JP2022014983A - 除染装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射性物質により汚染された対象物を除染するために用い、汚染水等を発生させることなく優れた除染力で対象物を除染することが可能な除染装置を提供すること。
【解決手段】
グローブボックス7と、グローブボックス7内でドライアイス粒子を噴射するドライアイス噴射装置3と、グローブボックス7内の放射性物質を吸引して放射性物質を吸着可能な吸着フィルタに吸着させる放射性物質吸引装置4と、グローブボックス2の内圧を負圧にする負圧装置6と、を備える除染装置であって、ドライアイス噴射装置3は、ドライアイス粒子の噴射部47の位置および/または噴射方向をグローブボックス2内で自在に変更可能な構造を有することを特徴とする除染装置。
【選択図】図1
【解決手段】
グローブボックス7と、グローブボックス7内でドライアイス粒子を噴射するドライアイス噴射装置3と、グローブボックス7内の放射性物質を吸引して放射性物質を吸着可能な吸着フィルタに吸着させる放射性物質吸引装置4と、グローブボックス2の内圧を負圧にする負圧装置6と、を備える除染装置であって、ドライアイス噴射装置3は、ドライアイス粒子の噴射部47の位置および/または噴射方向をグローブボックス2内で自在に変更可能な構造を有することを特徴とする除染装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、放射性物質に汚染された対象物を除染する除染装置に関する。
原子力設備の補修あるいは解体作業等において発生する放射性汚染物をいかにして処理するかという問題がある。この種の技術に関連する文献として、例えば特許文献1を挙げることができる。特許文献1に開示された装置では、負圧を保つように管理されたグローブボックス内に除染の対象物を収容して対象物の処理をしている。
ところで、放射性物質を除染の対象物から取り除く方法としては、対象物に水や圧縮空気を噴射する方法がある。特許文献1に開示されている放射性汚染物取扱装置では、放射性汚染物取扱装置の内壁面に放射性物質が付着した場合、内壁面に洗浄水を霧状に噴射することによって、付着した放射性物質を取り除いている。
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、洗浄に用いられた水が汚染水となり、これを処理するための費用や設備が必要となる。このため、メガネやヘルメットなどの日常の作業に用いられるもので比較的汚染度の低いものを簡易な設備を用いて低コストで洗浄したい場合には適していない。
他方、圧縮空気を噴射する方法では、除染の対象物から十分に放射性物質を取り除くことができないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたものであり、放射性物質により汚染された対象物を除染するために用い、汚染水等を発生させることなく優れた除染力で対象物を除染することが可能な除染装置を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る除染装置は、グローブボックスと、前記グローブボックス内でドライアイス粒子を噴射するドライアイス噴射装置と、前記グローブボックス内の放射性物質を吸引して前記放射性物質を吸着可能な吸着フィルタに吸着させる放射性物質吸引装置と、前記グローブボックスの内圧を負圧にする負圧装置と、を備える。前記ドライアイス噴射装置は、ドライアイス粒子の噴射部の位置および/または噴射方向を前記グローブボックス内で自在に変更可能な構造を有する。
かかる構成を備える除染装置によれば、汚染水等を発生させることなく優れた除染力で対象物を除染することが可能である。
本発明の第2態様に係る除染装置は、第1態様に係る除染装置において、前記放射性物質吸引装置は、前記負圧装置を兼ねている。
本発明の第3態様に係る除染装置は、第1態様又は第2態様に係る除染装置において、前記グローブボックスは、上部に吹き出し口が設けられるとともに、下部に吸い込み口が設けられている。除染装置は、前記吸い込み口から前記グローブボックス内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記グローブボックスの外部を経由して前記吹き出し口から前記グローブボックス内に吹き出すことで、前記グローブボックス内に下降気流を生じさせる下降気流発生装置を備える。除染装置は、前記吸い込み口から吸い込まれる空気に含まれる放射性物質を吸着する第1フィルタと、前記吹き出し口から吹き出される空気に含まれる放射性物質を吸着する第2フィルタと、をさらに備える。
本発明の第4態様に係る除染装置は、第1~第3のいずれか1つの態様に係る除染装置において、下部に開口を有するとともに、内側に一定の容積を有するカバー体を更に備える。前記放射性物質吸引装置の吸引口が前記カバー体の内側空間を吸引可能に前記カバー体に固定されている。前記ドライアイス噴射装置の噴射口が前記カバー体の内側空間にドライアイス粒子を噴射可能に前記ドライアイス噴射装置の一部が前記カバー体に固定されている。
本発明によれば、汚染水等を発生させることなく優れた除染力で対象物を除染することが可能な除染装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る除染装置について、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、除染装置1は、グローブボックス2、ドライアイス噴射装置3、放射性物質吸引装置4、負圧装置6などを備えている。
グローブボックス2は、図1および図2に示すように、除染作業を実施するためのグローブ7と箱体8とを有し、外部から隔離された作業空間9を形成する。
本実施形態では、グローブボックス2は直方体の形状であり、天井面11と、床面12と、4つの側面13とを有する。
本実施形態では、グローブボックス2は直方体の形状であり、天井面11と、床面12と、4つの側面13とを有する。
外部から隔離された作業空間9は、グローブボックス2の天井面11、床面12および側面13がグローブボックス2内の気密性を保つように接続されることで形成されている。グローブボックス2が、外部から隔離された作業空間9を形成しているので、グローブボックス2内で除染作業をした場合に、グローブボックス2外に放射性物質が漏洩しない。
4つの側面13の内のいずれかの面には、グローブボックス2の箱体8内に手を差し込むための差し込み穴14が2つ設けられている。2つの差し込み穴14のそれぞれには、グローブ7が1つずつ設けられている。グローブ7は、グローブボックス2内の気密性を保ちながら作業者がグローブボックス2の箱体8内に手を差し込んで作業ができるようにグローブ7の根元部分が差し込み穴14の周囲に接続されている。
グローブボックス2内には除染の対象物16等を置くための台17が設けられている。図3に示す例では、台17は、2本の横架材18と、1枚の板材19とで構成されている。2本の横架材18は、グローブ7に手を差し込んだ作業者から視て前後方向に、かつ、互いに平行に間隔をおいて配置されている。横架材18の両端部は、グローブボックス2の対向する両面の近傍にそれぞれ支持されている。板材19は、2本の横架材18の上に架け渡され、上記作業者から視て前後方向に移動しないように、横架材18上に設けられた係止部材21に係止されている。
グローブボックス2の4つの側面13の内の3面はグローブボックス2内を視認できるよう内部視認可能面22で構成されており、例えば透明な板等で構成されている。
またグローブボックス2の4つの側面13の内のいずれかの面には、後述のドライアイス噴射装置3が有する第1チューブ23および第2チューブ24をそれぞれ貫通させるためのチューブ貫通穴26が設けられている。また、チューブ貫通穴26が設けられた面には、放射性物質吸引装置4の多関節の空気管路27と可撓性の空気管路28とを接続するための空気管路穴29が設けられている。本実施形態では、図3に示すように、グローブボックス2の4つの側面13の内、グローブ7が設けられた面の片側の隣の面に第1開口部30および第1開閉扉31が設けられ、グローブ7が設けられた面と対向する面にチューブ貫通穴26および空気管路穴29が設けられている。なお、グローブボックス2の気密性を保つため、チューブ貫通穴26と、第1チューブ23および第2チューブ24との間には隙間が生じないよう接続されている。また空気管路穴29と、可撓性の空気管路27および多関節の空気管路28との間も隙間が生じないよう接続されている。
なお、グローブボックス2の形状は直方体の形状に限定されない。グローブボックス2が外部から隔離された作業空間9を形成できるものであればよく、グローブボックス2は、例えば3つの側面13を有する三角柱の形状や、5つ以上の側面13を有する多角柱の形状であってもよい。グローブボックス2の天井面11および床面12も平面の形状に限定されず、例えば天井面11が略ドーム型の形状であったり、床面12が略お椀型の形状であってもよい。内部視認可能面22はグローブボックス2内を視認できるよう構成されていればよく、側面13の少なくとも1面以上あるよう構成されていればよい。例えば側面13の全てが内部視認可能面22であってもよいし、いずれかの1面のみが内部視認可能面22であってもよい。
また、グローブ7およびグローブ7が設けられる差し込み穴14の数と位置も限定されない。グローブ7および差し込み穴14は、例えばそれぞれが3つ以上あってもよい。またグローブ7および差し込み穴14は、4つの側面13のうち複数の面にあってもよく、天井面11、床面12に設けられてもよい。
グローブボックス2は、上部に吹き出し口32が設けられるとともに、下部に吸い込み口33が設けられている。
グローブボックス2の天井面11の吹き出し口32、および床面12の吸い込み口33は、後述の下降気流発生装置34による下降気流の発生に用いられる。
また、吸い込み口33および吹き出し口32の近傍には、第1フィルタ36と、第2フィルタ37がそれぞれ設置されている。第1フィルタ36は、吸い込み口33から吸い込まれる空気に含まれる放射性物質を吸着するように設置されている。本実施形態では、吸い込み口33の上流側近傍に設置されている。第2フィルタ37は、吹き出し口32から吹き出される空気に含まれる放射性物質を吸着するように設置されている。本実施形態では、吹き出し口32の下流側近傍に設置されている。第1フィルタ36および第2フィルタ37は、グローブボックス2に対して着脱可能に取り付けられているため、一定時間の使用により放射性物質の吸着力が低下した際には、新しいものに取り換えられる。第1フィルタ36および第2フィルタ37には、例えばHEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を用いることができる。
グローブボックス2の床面12の外側下部には、壁板38に囲まれた下部スペース39が設けられている。下部スペース39内には、後述のドライアイス噴射装置3の一部の構成、および、後述の下降気流発生装置34の一部の構成が設けられている。
ドライアイス噴射装置3は、グローブボックス2内でドライアイス粒子を噴射する。本実施形態におけるドライアイス噴射装置3は、液化二酸化炭素を断熱膨張させることでドライアイス粒子を生成し、生成したドライアイス粒子を高速で流れるキャリアガスに混入して噴射するタイプのものである。但し、ドライアイス噴射装置3は、このタイプのものに限定されず、ドライアイス粒子を噴射して対象物16を除染できるものであれば本実施形態に適用可能である。
ドライアイス噴射装置3は、ドライアイス粒子を噴射する部分に比較的近い位置にある構成として、第1チューブ23と、第2チューブ24と、ドライアイス粒子を噴射する噴射部47と、握持部48とを備えている。
第1チューブ23は、噴射部47にドライアイス粒子を供給する。第2チューブ24は、噴射部47にキャリアガスを供給する。第1チューブ23および第2チューブ24は、可撓性のチューブを用いて構成されている。
噴射部47は、グローブボックス2内に設けられ、第1チューブ23を通じて供給されるドライアイス粒子を、第2チューブ24を通じて供給されるキャリアガスに乗せて噴射する。第1チューブ23および第2チューブ24が可撓性のチューブを用いて構成されているため、噴射部47の位置および噴射方向をグローブボックス2内で自在に変更することが可能である。
握持部48は、噴射部47に対して固設されている。作業者は、グローブ7を介して握持部48を握持することで、噴射部47を所望の位置に配し、噴射部47の噴射方向を所望の方向に向けることができる。なお、本実施形態では、作業者が握持部48を握持して噴射部47を移動させるが、例えば、噴射部47をロボットアームやXYステージに搭載することにより、自動的に噴射部47の位置および/又は噴射方向をグローブボックス2内で変更できるようにしてもよい。
放射性物質吸引装置4は、グローブボックス2内の放射性物質を含む空気をグローブボックス2外へ吸引し、放射性物質を吸着可能な吸着フィルタに吸着させる。本実施形態では、放射性物質吸引装置4は、装置本体51と、可撓性の空気管路27と、多関節の空気管路28と、吸引口52とを備えている。
装置本体51は、接続部53と、電動ファン(図示せず)と、吸着フィルタ(図示せず)とを備えている。接続部53には、可撓性の空気管路27の下流端が接続されている。吸着フィルタには、例えばHEPAフィルタを用いることができる。
多関節の空気管路28は、グローブボックス2内に設けられている。多関節の空気管路28は、多関節を有しており、各関節部56において関節動作が可能となっている。このため、上流端部の吸引口52の位置をグローブボックス2内の任意の位置に移動させることができる。多関節の空気管路28の各関節部56には関節固定ブレーキ(図示せず)が設けられており、除染の対象物16に対して吸引口52の位置を固定できる。
可撓性の空気管路27は、多関節の空気管路28と装置本体51の接続部53との間に接続されている。なお、可撓性の空気管路27は、非可撓性であってもよい。
上記構成を備える放射性物質吸引装置4において、電動ファンを駆動させると、吸引口52から多関節の空気管路28、可撓性の空気管路27を通じて、装置本体51の電動ファンに至るまで吸引流れ(吸引経路)が形成され、吸引口52から吸引された放射性物質を含む空気は、多関節の空気管路28、可撓性の空気管路27を通じて装置本体51内に取り込まれ、装置本体51内で電動ファンの上流側に設置された吸着フィルタに放射性物質が吸着除去される。放射性物質が除去された空気は、装置本体51の排気口(図示せず)から外へ排気される。
なお、装置本体51として、例えば、市販されている集塵機を用いることができる。
本実施形態では、放射性物質吸引装置4は、グローブボックス2の内圧を負圧にする負圧装置6としても機能している。グローブボックス2の内圧を負圧にすることで、放射性物質がグローブボックス2外に漏洩することを防止することができる。本実施形態では、放射性物質吸引装置4がグローブボックス2の内圧を負圧にする負圧装置6を兼ねているが、放射性物質吸引装置4とは別に負圧装置6を設けてもよい。
下降気流発生装置34は、グローブボックス2内に下降気流を生じさせるために設けられている。本実施形態では、下降気流発生装置34は、送気管58と、送気ブロワ46とで構成されている。
送気管58は、一端がグローブボックス2の吸い込み口33に接続され、他端が吹き出し口32に接続されている。送気ブロワ46は送気管58の途中位置に設けられている。送気ブロワ46が作動すると、送気管58内に流れが生じ、グローブボックス2の吸い込み口33からグローブボックス2内の空気が送気管58側に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、送気ブロワ46によって、吹き出し口32側に送気され、吹き出し口32からグローブボックス2内に吹き出される。このようにして、グローブボックス2内に下降気流が生じ、グローブボックス2および送気管58内に空気の循環流れが生じる。
このとき、吸い込み口33から吸い込まれる空気に含まれる放射性物質は、第1フィルタ36に吸着され、吹き出し口32から吹き出される空気に含まれる放射性物質は、第2フィルタ37に吸着される。その結果、グローブボックス2内に飛散、浮遊していた放射性物質が除去される。なお、グローブボックス2内の放射性物質を含む空気は、第2フィルタ37より先に第1フィルタ36を通過するため、第2フィルタ37よりも第1フィルタ36の方が目詰まりの進行が速い。
グローブボックス2内には第1圧力計59が設けられ、送気管58内における第2フィルタ37の近傍には第2圧力計61が設けられている。第1圧力計59が検知する圧力と第2圧力計61が検知する圧力との差圧は、後述するモニタ62に表示される。第2フィルタ37の目詰まりが進行するにつれて、上記差圧が上昇するので、上記差圧が一定値以上になった場合に、第1フィルタ36および第2フィルタ37を新しいものに交換する運用を行うことが望ましい。
また、グローブボックス2内には、除電ブロワ63が設置されている。除電ブロワ63は、グローブボックス2内の天井面11の隅に設けられており、電極針(図示せず)に高圧の電圧を印加しコロナ放電を発生させてイオンを生成し、生成したイオンをグローブボックス2内に放出する。放出されたイオンが帯電した除染の対象物16に接することで、除染の対象物16の静電気をなくす。
また、除染装置1は、操作盤64を備えている。操作盤64には、表示画面66と、操作ボタン67とが設けられている。表示画面66には、除染装置1に関する各種情報が表示される。各種情報には、第1圧力計59が検知する圧力と第2圧力計61が検知する圧力との差圧が含まれる。
以下、本実施形態に係る除染装置1の使用手順を以下に説明する。
先ず、除染の対象物16をグローブボックス2内に入れ、次に、操作盤64を操作することで、放射性物質吸引装置4(負圧装置6)およびドライアイス噴射装置3を作動させる。
次に、除染作業者は、2つのグローブ7に両手を差し込み、一方の手にドライアイス噴射装置3を持ち、他方の手に除染の対象物16を持つ。内部視認可能面22からグローブボックス2内を見ながら、ドライアイス噴射装置3の噴射部47および除染の対象物16の一方又は双方を動かしながら、対象物16にドライアイス粒子を噴射して除染作業を行う。このとき、多関節の空気管路28の吸引口52は、放射性物質を吸引しやすい位置に配置することが望ましい。
除染作業者は、ドライアイス噴射装置3を台17上に置き、両手で除染の対象物16を移動させながら除染作業をすることもできる。また除染作業者は、除染の対象物16を台17上に置き、ドライアイス噴射装置3を除染の対象物16に対して移動させながら除染作業をすることもできる。
次に、除染が終わった除染の対象物16をグローブボックス2から取り出す場合の構成および手順について説明する。
グローブボックス2の4つの側面13の内のいずれかの面の外側には、図3に示すように、側部ボックス68が連設されている。グローブボックス2と側部ボックス68との間には、第1開口部30が設けられ、第1開口部30には第1開口部30を開放および閉塞するための第1開閉扉31が設けられている。
側部ボックス68は直方体の形状を有し、外部から隔離された空間を形成している。側部ボックス68の側面には、対象物16を外部空間と側部ボックス68内との間で搬入および搬出をするための第2開口部69が設けられている。第2開口部69には第2開口部69を開放および閉塞するための第2開閉扉71が設けられている。また、側部ボックス68内は、加圧装置(不図示)によって加圧することが可能となっている。
除染の対象物16および除染済の対象物16は、第1開口部30および第2開口部69を介してグローブボックス2と外部空間との間で搬入および搬出される。搬入および搬出は、図示しない所定の搬送機(例えば、ベルトコンベア等)を用いて行うことが可能である。
除染作業が完了した対象物16は、以下の手順でグローブボックス2内から外部空間に搬出される。
除染作業中は第1開閉扉31および第2開閉扉71はいずれも閉じられている。除染作業が完了すると、第1開閉扉31が開けられ、除染の対象物16は第1開口部30を介してグローブボックス2内から側部ボックス68内に搬出される。除染の対象物16が側部ボックス68内に搬出された後、第1開閉扉31が閉じられる。次に第2開閉扉71が開かれ、除染の対象物16は第2開口部69を介して側部ボックス68内から外部空間に搬出される。除染の対象物16が外部空間に搬出された後、第2開閉扉71が閉じられる。
除染作業完了後、放射性物質の一部が放射性物質吸引装置4および下降気流発生装置34によって回収されずグローブボックス2の中に残存している場合があったとしても、グローブボックス2内が負圧装置6により負圧にされ、側部ボックス68内が与圧されているため、第1開口部30から側部ボックス68内に放射性物質が漏出することを防止でき、ひいてはグローブボックス2内から除染の対象物16を搬出後に放射性物質が除染の対象物16に再付着することを防止できる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る除染装置1を使用すれば、除染の対象物16にドライアイス粒子を噴きつけることで、対象物16に付着した放射性物質を確実に除去することができる。また、ドライアイス粒子の衝突によってグローブボックス2内に浮遊した放射性物質は、確実かつ効率よく吸着フィルタ、第1フィルタ36、第2フィルタ37によって捕集することができる。また、洗浄水等を用いずに除染することができるため、汚染水等が発生することがなく、汚染水を処理するための費用や設備等も必要としない。
<他の実施形態>
除染装置1は、図4に示すようなカバー体73を備えていてもよい。カバー体73は、下部に開口74を有するとともに、内側に一定の容積を有している。本実施形態では、カバー体73は、上部が閉塞された円筒形に形成されている。
除染装置1は、図4に示すようなカバー体73を備えていてもよい。カバー体73は、下部に開口74を有するとともに、内側に一定の容積を有している。本実施形態では、カバー体73は、上部が閉塞された円筒形に形成されている。
カバー体73の側部には、放射性物質吸引装置4の吸引口52が接続されている。吸引口52は、カバー体73の内側空間を吸引可能に接続されている。カバー体73の上部には、ドライアイス噴射装置3の噴射部47が固定されており、噴射部47の噴射口76からカバー体73の内側空間にドライアイス粒子が噴射可能とされている。
上記カバー体73の使用態様は特に限定されないが、例えば図4に示すように、除染の対象物16Aが比較的大きい場合は、カバー体73の開口74を除染の対象物16Aの一部に当ててドライアイス粒子を対象物16Aに向けて噴射することで、対象物16Aの一部を集中的に除染することができる。また例えば図4に示すように、除染の対象物16Bが比較的小さい場合は、除染の対象物16Bをカバー体73の内側に入れ込んでドライアイス粒子を対象物16Bに向けて噴射することで、対象物16Bにドライアイス粒子が衝突することで飛散する放射能汚染物質を効率的に放射性物質吸引装置4により吸引捕集することができる。
本発明は、例えば、放射性物質に汚染された対象物を除染する除染装置に適用することができる。
1 除染装置
2 グローブボックス
3 ドライアイス噴射装置
4 放射性物質吸引装置
6 負圧装置
32 吹き出し口
33 吸い込み口
34 下降気流発生装置
36 第1フィルタ
37 第2フィルタ
47 噴射部
52 吸引口
73 カバー体
74 開口
76 噴射口
2 グローブボックス
3 ドライアイス噴射装置
4 放射性物質吸引装置
6 負圧装置
32 吹き出し口
33 吸い込み口
34 下降気流発生装置
36 第1フィルタ
37 第2フィルタ
47 噴射部
52 吸引口
73 カバー体
74 開口
76 噴射口
Claims (4)
- グローブボックスと、
前記グローブボックス内でドライアイス粒子を噴射するドライアイス噴射装置と、
前記グローブボックス内の放射性物質を吸引して前記放射性物質を吸着可能な吸着フィルタに吸着させる放射性物質吸引装置と、
前記グローブボックスの内圧を負圧にする負圧装置と、
を備える除染装置であって、
前記ドライアイス噴射装置は、ドライアイス粒子の噴射部の位置および/または噴射方向を前記グローブボックス内で自在に変更可能な構造を有する、
ことを特徴とする除染装置。 - 請求項1に記載の除染装置において、
前記放射性物質吸引装置は、前記負圧装置を兼ねていることを特徴とする除染装置。 - 請求項1又は2に記載の除染装置において、
前記グローブボックスは、上部に吹き出し口が設けられるとともに、下部に吸い込み口が設けられており、
前記吸い込み口から前記グローブボックス内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記グローブボックスの外部を経由して前記吹き出し口から前記グローブボックス内に吹き出すことで、前記グローブボックス内に下降気流を生じさせる下降気流発生装置と、
前記吸い込み口から吸い込まれる空気に含まれる放射性物質を吸着する第1フィルタと、
前記吹き出し口から吹き出される空気に含まれる放射性物質を吸着する第2フィルタと、
をさらに備えることを特徴とする除染装置。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の除染装置において、
下部に開口を有するとともに、内側に一定の容積を有するカバー体を更に備え、
前記放射性物質吸引装置の吸引口が前記カバー体の内側空間を吸引可能に前記カバー体に固定され、
前記ドライアイス噴射装置の噴射口が前記カバー体の内側空間にドライアイス粒子を噴射可能に前記ドライアイス噴射装置の一部が前記カバー体に固定された、
ことを特徴とする除染装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020117549A JP2022014983A (ja) | 2020-07-08 | 2020-07-08 | 除染装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020117549A JP2022014983A (ja) | 2020-07-08 | 2020-07-08 | 除染装置 |
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JP2022014983A true JP2022014983A (ja) | 2022-01-21 |
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ID=80120592
Family Applications (1)
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JP2020117549A Pending JP2022014983A (ja) | 2020-07-08 | 2020-07-08 | 除染装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022014983A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102558083B1 (ko) * | 2023-04-14 | 2023-07-21 | 에프이시스템주식회사 | 금속폐기물 제염장치 |
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2020
- 2020-07-08 JP JP2020117549A patent/JP2022014983A/ja active Pending
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