JP6471673B2 - プランジャ、及びプランジャの製造方法 - Google Patents

プランジャ、及びプランジャの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6471673B2
JP6471673B2 JP2015198467A JP2015198467A JP6471673B2 JP 6471673 B2 JP6471673 B2 JP 6471673B2 JP 2015198467 A JP2015198467 A JP 2015198467A JP 2015198467 A JP2015198467 A JP 2015198467A JP 6471673 B2 JP6471673 B2 JP 6471673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
pressure
wall surface
cylinder
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015198467A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017072040A (ja
Inventor
暢彦 永井
暢彦 永井
節夫 沢本
節夫 沢本
史義 加納
史義 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2015198467A priority Critical patent/JP6471673B2/ja
Publication of JP2017072040A publication Critical patent/JP2017072040A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6471673B2 publication Critical patent/JP6471673B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

本発明は、高圧流体ポンプのプランジャ、及びプランジャの製造方法に関する。
従来、シリンダ内を摺動するプランジャによって加圧室の流体を加圧し、加圧された流体を圧送する高圧流体ポンプが知られている。例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関に用いられる高圧流体ポンプは、流体として燃料を用い、高圧の燃料が蓄圧されるコモンレールに接続される。特許文献1には、加圧室に連通する空間部を有するプランジャが加圧室内の燃料を加圧する高圧燃料ポンプが開示されている。
一方、内燃機関から排出される排気中の有害物質の浄化基準が高くなっており、コモンレール内の高い圧力が求められる。従来、高圧流体ポンプによって達成するコモンレール内の圧力は200MPa程度であったが、コモンレール内の圧力を250〜300MPa以上にする要求が高まっている。
特開2010−229898号公報
コモンレール内の圧力が上昇するためには、高圧流体ポンプの加圧室内の最大圧力も上昇する必要がある。プランジャが押し上げて、加圧室内の流体が高圧になるとき、高圧流体の圧力により、プランジャの外径が縮小する。また、シリンダの内径が拡大する。このとき、プランジャとシリンダとの摺動部のクリアランスが拡大してしまう。摺動部のクリアランスが拡大するため、高圧流体のリーク量が増大し、高圧流体ポンプの圧送効率が低下してしまう。
特許文献1に開示された構成では、高圧流体による摺動部のクリアランス拡大を防止するために、プランジャが、加圧室に連通する空間部を有する。この構成では、プランジャの空間部と加圧室とが連通しているため、高圧流体が空間部に回り込む。回り込む高圧流体がプランジャの内壁面に作用する力と加圧室の高圧流体がプランジャの外壁面に作用する力とが相殺される。このため、プランジャは変形しなく、プランジャの外径は縮小しない。一方、シリンダは、加圧室の高圧流体が作用する力によりシリンダの内径が拡大する。したがって、シリンダとプランジャとの摺動部のクリアランスが拡大し、高圧流体のリーク量は増大する。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、高圧流体のリーク量を抑制する高圧流体ポンプのプランジャ及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、高圧流体ポンプ(1)に用いられるプランジャ(40)である。
プランジャは、多孔質材(44)における複数の気孔(53)として形成されている中空空間(50)が内部に形成されており、シリンダ(30)の内壁面(31)に沿って摺動する。シリンダの内壁面とプランジャの加圧端面(42)とで画成される加圧室(25)内の流体を加圧可能にする。加圧室内の流体は、シリンダの内壁面に対向するプランジャの外壁面(41)及びプランジャの加圧室に面する加圧端面に流体圧力を印加する。
中空空間は、プランジャの外壁面及び加圧端面に流体圧力が印加されるとき、プランジャの外壁面を径外方向に弾性変形可能とする。
本発明のプランジャは、外壁面及び加圧端面に流体圧力が印加されるとき、外壁面を径外方向に弾性変形可能とする中空空間を有する。これにより、プランジャの外壁面が径外方向に拡大するので、シリンダの内径の拡大に追従し、シリンダとプランジャとのクリアランスが小さくなる。したがって、シリンダとプランジャとの摺動部のクリアランスの拡大が抑制され、高圧流体のリーク量を抑制する。
また本発明は、プランジャの製造方法に係る複数の発明として提供される。
プランジャの製造方法に係る第1の発明:(削除)。
プランジャの製造方法に係る第2の発明は、内挿工程を含む。
内挿工程は、軸方向の少なくとも一方の端部が開放された筒状部材(80)の内側に、順次、隔壁部材(82)を挿入する。
プランジャの製造方法に係る第3の発明は、三次元造形工程を含む。
三次元造形工程は、粉末材料を焼結させつつ軸方向に積み重ねて三次元形状を形成する。
本発明の第1実施形態によるプランジャが用いられる高圧流体ポンプの断面図。 本発明の第1実施形態によるプランジャが用いられる高圧流体ポンプの高圧ポンプ部の上死点時のII−II断面図。 図2のIII部拡大図。 本発明の第1実施形態によるプランジャが用いられる高圧流体ポンプの高圧ポンプ部の下死点時のIV−IV断面図。 本発明の第1実施形態による弾性変形前のプランジャの切断部端面図。 本発明の第1実施形態による弾性変形後のプランジャの切断部端面図。 本発明の第1実施形態による高圧流体ポンプを作動させたときのプランジャの変形量とプランジャの軸長位置との関係を示す特性図。 本発明の第1実施形態によるプランジャが用いられる高圧流体ポンプの加圧室内の圧力と圧送効率との関係を示す特性図。 本発明の第2実施形態によるプランジャの切断部端面図。 本発明の第1実施形態によるプランジャの製造方法で接合工程を示す図。 本発明の第1実施形態によるプランジャの製造方法で接合工程を示す図。 本発明の第1実施形態によるプランジャの製造方法で内挿工程を示す図。 本発明の第1実施形態によるプランジャの製造方法で三次元形成工程を示す図。 比較例のプランジャの切断部端面図。
以下、本発明の実施形態による高圧流体ポンプのプランジャ及びその製造方法を図面に基づいて説明する。複数の実施形態及び製造方法の説明において、第1実施形態と実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明する。また、「本実施形態」とは、第1実施形態及び第2実施形態を包括していう。本実施形態では、流体として、燃料を用いる。
(第1実施形態)
第1実施形態のプランジャについて、図1〜図9を参照して説明する。
まず、第1実施形態のプランジャが用いられる高圧燃料ポンプ1について、図1を参照して説明する。
高圧燃料ポンプ1は、燃料タンク2とコモンレール6との間に接続され、ポンプボディ3、フィードポンプ4、流量制御弁5、高圧ポンプ部10を備える。
燃料タンク2は、燃料を蓄えており、フィードポンプ4に接続される。
ポンプボディ3は、フィードポンプ4、流量制御弁5及びカムシャフト11を支持し、高圧ポンプ部10が装着される装着口12とカムシャフト11を収容するカム室13を有する。カムシャフト11は、カム室13内で回転可能になるようにポンプボディ3に支持される。
フィードポンプ4は、カムシャフト11に接続され、カムシャフト11が回転することでフィードポンプ4内を負圧にする。フィードポンプ4に、異物を捕集するフィルタを有してもよい。
流量制御弁5は、フィードポンプ4と高圧ポンプ部10との間に設けられる。流量制御弁5は、例えば、電磁比例制御弁を用いる。流量制御弁5の通電制御を行うことによって、高圧ポンプ部10に送られる燃料の流量を調整する。
高圧ポンプ部10は、装着口12からカムシャフト11に装着され、2機備えられる。2機の高圧ポンプ部10は同一である。高圧ポンプ部10は、送られた燃料の圧力を高くする。
本実施形態の高圧燃料ポンプ1の作動について説明する。
カムシャフト11が回転することで、フィードポンプ4内が負圧になる。フィードポンプ4内が負圧になることで、燃料タンク2の燃料が吸い上げられる。吸い上げられた燃料は、流量制御弁5により流量が調整される。調整された流量の燃料が高圧ポンプ部10へ送られる。
高圧ポンプ部10が、送られた燃料を所定の圧力になるまで高くして高圧燃料にする。高圧燃料は、例えば、コモンレール6に圧送される。コモンレール6へ圧送された高圧燃料は、各インジェクタ7へ供給される。各インジェクタ7は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料噴射制御を実施する。
第1実施形態のプランジャを有する高圧ポンプ部10について、図2を参照して説明する。高圧ポンプ部10は、カム14、タペット15、ハウジング16、プランジャ40を有する。
カム14は、カム室13に収容され、カムシャフト11と接続されている。
タペット15は、ローラ17、ローラ摺動部18及びスプリング19を含む。
ローラ17は、カム14に接しており、カム14の回転に伴い、回転可能である。
ローラ摺動部18は、ローラ17に接続され、カム14の回転に伴って、往復摺動可能である。タペット15は、ローラ17を用いなくてもよい。例えば、カム14が直接ローラ摺動部18に接し、カム14の回転に伴って、直接ローラ摺動部18を摺動させてもよい。
スプリング19は、ハウジング16とローラ摺動部18との間に配置される。スプリング19の付勢力によりタペット15はカム14に押し付けられる。
ハウジング16は、筒状の有底穴であるシリンダ30を含む。加圧室25がシリンダ30とプランジャ40とで形成され、加圧室25がシリンダ30の内壁面31とプランジャ40の外壁面41とで画成される。また、ポンプボディ3の装着口12から装着され、吸入弁21及び吐出弁22を含む。吸入側に吸入路23が形成され、吐出側に吐出路24が形成される。
吸入弁21は、吸入路23に接続され開閉する。吸入弁21が開閉することでフィードポンプ4から送られる燃料が吸入路23を介して、加圧室25へ供給される。
吐出弁22は、吐出路24に接続され開閉する。吐出弁22が開閉することで加圧室25から送られる燃料が吐出路24を介して、圧送される。吸入弁21及び吐出弁22は、例えば、電磁比例制御弁が用いられる。
プランジャ40は、タペット15に接続されており、円柱形状で、内部に中空空間50を有する。プランジャ40は、例えば、高炭素クロム軸受鋼やステンレス鋼等の金属で形成されている。
また、プランジャ40は、シリンダ30の内壁面31で軸方向に沿って、摺動部32を摺動可能に設けられる。摺動部32は、プランジャ40の外壁面41とシリンダ30の内壁面31との間で形成される。また摺動部32は、クリアランスCを含む。クリアランスCは、プランジャ40の外壁面41とシリンダ30の内壁面31との間の距離である。
図3のように、中空空間50は、プランジャ40の内部に4つ、軸方向に等間隔に配置される仕切壁101、102、103、104により仕切られており、プランジャの外壁面41と離間している。
また、中空空間50は、プランジャ40と同一の中心をもつ円の円柱形状である。吐出路24の入口面26、加圧端面42及び中空空間50の径は平行で、径方向の長さをDrとし、軸方向の長さをDtとする。中空空間50は、径方向長さDrが軸方向長さDtよりも大きい、すなわち、Dr>Dt となるように形成されている。
中空空間50により、中空空間50に隣接する薄肉部51が形成される。薄肉部51の厚みは、プランジャ40の中心と中空空間50の中心とで形成される円環面の帯幅である。
さらに、中空空間50は、シリンダ30の内壁面31に対向するプランジャ40の外壁面41及び加圧室25に面する加圧端面42に燃料圧力が印加されるとき、外壁面41を径外方向に弾性変形可能とする。なお、燃料圧力が印加されることは、燃料圧力が圧力作用をすることである。
高圧ポンプ部10の作用について説明する。
カム14が回転すると、タペット15を介して、プランジャ40が軸方向に沿って、上死点と下死点との間を往復摺動する。上死点は、プランジャ40が上昇する上限点であり、下死点は、プランジャ40が下降する下限点である。
図4のように、上死点に位置するプランジャ40が下降するとき、加圧室25の燃料圧力が低下する。吸入路23の燃料圧力が、加圧室25の燃料圧力よりも高くなるとき、吸入弁21が開弁する。このとき、吸入路23が開放され、フィードポンプ4より送られた燃料が、吸入弁21及び吸入路23を介して、加圧室25に吸入される。
図2のように、カム14がさらに回転し、プランジャ40が下死点に達して、再び上昇するとき、加圧端面42が加圧室25の燃料を加圧し、加圧室25の燃料圧力が高くなる。吸入路23の燃料圧力が、加圧室25の燃料圧力よりも低くなるとき、吸入弁21を閉弁する。吸入弁21を閉弁するとき、吸入路23が閉鎖される。
吸入路23が閉鎖後、プランジャ40がさらに上昇して、加圧端面42が加圧室25の燃料を加圧するとき、燃料圧力がさらに高くなる。加圧室25の燃料圧力が吐出弁22の開弁圧以上に高くなるとき、吐出弁22が開弁して、加圧室25から圧送される。開弁圧は、例えば、250〜300MPaである。
本実施形態では、プランジャ40が、プランジャ40の外壁面41が径外方向に弾性変形可能とする中空空間50を有することが特徴である。この中空空間50の作用について説明する。
図5に示すように、プランジャ40は、高圧燃料から、加圧端面42に作用する圧力Ptと外壁面41に作用する圧力Prとを受ける。加圧端面42に作用する圧力Ptと外壁面41に作用する圧力Prとは、高圧燃料がもつ圧力と等しい。しかし、加圧端面42の受圧面積Stは、薄肉部51の外側面52の受圧面積Srより大きい。したがって、加圧端面42に作用する力Ftは、薄肉部51の外側面52に作用する力Frより大きい。
図6に示すように、薄肉部51は、プランジャ40内で径方向の厚みが薄く、応力が高くなり、薄肉部51が撓み、弾性変形可能になる。このため、燃料圧力が印加されるとき、加圧端面42に作用する力Ftにより、薄肉部51の外側面52は径外方向に拡大する。したがって、薄肉部51の外側面52と同一面であるプランジャ40の外壁面41は径外方向へ拡大する。
(効果)
図7は、横軸に変形量ΔDを示し、正方向に大きいほど、プランジャ40の径が拡大する変形を意味し、また、負方向に大きいほど、プランジャ40の径が縮小する変形を意味する。また、正方向に大きいほど、プランジャ40の径が拡大するので、シリンダ30の内径とのクリアランスCが小さくなることを意味する。軸長位置Lがゼロは、プランジャ40の加圧端面42を示す。また、軸長位置Lは、正方向に大きいほど下端側に位置する。燃料圧力は300MPaである。
図14に示すように、比較例として、特許文献1で開示される構成のような開口する空間部49を有するプランジャ48を用いる。比較例の変形量ΔDと軸長位置Lとの関係を破線で示す。
比較例は、従来通り、空間部49に回り込む高圧燃料がプランジャ48の内壁面に作用する力と加圧室の高圧燃料がプランジャ48の外壁面に作用する力とが相殺され、プランジャ48の外径の変形量ΔDは、ほぼゼロである。したがって、プランジャ48は変形しておらず、プランジャ48の外径は変化しない。
一方、本実施形態では、外壁面41及び加圧端面42に燃料圧力が印加されるとき、外壁面41を径外方向に弾性変形可能とする中空空間50を有する。これにより、図7に示すように、プランジャの外径の変形量ΔDは大きくなっている。つまり、プランジャ40が径外方向に拡大している。
図8は、高圧燃料による加圧室内の圧力を50MPaから300MPaと変化させたときの圧送効率の関係を示した図である。比較例を破線で示す。圧送効率は、高圧燃料の吸入量に対する高圧燃料の吐出量の割合パーセントである。圧送効率が大きいほど、高圧燃料のリーク量が小さいことを意味し、圧送効率が小さいほど、高圧燃料のリーク量が大きいことを意味する。
比較例では、加圧室内の圧力が大きくなるにつれて減少する。加圧室内の燃料が高圧となるとき、プランジャ48の外径が変形せず、シリンダ30の内径が拡大するため、クリアランスCが拡大する。クリアランスCが拡大するため、高圧燃料がリークして、圧送効率が大きく減少する。
一方、本実施形態では、加圧室25内の圧力が大きくなるとき、比較例と比較して圧送効率が大きく、圧送効率の減少割合は小さい。これは、弾性変形可能な中空空間50により、プランジャ40が径外方向へ拡大し、プランジャ40とシリンダ30とのクリアランスCが小さくなり、高圧燃料のリーク量が小さくなっているからである。したがって、高圧燃料ポンプ1のリーク量を抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の高圧燃料ポンプ1の構成で、プランジャの形態を変更する。第2実施形態のプランジャ46について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、プランジャ46は、バルク材43と多孔質材44とを有する。バルク材43と多孔質材44とは互いに軸方向に積層される。
バルク材43は、円柱状に形成される。バルク材43は、例えば、第1実施形態と同様の金属が用いられる。
多孔質材44は、バルク材43と互いに積み上げられ、バルク材43と同一径の円柱状に形成され、複数の気孔53を有している。
複数の気孔53は、プランジャ46の外壁面41と離間している。気孔53は、外に連通する空間である開気孔は含まず、内部に閉じ込められた空間である閉気孔である。このため、外壁面41に開口する溝等は気孔に該当しない。中空空間50は、複数の気孔53で形成される。
プランジャ46の中空空間50は、第1実施形態と同様に、燃料圧力が印加されるとき、外壁面41は径外方向へ弾性変形可能である。多孔質材44は、バルク材43と比較して、複数の気孔53を有するためヤング率が小さく、弾性変形しやすい。したがって、第1実施形態と同様に、加圧端面42に作用する力Ftにより、多孔質材44の外壁面45が径外方向に弾性変形可能となる。
(効果)
第2実施形態において、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、第2実施形態では、複数の気孔53により、界面数が多く、エネルギー吸収能が大きいため、プランジャ46の衝撃エネルギーを吸収しやすくなる。このため、プランジャ46の耐衝撃性が向上する効果を奏する。
本実施形態のプランジャ40の製造方法について、図10〜13を参照して説明する。また、図10〜13は切断部端面図である。
<接合工程>
接合工程は、軸方向接合工程と周方向接合工程とを含む。
図10(a)のように、軸方向接合工程は、円柱状部材60と蓋部材61とを軸方向に並べて接合する工程である。
<軸方向接合工程>
円柱状部材60は、軸方向端面62に有底穴である凹部63が形成されている。
蓋部材61は、円柱状部材60と同形状で、円柱状部材60の接合面64と蓋部材61の接合面65とを接合することで凹部63を塞ぐ。また、円柱状部材60の凹部63の反対に位置する接合面64と軸方向端面62とを接合する。
図10(b)のように、円柱状部材60と蓋部材61が接合されることで、凹部63が塞がれる。これにより、プランジャ40が形成され、中空空間50が形成される。円柱状部材60の接合面64と蓋部材61の接合面65とを点線で示す。図示していないプランジャ40の下降側の下端部は、例えば、同形状の凹部63を有しない円柱部材で接合される。
<周方向接合工程>
図11(a)のように、周方向接合工程は、2つの扇形柱状部材70を周方向に並べて接合する工程である。
扇形柱状部材70は、半円柱形状で、中心角側における軸方向の互いに対応する位置に要素溝71が形成されており、同一高さの位置に同一の要素溝71が3つ形成されている。要素溝71の数は、任意に設定される。扇形柱状部材70の中心角側における側面を接合面72として、2つの扇形柱状部材70を接合する。
図11(b)のように、扇形柱状部材70が接合されることで、プランジャ40が形成され、中空空間50が形成される。接合された扇形柱状部材70の接合面72を破線で示す。
接合方法は、熱拡散接合を用いる。熱拡散接合は、加熱加圧条件下で、接着剤を用いず、部材間の原子移動のみにより部材同士を接合させる方法である。例えば、温度が500〜1200℃、圧力が1〜20MPaの条件で行うことができる。接合方法は、摩擦拡散接合を用いてもよい。
(効果)
プランジャ40は、シリンダ30とのクリアランスCを確保するため、高精度な外径が要求される。拡散接合を用いることで、溶接等とは異なり、部材を溶融させることなく接合されるので、接合時の位置のズレが防止でき、プランジャ40の外径が高精度に製造できる。
<内挿工程>
内挿工程は、軸方向の少なくとも一方の端部81が開放された筒状部材80の内側に、順次、隔壁部材82を挿入する工程である。内挿工程を用いるプランジャ40の製造方法を、図12を参照して説明する。
図12(a)のように、端部81の1つが開放された筒状部材80と円柱形状で筒状部材80の内径と等しい外径をもつ隔壁部材82とを用いる。また、隔壁部材82は、軸方向端面83に凹部84を有する。
図12(b)のように、筒状部材80に隔壁部材82を内挿して、筒状部材80の内側面85と隔壁部材82の外側面86とで嵌合される。内挿は、例えば、圧入や熱間圧入である。順次、隔壁部材82が内挿される。
図12(c)のように、筒状部材80の内側に隔壁部材82が軸方向端面83と軸方向端面の端面87と接し、積み上がる。端面87が筒状部材80の端部81に到達する。隔壁部材82の端面87が筒状部材80の端部81と同一面になるとき、図12(d)のように、プランジャ40が完成され、筒状部材80と隔壁部材82とでプランジャの内側に隔壁が形成される。隔壁により、中空空間50が形成される。
(効果)
部材が内挿されることで、部材が変形することなく嵌合されるので、高精度な外径の中空空間50を有するプランジャ40が製造できる。また、製造工程が簡易な構造である筒状部材80に隔壁部材82を内挿するという簡素な工程とすることができる。
<三次元造形工程>
三次元造形工程は、粉末材料90を焼結させつつ軸方向に積み重ねて三次元形状を形成する工程である。三次元造形工程では、粉末焼結法を用いる。粉末焼結法を用いるプランジャ40の製造方法について図13を参照して説明する。
図13(a)のように、図示していないステージに粉末材料90を敷き詰める。粉末材料90は、例えば、本実施形態と同様の金属の粉末材料を用いられる。レーザ92を発生させるレーザ源91がステージ上を移動しつつ、粉末材料90にレーザ92を照射する。レーザ92が照射された粉末材料90が溶融されつつ、焼結される。また、焼結された焼結体93の上に、さらに粉末材料90を供給し、同様に、粉末材料90を焼結させた焼結体93を積み重ねて造形する。レーザ92の出力及び照射時間によって焼結状態を変更することができる。このため、焼結体93が緻密または粗雑となるように変更することができる。
図13(b)のように、中空空間50は、焼結体93の上に、粉末材料90と中空円柱94とを配置して形成される。中空円柱94は、例えば、鋳造等で製造される。中空円柱94の周辺に敷き詰められた粉末材料90にレーザ92を照射するとき、中空円柱94の周縁部95に沿って、粉末材料90は中空円柱94とともに焼結される。
図13(c)のように、粉末材料90は中空円柱94とともに焼結されるとき、薄肉部51と中空空間50とが形成される。焼結体93と中空空間50とが繰り返し形成されることで、図13(d)のように、プランジャ40が完成される。
(効果)
三次元造形工程で用いられる粉末焼結法は、レーザ92の出力により焼結体93が緻密となることで、プランジャ40の強度が大きくなる。また、薄肉部51が形成されるときに、レーザ92の出力を弱めることで、薄肉部51の焼結が緩和される。局所的に、薄肉部51の焼結が緩和されることで、強度が小さくなる。これにより、薄肉部51の強度が小さいので、ヤング率が小さくなり、薄肉部51の弾性変形性が向上する。
(その他実施形態)
(ア)流体は、燃料以外でもよい。例えば、流体として、水を用いてもよい。同様の効果を奏する。
(イ)第1実施形態の思想を共有する他の実施形態では、中空空間50が円柱ではなく、多角柱や楕円柱であってもよい。また、中空空間50の数は問わない。中空空間50の形状及び数を問わず、同様の効果を奏する。
(ウ)第2実施形態の思想を共有する他の実施形態では、多孔質材44の数を問わず、同様の効果を奏する。
(エ)本発明は、高圧ポンプ部10を2組以上備える高圧燃料ポンプ1に用いられてもよい。同様の効果を奏する。
(その他製造方法)
(ア)三次元造形工程で、DMT金属積層法を用いてもよい。DMTは、DIRECT METAL TOOLINGの略である。DMT金属積層法は、レーザで直接溶融された粉末材料を噴射して焼結させ、焼結体を積み重ねて造形する方法である。上記製造方法と同様の効果を奏する。さらに、粉末材料を噴射しつつ、焼結させるため、粉末材料を敷き詰める作業が省ける。したがって、リードタイムが早くなり、生産性が向上する。
(イ)第2実施形態のプランジャ46のバルク材43と多孔質材44との接合方法においても、熱拡散接合または粉末焼結法を用いてもよい。第1実施形態の製造方法と同様の効果を奏する。
(ウ)周方向接合工程における扇形柱状部材70は、数を問わず、同様の効果を奏する。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・高圧流体ポンプ(高圧燃料ポンプ)、
25 ・・・加圧室、
30 ・・・シリンダ、 31 ・・・内壁面、
41 ・・・外壁面、 42 ・・・加圧端面、
50 ・・・中空空間、
60 ・・・円柱状部材、 61 ・・・蓋部材、
62 ・・・軸方向端面、 63 ・・・凹部、
70 ・・・扇形柱状部材、 71 ・・・要素溝、
80 ・・・筒状部材、 82 ・・・隔壁部材。

Claims (5)

  1. 高圧流体ポンプ(1)に用いられるシリンダ(30)の内壁面(31)に沿って摺動し、前記シリンダの内壁面(31)と加圧端面(42)とで画成される加圧室(25)内の流体を加圧可能なプランジャであって、
    前記シリンダの内壁面に対向する外壁面(41)及び前記加圧室に面する前記加圧端面に、流体圧力が印加されるとき、前記外壁面を径外方向に弾性変形可能とする少なくとも1つの中空空間(50)が内部に形成され
    前記中空空間は、多孔質材(44)における複数の気孔(53)として形成されているプランジャ。
  2. 請求項1に記載のプランジャと、
    前記プランジャが摺動可能な前記内壁面31を有するシリンダが形成されたハウジング(16)と、
    を備え、
    前記流体として燃料を圧送可能な高圧燃料ポンプ。
  3. 高圧流体ポンプ(1)に用いられるシリンダ(30)の内壁面(31)に沿って摺動し、前記シリンダの内壁面(31)と加圧端面(42)とで画成される加圧室(25)内の流体を加圧可能であり、前記シリンダの内壁面に対向する外壁面(41)及び前記加圧室に面する前記加圧端面に、流体圧力が印加されるとき、前記外壁面を径外方向に弾性変形可能とする少なくとも1つの中空空間(50)が内部に形成されているプランジャの製造方法であって、
    軸方向の少なくとも一方の端部が開放された筒状部材(80)の内側に、順次、隔壁部材(82)を挿入する内挿工程を含むプランジャの製造方法。
  4. 高圧流体ポンプ(1)に用いられるシリンダ(30)の内壁面(31)に沿って摺動し、前記シリンダの内壁面(31)と加圧端面(42)とで画成される加圧室(25)内の流体を加圧可能であり、前記シリンダの内壁面に対向する外壁面(41)及び前記加圧室に面する前記加圧端面に、流体圧力が印加されるとき、前記外壁面を径外方向に弾性変形可能とする少なくとも1つの中空空間(50)が内部に形成されているプランジャの製造方法であって、
    粉末材料を焼結させつつ軸方向に積み重ねて三次元形状を形成する三次元造形工程を含むプランジャの製造方法。
  5. 複数の前記中空空間は、軸方向に配置される仕切壁(101、102、103、104)で仕切られている請求項3または4に記載のプランジャの製造方法
JP2015198467A 2015-10-06 2015-10-06 プランジャ、及びプランジャの製造方法 Expired - Fee Related JP6471673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015198467A JP6471673B2 (ja) 2015-10-06 2015-10-06 プランジャ、及びプランジャの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015198467A JP6471673B2 (ja) 2015-10-06 2015-10-06 プランジャ、及びプランジャの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017072040A JP2017072040A (ja) 2017-04-13
JP6471673B2 true JP6471673B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=58538155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015198467A Expired - Fee Related JP6471673B2 (ja) 2015-10-06 2015-10-06 プランジャ、及びプランジャの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6471673B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112576469B (zh) * 2020-11-16 2022-12-16 中国航发西安动力控制科技有限公司 内曲线径向柱塞马达的柱塞滚柱

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1030516A (ja) * 1996-07-15 1998-02-03 Isuzu Motors Ltd インナカム式燃料噴射ポンプ
JP2003021026A (ja) * 2001-07-11 2003-01-24 Denso Corp 燃料噴射装置およびその製造方法
JP4721880B2 (ja) * 2005-11-25 2011-07-13 京セラ株式会社 プランジャポンプおよびこれを用いたポンプ装置
GB201501282D0 (en) * 2015-01-27 2015-03-11 Delphi International Operations Luxembourg S.�.R.L. Plunger assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017072040A (ja) 2017-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103261696B (zh) 压缩机
US9926926B2 (en) High-pressure pump
JP6721188B2 (ja) プランジャアセンブリ
TW384358B (en) High pressure fuel supply pump body for an in-cylinder fuel injection engine
JP5209746B2 (ja) 高圧ポンプ
JP6940569B2 (ja) 高圧燃料ポンプ
JP2017537264A (ja) プランジャを有する燃料高圧ポンプ
JP6471673B2 (ja) プランジャ、及びプランジャの製造方法
US8636486B2 (en) Accurate powder metal component, assembly and method
JP6976209B2 (ja) プランジャポンプ
JP2018179003A (ja) 内燃機関用の燃料噴射系
JP2016133010A (ja) 高圧ポンプ
CN102767518A (zh) 旋转压缩机
KR101777872B1 (ko) 연료 인젝터를 위한 노즐을 제조하기 위한 방법
JP6317701B2 (ja) 高圧ポンプ
JP5006964B2 (ja) 内燃機関に燃料を供給するための高圧ポンプ
JP2013050081A (ja) 高圧ポンプ
JP2010236676A (ja) 可変油圧システム
JP5529730B2 (ja) 金属粉末部品の公差改善
JP2011220194A (ja) 高圧ポンプ
CN105863983A (zh) 液压机
JP2015531454A (ja) ポンププランジャを備えた液圧ユニットのためのポンプ部材
US20130243629A1 (en) Pump having a pump cylinder
JP2011179348A (ja) 高圧ポンプ
JP2002180901A (ja) スターリングエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190107

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6471673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees