JP6097807B1 - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムを提供する。【解決手段】炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器と、改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の燃料電池と、N個の燃料電池のうち、隣り合う2つの燃料電池の間にそれぞれ設けられ、より上流の燃料電池から排出されたオフガス中の水蒸気を回収し、水蒸気が回収されたオフガスをより下流の燃料電池に供給する水蒸気回収手段と、を備え、回収された水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、(A)及び(B)のいずれか一方を満たす燃料電池システム。(A)Uf(1)>2n/(m+2n) (1)(B)Uf(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (2)【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
600℃以上の温度で作動する固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池などの高温作動形燃料電池のシステムでは、効率化を図る点から、高温作動形燃料電池のアノードからそれぞれ排出されるアノードオフガスを燃焼したガスに含まれる水蒸気を凝縮して回収し、その回収した凝縮水を気化した水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いることがある。このとき、凝縮して回収される水蒸気の量が、炭化水素ガスの水蒸気改質に必要な水蒸気量よりも多くなるようにして、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立することが好ましい。
また、燃料吸入流が供給された燃料電池スタックを運転して電気と200℃を超える温度の燃料排気流とを生成し、前記燃料排気流の温度を200℃以下に下げ、前記燃料排気流を第一の燃料排気分流と第二の燃料排気分流とに分割した後、蒸気を含む前記第一の燃料排気分流を前記燃料吸入流へとリサイクルする燃料電池システムの運転方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5542332号公報
例えば、特許文献1に記載の技術では、燃料電池から排出されたアノードオフガス中の蒸気を含む第一の燃料排気分流を燃料吸入流へとリサイクルし、燃料吸入流中の炭化水素燃料を改質し、得られた水素と一酸化炭素とを燃料電池スタックの燃料吸入口へ供給している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、一つの燃料電池スタックを備える燃料電池システムであり、複数の燃料電池スタックを備える燃料電池システムではない。さらに、複数の燃料電池スタックを備える燃料電池システムについては従来検討されておらず、さらに、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立する際の条件は知られていない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題は、例えば以下の手段により解決される。
<1> 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器と、前記改質器から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の燃料電池と、前記N個の燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、より上流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を回収し、水蒸気が回収されたオフガスをより下流の前記燃料電池に供給する水蒸気回収手段と、を備え、前記水蒸気回収手段にて回収された水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、以下の(A)及び(B)のいずれか一方を満たす燃料電池システム。
(A)最も上流にある第1燃料電池と、前記第1燃料電池と隣り合う第2燃料電池と、の間に設けられた前記水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いる場合、前記第1燃料電池の燃料利用率をUf(1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(1)を満たす。
f(1)>2n/(m+2n) (1)
(B)上流からみてx番目(xは2以上N−1以下の整数)の第x燃料電池と、x+1番目の第x+1燃料電池と、の間に設けられた前記水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いる場合、上流からみてk番目(kは1以上x以下の整数)の燃料電池の燃料利用率をUf(k)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(2)を満たす。
f(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (2)
本形態に係る燃料電池システムでは、隣り合う2つの前記燃料電池の間に水蒸気回収手段がそれぞれ設けられており、より上流の燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を回収する構成となっている。本形態に係る燃料電池システムでは、N個の燃料電池が直列に接続しているため、N−1個の水蒸気回収手段が設けられることになる。
さらに、本形態に係る燃料電池システムでは、式(1)及び式(2)のいずれか一方を満たすように、燃料利用率を調整することにより、N−1個設けられた水蒸気回収手段のいずれか1つにて回収された水蒸気を用いることで、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させている。ここで、式(1)は、第1燃料電池と第2燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を水蒸気改質に用いることで、水自立を成立させるための条件式である。式(2)は、第x燃料電池と第x+1燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を水蒸気改質に用いることで、水自立を成立させるための条件式である。
以上により、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムが提供される。
<2> 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器と、前記改質器から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN’個(N’は3以上の整数)の燃料電池と、前記N’個の燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、より上流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を回収し、水蒸気が回収されたオフガスをより下流の前記燃料電池に供給する水蒸気回収手段と、を備え、前記水蒸気回収手段にて回収された水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、以下の(C)を満たす燃料電池システム。
(C)上流からみてx+1番目(xは2以上N’−1以下の整数)の第x+1燃料電池よりも上流側に設けられたx個の前記水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いる場合、上流からみてk番目(kは1以上x以下の整数)の燃料電池の燃料利用率をUf(k)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(3)を満たす。
f(1)+Uf(2)(1−Uf(1))+Uf(3)(1−Uf(1))(1−Uf(2))+・・・+Uf(x−1)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−3))(1−Uf(x−2))+Uf(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (3)
本形態に係る燃料電池システムでは、隣り合う2つの前記燃料電池の間に水蒸気回収手段がそれぞれ設けられており、より上流の燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を回収する構成となっている。本形態に係る燃料電池システムでは、上流からみてx+1番目の第x+1燃料電池よりも上流側にはx個の燃料電池が設けられているため、第x+1燃料電池よりも上流側には、x個の水蒸気回収手段が設けられていることになる。
さらに、本形態に係る燃料電池システムでは、式(3)を満たすように、燃料利用率を調整することにより、前述のx個の水蒸気回収手段にて回収された水蒸気を用いることで、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させている。ここで、式(3)は、第x+1燃料電池よりも上流に設けられたx個の水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を水蒸気改質に用いることで、水自立を成立させるための条件式である。
以上により、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムが提供される。
<3> 前記水蒸気回収手段に供給される前記オフガスと、前記水蒸気回収手段から排出された前記オフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備える<1>又は<2>に記載の燃料電池システム。
本形態に係る燃料電池システムでは、水蒸気回収手段に供給されるオフガスが水蒸気の回収に適した温度に冷却されるとともに、水蒸気回収手段から排出され、燃料電池に供給されるオフガスが発電に適した温度に加熱される。よって、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。
本発明によれば、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の第二実施形態に係る燃料電池システムが、N段の燃料電池を備えることを示す概略構成図である。 本発明の第三実施形態に係る燃料電池システムが、N’段の燃料電池を備えることを示す概略構成図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<第1実施形態>
〔燃料電池システム〕
以下、本発明の第一実施形態に係る燃料電池システム10について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、本燃料電池システムでは2個の燃料電池が直列に接続されている。
本実施形態に係る燃料電池システムは、改質部19及び燃焼部18を有する改質器14と、第1燃料電池11と、水蒸気回収手段である水タンク31と、第2燃料電池12と、を備え、水タンク31にて回収された水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いるシステムである。さらに、燃料電池システム10は、第1燃料電池11と第2燃料電池12との間に設けられた水タンク31にて回収される水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いており、第1燃料電池11の燃料利用率をUf(1)とし、炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(1)を満たすシステムである。
f(1)>2n/(m+2n) (1)
本実施形態に係る燃料電池システムでは、第1燃料電池11と第2燃料電池12の間に水タンク31が設けられており、第1燃料電池11から排出されたオフガス中の水蒸気を回収する構成となっている。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム10は、式(1)を満たすように、Uf(1)を調整することにより、水タンク31にて回収された水蒸気を用いて、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させている。以下、その理由について説明する。
まず、C(n、mはともに正の実数)で表される炭化水素ガスを水蒸気改質して一酸化炭素及び水蒸気を生成するときの反応式は、以下の式(x)で表される。
+nHO→nCO+(m/2+n)H (x)
式(x)で表されるように、1モルの炭化水素ガスを供給する場合、化学量論的に必要な水蒸気のモル数はnモルであり、このとき、発生する水素のモル数は(m/2+n)モルとなる。また、燃料電池での反応において、1モルの水素が反応した場合、1モルの水蒸気が発生したことになる。
そのため、第1燃料電池11の燃料利用率をUf(1)としたとき、第1燃料電池11にて反応する水素のモル数、すなわち、第1燃料電池11にて生成する水蒸気のモル数は、(m/2+n)Uf(1)モルである。ここで、第1燃料電池11で生成する水蒸気が全て水蒸気回収手段にて回収されたとすると、水タンク31にて回収される水蒸気のモル数は、(m/2+n)Uf(1)モルとなる。
式(x)で表されるように、1モルの炭化水素ガスを供給する場合に必要な水蒸気のモル数はnモルであるため、水タンク31にて回収された水蒸気で外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、以下の式(1)’を満たす必要がある。
(m/2+n)Uf(1)>n (1)’
この式(1)’を整理することにより、前述の式(1)となる。したがって、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、前述の式(1)を満たせばよい。以上により、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システム10が提供される。また、本実施形態に係る燃料電池システム10では、定格発電時だけでなく、起動時においても前述の式(1)を満たすことが好ましい。
以下、本実施形態に係る燃料電池システム10の各構成について説明する。
(原料ガス供給経路)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、炭化水素ガスを含む原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24を備えており、原料ガス供給経路24は、原料ガスを流通させるためのブロワ25が設置されている。
原料ガス供給経路24内を流通する原料ガスとしては、水蒸気改質が可能な炭化水素ガスを含むものであれば特に限定されず、例えば、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、特にメタンが好ましい。なお、炭化水素ガスとしては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよい。
原料ガス供給経路24は、後述する水蒸気供給経路37と接続しており、水蒸気供給経路37内を流通する水蒸気が原料ガス供給経路24に供給される。そして、水蒸気供給経路37より供給された水蒸気は、原料ガスとともに改質器14に供給される。なお、原料ガス供給経路24は、経路内での水蒸気の凝縮を防ぐ観点から、水蒸気供給経路37と接続されずに水蒸気が水蒸気供給経路37を通じて改質器14に直接供給される構成であってもよい。
(改質器)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、原料ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器14を備えている。改質器14は、例えば、バーナ又は燃焼触媒を配置した燃焼部18と、改質用触媒を備える改質部19とを備える。
改質部19は、上流側にて原料ガス供給経路24と接続しており、下流側にて改質ガス供給経路42と接続している。そのため、原料ガス供給経路24を通じてメタンなどの炭化水素ガスを含む原料ガスが改質部19に供給され、改質部19にて炭化水素ガスを水蒸気改質した後に、生成された改質ガスが改質ガス供給経路42を通じて第1燃料電池11に供給される。
燃焼部18は、上流側にて酸素供給経路44及びオフガス経路46と接続しており、下流側にて排気経路48と接続している。燃焼部18は、第2燃料電池12のカソード側から排出され、酸素供給経路44を通じて供給された未反応の酸素を含むガスと、第2燃料電池12のアノード側から排出され、オフガス経路46を通じて供給されたオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部19内の改質用触媒を加熱する。燃焼部18からの排ガスは、排気経路48内を流通する。
改質部19で起こる水蒸気改質は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、そのため、燃焼部18で発生する燃焼熱により改質部19を加熱することが好ましい。
炭化水素ガスの一例であるメタンを水蒸気改質させた場合、改質部19にて、以下の式(a)の反応により一酸化炭素および水素が生成される。
CH+HO→CO+3H (a)
改質部19内に設置される改質用触媒としては、水蒸気改質反応の触媒となるものであれば特に限定されないが、Ni,Rh,Ru,Ir,Pd,Pt,Re,Co,Fe及びMoの少なくとも一つを触媒金属として含む水蒸気改質用触媒が好ましい。
改質器14の改質部19に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、改質器14の改質部19に供給される単位時間当たりの炭化水素ガスの炭素原子数Cと、の比であるスチームカーボン比S/Cは、1.5〜3.5であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましく、2.0〜2.5であることがさらに好ましい。スチームカーボン比S/Cがこの範囲にあることにより、炭化水素ガスが効率よく水蒸気改質され、水素および一酸化炭素を含む改質ガスが生成される。さらに、燃料電池システム10内での炭素析出を抑制することができ、燃料電池システム10の信頼性を高めることができる。
また、燃焼部18は、水蒸気改質を効率よく行なう観点から、改質部19を、600℃〜800℃に加熱することが好ましく、600℃〜700℃に加熱することがより好ましい。
排気経路48内を流通する排ガスは、気化器の役割を有する熱交換器23にて、改質水供給経路33内を流通する改質水と熱交換を行なう。これにより、排気経路48内を流通する排ガスは冷却され、改質水供給経路33内を流通する改質水は気化された後に水蒸気供給経路37を通じて原料ガス供給経路24に供給される。
熱交換器23にて熱交換が行なわれた排ガスは、熱交換器22にて、酸素供給経路44内を流通する酸素を含むガスと熱交換を行なう。これにより、排ガスは冷却された後に水タンク32(凝縮器)に供給され、酸素を含むガスは加熱された後に、第1燃料電池11のカソードに供給されて発電に用いられる。
水タンク32は、排気経路48内を流通する排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた水を貯留する容器である。水タンク32では、水蒸気以外の排ガスは外部に排出され、凝縮された水は外部に排水される。
酸素供給経路44は、空気などの酸素を含むガスが流通する経路であり、酸素を含むガスを第1燃料電池に送るためのブロワ26が設けられている。酸素を含むガスは熱交換器22により第1燃料電池11の作動温度に適した温度に加熱された後に第1燃料電池11のカソードに供給される。
(第1燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、改質ガス供給経路42を通じて改質器14から供給された改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池11を備えている。第1燃料電池11としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。また、第1燃料電池11としては、600℃〜800℃程度で作動する高温型の燃料電池、例えば、700℃〜800℃程度で作動する固体酸化物形燃料電池、600℃〜700℃程度で作動する溶融炭酸塩形燃料電池が挙げられる。
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、酸素供給経路44を通じて酸素を含むガスが供給される。酸素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(b)に示す反応が起こり、その際、酸素イオンが固体酸化物電解質(図示せず)の内部を移動する。
+4e→2O2− (b)
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス供給経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。固体酸化物電解質の内部を移動する酸素イオンからアノードと固体酸化物電解質との界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(c)に示す反応が起こる。
+O2−→HO+2e (c)
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、酸素供給経路44を通じて酸素及び二酸化炭素を含むガスが供給される。酸素及び二酸化炭素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(d)に示す反応が起こり、その際、炭酸イオンが電解質(図示せず)の内部を移動する。
+2CO+4e→2CO 2− (d)
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス供給経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。電解質の内部を移動する炭酸イオンからアノードと電解質との界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(e)に示す反応が起こる。
+CO 2−→HO+CO+2e (e)
上記式(c)及び式(e)に示すように、第1燃料電池11での改質ガスの電気化学的な反応により、固体酸化物形燃料電池では主に水蒸気が生成され、溶融炭酸塩形燃料電池では主に水蒸気及び二酸化炭素が生成される。また、アノードで生成された電子は、外部回路を通じてカソードに移動する。このようにして電子がアノードからカソードに移動することにより、第1燃料電池11にて発電が行なわれる。なお、固体酸化物形燃料電池であっても、一部の一酸化炭素が発電に用いられることで、二酸化炭素が生成される。
カソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の酸素供給経路44を通じて、第2燃料電池12のカソード(図示せず)に供給される。
一方、アノードから排出された未反応の改質ガスを含むオフガスは、オフガス経路52を通じて水タンク31へ供給される。ここで、未反応の改質ガスを含むオフガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気などを含む混合ガスである。
オフガス経路52及びオフガス経路54には熱交換器21が設置されており、熱交換器21により、オフガス経路52内を流通するオフガスと、オフガス経路54内を流通する水蒸気が回収されたオフガスと、の間で熱交換を行なう。これにより、オフガス経路52内を流通するオフガスは冷却され、水タンク31にて水蒸気が凝縮される温度に近づくとともに、第2燃料電池12に供給される水蒸気が回収されたオフガスは、発電に適した温度に加熱される。よって、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。熱交換器21により冷却されたオフガスは、水タンク31に供給される。
水タンク31は、オフガス経路52内を流通するオフガス中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた水を貯留することで、オフガス中に含まれる水蒸気を回収するための容器である。水タンク31は、改質水供給経路33と接続しており、改質水供給経路33には、改質水ポンプ34及び水処理装置38が設けられている。
改質水ポンプ34により、水タンク31に貯留された水は改質水として、改質水供給経路33を通じて水処理装置38にて不純物が除去された後、熱交換器23に供給される。
水処理装置38は、改質水供給経路33内を流通する水に含まれる不純物を除去するための装置であり、交換や薬品による再生処理が必要なイオン交換樹脂を有する水処理装置、イオン交換樹脂を電気的に再生可能な電気脱イオン式の水処理装置などが挙げられる。
また、排気経路48内を流通する排ガスと、改質水供給経路33内を流通する改質水と、の間で熱交換を行なう熱交換器23の代わりに、改質部19、第1燃料電池11、第2燃料電池12の内少なくとも一つより放出される熱を利用して、改質水を気化する気化器を設けてもよい。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、水タンク31にて回収される水を改質水として用いているが、排ガス中に含まれる水蒸気を回収する水タンク32にて回収される水を改質水としては用いていない。そのため、水タンク32に貯留される水を改質水とするために必要な機構は不要となり、システムが簡略化されている。さらに、水タンク32にて回収される水を改質水として使用しない場合、システムの運転条件によっては、改質水が不足し、水自立がしないおそれがあるが、燃料電池システム10では、前述の式(1)を満たすシステムであるため、システムの水自立を成立させることができる。
次に、水蒸気が回収された後のオフガスは、水タンク31からオフガス経路54内を流通し、第2燃料電池12へ供給される。このとき、前述のように、オフガス経路52及びオフガス経路54に設置された熱交換器21により、オフガス経路54内を流通する水蒸気回収後のオフガスは、第2燃料電池12の作動温度に適した温度に加熱される。
(第2燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、水タンク31の下流に配置され、水蒸気が回収されたオフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池12を備えている。第2燃料電池12としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。なお、第2燃料電池12は、上述の第1燃料電池11と同様の構成であるため、共通する事項に関する説明は省略する。
燃料電池システム10では、第2燃料電池12は、水蒸気が回収されたオフガスを用いて発電を行なう。そのため、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の水蒸気に起因する濃度過電圧が低減され、特に高電流密度時に高い性能を発揮することができる。よって、燃料電池システム10は、後段の燃料電池にて水蒸気が分離されていないオフガスを用いて発電を行なう多段式の燃料電池システムと比較して、高い発電効率を得ることができる。
第2燃料電池12のカソードから排出されたオフガスは、下流側の酸素供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。一方、第2燃料電池12のアノードから排出されたオフガスは、オフガス経路46を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。
本実施形態では、酸素供給経路44が直列となっているため、第1燃料電池11に酸素を供給した後、第2燃料電池12に酸素が供給されるが、酸素供給経路44は並列であってもよい。つまり、酸素が流通する酸素供給経路44が分岐し、第1燃料電池11及び第2燃料電池12のカソードに酸素をそれぞれ供給する構成であってもよい。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、第1燃料電池11と第2燃料電池12との間に、第1燃料電池11のアノードから排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素分離手段を設けてもよい。これにより、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の水蒸気及び二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減される。よって、燃料電池システム10は、より高い発電効率を得ることができる。二酸化炭素分離手段としては、オフガスに含まれる二酸化炭素を分離できるものであれば特に限定されず、分離膜、吸収材、吸着材などが挙げられる。
本実施形態では、排気経路48に熱交換器22、23を設け、排気経路48内を流通する排ガスを熱交換器22、23にて熱交換により冷却した後に、水タンク32へ供給しているが、本発明はこれに限定されず、熱交換器22、23及び水タンク32を設けなくてもよい。すなわち、排気経路48内を流通する排ガスをそのまま排気してもよい。これにより、本発明に係る燃料電池システムの構成をより簡素化することができる。
また、本実施形態では、水蒸気回収手段として水タンク31を用いているが、これに限定されず、オフガス中の水蒸気を少なくとも分離する水蒸気分離膜を用いてもよく、水タンク31と水蒸気分離膜とを組み合わせてもよい。
水蒸気分離膜を用いることにより、凝縮水を再度気化するための気化器(熱交換器)を設ける必要はなく、また、水蒸気を凝縮するためにオフガスを100℃以下の常温近くまで冷却する必要がないため、システムの簡素化及びシステムの熱効率の向上を図ることができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態に係る燃料電池システムについて図2を用いて説明する。
図2は、本発明の第二実施形態に係る燃料電池システムが、N段の燃料電池を備えることを示す概略構成図である。第一実施形態に係る燃料電池システム10は、2つの燃料電池及び1つの水蒸気回収手段を有するシステムであるが、本実施形態に係る燃料電池システムは、N個の燃料電池及びN−1個の水蒸気回収手段を有するシステムである。なお、本実施形態では、3つ以上の燃料電池を備える燃料電池システムについて説明する。
第二実施形態に係る燃料電池システムは、改質部及び燃焼部を有する改質器と、N個の燃料電池と、隣り合う燃料電池間に設けられた水蒸気回収手段と、を備える。さらに、本実施形態に係る燃料電池システムは、上流からみてx番目(xは2以上N−1以下の整数)の第x燃料電池と、x+1番目の第x+1燃料電池と、の間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いており、上流からみてk番目(kは1以上x以下の整数)の燃料電池の燃料利用率をUf(k)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(2)を満たすシステムである。
f(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (2)
本実施形態に係る燃料電池システムでは、隣り合う燃料電池間に水蒸気回収手段が設けられており、各燃料電池から排出されたオフガス中の水蒸気を回収する構成となっている。さらに、図2に示すように、本実施形態に係る燃料電池システムでは、上流からみてx番目の第x燃料電池と、x+1番目の第x+1燃料電池と、の間に設けられた水蒸気回収手段(図示せず)にて回収される水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に使用している。
このとき、本実施形態に係る燃料電池システムでは、式(2)を満たすように、燃料利用率を調整することにより、水蒸気回収手段にて回収された水蒸気を用いて、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることができる。以下、その理由について説明する。
前述のように、最も上流に位置する第1燃料電池の燃料利用率をUf(1)としたとき、第1燃料電池にて生成する水蒸気のモル数は、(m/2+n)Uf(1)モルである。ここで、各燃料電池で生成する水蒸気が、全て水蒸気回収手段にて回収され、水蒸気が回収されたオフガスがより下流の燃料電池に供給されたとすると、第1燃料電池と第2燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気のモル数は、(m/2+n)Uf(1)モルとなる。
次に、第2燃料電池の燃料利用率をUf(2)としたとき、第2燃料電池に供給されるオフガスに含まれる水素のモル数が、(m/2+n)(1−Uf(1))であるため、第2燃料電池にて生成する水蒸気のモル数は、(m/2+n)(1−Uf(1))Uf(2)モルである。したがって、第2燃料電池と第3燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気のモル数は、(m/2+n)(1−Uf(1))Uf(2)モルとなる。
以上により、第x燃料電池の燃料利用率をUf(x)としたとき、第x燃料電池にて生成される水蒸気のモル数、すなわち、第x燃料電池と第x+1燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気のモル数は、(m/2+n)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))Uf(x)となる。
前述の式(x)で表されるように、1モルの炭化水素ガスを供給する場合に必要な水蒸気のモル数はnモルであるため、第x燃料電池と第x+1燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収された水蒸気で外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、以下の式(2)’を満たす必要がある。
(m/2+n)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))Uf(x)>n (2)’
この式(2)’を整理することにより、前述の式(2)となる。したがって、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、前述の式(2)を満たせばよい。以上により、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムが提供される。また、本実施形態に係る燃料電池システムでは、定格発電時だけでなく、起動時においても前述の式(2)を満たすことが好ましい。
なお、本実施形態に係る燃料電池システムの変形例として、最も上流にある第1燃料電池と、第1燃料電池と隣り合う第2燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いて水自立を成立させてもよい。この場合、水自立を成立させるためには、前述の第一実施形態と同様、式(1)を満たせばよい。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態に係る燃料電池システムについて図3を用いて説明する。
図3は、本発明の第三実施形態に係る燃料電池システムが、N’(N’は3以上の整数)段の燃料電池を備えることを示す概略構成図である。第二実施形態に係る燃料電池システムは、第x燃料電池と第x+1燃料電池との間に設けられた水蒸気回収手段にて回収された水蒸気で水自立を成立させるように設計されているシステムであるが、本実施形態に係る燃料電池システムは、第x+1燃料電池よりも上流に設けられたx個の水蒸気回収手段にて回収された水蒸気で水自立を成立させるように設計されているシステムである。
第三実施形態に係る燃料電池システムは、改質部及び燃焼部を有する改質器と、N’個の燃料電池と、隣り合う燃料電池間にそれぞれ設けられた水蒸気回収手段と、を備える。さらに、本実施形態に係る燃料電池システムは、上流からみてx+1番目(xは2以上N’−1以下の整数)の第x+1燃料電池よりも上流側に設けられたx個の水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いており、上流からみてk番目(kは1以上x以下の整数)の燃料電池の燃料利用率をUf(k)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(3)を満たすシステムである。
f(1)+Uf(2)(1−Uf(1))+Uf(3)(1−Uf(1))(1−Uf(2))+・・・+Uf(x−1)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−3))(1−Uf(x−2))+Uf(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (3)
本実施形態に係る燃料電池システムでは、隣り合う燃料電池間に水蒸気回収手段が設けられており、各燃料電池から排出されたオフガス中の水蒸気を回収する構成となっている。さらに、図3に示すように、本実施形態に係る燃料電池システムでは、上流からみてx+1番目の第x+1燃料電池よりも上流側にはx個の燃料電池が設けられているため、第x+1燃料電池よりも上流側には、x個の水蒸気回収手段が設けられていることになる。そして、x個の水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を炭化水素ガスの水蒸気改質に使用している。
ここで、第x+1燃料電池よりも上流側に設けられたx個の水蒸気回収手段にて回収される水蒸気のモル数の合計は、下記式(3)’の左辺の通りであり、この合計が炭化水素ガス1モルの水蒸気改質に必要な水蒸気のモル数nモルよりも大きい場合に、水自立が成立する。
(m/2+n){Uf(1)+Uf(2)(1−Uf(1))+Uf(3)(1−Uf(1))(1−Uf(2))+・・・+Uf(x−1)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−3))(1−Uf(x−2))+Uf(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))}>n (3)’
この式(3)’を整理することにより、前述の式(3)となる。したがって、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、前述の式(3)を満たせばよい。以上により、複数の燃料電池を備え、水自立が成立可能な燃料電池システムが提供される。また、本実施形態に係る燃料電池システムでは、定格発電時だけでなく、起動時においても前述の式(3)を満たすことが好ましい。
本発明は、前述の第一実施形態〜第三実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で、当業者によって、前述の各実施形態を組み合わせて実施される。また、本発明において、例えば、熱交換器の設置位置、組み合わせなどはこれらの実施形態に限定されない。また、ガス、水などの各種流体の加熱及び冷却には熱交換器以外の手段を用いてもよい。
[実施の一例]
以下、第一実施形態に係る燃料電池システム10の実施の一例について説明する。炭化水素ガスとしてメタン(CH)を用いた場合、前述の式(1)より、Uf(1)を1/3より大きくすることで、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立する。
10…燃料電池システム、11…第1燃料電池、12…第2燃料電池、14…改質器、18…燃焼部、19…改質部、21、22、23…熱交換器、24…原料ガス供給経路、25、26…ブロワ、31、32…水タンク、33…改質水供給経路、34…改質水ポンプ、37…水蒸気供給経路、38…水処理装置、42…改質ガス供給経路、44…酸素供給経路、46、52、54…オフガス経路、48…排気経路

Claims (3)

  1. 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器と、
    前記改質器から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の燃料電池と、
    前記N個の燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、前記隣り合う2つの燃料電池のうちの上流側の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を回収し、水蒸気が回収されたオフガスを前記隣り合う2つの燃料電池のうちの下流側の前記燃料電池に供給する水蒸気回収手段と、
    を備え、
    前記水蒸気回収手段にて回収された水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、
    以下の(A)及び(B)のいずれか一方を満たす燃料電池システム。
    (A)最も上流にある第1燃料電池と、前記第1燃料電池と隣り合う第2燃料電池と、の間に設けられた前記水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いる場合、前記第1燃料電池の燃料利用率をUf(1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(1)を満たし、前記第1燃料電池と前記第2燃料電池との間に設けられた前記水蒸気回収手段により回収された水蒸気のみを水蒸気改質に用いる。
    f(1)>2n/(m+2n) (1)
    (B)上流からみてx番目(xは2以上N−1以下の整数)の第x燃料電池と、x+1番目の第x+1燃料電池と、の間に設けられた前記水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いる場合、上流からみてk番目(kは1以上x以下の整数)の燃料電池の燃料利用率をUf(k)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(2)を満たし、前記第x燃料電池と前記第x+1燃料電池との間に設けられた前記水蒸気回収手段により回収された水蒸気のみを水蒸気改質に用いる。
    f(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (2)
  2. 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質部及び燃焼熱により前記改質部を加熱する燃焼部を備える改質器と、
    前記改質器から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN’個(N’は3以上の整数)の燃料電池と、
    前記N’個の燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、前記隣り合う2つの燃料電池のうちの上流側の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を回収し、水蒸気が回収されたオフガスを前記隣り合う2つの燃料電池のうちの下流側の前記燃料電池に供給する水蒸気回収手段と、
    前記燃焼部から排出された排ガス中の水蒸気を回収する凝縮器と、
    を備え、
    前記水蒸気回収手段にて回収された水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、
    以下の(C)を満たす燃料電池システム。
    (C)上流からみてx+1番目(xは2以上N’−1以下の整数)の第x+1燃料電池よりも上流側に設けられたx個の水蒸気回収手段にて回収される水蒸気を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用いる場合、上流からみてk番目(kは1以上x以下の整数)の燃料電池の燃料利用率をUf(k)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(3)を満たし、前記x個の水蒸気回収手段にて回収された水蒸気のみを水蒸気改質に用いる。
    f(1)+Uf(2)(1−Uf(1))+Uf(3)(1−Uf(1))(1−Uf(2))+・・・+Uf(x−1)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−3))(1−Uf(x−2))+Uf(x)(1−Uf(1))(1−Uf(2))・・・(1−Uf(x−2))(1−Uf(x−1))>2n/(m+2n) (3)
  3. 前記水蒸気回収手段に供給される前記オフガスと、前記水蒸気回収手段から排出された前記オフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
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