JP2012109064A - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ガス中に含まれるアンモニアを効率よく除去することにより、電圧低下や、電解質などの劣化を抑制した発電効率と耐久性に優れた燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】アノード及びカソードを有する燃料電池と、原料ガスを改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質部を有し、前記燃料ガスを前記アノードに供給する燃料ガス供給部と、前記アノードに酸素を含有する酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給ラインと、前記酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記酸化剤ガスにラジカルを発生させ、前記燃料ガス中に前記ラジカルを供給するラジカル供給部と、を備え、ラジカルが燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電圧低下や、電解質の劣化を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原料ガスを水蒸気改質して生成した水素を含む燃料ガスを用いて発電する燃料電池発電システムに関し、特に窒素を含有する原料ガスを改質して生成した水素を含む燃料ガスを用いて発電する燃料電池発電システムに関するものである。
燃料電池発電システムは、少なくとも水素を含む燃料ガスと、少なくとも酸素を含む酸化剤ガスとを反応させて、電気と熱を作り出すシステムであり、燃料の持つ化学エネルギーを直接あるいは間接的に電気エネルギーに変換するので、高い発電効率を得ることができる。
燃料ガスは、一般的にメタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、灯油、軽油、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの炭化水素系燃料を原料ガスとして生成される。燃料ガスは、原料ガスを改質触媒で水蒸気改質などにより改質して生成され、主に水素を含む。
しかしながら、原料ガス中に窒素が含まれると、改質触媒上で、水素と窒素が反応し、副生成物としてアンモニアを生成する場合がある。
アンモニアを含んだ燃料ガスが燃料電池に供給されると、アンモニアが燃料電池のアノードやカソードを構成する触媒を被毒するために、触媒活性を低下させ、電池電圧を低下させる場合がある。電池電圧が低下すると燃料電池システムの発電効率が低下する。
また、水素イオン伝導性を有する固体高分子電解質の場合、アンモニアが燃料電池を構成する電解質中のプロトンと結合するために、プロトン伝導を阻害し、電池電圧を低下させる場合がある。さらに、アンモニアがアノード触媒を被毒すると、発電反応が阻害され、過酸化水素やラジカルの濃度が増加するために、固体高分子電解質が劣化して、耐久性が低下する場合もある。
そこで、従来は改質して生成した燃料ガス中に含まれる不純物であるアンモニアを燃料電池に供給しないために、燃料ガスの経路にアンモニア除去装置を備え、アンモニアを除去した燃料ガスを燃料電池に供給していた。
例えば、図4に示すように、従来のアンモニア除去器を有する燃料電池システムとしては、アンモニア吸収塔101を備え、窒素を含む原料ガスを改質して燃料ガスを生成する燃料ガス供給部102から供給される燃料ガス中に含まれるアンモニアを除去する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
アンモニア吸収塔101には純水タンク103が接続されており、純水タンク103内にある水を循環ポンプ104で循環させ、イオン交換樹脂105でアンモニアを回収して、アンモニア吸収塔101のノズル106から水を散布することにより、燃料ガス中のアンモニアを水中に溶解させて除去する。また、アンモニアと同時に二酸化炭素を純粋中に溶解させて除去することができる。その後、アンモニアを除去した燃料ガスをセルスタック107に供給する。
また、ノズル106から水を散布する以外にも、アンモニアを含んだ燃料ガスをバブリング槽の純水中にバブリングして溶解させることにより、アンモニアを除去する技術が開
示されている。
特開2003−31247号公報
しかしながら、上記従来の燃料電池システムに記載されている水中にアンモニアを溶解させる技術では、アンモニアを回収したイオン交換樹脂を定期的に交換する必要があった。また、アンモニア吸収塔やバブリング槽などの水処理に関わる装置を必要とするため、装置が大型化し、コストが増加するという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、燃料ガス中に含まれるアンモニアを効率よく簡便に除去することができる。本発明は、燃料電池の電圧低下及び高分子電解質膜の劣化を抑制し、発電効率と耐久性に優れた燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ラジカルによってアンモニアを分解することが効率よく簡便な方法であることを見出した。即ち、本発明の燃料電池発電システムは、ラジカル供給部を備え、このラジカル供給部が、燃料ガス中にラジカルを供給するものである。
これにより、ラジカル供給部で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、効率よく簡便にアンモニアを除去することができる。
本発明の燃料電池発電システムによれば、効率よく簡便に燃料ガス中のアンモニアを除去できる。アンモニアによる電池電圧の低下及び高分子電解質の劣化を抑制でき、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態1における燃料電池発電システムの概略構成図 本発明の実施の形態2における燃料電池発電システムの概略構成図 本発明の実施の形態3における燃料電池発電システムの概略構成図 同システムの電池電圧特性図 本発明の実施の形態4における燃料電池発電システムの概略構成図 本発明の実施の形態5における燃料電池発電システムの概略構成図 従来の燃料電池発電システムのアンモニア除去装置の概略構成図
本発明に係る燃料電池システムは、アノード及びカソードを有する燃料電池と、
原料ガスを水蒸気改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質部を有し、前記燃料ガスを前記アノードに供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料ガス供給部及び前記燃料電池を連通する燃料ガス供給ラインと、
前記燃料ガス供給ラインに連通し、酸素を含有する酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給ラインと、
前記酸化剤ガス供給ラインに設けられ、酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、前記燃料電池に供給される燃料ガス中にラジカルを供給するラジカル供給部と、
を備える。
この構成により、ラジカル供給部で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、高分子電解質の劣化を抑制することができる。また、酸化剤ガス供給ラインにラジカル供給部を設け、酸化剤ガス中のラジカルを燃料ガスに供給するため、ラジカル発生の電圧を燃料ガスに直接かける必要がなく、安全性が高い。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記酸化剤ガス供給ラインが、前記燃料ガス供給ラインに接続する第1酸化剤ガス供給ラインであり、
前記ラジカル供給部が、前記第1酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記燃料ガス供給ラインを流れる燃料ガス中にラジカルを供給する第1ラジカル供給部であってもよい。
この構成により、第1ラジカル供給部で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、高分子電解質の劣化を抑制することができる。また、第1酸化剤ガス供給ラインに第1ラジカル供給部を設け、酸化剤ガス中のラジカルを燃料ガスに供給するため、ラジカル発生の電圧を燃料ガスに直接かける必要がなく、安全性が高い。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記燃料ガス供給部が、前記改質部から排出される燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を低減するCO除去部を有し、
前記酸化剤ガス供給ラインが、前記CO除去部に接続する第2酸化剤ガス供給ラインであり、
前記ラジカル供給部が、前記第2酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記CO除去部を流れる燃料ガス中にラジカルを供給する第2ラジカル供給部であってもよい。
この構成により、第2ラジカル供給部で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、高分子電解質の劣化を抑制することができる。また、CO除去部のアンモニアによる触媒被毒が抑制されるので、効率よくCOを除去することができる。また、第2酸化剤ガス供給ラインに第2ラジカル供給部を設け、酸化剤ガス中のラジカルを燃料ガスに供給するため、ラジカル発生の電圧を燃料ガスに直接かける必要がなく、安全性が高い。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記燃料ガス供給部が、前記改質部から排出される前記燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を低減するCO除去部を有し、
前記CO除去部に接続し、前記CO除去部に酸素を含有する酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給ラインと、
前記第2酸化剤ガス供給ラインに設けられ、酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、前記CO除去部を流れる燃料ガス中に前記ラジカルを供給する第2ラジカル供給部と、
をさらに備えていてもよい。
この構成により、第2ラジカル供給部で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、高分子電解質の劣化を抑制することができる。また、CO除去部のアンモニアによる触媒被毒が抑制されるので、効率よくCOを除去することができる。また、第2酸化剤ガス供給ラインに第2ラジカル供給部を設け、酸化剤ガス中のラジカルを燃料ガスに供給するため、ラジカル発生の電圧を燃料ガスに直接かける必要がなく、安全性が高い。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記燃料ガス供給部が、前記改質部から排出される前記燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を低減するCO除去部を有し、
前記第1酸化剤ガス供給ラインの前記第1ラジカル供給部より下流側で分岐し、前記CO除去部に酸化剤ガスを供給する第3酸化剤ガス供給ラインと、
をさらに備え、
前記第1ラジカル供給部は、前記CO除去部及び前記燃料ガス供給ラインを流れる燃料ガス中にラジカルを供給する構成であってもよい。
この構成により、第1ラジカル供給部で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、高分子電解質の劣化を抑制することができる。また、CO除去部のアンモニアによる触媒被毒が抑制されるので、効率よくCOを除去することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記第1及び第2ラジカル供給部のうちの少なくとも一方が、一対の電極と、前記一対の電極に高電圧を印加する高電圧印加部と、を有し、
前記高電圧印加部を制御してラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、高電圧印加部の出力を制御して、改質部で発生したアンモニアを分解するのに必要なラジカルの供給量を電気的に増減することができ、余剰なラジカルの発生を抑えてエネルギーを削減することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、第1及び第2ラジカル供給部のうちの少なくとも一方が、燃料電池発電システムの出力に応じて、前記ラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、燃料電池発電システムの出力に対応して、燃料ガスの流量に応じたラジカルの供給量を決めることができるので、制御処理が簡素化され、ラジカルを供給するまでの時間を短縮することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、第1及び第2ラジカル供給部のうちの少なくとも一方が、前記原料ガス中に含まれる窒素の濃度に応じて、前記ラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、設置場所(設置地域)に対応したラジカルの供給量を決めることができ、あらかじめ必要なラジカルの最大供給可能量に合わせたラジカル供給部の最適設計をすることができ、その構成が簡素化され、サイズやコストなどの最適化を図ることができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記燃料電池の電池電圧を検出する電圧検出部を備え、
前記第1及び第2ラジカル供給部のうちの少なくとも一方が、前記電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、前記ラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、燃料電池発電システムの効率が低下して、実用上影響がある場合のみ、ラジカル供給部を作動させればよく、燃料電池の電池電圧がアンモニアにより低下して所定値を下回ったときだけ、ラジカル供給量を増大させ、ラジカル供給部の消費するエネルギーをさらに削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の燃料電池発電システムは、電解質1の両面にアノード2a及びカソード2bを対向して形成した燃料電池3を備える。
ここで、電解質1は、例えば水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォン酸ポリマーからなる固体高分子電解質で構成される。
また、アノード2aとカソード2bは、耐酸化性の高い多孔質カーボンに白金などの貴金属を担持した触媒及びプロトン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなる触媒層と、触媒層の上に積層した通気性及び電子伝導性を有するガス拡散層で構成される。
このとき、アノード2aの触媒として、一般に、燃料ガス中に含まれる不純物、特に一酸化炭素による被毒を抑制する白金−ルテニウムの合金触媒が用いられる。
また、ガス拡散層として、撥水処理を施したカーボンペーパーやカーボンクロス、あるいはカーボン不織布などが用いられる。
そして、アノード2a及びカソード2bのそれぞれにアノード側及びカソード側セパレータが互いに対向するように配置され、アノード側セパレータには燃料ガスを供給、排出する燃料ガス流路が、カソード側セパレータには酸化剤ガスを供給、排出する酸化剤ガス流路が形成されている。
さらに、カソード側セパレータには燃料電池3を冷却する冷却流体を供給、排出する冷却流体流路が形成されている。なお、冷却流体流路はアノード側セパレータに形成してもよく、また、冷却流体流路が形成された独立した冷却板を別途設けてもよい。
ここで、アノード側及びカソード側セパレータは、主にカーボンなどの導電性を有する材料で形成される。
そして、アノード側及びカソード側セパレータと燃料電池3は、それぞれの流体が異なる流体の流路及び外部にリークしないように、それぞれアノード側及びカソード側ガスケットや、シール材によりシールされている。
そして、上記構成の燃料電池3を複数積層し、両端に電流を取り出すために集電体を配置して、絶縁体を介して端板を配置し、締結してスタックを構成した。スタックの周囲には外部への放熱を防止して排熱回収効率を高めるため、断熱材を配置した。
そして、アノード2a側に水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給部4と、カソード2b側に大気中の酸素を含む空気(酸化剤ガス)を供給する第3酸化剤ガス供給部5と、スタックを冷却し、スタックで発生する熱と熱交換する冷却流体を供給する冷却部を接続した。
ここで、燃料ガス供給部4の構成について説明する。燃料ガス供給部4は、付臭剤として含まれている硫黄化合物を原料ガスから除去する脱硫部41と、脱硫した原料ガスの流量を制御する原料ガス供給部42と、脱硫した原料ガスを水蒸気改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質部43と、改質部43で発生した一酸化炭素を変成して一酸化炭
素の濃度を低減するCO変成部44と、さらに燃料ガス中に含まれる一酸化炭素を選択的に酸化して除去するCO除去部45とで構成される。このCO除去部45には、酸素を含む第2の酸化剤ガスとして大気中の空気を導入する第2酸化剤ガス供給ライン72が接続されており、一酸化炭素を酸化して除去するために必要な第2の酸化剤ガスが第2酸化剤ガス供給部62から供給される。燃料ガス供給部4と燃料電池3との間は、燃料ガス供給ライン46で接続されている。
なお、原料ガスとしては、メタンを主成分とするガス(例えば、都市ガス)や、プロパンを主成分とするガスを用いることができる。
ここで、例えば原料ガスにメタンを用いた場合、改質部43では、水蒸気を伴って(化1)及び(化2)に示した反応が起こり、水素が発生する。
Figure 2012109064
Figure 2012109064
なお、改質部43で起こる全反応をまとめると(化3)に示す反応が行われる。
Figure 2012109064
しかし、改質部43で生成した改質ガス中には水素以外に10%程度の一酸化炭素が含まれる。そして、一酸化炭素は、燃料電池3の運転温度域においてアノード2aに含まれる触媒を被毒し、その触媒活性を低下させる。そこで、改質部43で発生した一酸化炭素を、CO変成部44で(化2)の反応式に示すように、一酸化炭素を二酸化炭素に変成する。これにより、一酸化炭素の濃度が約5000ppmにまで減少する。
さらに、濃度が低減した一酸化炭素を、CO除去部45で(化4)で示す反応により、第2酸化剤ガス供給ライン72から取り込んだ大気中の酸素で選択的に酸化する。CO除去部45に供給する第2の酸化剤ガスの供給量は第2酸化剤ガス供給部62により制御されている。これにより、一酸化炭素の濃度は、アノード2aの触媒の触媒活性の低下を抑制できる約10ppm以下までに減少することができる。
Figure 2012109064
次に、発電中にアノード2aに酸素を含有する第1の酸化剤ガスとして空気を供給する第1酸化剤ガス供給ライン71を設けた。本実施の形態では、第1酸化剤ガス供給ライン71は、燃料ガス供給ライン46に接続されている。第1酸化剤ガス供給ライン71より、燃料ガス供給部4で生成した水素を含有する燃料ガスに1〜2%程度の酸素(空気)を混合(エアブリード)することにより、わずかに残る一酸化炭素の影響をさらに軽減させることができる。アノード2aに供給する第1の酸化剤ガスの供給量は第1酸化剤ガス供
給部61により制御されている。
ところで、原料ガス中に窒素が含まれていると、改質部43の改質触媒上で生成した水素が、窒素と反応し、アンモニアが生成することがある(化5)。
Figure 2012109064
アンモニアは、プロトンと結合して陽イオンとなり、プロトン伝導性の電解質1では、プロトンをトラップして電解質1中のプロトン伝導度を低下させる物質となる。
また、アンモニアが燃料電池3のアノード2aやカソード2bを構成する触媒を被毒すると、触媒活性が低下し、電池電圧を低下させたりする場合がある。
さらに、アンモニアがアノード2a触媒を被毒すると、発電反応が阻害され、過酸化水素やラジカルの濃度が増加し、電解質1などが劣化して、耐久性を低下させる場合がある。
そこで、本実施の形態では、第1酸化剤ガス供給ライン71に、第1の酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、燃料ガス中にラジカルを供給する第1ラジカル供給部81を配置した。
第1ラジカル供給部81は、電気的にヒドロキシラジカルを発生させることができる構成となっている。第1ラジカル供給部81は、空気中に含まれる水分を凝縮させる熱交換部と、凝縮した水分を搬送する水搬送部と、搬送された水に高電圧を印加する高電圧印加部と、高電圧印加部で発生させた高電圧が印加される放電電極と、放電電極と一定の距離を隔てて対向する対向電極と、高電圧印加部に電源を供給する電源供給部と、を備える。第1ラジカル供給部81は、放電電極における電圧、及び、放電電極と対抗電極を流れる電流を制御することにより、ラジカル発生量を増減させるよう制御することができる。なお、第1ラジカル供給部81は、電気的にヒドロキシラジカルの発生量、あるいは、供給量を制御できるものであれば、同様の効果を得ることができ、上記構成に限定されるものではない。
ヒドロキシラジカルは、水酸基に対応するラジカル(・OH)であり、反応性が高く、アンモニアを分解することができる(化6)。
Figure 2012109064
したがって、燃料ガス中に供給されたヒドロキシラジカルは、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解して除去することができる。
ここで、第1ラジカル供給部81の作用について説明する。第1ラジカル供給部81の熱交換部は、半導体電子熱交換素子であるペルチェ素子を備え、ペルチェ素子に直流電源を供給すると、ペルチェ素子内において熱の移動が生じ、ペルチェ素子の吸熱面が冷却されて吸熱面上で第1の酸化剤ガスである空気中に含まれる水分が凝縮して結露水が生じる。ペルチェ素子に供給する電力を制御することにより、凝縮する結露水量を調節することができ、ヒドロキシラジカル量を電気的に制御することができる。 そして、セラミック
などの多孔質材からなる水搬送部が凝縮した結露水を毛細管現象により、高電圧印加部まで搬送する。高電圧印加部は、水の搬送された水搬送部の先端部である放電電極と、それに対向して配置された対向電極の間に、先端部がマイナス電極となるように高電圧を印加する。高電圧が印加されると、先端部に保持された結露水が大きなエネルギーを受けてレイリー分裂を繰り返し、このときヒドロキシラジカルが大量に発生する。印加する高電圧は、例えば、4〜6kVであることが好ましく、4.5〜5.5kVであることがより好ましい。
発生したヒドロキシラジカルは、第1酸化剤ガス供給部61により、第1の酸化剤ガスとともに、アノード2aに供給される。
この構成により、第1ラジカル供給部81で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電圧低下や、電解質1などの劣化を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態の第1ラジカル供給部81によれば、出力を制御して、発生したアンモニアを分解するのに必要なヒドロキシラジカルの供給量を増減することができる。第1ラジカル供給部81で供給するヒドロキシラジカルは、酸化力がとても強いため、分解するアンモニアが存在しない場合、接触する樹脂や金属を酸化させて劣化する可能性がある。本実施の形態では、第1ラジカル供給部81の出力を制御して、発生したアンモニアを分解するのに必要なヒドロキシラジカルの供給量を増減することができるので、余剰なヒドロキシラジカルによる部材の劣化を抑制することができる。
次に、第3酸化剤ガス供給部5について説明する。第3酸化剤ガス供給部5は、酸化剤ガスの流量を制御する酸化剤ガス流量制御手段と、酸化剤ガス中の不純物をある程度除去する不純物除去手段と、酸化剤ガスを加湿する加湿器で構成される。第3酸化剤ガス供給部5と燃料電池3のカソード2bとは、第5酸化剤ガス供給ライン51を用いて連通している。
ここで、酸化剤ガスとは、少なくとも酸素を含む(あるいは酸素を供給することのできる)ガスの総称であり、例えば大気(空気)が利用される。
次に、冷却部について説明する。冷却部は、スタックを冷却する冷却流体を貯える冷却流体タンクと、冷却流体を供給する冷却流体ポンプと、冷却流体流路を流通し、燃料電池3で発生した熱と熱交換した冷却流体とさらに熱交換してお湯を作る熱交換器で構成される。
そして、燃料電池3の電池電圧を検出するため、電圧検出部9を接続した。
次に、以上説明した上記構成の燃料電池発電システムについて、発電時の動作について説明する。
まず、アノード2aに燃料ガス、カソード2bに酸化剤ガスを供給して、燃料電池3に負荷を接続すると、燃料ガス中の水素は反応式(化7)で示すようにアノード2aの触媒層と電解質1の界面で電子を放出して水素イオンとなる。
Figure 2012109064
そして、放出された水素イオンは、電解質1を通ってカソード2bへと移動し、カソード2bの触媒層と電解質1の界面で電子を受け取る。このとき、カソード2bに供給された酸化剤ガス中の酸素と反応して、反応式(化8)で示すように水を生成する。
Figure 2012109064
上記反応をまとめると(化9)に示す反応が行われる。
Figure 2012109064
そして、負荷を流れる電子の流れを直流の電気エネルギーとして利用できる。また、上記一連の反応は発熱反応であるため、燃料電池3で発生した熱を、冷却流体流路から供給される冷却流体により熱交換して回収することにより、お湯などの熱エネルギーとして利用することができる。
また、第1ラジカル供給部81は、上述のように電気的にラジカル供給量を制御するので、第1ラジカル供給部81で供給するヒドロキシラジカルの供給量を簡便に、また、適度に調節することができる。また、第1ラジカル供給部81は、燃料ガス中のアンモニアの発生量に合わせて、第1ラジカル供給部81をオンオフしたり、第1ラジカル供給部81の出力を制御して、発生したアンモニアを分解するのに必要なヒドロキシラジカルの供給量を増減したりすることができる。そのため、余剰なラジカルの発生を抑えて、第1ラジカル供給部81で消費するエネルギーを必要最小限に抑制できる。また、余剰なヒドロキシラジカルによる樹脂や金属などの部材の劣化を抑制でき、燃料電池発電システムの耐久性の向上を図ることができる。
また、燃料ガス中のアンモニアの含有量は燃料電池発電システムの出力や改質条件により変動するが、本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、第1ラジカル供給部81が、燃料電池発電システムの出力に応じて、ラジカル供給量を制御することができる。例えば、燃料ガス中のアンモニアの含有量が高くなる条件で運転する場合に、ラジカル供給量を増加し、燃料ガス中のアンモニアの含有量が低くなる条件で運転する場合に、ラジカル供給量を減少するよう制御することができる。従って、燃料電池発電システムの出力に対応したヒドロキシラジカルの供給量を決めることができるので、制御処理が簡素化され、ヒドロキシラジカルを供給するまでの時間を短縮することができる。
また、燃料ガス中のアンモニア濃度は、原料ガス中に含まれる窒素の濃度に依存し、原料ガス中の窒素濃度は、一般的に設置場所(設置地域)に依存する場合が多く、設置場所が一つに決まれば、アンモニア濃度は概略一定となる。例えば、燃料ガス中のアンモニア濃度が高くなる地域で運転する場合に、ラジカル供給量がより多くなるよう制御し、燃料ガス中のアンモニア濃度が低くなる地域で運転する場合に、ラジカル供給量がより少なくなるよう制御することができる。本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、第1ラジカル供給部81は、原料ガス中に含まれる窒素の濃度に応じて、あらかじめラジカル供給量を決定するので、設置場所(設置地域)に対応したヒドロキシラジカルの供給量を決めることができ、あらかじめ必要なヒドロキシラジカルの最大供給可能量に合わせた第1ラジカル供給部81の最適設計をすることができ、その構成が簡素化され、サイズやコス
トなどの最適化を図ることができる。例えば、原料ガス中の窒素濃度が低く、発生するアンモニア濃度が低い場合は、第1ラジカル供給部81の出力や構成を簡素化して、発生するラジカル量を低く抑えることができる。
また、アンモニアは電池電圧を低下させるが、本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、燃料電池3の電池電圧を検出する電圧検出部9を備えるので、電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、ラジカル供給量を制御することができる。例えば、燃料電池発電システムの効率が低下して、実用上影響がある場合に、第1ラジカル供給部81を作動させればよい。即ち、燃料電池3の電池電圧がアンモニアにより低下して所定値より下回った場合に、第1ラジカル供給部81をオンにし、電池電圧が所定値以上である場合は、第1ラジカル供給部81をオフにしてもよい。これにより、第1ラジカル供給部81の消費するエネルギーをさらに削減することができる。また、例えば、燃料電池3の電池電圧がアンモニアにより低下して所定値より下回った場合は、ラジカル供給量を増大させるよう制御し、電池電圧が所定値以上である場合は、ラジカル供給量を減少させるよう制御することができる。これにより、第1ラジカル供給部81の消費するエネルギーをさらに削減することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
本実施の形態は、図2に示すように、第1酸化剤ガス供給ライン71に配置された第1ラジカル供給部81の代わりに、第2酸化剤ガス供給ライン72に配置された第2ラジカル供給部82を備える点で、実施の形態1と異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
第2ラジカル供給部82は、第2酸化剤ガス供給ライン72に設けられ、第2の酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、CO除去部45を流れる燃料ガス中にラジカルを供給する。第2ラジカル供給部82としては、実施の形態1の第1ラジカル供給部81と同様の構成を採用することができる。
CO除去部45に第2の酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給ライン72上に、第2ラジカル供給部82を設けることにより、CO除去部45のアンモニアによる触媒被毒が抑制されるので、効率よくCOを除去することができ、燃料電池3のCOによる電圧低下や、劣化を抑制することができる。このため、発電効率に優れた燃料電池発電システムを得ることができる。
この構成により、第2ラジカル供給部82で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、電解質1などの劣化を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、第2酸化剤ガス供給ライン72に第2ラジカル供給部82を設け、酸化剤ガス中のラジカルを燃料ガスに供給する。そのため、ラジカル発生のための電圧を可燃性ガスである燃料ガスに直接印加する必要がなく、より安全性が高い。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
本実施の形態は、図3に示すように、第1酸化剤ガス供給ライン71に配置された第1
ラジカル供給部81に加えて、第2酸化剤ガス供給ライン72に配置された第2ラジカル供給部82を備える点で、実施の形態1と異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
第2ラジカル供給部82は、第2酸化剤ガス供給ライン72に設けられ、第2の酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、CO除去部45を流れる燃料ガス中にラジカルを供給する。第2ラジカル供給部82としては、実施の形態1の第1ラジカル供給部81と同様の構成を採用することができる。
CO除去部45に第2の酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給ライン72上に、第2ラジカル供給部82を設けることにより、CO除去部45のアンモニアによる触媒被毒が抑制されるので、効率よくCOを除去することができ、燃料電池3のCOによる電圧低下や、劣化を抑制することができる。このため、発電効率に優れた燃料電池発電システムを得ることができる。
この構成により、第2ラジカル供給部82で発生したラジカルが、燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下や、電解質1などの劣化を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
次に、上記構成の燃料電池発電システムを用いて、原料ガス中に窒素が含まれる場合の発電時の挙動の確認を行った。原料ガスにはメタンを主成分とする都市ガスを用い、原料ガス中に含まれる窒素濃度は約1.2%であった。
まず、本実施の形態の燃料電池発電システムにおいて、アンモニアを除去する前の燃料ガス中にどのぐらいのアンモニアが含まれているか調べるために、第1及び第2のラジカル供給部81及び82のラジカル供給を停止した状態で、燃料電池発電システムの各出力条件においてCO除去部45の後の燃料ガスを採取して分析したところ、アンモニア濃度は低出力側で約10ppm、高出力側で約3ppm含まれていることが分かった。
燃料電池発電システムの出力により、アンモニア濃度が異なるのはアンモニアが発生する改質触媒の温度や水蒸気量がシステムの出力毎に実施した条件が異なるためであると思われる。
次に、第1及び第2のラジカル供給部81及び82の電源をオンした状態で同様にCO除去部45の後の燃料ガスを採取してアンモニア濃度の分析を行った。アンモニア濃度は低出力側、及び、高出力側でいずれも1ppm以下になることが分かった。
次に、実際に本発明の実施の形態の燃料電池発電システムを発電させ、電圧検出部9で検出する電池電圧を測定した。
このときの、アノード2a側に供給する燃料ガスの利用率は70%、露点は約55℃、カソード2b側に供給する酸化剤ガスの利用率は50%、露点は約65℃とした。そして、電流が一定に流れるようにアノード2a及びカソード2bの電極面積に対し電流密度が0.2A/cm2となるように負荷を制御した。また、燃料電池3を冷却する冷却流体は、燃料電池冷却流体流路入口マニホールドの近傍で約60℃、燃料電池冷却流体流路出口マニホールドの近傍で約70℃となるように冷却流体の流量を制御した。
上記条件における発電中に第1及び第2のラジカル供給部81及び82電源をオンオフしたときの電池電圧の挙動を図4に示す。図4により、第1及び第2のラジカル供給部8
1及び82の電源がオフのときは、燃料電池3の電池電圧が緩やかに低下していることが分かる。これは、燃料ガス中のアンモニアが電解質1のプロトン伝導度を低下させたり、アノード2a、及び、カソード2bの触媒を被毒させたりして、電圧を低下させるためであると考えられる。そして、第1及び第2のラジカル供給部81及び82の電源をオンにすると、電池電圧が徐々に回復し、元の電圧レベルまで上昇する傾向が観察された。
このことから、第1及び第2のラジカル供給部81及び82で発生したヒドロキシラジカルが燃料ガス中に含まれるアンモニアを分解して除去し、プロトン伝導や触媒被毒が抑制され、電圧低下が抑制することが分かり、本発明の実施の形態の燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができることが分かった。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
本実施の形態は、図5に示すように、第1酸化剤ガス供給ライン71に配置された第1ラジカル供給部81の下流から分岐し、CO除去部45に接続する第3酸化剤ガス供給ライン73を備える点で、実施の形態1と異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
第1ラジカル供給部81は、第1酸化剤ガス供給ライン71に設けられ、第1の酸化剤ガス中にラジカルを発生させる。第1の酸化剤ガスは、その一部が燃料ガス供給ライン46に供給され、他の一部がCO除去部45に供給される。そのため、第1ラジカル供給部81は、燃料ガス供給ライン46及びCO除去部45を流れる燃料ガス中にラジカルを供給することができる。
CO除去部45に第1の酸化剤ガスの一部を供給する第3酸化剤ガス供給ライン73を設けることにより、CO除去部45のアンモニアによる触媒被毒が抑制されるので、効率よくCOを除去することができ、燃料電池3のCOによる電圧低下や、劣化を抑制することができる。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
本実施の形態は、図6に示すように、第1酸化剤ガス供給ライン71に配置された第1ラジカル供給部81の下流から分岐し、燃料電池3のカソード2bに連通する第4酸化剤ガス供給ライン74を備える点で、実施の形態4と異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態4と同様であるため、説明を省略する。
第1酸化剤ガス供給ライン上に酸化剤ガス分流部10を備え、第1酸化剤ガス供給部61及び酸化剤ガス分流部10の間の酸化剤ガス供給ライン上に、第1ラジカル供給部81が配置されている。第4酸化剤ガス供給ライン74は、第1酸化剤ガス供給ライン71上の酸化剤ガス分流部10から分岐し、燃料電池3のカソード2bに連通する。この構成により、第1の酸化剤ガスは、その一部が燃料電池のカソード2bに供給され、他の一部が燃料ガス供給ライン46及びCO除去部45に供給される。そのため、第1ラジカル供給部81は、燃料ガス供給ライン46及びCO除去部45を流れる燃料ガス中だけでなく、カソード2bに供給される酸化剤ガス中にもラジカルを供給することができる。
燃料電池3の発電に用いる酸化剤ガスには、通常、設置される環境にある大気が用いら
れるが、大気中には様々な不純物が含まれている場合が多い。例えば、悪臭成分であるアンモニアなどがある。
大気中に含まれるアンモニアも燃料電池3に悪影響を及ぼし、酸化剤ガスに混入してカソード2bの触媒を被毒して発電に必要な化学反応を阻害して、燃料電池3の出力を低下させる。
本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、燃料ガス中に含まれるアンモニアだけでなく、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアも分解することができるので、酸化剤ガスである大気中にアンモニアが含まれる場合でも、アンモニアを分解し、アンモニアによる電圧低下を抑制することができ、さらに燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができる。
なお、上述の実施の形態1〜5では、第1酸化剤ガス供給ライン71に第1ラジカル供給部81を設け、酸化剤ガス中のラジカルを燃料ガスに供給する。そのため、ラジカル発生のための電圧を可燃性ガスである燃料ガスに直接印加する必要がなく、より安全性が高い。
以上のように、本発明にかかる燃料電池発電システムは、窒素を含有する原料ガスを用いて燃料ガスを生成して発電する燃料電池システムに有効である。燃料ガス中のアンモニアによる影響に対する改善が要望される、高分子形固体電解質などを用いた燃料電池に適用できる。また、モバイル用燃料電池、自動車用燃料電池、定置用燃料電池コジェネレーションシステム等の用途に適用できる。
1 電解質
2a アノード
2b カソード
3 燃料電池
4 燃料ガス供給部
41 脱硫部
42 原料ガス供給部
43 改質部
45 CO除去部
46 燃料ガス供給ライン
5 第3酸化剤ガス供給部
51 第5酸化剤ガス供給ライン
61 第1酸化剤ガス供給部
62 第2酸化剤ガス供給部
71 第1酸化剤ガス供給ライン
72 第2酸化剤ガス供給ライン
73 第3酸化剤ガス供給ライン
74 第4酸化剤ガス供給ライン
81 第1ラジカル供給部
82 第2ラジカル供給部
9 電圧検出部
10 酸化剤ガス分流部

Claims (13)

  1. アノード及びカソードを有する燃料電池と、
    原料ガスを水蒸気改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質部を有し、前記燃料ガスを前記アノードに供給する燃料ガス供給部と、
    前記燃料ガス供給部及び前記燃料電池を連通する燃料ガス供給ラインと、
    前記燃料ガス供給ラインに連通し、酸素を含有する酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給ラインと、
    前記酸化剤ガス供給ラインに設けられ、酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、前記燃料電池に供給される燃料ガス中にラジカルを供給するラジカル供給部と、
    を備えた、燃料電池発電システム。
  2. 前記酸化剤ガス供給ラインは、前記燃料ガス供給ラインに接続する第1酸化剤ガス供給ラインであり、
    前記ラジカル供給部は、前記第1酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記燃料ガス供給ラインを流れる燃料ガス中にラジカルを供給する第1ラジカル供給部である、請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記燃料ガス供給部は、前記改質部から排出される燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を低減するCO除去部を有し、
    前記酸化剤ガス供給ラインは、前記CO除去部に接続する第2酸化剤ガス供給ラインであり、
    前記ラジカル供給部は、前記第2酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記CO除去部を流れる燃料ガス中にラジカルを供給する第2ラジカル供給部である、請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記燃料ガス供給部は、前記改質部から排出される前記燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を低減するCO除去部を有し、
    前記CO除去部に接続し、前記CO除去部に酸素を含有する酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給ラインと、
    前記第2酸化剤ガス供給ラインに設けられ、酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、前記CO除去部を流れる燃料ガス中に前記ラジカルを供給する第2ラジカル供給部と、
    をさらに備えた、請求項2に記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記燃料ガス供給部は、前記改質部から排出される前記燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を低減するCO除去部を有し、
    前記第1酸化剤ガス供給ラインの前記第1ラジカル供給部より下流側で分岐し、前記CO除去部に酸化剤ガスを供給する第3酸化剤ガス供給ラインと、
    をさらに備え、
    前記第1ラジカル供給部は、前記CO除去部及び前記燃料ガス供給ラインを流れる燃料ガス中にラジカルを供給する、請求項2に記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記第1ラジカル供給部は、一対の電極と、前記一対の電極に高電圧を印加する高電圧印加部と、を有し、
    前記高電圧印加部を制御してラジカル供給量を制御する、請求項1〜5いずれかに記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記第1ラジカル供給部は、燃料電池発電システムの出力に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項6に記載の燃料電池発電システム。
  8. 前記第1ラジカル供給部は、前記原料ガス中に含まれる窒素の濃度に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項6に記載の燃料電池発電システム。
  9. 前記燃料電池の電池電圧を検出する電圧検出部を備え、
    前記第1のラジカル供給部は、前記電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項6に記載の燃料電池発電システム。
  10. 前記第2ラジカル供給部は、一対の電極と、前記一対の電極に高電圧を印加する高電圧印加部と、を有し、
    前記高電圧印加部を制御してラジカル供給量を制御する、請求項4に記載の燃料電池発電システム。
  11. 前記第2ラジカル供給部は、燃料電池発電システムの出力に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項10に記載の燃料電池発電システム。
  12. 前記第2ラジカル供給部は、前記原料ガス中に含まれる窒素の濃度に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項10に記載の燃料電池発電システム。
  13. 前記燃料電池の電池電圧を検出する電圧検出部を備え、
    前記第2ラジカル供給部は、前記電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項10に記載の燃料電池発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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