JP6473046B2 - 回転式スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータリースイッチ等に用いて好適な回転式スイッチに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示す回転式スイッチ(1)は、少なくとも、摺動子(70)とスイッチ基板(30)とを具備し、スイッチ基板(30)上に、スイッチパターン(41)と、スイッチパターン(41)の内側に同心円状に形成されるコモンパターン(39)とを形成し、さらにスイッチパターン(41)の両端にそれぞれ端子パターン(53−1),(53−3)を接続し、コモンパターン(39)にも端子パターン(53−2)を接続して構成されている。
このように構成した回転式スイッチ(1)において、前記両端子パターン(53−1),(53−3)間に所望の電圧を印加した状態で、前記スイッチパターン(41)とコモンパターン(39)上を摺動子(70)が摺動すれば、コモンパターン(39)用の端子パターン(53−2)から、摺動子(70)の回転位置に応じた階段状の出力電圧(スイッチ出力電圧、特許文献1の図5等参照)が出力される。
特開2015−18797号公報
しかしながら、上記従来例にも示すように、内側のコモンパターン(39)からそのスイッチ出力を端子パターン53−2まで引き出す配線パターン(51)は、外側を囲むスイッチパターン(41)の両端の間の隙間を通さなければならないので、その分、スイッチパターン(41)の両端間の間隔が大きく開いてしまい、例えばエンドレスで摺動子(70)を回転したときの階段状のスイッチ出力電圧の階段の間隔が前記スイッチパターン(41)の両端間を通過するときだけ異なり、操作性が悪くなってしまうという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、スイッチパターンの両端間の間隔を容易に所望の狭い間隔にすることができ、同時に構造が簡単で製造も容易に行うことができる回転式スイッチを提供することにある。
本発明にかかる回転式スイッチ(回転式電子部品)は、少なくとも、摺動子と、前記摺動子を取り付ける回転体と、前記摺動子の摺動接点を摺接させる摺接パターンを形成した回路基板と、を具備し、前記回路基板上の摺接パターンは、内側にスイッチパターン、外側にコモンパターンを同心円状に形成した構成であり、前記スイッチパターンと前記コモンパターンにはそれぞれ出力用の端子パターンが接続され、前記スイッチパターンに接続された端子パターンと、前記コモンパターンに接続された端子パターン間を配線パターンで接続すると共に、前記配線パターンの途中に抵抗体を設け前記スイッチパターンと前記スイッチパターンに接続された端子パターンの間に外部連結用抵抗体パターンを設け、前記抵抗体は、前記円弧状のコモンパターンの中心に対してその外側に設けてあり、前記抵抗体と前記外部連結用抵抗体パターンは、これら抵抗体及び外部連結用抵抗体パターンを接続した前記端子パターンが配置される前記回路基板の一角部を挟んで互いに隣接する別の辺に沿うように配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、回路基板上に形成するスイッチパターンとコモンパターンの内、スイッチパターンを内側に配置したので、スイッチパターンの両端間の間隔を容易に所望の狭い間隔とすることができる。これによって、例えばスイッチパターンを構成する各スイッチ用のパターン(下記実施形態では位置検出用導電パターン)間の間隔が狭くても、全周に渡って容易にその間隔を均一にすることができ、回転スイッチの操作性を向上することができる。同時に構造が簡単で、製造も容易に行うことができる。
また本発明によれば、前記スイッチパターンと前記コモンパターンにそれぞれ出力用の端子パターンを接続し、前記スイッチパターンに接続された端子パターンと、前記コモンパターンに接続された端子パターン間を配線パターンで接続すると共に、前記配線パターンの途中に抵抗体を設けたので、摺動子がスイッチパターンの無い部分を通過して移動する際でも、安定した出力電圧を得ることができる。従ってこの回転式スイッチを用いた機器の誤動作を防止することができる。
また本発明によれば、スイッチパターンとコモンパターンからなる摺接パターンの外側に抵抗体を配置するので、これら摺接パターンと抵抗体及び配線パターンが干渉することなく、これら各パターンの配い回しを容易に行うことができる。
また本発明は、前記スイッチパターンが、隣り合う位置検出用導電パターン間を、連結用抵抗体パターンを介して電気的に直列に接続して形成されていることを特徴としている。
このように構成すれば、端子パターンは、スイッチパターンで2つ、コモンパターンで1つの3つのみを設ければよくなる。即ち、例えば各位置検出用導電パターンにそれぞれ1つずつ端子パターンを接続する必要はなく、構造の簡素化が図れる。特に本発明においては、スイッチパターンをコモンパターンの内側に配置しているので、もし各位置検出用導電パターンから引出パターンを引き出すと、スイッチパターンの両端間の隙間や、スイッチパターンとコモンパターンの間の部分に、多数本の引出パターンを通さなければならず、スイッチパターンの両端間の間隔を狭くするという本発明の目的が阻害される恐れがあるが、本発明を用いれば、この問題も解決できる。
また端子パターンの本数を少なくできるので、例えばこの回転式スイッチの端子パターンをチップ型のマイコンの端子ピンに対応させて接続するような場合でも、マイコンの端子ピンの数が足りなくなる恐れはない。
また本発明は、少なくとも、摺動子と、前記摺動子を取り付ける回転体と、前記摺動子の摺動接点を摺接させる摺接パターンを形成した回路基板と、を具備し、前記回路基板上の摺接パターンは、内側にスイッチパターン、外側にコモンパターンを同心円状に形成した構成であり、前記スイッチパターンと前記コモンパターンにはそれぞれ出力用の端子パターンが接続され、前記スイッチパターンに接続された端子パターンと、前記コモンパターンに接続された端子パターン間を配線パターンで接続すると共に、前記配線パターンの途中に抵抗体を設け、前記抵抗体は、前記円弧状のコモンパターンの中心に対してその外側に設けてあり、さらに前記スイッチパターンに接続される端子パターンは、このスイッチパターンの両端から一対引き出され、一方、前記コモンパターンに接続される端子パターンは、このコモンパターンの外周の異なる位置から一対引き出され、前記スイッチパターンに接続された一方の端子パターンと、前記コモンパターンに接続された一方の端子パターン間を、前記抵抗体を途中に設けた配線パターンで接続したことを特徴としている。
コモンパターンに接続される端子パターンを2つにしたので、例えばこれら一対の端子パターンに端子板を取り付けた場合に、もし、一方の端子板と端子パターン間に導通不良が生じても、もう一方の端子板と端子パターン間の接続によって導通でき、その接続信頼性を向上することができる。
またコモンパターンは、スイッチパターンの外周側にあるので、コモンパターンの外周に2つの端子パターンを形成することは、これを容易に行うことができる。
本発明によれば、スイッチパターンの両端間の間隔を容易に所望の狭い間隔にすることができる。同時に回転式スイッチの構造が簡単で製造も容易に行うことができる。
回転式スイッチ(ロータリースイッチ)1の斜視図である。 ロータリースイッチ1の分解斜視図である。 図1のA−A断面図である。 スイッチ基板150と端子板173,175とを示す分解斜視図である。 スイッチ基板150の平面図である。 スイッチ基板150上に形成される回路パターンによる電気回路である。 スイッチ基板150の端子パターン161,161間に電圧Vi(V)を印加した場合に、端子パターン165に取り出される出力電圧Vo(V)を、第2摺動接点59の回転位置に応じて示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の1実施形態にかかる回転式スイッチ(以下「ロータリースイッチ」という)1の斜視図、図2はロータリースイッチ1の分解斜視図、図3は図1のA−A断面図である。これらの図に示すようにロータリースイッチ1は、スイッチ基板150をインサート成形したケース120の収納部121内に、摺動子50を取り付けた回転体70を収納し、さらにケース120の上部にクリック板30及びカバー10を取り付けて構成されている。なお以下の説明において、「上」とはスイッチ基板150から摺動子50を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
図4はスイッチ基板150とこれに取り付ける4枚の端子板173,173,175,175とを示す分解斜視図である。なお、スイッチ基板150と端子板173,173,175,175はケース120に一体成形されているので、本来は分解できないが、図4では説明の都合上、分離して示している。また図5はスイッチ基板150の平面図である。
これらの図に示すように、スイッチ基板150は、矩形板状で硬質の合成樹脂板からなる絶縁基板151の所定位置(中央)に円形に貫通する回転体支持穴153を設け、またその上面の回転体支持穴153の周囲を囲む位置に、円弧状で所定の幅を有するスイッチパターン155を形成し、さらにスイッチパターン155の周囲を囲むように円弧状で所定の幅を有するコモンパターン157を形成して構成されている。スイッチパターン155とコモンパターン157は同心円状に形成されている。
スイッチパターン155は、摺動子50の回転位置に応じた階段状の出力電圧(スイッチ出力電圧)を出力するタイプのスイッチパターンであり、リング状に等間隔に配置されている複数の低抵抗の位置検出用導電パターン155aと、隣り合う位置検出用導電パターン155a間をリング状に連結するように形成される連結用抵抗体パターン155bとを具備して構成されている。位置検出用導電パターン155aは、略矩形状(扇形状)で複数個(12個)あり、それぞれを切り離した(独立した)状態で、等間隔にリング状に形成されている。各位置検出用導電パターン155aは、抵抗値の低い導電パターン(例えば銀パターン)の表面を抵抗体パターンで覆う構造で形成されている。この抵抗体パターンは、リング状に形成されることで、前記連結用抵抗体パターン155bをも構成する。スイッチパターン155の両端(両端の位置検出用導電パターン155a)には、それぞれ引出パターン159,159が接続され、スイッチ基板150の外周の対向する一対の辺150a,150cの一端近傍位置(スイッチ基板150の隣接する2つの角部近傍)に設けられた一対の出力用の端子パターン161,161にそれぞれ接続されている。一方の引出パターン159の途中には、外部連結用抵抗体パターン160が接続されている。
コモンパターン157は、抵抗値の低い導電材(例えば銀パターン)の表面を保護のために抵抗体パターンで覆う構造によって形成されている。コモンパターン157の外周の2箇所には、それぞれ引出パターン163,163が接続され、スイッチ基板150の外周の前記対向する一対の辺150a,150cの他端近傍位置(スイッチ基板150の他方の隣接する2つの角部近傍)に設けられた一対の出力用の端子パターン165,165にそれぞれ接続されている。コモンパターン157は何れの部分も同電位になるので、一対の引出パターン163,163はコモンパターン157のどの位置に接続しても良く、またコモンパターン157はスイッチパターン155の外周側にあるので、コモンパターン157の外周に2つの引出パターン163,163及びこれに接続する端子パターン165,165を形成することは、容易に行うことができる。またスイッチパターン155に接続された2つの端子パターン161,161の内の一方の端子パターン161(外部連結用抵抗体パターン160を接続した側の端子パターン161)と、コモンパターン157に接続された2つの端子パターン165,165の内の一方の端子パターン165(前記端子パターン161と同じ辺150a側に設けた端子パターン165)間を、抵抗体(電位確保用抵抗体)167を途中に設けた配線パターン169で接続している。即ち、抵抗体167と配線パターン169は、コモンパターン157の中心に対してその外側に設けてある。抵抗体167の抵抗値は、前記各連結用抵抗体パターン155b及び外部連結用抵抗体パターン160の抵抗値に比べてかなり高い抵抗値に形成されている。
さらにスイッチ基板150のコモンパターン157の周囲の所定位置には、複数の小孔からなる貫通孔171が設けられている。貫通孔171は、スイッチ基板150をケース120内にインサート成形する際に金型内に突出する位置決めピンを挿入するために設けたものや、上下の成形樹脂を接続するために設けたものである。
そして図4において、スイッチ基板150の上面の4隅の端子パターン161,161,165,165にそれぞれ金属板製の端子板173,173,175,175を当接した状態のものを、図示しない金型内に設置し、スイッチ基板150の外周及び底面を覆うケース120を一体成形することでスイッチ基板150と各端子板173,175とケース120とを一体化する。端子板173,175は、何れも端子パターン161,165に当接する載置部173a,175aと、ケース120から突出する突出部173b,175bを有している。載置部173a,175aと突出部173b,175bの間は、2回約直角に逆方向に屈曲されており、これによって載置部173a,175aと突出部173b,175bは略平行で且つ両者間に段差が形成されている。
ケース120は合成樹脂製であって概略矩形状であり、図2に示すように、その上面中央に略円形の凹部からなる収納部121を設けると共に、収納部121の底面に前記スイッチ基板150のスイッチパターン155とコモンパターン157を露出するようにスイッチ基板150をインサート成形して構成されている。ケース120の外周側壁からは、前記各端子板173,175の突出部173b,175bを突出している。またケース120の対向する一対の外周側壁(端子板173,175を突出していない外周側壁)から底面にかけて、2つずつ係止片収納凹部123が形成されている(図2では手前側の2つのみ示している)。またケース120のスイッチ基板150の底面を覆う部分の略中央(前記スイッチ基板150の回転体支持穴153に対向する部分)には、回転体支持穴153に連続する略同一内径の回転体支持穴127が形成されている。またケース120の外周側壁の上部各辺には、それぞれ2つずつ凹状のクリック板係止部129が形成されている。またケース120の前記端子板173,175を突出した側の外周側壁の上部中央には、それぞれ係止突起131が設けられている。
摺動子50は弾性金属板製であって、摺動子基部51を有し、その外周の一側部に半円弧状の1本の弾接アーム53aを配置し、前記弾接アーム53aに対向する他方の側部に半円弧状の2本の弾接アーム55a、55bと、更にその外周側の1本の弾接アーム53bを配置し、それぞれの弾接アーム53a,53b,55a,55bの両端を摺動子基部51に連結して構成されている。弾接アーム53aと弾接アーム53bは同一円周上に配置され、弾接アーム55aと弾接アーム55bは平行に隣接して配置されている。各弾接アーム53a,53b,55a,55bの両端部分は摺動子基部51から屈曲され、これによって各弾接アーム53a,53b,55a,55bを全体的に下方向に傾けている。各弾接アーム53a,53b,55a,55bの中央には、それぞれ下方向に突出するように湾曲する第1,第2摺動接点57a,57b,59a,59bが形成されている。摺動子基部51の中央には、下記する回転体70の下部軸77を挿通する貫通孔61と、回転体70の下面に設けた図示しない係止突起を挿入する係止孔63とが設けられている。
回転体70は、合成樹脂を略円板状に成形して構成されており、その上面中央には回転軸71が突出して設けられ、また回転軸71の周囲の回転体70表面にはリング状の多数の凹凸からなるクリック係合部73が設けられている。一方、回転体70の下面には前記摺動子50の摺動子基部51を当接する摺動子取付面75(図3参照)が設けられ、摺動子取付面75の中央には、前記摺動子50の貫通孔61に挿通し、且つ前記スイッチ基板150とケース120の回転体支持穴153,127に回動自在に挿入される下部軸77(図3参照)が設けられ、また摺動子取付面75には前記摺動子50の係止孔63に挿入(圧入)される小突起からなる係止突起(図示せず)が設けられている。
クリック板30は弾性金属板を略矩形状であって、前記ケース120の上面を覆う形状に形成して構成されている。クリック板30の中央には略円形の開口31が設けられ、この開口31内にこの開口31の内周辺に沿うように一対のアーム部33,33が設置されている。両アーム部33,33の両端部は開口31の内周辺に連結されており、両アーム部33,33の根元部分を屈曲することでその全体を下方向に傾斜させている。両アーム部33,33の中央には、下方向に突出するように湾曲するクリック部35,35が形成されている。クリック板30の外周4辺からはそれぞれ2つずつ小突起状の係止片37が突出し、それらの根元を略直角に下方向に折り曲げている。
カバー10は金属板製であり、前記ケース120の上面から外周上部を覆うように、略矩形状であって外周4辺を下方向に屈曲して形成されている。カバー10の中央には円形の開口部11が形成されている。カバー10の外周の対向する2辺からは2本ずつ舌片状の係止片15が突出している。また係止片15を設けない別の対向する2辺からは、1本ずつ舌片状の固定片17が突出している。固定片17は、その根元近傍部分を外方向に略直角に折り曲げている。固定片17は、例えばこのロータリースイッチ1を図3に示す他の部材(例えば他の回路基板)200上に取り付ける際に、他の部材200に半田付け等することでその取付強度を強くする等のために用いられる。またカバー10の前記一対の固定片17を設けた側の上辺中央には、前記ケース120の係止突起131を係止する略矩形状の開口からなる係止部19が形成されている。
ロータリースイッチ1を組み立てるには、まず回転体70の摺動子取付面75に摺動子50の摺動子基部51を当接し、その際、摺動子50の貫通孔61に回転体70の下部軸77を挿通し、同時に摺動子50の係止孔63に回転体70の図示しない係止突起を圧入し、これによって回転体70の下面に摺動子50を取り付けておく。そして摺動子50を取り付けた回転体70を、ケース120の収納部121内に収納し、その際、回転体70の下部軸77をスイッチ基板150の回転体支持穴153とケース120の回転体支持穴127に回動自在に挿入し軸支する。このとき、摺動子50の第1摺動接点57a,57bは、コモンパターン157に当接し、第2摺動接点59a,59bは、スイッチパターン155に当接する。
次にケース120の収納部121を覆うように、ケース120の上にクリック板30とカバー10を被せる。その際、クリック板30の各係止片37を、ケース120の各クリック板係止部129に挿入して係止し、同時にカバー10の各係止片15を、ケース120の各係止片収納凹部123に挿入し、各係止片15の先端をケース120の下面側に折り曲げる。これによって、ロータリースイッチ1が完成する。以上説明したように、ロータリースイッチ1の組み立ては容易に行える。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
以上のようにして組み立てられたロータリースイッチ1において、回転体70を回転すると、これと一体に摺動子50が回転し、第1摺動接点57a,57b(少なくともその何れか一方)がコモンパターン157上を常に摺動し、同時に第2摺動接点59a,59bがスイッチパターン155上を摺動する。この回転体70はエンドレスに左右に回転する構造になっている。回転体70を回転すると、スイッチパターン155の両端に接続されている一対の端子パターン161,161と、コモンパターン157に接続されている端子パターン165間の抵抗値が変化すると同時に、クリック板30のクリック部35が回転体70のクリック係合部73に係合してクリック感触を生じる。なおクリック部35がクリック係合部73の凹部に入り込んで安定したときは、摺動子50の第2摺動接点59a,59b(以下「59」と記載する)は下記する各点a1〜a12(図6参照)の何れかの位置にある。
図6は、スイッチ基板150上に形成される回路パターンによる電気回路である。また図7は、スイッチ基板150の端子パターン161,161間に電圧Vi(V)〔外部連結用抵抗体パターン160を設けた側の端子パターン161にV=0(V)、もう一方の端子パターン161にV=Vi(V)〕を印加した場合に、端子パターン165に取り出される出力電圧Vo(V)を、第2摺動接点59の回転位置に応じて示した図である。なお、全ての連結用抵抗体パターン155bと外部連結用抵抗体パターン160は、何れも同一の抵抗値R1であり、抵抗体167は、前記抵抗値R1に対して、かなり大きい抵抗値R2(R2>>R1)となっている。
図7及び図6,図5に示すように、まず、第2摺動接点59が、外部連結用抵抗体パターン160に接続している位置検出用導電パターン155a(図6に示す点a1)に当接している場合は、出力電圧Vo=Vi/12(V)になる。なお抵抗体167は、連結用抵抗体パターン155b等の抵抗値に比べてかなり高抵抗なので、出力電圧Voにはほとんど影響せず、計算式ではこれを無視する(以下同様)。
次に、摺動子50を右回りに回転していくと、第2摺動接点59は連結用抵抗体パターン155b上を摺動し、その分出力電圧Voが上昇していく。そして次の位置検出用導電パターン155a上に第2摺動接点59が至ると(点a2)、出力電圧Vo=2Vi/12(V)になる。
さらに第2摺動接点59を移動させていくと、同様に、図7に示すように、順次出力電圧Voが上昇して行き、第2摺動接点59がn個目の位置検出用導電パターン155a上に位置する際(点an)は、出力電圧Vo=nVi/12(V)になる。そして12番目の位置検出用導電パターン155a上に第2摺動接点59が位置すると(点a12)、出力電圧Vo=Vi(V)になる。
第2摺動接点59が、12番目の位置検出用導電パターン155a上(点a12)から、1番目の位置検出用導電パターン155a上(点a1)に移動する際は、第2摺動接点59はスイッチパターン155上から外れ、摺動子50を介する回路はフリーの状態になる。しかしこのとき、外部連結用抵抗体パターン160に接続している側の端子パターン161と、コモンパターン157側の一方の端子パターン165間は、外部連結用抵抗体パターン160よりも端子パターン161側において、高抵抗の抵抗体167によって連結されているので、その時の出力電圧Voは、この端子パターン161と同じ、Vo=0(V)になる。
以上のように、引出パターン159中に外部連結用抵抗体パターン160を接続したので、例えばこの外部連結用抵抗体パターン160を接続した側の端子パターン161にV=0(V)、もう一方の端子パターン161にV=Vi(V)を印加した場合、n個ある位置検出用導電パターン155aの内の最低電位になる位置検出用導電パターン155aでもVi/n(V)の電位が保持され、0(V)にならない。このためノイズ等に影響されにくく、確実に全ての位置検出用導電パターン155a上を摺動する摺動子50(回転体70)の位置を検出することができる。なお、最低電位としてV=0(V)が必要な場合は、外部連結用抵抗体パターン160の接続を省略しても良い。
また上述のように、スイッチパターン155は、隣り合う位置検出用導電パターン155a間を、連結用抵抗体パターン155bを介して電気的に直列に接続して形成されている構造なので、出力用の端子パターン161,161,165,165は、4つ(端子パターン165を1つにした場合は3つ)のみ設ければよくなる。即ち、例えば各位置検出用導電パターン155aにそれぞれ1本ずつ端子パターンを接続する必要はなく、構造の簡素化が図れる。また端子パターン161,161,165,165の本数を少なくできるので、例えばこのロータリースイッチ1の端子パターン161,161,165,165をチップ型のマイコンの端子ピンに対応させて接続するような場合でも、マイコンの端子ピンの数が足りなくなる恐れはない。
さらに抵抗体167を設けたので、摺動子50の第2摺動接点59がスイッチパターン155の無い部分を通過して移動する際でも、出力電圧Voは0(V)、即ち外部連結用抵抗体パターン160を接続した側の端子パターン161の電位と同一電位になり、安定する。
またこのスイッチ基板150の場合、各位置検出用導電パターン155aと、これら位置検出用導電パターン155a間を連結する連結用抵抗体パターン155bは、何れも同一リング上であって、摺動子50の第2摺動接点59が連続して摺接していく位置に形成されており、これによって、隣り合う位置検出用導電パターン155a間の連結用抵抗体パターン155b上を第2摺動接点59が通過する際の出力電圧は、隣り合う位置検出用導電パターン155aの出力電圧Voの中間の電位となって極端に大きな変動はない。従って出力電圧が安定し、機器の誤動作をさらに確実に防止できる。
以上説明したように、上記ロータリースイッチ1によれば、スイッチパターン155を内側に、コモンパターン157を外側に配置したので、スイッチパターン155の両端間の隙間S1(図5参照)を容易に所望の狭い間隔とすることができる(具体的には、隣接する各位置検出用導電パターン155a間の間隔と同一寸法にすることが容易にできる)。これによって、例えばスイッチパターン155を構成するスイッチ用の各パターン(位置検出用導電パターン155a)間の間隔(ピッチ)が狭くても、全周に渡って容易にその間隔を均一にすることができ、ロータリースイッチの操作性を向上することができる。同時に構造が簡単で、製造も容易に行うことができる。
またコモンパターン157に接続される端子パターン165,165を、このコモンパターン157の外周の異なる位置から一対引き出して2つとしたので、例えばこれら一対の端子パターン165,165に端子板175,175を取り付けた場合に、もし、一方の端子板175と端子パターン165間に導通不良が生じても、もう一方の端子板175と端子パターン165間の接続によって導通でき、その接続信頼性を向上することができる。またコモンパターン157は、スイッチパターン155の外周側にあるので、コモンパターン157の外周に2つの端子パターン165,165を形成することは、これを容易に行うことができる。
また上記スイッチ基板150は、スイッチパターン155とコモンパターン157からなる摺接パターンの外側に抵抗体167を配置しているので、これら摺接パターンと抵抗体167及び配線パターン169が干渉することなく、これら各パターンの配い回しを容易に行うことができる。
また上記スイッチ基板150では、その角部近傍に配置された1つの端子パターン161に接続される外部連結用抵抗体パターン160及び引出パターン159を、スイッチ基板150の1つの辺150dに沿うように設置し、且つこの端子パターン161に接続される抵抗体167及び配線パターン169を、スイッチ基板150の前記辺150dに隣接する別の辺(前記端子パターン161を挟んだ別の辺)150aに沿うように設置したので、各パターン159,160,167,169が入り組むことなく、矩形状のスイッチ基板150の外形形状に合わせた無理のない配置とすることができる。このためスイッチ基板150の外形寸法の大型化も防止することができる。
また上記スイッチ基板150においては、スイッチパターン155をコモンパターン157の内側に配置しているので、もし各位置検出用導電パターン155aから引出パターンを引き出すと、スイッチパターン155の両端間の隙間S1や、スイッチパターン155とコモンパターン157の間のスペースに、多数本の引出パターンを通さなければならなくなり、スイッチパターン155の両端間の間隔S1を狭くするという本発明の目的が阻害される恐れがあるが、本スイッチ基板150によれば、この問題も生じない。
また上記スイッチ基板150においては、摺動子50の第2摺動接点59が、スイッチパターン155の無い部分(隙間S1)を通過する際に、出力電圧Vo=0(V)となるように構成したが、その代りに出力電圧Vo=Vi/12(V)となるように構成したい場合は、抵抗体167を端子パターン161に接続する代わりに、外部連結用抵抗体パターン160と位置検出用導電パターン155aの間の引出パターン159の部分に接続すれば良い。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、スイッチ基板としては、可撓性を有するフレキシブル回路基板を用いても良い。また場合によっては、抵抗体(電位確保用抵抗体)を省略しても良い。また抵抗体(電位確保用抵抗体)は、コモンパターンの中心に対して内側に設けても良い。また位置検出用導電パターンは、上記実施形態で示す12個以外の個数であっても良い。位置検出用導電パターンの数が増減しても端子パターンの本数は変わらない。
1 ロータリースイッチ(回転式スイッチ)
10 カバー
30 クリック板
50 摺動子
57(57a、57b) 第1摺動接点(摺動接点)
59(59a、59b) 第2摺動接点(摺動接点)
70 回転体
120 ケース
150 スイッチ基板(回路基板)
155 スイッチパターン(摺接パターン)
155a 位置検出用導電パターン
155b 連結用抵抗体パターン
157 コモンパターン(摺接パターン)
160 外部連結用抵抗体パターン
161 端子パターン
165 端子パターン
167 抵抗体(電位確保用抵抗体)
169 配線パターン

Claims (3)

  1. 少なくとも、摺動子と、
    前記摺動子を取り付ける回転体と、
    前記摺動子の摺動接点を摺接させる摺接パターンを形成した回路基板と、
    を具備し、
    前記回路基板上の摺接パターンは、内側にスイッチパターン、外側にコモンパターンを同心円状に形成した構成であり、
    前記スイッチパターンと前記コモンパターンにはそれぞれ出力用の端子パターンが接続され、
    前記スイッチパターンに接続された端子パターンと、前記コモンパターンに接続された端子パターン間を配線パターンで接続すると共に、前記配線パターンの途中に抵抗体を設け
    前記スイッチパターンと前記スイッチパターンに接続された端子パターンの間に外部連結用抵抗体パターンを設け、
    前記抵抗体は、前記円弧状のコモンパターンの中心に対してその外側に設けてあり、
    前記抵抗体と前記外部連結用抵抗体パターンは、これら抵抗体及び外部連結用抵抗体パターンを接続した前記端子パターンが配置される前記回路基板の一角部を挟んで互いに隣接する別の辺に沿うように配置されていることを特徴とする回転式スイッチ。
  2. 請求項1に記載の回転式スイッチであって、
    前記スイッチパターンは、隣り合う位置検出用導電パターン間を、連結用抵抗体パターンを介して電気的に直列に接続して形成されていることを特徴とする回転式スイッチ。
  3. 少なくとも、摺動子と、
    前記摺動子を取り付ける回転体と、
    前記摺動子の摺動接点を摺接させる摺接パターンを形成した回路基板と、
    を具備し、
    前記回路基板上の摺接パターンは、内側にスイッチパターン、外側にコモンパターンを同心円状に形成した構成であり、
    前記スイッチパターンと前記コモンパターンにはそれぞれ出力用の端子パターンが接続され、
    前記スイッチパターンに接続された端子パターンと、前記コモンパターンに接続された端子パターン間を配線パターンで接続すると共に、前記配線パターンの途中に抵抗体を設け、
    前記抵抗体は、前記円弧状のコモンパターンの中心に対してその外側に設けてあり、
    さらに前記スイッチパターンに接続される端子パターンは、このスイッチパターンの両端から一対引き出され、
    一方、前記コモンパターンに接続される端子パターンは、このコモンパターンの外周の異なる位置から一対引き出され、
    前記スイッチパターンに接続された一方の端子パターンと、前記コモンパターンに接続された一方の端子パターン間を、前記抵抗体を途中に設けた配線パターンで接続したことを特徴とする回転式スイッチ。
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