JP6471285B1 - ボイスコイル振動板及び電気音響変換器 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、この場合、可動部42zの剛性が低いため導電体31zは、導電体31zの幅方向(ボイスコイル振動板20Zの半径方向)であるx方向にも変位(以下、幅方向変位という)するようになり、導電体31zの振動が複雑化してバタツキと言われる異常振動を引き起こす大きな原因となっていた。
また、ボイスコイル振動板の面積や振幅が大きくなる程、幅方向変位の波及し合う範囲が広がって異常振動が発生し易くなる。スピーカーでは、再生する周波数が低くなる程、ボイスコイル振動板の面積を広くする必要があり振幅も大きくなるため、異常振動は、中音域用や低音域用のスピーカーを設計する上で、大きな問題となっていた。
そして、本発明者は改良を重ねることにより磁石板の構成を簡素化する技術を確立し、特許文献4の特許権も取得した。
さらに、本発明者は、磁石板の表面に対し、傾斜した振動面又は垂直な振動面を有する立体的な形状のボイスコイル振動体を採用することによって、磁石の利用効率を向上させる方法も開発し、特許文献5を出願した。
本発明は、上記要望に応えるもので、導電部(導電体)の本来の振動方向への振動を維持しつつ、その他の方向への変位を抑えて異常振動を防止し、導電部の振動を他の部分に伝搬し難くすることによって、電気音響変換器の品質を向上させることができるボイスコイル振動板及びそれを用いた電気音響変換器の提供を目的とする。
前記コイル体は、1又は面状に並列配置された複数の導電体からなる前記導電部と、該導電部を絶縁する絶縁部とを有し、前記各導電体及び前記絶縁部が巻回状態とされることにより、前記コイル体に分離され並列に配置された複数の巻回部が形成され、
前記各巻回部は、(1)隣り合う他の前記巻回部に対して少なくとも振動時に部分的に接触するように配置され、並列に配置された他の前記巻回部と可動連結部で連結され、又は(2)隣り合う他の前記巻回部と、該巻回部の巻回方向に断続的に接合部で接合されている。
ここで、導電部が複数の導電体で構成される場合、導電部の一部とは、いずれかの導電体の一部又は全体に被膜を有するものも含む。なお、ボイスコイル振動板の前面側は、導電体が露出した状態の方が音を導電体から直接放出させることができるので、音質的に有利である。このような理由により、駆動部として用いる導電体は、一般的には被膜を有していない方が好ましい。従って、隣り合う導電体の振動時の接触による摩擦を低減する目的で被膜を設ける場合等では、全ての導電体が被膜を有していなくても良いため、被膜を有する導電体と、被膜を有していない導電体を交互に並べる方法等を採用すると良い。また、導電体同士が接触する部分にのみ被膜を設けるような方法も採用できる。このようにして被膜を減らすことにより、音質の低下を抑えることができるが、導電体表面の錆びの防止のために被膜を設ける場合等では、全ての導電体に対して被膜を設ける必要がある。従って、駆動部である導電部に被膜をどの程度まで設けるかについては、被膜を設ける目的、改善効果、さらに音質への影響等を考慮して総合的に判断する必要がある。なお、絶縁被膜で覆われた導電体を駆動部として使用する場合は、絶縁被膜が上記の絶縁部となるので、別途、絶縁部を設ける必要がなくなる。被膜を有する導電体を使用する場合、被膜が音質に及ぼす影響内容は被膜の材質によって異なる。一般的に、高音質のためには被膜は薄くて軽く、また、硬質な方が良い。絶縁被膜として、ポリエステル被膜やポリウレタン被膜が多く用いられているが、硬質なジルコニア等のセラミックを用いることにより音質への影響を少なくできる。また、導電体であるアルミニウム線の表面に陽極酸化被膜を形成(所謂アルマイト処理)する方法では、薄くて硬質な絶縁被膜を得ることができる。
ここで、隣り合う導電体同士を絶縁部で接合する方法としては、絶縁体を両側から導電体で挟みながら接合する方法、隣り合う導電体の間に予め形成した溝(隙間)に絶縁体を充填しながら接合する方法等がある。なお、絶縁部を挟んで隣り合う導電体の断面積の合計は、他の絶縁部を挟まない各導電体の断面積と等しいことが好ましい。これにより、絶縁部によって接合された二本の導電体と、他の絶縁部を挟まない各導電体の機械的性質を揃えることができ、コイル体の各部(巻回部)の振動状態が均等化されて、ボイスコイル振動板の全面で均一な振動が得られる。
前記目的に沿う第2の発明に係る電気音響変換器は、第1の発明に係るボイスコイル振動板を用いている。
以上の結果、第1の発明に係るボイスコイル振動板を用いた第2の発明に係る電気音響変換器では、音の劣化を防ぎ、音質を大幅に改善することが可能となる。また、面状に並列配置された複数の導電体からなる導電部では、複数の導電体を電気的に並列に接続することにより、ボイスコイル振動板として所定のインピーダンスを維持しながら各導電体の断面積を小さくすることができる。このようにして、断面積を小さくした導電体を採用することにより、各導電体の内部で振動の伝搬が減少し、電気音響変換器としての音質を向上させることができる。
図1(A)に示す電気音響変換器10は、本発明の第1の実施例に係るボイスコイル振動板20が、後述する磁石板60の前面側に磁石板60に対向して配置されたものである。このとき、ボイスコイル振動板20の軸方向が電気音響変換器10の前後方向である。なお、図1(A)の上方向と下方向を、それぞれ電気音響変換器10(ボイスコイル振動板20)の前方方向と後方方向とし、左右方向を電気音響変換器10(ボイスコイル振動板20)の幅方向(半径方向)としている(以下の図3、図4、図6、図8、図9、図12、図16、図17において同じ)。本実施例に係るボイスコイル振動板20を用いた電気音響変換器10は、低音域まで再生できるスピーカーとして好適である。
まず、ボイスコイル振動板20は、図2に示すように、面状で円環状(リング状)に形成されたコイル体30を有しており、このコイル体30は、図3に示すように、面状に並列配置され電気的に並列に接続された複数(本実施例では9本)の導電体31からなる導電部32と絶縁部33により、渦巻状の巻回状態が形成されたものである。この渦巻状の巻回状態によりコイル体30には、内周と外周との間で分離され並列に配置された複数の巻回部34が形成される。よって、各巻回部34は、それぞれ導電体31又は絶縁部33で構成される。ここで、導電部32と並列に絶縁部33が配置されているが、導電部32の中で幅方向に隣り合う導電体31は全て電気的に並列に接続されているので、各導電体31の間を絶縁する必要はない。これにより、隣り合う導電体31同士は接触状態又は微小な隙間を空けて配置することができる。以上のようにして、各巻回部34(各導電体31又は絶縁部33)は、隣り合う他の巻回部34に対して、少なくとも振動時に部分的に接触するように配置される。
まず、図1(A)、(B)に示すように、磁石板60の中心領域には円筒状のネオジム磁石を用いた中心領域磁石61が配置されている。中心領域磁石61の寸法は、例えば外径60mm、内径32mm、厚さ(軸方向寸法)16mmである。そして、中心領域磁石61の外周には基本領域磁石62が配置されている。基本領域磁石62は、ネオジム磁石を用いた全24個の小磁石62’で構成されており、各小磁石62’は平面視して内周側(中心領域磁石61側)が上底となり、外周側が下底となるように台形状に形成されて中心領域磁石61の周囲(外周)に放射状に配置されている。なお、円環状(リング状)に形成されたボイスコイル振動板20は、振動時に内周側端部と外周側端部の中間位置で最大の変位(振幅)が発生するような波状に変形する。よって、振動時にボイスコイル振動板20と基本領域磁石62が接触(干渉)しないように、ボイスコイル振動板20の振動時の形状に合わせて、各小磁石62’の上面に窪みを設けている。各小磁石62’の寸法は、例えば平面視して上底4.4mm、下底14mm、高さ(半径方向寸法)33mmの台形状で、最大厚さ(軸方向寸法)16mmである。
なお、図1(A)においては、説明の都合上、中心線の右側には小磁石62’を通る位置で切断した断面を示し、中心線の左側には音通過孔71を通る位置で切断した断面を示している。また、磁石板60の各部の形状及び寸法は、本実施例に限定されるものではなく、適宜、選択することができる。
円環状のコイル体30に対しては、磁石板60によって半径方向の磁界が形成されている。そして、渦巻状に巻回された導電部32の各導電体31に、内周側端子38と外周側端子39より音響信号電流が供給されることによって各導電体31に電磁力が発生する。磁石板60によって形成される磁界のうち、ボイスコイル振動板20の表面に対して平行な磁界成分が、ボイスコイル振動板20を前後方向に振動させて音を発生する。このとき、導電体31の機械的性質と絶縁部33の機械的性質が大きく異なると、導電体31の振動時に可動連結部41が破れたり、絶縁部33と接合支持部43を接合している相互接合部44が剥がれたりして、ボイスコイル振動板20が破損する場合がある。ここでは、絶縁部33の機械的性質を導電体31の機械的性質に近付けるために、先に説明したように、導電体31と同じ材質の非駆動用導電体を薄い絶縁被膜で覆って絶縁部33として使用した。このようにコイル体30において各巻回部34の機械的な性質を揃えることにより、ボイスコイル振動板20の破損を防止することができる。特に、低音域まで再生するスピーカーではボイスコイル振動板20の振幅が大きくなるので、コイル体30(巻回部34)の機械的な性質を均一化することは有効である。なお、絶縁部33には、絶縁被膜による音質への影響を考慮して音響信号電流を流していない。
このように構成したボイスコイル振動板20は、巻回部34に幅方向の力が加わっても、各巻回部34が隣り合う他の巻回部34に接触して、幅方向への移動が阻まれる。このため、ボイスコイル振動板20は全体として剛性が低いにも関わらず、従来のボイスコイル振動板で問題となっていた幅方向変位が発生し難い。この幅方向変位の防止機能によって、各巻回部34の幅方向変位が主な原因となって発生していた異常振動を大幅に減少させることができる。
また、可動連結部41の可動部42は、巻回部34に接合されておらず、それによって巻回部34を独立して振動(可動)し易くしている。このようにして、隣り合う巻回部34同士が互いに接触し合うような間隔の巻回状態であるにも関わらず、ボイスコイル振動板20全体の剛性を著しく低下させることができ、それによってこれまでにない高音質を実現している。高音質化のためには、可動連結部41(可動部42)の剛性を低くすることが好ましいが、可動連結部41の剛性を適正に設定するに当たって、可動部42の長さ(隣り合う接合支持部43同士の間隔)、厚さ、硬さは適宜、選択することができる。また、高音質化のためには駆動部である導電体31以外の物質の質量と体積はできるだけ小さくすることが望ましく、可動連結部41(支持体40)は薄い方が良い。
図4に示す電気音響変換器10Aは、本発明の第2の実施例に係るボイスコイル振動板20Aが、磁石板60Aの前面側に対向して配置されたものである。
ボイスコイル振動板20Aが、第1の実施例と異なる点は、図5、図6に示すように、コイル体30aを構成する導電部32aが、並列に配置され電気的に並列に接続された3本の導電体31からなり、膜状の支持体40の代わりに、複数(本実施例では20本)の紐状(線状)の支持体40aが、等角度間隔で放射状に設置されている点である。また、ボイスコイル振動板20Aと共に用いられる磁石板60Aが磁石板60と異なる点は、基本領域磁石62aを構成する各小磁石62a’の上面が平坦状に形成され、外周領域磁石63aが1つのネオジム磁石で円筒状に形成されている点である。
なお、図4においては、説明の都合上、中心線の右側には小磁石62a’を通る位置で切断した断面を示し、中心線の左側には音通過孔71を通る位置で切断した断面を示している。
先に説明した図4において、磁石板60Aによって形成され、導電体31を駆動させる磁界の強度は、ボイスコイル振動板20Aの内周側と外周側で急激に低下することが分かっている。そこで、磁界強度が低い内周側及び外周側の領域における電流密度を、磁界強度が高い他(中間部)の領域における電流密度よりも低下させれば音への変換効率を向上させることができる。これに対応したのが、図7〜図9に示す第1の変形例のボイスコイル振動板20Bである。このボイスコイル振動板20Bがボイスコイル振動板20Aと異なる点は、内周側緩衝部21B、主振動部22B及び外周側緩衝部23Bの3つの領域からなるコイル体30bを用いており、内周側緩衝部21Bに対し、紐状の支持体40aの代わりに膜状の支持体40bを配置している点である。なお、内周側緩衝部21B及び外周側緩衝部23Bは、ボイスコイル振動板20Bの内周側と外周側で主振動部22Bの振動に対する緩衝部としての機能も有している。
また、ボイスコイル振動板20Aでは、複数の支持体40aを放射状に配置したことにより、支持体40aの内周側の配置間隔が外周側よりも狭くなり、ボイスコイル振動板20Aを全体として見たときに外周側に比べて内周側の剛性が高くなっていた。そこで、ボイスコイル振動板20Bでは、内周側緩衝部21Bに対し、支持体40aの代わりに、剛性の低い薄膜状の支持体40bを配置してボイスコイル振動板20Bの全体としての剛性を均一化すると共に、配置間隔を拡げた巻回部34間の空気の流通を遮断している。
ここで、絶縁部33dを挟んで隣り合う導電体31d’の幅は、先に説明したように、他の導電体31dの幅の半分である。絶縁部33dで接合された2本の導電体31d’の断面積の合計が、他の各導電体31dの断面積と等しくなるので、導電部32dの断面積としては導電体31dの3本分の断面積となっている。従って、コイル体30dとしては、3本分の導電体31dが並列に配置されたような巻回状態であり、電気的には、巻回状態の絶縁部33dで絶縁された各2本の導電体31d、31d’が導電部32dを構成して、等電位な状態で音響信号電流が流れる。
なお、相互接合部44aには、シリコーン樹脂の他、エポキシ系、シアノアクリレート系等の合成樹脂系接着剤等を用いることができるが、導電体31同士を接合する箇所では、半田付けやワイヤーボンディング等の金属による接合を用いると強い接合力が得られ、しかも硬質であるため高音質化という点でも有利になる。また、導電体31の材質として、非磁性で高弾性な(復元性の高い)材質、例えばベリリウム銅、りん青銅、非磁性ばね用ステンレス鋼線等を選択した場合、導電体31自身の支持体としての機能を向上させることができ、動作の安定性及び耐久性の面でも有効である。
なお、ボイスコイル振動板20Eでは、各導電体31及び絶縁部33を巻回してコイル体30aを形成したが、ボイスコイル振動板20Gでは、例えば導電部32gとなる1枚の導電体箔を並列な3本の分離部35gによって導電体31g、31g’に分離して、コイル体30gの巻回部34を形成している。さらに、分離部35gによって巻回部34を形成する際には、巻回部34の巻回方向に断続的に分離しない部分を設けて導電体結合部36gとし、導電体結合部36gを巻回部34の巻回方向及び幅方向に対して千鳥状となるように配置している。このコイル体30gの製造方法は、基本的に前述のコイル体30dと同様であり、導電体結合部36gの有無が異なるだけである。
一般的に低音域を再生するスピーカーでは、振動板の面積が大きくなり振幅も大きくなるので、面状のコイル体の各部(巻回部)では様々な方向の位置ずれが生じ易く、その位置ずれが波及する範囲も広がって、コイル体の変形に対する影響が大きくなる。これに対して、このボイスコイル振動板20Gでは、半径方向に対して全ての隣り合う巻回部34間で導電体結合部36gを設けているため、導電体結合部36gから離れた位置の巻回部34で位置ずれが生じても、その位置ずれが巻回部34の他の部分へ波及することを各導電体結合部36gによって防止することができる。このようにして、巻回部34間の段差の発生及びコイル体30g全体の位置ずれによる変形を防ぐことができる。また、ボイスコイル振動板20Gは、振幅が大きくなると波状の変形が大きくなって、隣り合う巻回部34の間で前後方向変位の差が大きくなる。このような場合、分離部35gの隙間が前後方向に拡大してボイスコイル振動板20Gの前面側と後面側との間で空気が流通し易くなる。これに備え、ボイスコイル振動板20Gでは、支持体40gを膜状とすることにより、上記空気の流通を支持体40gで遮断するようにしている。以上のような特徴を有するボイスコイル振動板20Gは、特に低音域用のスピーカーに好適に用いることができる。
上記実施例では、面状のボイスコイル振動板について説明したが、このボイスコイル振動板は、例えば特許文献5のように、傾斜面又は垂直面を有する立体状に形成することもできる。即ち、導電部と絶縁部を折り曲げたり、湾曲させたりしながら巻回してコイル体を立体状に形成したもの、又は導電部と絶縁部を平面状に巻回した後に折り曲げたり、湾曲させたりしてコイル体を立体状に形成したもの等を使用することもできる。また、必要に応じて、導電部の一部又は全体に被膜を設けても良い。なお、上記実施例では、導電部が、面状に並列配置された複数の導電体からなる場合について説明したが、導電体の本数は適宜、選択することができ、1本とすることもできる。
また、上記実施例では、コイル体30d、30gの製造方法として、予め面状に形成された導電部に対してプレス加工、レーザー加工、又はエッチング等を施して分離部35d、35g等を形成する方法について説明したが、蒸着、スパッタリング、メッキ等の手段を用いて、分離部35d、35g及び絶縁部33d、33g以外の導電体31d、31d’、31g、31g’部分を形成することもできる。
さらに、上記実施例のボイスコイル振動板と組合せて使用する磁石板の構造は、上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。よって、従来の磁石板を使用した電気音響変換器の振動板の代わりに、上記実施例のボイスコイル振動板を適用できる場合は、これらの採用によって高音質が得られる。
Claims (7)
- 導電部を巻回状態とした面状のコイル体を有し、磁石板に対面して配置され、(a)前記磁石板で形成される磁界と、前記導電部に流れる音響信号電流とによって発生する電磁力で、前記導電部を振動させて音を発生させる、又は(b)前記磁石板で形成される磁界と、音による前記導電部の振動とによって、該導電部に音響信号電流を発生させる電気音響変換器のボイスコイル振動板であって、
前記コイル体は、1又は面状に並列配置された複数の導電体からなる前記導電部と、該導電部を絶縁する絶縁部とを有し、前記各導電体及び前記絶縁部が巻回状態とされることにより、前記コイル体に分離され並列に配置された複数の巻回部が形成され、
前記各巻回部は、(1)隣り合う他の前記巻回部に対して少なくとも振動時に部分的に接触するように配置され、並列に配置された他の前記巻回部と可動連結部で連結され、又は(2)隣り合う他の前記巻回部と、該巻回部の巻回方向に断続的に接合部で接合されていることを特徴とするボイスコイル振動板。 - 請求項1記載のボイスコイル振動板において、前記コイル体の一面側に配置され、前記可動連結部が形成された支持体を有し、前記可動連結部は、前記巻回部に面していながら該巻回部に接合されない可動部と、該可動部の両端部で前記巻回部に接合される接合支持部とを有することを特徴とするボイスコイル振動板。
- 請求項1記載のボイスコイル振動板において、前記接合部は、前記巻回部の巻回方向及び幅方向に対して千鳥状に配置されていることを特徴とするボイスコイル振動板。
- 請求項1〜3のいずれか1記載のボイスコイル振動板において、前記導電部は、該導電部の一部又は全体に被膜を有することを特徴とするボイスコイル振動板。
- 請求項1〜3のいずれか1記載のボイスコイル振動板において、前記導電部は並列配置された複数の前記導電体からなり、前記絶縁部を挟んで隣り合う前記導電体同士は、前記絶縁部で接合されていることを特徴とするボイスコイル振動板。
- 請求項1〜3のいずれか1記載のボイスコイル振動板において、前記絶縁部は、非駆動用導電体と、該非駆動用導電体の外周を覆う絶縁被膜からなることを特徴とするボイスコイル振動板。
- 請求項1〜3のいずれか1記載のボイスコイル振動板を用いたことを特徴とする電気音響変換器。
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