JP2007128680A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2007128680A
JP2007128680A JP2005318548A JP2005318548A JP2007128680A JP 2007128680 A JP2007128680 A JP 2007128680A JP 2005318548 A JP2005318548 A JP 2005318548A JP 2005318548 A JP2005318548 A JP 2005318548A JP 2007128680 A JP2007128680 A JP 2007128680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
fuel cell
anode
reforming
cell system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005318548A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Shimazu
孝 志満津
Hiroyuki Mitsui
宏之 三井
Hiroshi Aoki
博史 青木
Shinya Morishita
真也 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2005318548A priority Critical patent/JP2007128680A/ja
Publication of JP2007128680A publication Critical patent/JP2007128680A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】炭化水素から水素を得る改質装置とアノード電極側で水が生成される燃料電池とを含み、燃料電池の排出ガスを有効に利用することができる燃料電池システムを得る。
【解決手段】燃料電池システム10は、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された炭化水素原料から水素を含有する改質ガスを生成する改質装置14と、改質装置の改質ガスがアノード電極16に供給されて行う発電に伴ってアノード電極16側で水が生成される燃料電池12とを備える。また、燃料電池システム10は、燃料電池12のアノード電極16から排出されるアノードオフガスのうち発電に伴う生成水を含む少なくとも一部を、改質装置12の改質部26における改質用水蒸気の入口に導入するための、アノードオフガスライン42、アノードオフガス分離器44、水蒸気供給ライン36、エジェクタ35を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素を改質して生成した水素含有の改質ガスを燃料電池に供給して発電させる燃料電池システムに関する。
改質反応によって炭化水素原料から水素を含有する改質ガスを生成し、この改質ガスを発電燃料として固体高分子形燃料電池(PEFC)に供給する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献記載の燃料電池システムでは、PEFCのカソードオフガスを改質器の水蒸気入口に戻し、該カソードオフガス中の水蒸気が水蒸気改質反応に供されるようになっている。
特開2002−289245明細書
しかしながら、上記従来の技術では、例えば固体電解質形燃料電池のようにアノード電極側で水が生成する燃料電池を含む燃料電池システムに適用することができない。
本発明は、上記事実を考慮して、炭化水素から水素を得る改質装置とアノード電極側で水が生成される燃料電池とを含み、燃料電池の排出ガスを有効に利用することができる燃料電池システムを得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る燃料電池システムは、水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された炭化水素原料から水素を含有する改質ガスを生成する改質装置と、前記改質装置の改質ガスがアノード電極に供給されて発電を行い、該発電に伴って前記アノード電極側で水が生成される燃料電池と、前記燃料電池のアノード電極から排出されるアノードオフガスのうち前記発電に伴う生成水を含む少なくとも一部を、前記改質装置における改質用水蒸気の入口に導入するアノードオフガス導入手段と、を備えている。
請求項1記載の燃料電池システムでは、改質装置が炭化水素原料を改質して生成した改質ガスがアノード電極に供給された燃料電池は、この改質ガスを消費して発電を行いつつアノード電極側で水(水蒸気)を生成する。アノードオフガスのうち発電に伴う生成水を含む少なくとも一部は、改質装置の改質用水蒸気の入口に導入される。この発電に伴う生成水すなわち改質用水蒸気と改質装置に供給される炭化水素原料とが水蒸気改質反応を行うことで、改質装置では水素を含有する改質ガスが継続的に生成される。
ここで、本燃料電池システムでは、アノードオフガス中に含まれる燃料電池の生成水を改質用水蒸気として利用するため、系外から導入される水蒸気に頼ることなく、改質装置での水蒸気改質反応を含む改質反応を継続的に行わせて燃料電池による発電を維持することができる。
このように、請求項1記載の燃料電池システムでは、炭化水素から水素を得る改質装置とアノード電極側で水が生成される燃料電池とを含み、燃料電池の排出ガスを有効に利用することができる。
請求項2記載の発明に係る燃料電池システムは、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記アノードオフガス導入手段は、多孔体より成り前記アノードオフガス中の水素及び水蒸気を分離するための分離膜を有し、前記分離膜を通過してアノードオフガスから分離された分離ガスを前記改質装置における改質用水蒸気の入口に導入するようになっている。
請求項1記載の燃料電池システムは、例えばアノードオフガス中の水蒸気を分離するための各種分離手段を備えて(備えない場合を含む)アノードオフガス導入手段を構成することができるが、請求項2記載の燃料電池システムでは、分離手段として多孔体より成る分離膜を備えるため、アノードオフガス中の水蒸気の分離選択性が高い。このため、分離膜を通過して改質装置の改質用水蒸気の入口に導入される分離ガスは、アノードオフガスよりも水蒸気の濃度が高くなり、改質反応中の水蒸気改質反応を促進することで改質装置、燃料電池を安定して継続運転することが可能になる。
請求項3記載の発明に係る燃料電池システムは、請求項2記載の燃料電池システムにおいて、前記分離膜としてポリイミド炭化膜を用いた。
請求項3記載の燃料電池システムでは、分離膜としてのポリイミド炭化膜は、ポリイミド膜における高い膜厚制御性によって薄膜化が可能である。これにより、ポリイミド炭化膜は、水蒸気の高い選択性を維持しつつ該水蒸気の高い透過性を達成する(アノードオフガスから多量の水蒸気を分離する)ことができるため、システム内における優れた材料(ガス)バランスを実現する分離膜材料となる。
請求項4記載の発明に係る燃料電池システムは、請求項2又は請求項3記載の燃料電池システムにおいて、前記改質装置は、前記改質反応を行う改質部と、供給された燃料ガスを燃焼して生じた熱を前記改質工程を行うための熱として前記改質部に供給する加熱部と含み、前記アノードオフガスから分離ガスを分離した残余のガスを前記燃料ガスとして前記加熱部に供給するための燃料ガス供給手段をさらに備えた。
請求項4記載の燃料電池システムでは、アノードオフガスから分離ガスが分離された残余のガスである燃料ガスが改質装置の加熱部に供給され、この加熱部における燃料ガスの燃焼に伴って生じる燃焼熱によって、改質部における吸熱反応である水蒸気改質反応が維持される。これにより、系外から導入される改質反応維持用の熱や燃料ガスに頼ることなく、改質装置での水蒸気改質反応を含む改質反応を維持させることができる。すなわち、本燃料電池システムでは、燃料電池の排出ガスを一層有効に利用することができる。
請求項5記載の発明に係る燃料電池システムは、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の燃料電池システムにおいて、前燃料電池は、酸素導電性の固体電解質を用いた固体電解質形燃料電池である。
請求項5記載の燃料電池システムでは、中温域又は高温域で運転される固体電解質形燃料電池のアノードオフガスの少なくとも一部が改質装置に導入される。したがって、アノードオフガス(水蒸気)の有する顕熱が改質装置に供給される。これにより、吸熱反応である水蒸気改質を安定してかつ少ない入熱で維持することができる。特に、請求項4に従属する構成では、燃料ガスがその顕熱を加熱部に供給するため、加熱部から改質部への供給熱量を増加することができ、安定した改質反応、発電の維持に寄与する。
以上説明したように本発明に係る燃料電池システムは、炭化水素から水素を得る改質装置とアノード電極側で水が生成される燃料電池とを含み、燃料電池の排出ガスを有効に利用することができるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る燃料電池システム10について、図1に基づいて説明する。
図1には、燃料電池システム10のシステム構成図(プロセスフローシート)が示されている。この図に示される如く、燃料電池システム10は、水素を消費して発電を行う燃料電池12と、燃料電池12に供給するための水素含有の改質ガスを生成するための改質装置(改質器)14とを主要構成要素として構成されている。
燃料電池12は、この実施形態では固定電解質形燃料電池(SOFC)とされており、
図2に模式的に示される如く、アノード電極(燃料極)16とカソード電極(空気極)18との間に、酸素イオン導電性を有するジルコニア等の固体電解質20を挟んで構成されている。また、燃料電池12には、改質ガス(水素)をアノード電極16に導入するためのアノード流路22と、酸素を含有するカソード用空気をカソード電極に導入するためのカソード流路24とを備えている。
この燃料電池12は、アノード電極16では、アノード流路22の入口22Aから供給された改質ガス中の水素(及び一酸化炭素)が固体電解質20との界面で電子を放出し、該固体電解質20を導電した酸素イオンと反応して水を生成するようになっている。一方、カソード電極18では、アノード電極16から図示しない外部負荷を経由して到達した電子によって、カソード流路24の入口24Aから導入したカソード用空気中の酸素がイオン化され、固体電解質20中に酸素イオンを送り込むようになっている。
したがって、燃料電池12では、発電に伴ってアノード電極16側で水が生成され、この水はアノードオフガスの一部である水蒸気としてアノード流路22の出口22Bから燃料電池12外に排出されるようになっている。一方、カソード流路24の出口24Bから排出されるカソードオフガスは、発電に伴う生成水を若干伴うものの、主に窒素、酸素(カソード用空気に対し酸素分圧が減少したガス)とされる。燃料電池12は、800℃〜1000℃程度の高温で運転される構成とされている。
改質装置14は、燃料電池12のアノード流路22に供給するための改質ガスを生成する改質部26と、改質部26が改質反応を行うための熱を供給するための加熱部28とを主要構成要素として構成されている。改質部26は、図示しない改質触媒を内蔵しており、供給される炭化水素ガス(ガソリン、メタノール、天然ガス等)と改質用ガス(水蒸気)を触媒反応させることで、水素ガスを含む改質ガスを生成する(改質反応を行う)ようになっている。
改質部26における改質反応には、以下の式(1)乃至(3)で表されるように、水蒸気改質反応を含む各反応が含まれる。したがって、改質工程で得た改質ガスには、水素(H)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、分解炭化水素や未反応の原料炭化水素(C)等の可燃性ガス、及び二酸化炭素(CO)、水(HO)等の不燃性ガスを含むようになっている。
+nHO → nCO +(n+m/2)H … (1)
CO+HO ⇔ CO+H … (2)
CO+3H ⇔ CH+HO … (3)
この改質反応の中で主となる式(1)の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、かつ改質部26は、上記の通り高温で運転される燃料電池12に改質ガスを供給するため所定温度以上の温度で運転されるようになっている。加熱部28は、この改質部26における改質反応、運転温度を維持するための熱の供給する構成とされている。加熱部28は、酸化触媒を内蔵して改質部26に隣接して設けられており、燃料入口28Aから供給された燃料を、支燃ガス入口28Bから供給された酸素と共に酸化触媒に接触させて、触媒燃焼を生じさせる構成とされている。
改質装置14は、加熱部28で燃料を触媒燃焼させて得た燃焼熱を隔壁部30を介して改質部26に供給するようになっている。このため、燃焼ガス等の熱媒(流体)を介して改質部26を加熱する構成のように熱量を温度に変換することなく、改質部26に熱量を直接的に付与することができる構成とされている。加熱部28の燃焼排ガスは排ガス出口28Cから排出されるようになっている。
そして、燃料電池システム10は、改質部26に炭化水素原料を供給するための原料ポンプ32を備えており、原料ポンプ32の吐出部は原料供給ライン34を介して改質部26の原料入口26Aに接続されている。この原料供給ライン34には、改質部26に水蒸気を供給するための水蒸気供給ライン36の下流端が合流している。原料供給ライン34と水蒸気供給ライン36との合流部には、ガス駆動装置としてのエジェクタ(ジェットポンプ)35が配設されている。エジェクタ35は、改質原料である炭化水素ガスの流れに伴って生じる負圧によって、後述する低圧の水蒸気を水蒸気供給ライン36から原料供給ライン34に導入するようになっている。
また、改質部26の改質ガス出口26Bは、下流端がアノード流路22(燃料電池12)の入口22Aに接続された改質ガス供給ライン38の上流端に接続されている。これにより、改質部26で生成された改質ガスが燃料電池12のアノード電極16に供給されるようになっている。改質ガス供給ライン38の中間部は、改質ガスを予熱するための熱交換器40の低温ガス側流路とされている。
一方、アノード流路22の出口22Bには、アノードオフガスライン42の上流端が接続されており、アノードオフガスライン42の下流端にはアノードオフガス分離器44のアノードオフガス入口44Aが接続されている。アノードオフガス分離器44は、アノードオフガスの成分を分離するための分離膜46を内蔵している。分離膜46は、多孔体より成り、高い水素選択性、水蒸気選択性を有する。この実施形態では、分離膜46はポリイミド炭化膜とされており、ポリイミド炭化膜は、ポリイミド膜が有する高い膜厚制御性によって薄膜化が可能である。これにより薄膜化されたポリイミド炭化膜である分離膜46は、水素、水蒸気の高い選択性を維持しつつ該水素、水蒸気の高い透過性を達成する分離膜材料とされ、換言すれば、燃料電池システム10内における優れたマテリアル(ガス)バランスを実現する分離膜材料とされる。
すなわち、分離膜46を通過した分離ガスは、主に水素及び水蒸気とされ、分離膜46を通過しない残余ガスはアノードオフガスの残余成分を主成分とする。アノード流路22に供給される改質ガスが上記の通り、水素(H)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、炭化水素(HC)、二酸化炭素(CO)、水(HO)を含むこの実施形態では、残余ガスの主成分は、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、炭化水素(HC)、二酸化炭素(CO)とされる。
アノードオフガス分離器44における分離膜46によってアノードオフガス入口44Aとは隔てられた分離ガス出口44Bには、上記した水蒸気供給ライン36の上流端が接続されている。したがって、燃料電池システム10では、分離ガス、すなわち分離膜46によって分離されたアノードオフガス中の水素及び水蒸気が改質装置14の改質部26に供給されるようになっている。水蒸気供給ライン36は、その中間部が熱交換器40の高温ガス側流路とされている。なお、エジェクタ35、水蒸気供給ライン36、アノードオフガスライン42、アノードオフガス分離器44が本発明における「アノードオフガス導入手段」を構成している。
一方、アノードオフガス分離器44におけるアノードオフガス入口44Aに直接的に連通する残余ガス出口44Cには、燃料ガス供給手段としての燃料ガス供給ライン48の上流端が接続されており、燃料ガス供給ライン48の下流端は加熱部28の燃料入口28Aに接続されている。したがって、燃料電池システム10では、アノードオフガスから分離ガスを分離した後の残余ガスが燃料含有ガスとして加熱部28に供給されるようになっている。加熱部28では、残余ガス中の主に一酸化炭素、炭化水素が燃料として消費されるようになっている。排ガス出口28Cには排気ガスライン50が接続されている。
また、燃料電池システム10は、カソード流路24にカソード用空気を供給するためのカソード用空気ポンプ52を備えており、カソード用空気ポンプ52の吐出部は、下流端がカソード流路24の入口24Aに接続されたカソード用空気供給ライン54の上流端が接続されている。一方、カソード流路24の出口24Bには、支燃ガス供給ライン56の上流端が接続されており、支燃ガス供給ライン56の下流端は、加熱部28の支燃ガス入口28Bに接続されている。これにより、加熱部28では、支燃ガスとして酸素含有のカソードオフガスが供給される構成とされている。
さらに、燃料電池システム10は、燃料電池12に冷却空気を供給するための冷却用空気ポンプ58を備えており、冷却用空気ポンプ58の吐出部は、下流端が燃料電池12の図示しない冷媒流路の入口12Aに接続された冷却用空気ライン60の上流端に接続されている。この冷媒流路の出口12Bは、冷却オフガスライン62の上流端に接続されている。冷却オフガスライン62は、例えば排気ガスライン50に合流されている。この冷却オフガスライン62の下流端を加熱部28排ガス出口28Cに接続したり、支燃ガス供給ライン56に合流させたりしても良い。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上記構成の燃料電池システム10では、原料ポンプ32の作動によって原料供給ライン34から炭化水素原料が改質装置14の改質部26に導入されるのに伴って、エジェクタ35が改質ガス供給ライン38から分離ガスを原料供給ライン34に導入する。したがって、改質部26には、炭化水素原料と水蒸気、水素が供給され、この改質部26内で水蒸気改質反応(式(1))を含む改質工程が行われて水素を高濃度で含む改質ガスが生成される。
この改質ガスは、熱交換器40において分離ガスにて予熱されて燃料電池12のアノード流路22に導入される。この燃料電池12のアノード電極16では、電子を放出した水素が酸素イオンと反応して水(水蒸気)が生成され、カソード電極18では、負荷経由で到達した電子によって24に導入された酸素がイオン化されて固体電解質20に送り込まれる。すなわち、燃料電池12では、アノード電極16への改質ガスの供給及びカソード電極18へのカソード用空気の供給によって発電が行われ、この発電に伴ってアノード電極16側で水が生成される。
カソード流路24の出口24Bから排出されたカソードオフガスは、支燃ガスとして支燃ガス供給ライン56を経由して加熱部28に導入される。また、アノード流路22の出口22Bから排出されたアノードオフガスは、アノードオフガス分離器44に導入され、分離膜46を通過した成分すなわち分離ガスと、分離膜46を通過しない成分すなわち残余ガスとに分離される。
水素及び水蒸気を主成分とする分離ガスは、水蒸気供給ライン36、熱交換器40を経由してエジェクタ35に至り、該エジェクタ35によって炭化水素原料と共に原料供給ライン34から改質部26に導入される。この水蒸気を消費して炭化水素から改質ガスを得る改質反応が行われると共に、水素は系内を循環することでエネルギ利用率を向上し、同時に水素分圧を増加することで燃料電池12での発電効率の向上にも寄与する。
一方、可燃性の一酸化炭素、炭化水素を含む残余ガスは、燃料ガス供給ライン48を経由して、燃料ガスとして加熱部28に導入される。この残余ガスは、支燃ガスとして導入されたカソードオフガスと共に酸化触媒に接触して燃焼を生じ、この燃焼熱は、隔壁部30を介して改質部26に供給され、水蒸気改質反応における吸熱量を供給する。
ここで、燃料電池システム10では、燃料電池12のアノードオフガスの一部を改質部26における改質反応用の水蒸気として回収するため、専用の水蒸気生成装置から導入する改質反応用の水蒸気に頼ることなく改質部26での改質反応を維持することが可能になった。このため、専用の水蒸気生成装置を不要としたり小型化したりすることが可能であり、水蒸気を生成するための原料(水)及び潜熱(エネルギ)を不要とし、又は水及び潜熱の使用量を低減することができる。
そして、燃料電池システム10では、アノードオフガスをアノードオフガス分離器44にて分離ガスと残余ガスとに分離し、上記の通り改質反応維持用の水蒸気を含む分離ガスを改質部26に導入している。このため、改質部26には水蒸気濃度が高い分離ガスを導入することが実現された。
以上により、この実施形態では、外部から水蒸気を導入することなく、燃料電池12の運転を維持するに足る改質ガスを生成することが実現され、システム効率の向上が実現された。特に、アノードオフガス分離器44の分離膜46として、水素及び水蒸気の高い選択性の維持しつつ、ポリイミド膜の高い膜厚制御性により達成された薄膜化によって水素及び水蒸気の高い透過性を獲得したポリイミド炭化膜を用いたため、アノードオフガス中の水素及び水蒸気を効率的に分離することができる。これにより、燃料電池システム10では、分離ガス中の水素、水蒸気濃度を安定して高濃度に維持することができ、該分離ガスの導入による改質装置14の安定した運転、すなわち燃料電池12を含む燃料電池システム10全体としての安定的かつ効率的な運転を実現することができた。
しかも、燃料電池システム10では、アノードオフガス分離器44にて分離ガスが分離された後のアノードオフガスである残余ガスを、改質部26に改質反応維持用の熱を供給するための加熱部28に燃料ガスとして導入しているため、改質維持用の燃料源として燃料電池12のオフガスを利用してシステム効率を一層向上することが実現された。すなわち、水蒸気と可燃ガスとが共にアノード流路22から排出される固体電解質形の燃料電池12を改質燃料で作動する燃料電池システム10において、アノードオフガス分離器44を設けることで、上記の通り分離ガス中の水蒸気濃度を高めるだけでなく、残余の可燃成分の有効利用を果たすことができた。この実施形態では、外部から加熱部28での燃料を導入することなく、燃料電池12の運転を維持するに足る改質ガスを生成することが実現され、システム効率のより一層の向上が実現された。
また、改質部26には、水蒸気と共に燃料電池12で未利用の水素が導入されるので、改質ガス中の水素濃度を高めることができる。すなわち、アノードオフガス中の水素を水素生成部である改質部26に回収して燃料電池12に再循環することで、燃料電池システム10全体としての水素利用率が向上し、該水素を燃料として加熱部28で消費するよりも高い効率を実現することができる。
そして、燃料電池システム10では、高温で運転される固体電解質形の燃料電池12を有し、該燃料電池12の排出ガスを有効利用するため、単に分離ガスや残余ガス、カソードオフガスの成分を回収するのみならず、これらのガスが有する顕熱をも有効に利用することが実現されている。すなわち、高温の分離ガスを改質部26に導入することで主に吸熱反応である改質反応を安定してかつ効果的に行わせることができると共に、生成された改質ガスの温度を燃料電池12の運転温度に近づけることができる。また、高温の残余ガス(燃料)及びカソードオフガス(支燃ガス)を加熱部28に導入することで、加熱部28の有する熱量が大きくなり、例えば残余ガス中の可燃成分が少ない場合でも改質部26における改質反応を維持することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態に係る燃料電池システム10では、高温で運転される燃料電池12の運転温度を循環(回収)ガスの顕熱としての利用すること、燃料電池12の生成水蒸気の利用による水潜熱の不要化、循環水素による水素利用率向上等、燃料電池システム10の燃料利用率の向上を図ることができ、高いシステム効率の実現が可能である。
なお、上記実施形態では、燃料電池12が固体電解質形の燃料電池である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、溶融炭酸塩形燃料電池など、アノード側で水が生成される各種の燃料電池を備えて構成することができる。また、本発明に適用される固体電界質形燃料電池は、運転温度が高い高温型のものには限られず、中温型のものを適用しても良い。
また、上記実施形態では、分離膜46としてポリイミド炭化膜を用いた例を示したが、本発明はこれ限定されず、例えば、シリカやセラミックなどの多孔体を分離膜として利用すること可能である。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの概略全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムを構成する燃料電池の模式図である。
符号の説明
10 燃料電池システム
12 燃料電池
14 改質装置
16 アノード電極
20 固体電解質
26 改質部
28 加熱部
35 エジェクタ(アノードオフガス導入手段)
36 水蒸気供給ライン(アノードオフガス導入手段)
42 アノードオフガスライン(アノードオフガス導入手段)
44 アノードオフガス分離器(アノードオフガス導入手段)
46 分離膜
48 燃料ガス供給ライン(燃料ガス供給手段)

Claims (5)

  1. 水蒸気改質反応を含む改質反応によって供給された炭化水素原料から水素を含有する改質ガスを生成する改質装置と、
    前記改質装置の改質ガスがアノード電極に供給されて発電を行い、該発電に伴って前記アノード電極側で水が生成される燃料電池と、
    前記燃料電池のアノード電極から排出されるアノードオフガスのうち前記発電に伴う生成水を含む少なくとも一部を、前記改質装置における改質用水蒸気の入口に導入するアノードオフガス導入手段と、
    を備えた燃料電池システム。
  2. 前記アノードオフガス導入手段は、多孔体より成り前記アノードオフガス中の水素及び水蒸気を分離するための分離膜を有し、前記分離膜を通過してアノードオフガスから分離された分離ガスを前記改質装置における改質用水蒸気の入口に導入するようになっている請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記分離膜としてポリイミド炭化膜を用いた請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質装置は、前記改質反応を行う改質部と、供給された燃料ガスを燃焼して生じた熱を前記改質工程を行うための熱として前記改質部に供給する加熱部と含み、
    前記アノードオフガスから分離ガスを分離した残余のガスを前記燃料ガスとして前記加熱部に供給するための燃料ガス供給手段をさらに備えた請求項2又は請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 前燃料電池は、酸素導電性の固体電解質を用いた固体電解質形燃料電池である請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の燃料電池システム。
JP2005318548A 2005-11-01 2005-11-01 燃料電池システム Pending JP2007128680A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005318548A JP2007128680A (ja) 2005-11-01 2005-11-01 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005318548A JP2007128680A (ja) 2005-11-01 2005-11-01 燃料電池システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007128680A true JP2007128680A (ja) 2007-05-24

Family

ID=38151177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005318548A Pending JP2007128680A (ja) 2005-11-01 2005-11-01 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007128680A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204784A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 燃料電池発電システム及び燃料電池発電方法
WO2009070976A1 (fr) * 2007-11-15 2009-06-11 University Of Science And Technology Beijing Système de production d'électricité par pile à combustible et procédé de production d'électricité correspondant
US8580443B2 (en) 2009-10-30 2013-11-12 Convion Oy Method and arrangement for controlling anode recirculation for fuel cells using a steam jet ejector
WO2014203806A1 (ja) 2013-06-17 2014-12-24 日立造船株式会社 バイオエタノール製造装置と固体酸化物型燃料電池の組合せシステムにおける省エネルギー化方法
WO2015141707A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 住友精密工業株式会社 燃焼器及び燃料電池システム
CN108428919A (zh) * 2018-04-13 2018-08-21 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种基于直接碳燃料电池的混合发电系统及方法
WO2018212214A1 (ja) * 2017-05-18 2018-11-22 株式会社デンソー 燃料電池システム
JP2018195570A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 株式会社デンソー 燃料電池システム
JP2020009728A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 日本碍子株式会社 燃料電池システム
JP7294187B2 (ja) 2020-03-02 2023-06-20 株式会社デンソー 燃料電池システム
WO2023190737A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 京セラ株式会社 燃料電池装置、及び燃料電池装置の運転方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204784A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 燃料電池発電システム及び燃料電池発電方法
WO2009070976A1 (fr) * 2007-11-15 2009-06-11 University Of Science And Technology Beijing Système de production d'électricité par pile à combustible et procédé de production d'électricité correspondant
US8580443B2 (en) 2009-10-30 2013-11-12 Convion Oy Method and arrangement for controlling anode recirculation for fuel cells using a steam jet ejector
US9680173B2 (en) 2013-06-17 2017-06-13 Hitachi Zosen Corporation Energy saving method in combined system of bioethanol producing device and solid oxide fuel cell
WO2014203806A1 (ja) 2013-06-17 2014-12-24 日立造船株式会社 バイオエタノール製造装置と固体酸化物型燃料電池の組合せシステムにおける省エネルギー化方法
JPWO2014203806A1 (ja) * 2013-06-17 2017-02-23 日立造船株式会社 バイオエタノール製造装置と固体酸化物型燃料電池の組合せシステムにおける省エネルギー化方法
JPWO2015141707A1 (ja) * 2014-03-19 2017-04-13 住友精密工業株式会社 燃焼器及び燃料電池システム
WO2015141707A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 住友精密工業株式会社 燃焼器及び燃料電池システム
US11211624B2 (en) 2017-05-18 2021-12-28 Denso Corporation Fuel cell system
WO2018212214A1 (ja) * 2017-05-18 2018-11-22 株式会社デンソー 燃料電池システム
JP2018195570A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 株式会社デンソー 燃料電池システム
CN110637386A (zh) * 2017-05-18 2019-12-31 株式会社电装 燃料电池系统
CN110637386B (zh) * 2017-05-18 2022-12-20 株式会社电装 燃料电池系统
CN108428919A (zh) * 2018-04-13 2018-08-21 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种基于直接碳燃料电池的混合发电系统及方法
CN108428919B (zh) * 2018-04-13 2023-07-07 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种基于直接碳燃料电池的混合发电系统及方法
JP2020009728A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 日本碍子株式会社 燃料電池システム
JP7294187B2 (ja) 2020-03-02 2023-06-20 株式会社デンソー 燃料電池システム
WO2023190737A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 京セラ株式会社 燃料電池装置、及び燃料電池装置の運転方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007128680A (ja) 燃料電池システム
US7883803B2 (en) SOFC system producing reduced atmospheric carbon dioxide using a molten carbonated carbon dioxide pump
JP2008135395A (ja) 燃料電池パワープラント及び燃料電池パワープラントを作動させる方法
JPS61114478A (ja) 燃料電池装置
US20060127714A1 (en) Power generation apparatus
JP2013509681A (ja) アノード再循環を制御する方法および配置
JP2004207241A (ja) 空気及び燃料の流れを再循環させる燃料電池一体型ハイブリッド発電装置
JP2006031989A (ja) 固体酸化物形燃料電池による発電方法及びシステム
JP4956946B2 (ja) 燃料電池
JP2013258004A (ja) 高温型燃料電池システム
JP5871945B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池システム及び固体酸化物形燃料電池システム運用方法
JP7364831B2 (ja) 縦続接続された燃料電池を用いる発電システムおよびそれに関連する方法
JP2009024993A (ja) 燃料改質器バーナ、および燃料電池システム
JP2007141772A (ja) 燃料電池システム
US20050196653A1 (en) Apparatus and method for operation of a high temperature fuel cell system using recycled anode exhaust
JP2009059668A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP4570904B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池システムのホットスタンバイ法及びそのシステム
JP4727642B2 (ja) 水素製造発電システムの運転方法
JP2007200709A (ja) 固体酸化物形燃料電池スタックおよびその運転方法
JP2007128786A (ja) 燃料電池システム
JP4940567B2 (ja) 固体高分子型燃料電池システム
KR101133543B1 (ko) 탄소 수증기 개질장치를 포함한 연료전지 열병합 발전 시스템
KR102548739B1 (ko) 열효율이 우수한 연료전지 시스템
US10256496B2 (en) Power generation systems and methods utilizing cascaded fuel cells
JP6993488B1 (ja) 燃料電池発電システム、及び、燃料電池発電システムの制御方法