JP6470778B2 - 燃料電池システム及び発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システム及び発電方法に関する。
燃料電池システムにおいて、発電効率を向上させるため、燃料電池セルスタックを複数設けて多段式とする手法が知られている。例えば、燃料電池セルスタックを複数設け、前段の燃料電池セルスタックから排出された使用済みの燃料ガス中の未反応の燃料ガスを後段の燃料電池セルスタックで再利用する多段式の燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−31989号公報
ここで、特許文献1に記載の多段式の燃料電池システムでは、前段及び後段の燃料電池セルスタックから排出されるアノードオフガス中の燃料濃度については何ら検討されていない。多段式の燃料電池システムにおいて、前段及び後段の燃料電池セルスタックから排出されるアノードオフガス中の燃料濃度、すなわち、前段及び後段の燃料電池セルスタックの出口における燃料濃度が低い場合、燃料電池セルスタックの酸化等により燃料電池セルスタックの耐久性が低下するおそれがある。
本発明は、燃料電池セルスタックの耐久性に優れた燃料電池システム、及びこの燃料電池システムを用いた発電方法を提供することを目的とする。
上記課題は、例えば以下の手段により解決される。
<1> 燃料ガスを用いて発電を行う第1燃料電池セルスタックと、前記第1燃料電池セルスタックから排出された未反応の前記燃料ガスを含むアノードオフガスから、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離手段と、前記分離手段の下流に配置され、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離された前記アノードオフガスを用いて発電を行う第2燃料電池セルスタックと、を備え、前記第1燃料電池セルスタックの出口における前記アノードオフガスの燃料濃度を第1燃料濃度、前記第2燃料電池セルスタックの出口における前記アノードオフガスの燃料濃度を第2燃料濃度としたとき、前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度の値が等しくなるときの値をCとすると、前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度がそれぞれ0.9C以上を満たす燃料電池システム。
本形態の燃料電池システムでは、分離手段により第1燃料電池セルスタックから排出されたアノードオフガスから、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離され、アノードオフガスが再生されてその燃料濃度が上昇する。そして、燃料濃度が上昇したアノードオフガスが第2燃料電池セルスタックに供給されるため、本形態の燃料電池システムでは高い燃料利用率での運転が可能となり、高い発電効率を得ることができる。
一般的に、多段式の燃料電池システムでは、第1燃料電池セルスタック中でのアノードガスの燃料濃度は、第1燃料電池セルスタックの入口にて最も高く、第1燃料電池セルスタックの出口にて最も低くなる。第2燃料電池セルスタック中でのアノードガスの燃料濃度についても同様である。ここで、第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックにおいて、燃料電池セルスタック中におけるアノードガスの燃料濃度が低下すると、燃料電池セルスタックの酸化等により燃料電池セルスタックの耐久性が低下するおそれがある。そのため、燃料濃度が最も低くなる、第1燃料電池セルスタックの出口及び第2燃料電池セルスタックの出口における燃料濃度を高めて燃料電池セルスタックの酸化(例えば、燃料極の酸化)等を抑制することが好ましい。
そこで、本形態の燃料電池システムでは、分離手段によりアノードオフガスを再生させて燃料濃度を高めるとともに、第1燃料電池セルスタックにおける最低燃料濃度(第1燃料濃度)及び第2燃料電池セルスタックにおける最低燃料濃度(第2燃料濃度)を高めることで、燃料電池セルスタックの酸化等を抑制している。より具体的には、第1燃料濃度及び第2燃料濃度を等しくすることで、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値をともに高い値とすることができ、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れた燃料電池システムを提供することができる。また、第1燃料濃度及び第2燃料濃度が等しいときの値をCとしたとき、第1燃料濃度及び第2燃料濃度が、0.9C以上、すなわち、それぞれの濃度が等しいときの90%以上であれば、第1燃料濃度と第2燃料濃度との差を抑制することができ、また、燃料電池セルスタックの酸化等のリスクを抑制し、燃料電池セルスタックの耐久性に優れた燃料電池システムを提供することができる。
<2> 前記分離手段において、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率の一方は、50%以上99%以下である<1>に記載の燃料電池システム。
本形態の燃料電池システムでは、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率の一方は、上記数値範囲を満たすことにより、アノードオフガスが再生されてその燃料濃度が好適に上昇する。そのため、本形態の燃料電池システムではより高い燃料利用率での運転が可能となり、より高い発電効率を得ることができる。
<3> 前記分離手段は、前記アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気を分離し、
前記分離手段において、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率は、ともに50%以上99%以下である<1>に記載の燃料電池システム。
本形態の燃料電池システムでは、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率は、上記数値範囲を満たすことにより、アノードオフガスが再生されてその燃料濃度がより好適に上昇する。そのため、本形態の燃料電池システムでは更に高い燃料利用率での運転が可能となり、更に高い発電効率を得ることができる。
<4> 前記第1燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積の合計をα、前記第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積の合計をαとしたとき、α/αが2.0超である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
<5> 前記第1燃料電池セルスタックが備える燃料電池スタックと前記第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池スタックとが同一である場合、第1燃料電池セルスタックにおける燃料電池スタックの数β、第2燃料電池セルスタックにおける燃料電池スタックの数βとしたとき、β/βとしたとき、β/βが2.0超である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
本形態の燃料電池システムでは、α/α又はβ/βが2.0超であることにより、α/α又はβ/βが2.0以下である場合と比較して、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値をともに高い値とすることができる。そのため、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れた燃料電池システムを提供することができる。
<6> 前記分離手段において、二酸化炭素及び水蒸気の一方を分離する場合、前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度がそれぞれ10%以上である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
<7> 前記分離手段において、二酸化炭素及び水蒸気を分離する場合、前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度がそれぞれ11.5%以上である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
本形態の燃料電池システムでは、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値を上記数値範囲内とすることにより、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れた燃料電池システムを提供することができる。
<8> 原料ガスを改質して燃料ガスを生成する改質器を更に備え、前記分離手段にて分離した二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を原料ガスの改質に用いる<1>〜<7>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
本形態の燃料電池システムでは、原料ガスの改質に用いる二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を外部から改質器に供給する必要がなくなる、あるいは、外部から改質器に供給される二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の量を低減することができる。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の燃料電池システムを用いた発電方法。
<10> 前記第1燃料電池セルスタック及び前記第2燃料電池セルスタックを等しい電流密度で作動させて発電を行う<9>に記載の発電方法。
本形態の発電方法では、前述の燃料電池システムを用いて発電を行うため、燃料電池セルスタックの耐久性に優れ、長期的に安定した発電が可能となる。
<11> 前記第1燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積と前記第1燃料電池セルスタックを作動させたときの当該燃料電池セルの電流密度との積の合計をγ、前記第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積と前記第2燃料電池セルスタックを作動させたときの当該燃料電池セルの電流密度との積の合計をγとしたとき、γ/γを2.0超に調整して発電を行う<9>又は<10>に記載の発電方法。
本形態の発電方法では、γ/γが2.0超であることにより、γ/γが2.0以下である場合と比較して、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値をともに高い値とすることができる。そのため、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れ、より長期的に安定した発電が可能となる。
本発明によれば、燃料電池セルスタックの耐久性に優れた燃料電池システム、及びこの燃料電池システムを用いた発電方法を提供することができる。
第1実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 O及びCOの除去率がともに95%である場合における、第1燃料電池セルスタックの燃料利用率と、第1燃料濃度及び第2燃料濃度との関係を示すグラフである。 O除去率が95%である場合における、第1燃料電池セルスタックの燃料利用率と、第1燃料濃度及び第2燃料濃度との関係を示すグラフである。 アノードオフガス中のHO及びCOの除去率とスタック比との関係を示すグラフである。 アノードオフガス中のHO除去率とスタック比との関係を示すグラフである。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例の一例に示されている値に置き換えてもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の燃料電池システムの一実施形態について図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第1実施形態に係る燃料電池システム10は、燃料ガスを用いて発電を行う第1燃料電池セルスタック11と、第1燃料電池セルスタック11から排出された未反応の前記燃料ガスを含むアノードオフガスから、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜16と、分離膜16の下流に配置され、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたアノードオフガスを用いて発電を行う第2燃料電池セルスタック12と、を備え、第1燃料電池セルスタック11の出口におけるアノードオフガスの燃料濃度を第1燃料濃度、第2燃料電池セルスタック12の出口におけるアノードオフガスの燃料濃度を第2燃料濃度としたとき、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値が等しくなるときの値をCとすると、第1燃料濃度及び第2燃料濃度がそれぞれ0.9C以上を満たす。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム10は、原料ガスを改質して燃料ガスを生成する改質部19及び燃焼反応により改質部19を加熱する燃焼部18を有する改質器14を備えている。
本実施形態の燃料電池システム10では、分離膜16により第1燃料電池セルスタック11から排出されたアノードオフガスから、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離され、アノードオフガスが再生されてその燃料濃度が上昇する。そして、燃料濃度が上昇したアノードオフガスが第2燃料電池セルスタック12に供給されるため、燃料電池システム10では高い燃料利用率での運転が可能となり、高い発電効率を得ることができる。
一般的に、多段式の燃料電池システムでは、第1燃料電池セルスタック中でのアノードガスの燃料濃度は、第1燃料電池セルスタックの入口にて最も高く、第1燃料電池セルスタックの出口にて最も低くなる。第2燃料電池セルスタック中でのアノードガスの燃料濃度についても同様である。ここで、第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックにおいて、燃料電池セルスタック中のアノードガスの燃料濃度が低下すると、燃料電池セルスタックの酸化等により燃料電池セルスタックの耐久性が低下するおそれがある。そのため、燃料濃度が最も低くなる、第1燃料電池セルスタックの出口及び第2燃料電池セルスタックの出口における燃料濃度を高めて燃料電池セルスタックの酸化等を抑制することが好ましい。
そこで、燃料電池システム10では、分離手段の一種である分離膜16によりアノードオフガスを再生させて燃料濃度を高めるとともに、第1燃料電池セルスタック11における最低燃料濃度(第1燃料濃度)及び第2燃料電池セルスタック12における最低燃料濃度(第2燃料濃度)を高めることで、燃料電池セルスタックの酸化等を抑制している。より具体的には、第1燃料濃度及び第2燃料濃度を等しくすることで、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値をともに高い値とすることができ、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れたシステムを提供することができる。また、第1燃料濃度及び第2燃料濃度が等しいときの値をCとしたとき、第1燃料濃度及び第2燃料濃度が、0.9C以上、すなわち、それぞれの濃度が等しいときの90%以上であれば、第1燃料濃度と第2燃料濃度との差を抑制することができ、また、燃料電池セルスタックの酸化等のリスクを抑制し、燃料電池セルスタックの耐久性に優れたシステムを提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池システム10は、例えば、第1燃料電池セルスタック11が備える燃料電池セルの有効表面積の合計(α)に対する第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積の合計(α)の比率(α/α)を調整したり、第1燃料電池セルスタック11が備える燃料電池スタックの数(β)に対する第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池スタックの数(β)の比率(β/β)を調整したり、分離手段における二酸化炭素及び水蒸気の分離の度合いを調整したりする等により、第1燃料濃度及び第2燃料濃度を0.9C以上に調整することができる。
以下、本実施形態に係る燃料電池システム10の各構成について説明する。
(原料ガス供給経路)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、分離膜16の透過側16Bに配置され、分離膜16により分離された二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方、及び原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24を備えている。また、原料ガス供給経路24には、分離膜16により分離された二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方、及び原料ガスを改質器14へ送るためのブロワ25が設置されている。
原料ガス供給経路24内を流通する原料ガスとしては、改質可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素ガスが挙げられる。炭化水素ガスとしては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、特にメタンが好ましい。なお、炭化水素ガスとしては、上述した低級炭化水素ガスを2種以上混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスを天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスと混合したガスであってもよい。
(改質器)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、原料ガスを改質して改質ガスを生成する改質器14を備えている。改質器14は、例えば、バーナ又は燃焼触媒、あるいはこれら両方を配置した燃焼部18と、改質用触媒を備える改質部19とにより構成される。
改質部19は、上流側にて原料ガス供給経路24と接続しており、下流側にて燃料ガス供給経路42と接続している。そのため、原料ガス供給経路24を通じてメタンなどの原料ガスが改質部19に供給され、改質部19にて原料ガスを改質した後に、生成された改質ガスが燃料ガス供給経路42を通じて第1燃料電池セルスタック11に供給される。
燃焼部18は、上流側にて空気供給経路44及びオフガス経路46と接続しており、下流側にて排気経路48と接続している。燃焼部18は、空気供給経路44を通じて供給された酸素を含むガスと、オフガス経路46を通じて供給されたオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部19内の改質用触媒を加熱する。燃焼部18からの排気は、排気経路48を通じて排出される。
排気経路48及び空気供給経路44には熱交換器41が設置されており、熱交換器41により、排気経路48内を流通する排気と、空気供給経路44内を流通する酸素を含むガスと、の間で熱交換を行なう。これにより、排気経路48内を流通する排気は冷却された後に排出され、空気供給経路44内を流通する酸素を含むガスは、第1燃料電池セルスタック11の作動温度に適した温度に加熱された後に第1燃料電池セルスタック11のカソードに供給される。
改質部19での改質は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、そのため、燃焼部18で発生する燃焼熱により改質部19を加熱することが好ましい。あるいは、燃焼部18を設置せずに各燃料電池から放出される熱を用いて改質部19を加熱するか、燃焼熱及び各燃料電池から放出される熱の両方により加熱してもよい。
原料ガスの改質としては、水蒸気改質、二酸化炭素改質、部分酸化改質、シフト反応改質などが挙げられ、改質部19は、原料ガスの二酸化炭素改質及び水蒸気改質の少なくとも一方を行う構成であってもよく、また、部分酸化改質により燃料ガスを生成する構成であってもよく、改質時にシフト反応を伴うものであってもよい。本実施形態では、原料ガスとして炭化水素ガスC(n、mはともに正の整数)を用い、改質部19にてメタンを水蒸気改質し、燃料ガスを生成する構成について以下に説明する。
原料ガスとしてC(n、mはともに正の整数)で表される炭化水素ガスを水蒸気改質させた場合、改質部19にて、以下の式(a)の反応により一酸化炭素及び水素が生成される。
+nHO→nCO+[(m/2)+n]H・・・・(a)
また、原料ガスの一例であるメタンを水蒸気改質させた場合、改質部19にて、以下の式(b)の反応により一酸化炭素及び水素が生成される。
CH+HO→CO+3H・・・・(b)
改質部19内に設置される改質用触媒としては、改質反応の触媒となるものであれば特に限定されないが、Ni,Rh,Ru,Ir,Pd,Pt,Re,Co,Fe及びMoの少なくとも一つを触媒金属として含む改質用触媒が好ましい。
改質器14の改質部19に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、改質器14の改質部19に供給される単位時間当たりの原料ガスの炭素原子数Cとの比であるスチームカーボン比S/Cは、1.5〜3.5であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましく、2.0〜2.5であることがさらに好ましい。スチームカーボン比S/Cがこの範囲にあることにより、原料ガスが効率よく水蒸気改質され、水素及び一酸化炭素を含む燃料ガスが生成される。さらに、燃料電池システム10内での炭素析出を抑制することができ、燃料電池システム10の信頼性を高めることができる。
また、燃焼部18は、水蒸気改質を効率よく行う観点から、改質部19を、600℃〜800℃に加熱することが好ましく、600℃〜700℃に加熱することがより好ましい。
本実施形態に係る燃料電池システム(特に、高温型の燃料電池を備える燃料電池システム)では、改質器が第1燃料電池セルスタックの外部に取り付けられている必要はなく、第1燃料電池セルスタックに原料ガス及び水蒸気及び二酸化炭素の少なくとも一方を直接供給し、第1燃料電池セルスタックの内部で改質(内部改質)を行い、生成された燃料ガスを第1燃料電池セルスタックでの発電に用いる構成であってもよい。特に第1燃料電池セルスタックが高温型の燃料電池である場合、内部での反応温度は600℃〜800℃と高温であるため、第1燃料電池セルスタック内で改質を行うことが可能である。
なお、二酸化炭素改質を行う場合、改質部に供給される原料ガス(好ましくはメタン)の炭素原子数(A)と二酸化炭素の分子数(B)との比(A:B)は、二酸化炭素改質を効率よく行なう観点から、例えば700℃なら、1:2.7〜5.0が好ましく、1:2.7〜4.0がより好ましい。さらに、炭素析出を抑制する観点から、水蒸気を一部添加してもよい。
(第1燃料電池セルスタック)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、燃料ガス供給経路42を通じて改質器14の改質部19から供給された燃料ガスを用いて発電を行う第1燃料電池セルスタック11を備えている。第1燃料電池セルスタック11としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルを複数積層あるいは複数接続した燃料電池スタックを少なくとも一つ備えた燃料電池セルスタックである。また、第1燃料電池セルスタックとしては、600℃〜800℃程度で作動する高温型の燃料電池、例えば、600℃〜800℃程度で作動する固体酸化物形燃料電池、600℃〜700℃程度で作動する溶融炭酸塩形燃料電池が挙げられる。
第1燃料電池セルスタック11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池セルスタック11のカソード(図示せず)には、空気供給経路44を通じて空気が供給される。空気がカソードに供給されることにより、以下の式(c)に示す反応が起こり、その際、酸素イオンが固体酸化物電解質(図示せず)の内部を移動する。
+4e→2O2−・・・・(c)
第1燃料電池セルスタック11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池セルスタック11のアノード(図示せず)には、燃料ガス供給経路42を通じて水素及び一酸化炭素を含む燃料ガスが供給される。アノードと固体酸化物電解質との界面にて水素及び一酸化炭素が固体酸化物電解質の内部を移動する酸素イオンと反応することにより、以下の式(d)、式(e)に示す反応が起こる。
+O2−→HO+2e・・・・(d)
CO+O2−→CO+2e・・・・(e)
第1燃料電池セルスタック11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池セルスタック11のカソード(図示せず)には、空気供給経路44を通じて酸素及び二酸化炭素を含むガスが供給される。酸素及び二酸化炭素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(f)に示す反応が起こり、その際、炭酸イオンが電解質(図示せず)の内部を移動する。
+2CO+4e→2CO 2−・・・・(f)
第1燃料電池セルスタック11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池セルスタック11のアノード(図示せず)には、燃料ガス供給経路42を通じて水素及び一酸化炭素を含む燃料ガスが供給される。アノードと電解質との界面にて水素及び一酸化炭素が電解質の内部を移動する炭酸イオンと反応することにより、以下の式(g)、式(h)に示す反応が起こる。
+CO 2−→HO+CO+2e・・・・(g)
CO+CO 2−→2CO+2e・・・・(h)
上記式(d)、式(e)、式(g)及び式(h)に示すように、第1燃料電池セルスタック11での燃料ガスの電気化学的な反応により、固体酸化物形燃料電池及び溶融炭酸塩形燃料電池では主に水蒸気及び二酸化炭素が生成される。また、アノードで生成された電子は、外部回路を通じてカソードに移動する。このようにして電子がアノードからカソードに移動することにより、第1燃料電池セルスタック11にて発電が行われる。
カソードから排出されたカソードオフガスは、下流側の空気供給経路44を通じて、第2燃料電池セルスタック12のカソード(図示せず)に供給される。
一方、アノードから排出された未反応の燃料ガスを含むアノードオフガスは、オフガス経路52を通じて分離膜16の供給側16Aへ供給される。ここで、未反応の燃料ガスを含むアノードオフガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気などを含む混合ガスである。
オフガス経路52及びオフガス経路54には熱交換器21が設置されており、熱交換器21により、オフガス経路52内を流通するアノードオフガスと、オフガス経路54内を流通する二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたアノードオフガスと、の間で熱交換を行う。これにより、オフガス経路52内を流通するアノードオフガスは、分離膜16により二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する際に好ましい温度まで冷却され、オフガス経路54内を流通する二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたアノードオフガスは、第2燃料電池セルスタック12の作動温度に適した温度に加熱される。そのため、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。
(分離膜)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、第1燃料電池セルスタック11から排出された未反応の燃料ガスを含むアノードオフガスから、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜16を備えている。分離膜16は、分離手段の一種である。
オフガス経路52内を流通するアノードオフガスは、分離膜16の供給側16Aに供給され、アノードオフガス中の二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方は、供給側16Aから透過側16Bへ矢印A方向に分離膜16を通過する。二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離した後のアノードオフガスは、供給側16Aからオフガス経路54内を流通し、第2燃料電池セルスタック12へ供給される。一方、分離された二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方は、原料ガス供給経路24内を流通する原料ガスと混合され、透過側16Bから原料ガス供給経路24内を流通し、改質器14の改質部19へ供給される。そのため、分離された二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方は、原料ガスの改質に用いられる。したがって、本実施形態に係る燃料電池システム10では、原料ガスの改質に用いる二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を外部から改質器14の改質部19に供給する必要がなくなる、あるいは、外部から改質器14の改質部19に供給される二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の量を低減することができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム10では、分離膜16の透過側16Bに原料ガス供給経路24を配置し、原料ガスを分離された二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方のスイープガスとして機能させている。そのため、分離膜の透過側16Bに空気等のスイープガスを供給するための経路及び空気ブロア又は減圧ポンプを別途設ける必要は無く、システムが簡略化されている。
燃料電池システム10では、分離膜16にて二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されるため、第2燃料電池セルスタック12に供給されるアノードオフガス中の水蒸気濃度及び二酸化炭素濃度の少なくとも一方を低くすることができ、燃料電池システム10の発電効率を高めることができる。
分離膜は、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を透過する膜であれば特に限定されず、例えば、有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜などが挙げられる。また、分離膜は、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜、アミン水溶液膜又はイオン液体膜であることがより好ましい。
分離膜の厚さは、特に限定されないが、機械的強度の観点からは、通常、10μm〜3000μmの範囲が好ましく、10μm〜500μmの範囲がより好ましく、15μm〜150μmの範囲がさらに好ましい。
また、分離膜としては、アノードオフガスを再生させてその燃料濃度を好適に上昇させる点から、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率の一方が50%以上99%以下を満たす膜であることが好ましく、60%以上99%以下を満たす膜であることがより好ましく、70%以上99%以下を満たす膜であることが更に好ましく、80%以上99%以下を満たす膜であることが特に好ましい。アノードオフガスを再生させてその燃料濃度を好適に上昇させることにより、燃料電池システムにおいて、より高い燃料利用率での運転が可能となり、より高い発電効率を得ることができる。
また、分離膜としては、アノードオフガスを再生させてその燃料濃度を好適に上昇させつつ、炭素析出を好適に抑制する点から、水蒸気分離率が50%以上99%以下を満たす膜であることが好ましく、60%以上99%以下を満たす膜であることがより好ましく、70%以上99%以下を満たす膜であることが更に好ましく、80%以上99%以下を満たす膜であることが特に好ましい。
なお、分離膜は、多孔質性の支持体に支持されていてもよい。支持体の材質としては、紙、セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、金属、ガラス、セラミックなどが挙げられる。支持体を設けた場合、分離膜の厚さは、二酸化炭素透過性及び水蒸気透過性を好適に確保する点から、100nm〜100μmの範囲が好ましく、100nm〜50μmの範囲がより好ましい。
また、支持体の厚さ(分離膜の厚さよりも大きいことが好ましい)は、10μm〜500μmの範囲が好ましく、30μm〜300μmの範囲がより好ましい。
二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜としては、例えば、「Journal of Membrane Science Vol.320(2008)390-400,The upper bound revisited」等に記載の膜を用いてもよい。また、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜、特に、二酸化炭素を分離する分離膜として、特許第5329207号公報に記載の高分子膜、特許第4965928号公報に記載のCO促進輸送膜、特許第5743639号公報に記載の分離膜、特許第5738704号公報に記載の透過膜等を用いてもよい。
二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離した後のアノードオフガスは、供給側16Aからオフガス経路54内を流通し、第2燃料電池セルスタック12へ供給される。このとき、前述のように、オフガス経路52及びオフガス経路54に設置された熱交換器21により、オフガス経路54内を流通する二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたアノードオフガスは、第2燃料電池セルスタック12の作動温度に適した温度に加熱される。
(第2燃料電池セルスタック)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、分離膜16の供給側16Aの下流に配置され、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたアノードオフガスを用いて発電を行う第2燃料電池セルスタック12を備えている。第2燃料電池セルスタック12としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルを複数積層あるいは複数接続した燃料電池スタックを少なくとも一つ備えた燃料電池セルスタックである。なお、第2燃料電池セルスタック12における電気化学的反応は、上述の第1燃料電池セルスタック11と同様であるため、その説明は省略する。
燃料電池システム10では、第2燃料電池セルスタック12は、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたアノードオフガスを用いて発電を行う。そのため、第2燃料電池セルスタック12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、アノードオフガス中の二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されたことに起因して濃度過電圧が低減され、特に高電流密度時に高い性能を発揮することができる。よって、燃料電池システム10は、高い発電効率を得ることができる。
<第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックの好ましい条件>
本実施形態に係る燃料電池システム10では、第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度の値が等しくなるときの値をCとすると、第1燃料濃度及び第2燃料濃度がそれぞれ0.9C以上を満たしていればよく、好ましくは、第1燃料濃度及び第2燃料濃度がそれぞれ0.95C以上を満たしていればよい。なお、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の上限としては特に限定されず、例えば、1.1C以下であればよい。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、第1燃料電池セルスタック11が備える燃料電池セルの有効表面積の合計をα、第2燃料電池セルスタック12が備える燃料電池セルの有効表面積の合計をαとしたとき、α/αが2.0超であることが好ましい。これにより、α/αが2.0以下である場合と比較して、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値をともに高い値とすることができるため、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れた燃料電池システムを提供することができる。なお、燃料電池セルの有効表面積が増加すると、燃料ガスの消費量も増加する傾向にある。
α/αは、2.5以上であることがより好ましい。
α/αは、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値の低下を抑制する、特に、第1燃料濃度の値の低下を抑制する点から、20.5以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることが更に好ましく、8.0以下であることが特に好ましく、6.0以下であることがより一層好ましい。
また、分離手段が二酸化炭素及び水蒸気を分離する場合、α/αが2.0超15以下であることが好ましく、2.0超10以下であることがより好ましく、2.05以上6.0以下であることが更に好ましく、2.05以上5.0以下であることが特に好ましい。
なお、第1燃料電池セルスタック11及び第2燃料電池セルスタック12にそれぞれ含まれる燃料電池スタックが同一のものである場合等には、第1燃料電池セルスタック11における燃料電池スタックの数β、第2燃料電池セルスタック12における燃料電池スタックの数βとしたとき、β/βが2.0超であることが好ましい。β/βの好ましい数値範囲は、上述のα/αと同様である。
また、本実施形態に係る燃料電池システム10を用いて発電を行う場合、第1燃料電池セルスタック11及び第2燃料電池セルスタック12を等しい電流密度で作動させて発電を行うことが好ましい。前述の<第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックの好ましい条件>を満たしつつ、第1燃料電池セルスタック11及び第2燃料電池セルスタック12を等しい電流密度で作動させて発電を行うことにより、燃料電池セルスタックの耐久性に優れ、長期的に安定した発電が可能となる。
また、第1燃料電池セルスタック11が備える燃料電池セルの有効表面積と第1燃料電池セルスタック11を作動させたときの当該燃料電池セルの電流密度との積の合計をγ、第2燃料電池セルスタック12が備える燃料電池セルの有効表面積と第2燃料電池セルスタック12を作動させたときの当該燃料電池セルの電流密度との積の合計をγとしたとき、γ/γを2.0超に調整して発電を行うことも好ましい。これにより、γ/γが2.0以下である場合と比較して、第1燃料濃度及び第2燃料濃度の値をともに高い値とすることができるため、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制することができ、燃料電池セルスタックの耐久性により優れ、より長期的に安定した発電が可能となる。γ/γの好ましい数値範囲は、上述のα/αと同様である。
なお、第1燃料電池セルスタック11が備える特定の燃料電池セルの有効表面積と、この燃料電池セルの電流密度との積を求め、かつ、第1燃料電池セルスタック11が備える他の燃料電池セルについても同様に積を求めたときの、これらの積の合計値がγに対応し、γについても同様である。
また、γ及びγは、それぞれ第1燃料電池セルスタック11及び第2燃料電池セルスタック12における燃料ガスの消費量と比例関係にある。
分離手段において、二酸化炭素及び水蒸気の一方を分離する場合、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制する点から、第1燃料濃度及び第2燃料濃度がそれぞれ10%以上であることが好ましく、12%以上であることがより好ましく、14%以上であることが更に好ましく、16%以上であることが特に好ましく、17%以上であることがより一層好ましい。
分離手段において、二酸化炭素及び水蒸気を分離する場合、燃料電池セルスタックの酸化等を好適に抑制する点から、第1燃料濃度及び第2燃料濃度がそれぞれ11.5%以上であることが好ましく、14%以上であることがより好ましく、17%以上であることが更に好ましく、19%以上であることが特に好ましく、21%以上であることがより一層好ましい。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、燃料利用率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、85%以上95%以下であることが更に好ましい。本実施形態に係る燃料電池システム10では、分離手段を設けることにより、燃料利用率を高めるとともに、上記条件を満たすように第1燃料濃度及び第2燃料濃度を調整している。そのため、本実施形態に係る燃料電池システムでは、高い燃料利用率による発電効率の向上と、燃料電池セルスタックの耐久性の向上とを両立している。
第2燃料電池セルスタック12のカソードから排出されたカソードオフガスは、空気供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。同様に、第2燃料電池セルスタック12のアノードから排出されたアノードオフガスは、オフガス経路46を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。
[第2実施形態]
以下、本発明の燃料電池システムの第2実施形態について図2を用いて説明する。図2は、第2実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第2実施形態に係る燃料電池システム20は、第1燃料電池セルスタック11と第2燃料電池セルスタック12との間に分離膜16を設ける代わりに、分離手段の一種である水タンク36を設け、かつ、水タンク32に貯留された凝縮水を改質器14の改質部19に供給して原料ガスの水蒸気改質に用いる点で、第1実施形態に係る燃料電池システム10と主に相違する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
原料ガス供給経路24は、後述する水蒸気供給経路37と接続しており、水蒸気供給経路37内を流通する水蒸気が原料ガス供給経路24に供給される。そして、水蒸気供給経路37より供給された水蒸気は、原料ガスとともに改質器14の改質部19に供給され、原料ガスの水蒸気改質に用いられる。なお、原料ガス供給経路24は、経路内での水蒸気の凝縮を防ぐ観点から、水蒸気供給経路37と接続されずに水蒸気が水蒸気供給経路37を通じて改質器14の改質部19に直接供給される構成であってもよい。
また、熱交換器21により、オフガス経路52内を流通するアノードオフガスと、オフガス経路54内を流通する水蒸気が回収されたアノードオフガスと、の間で熱交換を行われた後、オフガス経路52内を流通するアノードオフガスが水タンク36に供給される。このとき、オフガス経路52内を流通するアノードオフガスは冷却され、水タンク36にて水蒸気が凝縮される温度に近づくとともに、第2燃料電池セルスタック12に供給される水蒸気が回収されたオフガスは、発電に適した温度に加熱される。
水タンク36は、オフガス経路52内を流通するアノードオフガス中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた凝縮水を貯留することで、アノードオフガス中に含まれる水蒸気を回収するための容器である。
水タンク36は、凝縮水供給経路35を介して水タンク32と連結している。例えば、水タンク36に貯留された凝縮水が所定の量となったときに、水タンク36に貯留された凝縮水が凝縮水供給経路35を介して水タンク32に供給される構成となっていてもよい。また、水タンク36の代わりに、水蒸気を分離する分離膜、水蒸気を吸着する吸着剤等を設けてもよい。水タンクでの水蒸気分離率の好ましい範囲としては、前述の分離膜にて記載した数値範囲と同様である。例えば、水タンクの温度を調整することにより、水蒸気分離率を適宜調整することができる。
本実施形態に係る燃料電池システム20は、第1燃料電池セルスタック11と第2燃料電池セルスタック12との間に、分離手段の一種として、第1燃料電池セルスタック11から排出されたアノードオフガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去部を備えていてもよい。例えば、二酸化炭素除去部は、図2中のB1又はB2の位置に配置される。二酸化炭素除去部としては、アノードオフガスに含まれる二酸化炭素を分離できるものであれば特に限定されず、分離膜、吸収材、吸着材などが挙げられる。二酸化炭素除去部における二酸化炭素分離率の好ましい範囲としては、前述の分離膜にて記載した数値範囲と同様である。
燃料電池システム20では、排気経路48内を流通する排気は、気化器の役割を有する熱交換器23にて、改質水供給経路33内を流通する改質水と熱交換を行う。これにより、排気経路48内を流通する排気は冷却された後に凝縮器である水タンク32に供給され、改質水供給経路33内を流通する改質水は気化された後に水蒸気供給経路37を通じて原料ガス供給経路24に供給される。
水タンク32は、排気経路48内を流通する排気中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた凝縮水を貯留することで、排気中に含まれる水蒸気を回収するための容器である。水タンク32では、水蒸気以外の排気は外部に排出され、所定量以上の水が貯留された際には、例えばオーバーフローによりドレン排水される。
水タンク32は、改質水供給経路33と接続しており、改質水供給経路33には、改質水ポンプ34が設けられている。改質水ポンプ34により、水タンク32に貯留された水は改質水として、改質水供給経路33を通じて熱交換器23に供給される。
なお、排気経路48内を流通する排気から水蒸気を分離する構成としては、水タンク32に限定されず、例えば、分離膜により水蒸気と、水蒸気以外のガスとを分離してもよく、吸着剤に水蒸気以外のガスを吸着させて、水蒸気改質用の水蒸気を分離してもよい。
また、排気経路48内を流通する排気と、改質水供給経路33内を流通する改質水との間で熱交換を行う熱交換器23の代わりに、燃焼部18、第1燃料電池セルスタック11、第2燃料電池セルスタック12の内少なくとも一つより放出される熱を利用して、改質水を気化する気化器を設けてもよい。
燃料電池システム20では、熱交換器23にて熱交換が行なわれた排気は、熱交換器22にて、空気供給経路44内を流通する酸素を含むガスと熱交換を行なう。これにより、排ガスは冷却された後に水タンク32(凝縮器)に供給され、酸素を含むガスは加熱された後に、第1燃料電池セルスタック11のカソードに供給されて発電に用いられる。
(変形例)
第1実施形態及び第2実施形態では、空気供給経路44が直列となっているため、第1燃料電池セルスタック11に空気を供給した後、第2燃料電池セルスタック12に第1燃料電池セルスタック11から排出されたカソードオフガスが供給されるが、空気供給経路44は並列であってもよい。つまり、空気が流通する空気供給経路44が分岐し、第1燃料電池セルスタック11及び第2燃料電池セルスタック12のカソードに空気をそれぞれ供給する構成であってもよい。
第1実施形態では、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜を一つ設ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の分離膜を配置する構成であってもよい。例えば、分離膜として二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜及び水蒸気を分離する水蒸気分離膜をそれぞれ別々に配置してもよい。二酸化炭素分離膜及び水蒸気分離膜を厳密に区別する必要は無く、二酸化炭素分離膜が二酸化炭素とともに水蒸気を透過する分離膜であってもよく、水蒸気分離膜が水蒸気とともに二酸化炭素を分離する分離膜であってもよい。また、水蒸気分離膜及び二酸化炭素分離膜の材質としては、前述の分離膜の材質と同様であってもよい。また、二酸化炭素分離膜としては、CO促進輸送膜を用いてもよい。
第1実施形態にて、分離膜16として水蒸気を分離する水蒸気分離膜を配置した場合、燃料電池システム10は、第1燃料電池セルスタック11の下流かつ第2燃料電池セルスタック12の上流にアノードオフガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去部をさらに備えていてもよい。二酸化炭素除去部としては、第2実施形態で用いるものと同様である。
第1実施形態にて、分離膜16として二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜を配置した場合、燃料電池システム10は、第1燃料電池セルスタック11の下流かつ第2燃料電池セルスタック12の上流にアノードオフガスから水蒸気を除去する水蒸気除去部をさらに備えていてもよい。これにより、第2燃料電池セルスタック12は水蒸気及び二酸化炭素が分離されたアノードオフガスを用いて発電を行うため、発電効率をより高めることができる。
水蒸気除去部は、アノードオフガスから水蒸気を除去するためのものであり、水蒸気を分離する分離膜、水蒸気を吸着する吸着剤、水蒸気を凝縮する凝縮器などであればよい。
また、第1実施形態において、分離膜16の透過側に原料ガス供給経路24を配置して分離された水蒸気及び二酸化炭素の少なくとも一方を原料ガスの改質に用いる構成に限定されない。例えば、分離膜16の透過側に、空気等のスイープガスを供給する供給経路を設ける構成、カソードガス又はカソードオフガスが流通する空気供給経路44を設ける構成、排気が流通する排気経路48を設ける構成等であってもよく、分離膜16の透過側を減圧する構成等であってもよい。
また、本発明において、改質器は必須の構成ではなく、第1燃料電池セルスタックの上流側に改質器を配置することなく、水素及び一酸化炭素の少なくとも一方を含む燃料ガスを第1燃料電池セルスタックに供給して発電を行う構成であってもよい。
本発明は、前述の第1実施形態、第2実施形態及び変形例に限定されず、本発明の技術的思想内で、当業者によって、前述の各実施形態を組み合わせて実施される。また、熱交換器の設置場所、組み合わせなどについてもこれら実施形態に限定されない。さらに、前述の第1実施形態、第2実施形態及び変形例に記載の燃料電池システムを用いた発電方法も本発明に包含される。
[本発明の一例]
以下、本発明の一例の燃料電池システムについて検討する。燃料電池システムとしては、第1燃料電池セルスタック、分離手段及び第2燃料電池セルスタックに加えて、第1燃料電池セルスタックの上流に炭化水素ガスの改質を行う改質器を備えるシステムについて検討した。検討における条件は以下の通りである。
<条件>
第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタック:固体酸化物形燃料電池
炭化水素ガス:メタン
改質:水蒸気改質
スチームカーボン比(S/C):2.5
セルの負荷電流:第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックで同じ
全体の燃料利用率:90(%)
燃料利用率の関係:Uf(total)=[Uf(first)+(1−Uf(first))・Uf(second)](式中、Uf(total)は全体の燃料利用率、Uf(first)は第1燃料電池セルスタックの燃料利用率及びUf(second)は第2燃料電池セルスタックの燃料利用率を指す。)
第1燃料電池セルスタックの入口における燃料濃度C:72.73(%)[(Hガス量+COガス量)/全ガス量]×100(%)
<各パラメータの算出式>
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率:Uf(second)=(Uf(total)−Uf(first))/(1−Uf(first)
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(燃料電池セルスタックを構成する燃料電池スタック及び電流密度は全て同じ、β/βに対応):Uf(first)/(Uf(total)−Uf(first)
第1燃料電池セルスタックの出口におけるアノードオフガスの濃度(第1燃料濃度C):C×(1−Uf(first)
第2燃料電池セルスタックの入口における燃料濃度(第3燃料濃度C):C/{1−除去率(1−C)}
第2燃料電池セルスタックの出口におけるアノードオフガスの濃度(第2燃料濃度C):C×(1−Uf(second)
(検討1)
分離手段にてHO及びCOを両方とも除去する場合について説明する。以下、分離手段にてHO及びCOをともに95%除去する場合(前述の算出式における「除去率」が0.95である場合)の燃料電池システムについて検討する。
ここで、HO及びCOの除去率がともに95%である場合において、第1燃料電池セルスタックの燃料利用率と、第1燃料濃度及び第2燃料濃度との関係を図3に示す。燃料電池システムの全体の燃料利用率が一定である場合、図3に示すように、第1燃料電池セルスタックの燃料利用率を増加させると、第1燃料濃度Cが小さくなる。一方、燃料電池システムの全体の燃料利用率が一定の条件にて第1燃料電池セルスタックの燃料利用率が増加した場合、第2燃料電池セルスタックの燃料利用率が低下する効果が大きいため、図3に示すように、第2燃料濃度Cは大きくなる。そして、図3に示すように、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが等しくなるときに、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cの最小値が最大となり、燃料濃度の低下によるセルスタック酸化等のリスクを低減することができる。
分離手段にてHO及びCOをともに95%除去する場合に、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが等しくなるとき、前述の算出式に基づき、以下の値が算出される。
第1燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(first):65.40%
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(second):71.10%
第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが等しくなるときの値(最大濃度):25.16%
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(スタック比):2.659
次に、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cの最小値が最大となるときの90%以上、すなわち、25.16%の90%以上であれば、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cをともに高い値とすることができ、第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックにて燃料濃度の低下によるセルスタック酸化等のリスクを低減することができる。そこで、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cの下限値を算出すると22.65%となる。
第1燃料濃度Cが22.65%である場合、前述の算出式に基づき、以下の値が算出される。
第1燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(first):68.86%
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(second):67.88%
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(スタック比):3.258
また、第2燃料濃度Cが22.65%である場合、前述の算出式に基づき、以下の値が算出される。
第1燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(first):60.75%
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(second):74.52%
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(スタック比):2.077
したがって、上記条件を満たし、かつ、分離手段にてHO及びCOをともに95%除去する場合、セルスタック酸化等のリスクを低減する点から、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cをともに22.65%以上とし、スタック比を2.077以上3.258以下とすることが好ましい。
次に、検討1において、分離手段にてHO及びCOをともに50%〜90%除去する場合における、最大濃度、Uf(first)、Uf(second)、スタック比、及び90%濃度(最大濃度の90%)をそれぞれ算出した。
分離手段にてHO及びCOをともに95%除去する場合とともに結果を表1及び図5に示す。スタック比としては、図5における最大値及び最小値の間の範囲を取ることが好ましい。
(検討2)
分離手段にてCOは除去せずにHOを除去する場合について説明する。以下、分離手段にてHOを95%除去する場合(「HO除去率」が0.95)の燃料電池システムについて検討する。この場合、第2燃料電池セルスタックの入口における燃料濃度(第3燃料濃度C)は、検討1と同様にして各パラメータが算出される。
ここで、HO除去率が95%である場合において、第1燃料電池セルスタックの燃料利用率と、第1燃料濃度及び第2燃料濃度との関係を図4に示す。図3と同様、図4においても、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが等しくなるときに、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cの最小値が最大となり、燃料濃度の低下によるセルスタック酸化等のリスクを低減することができる。
分離手段にてHOを95%除去する場合に、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが等しくなるとき、前述の算出式に基づき、以下の値が算出される。
第1燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(first):72.59%
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(second):63.52%
第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが等しくなるときの値(最大濃度):19.94%
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(スタック比):4.168
次に、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cが、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cの最小値が最大となるときの90%以上、すなわち、19.94%の90%以上であれば、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cをともに高い値とすることができ、第1燃料電池セルスタック及び第2燃料電池セルスタックにて燃料濃度の低下によるセルスタック酸化等のリスクを低減することができる。そこで、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cの下限値を算出すると17.94%となる。
第1燃料濃度Cが17.94%である場合、前述の算出式に基づき、以下の値が算出される。
第1燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(first):75.33%
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(second):59.47%
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(スタック比):5.134
また、第2燃料濃度Cが17.94%である場合、前述の算出式に基づき、以下の値が算出される。
第1燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(first):64.76%
第2燃料電池セルスタックの燃料利用率Uf(second):71.62%
第2燃料電池セルスタックのスタック数に対する第1燃料電池セルスタックのスタック数の比率(スタック比):2.566
したがって、上記条件を満たし、かつ、分離手段にてHOを95%除去する場合、セルスタック酸化等のリスクを低減する点から、第1燃料濃度C及び第2燃料濃度Cをともに17.94%以上とし、スタック比を2.566以上5.134以下とすることが好ましい。
次に、検討2において、分離手段にてHOを50%〜90%除去する場合における、最大濃度、Uf(first)、Uf(second)、スタック比、及び90%濃度(最大濃度の90%)をそれぞれ算出した。
分離手段にてHOを95%除去する場合とともに結果を表2及び図6に示す。スタック比としては、図6における最大値及び最小値の間の範囲を取ることが好ましい。
10、20…燃料電池システム、11…第1燃料電池セルスタック、12…第2燃料電池セルスタック、14…改質器、16…分離膜、16A…供給側、16B…透過側、18…燃焼部、19…改質部、21、22、23、41…熱交換器、24…原料ガス供給経路、25、26…ブロワ、32、36…水タンク、33…改質水供給経路、34…改質水ポンプ、35…凝縮水供給経路、37…水蒸気供給経路、42…燃料ガス供給経路、44…空気供給経路、46、52、54…オフガス経路、48…排気経路

Claims (11)

  1. 燃料ガスを用いて発電を行う第1燃料電池セルスタックと、
    前記第1燃料電池セルスタックから排出された未反応の前記燃料ガスを含むアノードオフガスから、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離手段と、
    前記分離手段の下流に配置され、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離された前記アノードオフガスを用いて発電を行う第2燃料電池セルスタックと、
    を備え、
    前記第1燃料電池セルスタックの出口における前記アノードオフガスの燃料濃度を第1燃料濃度、前記第2燃料電池セルスタックの出口における前記アノードオフガスの燃料濃度を第2燃料濃度としたとき、前記第1燃料電池セルスタック及び前記第2燃料電池セルスタックの全体の燃料利用率が特定値である場合に前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度の値が等しくなるときの値をCとすると、前記全体の燃料利用率が前記特定値である場合の前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度がそれぞれ0.9C以上を満たす燃料電池システム。
  2. 前記分離手段において、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率の一方は、50%以上99%以下である請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記分離手段は、前記アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気を分離し、
    前記分離手段において、二酸化炭素分離率及び水蒸気分離率は、ともに50%以上99%以下である請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積の合計をα、前記第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積の合計をαとしたとき、α/αが2.0超である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1燃料電池セルスタックが備える燃料電池スタックと前記第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池スタックとが同一である場合、第1燃料電池セルスタックにおける燃料電池スタックの数β、第2燃料電池セルスタックにおける燃料電池スタックの数βとしたとき、β/βとしたとき、β/βが2.0超である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記分離手段において、二酸化炭素及び水蒸気の一方を分離する場合、前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度がそれぞれ10%以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記分離手段において、二酸化炭素及び水蒸気を分離する場合、前記第1燃料濃度及び前記第2燃料濃度がそれぞれ11.5%以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 原料ガスを改質して燃料ガスを生成する改質器を更に備え、
    前記分離手段にて分離した二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を原料ガスの改質に用いる請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池システムを用いた発電方法。
  10. 前記第1燃料電池セルスタック及び前記第2燃料電池セルスタックを等しい電流密度で作動させて発電を行う請求項9に記載の発電方法。
  11. 前記第1燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積と前記第1燃料電池セルスタックを作動させたときの当該燃料電池セルの電流密度との積の合計をγ、前記第2燃料電池セルスタックが備える燃料電池セルの有効表面積と前記第2燃料電池セルスタックを作動させたときの当該燃料電池セルの電流密度との積の合計をγとしたとき、γ/γを2.0超に調整して発電を行う請求項9又は請求項10に記載の発電方法。
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