JP2004342332A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一のガス流路10及び第二のガス流路11と、該各流路に電極と、を備えた燃料電池システム3を有した燃料電池コジェネレーションシステム1であって、前記第一のガス流路10及び前記第二のガス流路11は、燃料ガス又は酸化剤ガスを交互に択一選択することにより切換える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池の性能低下及び材質劣化を抑制する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池コジェネレーションシステムは、燃料ガスである水素ガス及び酸化剤ガスである酸素ガスを燃料電池内に供給し、この供給された水素ガスと酸素ガスとを反応させることにより、電力と熱を生成し、これらを外部負荷として利用する技術である(例えば、特許文献1参照)。ここで使用されている燃料電池は、イオン交換膜からなる電解質膜と、この電解質膜を挟んで配置された触媒層及び拡散層からなる2つの電極(アノード電極及びカソード電極)と、これら2つの電極に燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するためのガス流路及び冷却媒体を流すための流路を形成している。このような燃料電池では、アノード電極で、水素を水素イオンと電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード電極に移動し、カソード電極で酸素と水素イオン及び電子から水を生成する反応が行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−134143号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような燃料電池は、連続的に長時間使用すると性能低下及び材料劣化が問題となる。まず、燃料電池の性能低下の原因を以下に示す。カソード電極では、水生成反応により水蒸気分が増加し、エアの飽和水蒸気量を越えると水滴となる。特に、燃料電池内のガス流路の下流側の電解質膜付近では、水分が過多となり、ガスの拡散が阻害され、電池の性能を下げるフラッディングと呼ばれる現象が起こる。即ち、電解質膜中を水素イオンが移動するためには電解質膜が適度に湿潤していることが必要であるが、湿潤過多になると、電解質膜に、水詰まりが生じ、反応ガスの供給不足が生じて燃料電池の電流密度分布の不均一による出力低下が起こる。一方、アノード電極では、電解質膜に供給される水分が不足し、イオン伝導度が下がることで、電池の性能が下がるドライアウトと呼ばれる現象が起こる。
【0005】
また、燃料電池の材質劣化の原因を以下に示す。燃料電池のガス流路の上流側と下流側では、ガス(特にアノード電極の燃料ガス)の状態が変化し、特に、下流側では反応ガスが消費されてガス濃度、ガス圧力が低下する。その結果、上流側と下流側では、温度差及び湿度差が生じ、この相対差が大きいガス流路及び電解質膜などに歪みが生じ、局所的な劣化が起こる。
【0006】
この他にも、アノード電極では、ガスが不足した部位で、電極及び電解質膜から電子を抜き取ろうとする現象が発生し、その結果、電極及び電解質膜の破壊(分解)が生じる虞がある。また、カソード電極では、残存していた酸が、反応生成水中に入り、生成水の蒸発に伴い酸濃度が上昇する。この酸は、電極及び電解質膜を劣化させる虞がある。このような劣化があいまって、燃料電池の寿命が低下する。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、長時間使用することによる燃料電池の性能低下及び寿命低下を抑制し、燃料電池の性能を持続し、耐久性を向上させるような燃料電池システムを提供することである。
【0008】
【発明を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る燃料電池システムは、第一のガス流路及び第二のガス流路と、該各流路に形成された電極と、を備えた燃料電池ユニットを有した燃料電池システムであって、前記第一のガス流路及び前記第二のガス流路は、燃料ガス又は酸化剤ガスを交互に択一選択する切換手段を介して、供給源に接続されている。
【0009】
前記のごとく構成された燃料電池システムは、交互に択一選択して燃料ガス又は酸化剤ガスを流すことで、第一のガス流路及び第二のガス流路の電極を、アノード電極とカソード電極とのどちらかの形態に択一選択することが可能となる。このことにより、アノード電極で起こるドライアウト及びカソード電極で起こるフラッディングによる燃料電池の性能低下を防止できるばかりでなく、燃料電池の各電極特有の材質劣化を抑制できる。
本発明に係る燃料電池システムは、前記第一のガス流路と前記第二のガス流路、及び該各流路の前記電極は、同一の構造及び材質である。
【0010】
前記のごとく構成された燃料電池システムは、構造を同じにすることにより、切換え前後のガス流れに変化を与えないため、燃料電池の発電能力差は生じない。また、材質を同じにすることにより、燃料電池の寿命の延命が可能となる。特に、触媒にルテニウムと白金の合金を使用すると、燃料ガスと酸化剤ガスを切換えても、アノード電極に発生する一酸化炭素の被毒を防止できる。
【0011】
本発明に係る燃料電池システムは、前記択一選択時に、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの供給を一時停止し、前記一時停止中に、前記第一の流路と前記第二の流路に不活性ガスをパージする。
【0012】
前記のごとく構成された燃料電池システムは、ガスの供給を一定時間停止させることで、ガスの切換え操作の安全性を確保することが可能となり、一定時間停止中に、窒素などの不活性ガスをパージし、残存する燃料ガスと酸化剤ガスが混合し爆発などの危険性を未然に防止することが可能となる。さらに、不活性ガスの圧力を適切に設定することで、燃料電池内で反応した水分も排出することが可能となる。
【0013】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路と、を備えた燃料電池ユニットを有した燃料電池システムであって、前記燃料ガス流路に流れる前記燃料ガスの流れの向き、及び/又は、前記酸化剤ガス流路に流れる前記酸化剤ガス流れの向きを変更可能にする。
【0014】
前記のごとく構成された燃料電池システムは、燃料電池内の燃料ガス流路と酸化剤ガス流路を通過する燃料ガス及び酸化剤ガスの流れの向きを切換えるので、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の上流側と下流側における温度及び湿度の分布を均一にし、燃料電池内の局所劣化の促進を防止することが可能となる。
【0015】
本発明に係る燃料電池システムは、前記流れの向きを変更するタイミングが、前記燃料ガス、及び/又は、前記酸化剤ガスの流れが一定時間経過後、又は燃料電池ユニットの累積発熱量が規定値になったときである。
【0016】
前記のごとく構成された燃料電池は、最適な切換えタイミングを定めることで、局所劣化が促進する前に切り替えることが可能となり、システムの長寿命が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料電池コジェネレーションシステムの実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池コジェネレーションシステム1の全体構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、燃料電池コジェネレーションシステム1は、燃料改質装置2、燃料電池システム3、インバータ4、排熱回収装置5、及び制御装置6からなる。
【0019】
まず、供給源としての燃料改質装置2は、外部より供給された都市ガス22を水蒸気雰囲気下で加熱して水素リッチな供給燃料ガスFinを生成する。この供給燃料ガスFinは、燃料電池システム3に送られ、また、供給燃料ガスFinの生成時に発生した熱は、排熱回収装置5に送られる。
【0020】
次に、燃料電池システム3は、後述する搬送配管、切換え弁、燃料電池スタック(燃料電池ユニット)からなり、燃料改質装置2で生成された供給燃料ガスFinと、空気21などの供給酸化剤ガスAinを、供給源としての搬送配管を通じて燃料電池スタックに供給している。また、これらのガスは、燃料電池スタック内で反応することにより、電力と熱を生成し、電力は、インバータ4に送られ、熱は、排熱回収装置5に送られる。
【0021】
さらに、この反応後、排出された排出燃料ガスFout及び排出酸化剤ガスAoutは混合されないように個別に搬送配管ルートを設けており、排出燃料ガスFoutは、燃料改質装置2に回収され、排出酸化剤ガスAoutは、そのまま大気21に放散される。さらに、搬送配管に接続された切換え弁は、制御装置6の信号を受けて、供給ガスである供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinと、排出ガスである排出燃料ガスFout及び排出酸化剤ガスAoutと、の流路、又は流れの方向を切換える。
【0022】
また、インバータ4は、燃料電池システム3から供給された直流電流の電力を交流電流の電力に変換し、電気負荷41として外部に送電する。この電気負荷41は、燃料電池システム3からの供給される電力量に関わらず、安定した供給をする必要があるので、商用電源40と系統連系するようになっており、電力の不足時には、商用電源40から電力が供給される。
【0023】
一方、排熱回収装置5は、燃料改質装置2及び燃料電池システム3で発生した熱を回収し、この回収された熱は、貯湯槽50に蓄えられた市水52を介して給湯や暖房などの熱負荷51として利用される。
【0024】
そして、制御装置6は、効率よく安定した電力及び熱を供給するために、燃料改質装置2、燃料電池システム3、インバータ4、及び排熱回収装置5を制御し、これら装置の運転管理を行っている。
【0025】
図2は、第一の実施形態に係る燃料電池コジェネレーションシステム1の燃料電池システム3のガス流れを説明する図であり、(a)は、燃料電池システム3を構成する搬送配管の配管系統図であり、(b)は、(a)のあるガス流れを示す図であり、(c)は、(a)の別のガス流れを示す図である。
【0026】
図2の(a)に示すように、燃料電池システム3は、供給源としての搬送配管と、切換え手段としての三方弁又は電磁弁などからなる切換え弁61〜68と、燃料電池スタック30と、からなり、制御装置6は、切換え弁61〜68の弁の切換えを制御している。さらに、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinが搬送される搬送配管には、バルブ24の開閉によりボンベから窒素23などの不活性ガスを搬送するためのパージ配管が接続されている。
【0027】
また、燃料電池スタック30は、第一の流路10と第二の流路11とを有し、燃料電池スタック30の内部に位置する第一の流路10(ガス供給ポート31からガス排出ポート33までの流路)と第二の流路11(ガス供給ポート32からガス排出ポート34までの流路)とには、電解質膜と、触媒及び拡散層などからなる電極と、が形成されている(図示していない)。
【0028】
そして、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinは、切換え弁61〜64の切換えにより、第一の流路10と第二の流路11のどちらかの流路に流れるように択一選択される。また、この択一選択に合わせて、燃料電池スタック30から排出される排出燃料ガスFout及び排出酸化剤ガスAoutは、混在しないように、切換え弁65〜68の切換えにより個別の排出ルートに流れる。
【0029】
また、燃料電池スタック30内の第一の流路10と第二の流路11、及びこれら流路に対応した電極は、切換え弁61〜64の切換え前後のガス流れの変化により燃料電池スタック30の発電能力差が生じないように、同じ構造となっている。さらに、これらの材質も、同一である。特に、切換手段としての切換え弁61〜64の切換えによる流路選択により、第一の流路10と第二の流路11のどちらにも、供給燃料ガスFinが流れるため、これらの電極は、どちらもアノード電極に成り得る。そのため、これらの電極の触媒は、一酸化炭素による被毒が起こりにくい白金とルテニウムとの合金からなっている。
【0030】
ここで図2の(b)、(c)を用いて、第一の実施形態に係る燃料電池システム30の動作とそれに伴うガス流れを説明する。図2の(b)に示すように、供給燃料ガスFinは、切換え弁61、62を経由し、第一の経路10を通過して、燃料電池スタック30に供給される。即ち、供給燃料ガスFinは、ガス供給ポート31から燃料電池スタック30内に供給され、燃料電池スタック30内の電極に反応後、排出燃料ガスFoutとなり、ガス排出ポート33から排出され、切換手段としての切換え弁65、66を経由し、燃料改質装置2に回収される。また、同様に、供給酸化剤ガスAinは、切換え弁63、64を経由し、第二の経路11を通過して、燃料電池スタック30に供給される。即ち、供給酸化剤ガスAinは、ガス供給ポート32から燃料電池スタック30内に供給され、燃料電池スタック30内で電極に反応後、排出酸化剤ガスAoutとなり、ガス排出ポート34から排出され、切換え弁67、68を経由し、大気21に放散される。
【0031】
このようにして、第一のガス流路10にある電極は、アノード電極として働き、第二のガス流路11にある電極は、カソード電極として働き、電力と熱を生成する。具体的には、燃料電池スタック30内で、アノード電極に担持された触媒により水素が、電子と水素イオン(プロトン)に分解され、水素イオンは、電解質膜中の水分と共にカソード電極へ移動し、カソード電極に供給された酸素と反応し、電力と熱を生成する。
【0032】
そして、ガスの供給が一定時間経過すると、燃料電池スタック30の供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinの供給を一時停止する。この一時停止中、バルブ24を開放し、配管内及び燃料電池スタック30内のガス流路に、窒素ガスをパージする。これは、切換え弁61〜68の切換え時に、残存する燃料ガスと新しく供給された供給酸化剤ガスAin、又は残存する酸化剤ガスと新しく供給された供給燃料ガスFinとが混合されることにより爆発する危険性を回避するためである。
【0033】
そして、窒素ガスによるパージが完了すると、切換え弁61〜68を切換える。この切換えにより、燃料電池スタック30から発生する直流電流の向きも変わるのでインバータ4の極も切換える。
【0034】
これら切換えが完了すると、図2の(c)に示すように、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinを燃料電池スタック30内に流す。具体的には、供給燃料ガスFinは、切換え弁61、64を経由し、第二の経路11を通過して、燃料電池スタック30に供給される。即ち、供給燃料ガスFinは、ガス供給ポート32から燃料電池スタック30内に供給され、燃料電池スタック30内の電極に反応後に排出燃料ガスFoutとなり、ガス排出ポート34から排出される。そして、切換え弁67、66を経由し、燃料改質装置2に回収される。また、同様に、供給酸化剤ガスAinは、切換え弁63、62を経由し、第一の経路10を通過しして、燃料電池スタック30に供給される。即ち、供給酸化剤ガスAinは、ガス供給ポート31から燃料電池スタック30内に供給され、燃料電池スタック30内で電極に反応後、排出酸化剤ガスAoutとなり、ガス排出ポート33から排出され、切換え弁65、68を経由し、大気21に放散される。
【0035】
このような切換えにより、第一のガス経路10にあるこれまでアノード電極として働いていた電極は、カソード電極として働き、第二のガス経路11にあるこれまでカソード電極として働いていた電極は、アノード電極として働き、電力と熱を生成する。
【0036】
これらの一連の動作を繰り返すことで、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinが2つの電極に、交互に送られ、アノード電極及びカソード電極が交互に入れ替わるので、アノード電極及びカソード電極特有の劣化及び燃料電池スタック30の性能低下を抑制することができる。
【0037】
図3は、第二の実施形態に係る燃料電池コジェネレーションシステム1の燃料電池システム3のガス流れを説明する図であり、(a)は、燃料電池システム3を構成する搬送配管の配管系統図であり、(b)は、(a)のあるガス流れを示す図であり、(c)は、(a)の別のガス流れを示す図である。
【0038】
図3の(a)に示すように、燃料電池システム3は、搬送配管と、切換手段としての三方弁又は電磁弁などからなる切換え弁71〜78と、燃料電池スタック30’からなり、制御装置6は、切換え弁71〜78の弁の切換えを制御している。
【0039】
そして、制御装置6の信号を受けた切換え弁71〜78の切換えにより、供給燃料ガスFinは、ガスポート31’、33’のどちらか一方から他方へ流れ、供給酸化剤ガスAinも同様に、ガスポート32’、34’のどちらか一方から他方へ流れるよう、これら流れの向きを変更することが可能となる。
【0040】
また、燃料電池スタック30’は、ガスポート31’からガスポート33’までの供給燃料ガスFinが流れる燃料ガス流路と、ガスポート32’からガスポート34’までの供給酸化剤ガスAinが流れる酸化剤ガス流路を有しており、これら2つの流路には、電解質膜と、触媒及び拡散層などからなる電極と、が備えられている(図示していない)。
【0041】
ここで、図3の(b)、(c)を用いて、第二の実施形態に係る燃料電池システム3の動作とそれに伴うガス流れを説明する。図3の(b)に示すように、切換え弁71〜74の切換えにより、供給燃料ガスFinは、切換え弁71、72を経由し、ガスポート31’から燃料電池スタック30’内に供給される。そして、供給燃料ガスFinは、燃料電池スタック30’内の電極に反応後、排出燃料ガスFoutとなり、ガスポート33’から排出され、切換え弁75〜78の切換えにより、切換え弁75、76を経由し、燃料改質装置2に回収される。また、同様に、供給酸化剤ガスAinは、切換え弁73、74を経由し、ガスポート32’から燃料電池スタック30’内に供給される。そして、供給酸化剤ガスAinは、燃料電池スタック30’内で電極に反応後、排出酸化剤ガスAoutとなり、ガスポート34’から排出され、切換え弁77、78を経由し、大気に放散される。
こうして、燃料ガス流路にある電極は、アノード電極として働き、酸化剤ガス流路にある電極は、カソード電極として働き、電力と熱を生成する。
【0042】
そして、所定のタイミングが経過すると、切換え弁71〜78が切換えられ、図3の(c)に示すように、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinを燃料電池スタック30’内に流す。ここで示す所定のタイミングは、燃料ガス、及び/又は酸化剤ガスの流れが一定時間経過毎、又は燃料電池システム3の累積発熱量が設定した値になったとき毎が好ましい。
【0043】
切換え弁71〜78までの切換えが終わると、供給燃料ガスFinは、切換え弁71、75を経由し、ガスポート33’から燃料電池スタック30’内に供給される。そして、供給燃料ガスFinは、燃料電池スタック30’内の電極に反応後、排出燃料ガスFoutとなり、ガスポート31’から排出され、切換え弁72、76を経由し、燃料改質装置2に回収される。また、同様に、供給酸化剤ガスAinは、切換え弁73、77を経由し、ガスポート34’から燃料電池スタック30’内に供給される。そして、供給酸化剤ガスAinは、燃料電池スタック30’内で電極に反応後、排出酸化剤ガスAoutとなり、ガスポート32’から排出され、切換え弁74、78を経由し、大気21に放散される。
これら一連の動作を繰り返すことで、燃料電池スタック30’内に流れる供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinのガス流れの向きを変更する。
【0044】
図4は、図3の(b)及び(c)における燃料電池スタック30’内の供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinの流れを表すイメージ図であり、(a)は、図3の(b)に対応し、(b)は、図3の(c)に対応している。
【0045】
図4の(a)に示すように、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinは、燃料電池スタック30’にあるそれぞれのガスポート入口から供給され、上流側のガス流路3aから下流側のガス流路3bまでを通過し、それぞれのガスポート出口から排出される。このとき、供給燃料ガスFinは、下流であるガス流路3bに進むにつれて、反応により加熱及び除湿され、供給酸化剤ガスAinは、下流であるガス流路3bに進むにつれて、加熱及び加湿される。このように上流側と下流側とでは、温度及び湿度の分布が不均一となる。
【0046】
そこで、図4の(b)に示すように、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinの流れを切換える。すなわち、これまで出口であったガスポート出口に、供給燃料ガスFin及び供給酸化剤ガスAinを流すことで、入口として、これまで、下流であったガス流路3bを上流とし、上流であったガス流路3aを下流にする。このような切換えを適宜行うことで、燃料電池スタック30’内の温度と湿度の分布が均一になり、局所劣化の促進を抑制することが可能となる。
【0047】
以上、本発明の二つの実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
例えば、先に示した、第一の実施形態と第二の実施形態を組合せて実施してもよい。
【0048】
また、燃料電池スタック内に流れる燃料ガス及び酸化剤ガスを検知するセンサ、又はこれらのガスの流れる向きを検知するセンサなどを用いて、切換えタイミング及び窒素パージの時間を決定してもよい。
【0049】
さらに、燃料電池スタックから排出された排出燃料剤ガス及び排出酸化剤ガスは、高温であるため、この熱は、排熱回収装置で回収されてもよい。
この他にも、電気負荷のバックアップとして商用電源を用いたが、蓄電装置などを用いることにより電力を供給してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上の発明から理解されるように、この発明による燃料電池システムによれば、燃料電池の性能低下及び燃料電池の電極及び電解質膜などの劣化が抑制され、その結果、燃料電池の性能持続及び耐久性向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の燃料電池コジェネレーションシステムの全体構成を示すブロック線図。
【図2】図1の燃料電池システムのガス流れを説明するための図であり、(a)は、燃料電池ユニットの配管系統図、(b)は、(a)のあるガス流れを説明する図、(c)は、(a)の別のガス流れを説明する図。
【図3】本発明の第二の実施形態の燃料電池システムのガス流れを説明するための図であり、(a)は、燃料電池ユニットの配管系統図、(b)は、(a)のあるガス流れを説明する図、(c)は、(a)の別のガス流れを説明する図。
【図4】図3の(a)及び(b)の燃料電池システムの燃料電池スタック内のガス流れの説明図であり、(a)は、あるガス流れを説明する図、(b)は、別のガス流れを説明する図。
【符号の説明】
1 燃料電池コジェネレーションシステム
2 燃料改質装置
3 燃料電池システム
4 インバータ
5 排熱回収装置
6 制御装置
10 第一の流路
11 第二の流路
30 燃料電池スタック(燃料電池ユニット)
61〜68 切換え弁
Claims (5)
- 第一のガス流路及び第二のガス流路と、該各流路に形成された電極と、を備えた燃料電池ユニットを有した燃料電池システムであって、
前記第一のガス流路及び前記第二のガス流路は、燃料ガス又は酸化剤ガスを交互に択一選択する切換手段を介して、供給源に接続されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記第一のガス流路と前記第二のガス流路、及び該各流路の前記電極は、同一の構造及び材質であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記択一選択時に、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの供給を一時停止し、前記一時停止中に、前記第一の流路と前記第二の流路に不活性ガスをパージすることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路と、を備えた燃料電池ユニットを有した燃料電池システムであって、前記燃料電池ユニットは、前記燃料ガス流路に流れる前記燃料ガスの流れの向き、及び/又は、前記酸化剤ガス流路に流れる前記酸化剤ガス流れの向きを変更可能にすることを特徴とする燃料電池システム。
- 前記流れの向きを変更するタイミングは、前記燃料ガス、及び/又は、前記酸化剤ガスの流れが一定時間経過後、又は燃料電池ユニットの累積発熱量が規定値になったときであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
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