JP6474943B2 - 活性ガス生成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、原料ガスから放電現象を利用して得られた活性ガスを生成する活性ガス生成装置に関する。
従来の活性ガス生成装置において、セラミック等を構成材料とする誘電体電極にAu膜などの金属電極を成膜処理して電極構成部としている装置がある。このような装置では、電極構成部において誘電体電極がメインであり、そこに形成されている金属電極は従属的なものとなっている。
従来の活性ガス生成装置の一つとして、円板状の電極構成部を用いており、外周部から内部へと侵入した原料ガスは放電空間(放電場)を通過して電極中央部に1つだけ設けられたガス噴出孔から外へと噴き出す構成がある。
上述した構成の装置を含む従来の活性ガス生成装置は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に開示されている。
特許文献1で開示された活性ガス生成装置は、円筒状の電極で、筒の内外に電極を形成してその間で放電を発生し、その間に原料ガスを投入して活性ガス(ラジカル含有ガス)を生成するものである。活性ガスは円筒先端に設けられた吹き出し口で流路を絞られてプラズマジェットとなって噴出し、その直下に設置された被処理物を処理するものである。
特許文献2に開示された活性ガス生成装置では、平板状に1対の対向電極を設け、それを縦型に設置することで上方から下方に向かって電極内にガスを供給し、直下に設置された被処理物を処理するものである。平板電極構造なため大型化が比較的容易で、大面積への均一成膜処理を可能としたものである。1対の対向平板電極を縦型に設置した同様の処理装置は、成膜処理用途だけではなく表面処理用途も含めると、他にも特許文献5等、多々存在する。また1対ではなく複数対の対向電極を積層的に配置した装置構造を用いたものもある(特許文献6)。
特許文献3で開示された活性ガス生成装置では、一対の対向する円盤状の電極が設けられ、そのうち接地側の電極にはシャワープレート状に多数の細孔が形成され、放電部が処理室に直結した構造となっている。電極を巨大化し、もしくは電極自体を複数個設置し、細孔を無数に設けることで均一な大面積窒化が可能としている。放電空間(放電場)自体は大気圧近傍下にあり、一方、細孔を経由して処理室はより減圧な状態に置かれている。この結果、放電場で生成した活性ガスは生成直後に細孔を経由して減圧下へと運ばれることでその減衰が極小化されるためより高密度状態で被処理物に到達することが可能となる。
特許文献4で開示された活性ガス生成装置では、平板長方形状の1対の対向電極を設け、3方がスペーサで隙間が塞がれており開口されている1方向に向かってガスを噴出する構造を特徴としている。開口部の先にはガス噴出孔を設けて被処理物へと活性ガス(ラジカル)を吹き付けている。
特許第3057065号公報 特開2003-129246号公報 特許第5328685号公報 特許第5158084号公報 特開平11−335868号公報 特許第2537304号公報
特許文献1で開示された活性ガスの生成方法では吹き出し口の開口部が直径数ミリというサイズなため、処理面積が非常に限定的なものとなっている。
特許文献1で開示された活性ガス生成装置として、電極を横方向に設置してそれに沿って吹き出し口を複数個設けた形態も提示されており、この方法だと処理面積を大きく取ることが可能だが、円筒体や電極の形状・構造が複雑なものとなっている。大気混入などが許されない半導体成膜処理用途を考えると、それぞれの構成部品接続部において十分なシール特性を持たせる必要がある。また、放電空間(放電場)近傍は高温になっているため、冷却をしていたとしても余裕を持つためにはある程度高温部位とシール材を離す必要が生じ、結果的に相当大きな装置サイズとなることが予想される。
また、特許文献2、特許文献5及び特許文献6で開示された活性ガス生成方法はいずれも基本的に放電空間(放電場)も被処理物も同じ大気圧近傍の圧力下にて取り扱われている。活性ガスは、エネルギー状態が高いが故に他と反応して、あるいは光放出などによって容易に失活し易い。圧力が高い程衝突頻度が増大することから、放電場においてはその放電方式の都合上、有る程度以上の圧力状態は避け得なかったとしても、生成された活性ガスは速やかにより減圧下へと移行されることが望ましい。そのような観点から、特許文献2等で開示された方式では被処理物到達時には既に相当ラジカル密度が減衰していることが想像される。
一方、特許文献2等で開示された活性ガス生成方法を、大気圧より低い圧力下で実行した場合、放電電極も含めて真空処理チャンバー内に設置する必要が生じるために装置が巨大化してしまうという問題点が生じてしまう。さらに、圧力低下に伴う放電開始電圧の低下から放電電力を稼ぐためには高周波化する必要が生じ、その場合イオン等の荷電粒子が電極間にトラップされてそのまま被処理物まで運搬され、それがチャージアップによる破損要因となってしまう問題点も生じてしまう。
一方、特許文献3で開示された活性ガス生成方法では、細孔はオリフィスも兼ねているため全細孔断面積を所定の圧力差を維持するために必要な断面積に一致させる必要があり、細孔数を本来の半導体成膜処理用シャワープレートと同程度には増やすことができない。細孔数が少ないと電極上の配置に応じたガス流量差が大きくなり、細孔毎の流量差は活性ガスのフラックスに直結してしまうため、流量差を正確に把握してそれに応じた成膜処理条件を設定しないと膜厚にムラが生じてしまう。また、円盤状の外周部から電極内へとガスは進み、放電場に形成された細孔から外へと放出されているため、放電場に侵入してすぐの細孔から放出されるガス中のラジカル密度(活性ガス密度)と、一方、最内側に配置して放電場を十分時間をかけて通過した後に放出されるガス中のラジカル密度とではおのずと違いが生じてしまい、先のガス流量の差分との相乗効果により成膜状況の均一化を図ることが非常に困難なものとなっている。
一方、特許文献3には記載されていないが、いったんオリフィスを経由してからシャワープレートを介して活性ガスを導入するという方法も考えられる。例えば円形電極の中央部に1つだけオリフィスとなる孔を形成しておく。圧力差分はこの1つのオリフィスのみで形成する。オリフィス直下にシャワープレートを設け、成膜処理圧力まで減圧下した環境で活性ガスを広範囲に拡散させるというものである。
この場合、確かにシャワープレート細孔の配置ピッチは小さくできるのでガス自体の被処理物への均一拡散性は著しく向上する。また、オリフィス数は1段のみなので、複数のオリフィスを用いた多段式オリフィスの場合と異なって放電場を出たガスはすぐさま低圧領域へと導かれるため、ラジカルの減衰を抑制することが可能となる。しかし、この方法ではオリフィスから噴き出したガス噴流がシャワープレート内壁面で衝突を繰り返しながらプレート内を広がっていくこととなる。ラジカルは物体との衝突や表面に長く接触することで失活が加速されるため、結局シャワープレートから出てくる頃にはラジカル量は著しく減少していることが予想される。したがって、上述したシャワープレートを介する方法は、ラジカル密度の減衰について根本的な解決になっていないと考えられる。
また、特許文献4で開示された活性ガス生成装置において、放電場を大気圧近傍、非処理物の設置した処理チャンバを減圧下と圧力区分を設けるためには、ガス噴出孔をオリフィスとして機能させる必要がある。放電場を構成する電極とオリフィスを構成するガス噴出孔が形成された部品は別々なため、両者の位置決め機構が必要となり、またガス噴出孔以外に隙間が生じないようにするためにシール機構も設ける必要があり、以上のような構成を検討すると非常に複雑なものとなることが予想される。
このように、特許文献1、特許文献2及び特許文献4等で開示された、従来の活性ガス生成装置はガス噴出孔が1つの場合、ガス噴出孔がライン状の場合等、成膜処理可能な領域が比較的限定されていた。特に、φ(直径)300mmウェハを均一に処理することは全く不可能であった。一方、特許文献3で開示された活性ガス生成装置のように、ガス拡散のためのシャワープレートをガス噴出孔以降に取付けるという手段もあるが、そもそも活性ガスは非常に活性度が高いためシャワープレート中をガスがプレート壁面に衝突しながら進むことでラジカル(活性ガス)の多くが失活してしまうために実用に耐えないという重大な問題点が存在した。
本発明では、上記のような問題点を解決し、高密度の活性ガスを均一性良く、比較的高速に生成することができる活性ガス生成装置を提供することを目的とする。
この発明における活性ガス生成装置は、処理対象基板を収容する基板収容部と、第1及び第2の電極構成部を有し、原料ガスから放電現象を利用して得られた活性ガスを、前記第2の電極構成部に離散形成される複数のガス噴出孔から噴出する活性ガス生成用電極群とを備え、前記複数のガス噴出孔はそれぞれ平面視した開口部断面形状が第1の径で円状に形成された第1の制限筒として機能し、前記第1の径は、前記ガス噴出孔の通過前の一次圧力と通過後の二次圧力との圧力差が所定圧力比以上になるように設定され、前記活性ガス生成用電極群の前記複数の噴出孔に1対1に対応して設けられ、各々が前記複数のガス噴出孔から噴出された活性ガスを通過させてノズル通過後活性ガスを得る複数のノズル部を含むノズル構成部と、前記ノズル構成部を通過した複数のノズル通過後活性ガスを入口部で受け、ガス整流通路内に前記複数のノズル通過後活性ガスを通過させる整流動作によって、出口部より整流後活性ガスを前記処理対象基板に向けて噴射するガス噴流用整流器とを備え、前記複数のノズル部は、それぞれ、平面視した開口部断面形状が第2の径で円状に形成され、前記第1の制限筒から供給される活性ガスを前記ガス噴流用整流器に向けて供給する第2の制限筒を有し、前記第2の径は前記第1の径より長くなるように設定され、前記ノズル通過後活性ガスは円柱状のガス噴流となり、前記ガス整流通路は、前記出口部の出口開口面積が前記入口部の入口開口面積より狭く設定され、かつ、前記整流動作によって、前記複数のノズル通過後活性ガスの円柱状のガス噴流が、所定方向に沿ってライン状の前記整流後活性ガスに変換されるように形成される。
請求項1記載の本願発明のガス供給装置の活性ガス生成用電極群は、それぞれ第1の径を有する第1の制限筒として機能する複数のガス噴出孔を有しているため、生成する活性ガスに指向性を持たせることができ、その結果、マッハを超える超高速で、活性ガスを供給することができる。この際、第1の制限筒の下流に設けたノズル部の第2の制限筒の存在により、第1の制限筒を通過した活性ガスが超高速化することに伴う衝撃圧力及び温度状態によって、噴出される活性ガスの極端な減速が生じるマッハディスク現象を抑制することができる。
さらに、ガス噴流用整流器が有するガス整流通路は、出口開口面積が入口開口面積より狭く設定され、かつ、整流動作によって、複数のノズル通過後活性ガスの円柱状のガス噴流が、所定方向に沿ってライン状の整流後活性ガスに変換されるように形成される。このため、均一性が高いライン状の整流後活性ガスを処理対象基板に向けて噴出することができる。
その結果、請求項1記載の本願発明の活性ガス生成装置は、均一性が高い活性ガスを処理対象基板に比較的高速に供給することができる効果を奏する。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
この発明の実施の形態1である活性ガス生成装置の全体構成の概要を示す説明図である。 図1で示した実施の形態1の主要部となる活性ガス生成用電極群、ノズル構成部及びガス噴流用整流器の概略構成を示す説明図である。 活性ガス生成装置の断面構造を模式的に示す説明図である。 活性ガス生成用電極群を構成する接地側電極構成部の誘電体電極の全体構造を示す斜視図である。 接地側電極構成部の上面及び下面構造等を示す説明図である。 図5の着目領域を拡大して示す説明図である。 図5の着目領域を拡大して示す上面図である。 高電圧側電極構成部の上面及び下面構造等を示す説明図である。 高電圧側電極構成部と接地側電極構成部との組立工程を示す斜視図(その1)である。 高電圧側電極構成部と接地側電極構成部との組立工程を示す斜視図(その2)である。 高電圧側電極構成部と接地側電極構成部との組立工程を示す斜視図(その3)である。 この発明の実施の形態である活性ガス生成装置のノズル構成部におけるノズル部及びその周辺の断面構造を示す説明図である。 実施の形態1のノズル構成部を用いたガス噴流の速度状態を模式的に示す説明図である。 実施の形態1のノズル構成部を用いたガス噴流の圧力状態を模式的に示す説明図である。 従来構成のガス噴流の速度状態を模式的に示す説明図である。 従来構成のガス噴流の圧力状態を模式的に示す説明図である。 発生器筐体と処理チャンバ筐体との圧力比が30倍未満の場合のガス噴流の速度状態を模式的に示す説明図である。 発生器筐体と処理チャンバ筐体との圧力比が30倍未満の場合のガス噴流の圧力状態を模式的に示す説明図である。 従来構成のマッハディスク発生構造を模式的に示す説明図である。 実施の形態1のノズル構成部を用いた場合の効果を模式的に示す説明図である。 ノズル部の変形例を示す断面図である。 実施の形態1のガス噴流用整流器の構成を示す説明図である。 実施の形態1のガス噴流用整流器の全体構造を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2である活性ガス生成装置の断面構造を模式的に示す説明図である。 実施の形態2のガス噴流用整流器の全体構成を示す斜視図(その1)である。 実施の形態2のガス噴流用整流器の全体構成を示す斜視図(その2)である。 実施の形態2のガス噴流用整流器の全体構成を示す斜視図(その3)である。 この発明の実施の形態3である活性ガス生成装置のガス噴流用整流器の構成を示す説明図である。 本実施の形態の活性ガス生成用電極群の基本構成を模式的に示す説明図である。 図29の高電圧側電極構成部の具体的構成例を示す説明図である。 図30で示した高電圧側電極構成部及び接地側電極構成部で実現される活性ガス生成装置の活性ガス生成部の基本構成を模式的に示す説明図である。 図31の活性ガス生成部を構成要素とした成膜処理装置の構成を模式的に示す説明図である。
<実施の形態1>
(全体構成)
図1はこの発明の実施の形態1である活性ガス生成装置501の全体構成の概要を示す説明図である。
同図に示すように、実施の形態1の活性ガス生成装置501は処理チャンバ筐体33X上に発生器筐体31Xが配置されて構成され、発生器筐体31X内に活性ガス生成用電極群301及びノズル構成部40が配設され、処理チャンバ筐体33Xの下方に処理対象基板であるウェハ34が配置される。そして、発生器筐体31Xと処理チャンバ筐体33Xとの境界領域にガス噴流用整流器70が設けられる。
図2は実施の形態1の活性ガス生成装置501の主要部となる活性ガス生成用電極群301、ノズル構成部40及びガス噴流用整流器70の概略構成を示す説明図である。図3は活性ガス生成装置501の断面構造を模式的に示す説明図である。なお、図2及び図3において、活性ガス生成用電極群301に関し後述する金属電極201H及び201L並びに金属電極101H及び101Lの図示を省略する等、適宜簡略化を図っている。
これらの図を参照して、活性ガス生成装置501の算体構成を説明する。処理チャンバ筐体33Xは処理対象基板であるウェハ34を底面上に載置して収容しており、ウェハ34を空間内に収容する基板収容部として機能している。
活性ガス生成用電極群301は、高電圧側電極構成部1A及び接地側電極構成部2Aを有し、原料ガスから放電現象を利用して活性ガスを得て、接地側電極構成部2Aに離散的に形成された複数のガス噴出孔55から活性ガスを噴出する。
ノズル構成部40は複数のノズル部12を有し、複数のノズル部12は活性ガス生成用電極群301の複数のガス噴出孔55に1対1に対応して設けられ、各々が複数のガス噴出孔55から噴出された活性ガスを通過させてノズル通過後活性ガスを得ている。
ガス噴流用整流器70は、ノズル構成部40を通過した複数のノズル通過後活性ガスを上面に設けた入口部711で一括して受け、ガス整流通路71内に複数のノズル通過後活性ガスを通過させる整流動作によって、下面に設けた出口部710より整流後活性ガスを下方のウェハ34に向けて噴射する。
活性ガス生成用電極群301の接地側電極構成部2Aに設けられた複数のガス噴出孔55はそれぞれ平面視した開口部断面形状が第1の径((直)径r1)で円状に形成され、活性ガスを下方に供給する第一段制限筒(第1の制限筒)13として機能する。
一方、複数のノズル部12は、それぞれ平面視した開口部断面形状が第2の径((直)径r2)で円状に形成され、第一段制限筒13(ガス噴出孔55)から供給される活性ガスをガス噴流用整流器70の入口部711に向けて供給する第二段制限筒(第2の制限筒)14を有している。
そして、第一段制限筒13として機能するガス噴出孔55の第1の径である径r1は、一次圧力となる発生器筐体31X内と二次圧力となる処理チャンバ筐体33X内との圧力差が所定圧力比以上になるように設定される。すなわち、ガス噴出孔55はオリフィスとして構成され、ガス噴出孔55の通過前の一次圧力と通過後の二次圧力との圧力差が所定圧力比以上になるように設定される。
一方、ノズル部12の第二段制限筒14の第2の径である径r2は第一段制限筒13の径r1より長くなるように設定される。その結果、複数のノズル通過後活性ガスはいずれも円柱状のガス噴流となる。
ガス噴流用整流器70のガス整流通路71は、出口部710の出口開口面積が入口部711の入口開口面積より狭く設定され、かつ、上述した整流動作によって、複数のノズル通過後活性ガスの円柱状のガス噴流が、X方向(所定方向)に沿ってライン状の整流後活性ガスに変換されるように形成される。
(活性ガス生成用電極群301)
(活性ガス生成用電極群301の前提技術)
図29は本願発明の活性ガス生成装置501における活性ガス生成用電極群301の基本構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、高電圧側電極構成部1(第1の電極構成部)と、高電圧側電極構成部1の下方に設けられる接地側電極構成部2(第2の電極構成部)と、高電圧側電極構成部1及び接地側電極構成部2に交流電圧を印加する高周波電源5(交流電源部)とを基本構成として有している。
高電圧側電極構成部1は、誘電体電極11(第1の誘電体電極)と誘電体電極11の上面上に選択的に形成される金属電極10(第1の金属電極)とを有し、接地側電極構成部2は、誘電体電極21(第2の誘電体電極)と誘電体電極21の下面上に選択的に形成される金属電極20(第2の金属電極)とを有している。接地側電極構成部2の金属電極20が接地レベルに接続され、高電圧側電極構成部1の金属電極10に高周波電源5から交流電圧が印加される。
そして、高周波電源5の交流電圧の印加により、誘電体電極11及び21が対向する誘電体空間内において、金属電極10及び20が平面視重複する領域が放電空間として規定される。上述した高電圧側電極構成部1、接地側電極構成部2及び高周波電源5によって第1の活性ガス生成部が実現される。
このような構成において、高周波電源5による交流電圧の印加により、高電圧側電極構成部1と接地側電極構成部2との間に放電空間が形成され、この放電空間に窒素分子等の原料ガス6を供給すると、ラジカル化した窒素原子等の活性ガス7を得ることができる。
図30は高電圧側電極構成部1の具体的構成例を示す説明図である。高電圧側電極構成部1の一具体例である高電圧側電極構成部1Xは、平面視円状の誘電体電極11Xの上面上に平面視環状の金属電極10Xが選択的に形成されることにより構成される。接地側電極構成部2の一具体例である接地側電極構成部2Xは、平面視円状の誘電体電極21Xの下面上(図30では上下逆)に平面視環状の金属電極20Xが選択的に形成されることにより構成される。すなわち、接地側電極構成部2Xは金属電極20X及び誘電体電極21Xの上下関係が金属電極10X及び誘電体電極11Xと異なる点を除き、高電圧側電極構成部1Xと同様な構成で形成される。ただし、誘電体電極21Xの中心にガス噴出孔25(図30では図示せず)が設けられている点が異なる。
図31は図30で示した高電圧側電極構成部1X及び接地側電極構成部2Xで実現される第2の活性ガス生成部の基本構成を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、高電圧側電極構成部1X(第1の電極構成部)と、高電圧側電極構成部1の下方に設けられる接地側電極構成部2X(第2の電極構成部)と、高電圧側電極構成部1X及び接地側電極構成部2Xに交流電圧を印加する高周波電源5(交流電源部)とを基本構成として有している。
そして、高周波電源5の交流電圧の印加により誘電体電極11X及び21Xが対向する誘電体空間内において、金属電極10X及び20Xが平面視重複する領域が放電空間(放電場)として規定される。上述した高電圧側電極構成部1X、接地側電極構成部2X及び高周波電源5によって第2の活性ガス生成部が実現される。
このような構成において、高周波電源5による交流電圧の印加により、高電圧側電極構成部1X及び接地側電極構成部2X間に放電空間が形成され、この放電空間にガスの流れ8に沿って原料ガスを供給すると、ラジカル化した窒素原子等の活性ガス7を得て、誘電体電極21Xの中心に設けられたガス噴出孔25から下方の外部に噴出することができる。
図32は上述した第1あるいは第2の活性ガス生成部を構成要素とした成膜処理装置の構成を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、第1あるいは第2の活性ガス生成部を筐体内に収納した活性ガス生成装置31の下方にオリフィス形成部32を介して成膜処理チャンバ33が配置され、成膜処理チャンバ33内に例えばφ(直径)300mmのウェハ34が配置される。
この時、成膜処理チャンバ33内は数100Pa程度の減圧下に設定され、一方、活性ガス生成装置31内は、その放電方式の特性上、10kPa〜大気圧程度の高圧状態に維持する。この両者の圧力差を設けるために、誘電体電極21Xに設けられたガス噴出孔25は、オリフィス形成部32の中心孔32Cのように、オリフィスとして機能する寸法に収めることも可能である。
したがって、第1あるいは第2の活性ガス生成部を内部に有する活性ガス生成装置31の直下に成膜処理チャンバ33を設け、誘電体電極21Xのガス噴出孔25をオリフィス形成部32の中心孔32Cとして機能させることにより、オリフィス形成部32を不要にし、活性ガス生成装置31の直下に成膜処理チャンバ33を配置した成膜処理装置を実現することができる。
実施の形態1〜実施の形態3で用いられる活性ガス生成用電極群301は、図29〜図31で示した第1あるいは第2の活性ガス生成部における高電圧側電極構成部1(1X)及び接地側電極構成部2(2X)の構造を改良したものであり、高電圧側電極構成部1A及び接地側電極構成部2Aは高電圧側電極構成部1(1X)及び接地側電極構成部2(2X)に対応する。
(活性ガス生成用電極群301の具体的構成)
図4は活性ガス生成用電極群301を構成する接地側電極構成部2Aにおける誘電体電極211の全体構造を示す斜視図である。図5は接地側電極構成部2Aの上面及び下面構造等を示す説明図である。同図(a) が上面図であり、同図(b) が同図(a) のA−A断面図、同図(c) が下面図であり、同図(d) が同図(a) のB−B断面図である。
図6は図5(a) の着目領域R11を拡大して示す説明図であり、同図(a) が上面図、同図(b) が着目領域R11におけるA−A断面図である。図7は図5(a) の着目領域R12を拡大して示す上面図である。なお、図4〜図7それぞれにおいて適宜XYZ座標系を示している。
これらの図に示すように、活性ガス生成用電極群301の接地側電極構成部2A(第2の電極構成部)は誘電体電極211と金属電極201H及び201L(一対の第2の部分金属電極;第2の金属電極)とを有している。
誘電体電極211はX方向を長手方向、Y方向を短手方向とした長方形状の平板構造を呈している。以下、誘電体電極211において、後述する直線形段差形状部52A及び52Bを境界として、中心部を主要領域53、両端部を端部領域54A及び54Bと呼ぶ場合がある。
誘電体電極211(第2の誘電体電極)に関し、主要領域53内の中央領域R50においてX方向(第1の方向)に沿って、複数の(5つの)ガス噴出孔55が設けられる。複数のガス噴出孔55はそれぞれ誘電体電極211の上面から下面に貫通して設けられる。複数のガス噴出孔55はそれぞれ平面視断面形状がオリフィスとして機能する寸法を満足する径r1の円状を呈している。
図5(b) 〜(c) に示すように、金属電極201H及び201L(一対の第2の部分金属電極)は誘電体電極211の下面上に形成され、平面視して誘電体電極211の中央領域R50を挟んで互いに対向して配置される。金属電極201H及び201Lは平面視して略長方形状を呈し、X方向(第1の方向)を長手方向(電極形成方向)とし、X方向に直角に交差するY方向(第2の方向)を互いに対向する方向としている。金属電極201H及び201Lは平面視した大きさは同一であり、その配置は中央領域R50を中心として対称となっている。
なお、金属電極201H及び201Lは誘電体電極211の下面にてメタライズ処理されることにより形成され、その結果、誘電体電極211と金属電極201H及び201Lとは一体形成されて接地側電極構成部2A(第2の電極構成部)を構成する。メタライズ処理として印刷焼成方法やスパッタリング処理、蒸着処理等を用いた処理が考えられる。
図8は高電圧側電極構成部1A(第1の電極構成部)の上面及び下面構造等を示す説明図である。同図(a) が上面図であり、同図(b) が同図(a) のC−C断面図、同図(c) が下面図である。なお、図8において適宜XYZ座標系を示している。
同図に示すように、誘電体電極111は誘電体電極211と同様、X方向を長手方向、Y方向を短手方向とした長方形状の平板構造を呈している。
また、金属電極101H及び101L(一対の第1の部分金属電極;第1の金属電極)は誘電体電極111の上面上に形成され、平面視して誘電体電極211の中央領域R50に対応する同形状の中央領域R60を挟んで互いに対向して配置される。この際、金属電極101H及び101Lは、金属電極201H及び201Lと同様、平面視して略長方形状を呈し、X方向(第1の方向)を長手方向(電極形成方向)とし、X方向に直角に交差するY方向(第2の方向)を互いに対向する方向としている。金属電極101H及び101Lは平面視した大きさは同一であり、その配置は中央領域R60を中心として対称となっている。ただし、金属電極101H及び101Lの短手方向(Y方向)並びに長手方向(X方向)の幅が、金属電極201H及び201Lに比べて少し短く設定される。なお、金属電極101H及び101Lも、金属電極201H及び201Lと同様にメタライズ処理により誘電体電極111の上面上に形成することができる。
図9〜図11は高電圧側電極構成部1Aと接地側電極構成部2Aとの組立工程を示す斜視図である。なお、図9〜図11それぞれにおいてXYZ座標系を示している。
図9に示すように、接地側電極構成部2A上に高電圧側電極構成部1Aを配置することにより活性ガス生成用電極群301を組み立てることができる。図9及び図10に示すように、高電圧側電極構成部1Aにおける誘電体電極111の中央領域R60と、接地側電極構成部2Aにおける誘電体電極211の中央領域R50とが平面視重複するように位置決めしつつ、高電圧側電極構成部1Aを接地側電極構成部2A上に積み上げて組み合わせることにより、最終的に図11に示すように活性ガス生成用電極群301を完成することができる。
活性ガス生成用電極群301を構成する誘電体電極111と誘電体電極211とが対向する誘電体空間内において、金属電極101H及び101Lと金属電極201H及び201Lとが平面視重複する領域が放電空間として規定される。
メタライズ部である金属電極101H及び101L並びに金属電極201H及び201Lには、図29で示した金属電極10及び20のように、(高圧)高周波電源5に接続されている。接地側電極構成部2Aの金属電極201H及び201Lは接地されており、本実施の形態では、高周波電源5より0ピーク値を2〜10kVで固定して、周波数を10kHz〜100kHzで設定した交流電圧を金属電極101H及び101L,金属電極201H及び201L間に印加している。
上述したように、高電圧側電極構成部1Aの誘電体電極111は、接地側電極構成部2Aの誘電体電極211と異なって、上面及び下面共に平坦な形状を呈している。したがって、高電圧側電極構成部1Aと接地側電極構成部2Aとを組み合わせる際には上部から接地側電極構成部2A側にバネやボルト等の締付力によって固定するのみとなり、座ぐり形状等を設けて敢えて接地側電極構成部2Aと位置決めしないことで、輸送時等に誘電体電極111と誘電体電極211との端面間の接触によるコンタミ発生の可能性を極力抑制した構造の活性ガス生成用電極群301を得ることができる。
上述した放電空間(放電場)は異常放電を抑制するために一定間隔以上、ガス噴出孔55に近付けることはできない。したがって、放電空間を抜けてからガス噴出孔55までの中央領域R50(R60)上の空間は、非放電空間(非放電場,デッドスペース)となり、この非放電空間では活性ガスは生成されることなく減少していくだけとなる。
活性ガスは放電空間にて生成され、放電空間を通過すると、その高エネルギーさ故に急激に減衰し、短時間で全て消滅してしまう。活性ガスの減衰メカニズムのうち、基底状態の他分子との衝突等によってエネルギーを失うタイプの場合、単純に圧力を下げて衝突頻度を低くするだけで活性ガスの消滅速度を抑制することが可能となる。つまり、大気圧近傍の放電空間で生成した活性ガスを速やかに減圧下の処理チャンバ筐体33X(図1,図3参照)へと噴出するようにすることが重要であり、そのために先に記した非放電空間を規定する中央領域R50(R60)のY方向の幅は可能な限り狭くすることが望ましい。
非放電空間を極小化するために放電空間をガス噴出孔55に近付けることはできない。なぜなら、ガス噴出孔55を放電空間に近づけすぎると、活性ガスに生成時に異常放電が発生する恐れがあるからである。そこで、実施の形態1の活性ガス生成用電極群301は、非放電空間を埋めるべく、クサビ形段差形状部51(中央領域段差部)を誘電体電極211の上面の中央領域R50において上方に突出して、誘電体電極211の構成要素として一体形成して設けたことを特徴としている。
すなわち、クサビ形段差形状部51は、平面視して複数のガス噴出孔55に重複することなく、平面視して複数のガス噴出孔55それぞれに近づくに従いY方向(第2の方向)の形成幅が短くなるように形成される。具体的には、5つのガス噴出孔55間に平面視菱形状に形成され、互いに離散した4つの菱形単体部51s(図6(a) 参照)と、5つのガス噴出孔55のうち両端のガス噴出孔55の外側に設けられた平面視略二等辺三角形状の2つの三角単体部51t(図6(a) 参照)との集合体によりクサビ形段差形状部51が形成される。
したがって、外部から原料ガスをY方向(図9〜図11で示すガス供給方向D1)に沿って、誘電体空間における中央領域R50上(中央領域R60下)に向けて供給することにより、原料ガスが放電空間を通過する際に得られる活性ガスを生成し、複数のガス噴出孔55から−Z方向(図9〜図11で示すガス噴出方向D2)に沿って外部に噴出することができる。
この際、複数のガス噴出孔55それぞれに近づくに従いY方向の形成幅が短くなるように、それぞれが離散形成された4つの菱形単体部51sと2つの三角単体部51tとを有するクサビ形段差形状部51(中央領域段差部)の存在により、誘電体空間内の中央領域R50上(中央領域R60下)において、複数のガス噴出孔55に対応する活性ガスの複数のガス流路をそれぞれ絞り込むことができる。その結果、活性ガス生成用電極群301は、各ガス噴出孔55においてガス流速を高めることができる結果、より高密度の活性ガスを生成することができる。
なお、クサビ形段差形状部51のような平面形状以外でも、例えば平面形状が半円形状でも良く、平面視して複数のガス噴出孔55に重複することなく、平面視して複数のガス噴出孔55それぞれに近づくに従いY方向(第2の方向)の形成幅が短くなるように形成された形状であれば、上述した効果を達成することができることは勿論である。
なお、原料ガスとして例えば窒素、酸素、弗素、及び水素のうち少なくとも一つを含むガスが考えられる。すなわち、酸素、希ガス類や水素、弗素類のガスを原料ガスとして供給する態様が考えられる。これら原料ガスが活性ガス生成用電極群301の外周部からガス供給方向D1に沿って内部へと進み、内部の放電空間を経由して活性ガスとなり、活性ガス(ラジカルを含んだガス)は誘電体電極211に設けられた複数のガス噴出孔55からガス噴出方向D2に沿って処理チャンバ筐体33X(図3参照)に向けて噴出される。処理チャンバ筐体33Xにおいて、反応性の高い活性ガスを利用することで処理対象基板であるウェハ34に対し成膜処理を行うことができる。
このように、活性ガス生成用電極群301は、窒素、酸素、弗素、及び水素のうち少なくとも一つを含む原料ガスから、より高密度の活性ガスを生成することができる。
クサビ形段差形状部51は、高電圧側電極構成部1Aの誘電体電極111ではなく、接地側電極構成部2Aの誘電体電極211の上面上に設けている。すなわち、複数のガス噴出孔55とクサビ形段差形状部51とは同一の誘電体電極111に形成されている。このため、図9〜図11で示すように、活性ガス生成用電極群301の組立時において複数のガス噴出孔55とクサビ形段差形状部51との位置決めを不要なものとし、装置構成の簡易化を図ることもできる。
このクサビ形段差形状部51は高電圧側電極構成部1と接地側電極構成部2との間の放電空間におけるギャップ長(誘電体電極11,誘電体電極21間のZ方向の距離)を規定するスペーサとしても機能する。
したがって、図9〜図11で示したように、接地側電極構成部2A上に高電圧側電極構成部1Aを積層する簡単な組立工程によって、クサビ形段差形状部51の形成高さによって放電空間におけるギャップ長を設定することができる。
また、従来、スペーサは放電空間に形成されることが多かった。この場合、スペーサ側面を経由した沿面放電が発生し、放電ロスやコンタミの発生の原因となってきた。活性ガス生成用電極群301では、誘電体電極211の上面に突出して設けたクサビ形段差形状部51は放電空間外の中央領域R50に設けられているため、コンタミ発生等の抑制につながっている。
図4〜図6に示すように、誘電体電極211は両端側に存在する、主要領域53と端部領域54A及び54Bとの境界領域において、上方に突出して形成される直線形段差形状部52A及び52B(一対の端部領域段差部)をさらに有している。直線形段差形状部52A及び52Bは平面視して、誘電体電極211の短手方向の全長に亘ってY方向に延びて形成され、クサビ形段差形状部51の形成高さと共に直線形段差形状部52A及び52Bの形成高さにより、放電空間におけるギャップ長を規定している。
これら直線形段差形状部52A及び52Bの存在により、誘電体電極211のX方向両端部からの放電空間へのガスの流入を規制している。誘電体電極211の両端部からのガス流入が可能となると誘電体電極211の両端部近傍のガス噴出孔55(図4で最右、あるいは最左に存在するガス噴出孔55)は、活性ガスの流入量が影響を受け易いため、各ガス噴出孔55からの活性ガスのガス流量の計算が複雑化し、制御が困難となるという不具合がある。その不具合を直線形段差形状部52A及び52Bを設けることによって解消している。
直線形段差形状部52A及び52Bが設けられることにより、高電圧側電極構成部1A及び接地側電極構成部2A間のガスの流入進路はY方向の2面からのみとなる。したがって、ガスの流れ自体が比較的安定化するため放電空間内の圧力分布が一定となり、均一な放電空間を形成することができる。
このように、誘電体電極211はさらに直線形段差形状部52A及び52Bを有することにより、複数のガス噴出孔55のうち、X方向における両端部からの距離が近いガス噴出孔55においても、当該両端部から意図しないガスの流入等の影響で活性ガスの流入量が変化してしまう現象が生じないため、複数のガス噴出孔55間でバラツキを生じさせることなく活性ガスを噴出することができる。その結果、圧力分布が一定でかつ複数のガス噴出孔55それぞれの流量が同一となるため、放電空間を通過した活性ガスにおいて発生ラジカル密度が比較的同一となる効果を奏する。
なお、図7に示すように、放電空間(金属電極201H及び201Lの中央領域R50側の端部)から複数のガス噴出孔55に至るY方向における距離である非放電距離d25を10mm以上に設定している。
このように、非放電距離d25を10mm以上に設定することにより、活性ガス生成時に異常放電を発生しにくくすることができる。
図5(a) の着目領域R12を拡大図である図7に示すように、非放電空間の極小化のため、クサビ形段差形状部51のY方向の形成長さが最長となった端部51H及び51Lは放電空間を形成する金属電極201H及び201Lに隣接する位置まで延ばされている。クサビ形段差形状部51の端部51H及び51Lと金属電極201H及び201Lとが重なると、活性ガス生成時に異常放電を誘発しかねないため、放電空間を規定する金属電極201H及び201Lにおいて、端部51H及び51Lに対応する領域に平面視略三角形状の切り欠き部61H及び61Lを設けている。その結果、クサビ形段差形状部51と金属電極201H及び201Lとの間に所定の基準距離(例えば、2〜3mm)上の距離を確保している。
同様にして、図8(a) ,(b) に示すように、金属電極101H及び101Lにおいても、端部51H及び51Lに対応する箇所に切り欠き部71H及び71Lを設けている。
このように、金属電極101H及び101L並びに金属電極201H及び201Lの平面視重複領域で規定される放電空間とクサビ形段差形状部51との間において、平面視した両者の最短距離が所定の基準距離以上になるように、金属電極101H及び101L並びに金属電極201H及び201Lの平面形状を設定することにより、活性ガス生成時に異常放電を発生しにくくすることができる。
また、上述したように、金属電極101H及び101Lの短手方向(Y方向)並びに長手方向(X方向)の幅を、金属電極201H及び201Lに比べて少し短く設定することにより、金属電極101H及び101Lと金属電極201H及び201Lとの平面形状の一部を異ならせている。
その結果、金属電極101H及び101Lあるいは金属電極201H及び201Lの端面で生じ易い異常放電の発生を抑制することができる。
なお、上記効果を重視しない場合、金属電極101H及び101Lと金属電極201H及び201Lとの平面形状を完全一致させても良い。
さらに、高電圧側電極構成部1A及び接地側電極構成部2A(特に誘電体電極111及び211)のうち、活性ガスと接触する領域であるガス接触領域を石英、アルミナ、窒化珪素あるいは窒化アルミを構成材料として形成することが望ましい。
上記構成材料で形成した面は、活性ガスに対して化学的に安定な物質であるため、活性ガスと接触するガス接触領域との間で、活性ガスの失活を抑制した状態で、活性ガスをガス噴出孔から噴出することができる。
なお、複数のガス噴出孔55それぞれ同一形状(同じ径r1の円状)で形成することが基本構成である。
一方、複数のガス噴出孔の形状(直径)を複数のガス噴出孔55間で互いに異なるように設定する変形構成も考えられる。ただし、複数のガス噴出孔55はオリフィスを構成する寸法条件を満足する必要がある。
実施の形態1の活性ガス生成装置501において、上記変形構成を採用した場合、複数のガス噴出孔55間で噴出量を異なる内容に設定することができる効果を奏する。
(成膜処理装置への応用)
図3に示すように、高電圧側電極構成部1A及び接地側電極構成部2Aを組み合わせて構成される活性ガス生成用電極群301は活性ガス生成装置の発生器筐体31X内に収納されている。
実施の形態1の活性ガス生成装置501を用いて成膜処理装置を構成する場合を考える。
この場合、活性ガス生成用電極群301において、より短時間で中央領域R50上の非活性空間を活性ガス(ラジカル含有ガス)が通過することが可能となるため、高密度の活性ガスをノズル構成部40及びガス噴流用整流器70を介して処理チャンバ筐体33X内に供給できる。その結果、処理チャンバ筐体33Xの底面上に配置されたウェハ34上に成膜時の成膜温度の低温度化や、処理時間の短縮化を図ることができる。
接地側電極構成部2Aの誘電体電極211に形成される複数のガス噴出孔55にオリフィス機能を持たせた場合の具体的構成を考える。この場合、例えば、「原料ガスのガス流量:4slm、オリフィス上流側(発生器筐体31X内)圧力:30kPa、オリフィス下流側(処理チャンバ筐体33X内)圧力:266Pa、ガス噴出孔55(オリフィス)の直径:φ1.3mm、ガス噴出孔55の形成長(Z方向の長さ,オリフィス長さ)::1mm」とする環境設定が一例として考えられる。
上記環境設定がなされた成膜処理装置は、ノズル構成部40及びガス噴流用整流器70を介して活性ガスを直下に設けられた処理チャンバ筐体33Xのウェハ34に直接当てることができるため、より高密度で高電界の活性ガスを、ウェハ34の表面に当てることができ、より品質の高い成膜処理が実現でき、アスペクト比の高い成膜や三次元成膜が容易に行える効果がある。
また、活性ガス生成用電極群301における放電空間の圧力を10kPa〜大気圧に設定し、処理チャンバ筐体33X内の圧力を放電空間の圧力以下に設定することが望ましい。
上記構成の活性ガス生成用電極群301は、上記圧力設定により、低い圧力場の処理チャンバ筐体33X内に活性ガスを移動させることができるため、活性ガスの密度の減衰量を抑制することができる効果を奏する。
(活性ガス生成用電極群301の課題)
活性ガス生成用電極群301における複数のガス噴出孔55それぞれの平面視断面形状は円状(丸孔)で、直線状に配置された構造を呈している。
このように複数のガス噴出孔55を配置した範囲において均一に窒化処理等の成膜処理を行うことを目指したものであるのだが、均一性は複数のガス噴出孔55間の距離である孔ピッチに大きく依存する。成膜処理の結果から、この孔ピッチを数mm程度・孔数を数10個以上とする必要が生じる。
しかしながら、複数のガス噴出孔55はそれぞれその上流に形成される放電場とその下流の処理チャンバ筐体33Xとの圧力差を形成するオリフィスとしても機能しているため、複数のガス噴出孔55のトータルの孔面積は予め決まっており変更することができず、数10個ものガス噴出孔55を設ける場合、ガス噴出孔55それぞれの孔径は誘電体電極211の構成材料であるセラミックへの最小加工限界を下回るほど小さくなってしまう。そこで、最小加工孔径に応じた孔サイズ・孔数で複数のガス噴出孔55を設ける場合、必然的に孔ピッチが大きくなり、活性ガス生成用電極群301は、放電現象により生成した活性ガスをウェハ34に均一に噴射するという均一処理には適さなくなってしまう課題を有している。
例えば、複数のガス噴出孔55のトータル孔面積が10mmの制限が課されている場合、現状では、1単位辺りの孔径が1.13mmのガス噴出孔55を10個形成し、ガス噴出孔55,55間の孔ピッチは30mmに設定されている。なお、活性ガス7のガス流量を30L/分を想定している。そこで、活性ガス7の均一噴射を図るべく、ガス噴出孔55に関し孔ピッチを3mm、孔数を91個に設定して孔配置密度を現状の10倍にする理想加工を想定すると、ガス噴出孔55の1単位辺りの孔径を0.37mmに設定する必要がある。しかしながら、誘電体電極211の厚みは1mm程度であるため、最小加工孔径はせいぜいφ0.4mmとなり、孔径公差を孔寸法の10%以下とする必要があること(公差±0.03〜0.04mm)を考慮すると、現状の加工技術では、上記孔径公差を満足させて上記理想加工を実現することは極めて困難となる。
ガス噴出孔55の形状を孔形状ではなくスリット状とし、活性ガスを連続的にウェハ34に供給することで、不均一な活性ガスの噴射に伴う窒化ムラ等の発生を抑制するという第1の改善方法が考えられる。この場合、あらかじめ決まっているオリフィス面積と等しいスリット開口面積にする必要があり、そうするとスリット幅が数10μm程度の極小スリットととなり、それを数100mmの距離に渡ってある程度の公差を維持しつつセラミックに形成するのは不可能である。
例えば、上述したトータル孔面積が10mmの制限が課されている場合、複数のガス噴出孔55に代わるスリットガス噴出孔の長手方向の長さを300mmとすると、短手方向のスリット幅は30〜40μmに設定する必要がある。1mm程度の厚みの誘電体電極211に対し、孔径公差を孔寸法の10%以下を満足させて、上記スリット幅で加工することは実質的に不可能となる。したがって、第1の改善方法を採用することは実質的に不可能である。
1段のオリフィスで圧力差を全て賄うのではなく複数個設けることで、1段辺りの圧力差分を小さして複数段でオリフィスを構成するという第2の改善方法が考えられる。圧力差が小さいほどオリフィス面積を大きく取ることが可能となるため、ガス噴出口形状を孔状とするにせよ、スリット状とするにせよ、加工可能な大きさとすることが可能となる。ただしこの場合、オリフィス通過時の圧力差分を小さくすればするほど、活性ガスに含まれるラジカルの失活が進むこととなる。N原子ラジカルは数10kPaの圧力下においては数msec〜数10msecでその量が半減することからも、オリフィスを複数段設けた場合、ラジカルが殆ど失活してしまうことが予想される。したがって、第2の改善方法を採用することも実質的に不可能である。
また、活性ガス生成用電極群301に設ける複数のガス噴出孔55それぞれにオリフィス機能を持たせてマッハを超える超高速で活性ガスを噴出させた場合、ガス速度は、マッハ速度のガス衝撃圧力と温度状態で、ガス流速フレーム(ガス噴流速度)に影響を与え、ある噴出位置のところで、ガス流速が極端に低下する影響をもたらし、その結果、マッハディスク状態(ある噴出位置のところで、ガス流速が極端に低下した状態)となる現象が生じてしまう。このマッハディスク状態となる現象をできるだけ小さくすることが望ましいが、具体的な解決策が見いだされていなかった。
このような活性ガス生成用電極群301の課題を解決すべく、実施の形態1の活性ガス生成装置501では、マッハディスク対策としてノズル構成部40、活性ガスの均一噴射対策としてガス噴流用整流器70が活性ガス生成用電極群301の下流に設けられた。
(ノズル構成部40)
図12はこの発明の実施の形態である活性ガス生成装置501に用いられたノズル構成部40におけるノズル部12及びその周辺の断面構造を示す説明図である。図12において、XYZ直交座標系を示している。
同図に示すように、ノズル部12は第二段制限筒14(第2の制限筒)を主要構成部として有しており、上方の接地側電極構成部2Aに形成されたガス噴出孔55を第一段制限筒13(第1の制限筒)とノズル部12の第二段制限筒14とにより活性ガス噴射組合構造C40を呈している。以下では、ガス噴出孔55を第一段制限筒13として説明する。
活性ガス噴射組合構造C40を構成する第一段制限筒13(ガス噴出孔55)は、前述したように、XY平面における(平面視した)開口部断面形状が(直)径r1(第1の径)の円状を呈し、活性ガス生成用電極群301より生成した活性ガス7を下方(−Z方向)に供給する。径r1は、発生器筐体31X内(活性ガス生成用電極群301のガス噴出孔55を通過する前段階における空間内)と処理チャンバ筐体33X内との圧力差が所定圧力比以上になるように設定される。
ノズル部12の第二段制限筒14はZ方向に沿って第一段制限筒13と連続的に配置され、XY平面における(平面視した)底面の開口部断面形状が(直)径r2(第2の径)の円状を呈し、第一段制限筒13から供給される活性ガス7を下方のガス噴流用整流器70のガス整流通路71に向けて供給する。径r2は「r2>r1」を満足するように設定される。
例えば、第一段制限筒13(ガス噴出孔55)の径r1を直径1.35mm、深さ(Z方向に延びる形成長)を1mm、第二段制限筒14の径r2を直径8mm、深さ(Z方向に延びる形成長)を4mm、活性ガス7として例えば窒素ガスを流量4slm(standard liter per minute)で供給する。したがって、第一段制限筒13を経由した活性ガス7は超高速ガスとなって第二段制限筒14及びガス噴流用整流器70を介して処理チャンバ筐体33X内へ供給される。
(活性ガス生成用電極群301の複数のガス噴出孔55を通過する前段階の)発生器筐体31X内の空間が一次圧力用空間となり、この一次圧力用空間内の圧力が一次圧力となる。
ガス噴出孔55である第一段制限筒13によって二次圧力が決定される。活性ガス7は第二段制限筒14を経由してガス噴流用整流器70のガス整流通路71内へ供給される。
その時、一次圧力用空間内の一次圧力と、処理チャンバ筐体33X内の二次圧力との圧力比PCは30倍以上となるように設定される。すると、第一段制限筒13を通過した活性ガス7の流速は上記圧力比PCによってマッハ以上の流速となり、第二段制限筒14の存在によって活性ガス7は高速噴流で生成されるマッハディスク状態が生じる現象を抑制した後、ガス噴流用整流器70内に供給される。
例えば、一次圧力用空間内の一次圧力は30kPa、処理チャンバ筐体33X内の圧力は266Paとすると、活性ガス7は超高速ガスとしての最高マッハ数は“5”を超えて、ガス噴流用整流器70を介して処理チャンバ筐体33Xに収納されたウェハ34に供給される。
この際、発生が懸念されるマッハディスク状態はノズル部12の第二段制限筒14の存在により、効果的に抑制されるため、従来と比較して高速の状態でウェハにガスを供給することができる。
すなわち、第二段制限筒14を有するノズル部12を設けたことにより、処理チャンバ筐体33X内の圧力分布、流速分布を緩和してマッハディスクMD状態の発生を回避しつつ、活性ガス7が処理チャンバ筐体33X内に供給され、処理チャンバ筐体33Xの底面上に設置されたウェハ34に供給される。
(一般的構成との比較等)
図13はノズル部12を有するノズル構成部40を用いたガス噴流の速度状態を模式的に示す説明図である。
図14はノズル部12を有するノズル構成部40を用いたガス噴流の圧力状態を模式的に示す説明図である。
図15は第一段制限筒13のみからなる場合、すなわち、ノズル構成部40を設けない一般的構成のガス噴流の速度状態を模式的に示す説明図である。
図16は第一段制限筒13のみからなる場合、すなわち、一般的構成のガス噴流の圧力状態を模式的に示す説明図である。図13〜図16において、最上部の斜線部は活性ガス生成用電極群301における高電圧側電極構成部1Aの形成領域に相当する。
図14及び図16に示すように、上述した一次圧力と二次圧力との圧力比PCは30倍以上に設定されている。
図13と図15との比較から明らかなように、ノズル部12を有するノズル構成部40は、マッハディスクMDが生じる現象を回避することにより、極端に速度を低下させることなく、活性ガス7をウェハ34に供給することができる。一方、図15に示すように、従来のガス供給装置ではマッハディスクMDが発生している。
図17はノズル構成部40の構成において、発生器筐体31X(における一次圧力用空間)と処理チャンバ筐体33Xとの圧力比PCが30倍未満の場合のガス噴流の速度状態を模式的に示す説明図である。
図18は実施の形態1の構成において、発生器筐体31Xと処理チャンバ筐体33Xとの圧力比PCが30倍未満の場合のガス噴流の圧力状態を模式的に示す説明図である。図17及び図18において、最上部の斜線部は後述する活性ガス生成用電極群301における高電圧側電極構成部1Aの形成領域に相当する。
図18に示すように、上述した一次圧力と二次圧力との圧力比PCは30倍未満に設定されている。
図13と図17との比較から明らかなように、圧力比PCが30倍以上の場合、圧力比PCが30倍未満の場合に比べ、より噴流速度が速い速度分布が得られており、確実にウェハ34の表面に指向性の有するガスを供給することができる。
(第二段制限筒14による効果)
図19は第一段制限筒13のみからなる一般的構成の場合のマッハディスク発生構造を模式的に示す説明図である。図19は、図1〜図3で示した全体構成において、ノズル構成部40及びガス噴流用整流器70を省略した構成を想定している。
供給ガスである活性ガス7が第一段制限筒13(オリフィス)を経由する際、一次圧力用空間の一次圧力が処理チャンバ筐体33Xの二次圧力より高い、すなわち、第一段制限筒13からの活性ガス7の噴出圧力が処理チャンバ筐体33X内より高い場合、第一段制限筒13の出口(オリフィス出口)を出た流れは衝撃波セル構造(shock cell)という現象を引き起こし、下流方向に上記衝撃波セル構造が周期的に観察される。衝撃波セル構造は、後述する反射衝撃波RSが次の後述する境界領域JB(Jet Boundary)となることにより繰り返し得られる衝撃波の構造を意味する。
このような、オリフィス出口での圧力が処理チャンバ筐体33X内の圧力より大きい場合を不足膨張(under expansion)と呼び、オリフィス出口を出た後、流れは膨張する。
オリフィス出口の圧力が処理チャンバ筐体33Xの圧力よりさらに大きい場合、まだガスは十分膨張しきれていないので、オリフィス出口の縁から膨張波EW(Expansion Waves)が発生し、ガスは外側に大きく膨張する。ガスのマッハ数が大きい場合には、この膨張波EWが境界領域JB(Jet Boundary)で反射して、圧縮波となりジェット中心軸側に戻ってくる。なお、圧縮波は、圧力が基準より高く、通過するとその点の圧力が上昇する波であり、膨張波は、圧力が基準より低く、通過するとその点の圧力が下降する波を意味する。
このように、第一段制限筒13通過前後の前後の圧力差が大きい場合は、形成された圧縮波が先行する圧縮波に追いつき,樽状のバレル衝撃波BS(Barrel Shock)を形成する。さらに圧力差が大きくなると、バレル衝撃波BSは噴流の中心軸上では正常交差することができず、軸対称の噴流ではマッハディスクMD(マッハ衝撃波)とよばれる円盤状の垂直衝撃波を形成する。その後ろの流れは亜音速流となる。また、バレル衝撃波BSの端から反射衝撃波RS(Reflection Shock)が発生する。なお、トリプルポイントTPは、圧縮波であるバレル衝撃波BSとマッハディスクMDと反射衝撃波RSとが交わるポイントである。
一方、図20に示すように、活性ガス生成用電極群301の下方にノズル構成部40を配置して、第一段制限筒13に連続的に配置されるように第二段制限筒14を設けることにより、拡張波EWが第二段制限筒14の側面で反射することにより、バレル衝撃波BSは噴流の中心軸XC上で正常交差することができるため、マッハディスクMDの発生を回避することができる。なお、図20においては、説明の都合上、ガス噴流用整流器70の存在を省略している。
(ノズル構成部40の効果等)
ノズル部12の上方に設けられた径r1の開口部を有する第一段制限筒13(ガス噴出孔55)により、処理チャンバ筐体33Xに噴出する活性ガス7に指向性を持たせることができるため、マッハを超える超高速で、ガスを処理対象基板であるウェハ34に供給することができる。
この際、第一段制限筒13と処理チャンバ筐体33Xとの間に設けたノズル部12の第二段制限筒14の存在により、噴出した活性ガス7ガスが超高速化することに伴う衝撃圧力、及び、温度によって、極端に減速するというマッハディスクMDの発生を効果的抑制することができる。
このように、活性ガス生成用電極群301下方にノズル構成部40を設けることにより、高アスペクト比のウェハ34の表面上を成膜することにより三次元構造の成膜を実現可能に、活性ガス7をガス噴流用整流器70を介して処理チャンバ筐体33X内に収納されたウェハ34に供給することができる効果を奏する。
そして、実施の形態1の活性ガス生成装置501は、発生器筐体31X内の一次圧力と、処理チャンバ筐体33X内の二次圧力との圧力比PCを30倍以上に設定することにより、高速な状態の活性ガス7を処理対象基板であるウェハ34に供給することができる。
また、ノズル構成部40は、第二段制限筒14の径r2を直径30mm以内に設定することにより、マッハディスクMDをより効果的に抑制することができる。
図21はノズル部12の変形例を示す断面図である。図21において、XYZ直交座標系を示している。
同図に示すように、変形例のノズル部12Bは、第二段制限筒14B(第2の制限筒)及び第三段制限筒15(第3の制限筒)を主要構成部として有している。
すなわち、2つの制限筒群14B,15を含む構成によりノズル部12Bを形成している。
接地側電極構成部2Aに設けられるガス噴出孔55である第一段制限筒13は、ノズル平面視した開口部断面形状が径r1の円状を呈し、活性ガス生成用電極群301で生成した活性ガス7を下方に供給する。
第二段制限筒14BはZ方向に沿って第一段制限筒13と連続的に配置され、平面視した底面の開口部断面形状が径r2Bの円状を呈し、第一段制限筒13から供給される活性ガス7を下方に供給する。径r2Bは「r2B>r1」を満足するように設定される。なお、径r2Bをノズル部12の第一段制限筒13の径r2と同じに設定しても良い。
第三段制限筒15はZ方向に沿って第二段制限筒14Bと連続的に形成され、XY平面における(平面視した)底面の開口部断面形状が(直)径r3(第3の径)の円状を呈し、第二段制限筒14Bから供給される活性ガス7を下方のガス噴流用整流器70に供給する。径r3は「r3>r2B」を満足するように設定される。
例えば、第一段制限筒13の径r1を直径1.35mm、深さを1mm、第二段制限筒14Bの径r2Bを8mm、深さを4mmとした場合、第三段制限筒15の径r3を直径20mm、深さ(Z方向に延びる形成長)を46mmに設定し、例えば活性ガス7として窒素ガスを流量4slmで供給することにより、第一段制限筒13を経由した活性ガス7は超高速ガスとなって第二段制限筒14B及び第三段制限筒15を介してガス噴流用整流器70内へ供給される。
変形例のノズル部12Bは、第一段制限筒13と共に、それぞれが径r2B及び径r3の開口部を有する第二段制限筒14B及び第三段制限筒15により活性ガス噴射組合構造C40Bを構成することにより、ガス噴流用整流器70を介して処理チャンバ筐体33Xに噴出する活性ガス7に指向性を持たせることができる。この際、ノズル部12Bの第二段制限筒14Bの存在により、マッハディスクMD現象を効果的に抑制することができる。
変形例のノズル部12Bは、第二段制限筒14Bに加え第三段制限筒15をさらに設け、第二段制限筒14Bの径r2Bより第三段制限筒15の径r3を長く設定することにより、圧力比PCで発生した高速噴流に起因するマッハディスクMDの発生を、ノズル部12以上に抑制した状態で活性ガス7を処理チャンバ筐体33X内のウェハ34に供給することができる。
(ガス噴流用整流器70)
図22はガス噴流用整流器70の構成を示す説明図である。同図(a) が上面図、同図(b) が同図(a) の長手方向における断面構造を示す断面図、同図(c) が同図(a) の短手方向における断面構造を示す断面図である。
図23はガス噴流用整流器70の全体構造を示す斜視図である。図22及び図23において、適宜XYZ座標系を示している。なお、図22において、活性ガス生成用電極群301に関し金属電極201H及び201L並びに金属電極101H及び101Lの図示を省略する等、適宜簡略化を図っている。
図1〜図3、図22及び図23に示すように、ガス噴流用整流器70は、活性ガス7がノズル構成部40の複数のノズル部12を通過した複数のノズル通過後ガスをガス整流通路71の入口部711で一括して受ける。そして、ガス噴流用整流器70は、ガス整流通路71内に複数のノズル通過後活性ガスを通過させる整流動作によって、出口部710より整流後活性ガスを下方の処理対象基板であるウェハ34に向けて噴射する。この際、整流後活性ガスはウェハ34に対し垂直方向に沿って供給される。
ガス整流通路71の入口部711及び出口部710は共にX方向を長手方向、Y方向を短手方向としたライン状に開口されている。そして、ガス整流通路71は、出口部710の出口開口面積が入口部711の入口開口面積より狭く設定され、かつ、上記整流動作によって、複数のノズル通過後活性ガスそれぞれの円柱状のガス噴流が、X方向(所定方向)に沿ってライン状の整流後活性ガスに変換されるように形成される。具体的には、ガス整流通路71は、長手方向(X方向)の幅を一定の長手方向長LAで保ちつつ、入口部711から出口部710に向けて短手方向(Y方向)の幅が短手方向長LBから短くなる形状を呈している。
このため、ガス噴流用整流器70は、均一性が高いライン状の整流後活性ガスを処理対象基板であるウェハ34に向けて噴出することができる。
以下、上記効果について説明する。ノズル構成部40の複数のノズル部12を追加した複数のノズル通過後ガスは、ガス噴出孔55の数分の互いに離散したガス噴流円柱を形成してガス噴流用整流器70のガス整流通路71内へと流れ込む。
ガス噴流用整流器70は上述したように入口部711から出口部710に進むに従って狭くなる構造のため、複数の円柱用ガス噴流が押しつぶされてX方向(所定方向)に広がることにより、最終的にはライン状の整流後活性ガスとなって出口部710から噴出される。
このため、活性ガス生成用電極群301に離散的に設けられた複数のガス噴出孔55の配置に応じた複数のノズル通過後ガス間に生じる濃淡を無くして均一処理がなされる結果、処理対称基板となるウェハ34に対して均一に噴出される活性ガス7(整流後活性ガス)によって均等に成膜処理が実現できる。
なお、ガス噴流用整流器70の材質は活性ガスとして窒素系ラジカルの失活を抑制する効果を発揮させる観点から石英で形成することが望ましく、次いでアルミナ、アルミ・アルミ合金が望ましい。石英は高価な上に取扱い上の煩わしさを考慮すると、アルミ合金が最も扱い易い。また、金属材料表面にグラスライニング処理やセラミックコーティングを施したものを用いても良い。
上記効果を発揮させるべく、ガス噴流用整流器70のうち、活性ガス7と接触する領域であるガス接触領域(ガス整流通路71の表面領域)を石英あるいはアルミナ材を構成材料として形成することが望ましい。
また、ガス噴流用整流器70の入口部711の入口開口面積に比べて、出口部710の出口開口面積が狭くなっているが、図22の(b) に示すように長手方向となるX方向の長さは同一の長手方向長LAに設定し、図22の(c) に示すように、短辺方向となるY方向の長さを入口部711から出口部710かけて短くなる構造をとっている。
したがって、長手方向長LAをウェハ34の形成長に一致させ、ウェハ34に対し、活性ガス生成装置501の発生器筐体31XをY方向に沿って移動させながら、ガス整流通路71から整流後活性ガスとして活性ガス7を供給することにより、ウェハ34の全体に活性ガス7を供給することできる。なお、発生器筐体31Xを固定して、ウェハ34を移動させるようにしても良い。
ガス噴流用整流器70のガス整流通路71は、処理対象基板であるウェハ34に対し垂直方向に沿って整流後活性ガスを供給することにより、均一性が高い状態で、整流後活性ガスをウェハ34に供給することができる。
実施の形態1の活性ガス生成装置501における活性ガス生成用電極群301は、各々が径r1を有する第1の制限筒となる複数のガス噴出孔を設けているため、生成する活性ガスに指向性を持たせてマッハを超える超高速で、活性ガスを供給することができる。この際、第一段制限筒13(ガス噴出孔55)の下流に設けたノズル部12の第二段制限筒14の存在により、第一段制限筒13を通過した活性ガスが超高速化することに伴う衝撃圧力及び温度状態によって、噴出される活性ガスの極端な減速が生じるマッハディスク現象を抑制することができる。
加えて、ガス整流通路71は、出口部710の出口開口面積が入口部711の入口開口面積より狭く設定され、かつ、このガス整流通路71を通過することによる整流動作によって、ノズル構成部40を通過した複数のノズル通過後活性ガスそれぞれの円柱状のガス噴流が、X方向(所定方向)に沿ってライン状の整流後活性ガスに変換するように形成される。このため、ガス噴流用整流器70よって、均一性が高いライン状の整流後活性ガスを処理対象基板であるウェハ34に向けて噴出することができる。
また、活性ガス7の原料ガス6を、少なくとも窒素、酸素、フッ素、及び水素ガスを含むガスとすることが望ましい。この場合、窒化膜や酸化膜の絶縁膜形成の成膜だけでなく、レジスト剥離やエッチングガス、洗浄ガスとしてのフッ化ガスの活性ガスでの高アスペクト比なウェハ34の表面処理にも利用できる。さらに、水素ラジカルガス等の超高速ガスをウェハ34の表面に当てることで、絶縁膜形成、エッチング処理、洗浄機能以外の用途に利用可能な活性ガス7をも供給することができるため、多様な成膜処理にガス供給装置を利用することができる。
<実施の形態2>
図24はこの発明の実施の形態2である活性ガス生成装置502の断面構造を模式的に示す説明図である。なお、図24はY方向に沿った断面図である点で、X方向に沿った断面図である図3の断面図と断面方向が異なっている。すなわち、図24は複数のガス噴出孔55が形成される配列方向であるX方向と90度をなすY方向に沿った断面図である。
図25〜図27はそれぞれガス噴流用整流器70Bの全体構成を示す斜視図である。図25及び図26は上方(+Z方向)から角度を変えて視た図であり、図27は下方(−Z方向)から視た図である。
活性ガス生成装置502はガス噴流用整流器70に置き換えてガス噴流用整流器70Bを設けた点が実施の形態1の活性ガス生成装置501と異なる。他の構成は活性ガス生成装置501と同様であるため、同一符号を付して説明を適宜省略する。
これらの図に示すように、ガス噴流用整流器70Bのガス整流通路71Bの入口部711B及び出口部710Bは共にX方向を長手方向としたライン状に開口されている。そして、ガス整流通路71Bは、ガス整流通路71と同様、出口部710Bの出口開口面積が入口部711Bの入口開口面積より狭く設定され、かつ、上記整流動作によって、複数のノズル通過後活性ガスそれぞれの円柱状のガス噴流が、X方向(所定方向)に沿ってライン状の整流後活性ガスに変換されるように形成される。
このため、ガス噴流用整流器70Bは、ガス噴流用整流器70と同様、均一性が高いライン状の整流後活性ガスを処理対象基板であるウェハ34に向けて噴出することができる。
さらに、ガス噴流用整流器70Bに設けられるガス整流通路71Bは、出口部710Bの向きが斜め方向に傾いた構造となっている。すなわち、ノズル構成部40から垂直にガス整流通路71Bに侵入したノズル通過後ガスのガス噴流は、ガス整流通路71Bに設けた方向規制面75に衝突することで+Y方向に向きを変えると同時に円柱状のガス噴流が変形されて出口部710Bへと向かう。個々に明確に分離していたガス噴流がこの変形によってガス整流通路71Bで再形成され易くなり、よりライン状態の噴流へと形を変えることが可能となる。
方向規制面75の形状は直線用の傾斜面に限ったものではなく、円形状、楕円形状でも構わない。ただしノズル構成部40を経由して円柱状に形成された複数のノズル通過後ガス断面の半分程度以上が方向規制面75に接触する形状構成とすることが望ましい。
このように、実施の形態2の活性ガス生成装置502におけるガス噴流用整流器70Bのガス整流通路71Bは、ウェハ34に対し垂直方向ではなく、垂直方向から所定の角度を持たせた斜め方向に沿って整流後活性ガスが供給されるように設けられることを特徴としている。
実施の形態2の活性ガス生成装置502は、処理対象基板あるウェハ34に対し斜め方向に沿って整流後活性ガスを供給することにより、均一性を大きく損ねることなく、処理対象基板に対しより広い領域に整流後活性ガスを供給することができる効果を奏する。
<実施の形態3>
図28はこの発明の実施の形態3である活性ガス生成装置503のガス噴流用整流器70Cの構成を示す説明図である。同図(a) が底面図、同図(b) 同図(a) の短手方向長LBにおける断面構造を示す断面図、同図(c) が上面図である。図28において、適宜XYZ座標系を示している。
実施の形態3の活性ガス生成装置503はガス噴流用整流器70に置き換えてガス噴流用整流器70Cを設けた点が実施の形態1の活性ガス生成装置501と異なる。したがって、全体構成はガス噴流用整流器70がガス噴流用整流器70Cに置き換わった点を除き、図1〜図3で示した実施の形態1の活性ガス生成装置501と同様である。
実施の形態3のガス噴流用整流器70Cも、ガス噴流用整流器70及び70B同様、ガス噴流用整流器70Bの入口部711Cの入口開口面積に比べて、出口部710Cの出口開口面積が狭くなっており、長手方向となるX方向の長さは同一に設定し、図28の(b) に示すように、短辺方向となるY方向の長さを入口部711Cから出口部710Cかけて短くなる構造をとっている。
すなわち、ガス整流通路71C出口部710CはX方向を長手方向とし、長手方向に対し垂直に交差するY方向を短手方向とした開口形状を呈している。
したがって、ガス噴流用整流器70Cは、ガス噴流用整流器70と同様、ガス整流通路71C内に複数のノズル通過後活性ガスを通過させる整流動作によって、出口部710Cより整流後活性ガスを下方の処理対象基板であるウェハ34に向けて垂直方向に沿って噴射する。
さらに、ガス噴流用整流器70Cは、図28の(a) 及び(c) に示すように、出口部710Cは、短手方向となるY方向の形成幅が長手方向となるX方向に沿って短くなるように変化して形成されることを特徴としている。
すなわち、出口部710Cは、−X方向端部のY方向の形成幅である短手方向長LB1と+X方向端部のY方向の形成幅である短手方向長LB2とが、{LB1>LB2}を満足するように形成されている。
実施の形態3の活性ガス生成装置503は、ガス噴流用整流器70Cのガス整流通路71Cが上述したように形成されているため、長手方向(X方向)に沿って整流後活性ガスの供給度合を変化させながら、処理対象基板にであるウェハ34対し整流後活性ガスを供給することができる。
なお、実施の形態3のガス噴流用整流器70Cと実施の形態2のガス噴流用整流器70Bとを併せた構造も実現可能である。すなわち、短手方向の形成幅が長手方向に沿って短くなるように変化する出口部710Cと、処理対象基板あるウェハ34に対し斜め方向に沿って整流後活性ガスを供給するガス整流通路71Bとを併せもつ、ガス噴流用整流器を実現することも可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1A 高電圧側電極構成部
2A 接地側電極構成部
12 ノズル部
13 第一段制限筒
14,14B 第二段制限筒
15 第三段制限筒
31X 発生器筐体
33X 処理チャンバ筐体
34 ウェハ
40 ノズル構成部
55 ガス噴出孔
70,70B,70C ガス噴流用整流器
71,71B,71C ガス整流通路
301 活性ガス生成用電極群
501〜503 活性ガス生成装置

Claims (7)

  1. 処理対象基板(34)を収容する基板収容部(35X)と、
    第1及び第2の電極構成部(1A,1B)を有し、原料ガスから放電現象を利用して得られた活性ガスを、前記第2の電極構成部に離散形成される複数のガス噴出孔から噴出する活性ガス生成用電極群(301)とを備え、前記複数のガス噴出孔はそれぞれ平面視した開口部断面形状が第1の径で円状に形成された第1の制限筒(13)として機能し、前記第1の径は、前記ガス噴出孔の通過前の一次圧力と通過後の二次圧力との圧力差が所定圧力比以上になるように設定され、
    前記活性ガス生成用電極群の前記複数の噴出孔に1対1に対応して設けられ、各々が前記複数のガス噴出孔から噴出された活性ガスを通過させてノズル通過後活性ガスを得る複数のノズル部(12)を含むノズル構成部(40)と、
    前記ノズル構成部を通過した複数のノズル通過後活性ガスを入口部で受け、ガス整流通路(71,71B,71C)内に前記複数のノズル通過後活性ガスを通過させる整流動作によって、出口部より整流後活性ガスを前記処理対象基板に向けて噴射するガス噴流用整流器(70)とを備え、
    前記複数のノズル部は、それぞれ、
    平面視した開口部断面形状が第2の径で円状に形成され、前記第1の制限筒から供給される活性ガスを前記ガス噴流用整流器に向けて供給する第2の制限筒(14,14B)を有し、
    前記第2の径は前記第1の径より長くなるように設定され、前記ノズル通過後活性ガスは円柱状のガス噴流となり、
    前記ガス整流通路は、前記出口部の出口開口面積が前記入口部の入口開口面積より狭く設定され、かつ、前記整流動作によって、前記複数のノズル通過後活性ガスの円柱状のガス噴流が、所定方向に沿ってライン状の前記整流後活性ガスに変換されるように形成される、
    活性ガス生成装置。
  2. 請求項1記載の活性ガス生成装置であって、
    前記ガス整流通路(71)は、前記処理対象基板に対し垂直方向に沿って前記整流後活性ガスが供給されるように設けられる、
    活性ガス生成装置。
  3. 請求項1記載の活性ガス生成装置であって、
    前記ガス整流通路(71B)は、前記処理対象基板に対し垂直方向から所定の傾きを持たせた斜め方向に沿って前記整流後活性ガスが供給されるように設けられる、
    活性ガス生成装置。
  4. 請求項1記載の活性ガス生成装置であって、
    前記ガス整流通路(71C)の前記出口部(710C)は前記所定方向を長手方向とし、前記長手方向に対し垂直に交差する方向を短手方向とした開口形状を呈し、
    前記出口部は、前記短手方向の形成幅が前記長手方向に沿って変化するように形成されることを特徴とする、
    活性ガス生成装置。
  5. 請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の活性ガス生成装置であって、
    前記ガス噴流用整流器のうち、ガスと接触する領域であるガス接触領域を石英あるいはアルミナ材を構成材料として形成したことを特徴とする、
    活性ガス生成装置。
  6. 請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の活性ガス生成装置であって、
    前記原料ガスは、少なくとも窒素、酸素、フッ素、及び水素を含有したガスである、
    活性ガス生成装置。
  7. 請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の活性ガス生成装置であって、
    前記活性ガス生成用電極群は、
    前記第1の電極構成部の下方に前記第2の電極構成部は設けられ、前記第1及び第2電極構成部への交流電圧の印加により、前記第1及び第2の電極構成部間に放電空間が形成され、前記放電空間に供給された原料ガスを活性化して活性ガスを生成し、
    前記第1の電極構成部は、第1の誘電体電極(111)と前記第1の誘電体電極の上面上に選択的に形成される第1の金属電極(101H,101L)とを有し、前記第2の電極構成部は、第2の誘電体電極(211)と前記第2の誘電体電極の下面上に選択的に形成される第2の金属電極(201H,201L)とを有し、前記交流電圧の印加により前記第1及び第2の誘電体電極が対向する誘電体空間内において、前記第1及び第2の金属電極が平面視重複する領域が前記放電空間として規定され、
    前記第2の金属電極は、平面視して前記第2の誘電体電極の中央領域(R50)を挟んで互いに対向して形成される一対の第2の部分金属電極(201H,201L)を有し、前記一対の第2の部分金属電極は第1の方向を電極形成方向とし、前記第1の方向に交差する第2の方向を互いに対向する方向としており、前記所定方向は前記第1の方向であり、
    前記第1の金属電極は、平面視して前記一対の第2の部分金属電極と重複する領域を有する一対の第1の部分金属電極(110H,110L)を有し、
    前記第2の誘電体電極は、
    前記中央領域に形成され、前記第1の方向に沿って形成される前記複数のガス噴出孔(55)と、
    前記中央領域において上方に突出して形成される中央領域段差部(51)とを備え、前記中央領域段差部は、平面視して前記複数のガス噴出孔に重複することなく、平面視して前記複数のガス噴出孔それぞれに近づくに従い前記第2の方向の形成幅が短くなるように形成されることを特徴とする、
    活性ガス生成装置。
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