JP6471965B2 - 送電装置および無線電力伝送システム - Google Patents

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Description

本開示は、無線で電力を伝送する送電装置および無線電力伝送システムに関する。
近年、携帯電話機や電気自動車などの移動性を伴う電子機器やEV機器が普及している。このような機器を対象とする無線電力伝送システムの開発が進められている。無線電力伝送技術には、電磁誘導方式、磁界共鳴方式(共振磁界結合方式)、および電界結合方式などの方式がある。
電磁誘導方式および磁界共鳴方式による無線電力伝送システムは、送電コイルを備えた送電装置と、受電コイルを備えた受電装置とを備える。送電コイルによって生じた磁界を受電コイルが補捉することにより、電極を直接接触させることなく電力を伝送することができる。磁界共鳴方式による無線電力伝送システムは、例えば特許文献1に開示されている。
特開2009−33782号公報
しかし、かかる従来技術では、送電開始後も精度の高い異物検出を実現できる無線電力伝送システムの送電装置が求められていた。
本開示の一態様に係る送電装置は、
第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
前記第1交流電力より小さい前記第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備し、
前記送電制御回路は、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、
前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、異物が存在するか否かを判断させる。
これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体によって実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせによって実現されてもよい。
本開示の一態様によると、送電開始後も精度の高い異物検知を実現できる無線電力伝送システムの送電装置を提供できる。
無線電力伝送システムにおける動作の概要を示す図である。 遅延期間およびこれに基づく受電装置の動作を説明するための図である。 受電装置における動作の例を示すフローチャートである。 本開示における分割された一連の複数の処理の例を説明するための図である。 本開示の異物検知動作の他の態様を示す図である。 本開示の実施形態における、送電停止期間の短縮化の効果の一例を示す図である。 本開示の実施形態1における無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。 実施形態1における送電回路のより詳細な構成を示す図である。 発振回路の構成例を示す図である。 充電と異物検知のタイミングを説明するための図である。 異物検知に使用される結合係数推定方法の動作原理を説明するための図である。 送電装置100および受電装置200の具体的な回路構成例を示す図である。 結合係数に基づく異物検知処理の流れを示すフローチャートである。 異物検知処理の他の例を示すフローチャートである。 閾値の設定方法の第1の例を示す図である。 閾値の設定方法の第2の例を示す図である。 閾値の設定方法の第3の例を示す図である。 閾値の設定方法の第4の例を示す図である。 実施形態1における処理分割の第1の例を説明するための図である。 評価用端末7機種について、アルミ異物がある場合とない場合のそれぞれにおいて、結合係数と入力インダクタンス値とを測定した結果を示す図である。 評価用端末7機種について、鉄異物がある場合とない場合のそれぞれにおいて、結合係数とコイル端電圧とを測定した結果を示す図である。 実施形態1における処理分割の第2の例を説明するための図である。 実施形態1における処理分割の第3の例を説明するための図である。 実施形態1における処理分割の第4の例を説明するための図である。 実施形態1における処理分割の第5の例を説明するための図である。 実施形態1における処理分割の第5の例の変形例を示す図である。 実施形態1における処理分割の第6の例を説明するための図である。 実施形態2における無線電力伝送システムの構成を示す図である。 実施形態2における送電回路の詳細な構成を示す図である。 実施形態2における切替スイッチ1002の構成を示す図である。 評価用端末7機種を用いて、異物の有無を判断した検知結果を示す第1の図である。 評価用端末7機種を用いて、異物の有無を判断した検出結果を示す第2の図である。 評価用端末7機種を用いて、異物の有無を判断した検出結果を示す第3の図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した無線電力伝送システムにおける送電装置に関し、以下の課題が生じることを見いだした。
まず、「異物」の定義について説明する。本開示において、「異物」とは、無線電力伝送システムにおける送電コイル(もしくは異物検知用のコイル)又は受電コイルの近傍に位置したときに、送電コイル及び受電コイルの間で伝送される電力に起因して発熱する、金属及び人体(動物)などの物体を意味する。
次に、送電装置の動作について説明する。送電装置は、まず、送電装置の電源スイッチがONにされると、送電装置の送電コイルと受電装置の受電コイルとの位置合せを行う。「位置合わせ」とは、送電装置における送電共振器(送電コイルを含む)と受電装置における受電共振器(受電コイルを含む)とが、電力伝送に適した配置関係にあることを検出する動作を意味する。送電コイルと受電コイルとの位置合せが完了すると、送電コイルと受電コイルとの間に異物が存在するか否かを判断する異物検知を行う。異物検知は、例えば、送電コイルに印加される電圧などの物理量の変化を検出することによって行われ得る。送電コイルと受電コイルとの間に異物が存在しないと判断すると、送電コイルから受電コイルに非接触で交流電力を送電する。
しかし、送電コイルと受電コイルとの間に異物が存在しないと判断された後であっても、送電中に異物がコイル間に侵入することがあり得る。例えば、送電装置が車両の内部に設置された充電台であり、受電装置がスマートフォン、タブレット端末、携帯電話などの非接触充電が可能な機器(受電端末)に搭載されている場合を想定する。このような場合、移動中の車体の振動により、充電中の送電コイルと受電コイルとの間にコイン等の異物が侵入する可能性がある。このように、異物が送電コイルと受電コイルとの間に侵入すると、異物に渦電流が発生し、異物が過熱する虞がある。
そのため、本発明者らは、上記のような異物の過熱を防止するため、送電装置が送電を開始した後に、異物検知を行う異物検知期間と、送電を行う送電期間とを繰り返し、異物が過熱しないように監視することを検討している。
図1は、本発明者らが検討している無線電力伝送システムにおける動作の概要を示す図である。このシステムでは、送電装置は、まず異物検知を行い、異物がないと判断した後、送電を開始する(初期検知および初期送電)。送電開始後、一定の時間(例えば数秒)が経過すると、送電装置は、送電を停止し、異物検知を再度行う。以後、送電と異物検知とを繰り返す。このような動作により、送電を継続しながら、異物の侵入を監視することができる。
一方、特許文献1には、1つの送電コイルと1つの受電コイルとを用いて、送電コイルの誘起電圧の波形に基づいて異物を検出するシステムが開示されている。このシステムにおける送電装置は、送電開始前においては、送電周波数とは異なる周波数を用いて異物を検知する。一方、送電中においては、送電周波数と同じ周波数を用いて、送電を行いながら定期的に異物を検知する。
送電中の異物検知については、具体的には、1回の異物検知期間で次のことが行われる。即ち、送電装置は、送電周波数と同じ周波数の電圧波形を1回測定して、上記電圧波形のパルス幅を算出し、基準値からのパルス幅の変化量に基づいて、異物が存在するか否かを判断する。
このように、特許文献1の送電装置は、1回の異物検知期間で、測定処理、算出処理および判断処理の一連の複数の処理を行う。
しかしながら、本発明者らは、特許文献1に開示された異物検知方法では、次の課題が発生することを見出した。
特許文献1における送電装置は、送電中に送電周波数と同じ周波数を用いて異物検知を行う。一般的に、送電時の電力は、異物検知時の電力よりも非常に大きい。例えば、送電時の電力は、異物検知時の電力の約100倍〜約1000倍である。よって、特許文献1のシステムでは、送電時の電圧の振幅の変動に対し、異物が存在することに起因する電圧の振幅の変動は小さい。このため、SN比が十分に大きくならず、高い精度で異物検知を行うことが困難である。さらに、特許文献1のシステムでは、送電中に送電周波数と同じ周波数を用いて異物検知が行われるため、送電の影響を受け、異物検知の精度が低くなる。
そこで、上記課題を解決するために、送電コイルとは別に異物検知コイルを設けて、送電開始前と同様に、送電中に送電周波数とは異なる周波数で異物検知を行うことが考えられる。
しかし、その場合、送電中の電力による複数の高調波などが異物検知コイルに影響を及ぼし、異物検知コイルにノイズを混入させる。よって、異物検知コイルを設けても、送電中に高い精度で異物検知を行うことは困難である。
特許文献1では、1回の異物検知について、1つの物理量(電圧)の波形を1回しか測定していないので、高い精度で異物検知を行うことが困難であるという課題もある。即ち、異物には、様々な材質や形状の異物があるが、特許文献1の方法では、様々な材質や形状の異物を検知することができない。
高い精度でこれらの様々な異物の検知を行うためには、例えば、1つ以上の物理量(例えば、送電コイルに印加される電圧、周波数など)を複数回測定する処理(測定処理)、複数回測定して得られた物理量に基づいて異物の有無の判断に用いられる指標値(例えば、結合係数など)の算出を行う処理(算出処理)、および異物が存在するか否かを判断する処理(判断処理)を含む一連の複数の処理が求められる。ここで、「物理量」とは、送電コイルに印加される電圧、送電コイルに流れる電流、送電コイルに印加される周波数、送電コイルの入力インピ−ダンス値、又は、送電コイルの入力インダクタンス値などのコイルに関する電気的な単位を有する量を意味する。さらに、異物検知は、送電の影響を避けるために送電を停止させて行うことが求められる。
一方、上記のような一連の複数の処理を行う場合、1回の異物検知期間が長くなるという課題が発生する。1回の異物検知期間を長く設定し、その中で多くの処理を実行すれば、精度が高い異物検知を行うことも可能ではある。しかし、1回の異物検知期間に長い時間を割り当てて送電を長い時間停止させることは好ましくない。送電期間の長さに対する異物検知期間の長さの割合が大きいと、送電効率が低下する。例えば、送電装置がワイヤレス充電器である場合、送電を開始してから受電装置の負荷(例えば二次電池)の充電が完了するまでに時間がかかる。
このように、本発明者らは、特許文献1に開示された異物検知方法よりも高い精度で異物の検知を行うためには、一連の複数の処理を行い、かつ、異物検知期間と送電期間とを分割することが有効であることを見出した。しかし、そのようにすると、送電を行っている送電時間に対する異物検知を行う時間(送電停止時間)の割合が大きくなり、送電効率が低下するという課題を見出した。
特に、受電装置がスマートフォンである場合、各メーカは、送電が停止してから、送電の停止を受電装置の通知部(例えば、ランプ)を用いて通知するまでの期間(遅延期間と称する。)の長さを設定している。遅延期間の長さは、メーカおよび機種によって異なる。この長さは、例えば、5m秒〜10m秒程度の長さに設定され得る。
図2は、受電装置に設定された遅延期間およびこれに基づく受電装置の動作を説明するための図である。図2(a)は遅延期間の長さTA1を示している。図2(b)は送電停止時間T1が遅延期間の長さTA1よりも長い場合の例を示している。図2(c)は送電停止時間TS1が遅延期間の長さTA1よりも短い場合の例を示している。
図2(b)に示すように、送電(即ち充電)が停止している時間T1(送電停止時間)が、遅延期間の長さTA1を超えると、スマ−トフォンの受電モジュ−ルが、スマートフォンにおける点灯しているランプ(充電中であることを表すランプ)を消灯させる。送電の停止が遅延期間TA1の長さを超えた後、異物検知が終了し、送電が再開されると、受電モジュールは、充電中であることを表すランプを再度点灯させる。
一方、図2(c)に示すように、送電停止時間TS1が遅延期間の長さTA1以下である場合、受電モジュールは、ランプを点灯状態のまま維持する。送電停止時間TS1の経過後、送電が再開されると、受電モジュールは、ランプを点灯させたまま、受電を再開する。
図3は、受電装置における上記の動作を示すフローチャートである。受電装置は、ステップS301において、受電を感知すると、ステップS302に進み、充電インジケータ(例えば上記のランプ)を点灯させる。続いて、ステップS303において、受電の停止を感知すると、ステップS304に進み、一定時間ごとに受電を感知したか否かを判断する。ここでYesと判断した場合、ステップS305に進み、受電装置は受電を再開する。Noと判断した場合、ステップS306に進み、受電装置は、受電の停止を感知してから遅延期間が経過したかを判断する。ここでYesと判断した場合、ステップS307に進み、受電装置は、充電インジケータを消灯させる。Noと判断した場合、ステップS304に戻り、再び受電の感知を判断する。
なお、充電インジケータの点灯動作および消灯動作は、必ずしも受電装置が直接行わなくてもよい。例えば、受電装置は受電モジュールの搭載されている受電端末に点灯または消灯の命令だけを出して、実際の点灯または消灯は受電端末が行ってもよい。
以上のような動作を行う受電装置に、異物検知期間と送電期間とを繰り返す充電方法を適用した場合、異物検知期間が長いと、充電インジケータが点滅を繰り返すことになる。特に、車載用の充電システムにおいて、運転中にスマートフォンのランプが点灯と消灯とを繰り返す(点滅する)と、ユーザが気を取られてしまう可能性もある。
以上をまとめると、送電装置が送電を開始した後に、異物検知を行う異物検知期間と、送電を行う送電期間とを繰り返す際、高い精度の異物検知を行うためには、上記のように一連の複数の処理を行うことが必要である。しかし、一連の複数の処理の全てを行うためには、送電停止時間を長くする必要があることが分かった。本発明者らは、そのことにより、送電効率が低下し、運転中にランプが点滅してしまいユーザが気を取られてしまう可能性があるという課題を見出した。
従って、送電装置が送電を開始した後に、異物検知期間と送電期間とを繰り返す際、送電停止時間を短くして送電効率が低下することを防止しつつ、一方で、送電開始後も高い精度の異物検知を実現できる送電装置が望まれている。さらに、送電停止時間を短くして、充電中であることを表すインジケータ(例えばランプ)の点灯を維持する送電装置が望まれている。
以上の考察により、本発明者らは、以下に開示する各態様を想到するに至った。
本開示の一態様に係る送電装置は、
第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
前記第1交流電力より小さい前記第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備し、
前記送電制御回路は、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、
前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、異物が存在するか否かを判断させる。
上記態様によると、
送電制御回路は、前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させる。
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返す。
異物検知期間と送電期間とが繰り返されることにより、複数の異物検知期間が発生する。前記複数の異物検知期間において前記一連の複数の処理を分割した各処理が実行される。送電制御回路は、前記異物検知判定回路に、前記分割された一連の複数の処理の中の各処理の全ての処理(各処理からなる全処理)を実行させて、異物が存在するか否かを判断させる。
このことにより、1回の異物検知期間の長さを短くすることができ、送電を行っている送電時間に対する異物検知を行う時間の割合を減少させる(即ち、送電停止時間を短縮させる)ことができる。よって、送電効率が低下するのを防止することができる。また、1回の前記異物検知期間の長さを短く(即ち、送電停止時間を短縮)することができる。例えば、送電停止から、上記送電停止を受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間の長さより、送電停止時間を短くすることができる。このため、充電中であることを表すランプの点灯を連続して維持することができる。
さらに、前記一連の複数の処理の中の分割された各処理からなる全処理を実行させて、前記異物検知判定回路に異物が存在するか否かを判断させることにより、高い精度の異物検知を行うことができる。
以下、図4から図6を参照しながら、本開示における送電動作および異物検知動作の概要を説明する。
図4は、本開示における分割された一連の複数の処理の例を説明するための図である。図4の上段は、特許文献1のシステムのように、1種類の物理量のみに基づく異物検知を、連続する2つの送電期間の間に行う場合の例を示している。図4の中段は、一連の複数の処理によって精度を向上させた異物検知を、連続する2つの送電期間の間に行う場合の例を示している。この例では、一連の複数の処理を実行するため、1種類の物理量のみに基づく異物検知よりも1回の異物検知期間が長くなっている。図4の下段は、一連の複数の処理を、繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行することにより、1回の異物検知期間を短く抑えた例を示している。
この例では、一連の複数の処理は、第1の測定処理、第2の測定処理、算出処理、および判断処理の4つの処理に分割されている。第1の測定処理は、例えば、発振回路が受電共振器の共振周波数frよりも低い第1周波数f1で発振しているときの送電コイルの入力インダクタンス値Lin(f1)を測定する処理であり得る。第2の測定処理は、例えば、発振回路が受電共振器の共振周波数frよりも高い第2周波数f2で発振しているときの送電コイルの入力インダクタンス値Lin(f1)を測定する処理であり得る。算出処理は、例えば、2つの入力インダクタンス値L1およびL2から、k≒1−Lin(f2)/Lin(f1)の式を用いて結合係数kを算出する処理であり得る。判断処理は、例えば、算出された結合係数kが、所定の閾値よりも低くなったか否かを判断する処理であり得る。これらの4つの処理により、送電コイルと受電コイルとの間の異物を検出できる。これらの処理の詳細については後述する。
図5は、本開示の異物検知動作の他の態様を示す図である。この例では、送電装置は、一連の複数の処理のうち、第1の測定処理および第2の測定処理のみを、複数の異物検知期間で分割して実行し、続く算出処理および判断処理は、送電期間中に実行する。このように、一連の複数の処理に含まれる物理量の測定については、繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行し、一連の複数の処理に含まれる物理量の測定以外の処理については、繰り返される複数の送電期間で分割して実行してもよい。すなわち、一連の複数の処理の一部のみを、複数の異物検知期間で分割して実行してもよい。この態様によれば、全送電期間に対する送電停止期間の長さの割合をさらに小さくすることができる。
図6は、本開示の実施形態における、送電停止期間の短縮化の効果の一例を示す図である。この例では、一連の複数の処理は、アルミニウム製の異物(以下、「アルミ異物」と称することがある。)を検知する処理と、鉄製の異物(以下、「鉄異物」と称することがある。)を検知する処理とを含む。アルミ異物は、後述するように、例えば送電コイルまたは異物検知コイルの入力インダクタンスの変化に基づいて検出され得る。鉄異物は、後述するように、例えば送電コイルまたは異物検知コイルに印加される電圧の変化に基づいて検出され得る。
図6に示す例では、遅延期間の長さTA1は5m秒であり、アルミ異物の検知に要する期間TS1および鉄異物の検出に要する期間TS2は4m秒である。したがって、図6の中段に示すように、アルミ異物の検知と鉄異物の検知とを連続して行う場合には、1回の異物検知期間の長さは約8m秒となる。この場合、異物検知期間が遅延期間よりも長いため、前述のように、受電装置のインジケータ(即ち通知部)が点滅する問題が生じる。
一方、図6の下段に示すように、アルミ異物の検知と鉄異物の検知とを分割して行う場合、1回の異物検知期間の長さは約4m秒となる。この場合、異物検知期間が遅延期間よりも短くなるため、受電装置のインジケータが点滅する問題を回避できる。
以下、図面を参照しながら、本開示のより具体的な実施の形態を説明する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではない。各実施形態に各種の変形を施したり、複数の実施の形態を組み合わせたりすることによって新たな実施の形態を構成してもよい。以下の説明において、同一または類似する構成要素には同一の参照符号を付している。
(実施形態1)
図7は、本開示の第1の実施形態による無線電力伝送システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態の無線電力伝送システムは、送電回路1000と、送受電共振器対1010と、検出共振器1011と、受電回路1020とを備えている。送電回路1000は、直流電源1030から入力される直流(DC)エネルギ(電力)を交流(AC)エネルギ(電力)に変換して出力するように構成されている。送受電共振器対1010は、送電回路1000から出力された交流エネルギを無線で伝送するように構成されている。送受電共振器対1010は、送電共振器(送電アンテナとも称する。)1010aと受電共振器(受電アンテナとも称する。)1010bとの対からなる。送電共振器1010a、検出共振器1011、および受電共振器1010bの各々は、コイルおよびコンデンサを含む共振回路によって構成される。送受電共振器対1010は、電磁誘導または共振磁界結合によって送電回路1000から出力された交流エネルギを受電回路1020に無線で伝送する。受電回路1020は、送受電共振器対1010によって伝送された交流エネルギを直流エネルギに変換して負荷1040に供給する。検出共振器1011は、異物を検知する際に用いられる。
本実施形態では、受電共振器は、第1交流電力を受電する第1共振器として機能する。送電共振器は、受電装置に対して非接触方式で第1交流電力を送電する第2共振器として機能する。検出共振器は、第1交流電力よりも小さい第2交流電力を受電装置に対して非接触方式で送電する第3共振器として機能する。
送電回路1000および送電共振器1010aは、送電装置に搭載され得る。受電共振器1010b、受電回路1020、負荷1040は、受電装置に搭載され得る。受電装置は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯端末などの電子機器(受電端末)、または電気自動車などの電動機械に搭載され得る。送電装置は、受電装置に無線で電力を供給する充電器であり得る。負荷1040は、例えば二次電池を有する機器であり得る。負荷1040は、受電回路1020から出力された直流エネルギによって充電され得る。
受電共振器1010bは、後に詳しく説明するように、受電コイルと、受電コイルに並列に接続されたコンデンサとを含む並列共振回路である。共振周波数は所定の値frに設定されている。受電共振器1010bが送電共振器1010aから空間を介して非接触で受け取った交流エネルギは、受電回路1020に送られる。
受電回路1020は、受電共振器1010bおよび負荷1040に接続された整流回路1021と、整流回路に接続された出力検出回路1022と、出力検出回路1022に接続された送信回路1023とを有する。整流回路1021は、受電共振器1010bから伝送された交流エネルギを直流エネルギに変換して負荷1040に出力する。出力検出回路1022は、負荷1040に与えられる電圧または負荷1040を流れる電流の少なくとも一方を検出する。送信回路1023は、出力検出回路1022による検出結果を示す信号(以下、「フィードバック信号」と称する。)を送電回路1000に伝達する。
送電回路1000は、インバータ回路1001と、異物検出回路1004と、受信回路1005と、送電制御回路1090とを有している。インバータ回路1001は、電源1030に接続され、電源1030から入力された直流エネルギを複数のスイッチング素子によって交流エネルギに変換して出力する。異物検出回路1004は、検出共振器1011に接続され、検出共振器1011の付近の異物1050を検出するための処理を行う。受信回路1005は、送信回路1023から送信されるフィードバック信号を受信する。制御回路1090は、インバータ回路1001を用いた送電処理と、異物検出回路1004を用いた異物検知処理とを交互に繰り返すように、送電回路1000における各回路を制御する。
検出共振器1011におけるコイルのインダクタンスおよびコンデンサの容量は、検出共振器1011が受電共振器1010bと同じ共振周波数frで共振するように調整されている。
図8は、図7における異物検出回路1004および制御回路1009のより詳細な構成を示すブロック図である。異物検出回路1004は、発振回路1003と、異物検知判定回路1008とを有する。異物検知判定回路1008は、測定回路1006と、判定回路1007とを有する。
発振回路1003は、送電共振器1010aに接続される。異物検知期間において、発振回路1003は、交流成分を含む電圧を検出共振器1011に供給する。これにより、検出共振器1011と受電共振器1010bとが電磁的に結合する。発振回路1003は、例えばコルピッツ発振回路や、ハートレー発振回路、クラップ発振回路、フランクリン発振回路、ピアス発振回路といった、LC共振原理に基づく自励式の発振回路であり得る。
図9は、発振回路1003の回路構成の例を示す図である。図9に示す発振回路1003は、自励式のLC発振回路として機能するピアス発振回路である。自励式の発振回路を用いると、検出共振器1011の入力インダクタンスの変化を発振周波数の変化に変換することができる。このような発振回路1003の発振周波数に基づいて、入力インダクタンスまたは結合係数を推定することができる。入力インダクタンスまたは結合係数を推定できれば、その変化に基づいて、検出共振器1011の付近に挿入された異物の有無を判定することができる。入力インダクタンスを直接測定して用いる構成においては、発振回路1003が自励式の発振回路である必要はない。
測定回路1006は、発振回路1003の発振周波数や出力電圧などの、検出共振器1011への異物の接近に伴って変化する少なくとも1つの物理量を測定する。異物の接近に伴って変化する物理量には、例えば、検出共振器1011のコイルの入力インダクタンス、発振周波数、発振回路1003の出力電圧または出力電流、検出共振器1011および受電共振器1010bの結合係数、Q値などがあり得る。これらの物理量は、検出共振器1011の入力インピーダンスに応じて変化する物理量であるとも言える。したがって、本実施形態における異物検出処理は、検出共振器1011の入力インピーダンスの変化に基づいて異物の有無を判定する処理であると言える。
判定回路1007は、測定回路1006によって測定された少なくとも1つの物理量の、基準値からの変化量に基づいて異物の有無を判定する。基準値は、例えば、検出共振器1011と受電共振器1010bとが電磁的に結合している状態において、異物1050がこれらの共振器から十分に離れているときの当該物理量の値であり得る。判定回路1007は、例えば、測定された値と基準値との差が所定の閾値以上であるとき、異物が存在すると判定する。あるいは、測定された複数の物理量を用いた演算によって得られる値が所定の範囲内にあるとき、異物が存在すると判定してもよい。判定回路1007は、測定結果および判定結果の少なくとも1つを、制御回路1090内のメモリ(結果保存部)1093に保存する。判定回路1007は、前回の判定処理の結果を結果保存部1093から呼び出し、新たな検出結果と組み合わせて異物があるかどうかを判定してもよい。
測定回路1006の少なくとも一部と判定回路1007の少なくとも一部とは、独立した回路で構成される必要はない。例えば、統合された1つの半導体パッケージ(例えばマイクロコントローラやカスタムIC)によって実現されていてもよい。測定回路1007および判定回路1006の少なくとも一部は、制御回路1090に統合されていてもよい。
図8には、制御回路1090が有する複数の機能ブロックも記載されている。それらの機能ブロックは、送電制御部1091、結果保存部1093、発振制御部1094、タイミング制御部1095である。制御回路1090は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、メモリに格納されたコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現され得る。プロセッサがコンピュータプログラムに記述された命令群を実行することにより、図8に示す各機能ブロックの機能を実現する。あるいは、1つの半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアによって同様の機能が実現されてもよい。制御回路1090の少なくとも一部と異物検出回路1004の少なくとも一部とが、1つの半導体パッケージによって実現されていてもよい。
送電制御部1091は、送電に関する制御を行う。送電回路1000は、インバータ回路1001を用いた送電モードと、異物検出回路1004を用いた異物検出モードとを交互に切り替えながら動作する。送電制御部1091は、送電モードにおいて、インバータ回路1001における各スイッチング素子に所定の周波数のゲートパルスを入力する。これにより、インバータ回路1001から出力される交流電圧を制御する。本実施形態における送電周波数は、例えば100kHz〜200kHzの範囲内の値に設定され得る。送電周波数は、この範囲外の値に設定されてもよい。
発振制御部1094は、異物検出モードにおいて、発振回路1003を駆動する。後に詳しく説明するように、発振制御部1094は、受電共振器1010bの共振周波数frよりも低い第1の周波数f1、および共振周波数frよりも高い第2の周波数f2で発振回路1003を発振させる。発振回路1003が図9に示す構成を有している場合、周波数f1、f2の切り替えは、スイッチS3の導通状態を切り替えることによって行われる。周波数frは、例えば約1000kHzに設定され得る。周波数f1は、例えば400kHz〜800kHzの範囲内の値に設定され得る。周波数f2は、例えば1200kHz〜1500kHzの範囲内の値に設定され得る。周波数fr、f1、f2は、この例に限定されず、f1<fr<f2を満足していればよい。本実施形態では、frは送電周波数よりも高いが、送電周波数以下に設定されていてもよい。
タイミング制御部1095は、送電のタイミングと異物検出のための処理を行うタイミングとを制御する。充電中に異物検出を定期的に行うように送電回路1090内の各部を制御する。タイミング制御部1095は、送電処理が所定の時間(例えば数秒〜数十秒)継続した後、送電を停止し、異物検出のための処理を開始する。異物検出処理に含まれる一部の処理が完了すると、送電処理を再開する。1回の送電処理を停止し、次の送電処理を開始するまでの時間(即ち、異物検知期間)は、例えば、数m秒から数十m秒程度に抑えられる。このような制御により、送電を長時間中断することなく、異物検出を行うことができる。
1回の異物検知期間の長さ(即ち、一連の複数の処理を分割した各処理を実行させる分割期間)は、例えば受電装置に設定された遅延期間の長さよりも短い値に設定される。遅延期間の長さは、前述のように、送電の停止から、送電の停止を受電装置の通知部(例えば、ランプなどのインジケータ)を用いて通知するまでの期間である。この長さは、固定値でもよいし、受電装置の機種に応じて変更してもよい。例えば、受電回路1005は、送電の停止から、送電の停止を受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間を示す情報を受電装置から受信してもよい。そのような構成では、一連の複数の処理を分割した各処理が実行される分割期間は、受信された上記情報が示す遅延期間よりも短く設定され得る。
タイミング制御部1095は、さらに、受信回路1005がフィードバック信号のパケットの受信を完了したタイミングで異物検出を開始するように異物検出回路1004を制御する。これにより、パケット受信中に異物検出動作を開始することによってパケットを喪失することを回避できる。
図10は、充電タイミングと異物検知タイミングとパケット受信タイミングとを模式的に示す図である。図10(a)はタイミング制御が行われない場合の例を示している。図10(b)はタイミング制御が行われる場合の例を示している。充電動作中、送電回路1000は、受電回路1020から不定期で送られてくるフィードバック信号のパケットを受信している。図10(a)に示すように、パケット受信のタイミングと異物検知のタイミングとが重なると、正常にパケットを受信できなくなる恐れがある。これは、負荷変調方式によるパケットの送受信においては、送電される電力の波形に含まれる信号成分を読み取ることによってパケットを受信することに起因する。送電の停止に伴い、伝送される電力が急激に変化すると、電力そのものの変化に比べて信号成分の変化が小さくなるため、検出が困難になる。
本実施形態では、上記の問題を回避するため、タイミング制御部1095が異物検出のタイミングを制御する。具体的には、タイミング制御部1095は、パケット受信中には異物検出を行わないように各部を制御する。例えば、図10(b)に示すように、パケットの受信のタイミングと送電停止のタイミングとが重なったとき、充電期間を延長することにより、異物検出の開始を遅らせることができる。このような制御を行った場合、パケットの受信を完了したタイミングで異物検出に移行するようにすればよい。
以上のように、本実施形態における異物検出処理は、電圧やインダクタンス、周波数などの物理量の変化を測定する処理(測定処理)と、測定した物理量に基づく演算(算出)を行う処理(算出処理)と、算出された値によって異物の有無を判断する処理(判断処理)とを含む。これらの一連の複数の処理を複数の異物検知期間に分割して実行することにより、一回あたりの処理時間を短くすることができる。
次に、本実施形態における異物検出処理の例を説明する。
<異物検出1:結合係数>
本実施形態では、検出共振器1011と受電共振器1010bとの結合係数を求め、その値に基づいて異物を検出することができる。
図11は、本実施形態における異物検出に使用される結合係数推定方法の動作原理を説明するための図である。検出コイルL1(インダクタンス値もL1と表す。)と周波数frで共振する受電コイルL2(インダクタンス値もL2と表す。)とが結合係数kで電磁的に結合しているとする。このとき、検出コイルから見た入力インダクタンスLinは、次式で求められる。
Lin(f)=L1{1−k2/(1−(fr/f)2)} ・・・式1
図11は、式1を模式的に示すグラフである。
周波数f<<frにおいて、受電共振器1010bの両端は実質的に開放されているように見える。frよりも低い第1の周波数f1で測定した入力インダクタンス値をLin(f1)とする。一方、周波数f>>frにおいて受電共振器1010aにおける並列コンデンサの両端は実質的に短絡しているように見える。frよりも高い第2の周波数f2で測定した入力インダクタンス値をLin(f2)とする。
f1、f2の大きさが適切に設定されると、式1から以下の近似式が得られる。
Lin(f1)≒L1
Lin(f2)≒L1(1−k2
これらの2つの近似式から、以下の式2が得られる。
2≒1−Lin(f2)/Lin(f1) ・・・式2
この式2によれば、測定値であるLin(f1)およびLin(f2)の比に基づいて結合係数kを算出することができる。ただし、式2は、受電コイル端を完全に開放にした場合の入力インダクタンクスLin_open(f)と受電コイル端を完全に短絡にした場合の入力インダクタンクスLin_short(f)との間に以下の式3、4の関係が成立する特殊な条件に基づく。
Lin_open(f1)=Lin_open(f2) ・・・式3
Lin_short(f1)=Lin_short(f2) ・・・式4
逆に言えば、式3、4が成立する適切な周波数f1とf2とを選定したうえで無線電力伝送システムを設計すれば、式2が成立し、結合係数kの推定が可能となる。通常、これらの周波数f1、f2は、共振器の寸法が波長に比べて十分小さいとみなせる周波数範囲に設定すれば実用上問題ない。
なお、自励式の発振回路を用いると、入力インダクタンスの変化を発振周波数の変化に直接変換することができる。すなわち、入力インダクタンスは発振周波数の2乗の逆数で決まるため、結合係数kは次式で書き換えることもできる。
2≒1−f12/f22 ・・・式5
実用上は回路の線形・非線形要素などを含むため、式2、式5は補正が必要であるが、原理的にはこれらの式から結合係数kが推定可能である(補正例の詳細は図12を参照しながら後述する)。
以上のことから、f1とf2の各周波数で発振する動作を連続的に切り替えながら2つの周波数における入力インダクタンス値または発振周波数を測定すれば、測定結果から結合係数kを推定できる。結合係数kは送受電コイル間の異物による磁界の遮蔽状態に応じて変化する。したがって、例えば、推定した結合係数kが所定の閾値以下になった場合、受電コイルと送電コイルとの間に異物が存在すると判断することができる。
続いて、上述した原理に基づく異物検出を実現するための実施例を説明する。
図12は、本実施形態における送電装置100および受電装置200の具体的な回路構成例を示す図である。この例では、負荷1040は二次電池であり、測定回路1006と判定回路1007とがマイクロコントローラ(マイコン)によって実現されている。送電装置100には、異物検出結果を使用者に通知する表示素子1070が搭載されている。表示素子1070は、例えばLED光源や、ディスプレイであり得る。図12に示す例では、送電共振器1010aが検出共振器1011の機能も兼ねている。このように、送電共振器と検出共振器とは、同じ共振器であってもよい。送電装置100は、発振回路1003と送電共振器1010aとの接続状態を切り替えるスイッチ1002を備えている。
送電共振器1010aは、送電コイルL1と、送電コイルL1に直列に接続されたコンデンサC1とを有している。受電共振器1010bは、受電コイルL2と、受電コイルL2に並列に接続されたコンデンサC2pと、受電コイルL2に直列に接続されたコンデンサC2sとを有している。
この例では、送電コイルL1の外径は39mm、インダクタンスはL1=13.6μHに設定されている。受電コイルL2の外径は34mm、インダクタンスはL2=15.8μHに設定されている。直列コンデンサC1の容量は180nF、直列コンデンサC2sおよび並列コンデンサC2pの容量は、それぞれ、C2s=120nF、C2p=1590pFに設定されている。送電コイルL1は100kHzで共振し、受電コイルL2は、115kHzと1000kHzとで共振する。
送電コイルL1はスイッチS1、S2を含む切替スイッチ1002を介して発振回路1003に接続されている。この切替スイッチ1002は、送電期間において、送電コイルL1と発振回路1003とを電気的に遮断する。異物検知期間においては、送電コイルL1と発振回路1003とを電気的に接続する。異物検知期間においては、インバータ回路1001は停止される。
本実施例における発振回路1003は、自励式のLC発振回路として機能するピアス発振回路である。発振回路1003が有する抵抗Rfと抵抗Rdは、回路の励振レベルを調整する素子である。発振回路1003は、さらに、発振周波数を変更するための調整インダクタLmとスイッチS3を備えている。受電コイルの共振周波数fr=115kHz,fr=1000kHzとは異なる2つの周波数、f1=400kHz(S1とS2オン、S3オフ)、f2=1500kHz(S1とS2オン、S3オン)で発振するようにLmおよびC11、C12の値が決定されている。C1およびC2sはf1、f2において短絡に見え、C2pはf1では開放、f2では短絡に見える。このため、結合係数の推定に係る主となるコンデンサはC2pであると考えてよい。なお、この回路構成例における結合係数の推定式は、式5を補正した次式(式6)である。
k2≒1−f12/(f22−f32)・・・式6
発振周波数f3はS1とS2をオフ、S3をオンにした場合の発振周波数である。すなわち、周波数f3を測定することは、調整インダクタLmのインダクタンス値を測定していることと等価である。送電コイルL1が周波数f2で発振しているとき、その発振周波数には、送電コイルL1の入力インダクタンス値に基づく成分と、調整インダクタLmのインダクタンス値に基づく成分とが含まれている。このため、式6では、第2項の分母において調整インダクタLmの影響を取り除いた上で結合係数が算出される。このように、測定回路1006は、式5の代わりに式5に基づく補正式6によって算出される結合係数kに基づいて 異物を検出してもよい。なお、自励式のLC発振回路は、前述の通り種々の回路トポロジが存在するため、補正式は式6に限定されない。例えば、図12のコンデンサC11、C12を異なるコンデンサに切替えることによって発振周波数を変更することができる。その場合には、補正式は式6とは異なる。上記と異なる回路トポロジを採用したとしても、式5の補正式の導出は容易である。同様に、式2を用いる場合も、回路トポロジに応じて式2を補正した補正式を用いて結合係数kを算出してもよい。なお、上記の各パラメータの値は一例であり、上記とは異なる値に設定されていてもよい。重要な点は、受電共振器1010bのインピーダンスz2=1/jωC2pが、周波数f1では相対的に大きく、周波数f2では相対的に小さくなる点である。ここで、jは虚数単位、ωは角周波数であり、ω=2π×周波数の関係が成立する。
続いて、図13のフローチャートを参照しながら、結合係数に基づく異物検出処理の流れを説明する。
まず、制御回路1090が検出共振器1011に対する受電共振器1010bの接近を感知すると、異物検出モードを開始する。本実施形態における、この「接近」の感知は、上述した異物検出の動作原理に基づくものではない。「接近」の感知は、例えば、発振周波数や電圧の変化を検出することによって実行され得る。受電共振器1010bが検出共振器1011に接近すると、受電共振器1010bの内部の金属(基板のグランドやコイルなど)の影響で発振周波数が増加したり、発振回路1003から出力される電圧の振幅が低下したりする場合がある。また、受電共振器1010bにおける受電コイルL2が周辺回路への電磁ノイズの影響を低減するための電磁シールド(磁性体)を備えている場合、受電共振器1010bの接近に伴い、発振周波数が低下する場合もある。したがって、発振周波数や電圧の変化を検出することにより、受電共振器1010bの接近を感知することができる。発振制御部1094および発振回路1003は、例えば1m秒〜数秒に1回だけ数周期分の交流を発振する断続的発振(間欠動作)を行い、受電コイルL2の接近を感知した場合にのみ連続動作に切替えるように構成され得る。このような間欠動作を行うことにより、消費電力の増加を抑えながら、受電コイルL2の接近を感知することができる。この間欠動作における発振回路1003の動作周波数は任意の周波数であってよい。
次に、ステップS600において、発振制御部1094は、発振回路1003を周波数f1で動作させる。
ステップS601において、測定回路1006は、所定の時間経過後、入力インダクタンスおよび電圧を測定する。
ステップS602において、発振制御部1094は、発振回路1003を周波数f2で動作させる。
ステップS603において、測定回路1006は、所定の時間経過後、入力インダクタンスおよび電圧を測定する。
ステップS604において、判定回路1007は、この一連の測定結果から結合係数を式2によって算出する。ステップS605において、判定回路1007は、結合係数kと電圧が所定の第一の閾値を超えたか否かを判定する。第一の閾値は例えば0.3〜0.5の範囲内の数値に設定され得る。算出した結合係数kが所定の第一の閾値を超えた場合、受電コイルL2と送電コイルL1との間には異物が存在しないと判断できる。その場合、判定回路1007は、そのことを示す情報を結果保存部1093に保存する。この情報に基づいて、発振制御部1094は、発振回路1003の発振を停止させる(ステップS606)。この際、送電装置または受電装置に搭載された不図示のLED光源などの表示素子を発光させたり、受電装置のディスプレイに送電を開始する旨を表示したりしてもよい。これにより、コイル間に異物が存在せず安全に充電できることを使用者に知らせることができる。
この後、送電制御部1091は、インバータ回路1090を駆動し、無線電力伝送を開始する。なお、無線電力伝送の開始は、発振回路1003の発振を停止させた直後ではなく、例えば使用者が受電装置を送電装置の上に置くなどして周波数の変動が停止したことを確認してから行われてもよい。
一方、ステップS605において、結合係数kが所定の第一の閾値を超えない場合、表示素子を点滅させたり、表示素子に異物が存在する旨を表示したりしてもよい。これにより、コイル間に異物が存在しており、送電すると危険であることを使用者に知らせることができる。
なお、ここでは結合係数kを式2により算出したが、式5により算出してもよい。また、前述のように、式2または式5の補正式によって結合係数kを算出してもよい。
以上の動作により、検出コイルL1および受電コイルL2の近傍の異物を検出し、検出結果を示す情報を出力することができる。これにより、ユーザは安全に送電できるのか否かを知ることができる。
なお、本実施形態における動作は図13に示す動作に限定されない。例えば、ステップS605における判定処理を所定の結合係数kを超えたか否かという絶対量で評価するだけでなく、結合係数kの時間的な変化量が十分小さくなったか否かによって検出しても良い。また、結合係数kだけでなく、他の物理量に基づいて異物の検出を行ってもよい。
<異物検出2:入力インダクタンスおよび電圧>
異物の検出は、検出コイルの入力インダクタンスまたは振回路1003から出力される電圧に基づいて行うことも可能である。以下、このような異物検出処理の例を説明する。
図14は、この例における異物検出処理を示すフローチャートである。この例では、異物検知判定回路1008は、3段階の異なる処理によって異物を検出する。ここでは、測定される物理量(パラメータ)として、検出共振器1011の入力インダクタンス、周波数f1における発振回路1003の出力電圧、および周波数f2における発振回路1003の出力電圧が選択されている。異物検知判定回路1008は、それぞれが所定の閾値以下であるか否かを判定する。これにより、異物の特性や位置によらずに高い精度で異物を検出することができる。
以下、本実施形態における3段階のステップ(Step1〜3)の詳細を説明する。
<Step1>
磁界を遮蔽する金属が送受電コイル間に存在するとき、金属表面にコイルと逆相の電流が流れるため、コイルの入力インダクタンスが低下する。したがって、コイルの入力インダクタンスが所定の閾値以下になれば異物があると判定できる。ただし、検出・受電コイルの組みあわせによって結合係数は異なるため、インダクタンスの低下量は様々である。よって、インダクタンスの閾値Lthを、結合係数kの関数とすることにより、異なる組合せのコイル対においても、コイル間の異物を検出することができる。図14に示す例では、コイルの入力インダクタンスが所定の閾値以下である場合には、磁界を遮蔽しやすい異物(例えばリング状の金属異物)が存在すると判定される。逆に、コイルの入力インダクタンスが所定の閾値を超える場合には、そのような異物が存在しないと判定される。
<Step2、3>
磁界を遮蔽しにくい金属(例えば、鉄など)が送受電コイル間に存在する時は、磁界が異物を通過するため結合係数が低下しにくいため、前述の方法では検知しにくい。ただし、このような異物では磁界が異物を通過する際に渦電流が発生し、コイル端に電圧降下が生じる。このため、発振波形(電圧)の振幅が低下する。したがって、コイル端の電圧の振幅が所定の閾値以下になれば異物が存在すると判定できる。ただし、検出・受電コイルの組みあわせによって結合係数が異なるため、電圧の低下量は様々である。よって、電圧の閾値Vthは、結合係数kの関数とするか、インダクタンスLin(もしくは発振周波数f)の関数とする。これにより、異なる組合せのコイル対においても、コイル間の異物を検出することができる。
Step2では、判定回路1007は、共振周波数frよりも小さい周波数f1で発振回路1003が発振しているときのコイル端の電圧が所定の閾値以下であるか否かを判定する。共振器対が共振周波数frよりも低い周波数で結合しているときには、送電・受電コイル間の中心付近の磁束が密になる(奇モード)。したがって、この場合には、送電・受電コイル間の中心付近に存在する異物の検知感度が高くなる。このため、Step2では、磁界を遮蔽しにくい鉄などの金属異物が送電・受電コイル間の中心付近に存在するか否かを検出できる。
Step3では、判定回路1007は、共振周波数frよりも大きい周波数f2で発振回路が発振しているときのコイル端の電圧が所定の閾値以下であるか否かを判定する。共振器対が共振周波数frよりも高い周波数で結合しているときには、送電・受電コイル間の中心から離れた周辺領域の磁束が密になる(偶モード)。したがって、この場合には、送電・受電コイル間の中心から離れた周辺領域に存在する異物の検知感度が高くなる。このため、Step3では、磁界を遮蔽しにくい鉄などの金属異物が送電・受電コイル間の中心から離れた周辺領域に存在するか否かを検出できる。
この例では、Step1〜Step3の順で実行されるが、これらのステップの順序を入れ替えてもよい。また、これらのステップの一部のみを実行するようにしてもよい。
<閾値の設定方法について>
次に、閾値の決定についての考え方を説明する。
上記の例のように複数のパラメータに基づいて異物の有無を判定する場合、図15〜図16に例示するように種々の閾値の設定方法がある。パラメータは、上述のように、インダクタンス、抵抗、コイルのQ値、またはそれらを変換して得られる周波数や電圧値などを含む。それらの中から2つのパラメータP1、P2を選択した場合における閾値の設定例を以下に説明する。
図15は、パラメータP2の閾値がパラメータP1の一次関数である場合の例を示す図である。この場合、判定処理が簡単であり、演算負荷を軽減できるという効果がある。また、図16に示すように、パラメータP2の閾値を、P1がある値に達するまでは一定値にし、P1がその値を超えた場合にはP2の閾値をP1の一次関数にしてもよい。あるいは、P2の閾値がP1の範囲によって異なる一次関数になるようにしてもよい。このように閾値を直線的に多段階に設定することで、演算負荷を軽くしつつ、異物の検出精度を高めることができる。図17に示すように、パラメータP1とP2のそれぞれに独立に閾値を設定してもよい。このようにすることで、さらに判定を簡単にすることができる。あるいは、図18に示すように、異物が存在する場合および異物が存在しない場合のそれぞれにおけるパラメータP1とP2の値の組み合わせを制御回路のメモリ内にテーブル値として予め保持しておく方法も考えられる。この方法では、メモリ使用量が増大するが、異物の有無を確実に判定できるというメリットがある。
次に、本実施形態における異物検出処理の分割の例を説明する。前述のように、本実施形態における異物検知判定回路1008は、複数のステップを含む異物検出処理を実行することによって検出共振器1011の付近の異物を検出する。この複数のステップは、例えば、前述の入力インダクタンスや電圧、周波数などの物理量を測定するステップと、測定した物理量に基づく演算によって結合係数などの他の物理量を算出するステップと、これらの物理量と所定の閾値とを比較して異物の有無を判定するステップとを含み得る。異なる複数の物理量の測定または演算は、複数のステップに分けて行われてもよい。異物検知判定回路1008は、1回の送電処理の前後で、異物検出処理に含まれる異なるステップを実行する。
<処理分割例1:異物の種類によって分割>
図19は、処理分割の第1の例を説明するための図である。この例では、検出対象の異物の種類によって処理が分割される。ここでは、アルミニウム製の異物(アルミ異物)と、鉄製の異物(鉄異物)とが、異なるタイミングで検出される場合を想定する。なお、異物の種類はこの例に限られない。
図19(a)は、アルミ異物と鉄異物とがまとめて検知される場合の例を示している。図19(b)は、アルミ異物の検知と鉄異物の検知とが分割された例を示している。図19(a)に示すように、アルミ異物と鉄異物とを一括して検出する場合には、処理に多くの時間を要してしまう。これに対し、図19(b)に示すように、アルミ異物の検出処理と鉄異物の検出処理とを分割した場合には、個々の処理時間が、一括で処理する場合よりも短くなる。
図20Aは、受電コイル(φ22mm〜40mm)を備えた評価用端末7機種と、送電コイル(φ43mm)とを用いて、アルミ異物がある場合とない場合のそれぞれについて、結合係数と入力インダクタンス値とを測定した結果を示す図である。評価端末7機種の受電コイルは並列コンデンサに接続され、受電コイルと並列コンデンサとにより決まる共振周波数frは1000kHzに設定されている。発振回路は、自励式のピアス発振回路とした。ここでは、評価用のアルミ異物として、磁界を遮蔽するアルミニウム製のリング(φ22mm)を選定した。
図20Aに示すように、アルミ異物がある場合には、結合係数の一次関数である閾値T0よりもインダクタンスが小さくなる。したがって、アルミ異物は、結合係数とインダクタンスとに基づいて判別できる。
図20Bは、上記と同じ条件で、鉄異物がある場合とない場合のそれぞれについて、結合係数とコイル端電圧を測定した結果を示す図である。ここでは、評価用の鉄異物として、磁界を遮蔽しにくい鉄ディスク(φ15mm)を選定した。異物がある場合については、送電コイルの中央からの鉄ディスクのオフセット位置を0mm、5mm、10mm、15mmの4種類に設定した。
図20Bに示すように、鉄異物がある場合には、コイル端電圧が閾値T1、T2のいずれかよりも小さくなる。したがって、鉄異物は、結合係数と電圧とに基づいて判別できる。
このように、検出対象の異物の種類によって判定に必要とする物理量が異なる。このため、複数の異物を検出するためには、必要な物理量が多くなり、処理に多くの時間を要する。本実施形態では、対象の異物ごとに検出処理を分割することにより、一回の処理で測定される物理量が減少する。このため、処理時間が短くなる。
なお、アルミおよび鉄の両方の検出に必要な結合係数については、一方の検出の際に求めた値を、他方の検出の際に利用してもよい。例えば、アルミ検出処理のために取得した結合係数の値を結果保存部1093に保存しておき、鉄異物を検出する際には電圧のみを測定して異物の有無を判断してもよい。これにより、鉄異物を検出する際の処理時間を短縮することが出来る。
このように、本実施形態によれば、送電周波数とは異なる周波数で動作する発振回路を用いて、充電中にも高い精度で異物を検出できると同時に、一度の検出処理に要する時間を短縮することができる。このため、充電の中断時間を抑えることができる。
<処理分割例2:周波数によって分割>
次に、処理分割の第2の例を説明する。この例では、異物検出に用いる複数の周波数ごとに処理を分割させる。複数の周波数は、例えば、上述の説明における周波数f1およびf2であり得る。
図21(a)は、周波数f1での処理と周波数f2での処理とを連続で行っている例を示している。図21(b)は、周波数f1での処理と周波数f2での処理とを分割した例を示している。上述のように、発振回路1003を2つの周波数f1、f2で動作させ、それぞれの周波数で発振している状態における検出コイルの入力インダクタンスの比に基づいて結合係数を推定することができる。しかし、2つの周波数を用いた処理を一括で行うためには、発振回路1003の発振周波数を途中で切り替える必要があるため、パラレルに処理できない。これらの処理をシリアルに処理するため、多くの時間を要してしまう。そこで、図21(b)に示すように、周波数ごとに処理を分離することにより、一括で処理するよりも充電の中断時間を短くすることができる。
この例では、測定回路1006は、発振回路1003が周波数f1で発振しているときの測定結果を結果保存部1093に保存しておく。判定回路1007は、発振回路1003が周波数f2で発振しているときの測定結果が得られた時点で、結果保存部1093に保存された結果を読み出す。判定回路1007は、双方の結果を用いて演算することにより、結合係数を算出する。この結合係数は、上述のアルミ異物や鉄異物の検出に利用することができる。
なお、この例では、周波数f1での測定処理が終わった時点では演算が行われないが、この例に限定されない。周波数f1での測定処理が完了したときに、前回測定された周波数f2での測定結果を結果保存部1093から読み出して結合係数を計算してもよい。これにより、周波数f2での物理量を測定する時間を短縮することができる。
<処理分割例3:同じ物理量を複数回測定>
次に、処理分割の第3の例を説明する。この例では、検出精度を向上させるため、同じ処理を複数回行う異物検出の処理を分割させる。
図22は、本分割例を説明するための図である。図22(a)は、1つの物理量の測定処理Aを2回連続で行っている例を示している。図22(b)は、測定処理Aを1回ずつに分割した例を示している。測定処理Aは、例えば、上記の説明における電圧、入力インダクタンス、周波数などの物理量の1つを測定する処理を表す。この例では、測定処理Aが2回行われるが、これに限らず、精度が確保できるまで3回以上繰り返してもよい。測定処理Aを複数回行い、測定結果の平均値をとることで、測定結果の精度が向上する。しかし、精度を向上させるために繰り返し回数を増やすと、その分停止時間が長くなる。そこで、図22(b)に示すように測定処理を分割すれば、検出の精度を確保しながら、1回当たりの処理時間を短くすることができる。その結果、1回あたりの送電の中断時間を短くすることができる。
処理の分割の方法はこれに限らず、様々な態様が考えられる。測定処理および演算処理を複数のステップに分割し、それらの途中の結果を結果保存部1093に保存しておけば、異物の有無の判定に必要な物理量が揃ったときにそれらを呼び出して判定することができる。
<処理分割例4:頻度を変える>
次に、処理分割の第4の例を説明する。この例では、異物検出回路1004は、測定処理Aと測定処理Bとを行うことによって異物検出を行う際に、これらの処理に要する時間に応じて処理の頻度を変える。測定処理A、Bは、例えば、上述した説明における異なる2つの物理量を測定する処理であり得る。ここでは、測定処理Aに要する時間は、測定処理Bに要する時間よりも短いとする。
図23(a)は、処理Aと処理Bとを交互に実行する例を示している。図23(b)は、処理時間の長い処理Bの頻度を低くし、処理時間の短い処理Aの頻度を高くした例を示している。図23(b)に示すように、処理時間の短い処理Aの頻度を高くすることにより、充電の中断時間をさらに低減させることができる。
この例では、測定回路1006は、測定処理A、Bの後、測定結果をメモリ1093に保存する。判定回路1007は、測定処理Aの後、前回の測定処理Bの結果をメモリ1093から呼び出して演算処理を行い、異物の有無を判定する。測定処理Bの後は、前回の測定処理Aの結果をメモリ1093から呼び出して演算処理を行い、異物の有無を判定する。
以上の処理により、全体の充電時間に対する異物検知時間を短くすることが出来る。なお、測定処理Aで前回の測定処理Aの結果と異なる結果が得られた場合には、異物がコイル間に混入した可能性が高い。このため、予定されていた次の処理がAであったとしても、処理Bを次に実行してもよい。
<処理分割例5:演算の省略>
次に、処理分割の第5の例を説明する。この例では、異物検出処理が、測定対象の物理量ごとに測定処理と演算処理とに分割されている。異物検出回路1004は、物理量の測定結果が前回の結果と同じである場合、演算処理を省略し、前回と同じ判定を行う。
図24は、この例における充電処理と異物検出に関する処理との関係を示す図である。この例では、測定処理が処理A、B、Cに分割され、演算処理が処理A’、B’、C’に分割されている。異物判定回路1004は、処理A、A’、B、B’、C、C’をこの順で実行した後、最後に異物の有無を判定する。
演算処理C’の後、最終的に異物がないと判定された場合、引き続き充電が行われる。異物検出回路1004は、次回の測定処理Aの結果が前回の測定処理Aの結果と実質的に変わらなかった場合、演算処理A’を行わず、直ちに異物がないと判断する。これにより、測定処理Aの後の演算処理を省くことができる。異物検出回路1004は、処理B、Cについても同様に、前回の測定結果と実質的に変わらなかった場合には、異物がないと判定する。以上の処理により、充電の中断時間を短くすることができる。
この例では、測定回路1006は、各測定処理が完了したとき、その値をメモリ1093に保存しておく。次回の測定時には、判定回路1007は、メモリ1093に保存された測定値を読み出して両者の値を比較する。判定回路1007は、両者の値の差分が実質的に変わらないと判断した場合に、異物がないと判定する。
図25に示すように、処理Aで測定値に変化がなかった場合には、処理Bおよび処理Cを省略してもよい。この場合、処理Aにおいて測定値に変化があるまでは処理Aのみを行い、変化があった場合に、演算処理A’および他の処理B、B’、C、C’を行って異物の有無を判定すればよい。
<処理分割例6:検知と演算の分割>
次に、処理分割の第6の例を説明する。この例では、測定処理と演算処理とが分離され、演算処理は充電期間中に行われる。測定処理は、電圧、周波数、入力インダクタンスなどの物理量を測定する処理である。演算処理は、測定された物理量に基づく演算によって異物の有無を判定する処理である。
図26(a)は、充電が中断している間に測定処理と演算処理とを連続して行う例を示している。図26(b)は、演算処理を次の充電期間中に行う例を示している。この例では、図26(b)に示すように、充電中に演算処理が行われるため、測定処理を行う時間だけ送電を停止すればよい。このため、1回の充電中断時間を短縮することができる。結果として、全充電期間に対して充電されている時間の割合が向上する。
以上のように、本実施形態における処理分割の例を説明したが、処理分割方法は上記の例に限定されない。例えば、結合係数kを用いない場合、複数の周波数に分けて処理する必要はない。本開示では、送電共振器への異物の接近に応じて変化する物理量に基づいて異物検出処理を行う際に、その異物検出処理に含まれる一連の複数の処理を複数の異物検知期間で分割して行う限り、特定の方法に限定されない。
(実施形態2)
次に、第2の実施形態を説明する。本実施形態は、異物を検出するための検出共振器(第3共振器)1011と送電共振器1010a(第2共振器)とが同一の共振器である点で実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
図27は、本実施形態における無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。図28は、図27における制御回路1090および異物検出回路1004の詳細な構成を示す図である。この無線電力伝送システムでは、送電共振器1010aが、異物1050を検出するための検出共振器1011の機能を兼ねている。送電回路1000は、切替スイッチ1002をさらに備えている。切替スイッチ1002は、送電共振器1010aに接続される回路を切り替える。
図29は、切替スイッチ1002の構成例を示す図である。切替スイッチ1002は、インバータ回路1001と送電共振器1010aとが導通した状態と、発振回路1003と送電共振器1010aとが導通した状態とを切り替える。この切り替えは、制御回路1090内の切替スイッチ制御部1092によって行われる。
送電期間において、切替スイッチ制御部1092は、インバータ回路1001と送電共振器1010aとを電気的に接続する。異物検知期間において、切替スイッチ制御部1092は、発振回路1003と送電コイル1010aとを電気的に接続する。これにより、実施形態1と同様、送電と異物検知とを交互に実行することができる。
本実施形態においても、実施形態1と同様の分割処理を適用できる。例えば、測定回路1006が送電共振器1010aの入力インピーダンスに応じて変化する物理量を測定する処理、および判定回路1007が行う算出処理および判断処理を、複数のステップに分割して送電が中断している間に行うことができる。異物検出処理を複数のステップに分割して実行することにより、異物検出の頻度が高まるので、安全性が向上する。
(実施例)
以下、本開示の実施例を説明する。本実施例では、図14を参照しながら説明した構成において、複数の評価端末を用いて異物検出の効果を検証した。本実施例では、実施形態2と同様、送電共振器と検出共振器とが同じ共振器である構成を採用した。
図30〜32は、送電コイル(φ43mm)とは異なる寸法の受電コイル(φ22mm〜40mm)を備えた評価用端末7機種を用いて、異物の有無を判断した検出結果を示す図である。ここでは、図14に示すフローチャートに基づき、異物の有無を判断した。評価端末7機種の受電コイルは並列コンデンサに接続され、受電コイルと並列コンデンサとにより決まる共振周波数frが1000kHzに設定されている。発振回路は、共振周波数frよりも低い第1の周波数f1と、共振周波数frよりも高い第2の周波数f2で発振可能な自励式のピアス発振回路とした。本実施例では、磁界を遮蔽する異物として金属リング(φ22mm)を、磁界を遮蔽しにくい異物として鉄ディスク(φ15mm)を評価用異物として選定した。
初めに、図14のStep1に従い、金属リングの有無を判定した。図30の左側の測定結果を参照すると、結合係数が低くなるほど、インダクタンスが低下する傾向があることがわかる。また、金属リングが送受電コイル間に存在すると、インダクタンスがさらに低下する傾向があることがわかる。よって、この違いを踏まえてインダクタンスの閾値T0を設定した。閾値T0は、結合係数を変数とする関数とし、T0以下である場合に異物が存在するものとした。図30の右側の図では、インダクタンスが閾値T0以下になるものは除外されている。図30の判定前(左側の図)と判定後(右側の図)とを比較すると、金属リングが送受電コイル間に存在する場合が確実に除外できていることがわかる。
次に、図14のStep2に従い鉄ディスク(中心付近)の有無を判定した。送電コイルの中央からの鉄ディスクのオフセット位置を0mm、5mm、10mm、15mmの4種類に設定し、周波数はf1(奇モード)に設定して評価した。図31の左側の図の測定結果を参照すると、結合係数が低くなるほど、電圧が低下する傾向があることがわかる。また、鉄ディスクが送受電コイル間に存在する場合には、コイル端電圧がさらに低下する傾向があることがわかる。よって、この違いに基づいてコイル端電圧の閾値T1およびT2を設定した。閾値T1、T2は、結合係数を変数とする関数とし、コイル端電圧がT1以下またはT2以下である場合に異物が存在するものとした。図31の判定前(左側の図)と判定後(右側の図)とを比較すると、オフセットが0mm〜5mmの鉄ディスクが送受電コイル間に存在する場合が確実に除外できていることがわかる。本動作モードは前述の奇モード動作であるため、コイルの中央付近の磁束が密である。よって、オフセット0〜5mmの鉄ディスクが主として検出できている。
最後に、図14のStep3に従い、鉄ディスク(周辺部)の有無を判定する。送電コイルの中央からの鉄ディスクのオフセット位置を0mm、5mm、10mm、15mmの4種類に設定し、周波数はf2(偶モード)に設定して評価した。図32はその結果を示している。ただし、Step2で除外できた異物は図32には図示していない。図32の左側の図の測定結果を参照すると、発振周波数の増加、すなわち、その2乗の逆数であるインダクタンスの低下に伴ってコイル端電圧が低下する傾向があることがわかる。また、鉄ディスクが送受電コイル間に存在する場合、さらに電圧が低下する傾向があることがわかる。よって、この違いに基づいてコイル端電圧の閾値T3を設定した。閾値T3は、発振周波数を変数とする関数とし、コイル端電圧がT3以下である場合に異物が存在するものとした。図32の判定前(左側の図)と判定後(右側の図)とを比較すると、オフセットが10mm〜15mmの鉄ディスクが送受電コイル間に存在する場合が確実に除外できていることがわかる。本動作モードは前述の偶モード動作のため、コイルの内径から外径に至るまでの領域上の磁束が密である。よって、オフセット10〜15mmの鉄ディスクが主として検出できている。
以上のように、Step1〜Step3の手順を実行することで、異なる送受電コイルの組み合わせであったとしても、確実にコイル間の異物を検出できることが確認できた。本実施例の異物判定に用いた測定パラメータ(電圧、周波数、結合係数)は一例であり、他のパラメータを用いても同様の検出が可能である。前述の共振周波数frよりも低い周波数f1と、共振周波数frよりも高い周波数f2における検出用共振器の入力インピーダンス、あるいはそれから算出される2次パラメータ、あるいはそれらの組み合わせによって算出される3次パラメータに基づいて異物の有無を判定することも可能である。これらのパラメータと閾値の選定にあたっては、本開示における異物検知判定回路を備えた送電装置および受電装置の適用アプリケーションに応じて適切に変更され得る。
この実施例では、図14に示される3つのステップを連続して行ったものとして説明したが、実際には、実施形態1において説明したタイミング制御が行われ得る。例えば、図24に示すタイミング制御を適用する場合、Step1における測定処理および演算(判断)処理をそれぞれA、A’とし、Step2における測定処理および演算処理をそれぞれB、B’とし、Step3における測定処理および演算処理をそれぞれC、C’とすればよい。この例に限らず、図19、21、22、23、25、26を参照して説明したタイミング制御を適用してもよい。あるいは、これらのタイミング制御を複数組み合わせて用いてもよい。
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の送電装置および無線電力伝送システムを含む。
[項目1]
第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
前記第1交流電力より小さい前記第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備し、
前記送電制御回路は、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、
前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、異物が存在するか否かを判断させる、
送電装置。
上記態様によると、
前記送電制御回路は、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、
前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、異物が存在するか否かを判断させる。
このことにより、1回の前記異物検知期間の長さを短く(即ち、送電停止時間を短く)することができ、送電を行っている送電時間に対する異物検知を行う時間の割合を小さくすることができる。よって、送電効率が低下することを防止することができる。また、1回の前記異物検知期間の長さを短く(送電停止時間を短く)することができ、例えば、送電停止から、上記送電停止を受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間の長さより、短くすることができる。このため、受電装置において充電中であることを表すランプの点灯を維持することができる。
そして、前記一連の複数の処理の中の分割された各処理の全ての処理を実行させて、前記異物検知判定回路に異物が存在するか否かを判断させることにより、精度の高い異物検知を行うことができる。
[項目2]
前記一連の複数の処理を分割した各処理を実行させる分割期間は、送電の停止から、前記送電の停止を前記受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間より短い、
項目1に記載の送電装置。
上記態様によると、
送電の停止を前記受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間の長さより、送電を停止している送電停止時間を短くすることができる。よって、充電中を示す通知部(ランプなど)の点灯を連続して維持することができる。
[項目3]
前記一連の複数の処理は、前記変化後の物理量と所定の基準値との差分が予め設定された閾値よりも大きいとき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在すると判断する判断処理を含む、
項目1または2に記載の送電装置。
上記態様によると、
前記測定された物理量から算出した値に基づき、前記異物が存在するか否かを判断する処理がないので、前記異物検知期間を短くすることができる。
[項目4]
前記一連の複数の処理は、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量を測定する測定処理と、
前記測定された物理量から算出した値に基づき、前記異物が存在するか否かを判断する判断処理と、を含む、
項目1または2に記載の送電装置。
上記態様によると、
測定処理と、判断処理とを分けることで、前記異物検知期間において、送電を停止している送電停止時間を短くして、送電効率が低下することを防止しつつ、送電開始後も精度の高い異物検知を実現できる。
[項目5]
前記一連の複数の処理は、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量を測定する2種以上の測定処理と、
前記2種以上の測定処理の各々で測定された物理量から算出された値に基づいて、前記異物が存在するか否かを判断する判断処理と、を含む、
項目1または2に記載の送電装置。
上記態様によると、
高い精度で異物を検知することができる。
[項目6]
前記2種以上の測定処理は、前記第3共振器の共振周波数frより低い第1の周波数f1で前記発振回路が発振しているときに前記異物検知判定回路によって前記物理量を測定する第1種の測定処理と、前記第3共振器の共振周波数frより高い第2の周波数f2で前記発振回路が発振しているときに前記異物検知判定回路によって前記物理量を測定する第2種の測定処理とを含む、
項目5に記載の送電装置。
上記態様によると、
高い精度で異物を検知することができる。
[項目7]
前記一連の複数の処理は、第1の種類の異物に対応した第1の物理量を測定し、前記第1の種類の異物が存在するか否かを判断する第1判断処理と、第2の種類の異物に対応した第2の物理量を測定し、前記第2の種類の異物が存在するか否かを判断する第2判断処理とを含み、前記送電制御回路は、前記第1判断処理と前記第2判断処理との間に前記第1交流電力の送電を前記インバータに実行させる、
項目1または2に記載の送電装置。
上記態様によると、
前記第1の種類の異物と前記第2の種類の異物とを高い精度で検知することができる。
[項目8]
前記第1共振器および前記第3共振器は、同一の共振器であり、
前記送電制御回路の制御により、前記インバータ回路と前記同一の共振器との電気的接続と、前記発振回路と前記同一の共振器との電気的接続とを切り替えるスイッチを備え、
前記送電制御回路は、
前記分割された一連の複数の処理の中の第1処理を終えて前記第1交流電力の送電を再開するとき、前記スイッチを制御して、前記発振回路と前記同一の共振器との電気的接続から前記インバータ回路と前記同一の共振器との電気的接続に切り替え、
前記第1交流電力の送電を中断して前記第1処理の次の第2処理を開始するとき、前記スイッチを制御して、前記インバータ回路と前記同一の共振器との電気的接続から前記発振回路と前記同一の共振器との電気的接続に切り替える、
項目1から7のいずれか1項に記載の送電装置。
上記態様によると、
前記第1共振器および前記第3共振器を同一の共振器で行うことにより、部品点数の削減、コスト削減を行うことができる。
[項目9]
前記第3共振器における物理量は、前記第3共振器に印加される電圧、前記第3共振器に流れる電流、前記第3共振器に印加される前記電圧の周波数、前記第3共振器の入力インピ−ダンス値、又は、前記第3共振器の入力インダクタンス値である、
項目1から8のいずれか1項に記載の送電装置。
上記態様によると、
前記物理量を測定することで、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを容易に判断できる。
[項目10]
前記第1共振器は、コイル及びキャパシタを含む並列共振回路を有し、
前記第3共振器における物理量が前記第3共振器の入力インダクタンスであり、
前記異物検知判定回路は、
前記第1種の測定処理において前記周波数f1で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f1)を測定し、前記第2種の測定処理において前記周波数f2で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f2)とを測定し、
前記判断処理において、k2=1−Lin(f2)/Lin(f1)の式によって結合係数kを算出し、前記算出した結合係数kに基づいて異物が存在するか否かを判断する、
項目6に記載の送電装置。
上記態様によると、
2=1−Lin(f2)/Lin(f1)の式によって結合係数kを算出し、前記算出した結合係数kに基づいて異物が存在するか否かを判断する。
Lin(f2)に、前記コイルの両端が短絡している状態の時の前記第3共振器の入力インダクタンス値を用い、Lin(f1)に前記コイルの両端が開放している状態の時の前記第3共振器の入力インダクタンス値を用いると高精度の結合係数kを算出でき、高精度で異物が存在するか否かを判断することができる。
前記コイル及び前記コイルの両端に設けたキャパシタを含む並列共振回路を前記受電装置に設ける。このことにより、前記発振回路で前記第2共振周波数frよりも低い前記周波数f1で駆動すると、前記キャパシタに電流が流れないので、前記コイルの両端が実質的に開放されている状態を作り出せる。また、前記第2共振周波数frよりも高い前記周波数f2で駆動すると、前記キャパシタに電流が流れるので、前記コイルの両端が短絡している状態を作り出せる。
よって、前記コイルの両端にキャパシタを設けるだけで、前記コイルの両端が実質的に開放されている状態と前記コイルの両端が短絡している状態とを作り出すことができる。そのため、通常行われているように、前記コイルの両端に短絡用スイッチを設け、設けた前記短絡用スイッチを制御する制御回路を前記受電装置に設ける必要はない。よって、通常行われているような、前記送電装置から信号を送って前記短絡用スイッチを制御するという煩わしさをなくすことができる。その結果、精度の高い前記結合係数を用いて異物検知を行うので、コスト増を招くことなく、簡易な構成で前記負荷が変動しても高精度で異物検知を行うことができる。
[項目11]
前記第1共振器は、コイル及びキャパシタを含む並列共振回路を有し、
前記第3共振器における物理量が前記第3共振器の入力インダクタンスであり、
前記異物検知判定回路は、
前記第1種の測定処理において前記周波数f1で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f1)を測定し、前記第2種の測定処理において前記周波数f2で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f2)を測定し、
前記判断処理において、前記Lin(f1)と前記Lin(f2)との比を算出し、前記算出した比に基づいて異物が存在するか否かを判断する、
項目6に記載の送電装置。
「前記入力インダクタンス値Lin(f1)と前記入力インダクタンス値Lin(f2)との比に基づいて」の意味について説明する。
前記結合係数kを算出する式1[k2=1−Lin(f2)/Lin(f1)]は、
式2[Lin(f2)/Lin(f1)=1−k2]に変形できる。よって、Lin(f2)/Lin(f1)が決まると、結合係数kを一意的に決めることができる。従って、前記入力インダクタンス値Lin(f1)と前記入力インダクタンス値Lin(f2)との比に基づいて、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断できる。
上記態様によれば、前記式1による結合係数kを算出するには、四則演算以外の平方根の算出処理が求められる。一方、前記入力インダクタンス値Lin(f1)と前記入力インダクタンス値Lin(f2)の比は単純な除算であるので、処理の負荷も軽減でき、算出スピ−ドを速くすることができる。
また、上記態様と同様に、前記コイルの両端に短絡用スイッチを設ける必要はなく、前記送電装置から信号を送って前記短絡用スイッチを制御する煩わしさをなくすことができる。
[項目12]
前記第1共振器は、コイル及びキャパシタを含む並列共振回路を有し、
前記発振回路は、自励式の発振回路であり、かつ、前記第3共振器における物理量が前記第3共振器に印加される電圧の周波数であり、前記発振回路の発振周波数の2乗は前記第3共振器の入力インダクタンス値に反比例し、
前記異物検知判定回路は、
前記第1種の測定処理において前記発振回路が発振しているときの前記第3共振器の周波数f1を測定し、前記第2種の測定処理において前記発振回路が発振しているときの前記第3共振器の周波数f2を測定し、
前記判断処理において、k2=1−f12/f22の式によって結合係数kを算出し、前記算出した結合係数kに基づいて異物が存在するか否かを判断する、
項目6に記載の送電装置。
上記態様によると、
前記発振回路が自励式の発振回路の場合、前記入力インダクタンス値をLとし、前記キャパシタをCとすると、前記自励式の発振回路の周波数fは、LC共振原理に基づく発振回路である場合、f=1/(2π×(LC)^(1/2))の式で表すことができる。容量Cは回路定数で既知であるから、前記入力インダクタンス値Lが前記発振回路の周波数の2乗に反比例するので、前記結合係数の式であるk2=1−Lin(f2)/Lin(f1)をk2=1−f12/f22の式に置き換えることができる。このことにより、前記測定回路で前記入力インダクタンスを測定する工程は不要となり、前記発振回路が発振する周波数f1及びf2の値を用いればよい。よって、前記測定回路で前記入力インダクタンスを測定する必要がなくなるので、前記結合係数を高精度で算出することができる。なお、前記周波数f1及び前記周波数f2の値については、前記第1共振器の前記周波数f1及び前記周波数f2を前記測定回路が測定してもよい。また、他の発振回路でも同様の考え方が適用でき、当業者は容易に類推可能である。
上記態様と同様に、前記コイルの両端に短絡用スイッチを設ける必要はなく、前記送電装置から信号を送って前記短絡用スイッチを制御する煩わしさをなくすことができる。
[項目13]
項目1から12のいずれか1項に記載の送電装置と、
受電装置と、を備える、無線電力伝送システム。
[項目14]
第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
前記第1交流電力より小さい第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備した送電装置を用いて異物検知方法であって、
前記送電制御回路に、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返させ、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間に分割して実行され、
前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、前記異物検知判定回路に異物が存在するか否かを判断させる、
異物検知方法。
上記態様によると、
前記送電制御回路に、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返させ、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間に分割して実行され、
前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、前記異物検知判定回路に異物が存在するか否かを判断させる、
このことにより、1回の前記異物検知期間の長さを短く(即ち、送電停止時間を短く)することができ、送電を行っている送電時間に対する異物検知を行う時間の割合を小さくすることができる。よって、送電効率が低下することを防止することができる。また、1回の前記異物検知期間の長さを短く(送電停止時間を短く)することができ、例えば、送電停止から、上記送電停止を受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間の長さより、短くすることができる。このため、受電装置において充電中であることを表すランプの点灯を維持することができる。
そして、前記一連の複数の処理の中の分割された各処理の全ての処理を実行させて、前記異物検知判定回路に異物が存在するか否かを判断させることにより、精度の高い異物検知を行うことができる。
[項目15]
第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
前記第1交流電力より小さい前記第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量を測定し、前記測定された物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備し、
前記送電制御回路は、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記物理量の測定から前記異物の判断までの一連の複数の処理を前記異物検知判定回路に実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理に含まれる前記物理量の測定は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、前記一連の複数の処理に含まれる前記物理量の測定以外の処理は前記繰り返される複数の送電期間で分割して実行され、
前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記物理量の測定を分割して実行させ、前記送電期間と並行して前記物理量の測定以外の処理を実行させ、異物が存在するか否かを判断させる、
送電装置。
上記態様によると、
前記送電制御回路は、
前記第1交流電力の送電開始前に、前記物理量の測定から前記異物の判断までの一連の複数の処理を前記異物検知判定回路に実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理に含まれる前記物理量の測定は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、前記一連の複数の処理に含まれる前記物理量の測定以外の処理は前記繰り返される複数の送電期間で分割して実行され、
前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記物理量の測定を分割して実行させ、前記送電期間と並行して前記物理量の測定以外の処理を実行させ、異物が存在するか否かを判断させる。
上記態様によれば、送電停止時間をさらに短くでき、送電効率が低下することを防止できる。
[項目16]
入力された直流エネルギを交流エネルギに変換して出力するように構成された送電回路と、
前記送電回路から出力された前記交流エネルギを送出するように構成された送電共振器と、
前記送電共振器によって送出された前記交流エネルギの少なくとも一部を受け取るように構成された受電共振器と、
前記受電共振器が受け取った前記交流エネルギを直流エネルギに変換して負荷に供給するように構成された受電回路と、
を備え、
前記送電回路は、
前記直流エネルギを前記交流エネルギに変換して出力するように構成されたインバータ回路と、
複数のステップを含む異物検出処理を実行することによって前記送電共振器の付近の異物を検出するように構成された異物検出回路と、
前記インバータ回路を用いた送電処理と、前記異物検出回路を用いた処理とを交互に繰り返すように、前記インバータ回路および前記異物検出回路を制御する制御回路と、
を有し、
前記異物検出回路は、1回の前記送電処理の前後で、前記複数のステップに含まれる異なるステップを実行するように構成されている、
無線電力伝送システム。
[項目17]
前記複数のステップは、前記異物の接近に伴って変化する少なくとも1つの物理量を測定するステップと、前記少なくとも1つの物理量の基準値からの変化量に基づいて前記異物の有無を判定するステップとを含む、項目16に記載の無線電力伝送システム。
[項目18]
前記複数のステップは、第1の種類の異物に対応した第1の物理量を測定するステップと、第2の種類の異物に対応した第2の物理量を測定するステップとを含む、項目17に記載の無線電力伝送システム。
[項目19]
前記異物検出回路は、
前記第1共振器または異物検出用の他の共振器に電気的に接続され、前記受電共振器の共振周波数frよりも低い第1の周波数f1および前記共振周波数frよりも高い第2の周波数f2で発振可能な発振回路と、
前記発振回路に電気的に接続された前記第1共振器または前記他の共振器の入力インピーダンスに応じて変化する物理量を測定するように構成された測定回路と、
前記第1の周波数f1で前記発振回路が発振しているときに前記測定回路が測定した前記物理量の変化と、前記第2の周波数f2で前記発振回路が発振しているときに前記測定回路が測定した前記物理量の変化とに基づいて、送電共振器の付近の異物の有無を判定するように構成された判定回路と、
を有する、項目16から18のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目20]
前記複数のステップは、前記第1の周波数f1で前記発振回路が発振しているときに前記測定回路によって前記物理量を測定する第1のステップと、前記第2の周波数f2で前記発振回路が発振しているときに前記測定回路によって前記物理量を測定する第2のステップとを含み、
前記測定回路は、前記第1および第2のステップを、1回の送電処理の前後に実行するように構成されている、
項目19に記載の無線電力伝送システム。
[項目21]
前記複数のステップは、同一の物理量を測定する2つのステップと、前記2つのステップにおいて測定された前記物理量に基づく演算によって異物の有無を判定するステップとを含み、
前記異物検出回路は、1回の前記送電処理の前後で、前記2つのステップをそれぞれ実行するように構成されている、
項目16から20のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目22]
前記異物検出回路は、前記複数のステップの各々に要する時間に応じて各ステップを実行する頻度を変更するように構成されている、項目16から21のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目23]
前記受電回路は、前記受電回路の出力変動を通知するフィードバックのための通信パケットを送信するように構成された送信回路を有し、
前記送電回路は、前記通信パケットを受信するように構成された受信回路を有し、
前記制御回路は、前記受信回路が前記通信パケットを受信している期間は前記異物検出回路を用いた処理を実行しないように、前記異物検出回路を制御するように構成されている、
項目16から21のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目24]
前記異物検出回路は、1回の前記送電処理の前後で、異なる2つの測定処理を行い、前記2つの測定処理の結果に基づく演算によって異物の有無を判定する処理を実行するように構成されている、項目16から23のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目25]
前記異物検出回路は、前記2つの測定処理の結果に基づく演算を、前記2つの測定処理の後の送電期間中に実行するように構成されている、項目24に記載の無線電力伝送システム。
[項目26]
前記異物判定回路は、
前記異物検出処理において、前記異物の接近に伴って変化する物理量を測定し、
前記物理量に基づく演算を行うことによって前記異物の有無を判定し、
前記異物がないと判定した後、次の異物検出処理において、前回と同じ測定結果を得たとき、前記物理量に基づく演算を省略して前記異物がないと判定するように構成されている、
項目16から25のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
[項目27]
入力された直流エネルギを交流エネルギに変換して出力するように構成された送電回路と、
前記送電回路から出力された前記交流エネルギを送出するように構成された送電共振器と、
を備え、
前記送電回路は、
前記直流エネルギを前記交流エネルギに変換して出力するように構成されたインバータ回路と、
複数のステップを含む異物検出処理を実行することによって前記送電共振器の付近の異物を検出するように構成された異物検出回路と、
前記インバータ回路を用いた送電処理と、前記異物検出回路を用いた処理とを交互に繰り返すように、前記インバータ回路および前記異物検出回路を制御する制御回路と、
を有し、
前記異物検出回路は、1回の前記送電処理の前後で、前記複数のステップに含まれる異なるステップを実行するように構成されている、
送電装置。
[項目28]
入力された直流エネルギを交流エネルギに変換して出力するように構成された送電回路と、前記送電回路から出力された前記交流エネルギを送出するように構成された送電共振器とを備えた送電装置に搭載されたコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
複数のステップを含む異物検出処理を実行させることによって前記送電共振器の付近の異物を検出させ、
インバータ回路を用いた送電処理と、前記異物検出処理における前記複数のステップの一部のステップを交互に実行させ、
1回の送電処理の前後で、前記複数のステップに含まれる異なるステップを実行させる、
プログラム。
本開示の技術は、例えばスマートフォンやタブレット端末、ノートPCなどの電子機器や、電気自動車などの電動機械に充電を行う充電システムに利用可能である。本開示の実施形態によれば、送受電コイル間に存在する異物の異常発熱リスクを回避することができる。
100 送電装置
200 受電装置
1000 送電回路
1001 インバータ回路
1002 切替スイッチ
1003 発振回路
1004 異物検出回路
1005 受信回路
1006 測定回路
1007 判定回路
1008 異物検知判定回路
1010 送受電共振器対
1010a 送電共振器
1010b 受電共振器
1011 検出共振器
1020 受電回路
1021 整流回路
1022 出力検出回路
1023 送信回路
1030 直流(DC)電源
1040 負荷
1050 異物
1070 表示素子
1090 制御回路
1091 送電制御部
1092 切替スイッチ制御部
1093 メモリ(結果保存部)
1094 発振制御部
1095 タイミング制御部

Claims (15)

  1. 第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
    前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
    前記第1交流電力より小さい2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
    前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
    前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備し、
    前記送電制御回路は、
    前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
    前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、
    前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、異物が存在するか否かを判断させる、
    送電装置。
  2. 前記一連の複数の処理を分割した各処理を実行させる分割期間は、送電の停止から、前記送電の停止を前記受電装置の通知部を用いて通知するまでの遅延期間より短い、
    請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記一連の複数の処理は、前記変化後の物理量と所定の基準値との差分が予め設定された閾値よりも大きいとき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在すると判断する判断処理を含む、
    請求項1または2に記載の送電装置。
  4. 前記一連の複数の処理は、
    前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量を測定する測定処理と、
    前記測定された物理量から算出した値に基づき、前記異物が存在するか否かを判断する判断処理と、を含む、
    請求項1または2に記載の送電装置。
  5. 前記一連の複数の処理は、
    前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量を測定する2種以上の測定処理と、
    前記2種以上の測定処理の各々で測定された物理量から算出された値に基づいて、前記異物が存在するか否かを判断する判断処理と、を含む、
    請求項1または2に記載の送電装置。
  6. 前記2種以上の測定処理は、前記第3共振器の共振周波数frより低い第1の周波数f1で前記発振回路が発振しているときに前記異物検知判定回路によって前記物理量を測定する第1種の測定処理と、前記第3共振器の共振周波数frより高い第2の周波数f2で前記発振回路が発振しているときに前記異物検知判定回路によって前記物理量を測定する第2種の測定処理とを含む、
    請求項5に記載の送電装置。
  7. 前記一連の複数の処理は、第1の種類の異物に対応した第1の物理量を測定し、前記第1の種類の異物が存在するか否かを判断する第1判断処理と、第2の種類の異物に対応した第2の物理量を測定し、前記第2の種類の異物が存在するか否かを判断する第2判断処理とを含み、前記送電制御回路は、前記第1判断処理と前記第2判断処理との間に前記第1交流電力の送電を前記インバータに実行させる、
    請求項1または2に記載の送電装置。
  8. 前記第共振器および前記第3共振器は、同一の共振器であり、
    前記送電制御回路の制御により、前記インバータ回路と前記同一の共振器との電気的接続と、前記発振回路と前記同一の共振器との電気的接続とを切り替えるスイッチを備え、
    前記送電制御回路は、
    前記分割された一連の複数の処理の中の第1処理を終えて前記第1交流電力の送電を再開するとき、前記スイッチを制御して、前記発振回路と前記同一の共振器との電気的接続から前記インバータ回路と前記同一の共振器との電気的接続に切り替え、
    前記第1交流電力の送電を中断して前記第1処理の次の第2処理を開始するとき、前記スイッチを制御して、前記インバータ回路と前記同一の共振器との電気的接続から前記発振回路と前記同一の共振器との電気的接続に切り替える、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の送電装置。
  9. 前記第3共振器における物理量は、前記第3共振器に印加される電圧、前記第3共振器に流れる電流、前記第3共振器に印加される前記電圧の周波数、前記第3共振器の入力インピ−ダンス値、又は、前記第3共振器の入力インダクタンス値である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の送電装置。
  10. 前記第1共振器は、コイル及びキャパシタを含む並列共振回路を有し、
    前記第3共振器における物理量が前記第3共振器の入力インダクタンスであり、
    前記異物検知判定回路は、
    前記第1種の測定処理において前記周波数f1で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f1)を測定し、前記第2種の測定処理において前記周波数f2で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f2)とを測定し、
    前記判断処理において、k2=1−Lin(f2)/Lin(f1)の式によって結合係数kを算出し、前記算出した結合係数kに基づいて異物が存在するか否かを判断する、
    請求項6に記載の送電装置。
  11. 前記第1共振器は、コイル及びキャパシタを含む並列共振回路を有し、
    前記第3共振器における物理量が前記第3共振器の入力インダクタンスであり、
    前記異物検知判定回路は、
    前記第1種の測定処理において前記周波数f1で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f1)を測定し、前記第2種の測定処理において前記周波数f2で発振しているときの前記第3共振器の入力インダクタンス値Lin(f2)を測定し、
    前記判断処理において、前記Lin(f1)と前記Lin(f2)との比を算出し、前記算出した比に基づいて異物が存在するか否かを判断する、
    請求項6に記載の送電装置。
  12. 前記第1共振器は、コイル及びキャパシタを含む並列共振回路を有し、
    前記発振回路は、自励式の発振回路であり、かつ、前記第3共振器における物理量が前記第3共振器に印加される電圧の周波数であり、前記発振回路の発振周波数の2乗は前記第3共振器の入力インダクタンス値に反比例し、
    前記異物検知判定回路は、
    前記第1種の測定処理において前記発振回路が発振しているときの前記第3共振器の周波数f1を測定し、前記第2種の測定処理において前記発振回路が発振しているときの前記第3共振器の周波数f2を測定し、
    前記判断処理において、k2=1−f12/f22の式によって結合係数kを算出し、前記算出した結合係数kに基づいて異物が存在するか否かを判断する、
    請求項6に記載の送電装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の送電装置と、
    受電装置と、を備える、無線電力伝送システム。
  14. 第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
    前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
    前記第1交流電力より小さい第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
    前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
    前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備した送電装置を用いて異物検知方法であって、
    前記送電制御回路に、
    前記第1交流電力の送電開始前に、前記異物検知判定回路に一連の複数の処理を実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
    前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返させ、前記一連の複数の処理は前記繰り返される複数の異物検知期間に分割して実行され、
    前記複数の異物検知期間を用いて前記一連の複数の処理を分割して実行させて、前記異物検知判定回路に異物が存在するか否かを判断させる、
    異物検知方法。
  15. 第1交流電力を受電する第1共振器と、前記第1共振器が受電した前記第1交流電力を第1直流電力に変換して負荷に供給する受電回路とを備えた受電装置に対して非接触方式で前記第1交流電力を送電する送電装置であって、
    前記第1交流電力を生成して第2共振器を介して前記第1交流電力を送電するインバータ回路と、
    前記第1交流電力より小さい前記第2交流電力を生成して第3共振器を介して前記第2交流電力を送電する発振回路と、
    前記第2交流電力に応じて変化する前記第3共振器における物理量を測定し、前記測定された物理量に基づき、前記第1共振器と前記第3共振器との間に異物が存在するか否かを判断する異物検知判定回路と、
    前記送電装置を制御する送電制御回路と、を具備し、
    前記送電制御回路は、
    前記第1交流電力の送電開始前に、前記物理量の測定から前記異物の判断までの一連の複数の処理を前記異物検知判定回路に実行させて異物が存在するか否かを判断させた後、前記インバータ回路に前記第1交流電力の送電を開始させ、
    前記第1交流電力の送電開始後は、前記異物検知を行う異物検知期間と前記第1交流電力の送電を行う送電期間とを繰り返し、前記一連の複数の処理に含まれる前記物理量の測定は前記繰り返される複数の異物検知期間で分割して実行され、前記一連の複数の処理に含まれる前記物理量の測定以外の処理は前記繰り返される複数の送電期間で分割して実行され、
    前記異物検知判定回路に、前記複数の異物検知期間を用いて前記物理量の測定を分割して実行させ、前記送電期間と並行して前記物理量の測定以外の処理を実行させ、異物が存在するか否かを判断させる、
    送電装置。
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