JP6084265B1 - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水処理装置の負担を軽減し、発電効率を高く維持しつつ水自立を成立可能な燃料電池システムを提供する。【解決手段】改質ガスを生成する改質部及び改質部を加熱する燃焼部を有する改質器と、直列に接続されたN個の燃料電池と、隣り合う2つの燃料電池の間にそれぞれ設けられ、オフガス中の水蒸気を除去する水蒸気除去手段と、最も下流の燃料電池から排出されたオフガスを燃焼部に供給するオフガス経路と、最も下流の燃料電池での発電により生じた水蒸気及び燃焼反応により生じた水蒸気を凝縮させて回収する水蒸気回収手段と、凝縮水を処理して不純物を除去する水処理装置と、を備え、凝縮水を炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、最も下流の燃料電池を除くN−1個の燃料電池の合計での燃料利用率をUf(N−1)とし、炭化水素ガスをCnHmとするとき、式(1)を満たす燃料電池システム。Uf(N−1)<m/(m+2n)・・・・式(1)【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
600℃以上の温度で作動する固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池などの高温作動形燃料電池のシステムでは、効率化を図る点から、高温作動形燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを燃焼したガスに含まれる水蒸気を凝縮して回収し、その回収した凝縮水を気化した水蒸気を原料ガスの水蒸気改質に用いることがある。このとき、凝縮して回収される水蒸気の量が、原料ガスの水蒸気改質に必要な水蒸気量よりも多くなるようにして、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立することが好ましい。
また、水蒸気改質を行なう原料ガスに窒素が含まれている場合、水蒸気改質反応の副生成物としてアンモニアが生成されることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−31247号公報 特開2013−201084号公報 特開2014−107215号公報
例えば、特許文献2に記載の技術では、燃料電池スタックから排出されたアノード排ガス中の水蒸気を冷却して凝縮した後にドレン水タンクにて回収し、回収した凝縮水をイオン交換樹脂で処理し、水蒸気改質反応に用いている。
しかしながら、水蒸気改質を行なう原料ガスに窒素が含まれている場合、ドレン水タンクにて回収した凝縮水中には、水蒸気改質反応の副生成物として生成したアンモニアが溶解しているため、アンモニアを含む凝縮水処理のためにイオン交換樹脂の使用期間が短くなり、また、イオン交換樹脂の使用量が増加するという問題がある。また、イオン交換樹脂を電気的に再生可能な電気脱イオン式の水処理装置を用いた場合であっても、凝縮水処理後の樹脂を再生させるための電力がより多く必要となるため、燃料電池システムの発電効率が低下するという問題がある。
また、イオン交換樹脂を含む水処理装置、電気脱イオン式の水処理装置などの水処理装置の負担低下を考慮すると、燃料電池システムにて、アノードオフガス中のアンモニアを水蒸気の凝縮により除去した後、アノードオフガスを燃焼したガスに含まれる水蒸気のみを回収し、その回収した凝縮水を原料ガスの水蒸気改質に用いることが想定される。しかし、この場合に外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させようとすると、アノードオフガスの燃焼により十分な量の水蒸気を生成する必要があるため、燃料電池における燃料利用率を低くする必要があり、燃料電池システムの発電効率が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、凝縮水処理時における水処理装置の負担を軽減し、さらに、発電効率を高く維持しつつ外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題は、例えば以下の手段により解決される。
<1> 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質部及び燃焼反応により前記改質部を加熱する燃焼部を有する改質器と、前記改質部から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の燃料電池と、N個の前記燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、より上流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去し、水蒸気が除去されたオフガスをより下流の前記燃料電池に供給する水蒸気除去手段と、最も下流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを前記燃焼部に供給するオフガス経路と、最も下流の前記燃料電池での発電により生じた水蒸気及び前記オフガス供給経路を通じて前記燃焼部に供給された未反応の前記改質ガスの燃焼反応により生じた水蒸気を凝縮させて回収する水蒸気回収手段と、前記水蒸気回収手段にて回収された凝縮水を処理して不純物を除去する水処理装置と、を備え、前記水処理装置により処理された前記凝縮水を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、最も下流の前記燃料電池を除くN−1個の前記燃料電池の合計での燃料利用率をUf(N−1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(1)を満たす燃料電池システム。
f(N−1)<m/(m+2n)・・・・(1)
本形態に係る燃料電池システムでは、隣り合う2つの前記燃料電池の間に水蒸気除去手段がそれぞれ設けられており、より上流の燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去する構成となっている。そのため、原料ガスに窒素が含まれている場合であっても、水蒸気除去手段にて水蒸気を凝縮させて除去する際に、水蒸気改質反応の副生成物として生成したアンモニアも除去される。そのため、水蒸気回収手段にて回収された凝縮水中におけるアンモニア濃度が低減される。したがって、凝縮水を処理するときの水処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本形態に係る燃料電池システムでは、式(1)を満たすように、Uf(N−1)を調整することにより、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることができる。
また、本形態に係る燃料電池システムでは、N個の燃料電池を直列に接続しており、最も下流の燃料電池の発電により生じた水蒸気及び燃焼部での燃焼反応により生じた水蒸気を水蒸気回収手段にて凝縮させて回収し、回収された凝縮水を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いている。そのため、式(1)を満たした上で最も下流の燃料電池の燃料利用率を高めることにより、水自立に必要な量の水蒸気を水蒸気回収手段に供給することができるとともに、システム全体の燃料利用率を高めて発電効率を高く維持することができる。
<2>原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質部及び燃焼反応により前記改質部を加熱する燃焼部を有する改質器と、前記改質部から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池と、前記第1燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去する水蒸気除去手段と、前記水蒸気除去手段の下流に配置され、水蒸気が除去されたオフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池と、前記第2燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを前記燃焼部に供給するオフガス経路と、前記第2燃料電池での発電により生じた水蒸気及び前記オフガス経路を通じて前記燃焼部に供給された未反応の前記改質ガスの燃焼反応により生じた水蒸気を凝縮させて回収する水蒸気回収手段と、前記水蒸気回収手段にて回収された凝縮水を処理して不純物を除去する水処理装置と、を備え、前記水処理装置により処理された前記凝縮水を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、前記第1燃料電池の燃料利用率をUf(1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(2)を満たす燃料電池システム。
f(1)<m/(m+2n)・・・・(2)
本形態に係る燃料電池システムでは、第1燃料電池と第2燃料電池との間に水蒸気除去手段が設けられており、第1燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去する構成となっている。そのため、原料ガスに窒素が含まれている場合であっても、水蒸気除去手段にて水蒸気を凝縮させて除去する際に、水蒸気改質反応の副生成物として生成したアンモニアも除去される。そのため、水蒸気回収手段にて回収された凝縮水中におけるアンモニア濃度が低減される。したがって、凝縮水を処理するときの水処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本形態に係る燃料電池システムでは、式(2)を満たすように、U(1)を調整することにより、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることができる。
また、本形態に係る燃料電池システムでは、第2燃料電池の発電により生じた水蒸気及び燃焼部での燃焼反応により生じた水蒸気を水蒸気回収手段にて凝縮させて回収し、回収された凝縮水を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いている。そのため、式(2)を満たした上で第2燃料電池の燃料利用率を高めることにより、水自立に必要な量の水蒸気を水蒸気回収手段に供給することができるとともに、システム全体の燃料利用率を高めて発電効率を高く維持することができる。
<3> 前記水蒸気除去手段に供給される前記オフガスと、前記水蒸気除去手段から排出された前記オフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備える<1>又は<2>に記載の燃料電池システム。
本形態に係る燃料電池システムでは、水蒸気除去手段に供給されるオフガスが冷却され、水蒸気が凝縮される温度に近づくとともに、水蒸気除去手段から排出され、燃料電池に供給されるオフガスが発電に適した温度に加熱される。よって、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。
本発明によれば、凝縮水処理時における水処理装置の負担を軽減し、さらに、発電効率を高く維持しつつ外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることが可能な燃料電池システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 比較対象となる燃料電池システムを示す概略構成図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、本発明の燃料電池システムの比較対象となる燃料電池システムについて、図2を用いて説明する。図2は、比較対象となる燃料電池システムを示す概略構成図である。
図2において、比較対象となる燃料電池システム100は、原料ガス供給経路124と、改質器114と、第1燃料電池111と、水タンク132と、水処理装置138と、を備えるシステムである。また、本システムは、第1燃料電池111及び改質器114の燃焼部118にて生成された水蒸気が凝縮されて水タンク132に貯留され、貯留された水(凝縮水)は原料ガスに含まれる炭化水素ガスの水蒸気改質に用いられるという構成を有する。
また、燃料電池システム100では、水タンク132にて凝縮して回収される水蒸気の量が、炭化水素ガスの水蒸気改質に必要な水蒸気の量よりも多くなるようにして、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立している。
まず、このシステムでは、メタンなどの炭化水素ガスを含む原料ガスを改質器114に送るためのブロワ125が原料ガス供給経路124に配置されており、原料ガスが原料ガス供給経路124内を流通して改質器114の改質部119に供給される。
改質器114は、炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成するためのものであり、燃焼部118と、改質用触媒を備える改質部119とを有している。改質器114の改質部119にて、供給された原料ガスに含まれる炭化水素ガスが水蒸気改質され、水素を含む改質ガスが生成される。水素を含む改質ガスは、改質ガス供給経路142を通じて第1燃料電池111のアノード(図示せず)に供給されて発電に用いられる。
改質器114の燃焼部118は、酸素供給経路144を通じて供給された未反応の酸素を含むガスと、オフガス経路146を通じて供給された未反応の改質ガスを含むオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部119内の改質用触媒を加熱する。燃焼部118からの排ガスは、排気経路148を通じて排出されるが、このとき、熱交換器123により、後述する改質水が加熱され、また、熱交換器122により、酸素供給経路144内を流通する酸素を含むガスが加熱される。そして、熱交換器122により加熱された酸素を含むガスは、第1燃料電池111のカソード(図示せず)に供給されて発電に用いられる。
第1燃料電池111は、アノードと、電解質(図示せず)と、カソードとを備え、アノードに供給された水素を含む改質ガス、及びカソードに供給された酸素を含むガスを用いて発電を行なう。この第1燃料電池111は、例えば750℃程度で作動する高温型の燃料電池であり、具体的には、固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池などである。
第1燃料電池111のアノードから未反応の改質ガスを含むオフガスが排出され、このオフガスは、オフガス経路146内を流通して改質器114の燃焼部118へ供給される。また、第1燃料電池111のカソードから未反応の酸素を含むガスが排出され、このガスは、酸素供給経路144内を流通して改質器114の燃焼部118へ供給される。
前述のように、改質器114の燃焼部118にて未反応の酸素を含むガスと未反応の改質ガスを含むオフガスとの混合ガスが燃焼され、燃焼部118からの排ガスは、排気経路148を通じて排出される。燃焼部118から排出された排ガスは、熱交換器123、122を経た後、水タンク132に供給される。
水タンク132は、排気経路148内を流通する排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた水を貯留する容器である。水タンク132では、水蒸気以外の排ガスは外部に排出され、水蒸気は凝縮されて貯留される。
水タンク132は、改質水供給経路133と接続しており、改質水供給経路133には、改質水ポンプ134及び水処理装置138が設けられている。改質水ポンプ134により、水タンク132に貯留された水は改質水として、改質水供給経路133を通じて水処理装置138を経た後、熱交換器123に供給される。これにより、改質水供給経路133内を流通する改質水は、水処理装置138にて不純物が除去され、かつ熱交換器123にて気化された後に、水蒸気供給経路137を通じて原料ガス供給経路124に供給され、炭化水素ガスの水蒸気改質に用いられる。
前述のように、燃料電池システム100では、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立するように水タンク132にて回収された凝縮水を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いている。ここで、メタンなどの原料ガス中に窒素が含まれる場合、改質部119での改質用触媒として用いられるニッケル触媒やルテニウム触媒は窒素に対して高活性であるため、水素を含む改質ガス中にアンモニアが発生してしまう。そのため、燃料電池システム100では、凝縮水中に溶解したアンモニアの処理のため、水処理装置138の負担が増加してしまう。そのため、イオン交換樹脂を積み増すことによるイニシャルコストアップやイオン交換樹脂の交換期間の短縮によるメンテナンスコストアップ、イオン交換樹脂の電気的な再生によるシステムの発電効率の低下という問題が生じてしまう。
一方、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池を複数備えることにより、燃料利用率を高めることにより、発電効率を向上させたシステムである。さらに、本発明に係る燃料電池システムは、アンモニアの少ない凝縮水のみを用いて外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることで、水処理装置の負担を軽減させたものである。以下、本発明の燃料電池システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。
〔燃料電池システム〕
本発明に係る燃料電池システムは、原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質部及び燃焼反応により前記改質部を加熱する燃焼部を有する改質器と、前記改質部から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の燃料電池と、N個の前記燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、より上流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を除去し、水蒸気が除去されたオフガスをより下流の前記燃料電池に供給する水蒸気除去手段と、最も下流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを前記燃焼部に供給するオフガス経路と、最も下流の前記燃料電池での発電により生じた水蒸気及び前記オフガス供給経路を通じて前記燃焼部に供給された未反応の前記改質ガスの燃焼反応により生じた水蒸気を凝縮させて回収する水蒸気回収手段と、前記水蒸気回収手段にて回収された凝縮水を処理して不純物を除去する水処理装置と、を備え、前記水処理装置により処理された前記凝縮水を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、最も下流の前記燃料電池を除くN−1個の前記燃料電池の合計での燃料利用率をUf(N−1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(1)を満たす。
f(N−1)<m/(m+2n)・・・・(1)
本発明に係る燃料電池システムでは、隣り合う2つの前記燃料電池の間に水蒸気除去手段がそれぞれ設けられており、より上流の燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去する構成となっている。そのため、原料ガスに窒素が含まれている場合であっても、水蒸気除去手段にて水蒸気を凝縮させて除去する際に、水蒸気改質反応の副生成物として生成したアンモニアも除去される。そのため、水蒸気回収手段にて回収された凝縮水中におけるアンモニア濃度が低減される。したがって、凝縮水を処理するときの水処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本発明に係る燃料電池システムでは、式(1)を満たすように、Uf(N−1)を調整することにより、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることができる。以下、その理由について説明する。
まず、C(n、mはともに正の実数)で表される炭化水素ガスを水蒸気改質して一酸化炭素及び水蒸気を生成するときの反応式は以下の式(x)で表される。
+nHO→nCO+(m/2+n)H・・・・(x)
式(x)で表されるように、1モルの炭化水素ガスを供給する場合、化学量論的に必要な水蒸気のモル数はnモルであり、このとき、発生する水素のモル数は(m/2+n)モルとなる。また、燃料電池での反応において、1モルの水素が反応した場合、1モルの水蒸気が発生したこととなる。
ここで、N個の燃料電池を有する燃料電池システム、すなわちN段の多段式燃料電池システムにおいて、最も下流の燃料電池を除くN−1個の燃料電池の合計での燃料利用率をUf(N−1)とし、このN−1個の燃料電池で生成する水蒸気は全て水蒸気除去手段にて除去されたとする。このとき、炭化水素ガスを1モル供給した場合に、このN−1個の燃料電池で生成する水蒸気のモル数、すなわち、水蒸気除去手段にて除去される水蒸気のモル数は、(m/2+n)Uf(N−1)モルである。一方、燃焼部から排出され、水蒸気回収手段に回収される水蒸気のモル数は、(m/2+n)(1−Uf(N−1))モルである。
式(x)で表されるように、1モルの炭化水素ガスを供給する場合に必要な水蒸気のモル数はnモルであるため、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、以下の式(1)’を満たす必要がある。
(m/2+n)(1−Uf(N−1))>n・・・・(1)’
この式(1)’を整理することにより、前述の式(1)となる。したがって、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させるためには、前述の式(1)を満たせばよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、N個の燃料電池を直列に接続しており、最も下流の燃料電池の発電により生じた水蒸気及び燃焼部での燃焼反応により生じた水蒸気を水蒸気回収手段にて凝縮させて回収している。そして、水蒸気回収手段にて回収された凝縮水を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いている。そのため、式(1)を満たした上で最も下流の燃料電池の燃料利用率を高めることにより、水自立に必要な量の水蒸気を水蒸気回収手段に供給することができるとともに、システム全体の燃料利用率を高めて発電効率を高く維持することができる。また、本発明に係る燃料電池システムでは、定格発電時だけでなく、起動時においても前述の式(1)を満たすことが好ましい。
本発明に係る燃料電池システムは、水蒸気除去手段に供給されるオフガスと、前記水蒸気除去手段から排出されたオフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備えていることが好ましい。これにより、水蒸気除去手段に供給されるオフガスが冷却され、水蒸気が凝縮される温度に近づくとともに、水蒸気除去手段から排出され、燃料電池に供給されるオフガスが発電に適した温度に加熱される。よって、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。
本発明に係る燃料電池システムでは、N個の燃料電池を直列に接続しているが、Nは2以上の整数であれば特に限定されず、後述する本発明の一実施形態のようにNは2であってもよく、Nは3以上であってもよい。
例えば、燃料電池システムにて3個(N=3)の燃料電池が直列に接続されている場合に、3個の燃料電池を上流から順に第1燃料電池、第2燃料電池、第3燃料電池とする。このとき、第1燃料電池と第2燃料電池との間及び第2燃料電池と第3燃料電池との間に水蒸気除去手段がそれぞれ配置されることなり、第1燃料電池及び第2燃料電池での発電にて発生した水蒸気は、水蒸気除去手段により除去され、第3燃料電池での発電にて発生した水蒸気は、燃焼部での燃焼反応により生じた水蒸気とともに水蒸気回収手段にて凝縮されて回収され、凝縮水は炭化水素ガスの水蒸気改質に用いられることになる。
以下、本発明の一実施形態に係る燃料電池システム10について説明する。図1は、本実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、本燃料電池システムでは2個の燃料電池が直列に接続されている。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システム10は、改質部19及び燃焼部18を有する改質器14と、第1燃料電池11と、水蒸気除去手段である水タンク31と、第2燃料電池12と、オフガス経路46と、水蒸気回収手段である水タンク32と、水処理装置38と、を備える。さらに、燃料電池システム10は、水タンク32にて回収された凝縮水を、炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、第1燃料電池11の燃料利用率をUf(1)とし、炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(2)を満たすシステムである。
f(1)<m/(m+2n)・・・・(2)
本実施形態に係る燃料電池システム10では、第1燃料電池11と第2燃料電池12との間に水タンク31が設けられており、第1燃料電池11から排出された未反応の改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去する構成となっている。そのため、原料ガスに窒素が含まれている場合であっても、水タンク31にて水蒸気を凝縮させて除去する際に、水蒸気改質反応の副生成物として生成したアンモニアも除去される。そのため、水タンク31にて回収された凝縮水中におけるアンモニア濃度が低減される。したがって、凝縮水を処理するときの水処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム10では、式(2)を満たすように、U(1)を調整することにより、外部からの改質水供給が不要となる水自立を成立させることができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム10では、第2燃料電池12の発電により生じた水蒸気及び燃焼部18での燃焼反応により生じた水蒸気を水タンク32にて凝縮させて回収し、回収された凝縮水を炭化水素ガスの水蒸気改質に用いている。そのため、式(2)を満たした上で第2燃料電池12の燃料利用率を高めることにより、水自立に必要な量の水蒸気を水タンク32に供給することができるとともに、システム全体の燃料利用率を高めて発電効率を高く維持することができる。
以下、本実施形態に係る燃料電池システム10の各構成について説明する。
(原料ガス供給経路)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、炭化水素ガスを含む原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24を備えており、原料ガス供給経路24は、原料ガスを流通させるためのブロワ25が設置されている。
原料ガス供給経路24内を流通する原料ガスとしては、水蒸気改質が可能な炭化水素ガスを含むものであれば特に限定されず、例えば、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、特にメタンが好ましい。なお、炭化水素ガスとしては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよい。
原料ガス供給経路24は、後述する水蒸気供給経路37と接続しており、水蒸気供給経路37内を流通する水蒸気が原料ガス供給経路24に供給される。そして、水蒸気供給経路37より供給された水蒸気は、原料ガスとともに改質器14に供給される。なお、原料ガス供給経路24は、経路内での水蒸気の凝縮を防ぐ観点から、水蒸気供給経路37と接続されずに水蒸気が水蒸気供給経路37を通じて改質器14に直接供給される構成であってもよい。
(改質器)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、原料ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器14を備えている。改質器14は、例えば、バーナ又は燃焼触媒を配置した燃焼部18と、改質用触媒を備える改質部19とを備える。
改質部19は、上流側にて原料ガス供給経路24と接続しており、下流側にて改質ガス供給経路42と接続している。そのため、原料ガス供給経路24を通じてメタンなどの炭化水素ガスを含む原料ガスが改質部19に供給され、改質部19にて炭化水素ガスを水蒸気改質した後に、生成された改質ガスが改質ガス供給経路42を通じて第1燃料電池11に供給される。
燃焼部18は、上流側にて酸素供給経路44及びオフガス経路46と接続しており、下流側にて排気経路48と接続している。燃焼部18は、第2燃料電池12のカソード側から排出され、酸素供給経路44を通じて供給された未反応の酸素を含むガスと、第2燃料電池12のアノード側から排出され、オフガス経路46を通じて供給されたオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部19内の改質用触媒を加熱する。燃焼部18からの排ガスは、排気経路48内を流通する。
改質部19で起こる水蒸気改質は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、そのため、燃焼部18で発生する燃焼熱により改質部19を加熱することが好ましい。
炭化水素ガスの一例であるメタンを水蒸気改質させた場合、改質部19にて、以下の式(a)の反応により一酸化炭素および水素が生成される。
CH+HO→CO+3H・・・・(a)
改質部19内に設置される改質用触媒としては、水蒸気改質反応の触媒となるものであれば特に限定されないが、Ni,Rh,Ru,Ir,Pd,Pt,Re,Co,Fe及びMoの少なくとも一つを触媒金属として含む水蒸気改質用触媒が好ましい。
改質器14の改質部19に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、改質器14の改質部19に供給される単位時間当たりの炭化水素ガスの炭素原子数Cと、の比であるスチームカーボン比S/Cは、1.5〜3.5であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましく、2.0〜2.5であることがさらに好ましい。スチームカーボン比S/Cがこの範囲にあることにより、炭化水素ガスが効率よく水蒸気改質され、水素および一酸化炭素を含む改質ガスが生成される。さらに、燃料電池システム10内での炭素析出を抑制することができ、燃料電池システム10の信頼性を高めることができる。
また、燃焼部18は、水蒸気改質を効率よく行なう観点から、改質部19を、600℃〜800℃に加熱することが好ましく、600℃〜700℃に加熱することがより好ましい。
排気経路48内を流通する排ガスは、気化器の役割を有する熱交換器23にて、改質水供給経路33内を流通する改質水と熱交換を行なう。これにより、排気経路48内を流通する排ガスは冷却され、改質水供給経路33内を流通する改質水は気化された後に水蒸気供給経路37を通じて原料ガス供給経路24に供給される。
熱交換器23にて熱交換が行なわれた排ガスは、熱交換器22にて、酸素供給経路44内を流通する酸素を含むガスと熱交換を行なう。これにより、排ガスは冷却された後に水タンク32(凝縮器)に供給され、酸素を含むガスは加熱された後に、第1燃料電池11のカソードに供給されて発電に用いられる。
水タンク32は、排気経路48内を流通する排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた水を貯留する容器である。水タンク32では、水蒸気以外の排ガスは外部に排出される。
水タンク32は、改質水供給経路33と接続しており、改質水供給経路33には、改質水ポンプ34及び水処理装置38が設けられている。改質水ポンプ34により、水タンク32に貯留された水は改質水として、改質水供給経路33を通じて水処理装置38にて不純物が除去された後、熱交換器23に供給される。
水処理装置38は、改質水供給経路33内を流通する水に含まれる不純物を除去するための装置であり、交換や薬品による再生処理が必要なイオン交換樹脂を有する水処理装置、イオン交換樹脂を電気的に再生可能な電気脱イオン式の水処理装置などが挙げられる。
また、排気経路48内を流通する排ガスと、改質水供給経路33内を流通する改質水との間で熱交換を行なう熱交換器23の代わりに、改質部19、第1燃料電池11、第2燃料電池12の内少なくとも一つより放出される熱を利用して、改質水を気化する気化器を設けてもよい。
酸素供給経路44は、空気などの酸素を含むガスが流通する経路であり、酸素を含むガスを第1燃料電池11に送るためのブロワ26が設けられている。酸素を含むガスは熱交換器22により第1燃料電池11の作動温度に適した温度に加熱された後に第1燃料電池11のカソードに供給される。
(第1燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、改質ガス供給経路42を通じて改質器14から供給された改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池11を備えている。第1燃料電池11としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。また、第1燃料電池11としては、600℃〜800℃程度で作動する高温型の燃料電池、例えば、700℃〜800℃程度で作動する固体酸化物形燃料電池、600℃〜700℃程度で作動する溶融炭酸塩形燃料電池が挙げられる。
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、酸素供給経路44を通じて酸素を含むガスが供給される。酸素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(b)に示す反応が起こり、その際、酸素イオンが固体酸化物電解質(図示せず)の内部を移動する。
+4e→2O2−・・・・(b)
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス供給経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。固体酸化物電解質の内部を移動する酸素イオンからアノードと固体酸化物電解質と、の界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(c)に示す反応が起こる。
+O2−→HO+2e・・・・(c)
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、酸素供給経路44を通じて酸素及び二酸化炭素を含むガスが供給される。酸素及び二酸化炭素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(d)に示す反応が起こり、その際、炭酸イオンが電解質(図示せず)の内部を移動する。
+2CO+4e→2CO 2−・・・・(d)
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス供給経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。電解質の内部を移動する炭酸イオンからアノードと電解質と、の界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(e)に示す反応が起こる。
+CO 2−→HO+CO+2e・・・・(e)
上記式(c)及び式(e)に示すように、第1燃料電池11での改質ガスの電気化学的な反応により、固体酸化物形燃料電池では主に水蒸気が生成され、溶融炭酸塩形燃料電池では主に水蒸気及び二酸化炭素が生成される。また、アノードで生成された電子は、外部回路を通じてカソードに移動する。このようにして電子がアノードからカソードに移動することにより、第1燃料電池11にて発電が行なわれる。なお、固体酸化物形燃料電池であっても、一部の一酸化炭素が発電に用いられることで、二酸化炭素が生成される。
カソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の酸素供給経路44を通じて、第2燃料電池12のカソード(図示せず)に供給される。
一方、アノードから排出された未反応の改質ガスを含むオフガスは、オフガス経路52を通じて水タンク31へ供給される。ここで、未反応の改質ガスを含むオフガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気などを含む混合ガスである。
オフガス経路52及びオフガス経路54には熱交換器21が設置されており、熱交換器21により、オフガス経路52内を流通するオフガスと、オフガス経路54内を流通する水蒸気が除去されたオフガスと、の間で熱交換を行なう。これにより、オフガス経路52内を流通するオフガスは冷却され、水タンク31にて水蒸気が凝縮される温度に近づくとともに、第2燃料電池に供給される水蒸気が除去されたオフガスは、発電に適した温度に加熱される。よって、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。熱交換器21により冷却されたオフガスは、水タンク31に供給される。
水タンク31は、オフガス経路52内を流通するオフガス中に含まれる水蒸気を凝縮して得られた水を貯留することで、オフガス中に含まれる水蒸気を除去するための容器である。水タンク31では、水蒸気が除去されたオフガスはオフガス経路54に排出され、所定量以上の水が貯留された際には、例えばオーバーフローによりドレン排水される。また、水蒸気除去の方法としては、水タンク31を用いているが、これに限定されず、オフガス中の水蒸気を少なくとも分離する水蒸気分離膜を用いてもよく、水タンク31と水蒸気分離膜とを組み合わせてもよい。
水蒸気を除去した後のオフガスは、水タンク31からオフガス経路54内を流通し、第2燃料電池12へ供給される。このとき、前述のように、オフガス経路52及びオフガス経路54に設置された熱交換器21により、オフガス経路54内を流通する水蒸気除去後のオフガスは、第2燃料電池12の作動温度に適した温度に加熱される。
(第2燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、水タンク31の下流に配置され、水蒸気が除去されたオフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池12を備えている。第2燃料電池12としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。なお、第2燃料電池12は、上述の第1燃料電池11と同様の構成であるため、共通する事項に関する説明は省略する。
燃料電池システム10では、第2燃料電池12は、水蒸気が除去されたオフガスを用いて発電を行なう。そのため、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の水蒸気に起因する濃度過電圧が低減され、特に高電流密度時に高い性能を発揮することができる。よって、燃料電池システム10は、後段の燃料電池にて水蒸気が分離されていないオフガスを用いて発電を行なう多段式の燃料電池システムと比較して、高い発電効率を得ることができる。
第2燃料電池12のカソードから排出されたオフガスは、下流側の酸素供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。一方、第2燃料電池12のアノードから排出されたオフガスは、オフガス経路46を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。
本実施形態では、酸素供給経路44が直列となっているため、第1燃料電池11に酸素を供給した後、第2燃料電池12に酸素が供給されるが、酸素供給経路44は並列であってもよい。つまり、酸素が流通する酸素供給経路44が分岐し、第1燃料電池11及び第2燃料電池12のカソードに酸素をそれぞれ供給する構成であってもよい。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、第1燃料電池11と第2燃料電池12との間に、第1燃料電池11のアノードから排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素分離手段を設けてもよい。これにより、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の水蒸気及び二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減される。よって、燃料電池システム10は、より高い発電効率を得ることができる。二酸化炭素分離手段としては、オフガスに含まれる二酸化炭素を分離できるものであれば特に限定されず、分離膜、吸収材、吸着材などが挙げられる。
本発明は、前述の実施形態に限定されず、例えば、熱交換器の設置位置、組み合わせなどはこの実施形態に限定されない。また、ガス、水などの各種流体の加熱及び冷却には熱交換器以外の手段を用いてもよい。
[実施の一例]
以下、本発明の燃料電池システムの実施の一例について説明する。炭化水素ガスをとしてメタン(CH)を用いた場合、前述の式(1)より、最も下流の燃料電池を除くN−1個の燃料電池の合計での燃料利用率Uf(N−1)を2/3未満にすることで、外部からの改質水供給が不要となる水自立が成立する。
さらに、N個の燃料電池を含む燃料電池システムでは、燃料利用率Uf(N−1)を水自立可能な65%としても、最も下流の燃料電池を一般的なスタックで許容可能な80%とすることで、全体の燃料利用率は、0.65+(1−0.65)×0.8=0.93となり、燃料電池システム全体で93%という高い燃料利用率を実現することができる。したがって、式(1)を満たした上で最も下流の燃料電池の燃料利用率を高めることにより、水自立に必要な量の水蒸気を水蒸気回収手段に供給することができるとともに、システム全体の燃料利用率を高めて発電効率を高く維持することができる。
例えば、最も下流の燃料電池の燃料利用率をU’f(N)としたとき、水自立を成立させるとともに燃料電池システム全体での燃料利用率を高める点から、最も下流の燃料電池を除くN−1個の燃料電池の合計での燃料利用率Uf(N−1)よりも最も下流の燃料電池の燃料利用率U’f(N)が大きい、すなわち、Uf(N−1)<U’f(N)を満たすことが好ましい。さらに、Uf(N−1)及びU’f(N)は以下の式(3)を満たすことがより好ましい。
f(N−1)<U’f(N)≦Uf(N−1)+0.2・・・・(3)
さらに、最も下流の燃料電池の燃料利用率U’f(N)は、2/3以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましい。なお、燃料利用率U’f(N)の上限は、特に限定されず、例えば、U’f(N)は0.9以下であってもよい。
また、炭化水素ガスをとしてメタンを用いた場合、最も下流の燃料電池を除くN−1個の燃料電池の合計での燃料利用率Uf(N−1)を、0.5以上2/3未満とすることが好ましく、0.6以上2/3未満とすることがより好ましい。さらに、最も下流の燃料電池の燃料利用率U’f(N)を、2/3以上とすることが好ましく、0.7以上とすることがより好ましい。なお、燃料利用率U’f(N)の上限は、特に限定されず、例えば、U’f(N)は0.9以下であってもよい。
10、100…燃料電池システム、11、111…第1燃料電池、12…第2燃料電池、114、14…改質器、18、118…燃焼部、19、119…改質部、21、22、23、122、123…熱交換器、24、124…原料ガス供給経路、25、26、125、126…ブロワ、31、32、132…水タンク、33、133…改質水供給経路、34、134…改質水ポンプ、37、137…水蒸気供給経路、38、138…水処理装置、42、142…改質ガス供給経路、44、144…酸素供給経路、46、52、54、146…オフガス経路、48、148…排気経路

Claims (5)

  1. 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質部及び燃焼反応により前記改質部を加熱する燃焼部を有する改質器と、
    前記改質部から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の燃料電池と、
    N個の前記燃料電池のうち、隣り合う2つの前記燃料電池の間にそれぞれ設けられ、より上流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去し、水蒸気が除去されたオフガスをより下流の前記燃料電池に供給する水蒸気除去手段と、
    最も下流の前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを前記燃焼部に供給するオフガス経路と、
    最も下流の前記燃料電池での発電により生じた水蒸気及び前記オフガス経路を通じて前記燃焼部に供給された未反応の前記改質ガスの燃焼反応により生じた水蒸気を凝縮させて回収する水蒸気回収手段と、
    前記水蒸気回収手段にて回収された凝縮水を処理して不純物を除去する水処理装置と、
    を備え、
    前記水処理装置により処理された前記凝縮水を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、
    最も下流の前記燃料電池を除くN−1個の前記燃料電池の合計での燃料利用率をUf(N−1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(1)を満たす燃料電池システム。
    f(N−1)<m/(m+2n)・・・・(1)
  2. 原料ガスに含まれる炭化水素ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する改質部及び燃焼反応により前記改質部を加熱する燃焼部を有する改質器と、
    前記改質部から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池と、
    前記第1燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガス中の水蒸気を凝縮させて除去する水蒸気除去手段と、
    前記水蒸気除去手段の下流に配置され、水蒸気が除去されたオフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池と、
    前記第2燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを前記燃焼部に供給するオフガス経路と、
    前記第2燃料電池での発電により生じた水蒸気及び前記オフガス経路を通じて前記燃焼部に供給された未反応の前記改質ガスの燃焼反応により生じた水蒸気を凝縮させて回収する水蒸気回収手段と、
    前記水蒸気回収手段にて回収された凝縮水を処理して不純物を除去する水処理装置と、
    を備え、
    前記水処理装置により処理された前記凝縮水を前記炭化水素ガスの水蒸気改質に用い、
    前記第1燃料電池の燃料利用率をUf(1)とし、前記炭化水素ガスをC(n、mはともに正の実数)とするとき、以下の式(2)を満たす燃料電池システム。
    f(1)<m/(m+2n)・・・・(2)
  3. 最も下流の燃料電池の燃料利用率をU’ f(N) としたとき、U f(N−1) <U’ f(N) を満たす請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第2燃料電池の燃料利用率は、前記第1燃料電池の燃料利用率よりも大きい請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記水蒸気除去手段に供給される前記オフガスと、前記水蒸気除去手段から排出された前記オフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備える請求項1請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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