとガウンの着用が必要なため普及し難く、やむなく従来のホルマリン燻蒸法を行っているところもあり、安全なガスを用いた真に有効な除染方法が求められていた。
特許第6250491号公報
この様な中、特許文献1の除染方法が開発された。これはBSC内部のワークエリア内に超音波霧化器、拡散用ファン、循環用ファン、温湿度センサーを設置し、前記超音波霧化器によって過酢酸除菌剤を霧化して放出し、前記拡散用ファンで拡散し、前記循環用ファンでワークエリア、内部ダクト(負圧プリナム)、循環用HEPAフィルターへと循環させ、排気用HEPAフィルターを介してガス化した過酢酸の一部を外部へリークさせると言うものである。
しかしながら、前記特許文献1の除染方法では、効果的な除染を行うために、霧化した過酢酸除菌剤の一部をBSCの外部へ排気させており、除菌剤の一部が無駄な使用となっている。公の施設であれ、民間企業であれ、薬剤等の無駄な使用は極力抑えることは重要なことである。
この発明は、BSCの外側からカバーを被せて、密閉状態にして除菌剤等の除染剤を循環させて除染が行えるようにするもので、バイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー及びこれを用いた除染方法を提供して前記課題を解決するものである。
請求項1の発明は、略直方体形状のバイオセーフティキャビネットを包む、四辺形の天板及び当該天板の四辺から夫々垂下した正面板、背面板、左右側面板から成る逆向き袋状の樹脂カバーを設け、当該樹脂カバーは、前記バイオセーフティキャビネットより上下、左右、前後が大きいサイズとし、当該樹脂カバーの正面板の上部及び下部に穴を開け、当該上下の穴に上下端を接続したダクトを設け、前記正面板と背面板の左右の両端を相互に近接させて左右側面板の上から固定する第1絞り固定手段を1個又は複数個設け、また、前記ダクトの下端の接続箇所より下の樹脂カバー外周を巻き回して、樹脂カバーの上から締め付ける第1締付けバンドを設け、前記ダクトの上端接続部は、当該樹脂カバーで前記バイオセーフティキャビネットを被った際、前記バイオセーフティキャビネットの天板より上の樹脂カバーの中空部に対向した位置に設け、前記ダクトの下端接続部は、前記バイオセーフティキャビネットのシャッター開口部に対向した位置に設けたバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバーとした。
請求項2の発明は、前記正面板の上端部及び前記背面板の上端部を相互に近接させて前記天板の上から固定する第2絞り固定手段を1個又は複数個設けた請求項1に記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバーとした。
請求項3の発明は、前記第1又は第2絞り固定手段は、2つのバンド片を相対向して突出させて成り、一方のバンド片の先端にリングを設け、他方のバンド片の先端部表面と当該先端部から一定長離れた位置の表面に夫々第1及び第2面ファスナーを設け、他方のバンド片の先端部を一方のバンド片のリングに挿入して折返し、第1面ファスナーと第2面ファスナーとで係止する構成とした請求項1又は2のいずれかに記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバーとした。
請求項4の発明は、樹脂カバーの、前記ダクトの上部の接続箇所より下の上部外周を巻き回して、樹脂カバーの上から締め付ける第2締付けバンドを設けた請求項1〜3のいずれかに記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバーとした。
請求項5の発明は、前記樹脂カバーの左右側面板の下端から上方に向けて一定長さ切断して下端開口部とし、当該下端開口部に密閉カバー付きファスナーを設け、当該ファスナーで左右側面板の下端開口部を開閉自在とした請求項1〜4のいずれかに記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバーとした。
請求項6の発明は、除染対象のバイオセーフティキャビネットのワークエリア内に、除染剤を噴霧する装置を収納し、かつワークエリアに面したシャッターを開いた状態にし、当該バイオセーフティキャビネットに前記請求項1〜5のいずれかの樹脂カバーを被せ、少なくとも樹脂カバーの下部外周に第1締付けバンドを巻き回して、前記バイオセーフティキャビネットの下部外周に前記樹脂カバーの下部を密着させ、当該バイオセーフティキャビネット内の循環用ファンを作動させ、前記除染剤を噴霧する装置を作動させて除染剤をワークエリア内に噴霧し、当該除染剤を前記ワークエリアから負圧プリナム及び汚染プリナムを通って一部は循環HEPAフィルターから前記ワークエリア内へ、残りは排気HEPAフィルターから前記中空部及びダクトを通って、前記ワークエリア内に循環させる、バイオセーフティキャビネット内部の除染方法とした。
請求項1及び6の各発明によれば、略直方体形状の樹脂カバーを外側からBSCに被せて当該BSCを密閉状態にし、この密閉状態の上部と下部をダクトでつなぎ、空気の流れを形成して循環させることができるので、BSC(の排気用HEPAフィルター)から排気された除染剤を含む空気を再度除染に使用することができ、除染剤の有効な使用が出来、無駄に排気する除染剤を極力減らすことができる。
また、BSCの上部に中空部を形成することにより一定の空間が出来てBSCから排気された除染剤を溜めることができ、また、この中空部からダクトでBSCの下部へ空気を循環させているので、BSC内部が短時間で高湿度になるのを防ぐことができる。これらの結果、除染剤を有効に使用出来、さらに有効な除染ができる。
また、BSCは、壁際に、他の装置と隣接して設置されていることが多く、正面からの作業で完了することが求められるが、この様な場合でも、樹脂カバーをBSCの上方から被せて取り付けることができるので、一人の作業員で容易かつ確実に、当該BSCに樹脂カバーを取り付けることが出来る。また、密閉状態を維持して、中空部を形成しつつも、樹脂カバーの余分な箇所を折り畳んで、最小形状に近い状態にでき、不必要なスペースを極力無くすことができる。
また、BSCの循環用ファンを使用することにより、排気用及び循環用の2つのHEPAフィルターのルート及びBSCの隅々まで除染剤を行き渡らせることができる。これにより、余分な装置を必要とせず、省スペースで経済的な除染が容易かつ確実にできる。
また、BSCの型式は、正面の間口の大きさで分類され、同じ間口の規格でもメーカーによって外寸、給気口の大きさ、形状等が異なるが、この発明によれば、樹脂カバーの大きさを大きいサイズのBSCに合わせれば、サイズの異なったBSCに共通して使用することが出来、使い勝手が良く、便利である。
また、請求項2の発明によれば、第2絞り固定手段を、樹脂カバーの天板を挟んで対向する正面板及び背面板の各上端部を相互に近接させることができるので、前記中空部を設けつつも樹脂カバーの上部の余分な箇所を締付けることができ当該中空部を最適な大きさに形成することができる。
また、請求項3の発明によれば、前記第1又は第2絞り固定手段は、2つのバンド片を相対向して突出させ、他方のバンド片の先端部を一方のバンド片のリングに挿入して折返し、第1面ファスナーと第2面ファスナーとで係止する構成としたので、より簡単に樹脂カバーの余分な部分を絞って固定することができ、便利である。
さらに、請求項4の発明によれば、樹脂カバーの、前記ダクトの上部の接続箇所より下の上部外周を巻き回して、樹脂カバーの上から締め付ける第2締付けバンドを設けたので、当該樹脂カバーの密閉性及びBSCへの樹脂カバーの密着性をより高めることができ、より効果的な除染を行うことができる。
また、請求項5の発明によれば、左右側面板にファスナーを取り付けているので、BSCにこの樹脂カバーを被せる際、開口部が広がり、容易にBSCに被せることができる。
この発明の実施の形態例の樹脂カバーの斜視図である。 この発明の実施の形態例の樹脂カバーの展開図である。 (A)この発明の実施の形態例の樹脂カバーの絞り固定手段である2つのバンド片が対向している状態を示す説明図である。(B)この発明の実施の形態例の絞り固定手段である2つのバンド片が固定された状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態例の樹脂カバーをBSCに被せて取り付けた状態の斜視図である。 この発明の実施の形態例の樹脂カバーをBSCに取り付けて除染している状態を示す断面図である。 クラス2のBSCの断面図である。
(実施の形態例)
以下、この発明の実施の形態例のBSC内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー(以下、「樹脂カバー」と言う。)を図に基づいて説明する。この実施の形態例の樹脂カバーAは、図1及び図2に示すように、四辺形の天板1及びこの天板1の四辺から夫々垂下した正面板2、背面板3、左側面板4及び右側面板5から成る逆向き袋状から成る。正面板2と左側面板4及び右側面板5、背面板3と左側面板4及び右側面板5の相対向する各側部は、例えばミシンで縫い合せる等されて一体となっており、この樹脂カバーA内部は底面を除いて密閉されている。また、当該樹脂カバーAは被せるBSCのサイズより上下、左右、前後が大きい寸法となっている。
また、前記正面板2の上部及び下部の略中央部に横向きの長方形状の補強シート2a、2bを設けており、この補強シート2a、2b上に横並びで間隔を空けた2つの開口穴2c、2dを夫々開けている。また、これらの開口穴2c、2dには後述するダクト13を接続するフランジが夫々設けられている(図示省略)。
さらに、この樹脂カバーAでは、正面板2及び背面板3等を絞って固定するのに、図3(A)及び(B)に示すように、第1絞り固定手段及び第2絞り固定手段を使用している(図3では、第1絞り固定手段を示す。)。
第1絞り固定手段は、相対向するバンド片6とバンド片7から成り、一方のバンド片6の先端にリング6aを設け、他方のバンド片7の先端部表面と当該先端部から一定長離れた位置の表面に夫々第1、第2面ファスナー7a、7bを夫々設け、他方のバンド片7の先端部を一方のバンド片6のリング6aに挿入して折り返し、先端部表面の第1面ファスナー7aと対向する表面の別の第2面ファスナー7bに係止固定する構成としたものである。
なお、他方のバンド片7の第2面ファスナー7bは、長手方向に長くなっており、BSCの大きさにより適宜箇所で第1面ファスナー7aと接合できるようになっている。
また、左側面板4の相対向する一方の側端部から前記第1絞り固定手段の一方のバンド片6を間隔をあけて3本突出させ、他方の側端部から前記一方のバンド片6と対向する位置に、前記第1絞り固定手段の他方のバンド片7を3本突出させている。また、この左側面板4の下端の略中央部から上方に向けて一定長切断して下端開口部とし、この下端開口部に密閉カバー付きのファスナー11を設け、このファスナー11で左側面板4の下端開口部を開閉自在にしている。右側面板5も同様に各バンド片6、7及びファスナー11を設けた構成となっている。
また、前記第2絞り固定手段は、一方のバンド片8と他方のバンド片9から構成されている。前記正面板2の上端部上であって、間隔をあけた2箇所から、前記第2絞り固定手段の他方のバンド片9を当該上端部と略直角方向に2本突出させている。また、前記背面板3の上端部上であって、前記2本の他方のバンド片9と対向する位置に夫々前記第2絞り固定手段の一方のバンド片8を2本突出させている。
さらに、この正面板2上の上部の開口穴2cの下方2箇所(2段)及び下部の開口穴2dの下方に横並びに間隔を空けて夫々2つのバンド通し10を2段又は1段夫々面ファスナーによって取り付けている。また、前記背面板3において、前記正面板2と相応する位置にバンド通し10を同数取り付けている。
さらに、この逆向き袋状の樹脂カバーAをBSC21に被せたときには、前記正面板2の上の開口穴2cは、BSCの上方に位置するようになっており、下の開口穴2dは、BSC21のシャッター21aの前に位置するようになっている。また、これらの開口穴2c、2dにダクト13が接続されるようになっている。
また、正面板2及び背面板3の各バンド通し10には、後述する第1締付けバンド14aと第2締付けバンド14bを通して締付けるようになっている。
次に、この実施の形態例の樹脂カバーAをBSC21に取り付ける様子を説明する。この樹脂カバーAは基本的に一人の作業者でBSC21に取り付けることができるようになっている。
この樹脂カバーAの左側面板4及び右側面板5の各ファスナー11を開いて、BSC21の上方から被せる。この時、この樹脂カバーAの最上部は、BSC21の天板の上に一定の空間を有する中空部12を形成するように余裕を持って形成されている。また、BSC21に被せた後、被せ位置の調整ができたら前記左側面板4及び右側面板5の各ファスナー11を夫々締めて開口を閉じる。
この後、図4に示すように、前記樹脂カバーAの左側面板4及び右側面板5において、この樹脂カバーAの正面板2、背面板3、左側面板4及び右側面板5の余った部分を手繰り寄せて折り込み、前記第1絞り固定手段である3組の各バンド片6、7を絞って固定する。さらに、この樹脂カバーAの密封性を高めるために、上部と下部の横方向に、長尺な、前記第1締付けバンド14a、第2締付けバンド14bを、樹脂カバーAの外側に取り付けた前記バンド通し10を通して巻き回し、締付けて固定する。
続いて、樹脂カバーAの正面板2と背面板3の第2絞り固定手段の2組の各バンド片8、9を締め、樹脂カバーAの天板1を挟んで対向する正面板2及び背面板3の各上端部を相互に近接させて前記中空部12を設け、前記天板1の上から、前記第2絞り固定手段を使って固定する。
この後,除染作業のために、樹脂カバーAの正面板2の上下の開口穴2c、2dのフランジに縦方向にφ150mmのダクト13の上端接続部13a及び下端接続部13bを取り付けて、ダクト13を2本を取り付ける。
続いて、BSC21を除染する様子を説明する。ここで使用するBSCとしては、BSCクラス2のものを使用する。また、このBSC21の排気用HEPAフィルター21e及び循環用HEPAアフィルター21fの処理風量としては、給気で19m/min、排気で10m/minとする。
まず、前記樹脂カバーAをBSC21に被せる前に、図5に示すように、除染装置22をこのBSC21内部のワークエリア21b内のテーブル面上に載置しておく。ここでは、本願の発明者が発明した除染装置22(特許第6285060号)を使用し、この除染装置22をこのBSC21内部のワークエリア21b内のテーブル面上に載置しておく。
その後、上述の様に、このBSC21に樹脂カバーAを被せ、各バンド片6、7、8、9及び第1締付けバンド14a等で締付け固定した後、外部から携帯端末等(例えば、スマートフォンなど。図示省略)を操作して前記除染装置22のスイッチを入れ、また、この樹脂カバーAの上からBSC21の正面に設けられている循環用ファン21cのスイッチ(図示省略)を押してオンにする。
前記除染装置22の作用により、過酢酸を主とした除染剤の噴霧が開始され、除染の間中、過酢酸の噴霧又は酢酸のガスの回収が行われることになる。この除染剤の噴霧とガスの回収が交互に行われる。また、前記BSC21内部の循環用ファン21cの作用により、図5に示すように、空気は、排気用HEPAフィルター21e及び循環用HEPAフィルター21fを通過するため静圧が生じ、汚染プリナム21d内(循環用ファン21cと排気用HEPAフィルター21e及び循環用HEPAフィルター21fで囲まれた箇所)は陽圧となる。
同様に、排気用HEPAフィルター21eから2次側(中空部12)に送られた空気も樹脂カバーAで塞がれており、ダクト13を通過するためダクト13の管内抵抗で静圧が生じ、陽圧となる。また、循環用HEPAフィルター21fを通って来た空気は静圧が無くなっており、ワークエリア21b内の空気は、汚染プリナム21d内の空気の陽圧を保つため循環用ファン21cから少し多めに引っ張られ弱陰圧(大気圧以下)になる。
樹脂カバーAを被せて、ダクト13を取り付けることで、静圧が最も高くなるのは汚染プリナム21d内と考えられる。しかし、排気用HEPAフィルター21eの2次側(中空部12)と正面のシャッター21aの開口をダクト13で接続することで、ダクト13の管内抵抗で空気が流れにくくなるので排気用HEPAフィルター21eの2次側(中空部12)は弱陽圧、正面のシャッター21aの開口部分は弱陰圧になると考えられる。
以上のことから、図5に示すように、ワークエリア21a、開口部21h、21i、負圧プリナム21g、汚染プリナム21d、循環用HEPAフィルター21fを通ってワークエリア21aに戻る除染剤を含んだ空気の循環ルートが形成される。
また、同様に、図5に示すように、ワークエリア21a、開口部21h、21i、負圧プリナム21g、汚染プリナム21d、排気用HEPAフィルター21eを通って2次側(中空部12)、ダクト13、正面のシャッター21aの開口部分からワークエリア21aに戻る除染剤を含んだ空気の循環ルートが形成される。以上の様に、循環用ファン21cの作用によって、前記樹脂カバーAで被われたBSC21の内部では空気の循環が絶えず行われ、これにより過酢酸による除染が隅々まで行われる。
また、BSCのサイズであるが、表1に示すように、メーカー各社によって様々なサイズのものがあるが、この実施の形態例の樹脂カバーAのサイズとしては、W1300タイプでは、メーカー各社のBSCのW(幅)、D(奥行)の最も大きい数値であるW(幅)1,500mm、D(奥行)810mm、W1800タイプでは、W(幅)1,950mm、D(奥行)810mmより、少し大きい数値とする。
Figure 0006476378
また、樹脂カバーAの高さとしては、BSCの上方に、中空部12を設けるので、テーブルの位置からBSCの天板までの高さ(表1では「テーブル高H」と記載)の中の最も高い高さである1,537mmにおよそ300mmを加えた1,850mmとする。また、ここで明らかな様に、この実施の形態例の樹脂カバーAは、BSC21のワークエリア21bのテーブルより上を被う様になっており、テーブルより下の脚部まで覆うものではない。
この実施の形態例において、第1絞り固定手段及び第2絞り固定手段として、相対向するバンド片6、7、8及び9から成るものを使用しているが、絞り固定手段としてはこれに限るものではなく、絞って固定できるものなら他の手段でももちろん良い。
また、この実施の形態例の樹脂カバーAをクラス2のBSCであって、循環用ファン21cの処理風量として具体的に記載しているが、この実施の形態例の樹脂カバーAが使用出来るものなら、他のクラスであって、異なる処理風量のBSCに使用してももちろん良い。また、除染に使用する除染剤として過酢酸を使用しているが過酢酸に限定するものではない。
さらに、左側面板4及び右側面板5の下端の略中央部から密閉カバー付きのファスナー11を夫々設けているが、これらのファスナー11は無くても良い。また、樹脂カバーAの正面板2の上下の開口穴2c、2dのフランジに縦方向にφ150mmのダクト13を2本取り付けているが、ダクトのφや本数等は作業する際、最も適切なものを使用すれば良い。
また、この樹脂カバーAは、BSC21のワークエリア21bであるテーブルより上方を被う様にしているが、必要があればワークエリア21bより下方の部分も被うようにしても良い。
A 樹脂カバー
1 天板 2 正面板 3 背面板
4 左側面板 5 右側面板 6 バンド片
7 バンド片 8 バンド片 9 バンド片
11 ファスナー 12 中空部 13 ダクト
14a 第1締付けバンド 14b 第2締付けバンド
21 BSC 21a シャッター 21b ワークエリア
21c 循環用ファン 21d 汚染プリナム
21e 排気用HEPAフィルター 21f 循環用HEPAフィルター
21g 負圧プリナム

Claims (6)

  1. 略直方体形状のバイオセーフティキャビネットを包む、四辺形の天板及び当該天板の四辺から夫々垂下した正面板、背面板、左右側面板から成る逆向き袋状の樹脂カバーを設け、当該樹脂カバーは、前記バイオセーフティキャビネットより上下、左右、前後が大きいサイズとし、
    当該樹脂カバーの正面板の上部及び下部に穴を開け、当該上下の穴に上下端を接続したダクトを設け、
    前記正面板と背面板の左右の両端を相互に近接させて左右側面板の上から固定する第1絞り固定手段を1個又は複数個設け、また、前記ダクトの下端の接続箇所より下の樹脂カバー外周を巻き回して、樹脂カバーの上から締め付ける第1締付けバンドを設け、
    前記ダクトの上端接続部は、当該樹脂カバーで前記バイオセーフティキャビネットを被った際、前記バイオセーフティキャビネットの天板より上の樹脂カバーの中空部に対向した位置に設け、前記ダクトの下端接続部は、前記バイオセーフティキャビネットのシャッター開口部に対向した位置に設けたことを特徴とする、バイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー。
  2. 前記正面板の上端部及び前記背面板の上端部を相互に近接させて前記天板の上から固定する第2絞り固定手段を1個又は複数個設けたことを特徴とする、請求項1に記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー。
  3. 前記第1又は第2絞り固定手段は、2つのバンド片を相対向して突出させて成り、一方のバンド片の先端にリングを設け、他方のバンド片の先端部表面と当該先端部から一定長離れた位置の表面に夫々第1及び第2面ファスナーを設け、他方のバンド片の先端部を一方のバンド片のリングに挿入して折返し、第1面ファスナーと第2面ファスナーとで係止する構成としたことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー。
  4. 樹脂カバーの、前記ダクトの上部の接続箇所より下の上部外周を巻き回して、樹脂カバーの上から締め付ける第2締付けバンドを設けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー。
  5. 前記樹脂カバーの左右側面板の下端から上方に向けて一定長さ切断して下端開口部とし、当該下端開口部に密閉カバー付きファスナーを設け、当該ファスナーで左右側面板の下端開口部を開閉自在としたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のバイオセーフティキャビネット内部の除染用密閉式循環用樹脂カバー。
  6. 除染対象のバイオセーフティキャビネットのワークエリア内に、除染剤を噴霧する装置を収納し、かつワークエリアに面したシャッターを開いた状態にし、当該バイオセーフティキャビネットに前記請求項1〜5のいずれかの樹脂カバーを被せ、少なくとも樹脂カバーの下部外周に第1締付けバンドを巻き回して、前記バイオセーフティキャビネットの下部外周に前記樹脂カバーの下部を密着させ、当該バイオセーフティキャビネット内の循環用ファンを作動させ、前記除染剤を噴霧する装置を作動させて除染剤をワークエリア内に噴霧し、当該除染剤を前記ワークエリアから負圧プリナム及び汚染プリナムを通って一部は循環HEPAフィルターから前記ワークエリア内へ、残りは排気HEPAフィルターから前記中空部及びダクトを通って、前記ワークエリア内に循環させることを特徴とする、バイオセーフティキャビネット内部の除染方法。

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