JP2012109066A - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを効率よく除去することにより、電圧低下や、電解質などの劣化を抑制した発電効率と耐久性に優れた燃料電池発電システムを提供すること。
【解決手段】アノード2a及びカソード2bを有する燃料電池3と、酸素を含有する酸化剤ガスをカソード2bに供給する酸化剤ガス供給ライン51と、酸化剤ガス供給ライン51に設けられ、酸化剤ガス中にラジカルを発生させて供給するラジカル供給部8とを備え、ラジカル供給部8で発生したラジカルにより、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアが分解され、アンモニアによる電池電圧の低下や、電解質1などの劣化を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素を含む酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池発電システムに関し、特に空気を用いて発電する燃料電池発電システムに関するものである。
燃料電池発電システムは、少なくとも水素を含む燃料ガスと、少なくとも酸素を含む酸化剤ガスとを反応させて、電気と熱を作り出すシステムであり、燃料の持つ化学エネルギーを直接あるいは間接的に電気エネルギーに変換するので、高い発電効率を得ることができる。
酸化剤ガスには、一般的に空気が用いられる。しかしながら、設置場所によっては、空気中に不純物として、生ゴミ、トイレ、病院などから発生する悪臭に含まれるアンモニアが混入する場合がある。
アンモニアを含んだ燃料ガスが燃料電池に供給されると、アンモニアが燃料電池のカソードを構成する触媒を被毒するために、触媒活性を低下させ、電池電圧を低下させる場合がある。電池電圧が低下すると燃料電池システムの発電効率が低下する。
また、水素イオン伝導性を有する固体高分子電解質の場合、アンモニアが燃料電池を構成する電解質中のプロトンと結合するために、プロトン伝導を阻害し、電池電圧を低下させる場合がある。さらに、アンモニアがアノード触媒を被毒すると、発電反応が阻害され、過酸化水素やラジカルの濃度が増加するために、固体高分子電解質が劣化して、耐久性が低下する場合もある。
そこで、従来は、図4に示すように、酸化剤ガス供給部101で供給する酸化剤ガス(空気)中に含まれる不純物であるアンモニアを燃料電池102のカソード103に供給されないようにするために、酸化剤ガスの経路にアンモニア除去装置104を備え、アンモニアを除去した酸化剤ガスをカソード103に供給していた。(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−084537号公報
しかしながら、上記従来の燃料電池システムに記載されているアンモニア除去装置でアンモニアを除去する技術では、酸化剤ガス中のアンモニアを吸着、あるいは吸収、分解するなどして、除去するためのアンモニア除去装置が必要であった。
アンモニア除去の方法としては、アンモニアをゼオライト、活性炭等の吸着剤に吸着させたり、酸性溶液に溶解させたりして、除去する方法がある。この方法を用いた従来の燃料電池システムでは、アンモニアを吸着、あるいは、吸収したアンモニア除去装置を定期的にメンテナンスしたり、交換する必要があるという課題があった。
また、他のアンモニア除去の方法としては、酸性溶液に酸化剤ガスを流通させ、溶解して除去する方法がある。この方法を用いた従来の燃料電池システムでは、酸性溶液に酸化
剤ガスを流通させる際の圧力損失が大きく、酸化剤ガスを供給するポンプなどの負荷を増大させ、システム効率が低下するという課題があった。
また、空気中に存在する不純物としてのアンモニアの濃度は設置される場所や環境に依存して異なる。そのため、従来のアンモニア除去装置では、アンモニアの濃度によって、除去能力を制御することが困難であるため、設置場所や環境などに応じて装置を大型化したりする必要があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを効率よく簡便に除去することができ、燃料電池の電圧低下及び高分子電解質の劣化を抑制し、発電効率と耐久性に優れた燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ラジカルによってアンモニアを分解することが効率よく簡便な方法であることを見出した。即ち、本発明の燃料電池発電システムは、ラジカル供給部を備え、このラジカル供給部が、酸化剤ガス中にラジカルを供給するものである。
これにより、ラジカル供給部で発生したラジカルが、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを分解し、効率よく簡便にアンモニアを除去することができる。
本発明の燃料電池発電システムによれば、効率よく簡便に燃料ガス中のアンモニアを除去できる。アンモニアによる電池電圧の低下及び高分子電解質の劣化を抑制でき、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態1における燃料電池発電システムの概略構成図 同システムの電池電圧特性図 本発明の実施の形態2における燃料電池発電システムの概略構成図 従来の燃料電池発電システムのアンモニア除去装置の概略構成図
本発明に係る燃料電池システムは、アノード及びカソードを有する燃料電池と、
酸素を含有する酸化剤ガスを前記カソードに供給する酸化剤ガス供給ラインと、
前記酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記酸化剤ガス中にラジカルを発生させて供給するラジカル供給部と、
を備える。
この構成により、ラジカル供給部で発生したラジカルが、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電池電圧の低下及び高分子電解質の劣化を抑制することができる。また、吸着剤や、吸収液などを必要としないため、定期的なメンテナンスや交換を省くことができ、経済的である。また、酸化剤ガスを液体に流通させたりしないので、酸化剤ガスを供給するポンプなどの負荷を軽減することができ、システム効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記酸化剤ガス供給ラインから分流し、前記ラジカル供給部をバイパスする酸化剤ガスバイパスラインを備えていてもよい。
この構成により、酸化剤ガス供給ライン中に含まれる微量のアンモニアを分解するだけ
のラジカルを発生させるのに必要な酸化剤ガスの流量を分流して、ラジカルを発生させる電力を最小限として効率よくラジカルを発生させることができ、エネルギーを削減することができる。そのため、燃料電池発電システムの総合効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記ラジカル供給部が、一対の電極と、前記一対の電極に高電圧を印加する高電圧印加部と、を有し、
前記高電圧印加部を制御してラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、高電圧印加部の出力を制御して、アンモニアを分解するのに必要なラジカルの供給量を電気的に増減することができ、余剰なラジカルの発生を抑えてエネルギーを削減することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記ラジカル供給部が、燃料電池発電システムの出力に応じて、前記ラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、燃料電池発電システムの出力に対応して、酸化剤ガスの流量に応じたラジカルの供給量を決めることができるので、制御処理が簡素化され、ラジカルを供給するまでの時間を短縮することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記ラジカル供給部が、前記酸化剤ガス中に含まれるアンモニアの濃度に応じて、前記ラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、設置場所(設置地域)に対応したラジカルの供給量を決めることができ、あらかじめ必要なラジカルの最大供給可能量に合わせたラジカル供給部の最適設計をすることができ、その構成が簡素化され、サイズやコストなどの最適化を図ることができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記燃料電池の電池電圧を検出する電圧検出部を備え、
前記ラジカル供給部が、前記電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、前記ラジカル供給量を制御する構成であってもよい。
この構成により、燃料電池発電システムの効率が低下して、実用上影響がある場合のみ、ラジカル供給部を作動させればよく、燃料電池の電池電圧がアンモニアにより低下して所定値を下回ったときだけ、ラジカル供給量を増大させ、ラジカル供給部の消費するエネルギーをさらに削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の燃料電池発電システムは、電解質1の両面にアノード2a及びカソード2bを対向して形成した燃料電池3を備える。
ここで、電解質1は、例えば水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォ
ン酸ポリマーからなる固体高分子電解質で構成される。
また、アノード2aとカソード2bは、耐酸化性の高い多孔質カーボンに白金などの貴金属を担持した触媒及びプロトン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなる触媒層と、触媒層の上に積層した通気性及び電子伝導性を有するガス拡散層で構成される。
このとき、アノード2aの触媒として、一般に、燃料ガス中に含まれる不純物、特に一酸化炭素による被毒を抑制する白金−ルテニウムの合金触媒が用いられる。
また、ガス拡散層として、撥水処理を施したカーボンペーパーやカーボンクロス、あるいはカーボン不織布などが用いられる。
そして、アノード2a及びカソード2bのそれぞれにアノード側及びカソード側セパレータが互いに対向するように配置され、アノード側セパレータには燃料ガスを供給、排出する燃料ガス流路が、カソード側セパレータには酸化剤ガスを供給、排出する酸化剤ガス流路が形成されている。
さらに、カソード側セパレータには燃料電池3を冷却する冷却流体を供給、排出する冷却流体流路が形成されている。なお、冷却流体流路はアノード側セパレータに形成してもよく、また、冷却流体流路が形成された独立した冷却板を別途設けてもよい。
ここで、アノード側及びカソード側セパレータは、主にカーボンなどの導電性を有する材料で形成される。
そして、アノード側及びカソード側セパレータと燃料電池3は、それぞれの流体が異なる流体の流路及び外部にリークしないように、それぞれアノード側及びカソード側ガスケットや、シール材によりシールされている。
そして、上記構成の燃料電池3を複数積層し、両端に電流を取り出すために集電体を配置して、絶縁体を介して端板を配置し、締結してスタックを構成した。スタックの周囲には外部への放熱を防止して排熱回収効率を高めるため、断熱材を配置した。
そして、アノード2a側に水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給部4と、カソード2b側に大気中の酸素を含む空気(酸化剤ガス)を供給する酸化剤ガス供給部5と、スタックを冷却し、スタックで発生する熱と熱交換する冷却流体を供給する冷却部を接続した。
ここで、燃料ガス供給部4の構成について説明する。燃料ガス供給部4は、付臭剤として含まれている触媒毒となる硫黄化合物を原料ガスから除去する脱硫部41と、脱硫した原料ガスの流量を制御する原料ガス供給部42と、脱硫した原料ガスを水蒸気改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質部43と、改質部43で発生した一酸化炭素を変成して一酸化炭素の濃度を低減するCO変成部44と、さらに燃料ガス中に含まれる一酸化炭素を選択的に酸化して除去するCO除去部45とで構成される。そして、CO除去部45には、一酸化炭素を酸化して除去するのに必要な空気が供給されている。
なお、原料ガスとしては、メタンを主成分とするガス(例えば、都市ガス)や、プロパンを主成分とするガスを用いることができる。
ここで、例えば原料ガスにメタンを用いた場合、改質部43では、水蒸気を伴って(化1)及び(化2)に示した反応が起こり、水素が発生する。
Figure 2012109066
Figure 2012109066
Figure 2012109066
しかし、改質部43で生成した改質ガス中には水素以外に10%程度の一酸化炭素が含まれる。そして、一酸化炭素は、燃料電池3の運転温度域においてアノード2aに含まれる触媒を被毒し、その触媒活性を低下させる。そこで、改質部43で発生した一酸化炭素を、CO変成部44で(化2)の反応式に示すように、一酸化炭素を二酸化炭素に変成する。これにより、一酸化炭素の濃度が約5000ppmにまで減少する。
そして、CO除去部45で(化4)で示す反応により、大気中から取り込んだ空気で濃度が低減した一酸化炭素を選択的に酸化し、一酸化炭素の濃度をさらに低減させ、アノード2aの触媒の触媒活性の低下を抑制できる約10ppm以下までに減少することができる。
Figure 2012109066
ここで、残留する一酸化炭素の影響をさらに軽減させるために、発電中、必要に応じて、アノード2aに、燃料ガス供給部4で生成した水素ガスに1〜2%程度の空気を混合(エアブリード)して、一酸化炭素を酸化して濃度をさらに減少させてもよい。
次に、酸化剤ガス供給部5について説明する。酸化剤ガス供給部5は、酸化剤ガス供給ライン51上に設けられ、酸化剤ガスの流量を制御する酸化剤ガス流量制御部と、酸化剤ガスを加湿する加湿器を備える。酸化剤ガス供給部5と燃料電池3のカソード2bとは、酸化剤ガス供給ライン51を用いて連通している。
ここで、酸化剤ガスとは、少なくとも酸素を含む(あるいは酸素を供給することのできる)ガスの総称であり、例えば大気(空気)が利用されるが、空気中には不純物として、例えば、生ゴミ、トイレ、病院、酪農場などから発生する悪臭に含まれるアンモニアが混入する場合がある。
アンモニアは、プロトンと結合して陽イオンとなり、プロトン伝導性の電解質1では、プロトンをトラップして電解質1中のプロトン伝導度を低下させる物質となる。
また、アンモニアが燃料電池3のカソード2bを構成する触媒を被毒すると、触媒活性が低下し、電池電圧を低下させたりする場合がある。
さらに、アンモニアが電解質1を透過し、アノード2a触媒を被毒すると、発電反応が
阻害され、過酸化水素やラジカルの濃度が増加し、電解質1などが劣化して、耐久性を低下させる場合がある。
そこで、本実施の形態では、酸化剤ガス供給ライン51に、酸化剤ガス中にラジカルを発生させ、酸化剤ガス中にラジカルを供給するラジカル供給部8を備えた。
ラジカル供給部8は、電気的にヒドロキシラジカルを発生させることができる構成となっている。ラジカル供給部8は、空気中に含まれる水分を凝縮させる熱交換部と、凝縮した水分を搬送する水搬送部と、搬送された水に高電圧を印加する高電圧印加部と、高電圧印加部で発生させた高電圧が印加される放電電極と、放電電極と一定の距離を隔てて対向する対向電極と、高電圧印加部に電源を供給する電源供給部と、を備える。ラジカル供給部8は、放電電極における電圧、及び、放電電極と対抗電極を流れる電流を制御することにより、ラジカル発生量を増減させるよう制御することができる。なお、ラジカル供給部8は、電気的にヒドロキシラジカルの発生量、あるいは、供給量を制御できるものであれば、同様の効果を得ることができ、上記構成に限定するものではない。
ヒドロキシラジカルは、水酸基に対応するラジカル(・OH)であり、反応性が高く、アンモニアを分解することができる(化5)。
Figure 2012109066
したがって、酸化剤ガス中に供給されたヒドロキシラジカルは、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを分解して除去することができる。
ここで、ラジカル供給部8の作用について説明する。ラジカル供給部8の熱交換部は、半導体電子熱交換素子であるペルチェ素子を備え、ペルチェ素子に直流電源を供給すると、ペルチェ素子内において熱の移動が生じ、ペルチェ素子の吸熱面が冷却されて吸熱面上で酸化剤ガスである空気中に含まれる水分が凝縮して結露水が生じる。ペルチェ素子に供給する電力を制御することにより、凝縮する結露水量を調節することができ、ヒドロキシラジカル量を電気的に制御することができる。
そして、セラミックなどの多孔質材からなる水搬送部が凝縮した結露水を毛細管現象により、高電圧印加部まで搬送する。高電圧印加部は、水の搬送された水搬送部の先端部である放電電極と、それに対向して配置された対向電極の間に、先端部がマイナス電極となるように高電圧を印加する。高電圧が印加されると、先端部に保持された結露水が大きなエネルギーを受けてレイリー分裂を繰り返し、このときヒドロキシラジカルが大量に発生する。印加する高電圧は、例えば、4〜6kVであることが好ましく、4.5〜5.5kVであることがより好ましい。
発生したヒドロキシラジカルは、ラジカル供給部8により、酸化剤ガス中に供給される。
この構成により、ラジカル供給部8で発生したラジカルが、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電圧低下や、電解質1などの劣化を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態のラジカル供給部8によれば、出力を制御して、発生したアンモニアを分解するのに必要なヒドロキシラジカルの供給量を増減することができる。ラジカル
供給部8で供給するヒドロキシラジカルは、酸化力がとても強いため、分解するアンモニアが存在しない場合、接触する樹脂や金属を酸化させて劣化する可能性がある。本実施の形態では、ラジカル供給部8の出力を制御して、発生したアンモニアを分解するのに必要な分のヒドロキシラジカルの供給量を増減することができるので、余剰なヒドロキシラジカルによる部材の劣化を抑制することができる。
次に、冷却部について説明する。冷却部は、スタックを冷却する冷却流体を貯える冷却流体タンクと、冷却流体を供給する冷却流体ポンプと、冷却流体流路を流通し、燃料電池3で発生した熱と熱交換した冷却流体とさらに熱交換してお湯を作る熱交換器で構成される。
そして、燃料電池3の電池電圧を検出するため、電圧検出部9を接続した。
次に、以上説明した上記構成の燃料電池発電システムについて、発電時の動作について説明する。
まず、アノード2aに燃料ガス、カソード2bに酸化剤ガスを供給して、燃料電池3に負荷を接続すると、燃料ガス中の水素は反応式(化6)で示すようにアノード2aの触媒層と電解質1の界面で電子を放出して水素イオンとなる。
Figure 2012109066
そして、放出された水素イオンは、電解質1を通ってカソード2bへと移動し、カソード2bの触媒層と電解質1の界面で電子を受け取る。このとき、カソード2bに供給された酸化剤ガス中の酸素と反応して、反応式(化7)で示すように水を生成する。
Figure 2012109066
上記反応をまとめると(化8)に示す反応が行われる。
Figure 2012109066
そして、負荷を流れる電子の流れを直流の電気エネルギーとして利用できる。また、上記一連の反応は発熱反応であるため、燃料電池3で発生した熱を、冷却流体流路から供給される冷却流体により熱交換して回収することにより、お湯などの熱エネルギーとして利用することができる。
上記構成の燃料電池発電システムを用いて、酸化剤ガス中にアンモニアが含まれる場合の発電時の挙動の確認を行った。酸化剤ガス中のアンモニア濃度は約0.5ppmであった。
次に、ラジカル供給部8の電源をオンした状態で同様に酸化剤ガス中のアンモニア濃度の分析を行ったところ、0.05ppm以下になることが分かった。
次に、実際に本発明の実施の形態の燃料電池発電システムを発電させ、電圧検出部9で検出する電池電圧を測定した。
このときの、アノード2a側に供給する燃料ガスの利用率は70%、露点は約55℃、カソード2b側に供給する酸化剤ガスの利用率は50%、露点は約65℃とした。そして、電流が一定に流れるようにアノード2a及びカソード2bの電極面積に対し電流密度が0.2A/cm2となるように負荷を制御した。また、燃料電池3を冷却する冷却流体は、燃料電池冷却流体流路入口マニホールドの近傍で約60℃、燃料電池冷却流体流路出口マニホールドの近傍で約70℃となるように冷却流体の流量を制御した。
上記条件における発電中にラジカル供給部8の電源をオンオフしたときの電池電圧の挙動を図2に示す。図2により、ラジカル供給部8の電源がオフのときは、燃料電池3の電池電圧が緩やかに低下していることが分かる。これは、酸化剤ガス中のアンモニアが電解質1のプロトン伝導度を低下させたり、カソード2bの触媒を被毒させたりして、電圧を低下させるためであると考えられる。そして、ラジカル供給部8の電源をオンすると、電池電圧が徐々に回復し、元の電圧レベルまで上昇する傾向が観察された。
このことから、ラジカル供給部8で発生したヒドロキシラジカルが酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを分解して除去し、プロトン伝導や触媒被毒が抑制され、電圧低下が抑制されることが分かり、本発明の実施の形態の燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができることが分かった。
また、ラジカル供給部8は、上述のように電気的にラジカル供給量を制御するので、ラジカル供給部8で供給するヒドロキシラジカルの供給量を簡便に、また、適度に調節することができる。また、ラジカル供給部8は、アンモニアの含有量に合わせて、ラジカル供給部8をオンオフしたり、ラジカル供給部8の出力を制御して、アンモニアを分解するのに必要なヒドロキシラジカルの供給量を増減したりすることができる。そのため、余剰なラジカルの発生を抑えて、ラジカル供給部8で消費するエネルギーを必要最小限に抑制できる。また、余剰なヒドロキシラジカルによる樹脂や金属などの部材の劣化を抑制でき、燃料電池発電システムの耐久性の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の燃料電池発電システムは、図3に示したように、前記酸化剤ガス供給ラインから分流した酸化剤ガスバイパスライン11を備え、ラジカル供給部8が、酸化剤ガスバイパスライン11によってバイパスされる構成である点で、実施の形態1とは異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
上記構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様にして、酸化剤ガス中にアンモニアが含まれる場合の発電時の挙動の確認を行った。
このときの酸化剤ガスの総流量は毎分約40Lであり、この内、毎分約1Lを分流して、ラジカル供給部8に流れるようにし、残りの酸化剤ガスが、酸化剤ガスバイパスライン11を流れるように構成した。そして、毎分約1Lの酸化剤ガスをラジカル供給部8に供給して、この一部の酸化剤ガス中にヒドロキシラジカルを発生させ、再び他の酸化剤ガスに合流させ、酸化剤ガス中にヒドロキシラジカルを供給した。
ここで、分流するガス量などは上記条件に限定されるものではなく、除去するアンモニア量や、ラジカルの供給量などに応じて予め最適値を実験的に求めておくことが好ましい。
上記確認の結果、実施の形態1と同様に、酸化剤ガス中にヒドロキシラジカルが供給されているときの電圧は、アンモニアの供給されていない時の元の電圧レベルを維持することが判った。
本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、分流した酸化剤ガス中にラジカル供給部8がラジカルを発生させ、酸化剤ガス供給ライン51中に前記ラジカルを供給して、前記酸化剤ガス供給ライン51中の酸化剤ガス及び酸化剤ガスバイパスライン11から合流する酸化剤ガス中に含まれるアンモニアを分解し、アンモニアによる電圧低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率と耐久性の向上を図ることができる。
また、分流前の酸化剤ガス供給ライン51中に含まれる微量のアンモニアを分解するだけのラジカルを発生させるのに必要かつ最適な酸化剤ガスの流量を分流して、ラジカルを発生させる電力を最小限として効率よくラジカルを発生させることができ、エネルギーを削減することができるので、燃料電池発電システムの総合効率の向上を図ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態の燃料電池発電システムは、ラジカル供給部8で供給するラジカル供給量を、システムの出力に応じて制御するようにした点で、実施の形態1とは異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態のラジカル供給部8は、システムの出力が高く、発電に用いる酸化剤ガスの供給量が多い場合は、それに伴いアンモニアの供給量も増加するので、ラジカル供給量を電気的に増加させるように制御し、システムの出力が低く、発電に用いる酸化剤ガスの供給量が少ない場合は、それに伴いアンモニアの供給量も少なくなるので、相対的にラジカル供給量を少なくなるように制御することができる。
上記構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様にして、酸化剤ガス中にアンモニアが含まれる場合の挙動を、発電中の出力を変化させて確認したところ、出力が高い場合、及び、低い場合、ともにアンモニアの供給されていない時の元の電圧レベルを維持することが判った。
このように、酸化剤ガス中のアンモニアの含有量は燃料電池発電システムの出力により変動するが、上記構成によれば、あらかじめ燃料電池発電システムの出力に対応したヒドロキシラジカルの供給量を決めることができるので、制御処理が簡素化され、ヒドロキシラジカルを供給するまでの時間を短縮することができるだけでなく、ラジカル供給部8で消費されるエネルギーを最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態3では、システムの出力に応じてラジカル供給量を制御する構成について説明したが、システムの出力の代わりに、酸化剤ガス中に含まれるアンモニア濃度に応じてラジカル供給量を制御するようにしてもよく、酸化剤ガス中のアンモニア濃度が高い場合は、ラジカル供給量を多くし、低い場合はラジカル供給量を少なくするように予め設定することができる。
この場合、アンモニア濃度は、例えば、アンモニア検出手段を用いて検出するか、ある
いは、ある程度アンモニア濃度が判っている場所に設置する場合に、予めアンモニア濃度を測定するなどして設定することができる。
上記構成によれば、ラジカル供給部8が、酸化剤ガス中に含まれるアンモニア濃度に応じて、あらかじめラジカル供給量を決定するので、あらかじめ必要なヒドロキシラジカルの最大供給可能量に合わせたラジカル供給部8の最適設計をすることができ、その構成が簡素化され、サイズやコストなどの最適化を図ることができる。例えば、発生するアンモニア濃度が低いことが判っている設置場所であれば、ラジカル供給部8の出力や構成を簡素化して、発生するラジカル量を低く抑えることもできる。
(実施の形態4)
本実施の形態の燃料電池発電システムは、ラジカル供給部8が、電圧検出部9で検出する電池電圧に応じて、ラジカル供給量を制御するようにした点で、実施の形態1とは異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
アンモニアは電池電圧を低下させるが、本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、燃料電池3の電池電圧を検出する電圧検出部9を備えるので、電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、ラジカル供給量を制御することができる。
本実施例のラジカル供給部8は、例えば、燃料電池3の電池電圧が低下し、予め設定した閾値より低くなった場合に、酸化剤ガス中に含まれるアンモニアにより、電解質1中のプロトン伝導度が低下している、あるいは、カソード2bの触媒が被毒を受けている可能性があると判断し、ラジカル供給部8の出力を電気的に増大させ、ラジカル供給量を増加する構成とした。
上記構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様にして、酸化剤ガス中にアンモニアが含まれる場合の挙動を確認したところ、発電開始とともにアンモニアによる電圧低下が観測されたが、電圧検出部9が検出する電池電圧が予め設定した閾値に到達すると、ラジカル供給部8が動作し、ラジカルが供給され、徐々に電圧が回復し、アンモニアの供給されていない時の元の電圧レベルに戻ることが判った。
本実施の形態の燃料電池発電システムによれば、アンモニアが燃料電池3の電池電圧を低下させ、燃料電池発電システムの効率が低下して、実用上影響がある場合に、ラジカル供給部8を作動させることができる。即ち、例えば、燃料電池3の電池電圧がアンモニアにより低下して所定値より下回った場合に、ラジカル供給部8をオンにし、電池電圧が所定値以上である場合は、ラジカル供給部8をオフにしてもよい。これにより、ラジカル供給部8の消費するエネルギーをさらに削減することができる。また、例えば、燃料電池3の電池電圧がアンモニアにより低下して所定値より下回った場合は、ラジカル供給量を増大させるよう制御し、電池電圧が所定値以上である場合は、ラジカル供給量を減少させるよう制御してもよい。これにより、ラジカル供給部8の消費するエネルギーをさらに削減することができる。
以上のように、本発明にかかる燃料電池発電システムは、不純物としてアンモニアを含有する空気を酸化剤ガスとして用いて発電する燃料電池システムに有効である。酸化剤ガス中のアンモニアによる影響に対する改善が要望される、高分子型固体電解質や固体酸化物電解質を用いた燃料電池に適用できる。また、モバイル用燃料電池、自動車用燃料電池、定置用燃料電池コジェネレーションシステム等の用途に適用できる。
1 電解質
2a アノード
2b カソード
3 燃料電池
5 酸化剤ガス供給部
51 酸化剤ガス供給ライン
8 ラジカル供給部
9 電圧検出部
11 酸化剤ガスバイパスライン

Claims (6)

  1. アノード及びカソードを有する燃料電池と、
    酸素を含有する酸化剤ガスを前記カソードに供給する酸化剤ガス供給ラインと、
    前記酸化剤ガス供給ラインに設けられ、前記酸化剤ガス中にラジカルを発生させて供給するラジカル供給部と、
    を備えた、燃料電池発電システム。
  2. 前記酸化剤ガス供給ラインから分流し、前記ラジカル供給部をバイパスする酸化剤ガスバイパスラインを備える、請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記ラジカル供給部は、一対の電極と、前記一対の電極に高電圧を印加する高電圧印加部と、を有し、
    前記高電圧印加部を制御してラジカル供給量を制御する、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記ラジカル供給部は、燃料電池発電システムの出力に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項3に記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記ラジカル供給部は、前記酸化剤ガス中に含まれるアンモニアの濃度に応じて、前記ラジカル供給量を制御する、請求項3に記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記燃料電池の電池電圧を検出する電圧検出部を備え、
    前記ラジカル供給部は、前記電圧検出部で検出する電池電圧に応じて、ラジカル供給量を制御する、請求項3に記載の燃料電池発電システム。
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