JP6529752B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池システムに関する。
高温作動型の燃料電池(例えば、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)や、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)等)を含む燃料電池システムにおいて、エネルギー利用効率を向上させるための構成として、単一の燃料電池スタックを用い、当該燃料電池スタックから排出された未反応の燃料ガスを循環させて再利用する循環式や、燃料電池スタックを複数設け、前段の燃料電池スタックから排出された未反応の燃料ガスを後段の燃料電池スタックで再利用する多段式が知られている。何れの構成においても、未反応の燃料ガスに含まれる水蒸気や二酸化炭素を除去できれば、反応に寄与する水素の濃度が増加することで、再利用する燃料ガスが供給される燃料電池スタックの性能向上が見込める。
上記に関連して、特許文献1には、燃料電池のアノード(燃料極)側に水素を供給する水素供給路と、燃料電池で反応しなかった未反応の水素の少なくとも一部を燃料電池のアノード側に戻す水素戻し流路とを有する循環式の燃料電池システムにおいて、水素を電気化学的に移送する電気化学的水素ポンプを水素戻し流路の途中に設けた構成が開示されている。
また、特許文献2には、循環式の燃料電池システムにおいて、循環路に二酸化炭素分離装置を設けた構成が開示されており、更に、二酸化炭素分離膜や、水蒸気分離膜、二酸化炭素吸収剤を兼ねた水分離器、水素分離等を循環路に設けた構成も開示されている。
また、特許文献3,4には、循環式の燃料電池システムにおいて、燃料排気流から水素を分離するプロトン交換膜型の分離ユニット等の電気化学的ポンプユニットを、高温・低水和イオン交換膜セルのスタック等の、一酸化炭素耐性を有する電気化学セルのスタックを備えた構成とすることが開示されている。
特開2005−268056号公報 米国特許公開2013/108936号明細書 特表2009−503789号公報 特表2009−503790号公報
しかしながら、高温作動型の燃料電池スタックでは、燃料極から排出される排ガスに数%程度の濃度の一酸化炭素が含まれている。これに対して特許文献1に記載の技術は、高温作動型の燃料電池スタックの燃料極からの排ガスに含まれている一酸化炭素により、電気化学的水素ポンプの触媒が被毒して劣化することについて、何ら考慮されていない。この点は特許文献2に記載の技術も同様である。
一方、特許文献3,4に記載の技術では、電気化学的ポンプユニットが、一酸化炭素耐性を有する電気化学セルのスタックを備えた構成であるので、一酸化炭素による触媒被毒の問題は緩和される。しかしながら、特許文献3,4に記載の電気化学的ポンプユニットは、作動温度域が120℃〜200℃と高温であり、このように作動温度域が高温の電気化学的ポンプは、より低温で作動する電気化学的ポンプと比較して、性能や耐久性、コスト面で大きく劣っているのが実情である。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、性能や耐久性に優れ、高温作動型の燃料電池スタックの燃料極より排出された排ガスに含まれる未反応の水素を有効に利用する燃料電池システムを得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る燃料電池システムは、炭化水素燃料を水蒸気改質して水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、供給された燃料ガスを酸化ガスと反応させて発電する高温作動型の第1の燃料電池スタックと、前記第1の燃料電池スタックの燃料極より排出された未反応の水素を含む排ガスから一酸化炭素を除去することで、前記排ガス中の一酸化炭素濃度を低減する一酸化炭素除去器と、作動温度が100℃以下で、前記一酸化炭素除去器で一酸化炭素濃度が低減された前記排ガスから水素を取り出す電気化学的水素ポンプと、前記電気化学的水素ポンプによって取り出された水素を、前記燃料ガスとして前記第1の燃料電池スタックに供給するか、前記第1の燃料電池スタックの後段に設けられ供給された燃料ガスを酸化ガスと反応させて発電する第2の燃料電池スタックに前記燃料ガスとして供給する回収水素供給路と、を含んでいる。
請求項1記載の発明では、改質器により、炭化水素燃料が水蒸気改質されて水素を含む燃料ガスが生成され、高温作動型の第1の燃料電池スタックにより、供給された燃料ガスが酸化ガスと反応されて発電される。なお、高温作動型の燃料電池スタックとしては、例えば、固体酸化物型の燃料電池スタックや溶融炭酸塩型の燃料電池スタック等が挙げられる。また、請求項1記載の発明では、第1の燃料電池スタックの燃料極より排出された未反応の水素を含む排ガスから一酸化炭素を除去することで、排ガス中の一酸化炭素濃度を低減する一酸化炭素除去器と、作動温度が100℃以下で、一酸化炭素除去器で一酸化炭素濃度が低減された排ガスから水素を取り出す電気化学的水素ポンプと、を含んでいる。なお、作動温度が100℃以下の電気化学的水素ポンプとしては、例えば、低温プロトン交換電解質膜を用いた電気化学的水素ポンプが挙げられる。また、電気化学的水素ポンプによって取り出された水素は、回収水素供給路により、燃料ガスとして第1の燃料電池スタックに供給されるか、第1の燃料電池スタックの後段に設けられ供給された燃料ガスを酸化ガスと反応させて発電する第2の燃料電池スタックに燃料ガスとして供給される。
上記のように、請求項1記載の発明では、第1の燃料電池スタックの燃料極より排出された未反応の水素を含む排ガスから一酸化炭素除去器によって一酸化炭素が除去されるので、電気化学的水素ポンプに供給される排ガス中の一酸化炭素濃度が低減され、一酸化炭素による触媒被毒の問題が緩和される。また、請求項1記載の発明では、作動温度が100℃以下の電気化学的水素ポンプを用いているので、作動温度域がより高温の電気化学的水素ポンプを用いる場合よりも性能や耐久性に優れている。そして、電気化学的水素ポンプによって排ガスから取り出された水素は、第1の燃料電池スタック又は第1の燃料電池スタックの後段に設けた第2の燃料電池スタックで再利用される。従って、請求項1記載の発明によれば、性能や耐久性に優れ、高温作動型の燃料電池スタックの燃料極より排出された排ガスに含まれる未反応の水素を有効に利用することができ、燃料電池システムのエネルギー利用効率を向上させることができる。
なお、請求項1記載の発明において、第1の燃料電池スタックの後段に第2の燃料電池スタックが設けられる場合、当該第2の燃料電池スタックは、第1の燃料電池スタックと同様に高温作動型であってもよいし、低温作動型であってもよい。なお、低温作動型の燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)や、りん酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)等が挙げられる。
また、請求項1記載の発明において、前記第1の燃料電池スタックの燃料極から排出された前記排ガスと、前記回収水素供給路を介して前記第1の燃料電池スタック又は前記第2の燃料電池スタックに供給される水素と、と間で熱交換を行うための第1の熱交換器を更に含むことが好ましい。
上記構成により、第1の燃料電池スタックから排ガスとして排出された熱が、第1の燃料電池スタック又は第2の燃料電池スタックに供給される水素の加熱に利用されることで、燃料電池システムのエネルギー利用効率を向上させることができる。
また、請求項1又は請求項2記載の発明において、例えば請求項3に記載したように、前記電気化学的水素ポンプは、前記第2の熱交換器よりも前記排ガスの下流側に設けられていることも好ましい。
上記構成によれば、第2の熱交換器を通過して温度が低下した排ガスが電気化学的水素ポンプに供給されることで、電気化学的水素ポンプの作動に適した温度の排ガスを電気化学的水素ポンプに供給することができる。
また、請求項1〜3の何れか1項記載の発明において、例えば請求項4に記載したように、前記一酸化炭素除去器は、前記第2の熱交換器よりも前記排ガスの上流側に設けられていることも好ましい。
上記構成によれば、第2の熱交換器を通過する前の比較的高温の排ガスが一酸化炭素除去器に供給されることで、一酸化炭素除去器の作動温度が比較的高温の場合に、一酸化炭素除去器の作動に適した温度の排ガスを一酸化炭素除去器に供給することができる。
また、請求項4記載の発明において、一酸化炭素除去器は、例えば請求項5に記載したように、一酸化炭素シフト反応器、一酸化炭素選択酸化反応器及びメタネーション反応器の少なくとも1つを含むことができる。上記の一酸化炭素シフト反応器、一酸化炭素選択酸化反応器及びメタネーション反応器は作動温度が何れも比較的高温であり、請求項4記載の発明において、上記のように、一酸化炭素除去器を、一酸化炭素シフト反応器、一酸化炭素選択酸化反応器及びメタネーション反応器の少なくとも1つを含む構成とすることで、一酸化炭素除去器の作動に適した温度の排ガスが一酸化炭素除去器に供給されることになる。
また、請求項1〜3の何れか1項記載の発明において、請求項6に記載したように、前記一酸化炭素除去器は、前記第2の熱交換器よりも前記排ガスの下流側に設けられていることも好ましい。
上記構成によれば、第2の熱交換器を通過して温度が低下した排ガスが一酸化炭素除去器に供給されることで、一酸化炭素除去器の作動温度が比較的低温の場合に、一酸化炭素除去器の作動に適した温度の排ガスを一酸化炭素除去器に供給することができる。
また、請求項6記載の発明において、請求項7に記載したように、一酸化炭素除去器としては一酸化炭素を燃料として発電するダイレクトCO−PEMFC(Direct CO Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)を用いることができる。上記のダイレクトCO−PEMFCは作動温度が比較的低温であり、請求項6記載の発明において、上記のように、一酸化炭素除去器をダイレクトCO−PEMFCとすることで、一酸化炭素除去器の作動に適した温度の排ガスが一酸化炭素除去器に供給されることになる。
また、請求項7記載の発明において、例えば請求項8に記載したように、ダイレクトCO−PEMFCで発電された電力を前記電気化学的水素ポンプに供給する給電部を更に備えることが好ましい。上記構成により、ダイレクトCO−PEMFCで発電された電力が電気化学的水素ポンプで利用されることで、燃料電池システムのエネルギー利用効率を向上させることができる。
また、一酸化炭素除去器が、第1の燃料電池スタックの排ガスから一酸化炭素を完全に除去することは困難であることを考えると、請求項1〜請求項8の何れか1項記載の発明において、例えば請求項9に記載したように、電気化学的水素ポンプは高濃度一酸化炭素耐性アノード触媒を含む構成であってもよい。これにより、電気化学的水素ポンプの長寿命化を実現することができる。
本発明は、性能や耐久性に優れ、高温作動型の燃料電池スタックの燃料極より排出された排ガスに含まれる未反応の水素が有効に利用される、という効果を有する。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aが示されている。燃料電池システム10Aは、主要な構成として、改質器12、燃焼器14、第1の燃料電池スタック16、第1の熱交換器18、COシフト反応器20、PROX反応器22、第2の熱交換器24、電気化学的水素ポンプ26、ドレンタンク28及び気化器30を備えている。
改質器12には原料ガス管32の一端が接続されており、原料ガス管32の他端は図示しないガス源に接続されている。原料ガス管32には脱硫器によって硫黄化合物が吸着除去された原料ガス(炭化水素燃料)がガス源から供給される。また、原料ガス管32の途中にはブロワ34、第2の熱交換器24が順に設けられており(原料ガス管32は第2の熱交換器24の二次側に接続されている)、ガス源から原料ガス管32に供給された原料ガスは、ブロワ34によって下流側(改質器12側)へ送出され、第2の熱交換器24によって加熱された後、改質器12へ供給される。
また、改質器12には凝縮水供給管36の一端が接続されており、凝縮水供給管36の他端はドレンタンク28に接続されている。凝縮水供給管36にはドレンタンク28から凝縮水が供給される。また、凝縮水供給管36の途中にはポンプ38、気化器30が順に設けられており、ドレンタンク28から凝縮水供給管36に供給された凝縮水は、ポンプ38によって下流側(改質器12側)へ送出され、気化器30によって気化された後、水蒸気として改質器12へ供給される。
改質器12は、燃焼器14によって加熱され、原料ガス管32を介して供給された原料ガスを、凝縮水供給管36を介して供給された凝縮水(水蒸気)を利用して水蒸気改質し、水素ガスを含む燃料ガスを生成する。改質器12で生成された燃料ガスは、改質器12と第1の燃料電池スタック16との間を接続する燃料ガス管40を介して第1の燃料電池スタック16の燃料極に供給される。なお、改質器12は本発明における改質器の一例である。
燃焼器14には燃焼用ガス管42の一端と空気極排ガス供給管44の一端が各々接続されている。燃焼用ガス管42の他端はドレンタンク28に接続されており、ドレンタンク28から燃焼用ガス管42を介して未反応の水素や一酸化炭素を含む燃焼用ガスが燃焼器14に供給される。また、空気極排ガス供給管44の他端は第1の燃料電池スタック16に接続されており、第1の燃料電池スタック16から空気極排ガス供給管44を介し、第1の燃料電池スタック16の空気極から排出された空気極排ガスが供給される。
燃焼器14は、燃焼用ガス管42を介して供給された燃焼用ガスと、空気極排ガス供給管44を介して供給された空気極排ガスと、を混合して燃焼させ、改質器12を加熱する。また、燃焼器14には燃焼器排ガス管48が接続されており、燃焼によって生じた排ガスは燃焼器排ガス管48を介して排出される。
第1の燃料電池スタック16は固体酸化物型の燃料電池スタックとされており、積層された複数の燃料電池セルを有している。第1の燃料電池スタック16は本発明における高温作動型の第1の燃料電池スタックの一例であり、本実施形態では、作動温度が750℃程度とされている。なお、第1の燃料電池スタック16は溶融炭酸塩型であってもよい。個々の燃料電池セルは、電解質層と、当該の電解質層の表裏面にそれぞれ積層された燃料極及び空気極と、を有している。
空気極(カソード極)には、途中にブロワ50が設けられた酸化ガス管52を介して酸化ガス(空気)が供給される。空気極では、下記(1)式で示されるように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層を通って燃料極に到達する。
(空気極反応)
1/2O+2e →O2− …(1)
一方、燃料極では、下記(2)式及び(3)式で示されるように、電解質層を通ってきた酸素イオンが燃料ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)及び二酸化炭素と電子が生成される。燃料極で生成された電子が燃料極から外部回路を通って空気極に移動することで、各燃料電池セルにおいて発電される。また、各燃料電池セルは、発電時に上記反応に伴って発熱する。
(燃料極反応)
+O2− →HO+2e …(2)
CO+O2−→CO+2e …(3)
第1の燃料電池スタック16には燃料極排ガス管54の一端が接続されており、燃料極排ガス管54には、燃料極から排出された燃料極排ガスが排出される。燃料極排ガスは、未反応の水素ガス、水、一酸化炭素及び二酸化炭素を含んでいる。
燃料極排ガス管54の他端は電気化学的水素ポンプ26に接続されており、燃料極排ガス管54の途中には第1の熱交換器18、COシフト反応器20、PROX反応器22及び第2の熱交換器24が順に設けられている(燃料極排ガス管54は第1の熱交換器18及び第2の熱交換器24の二次側に各々接続されている)。燃料極排ガス管54に排出された燃料極排ガスは、第1の熱交換器18において、回収水素供給管56を流通する水素(後述)との熱交換が行われた後、COシフト反応器20へ送り込まれる。
COシフト反応器20は、200〜300℃程度の高温で作動し、燃料極排ガスに含まれる一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素に変換することで、燃料極排ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を低減させる。
COシフト反応器20の後段に配置されたPROX反応器22は、途中にブロワ58が設けられた酸化ガス供給管60を介して図示しない酸化ガス源に接続されており、酸化ガス供給管60を介して酸化ガスが供給される。PROX反応器22は、COシフト反応器20と同様に200〜300℃程度の高温で作動し、燃料極排ガス中の一酸化炭素を貴金属触媒上で酸素と反応させて二酸化炭素に変換することで、燃料極排ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を更に低減させる。なお、ブロア58を省略すると共に、酸化ガス供給管60を酸化ガス管52の途中のブロワ50よりも空気ガスの下流側に接続し、ブロワ50を、第1の燃料電池スタック16の空気極及びPROX反応器22に酸化ガスを各々供給する構成としてもよい。COシフト反応器20及びPROX反応器22は本発明における一酸化炭素除去器の一例であり、より詳しくは、COシフト反応器20は本発明における一酸化炭素シフト反応器の一例、PROX反応器22は本発明における一酸化炭素選択酸化反応器の一例である。
COシフト反応器20及びPROX反応器22によって一酸化炭素の濃度が低減された燃料極排ガスは第2の熱交換器24へ送られ、第2の熱交換器24において、原料ガス管32を流通する原料ガスとの間での熱交換(原料ガスの加熱及び燃料極排ガスの冷却)が行われた後、電気化学的水素ポンプ26へ送られる。
電気化学的水素ポンプ26は、燃料電池スタックの燃料電池セルと同様に、電解質膜の表裏面にそれぞれ燃料極及び空気極が積層された構成のセルが複数設けられている。作動温度域が120℃〜200℃と高温の電気化学的水素ポンプでは、電解質膜として高温プロトン交換電解質膜、例えば、PBI/H3PO4複合膜(ポリベンゾイミダール[PBI]にリン酸[H3PO4]をドープした膜)が用いられることが多いが、PBIに代えて、ポリエーテルエーテルケトン[PEEK]や、ポリフェニリン[PPP]、ポリエーテルスルホン[PES]、ポリイミド[PI]等を用いた例も知られている。
一方、本実施形態で用いている電気化学的水素ポンプ26は、作動温度が60〜80℃と低温であり、電解質膜として低温プロトン交換電解質膜、例えばフッ素系高分子電解質膜(スルホン基を持ったフッ素系ポリマー)、具体的には、Nafion(登録商標)、Flemion(登録商標)、Aciplex(登録商標)が用いられることが多いが、フッ素系以外の炭化水素系膜(例えばポリイミドやポリエーテル等)をスルホン酸化した膜も知られている。
電気化学的水素ポンプ26では、未反応の水素を含む燃料極排ガスが燃料極に供給され、次の(4),(5)式の反応を通して、燃料極排ガス中の水素が燃料極から空気極へと搬送されることで、水素が取り出され、燃料極排ガス中の水素(H)と水(HO)及び二酸化炭素(CO)とが分離される。
(燃料極反応) H(Pa)→2H+2e …(4)
(空気極反応) 2H+2e→H(Pb) …(5)
ここで、水素を圧力Paから圧力Pbまで昇圧するために、電解質膜の表裏面の間で、次の(6)式に示す電圧Vの電力が消費される。
V=(RT/2F)ln(Pb/Pa)+ir+η …(6)
但し、Rは気体定数、Tは温度、Fはファラデー定数、iは電流密度、rは単位面積当たりの膜抵抗、ηは反応と拡散過電圧である。本第1実施形態では、第1の燃料電池スタック16における発電で得られた電力の一部が電気化学的水素ポンプ26に電圧Vとして供給されることで、(4),(5)式の反応が行われる。なお、電気化学的水素ポンプ26は本発明における電気化学的水素ポンプの一例である。
電気化学的水素ポンプ26には回収水素供給管56の一端が接続されており、電気化学的水素ポンプ26によって燃料極排ガスから取り出された水素は回収水素供給管56へ送り込まれる。回収水素供給管56の途中には第1の熱交換器18が設けられており(回収水素供給管56は第1の熱交換器18の二次側に各々接続されている)、第1の熱交換器18において、燃料極排ガス管54を流通する燃料極排ガスとの間での熱交換(水素の加熱及び燃料極排ガスの冷却)が行われる。
回収水素供給管56は第1の熱交換器18の下流側で2本に分岐されており、一方は原料ガス管32の中間部に接続され、他方は燃料ガス管40の中間部に接続されている。従って、電気化学的水素ポンプ26によって取り出された水素は、改質器12及び第1の燃料電池スタック16に各々供給されて再利用される。なお、電気化学的水素ポンプ26によって取り出された水素は、改質器12には供給せずに第1の燃料電池スタック16にのみ供給するようにしてもよい。回収水素供給管56は本発明における回収水素供給路の一例である。
また、電気化学的水素ポンプ26には残ガス排出管62の一端が接続されており、残ガス排出管62の他端はドレンタンク28に接続されている。電気化学的水素ポンプ26によって燃料極排ガスから水素が取り出された後の残ガスは、電気化学的水素ポンプ26から残ガス排出管62を介してドレンタンク28に送り込まれ、残ガスに含まれる水蒸気はドレンタンク28で凝縮される。
また、残ガスには、電気化学的水素ポンプ26で取り出し切れずに残留した水素や一酸化炭素、二酸化炭素が含まれており、これらは燃焼用ガスとして燃焼用ガス管42を介して燃焼器14に供給される。
次に、第1実施形態に係る燃料電池システム10Aの作用を説明する。燃料電池システム10Aでは、改質器12から燃料ガス管40を介して第1の燃料電池スタック16の燃料極に燃料ガスが供給されると共に、第1の燃料電池スタック16の空気極には酸化ガス管52を介して酸化ガス(空気)が供給される。これにより、第1の燃料電池スタック16では燃料ガス及び酸化ガスが反応して発電が行われ、この発電に伴い第1の燃料電池スタック16の燃料極からは未反応の水素及び一酸化炭素を含む燃料極排ガスが排出される。
燃料電池システム10Aでは、燃料極排ガスに含まれる未反応の水素が電気化学的水素ポンプ26によって回収されるが、本実施形態では、作動温度が低温(100℃以下)の電気化学的水素ポンプ26を用いているので、第1の燃料電池スタック16から排出された燃料極排ガスをそのまま電気化学的水素ポンプ26に供給すると、電気化学的水素ポンプ26の触媒が被毒して劣化する恐れがある。
これに対して本第1実施形態では、燃料極排ガス管54の途中に、一酸化炭素除去器としてのCOシフト反応器20及びPROX反応器22を設け、電気化学的水素ポンプ26に供給する燃料極排ガスにおける一酸化炭素の濃度を低減している。このため、電気化学的水素ポンプ26の触媒が被毒して劣化することを抑制することができる。
また、本第1実施形態では、電気化学的水素ポンプ26の触媒が被毒することを抑制できることで、燃料極排ガスから水素を取り出す電気化学的水素ポンプとして、作動温度が100℃以下、より詳しくは60〜80℃程度と低温で、電解質膜として低温プロトン交換電解質膜を用いた電気化学的水素ポンプ26を用いているので、作動温度域がより高温の電気化学的水素ポンプを用いる場合よりも性能や耐久性が改善される。
そして、本第1実施形態において、電気化学的水素ポンプ26によって燃料極排ガスから取り出された水素は、回収水素供給管56を介して改質器12及び第1の燃料電池スタック16に各々供給されて再利用される。従って、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aは、高温作動型の第1の燃料電池スタック16の燃料極より排出された排ガスに含まれる未反応の水素を有効に利用することができ、燃料の利用効率を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aでは、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された燃料極排ガスと、回収水素供給管56を介して改質器12及び第1の燃料電池スタック16に各々供給される水素と、と間で熱交換を行うための第1の熱交換器18を設けているので、第1の燃料電池スタック16から排ガスとして排出された熱が、改質器12及び第1の燃料電池スタック16に供給される水素の加熱に利用されることで、燃料電池システム10Aのエネルギー利用効率を向上させることができる。
更に、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aでは、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された燃料極排ガスと、原料ガス管32を介して改質器12へ供給される原料ガス(炭化水素燃料)と、の間で熱交換を行うための第2の熱交換器24が設けられ、電気化学的水素ポンプ26は、第2の熱交換器24よりも燃料極排ガスの下流側に設けられているので、第1の燃料電池スタック16から燃料極排ガスとして排出された熱が、改質器12に供給される原料ガスの加熱に利用されることで、燃料電池システム10Aのエネルギー利用効率を向上させることができる。また、第2の熱交換器24を通過して温度が低下した燃料極排ガスが電気化学的水素ポンプ26に供給されることで、電気化学的水素ポンプ26の作動に適した温度の燃料極排ガスを電気化学的水素ポンプ26に供給することができる。
また、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aでは、作動温度が比較的高温の一酸化炭素除去器としてのCOシフト反応器20及びPROX反応器22が、第2の熱交換器24よりも燃料極排ガスの上流側に設けられているので、COシフト反応器20及びPROX反応器22の作動に適した温度の燃料極排ガスを、COシフト反応器20及びPROX反応器22に供給することができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図2には本第2実施形態に係る燃料電池システム10Bが示されている。本第2実施形態に係る燃料電池システム10Bは、第1実施形態で説明した燃料電池システム10Aと比較して、COシフト反応器20及びPROX反応器22に代えて、作動温度が比較的低温の一酸化炭素除去器としてのダイレクトCO−PEMFC70が、燃料極排ガス管54の途中のうち第2の熱交換器24よりも燃料極排ガスの下流側の位置に設けられている点で相違している。
ダイレクトCO−PEMFCは一酸化炭素を燃料として用いて(一酸化炭素を酸化させる反応を経て)発電する燃料電池であり、燃料極反応及び空気極反応は次の(6),(7)式の通りである(ダイレクトCO−PEMFCの詳細については、「Shin-ichi Yamazaki,Tsutomu Ioroi,Yusuke Yamada,Kazuaki Yasuda,and Tetsuhiko Kobayashi、"A Direct CO Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell"、[online]、[平成26年11月27日検索]、インターネット<URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ange.200504379/abstract>を参照)。
(燃料極反応) CO+HO→CO+2H+2e …(6)
(空気極反応) O+4H+4e→2HO …(7)
従って、第2の熱交換器24を通過した燃料極排ガスをダイレクトCO−PEMFC70の燃料極に供給すれば、(6)式からも明らかなように、一酸化炭素がダイレクトCO−PEMFC70の燃料として用られる(一酸化炭素が酸化される)ことで、燃料極排ガスに含まれる一酸化炭素の濃度が低減される。なお、ダイレクトCO−PEMFC70は、作動温度が、例えば60℃程度の低温である。なお、ダイレクトCO−PEMFC70は本発明における一酸化炭素除去器の一例である。
また、本第2実施形態に係る燃料電池システム10Bは、ダイレクトCO−PEMFC70と電気化学的水素ポンプ26との間が、ダイレクトCO−PEMFC70における発電によって得られた電力を電気化学的水素ポンプ26に供給するための給電線72で接続されており、給電線72の途中には、ダイレクトCO−PEMFC70における発電によって得られた電力の電圧を、電気化学的水素ポンプ26に供給するための電力へ変換する変圧器を含む給電部74が設けられている。なお、給電部74は本発明における給電部の一例である。
次に本第2実施形態の作用を説明する。本第2実施形態に係る燃料電池システム10Bでは、燃料極排ガス管54の途中に一酸化炭素除去器としてのダイレクトCO−PEMFC70を設け、電気化学的水素ポンプ26に供給する燃料極排ガスにおける一酸化炭素の濃度を低減している。このため、電気化学的水素ポンプ26の触媒が被毒して劣化することを抑制できる。
また、本第2実施形態に係る燃料電池システム10Bでは、作動温度が比較的低温の一酸化炭素除去器としてのダイレクトCO−PEMFC70が、第2の熱交換器24よりも燃料極排ガスの下流側に設けられているので、ダイレクトCO−PEMFC70の作動に適した温度の燃料極排ガスをダイレクトCO−PEMFC70に供給できる。
また、本第2実施形態に係る燃料電池システム10Bでは、ダイレクトCO−PEMFC70で発電された電力が給電線72及び給電部74を介して電気化学的水素ポンプ26に供給されるので、燃料電池システム10Bのエネルギー利用効率を向上させることができる。なお、その他の効果は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図3には本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cが示されている。本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cは、第1実施形態で説明した燃料電池システム10Aと比較して、第2の燃料電池スタック80が設けられており、一端が電気化学的水素ポンプ26に接続された回収水素供給管56の他端が、改質器12及び第1の燃料電池スタック16に代えて、第2の燃料電池スタック80に接続されている点で相違している。これにより、電気化学的水素ポンプ26によって燃料極排ガスから取り出された水素は、回収水素供給管56を介して第2の燃料電池スタック80の燃料極に供給される。
なお、第2の燃料電池スタック80は固体酸化物型の燃料電池スタックで、作動温度が750℃程度の高温作動型とされており、本発明における第2の燃料電池スタックの一例である。なお、第2の燃料電池スタック80は溶融炭酸塩型であってもよい。
また、本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cでは、第1の燃料電池スタック16に空気極排ガス管82の一端が接続されており、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された燃料極排ガスは、第1の燃料電池スタック16から燃料極排ガス管54へ送り込まれる一方、第1の燃料電池スタック16の空気極から排出された空気極排ガスは、第1の燃料電池スタック16から空気極排ガス管82へ送り込まれる。空気極排ガス管82の他端は第2の燃料電池スタック80に接続されており、第1の燃料電池スタック16から空気極排ガス管82へ送り込まれた空気極排ガスは、第2の燃料電池スタック80の空気極に供給される。
更に、本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cでは、第2の燃料電池スタック80に空気極排ガス管84の一端が接続されており、第2の燃料電池スタック80の空気極から排出された空気極排ガスは、第2の燃料電池スタック80から空気極排ガス管84へ送り込まれる。本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cでは、空気極排ガス供給管44に代えて空気極排ガス管84の他端が燃焼器14に接続されており、第2の燃料電池スタック80から空気極排ガス管84へ送り込まれた空気極排ガスは、空気ガスに代えて燃焼器14に供給される。
また、本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cでは、第2の燃料電池スタック80に燃料極排ガス管86の一端が接続されており、第2の燃料電池スタック80の燃料極から排出された燃料極排ガスは、第2の燃料電池スタック80から燃料極排ガス管86へ送り込まれる。燃料極排ガス管86の他端は燃焼用ガス管42の中間部に接続されており、第2の燃料電池スタック80から燃料極排ガス管86へ送り込まれた燃料極排ガスは、燃焼用ガス管42を介して燃焼用ガスと共に燃焼器14へ供給される。
次に本第3実施形態の作用を説明する。本第3実施形態において、電気化学的水素ポンプ26によって燃料極排ガスから取り出された水素は、回収水素供給管56を介して第2の燃料電池スタック80に供給されて再利用される。従って、本第3実施形態に係る燃料電池システム10Cは、高温作動型の第1の燃料電池スタック16の燃料極より排出された排ガスに含まれる未反応の水素を有効に利用することができ、燃料の利用効率を向上させることができる。なお、その他の効果は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態を説明する。なお、第3実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図4には本第4実施形態に係る燃料電池システム10Dが示されている。本第4実施形態に係る燃料電池システム10Dは、第3実施形態で説明した燃料電池システム10Cと比較して、COシフト反応器20及びPROX反応器22に代えて、作動温度が比較的低温の一酸化炭素除去器としてのダイレクトCO−PEMFC70が、燃料極排ガス管54の途中のうち第2の熱交換器24よりも燃料極排ガスの下流側の位置に設けられている点で相違している。また、本第4実施形態に係る燃料電池システム10Dは、第2実施形態と同様に、ダイレクトCO−PEMFC70と電気化学的水素ポンプ26との間が給電線72で接続されており、給電線72の途中に給電部74が設けられている。
次に本第4実施形態の作用を説明する。本第4実施形態に係る燃料電池システム10Dは、第2実施形態と同様に、燃料極排ガス管54の途中に一酸化炭素除去器としてのダイレクトCO−PEMFC70を設け、電気化学的水素ポンプ26に供給する燃料極排ガスにおける一酸化炭素の濃度を低減している。このため、電気化学的水素ポンプ26の触媒が被毒して劣化することを抑制できる。
また、本第4実施形態に係る燃料電池システム10Dでは、第2実施形態と同様に、作動温度が比較的低温の一酸化炭素除去器としてのダイレクトCO−PEMFC70が、第2の熱交換器24よりも燃料極排ガスの下流側に設けられているので、ダイレクトCO−PEMFC70の作動に適した温度の燃料極排ガスをダイレクトCO−PEMFC70に供給できる。
また、本第4実施形態に係る燃料電池システム10Dでは、第2実施形態と同様に、ダイレクトCO−PEMFC70で発電された電力が給電線72及び給電部74を介して電気化学的水素ポンプ26に供給されるので、燃料電池システム10Dのエネルギー利用効率を向上させることができる。なお、その他の効果は第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、第1実施形態及び第3実施形態では、作動温度が比較的高温の一酸化炭素除去器の一例として、COシフト反応器20及びPROX反応器22を用いた態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、作動温度が比較的高温の一酸化炭素除去器の他の例として、メタネーション反応器を用いてもよい。
また、一酸化炭素除去器を設けても、第1の燃料電池スタック16の排ガスから一酸化炭素を完全に除去することは困難であることを考えると、電気化学的水素ポンプ26は、例えばPt−Ru触媒等の高濃度一酸化炭素耐性アノード触媒を含む構成としてもよい。この場合、電気化学的水素ポンプ26の長寿命化を実現することができる。
また、第3実施形態及び第4実施形態では、本発明における第2の燃料電池スタックの一例として高温作動型の第2の燃料電池スタック80を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、低温作動型の燃料電池、例えば固体高分子型やりん酸型の燃料電池のスタックを用いてもよい。この場合、第1の熱交換器18を省略することも可能となり、第1の熱交換器18を省略した場合、燃料電池システムの部品点数の減少、コストの削減を実現することができる。
更に、上記では第2の熱交換器24を、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された排ガスと改質器12に供給される炭化水素燃料との間で熱交換を行う構成とした例を説明したが、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された排ガスと第2の熱交換器24で熱交換を行う流体は、改質器12に供給される炭化水素燃料に限らず、改質器12に供給される水、或いは、第1の燃料電池スタック16又は第2の燃料電池スタック80に供給される空気であってもよいし、第2の熱交換器24を、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された排ガスと、前記流体の組み合わせと、の熱交換を行う構成にしてもよい。
なお、上記では、第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された燃料極排ガスから電気化学的水素ポンプ26によって取り出された水素を、改質器12及び第1の燃料電池スタック16、又は、第2の燃料電池スタック80に供給して再利用する態様を説明したが、電気化学的水素ポンプ26で水素を圧縮し、燃料電池システム10の系外の外部装置に高圧水素として供給するようにしてもよい。
本願発明者等は、図3,4に示したように固体酸化物型で多段式の燃料電池システム(固体酸化物型の燃料電池スタックを複数設けた構成)において、前段の第1の燃料電池スタック16の燃料極から排出された排ガスから、電気化学的水素ポンプ26によって水素を取り出す、すなわち電気化学的水素ポンプ26によって排ガス中の水素(H)と水(HO)及び二酸化炭素(CO)とを分離することで、燃料電池スタックの開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)がどの程度向上するか試算を行った。
この試算では、前提条件として、固体酸化物型の第1の燃料電池スタック16における反応を750℃での平衡反応とし、一例としてS/C=2.5に設定した。S/CはStream/Carbonの略で、原料炭化水素に含まれる炭素と、反応の際に添加する水蒸気と、のモル比である。上記試算の結果を次の表1に示す。

なお、表1における「平均OCV」は、燃料電池スタックの入口部及び出口部の平均OCVを意味する。表1からも明らかなように、電気化学的水素ポンプ26によって排ガス中の水素(H)と水(HO)及び二酸化炭素(CO)とを分離することで、第2の燃料電池スタック80に供給されるガスのうち、水素(H)+一酸化炭素(CO)の濃度は22.5%から92.1%へ大幅に向上する一方、二酸化炭素(CO)の濃度は14.6%から0.6%へ、水(HO)の濃度は62.8%から3.3%へ大幅に低下する。そして、上記組成のガスが第2の燃料電池スタック80に供給されることで、第2の燃料電池スタック80の平均OCVは874mVから1020mVへ向上し、燃料電池システム10全体のOCVも935mVから969mVへ向上することが明らかになった。
10A,10B,10C,10D…燃料電池システム、12…改質器、14…燃焼器、16…第1の燃料電池スタック、18…第1の熱交換器、20…COシフト反応器、22…PROX反応器、24…第2の熱交換器、26…電気化学的水素ポンプ、52…酸化ガス管、56…回収水素供給管、70…ダイレクトCO−PEMFC、72…給電線、74…給電部、80…第2の燃料電池スタック

Claims (9)

  1. 炭化水素燃料を水蒸気改質して水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、
    供給された燃料ガスを酸化ガスと反応させて発電する高温作動型の第1の燃料電池スタックと、
    前記第1の燃料電池スタックの燃料極より排出された未反応の水素を含む排ガスから一酸化炭素を除去することで、前記排ガス中の一酸化炭素濃度を低減する一酸化炭素除去器と、
    作動温度が100℃以下で、前記一酸化炭素除去器で一酸化炭素濃度が低減された前記排ガスから水素を取り出す電気化学的水素ポンプと、
    前記電気化学的水素ポンプによって取り出された水素を、前記燃料ガスとして前記第1の燃料電池スタックに供給するか、前記第1の燃料電池スタックの後段に設けられ供給された燃料ガスを酸化ガスと反応させて発電する第2の燃料電池スタックに前記燃料ガスとして供給する回収水素供給路と、
    前記第1の燃料電池スタックの燃料極から排出された前記排ガスと、前記回収水素供給路を介して前記第1の燃料電池スタック又は前記第2の燃料電池スタックに供給される水素と、と間で熱交換を行うための第1の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器とは別個に設けられ、前記第1の燃料電池スタックの燃料極から排出された前記排ガスと、ガス源から前記改質器に供給される前記炭化水素燃料と、の間で熱交換を行うための第2の熱交換器と、
    を含む燃料電池システム。
  2. 前記第1の燃料電池スタックの後段に設けられ、供給された燃料ガスを酸化ガスと反応させて発電する第2の燃料電池スタック、を含み、
    前記回収水素供給路は、前記電気化学的水素ポンプによって取り出された水素を、前記第2の燃料電池スタックに前記燃料ガスとして供給し、
    前記第1の熱交換器は、前記第1の燃料電池スタックの燃料極から排出された前記排ガスと、前記回収水素供給路を介して前記第2の燃料電池スタックに供給される水素と、と間で熱交換を行う
    請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記電気化学的水素ポンプは、前記第2の熱交換器よりも前記排ガスの下流側に設けられている請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記一酸化炭素除去器は、前記第2の熱交換器よりも前記排ガスの上流側に設けられている請求項1〜3の何れか1項記載の燃料電池システム。
  5. 前記一酸化炭素除去器は、一酸化炭素シフト反応器、一酸化炭素選択酸化反応器及びメタネーション反応器の少なくとも1つを含む請求項4記載の燃料電池システム。
  6. 前記一酸化炭素除去器は、前記第2の熱交換器よりも前記排ガスの下流側に設けられている請求項1〜3の何れか1項記載の燃料電池システム。
  7. 前記一酸化炭素除去器が、一酸化炭素を燃料として発電するダイレクトCO−PEMFCである請求項6記載の燃料電池システム。
  8. 前記ダイレクトCO−PEMFCで発電された電力を前記電気化学的水素ポンプに供給する給電部を更に備えた請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 前記電気化学的水素ポンプは高濃度一酸化炭素耐性アノード触媒を含む請求項1〜請求項8の何れか1項記載の燃料電池システム。
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