以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.回路装置の回路構成
図1に本実施形態の回路装置の回路構成例を示す。図1に示すように、回路装置は、端子TQと、端子TQの保護ダイオードDID1、DID2と、静電気保護回路PCと、内部回路DQCを有する。
端子TQは、回路装置の内部回路DQCの出力端子であり、この端子TQは回路装置(IC)の例えばパッドである。即ち、内部回路DQCは、P型のトランジスターTD1とN型のトランジスターTD2を有し、例えば、その出力ノードNQに信号SQを出力する。
また回路装置には、第1の電源電圧VB1用の端子TVB1と、第2の電源電圧VB2用の端子TVB2が設けられている。端子TVB1、TVB2には、VB1、VB2の供給用の電源線PL1、PL2が接続されている。第1の電源電圧VB1は例えば高電位側の電源電圧であり、第2の電源電圧VB2は例えば低電位側の電源電圧である。
端子TQには、静電気保護用の保護ダイオードが設けられている。具体的には保護ダイオードとして第1の保護ダイオードDID1と第2の保護ダイオードDID2が設けられている。
ここで第1の保護ダイオードDID1は、端子TQ(ノードNQ)と第1の電源電圧VB1の電源線PL1(ノードN1)との間に設けられ、端子TQから電源線PL1へと向かう方向を順方向とするダイオードである。第2の保護ダイオードDID2は、端子TQと第2の電源電圧VB2の電源線PL2(ノードN2)との間に設けられ、電源線PL2から端子TQへと向かう方向を順方向とするダイオードである。なお、保護ダイオードとしては、第1、第2の保護ダイオードDID1、DID2の少なくとも一方が設けられればよく、第1、第2の保護ダイオードDID1、DID2の例えば一方を、トランジスター等を用いた他の放電素子に置き換えることも可能である。
静電気保護回路PCは、VB1、VB2の電源間に設けられる電源間保護回路である。この静電気保護回路PCはサイリスターSCRとトリガー回路TRGを有する。
サイリスターSCRは、第1の電源電圧VB1の電源線PL1(ノードN1)と第2の電源電圧VB2の電源線PL2(ノードN2)との間に設けられる。このサイリスターSCRは、静電気印加時における電流の放電回路として機能する。例えばESD(ElectroStatic Discharge)のサージの印加時に、サイリスターSCRにより、VB1、VB2の電源間に放電経路が形成される。サイリスターSCRは、例えばPNPNの4重構造を有する放電回路であり、例えばPNPバイポーラートランジスターとNPNバイポーラートランジスターの組み合わせにより実現される。
トリガー回路TRGは、静電気印加時にサイリスターSCRをオンさせる回路である。例えばESDサージの印加時に、トリガー回路TRGの回路動作により、サイリスターSCRがオン状態になって、VB1、VB2の電源間に放電経路が形成される。これにより、ESDサージによる電流を放電できる。
図2(A)は、保護ダイオードDID1、DID2及び静電気保護回路PCが設けられた図1の回路装置において、端子TQに正のESDサージが印加された場合の放電経路図である。ESDのサージ電流IESDは、保護ダイオードDID1、VB1の電源線PL1の寄生抵抗RD1、静電気保護回路PC、VB2の電源線PL2の寄生抵抗RD2を経路して、放電する。
この放電動作においては、回路装置の内部回路DQCを構成するN型のトランジスターTD2のソース・ドレイン間電圧が、破壊に至る電圧VDMGよりも低ければ、静電気保護回路PCにより、内部回路DQCを保護できる。このためには、下式(1)を満たす必要がある。
VFD+VWR+VPC<VDMG (1)
ここで、VFDは、ダイオードDID1の順方向に電流が流れた時の順方向電圧である。VWRは、電源線PL1の寄生抵抗RD1にサージ電流IESDが流れた時に誘起される電圧である。VPCは、静電気保護回路PCにサージ電流IESDが流れた時に誘起される電圧である。
図2(B)は、端子TQに負のESDサージを印加した場合の放電経路図である。ESDのサージ電流IESDは、VB1の電源線PL1の寄生抵抗RD1、静電気保護回路PC、VB2の電源線PL2の寄生抵抗RD2、ダイオードDID2を経路して、放電する。
この放電動作においては、内部回路DQCを構成するP型のトランジスターTD1のソース・ドレイン間電圧が、破壊に至る電圧VDMGよりも低ければ、静電気保護回路PCにより、内部回路DQCを保護できる。このためには、下式(2)を満たす必要がある。
VFD+VWR+VPC<VDMG (2)
ここで、VFDは、ダイオードDID2の順方向に電流が流れた時の順方向電圧である。VWRは、電源配線の寄生抵抗RD2にサージ電流IESDが流れた時に誘起される電圧である。VPCは、静電気保護回路PCにサージ電流IESDが流れた時に誘起される電圧である。
図3に静電気保護回路PCのトリガー回路TRG、サイリスターSCRの詳細な構成例を示す。
トリガー回路TRGは、静電気印加時にサイリスターSCRの放電をオンにする回路であり、トリガートランジスターTBと抵抗素子RBとキャパシターCBを含む。抵抗素子RBは、第1の電源電圧VB1の電源線PL1(ノードN1)とトリガートランジスターTBのゲート(ノードNB1)との間に設けられる。キャパシターCBは、トリガートランジスターTBのゲートと第2の電源電圧VB2の電源線PL2(ノードN2)との間に設けられる。即ち、抵抗RB、キャパシターCBは、電源線PL1、PL2の間に直列接続される。これらの抵抗RB、キャパシターCBにより、CRの時定数回路が構成される。
トランジスターTBは、例えばP型(広義には第1導電型)のトランジスターであり、ノードNA1とVB2の電源線PL2の間に設けられる。例えばトランジスターTBのソースがノードNA1に接続され、ドレインが電源線PL2に接続される。またゲートは、抵抗RBとキャパシターCBの接続ノードNB1に接続される。
なおトリガー回路TRGの構成は図3に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えばトランジスターTBとしてN型(広義には第2導電型)のトランジスターを用いてもよい。例えばノードNB1が入力ノードとなるインバーターを設け、このインバーターの出力をN型のトランジスターのゲートに入力してもよい。また抵抗RBとキャパシターCBの接続構成(接続順序)を変えたり、抵抗RB、キャパシターCB以外の回路素子を用いてトリガー回路TRGの時定数回路を実現してもよい。
サイリスターSCRは、PNPのバイポーラートランジスターBP1とNPNのバイポーラートランジスターBP2を含む。また抵抗RA1、RA2を含むことができる。抵抗RA1、RA2はバイポーラートランジスターBP1、BP2のベース抵抗になる。
PNPのバイポーラートランジスターBP1では、エミッター側(電源線PL1)からコレクター側(ノードNA2)に電流が流れる。NPNのバイポーラートランジスターBP2では、コレクター側(ノードNA1)からエミッター側(電源線PL2)に電流が流れる。
PNPのバイポーラートランジスターBP1(広義には第1のバイポーラートランジスター)は、エミッターが、VB1の電源線PL1に接続される。
NPNのバイポーラートランジスターBP2(広義には第2のバイポーラートランジスター)は、コレクターが、PNPバイポーラートランジスターBP1のベースに接続され、ベースが、BP1のコレクターに接続される。またエミッターが、VB2の電源線PL2に接続される。
即ち、PNPのバイポーラートランジスターBP1のベースと、NPNのバイポーラートランジスターBP2のコレクターは、ノードNA1に接続される。そしてVB1の電源線PL1とノードNA1との間には、抵抗RA1が設けられる。またノードNA1は、P型のトリガートランジスターTBのソースに接続される。
またPNPのバイポーラートランジスターBP1のコレクターとNPNのバイポーラートランジスターBP2のベースは、ノードNA2に接続される。そしてノードNA2とVB2の電源線PL2との間は、抵抗RA2が設けられる。
なお、サイリスターSCRの構成は図3に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えばバイポーラートランジスターBP1、BP2の極性(PNP、NPN)を変更したり、バイポーラートランジスターや抵抗以外の回路素子を設けるなどの種々の変形実施が可能である。
また図3においてダイオードDPは、VB2の電源線PL2からVB1の電源線PL1へと向かう方向を順方向とするダイオードであり、電源線PL2からPL1へと向かう方向の放電経路において、放電素子となる回路素子である。
図3の動作について説明する。ESDサージが印加されると、ESDサージによる電荷は、トリガー回路TRGの抵抗RBを経由してキャパシターCBに充電される。ここで、抵抗RBの抵抗値とキャパシターCBの容量値とにより定まるCRの時定数の値は十分に大きい。従って、ESDサージの印加後、この時定数が経過するまでの間は、抵抗RBとキャパシターCBの接続ノードNB1の電位は、Lレベル(ローレベル)に維持される。これによりP型のトリガートランジスターTBがオン状態になる。
トリガートランジスターTBがオン状態になると、抵抗RA1に電流が流れることで、バイポーラートランジスターBP1のベースノードであるノードNA1の電位が上昇する。これによりバイポーラートランジスターBP1がオン状態になる。
バイポーラートランジスターBP1がオン状態になると、BP1のコレクターから抵抗RA2に電流が流れることで、バイポーラートランジスターBP2のベースノードであるノードNA2の電位が上昇する。これによりバイポーラートランジスターBP2がオン状態になる。
以上のようにして、バイポーラートランジスターBP1、BP2が共にオン状態になるというサイリスターSCRのオン状態が実現される。これにより、図2(A)、図2(B)に示すように、静電気保護回路PCによるESDサージの電流の放電が可能になり、内部回路DQC等が破壊されてしまうのを抑制できるようになる。なお、電源電圧VB1、VB2が供給される通常動作時には、抵抗RBがプルアップ抵抗になって、ノードNB1の電位がVB1の電圧レベルになることで、トリガートランジスターTBはオフ状態になる。
2.ラッチアップ
以上のように本実施形態では、静電気保護回路及び保護ダイオードを設けることで、ESDサージにより、回路装置の内部回路が破壊されてしまうのを抑制している。
しかしながら、このような静電気保護回路、保護ダイオードを設けた場合に、これらの静電気保護回路、保護ダイオード等が原因となって、ラッチアップ現象が発生してしまうおそれがあることが判明した。具体的には、静電気保護回路のサイリスターが、回路装置の端子(パッド)の保護ダイオードと近い距離に配置されると、保護ダイオードとサイリスターとの間で、ラッチアップ電流の経路が形成されて、ラッチアップが発生してしまう。
図4に、保護ダイオードDID(DID1、DID2)、サイリスターSCR、トリガー回路TRGの比較例の配置構成を示す。なお、以下では、第1の方向D1に交差(直交)する方向を第2の方向D2とし、第1の方向D1の反対方向を第3の方向D3とし、第2の方向D2の反対方向を第4の方向D4とする。例えば図4では、第1、第2、第3、第4の方向D1、D2、D3、D4は、各々、右方向、上方向、左方向、下方向となっている。
図4の比較例では、トリガー回路TRGとサイリスターSCRは第1の方向D1に沿って配置される。そしてサイリスターSCRは、第1の方向D1に交差(直交)する第2の方向D2において、保護ダイオードDID(DID1、DID2)から近い位置に配置されている。例えばサイリスターSCRと、トリガー回路TRGを構成する回路素子(例えばキャパシター、トリガートランジスター等)は、保護ダイオードDIDから同じ距離の位置に配置されている。例えば図4において、LDSを、保護ダイオードDIDとサイリスターSCRの間の距離とした場合に、距離LDSが短くなっている。またLDTを、保護ダイオードDIDとトリガー回路TRGの回路素子との間の距離とした場合に、例えばLDS=LDTとなっている。
このように端子TQの保護ダイオードDIDから近い距離にサイリスターSCRが配置されると、保護ダイオードDIDとサイリスターSCRとの間で、ラッチアップ電流の経路が形成されて、ラッチアップが発生してしまう。図5、図6は、図4の比較例で発生するラッチアップ現象について説明する図である。
例えば図5において、端子TQに対して、VB2を基準に負の電圧(負電圧パルス)を印加する。例えばVB2=−14Vとした場合に、ラッチアップ試験においては、端子TQに対して、−14.1V、−14.2V、−14.3V・・・というように段階的に絶対値が大きくなる負の電圧を印加する。そして、規格電流値(例えば100mA、200mA)以上の電流が流れたか否かを判断することで、ラッチアップ試験の合否を判定する。
そして図5では、N型の不純物領域(拡散領域。以下、同様)NDF3とP型の基板PSUB(或いはP型ウェルPWL)との接合面により、端子TQの保護ダイオードDID2が形成されている。図1に示すように、この保護ダイオードDID2は、端子TQとVB2の電源線PL2と間に設けられ、PL2からTQへと向かう方向を順方向とするダイオードである。
また、N型のウェルNWLに形成されたP型の不純物領域PDF1、N型の不純物領域NDF1が、各々、PNPのバイポーラートランジスターBP1のエミッター、ベースになる。また、P型の不純物領域PDF2(PSUB)が、PNPのバイポーラートランジスターBP1のコレクターとなる。また、N型の不純物領域NDF2、P型の不純物領域PDF2(PSUB)が、各々、NPNのバイポーラートランジスターBP2のエミッター、ベースになる。またN型の不純物領域NDF1(NWL)が、NPNのバイポーラートランジスターBP2のコレクターになる。図3で説明したように、これらのバイポーラートランジスターBP1、BP2により、静電気保護回路PCのサイリスターSCRが構成される。
そして図5では、端子TQの保護ダイオードDID2とサイリスターSCRの距離LBが近くなっている。従って、端子TQへの負電圧(VB2を基準として負となる電圧)の印加により、保護ダイオードDID2に順方向の電流が流れ、VB2が供給されるP型の不純物領域PDF3をベースとする寄生のバイポーラートランジスターBD1がオン状態になると、抵抗RA1等に大きな電流が流れてしまう。これにより、バイポーラートランジスターBP1のベース電位が上昇して、BP1がオン状態になり、バイポーラートランジスターBP2もオン状態になることで、サイリスターSCRがオン状態になる。この結果、規格電流値を越えるラッチアップ電流が流れてしまうラッチアップが発生する。
一方、図6では、端子TQに対して、VB1を基準に正の電圧(正電圧パルス)を印加する。例えばVB1=9Vとした場合に、ラッチアップ試験においては、端子TQに対して、9.1V、9.2V、9.3V・・・というように段階的に絶対値が大きくなる正の電圧を印加する。そして、規格電流値以上の電流が流れたか否かを判断することで、ラッチアップ試験の合否を判定する。
そして図6では、P型の不純物領域PDF4とN型のウェルNWLとの接合面により、端子TQの保護ダイオードDID1が形成されている。図1に示すように、この保護ダイオードDID1は、端子TQとVB1の電源線PL1と間に設けられ、TQからPL1へと向かう方向を順方向とするダイオードである。
そして図6では、端子TQの保護ダイオードDID1とサイリスターSCRの距離LAが近くなっている。従って、端子TQへの正電圧(VB1を基準として正となる電圧)の印加により、保護ダイオードDID1に順方向の電流が流れ、VB1が供給されるN型の不純物領域NDF4をベースとする寄生のバイポーラートランジスターBD2がオン状態になると、抵抗RA2等に大きな電流が流れてしまう。これにより、バイポーラートランジスターBP2のベース電位が上昇して、BP2がオン状態になり、バイポーラートランジスターBP1もオン状態になることで、サイリスターSCRがオン状態になる。この結果、規格電流値を越えるラッチアップ電流が流れてしまうラッチアップが発生する。
このように図4の比較例の配置構成では、サイリスターSCRが保護ダイオードDID(DID1、DID2)から近い距離に配置されている。このため、端子TQの電圧が、高電位側の電源電圧VB1よりも高くなったり、低電位側の電源電圧VB2よりも低くなった場合に、保護ダイオードDIDの注入電流により、ラッチアップが発生してしまうという課題があった。即ち静電気保護のために設けられたサイリスターSCRや保護ダイオードDIDが原因となって、ラッチアップが発生してしまう。
3.回路装置の配置構成
図7に、以上の課題を解決する本実施形態の回路装置の配置構成例を示す。本実施形態の回路装置は図1で説明したように、端子TQと、端子TQの保護ダイオードDID(DID1、DID2)と、静電気保護回路PCを含む。また静電気保護回路PCは、VB1の電源線PL1とVB2の電源線PL2との間に設けられるサイリスターSCRと、静電気印加時にサイリスターSCRをオンさせるトリガー回路TRGを有する。
そして図7に示すように本実施形態では、トリガー回路TRGとサイリスターSCRは第1の方向D1に沿って配置される。この第1の方向D1は、例えば、後述するように回路装置の長手方向に沿った方向である。そして、この第1の方向D1に交差(直交)する方向を第2の方向D2とした場合に、サイリスターSCRは、第2の方向D2において、保護ダイオードDID(DID1及びDID2の少なくとも一方。以下、同様)から遠い位置に配置される。具体的には、サイリスターSCRは、第2の方向D2において、トリガー回路TRGを構成する回路素子に比べて、保護ダイオードDIDから遠い位置に配置される。トリガー回路TRGを構成する回路素子は、例えば図3に示すように、時定数回路を構成する回路素子であるキャパシターCB等や、トリガートランジスターTBなどである。
例えば図7において、LDSを、保護ダイオードDIDとサイリスターSCRの間の距離とした場合に、図7では、図4の比較例に比べて、距離LDSが長くなっている。またLDTを、保護ダイオードDIDとトリガー回路TRCの回路素子との間の距離とした場合に、LDS>LDTなっている。
ここで距離LDSは、例えば保護ダイオードDIDの位置(DIDの代表位置、中心位置或いは重心位置)と、サイリスターSCRの位置(SCRの代表位置、中心位置或いは重心位置)との間の、第2の方向D2での距離である。距離LDTは、保護ダイオードDIDの位置と、トリガー回路TRGの回路素子の位置(代表位置、中心位置或いは重心位置)との間の、第2の方向D2での距離である。例えば第1の方向をX軸、第2の方向をY軸とした場合に、第2の方向D2での距離はY座標に相当する。
例えば図3に示すように、トリガー回路TRGは、キャパシターCB(広義には時定数回路の回路素子)を有する。この場合に、図8の配置構成例では、サイリスターSCRは、第2の方向D2(Y軸)において、トリガー回路TRGのキャパシターCBに比べて、保護ダイオードDIDから遠い位置に配置される。
例えば図8において、保護ダイオードDIDが形成される領域をダイオード領域ADIDとし、サイリスターSCRが形成される領域をサイリスター領域ASCRとし、キャパシターCBが形成される領域をキャパシター領域ACBとする。また、ダイオード領域ADIDの辺を第1のダイオード辺SDとし、この第1のダイオード辺SDに対向するサイリスター領域ASCRの辺を第1のサイリスター辺SSとする。また第1のダイオード辺SDに対向するキャパシター領域ACBの辺を第1のキャパシター辺SCとする。そして第1のダイオード辺SDと第1のサイリスター辺SSとの距離(方向D2での距離)をL1とし、第1のダイオード辺SDと第1のキャパシター辺SCとの距離(方向D2で距離)をL2とする。
この場合に図8では、L1>L2の関係が成り立っている。即ち、サイリスター辺SSは、キャパシター辺SCに比べて、ダイオード辺SDから遠い距離に位置している。別の言い方をすれば、サイリスター領域ASCRは、キャパシター領域ACBに比べて、細い領域になっている。例えば、サイリスター領域ASCRは、キャパシター領域ACBに比べて、第2の方向D2での幅が狭い領域になっている。
また図9の配置構成例では、サイリスターSCRは、第2の方向D2において、トリガー回路TRGのトリガートランジスターTBに比べて、保護ダイオードDIDから遠い位置に配置される。
例えば図9において、トリガートランジスターTBが形成される領域をトランジスター領域ATBとする。また、ダイオード領域ADIDの第1のダイオード辺SDに対向するトランジスター領域ATBの辺を第1のトランジスター辺STとする。そして第1のダイオード辺SDと第1のサイリスター辺SSとの距離(方向D2での距離)をL1とし、第1のダイオード辺SDと第1のトランジスター辺STとの距離(方向D2で距離)をL3とする。
この場合に図9では、L1>L3の関係が成り立っている。即ち、サイリスター辺SSは、トランジスター辺STに比べて、ダイオード辺SDから遠い距離に位置している。別の言い方をすれば、サイリスター領域ASCRは、トランジスター領域ATBに比べて、細い領域になっている。例えば、サイリスター領域ASCRは、トランジスター領域ATBに比べて、第2の方向D2での幅が狭い領域になっている。
ここで例えばダイオード辺SD、サイリスター辺SS、キャパシター辺SC、トランジスター辺STは、各々、ダイオード領域ADID、サイリスター領域ASCR、キャパシター領域ACB、トランジスター領域ATBの辺のうち、第1の方向D1に沿った辺である。例えばダイオード辺SD、サイリスター辺SS、キャパシター辺SC、トランジスター辺STは、第1の方向D1に沿った長辺である。
例えば、サイリスター領域ASCRは、第1の方向D1に沿ったサイリスター辺SSを長辺とする形状の領域となっている。具体的にはサイリスター辺SSを長辺とする長方形(略長方形を含む。以下、同様)の領域になっている。またキャパシター領域ACBは、第1の方向D1に沿ったキャパシター辺SCを長辺とする形状の領域となっている。具体的にはキャパシター辺SCを長辺とする長方形の領域になっている。
またトランジスター領域ATBは、第1の方向D1に沿ったトランジスター辺STを長辺とする形状の領域となっている。具体的にはトランジスター辺STを長辺とする長方形の領域になっている。またダイオード領域ADIDは、第1の方向D1に沿ったダイオード辺SDを長辺とする形状の領域となっている。具体的にはダイオード辺SDを長辺とする長方形の領域になっている。
例えば回路装置は、トランジスター、ダイオード、キャパシター、抵抗素子、或いはサイリスター等の回路素子により構成される。そして回路装置の製造プロセスでは、複数のプロセス工程の各工程において、回路素子の構成要素である不純物領域(N型、P型)、ウェル領域、或いはポリシリコン層(ゲート)などが形成される。本実施形態における回路素子(トランジスター、ダイオード、キャパシター、抵抗素子、サイリスター等)の領域は、その回路素子の構成要素(不純物領域、ウェル領域、ゲート等)が形成される領域として規定できる。
例えばダイオード領域ADIDは、保護ダイオードDID(DID1、DID2)の構成要素(不純物領域、或いはウェル領域等)が形成される領域である。サイリスター領域ASCRは、サイリスターSCRの構成要素(不純物領域、或いはウェル領域等)が形成される領域である。キャパシター領域ACBは、キャパシターCBの構成要素(ポリシリコン層、不純物領域、或いはウェル領域等)が形成される領域である。トランジスター領域ATBは、トランジスターTBの構成要素(ポリシリコン層、不純物領域、或いはウェル領域等)が形成される領域である。
以上のように本実施形態のレイアウトによれば、保護ダイオードDIDとサイリスターSCRの距離を離すことができる。従って、静電気保護のために、サイリスターSCRを有する静電気保護回路や保護ダイオードDIDを回路装置に設けた場合に、保護ダイオードDIDとサイリスターSCRとの間でラッチアップ電流の経路が形成されて、ラッチアップが発生してしまうのを抑制できる。即ち、ESD耐圧の向上と、ラッチアップの発生の抑制とを、両立して実現できるようになる。
例えば本実施形態によれば、図5において保護ダイオードDID2とサイリスターSCRの距離LBを離すことができる。従って、例えばVB2に対して負となる電圧が端子TQに印加されて、保護ダイオードDID2に順方向の電流が流れた場合にも、寄生のバイポーラートランジスターBD1がオン状態になる等の事態を抑制できる。従って、抵抗RA1に電流が流れて、サイリスターSCRがオン状態になり、大電流が流れてしまうのを抑制できる。即ち、静電気保護対策のために設けたサイリスターSCRが要因となって、ラッチアップが発生してしまうのを効果的に抑制できる。
また本実施形態の手法によれば、図6において保護ダイオードDID1とサイリスターSCRの距離LAを離すことができる。従って、例えばVB1に対して正となる電圧が端子TQに印加されて、保護ダイオードDID1に順方向の電流が流れた場合にも、寄生のバイポーラートランジスターBD2がオン状態になる等の事態を抑制できる。従って、抵抗RA2に電流が流れて、サイリスターSCRがオン状態になり、大電流が流れてしまうのを抑制できる。即ち、静電気保護対策のために設けたサイリスターSCRが要因となって、ラッチアップが発生してしまうのを効果的に抑制できる。
この場合に本実施形態では、トリガー回路TRGの回路素子であるキャパシターCB、トリガートランジスターTBについては、サイリスターSCRと比較すると、保護ダイオードDIDに近い位置に配置される。従って、トリガー回路TRGの回路素子の領域(ACB、ATB等)と、保護ダイオードDIDの領域(ADID)との間に無駄な空きスペースが形成されて、レイアウト効率が低下してしまう等の事態を抑制できる。例えばトリガー回路TRGと保護ダイオードDIDを近づけてレイアウト配置できるため、無駄な空きスペースが減少し、回路装置のレイアウト面積の増加を最小限に抑えることが可能になる。
4.表示ドライバー
次に本実施形態の回路装置が表示ドライバーである場合の本実施形態の手法の適用例について説明する。
図10は、本実施形態の表示ドライバー(広義には回路装置。以下同様)の構成例である。表示ドライバーは、電源回路110と駆動回路130を含む。また表示ドライバーは、制御部160、不揮発性メモリー170、温度センサー部172、I/F部180を含むことができる。なお表示ドライバー(回路装置)の構成は図10に限定されず、その構成要素の一部(不揮発性メモリー、温度センサー部等)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
電源回路110は電源電圧を生成して供給する。例えば電源回路110は昇圧回路120や、不図示のレギュレーターを有し、これらの昇圧回路120やレギュレーターにより生成された電源電圧を表示ドライバーの各部に供給する。例えば電源回路110は駆動電源電圧を生成して駆動回路130に供給する。また内部ロジック回路用電源電圧を生成して制御部160に供給する。また電源回路110は基準電圧等も生成する。また昇圧回路120は、複数の昇圧部BC1〜BC5を含む。例えばBC1、BC2、BC3、BC4、BC5は、1次、2次、3次、4次、5次の昇圧部である。
駆動回路130は、表示パネル200(図11(A)、図23)を駆動する。具体的には電源回路110から供給された駆動電源電圧に基づいて表示パネル200のソース線等を駆動する。この駆動回路130は、例えばソースドライバー140、ゲートドライバー150や、不図示のD/A変換回路、階調電圧生成回路等を有する。なお駆動回路130にゲートドライバー150等を設けない変形実施も可能である。
ソースドライバー140は表示パネル200のソース線を駆動する。例えば画像データ(表示データ)に基づくソース電圧(データ電圧)を供給してソース線(データ線)を駆動する。ゲートドライバー150は表示パネル200のゲート線を駆動する。例えばゲート線(走査線)を順次選択するための選択電圧を供給してゲート線を駆動する。不図示の階調電圧生成回路(ガンマー回路)は複数の階調電圧(例えば256階調)を生成する。D/A変換回路は、制御部160からの画像データに基づいて、階調電圧生成回路により生成された複数の階調電圧の中から電圧を選択し、選択した電圧をソース電圧としてソースドライバー140に供給する。
制御部160は各種の制御処理を行う。例えば表示ドライバーの各部の制御や表示タイミングの制御やデータ処理の制御などを行う。この制御部160はゲートアレイ回路などのロジック回路やプロセッサー等により実現できる。
不揮発性メモリー170は、表示ドライバーの表示制御等に必要な各種の情報を記憶する。不揮発性メモリー170としては、例えば、EEPROM(OTP)、EPROMなどを用いることができる。EEPROMとしては、例えばMONOS型やフローティングゲート型のメモリーを採用できる。
温度センサー部172は温度検出を行う。例えば温度センサー部172は検出温度(環境温度)に応じた検出温度値を検出して、制御部160に出力する。
I/F(インターフェース)部180は外部デバイス(MPU、表示コントローラー等)とのインターフェース処理を行う。このI/F部180は、例えばMPUインターフェース回路(ホストインターフェース回路)やRGBインターフェース回路を含む。
また図10において、端子TQ1〜TQMは駆動回路130の駆動信号の出力端子である。具体的には、ソースドライバー140からのソース信号(データ信号)やゲートドライバー150からのゲート信号(走査信号)の出力端子である。
このように本実施形態の表示ドライバー(回路装置)は、駆動信号を出力して表示パネル200を駆動する駆動回路130を含む。そして図1の端子TQは、駆動回路130の駆動信号が出力される端子(TQ1〜TQM)である。
また端子TPWは、電源回路110用の端子である。この端子TPWとしては、電源電圧を入力したり出力するための端子や、昇圧回路120のチャージポンプ用のキャパシター(フライング・コンデンサー)を接続するための端子などがある。端子TVPP、TVDは、各々、不揮発性メモリー170用、温度センサー部172用の電源端子である。端子TIFは、I/F部180用の入力端子、出力端子、入出力端子などである。
図11(A)に示すように本実施形態の表示ドライバー100は、端子TQ1〜TQMから駆動信号(ソース信号、ゲート信号)を出力して、表示パネル200を駆動する。表示パネル200は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチ素子を用いたアクティブマトリクス方式のLCDパネル(液晶パネル)である。表示パネル200は、複数のソース線(データ線)と、複数のゲート線(走査線)と、複数の画素を有する。そして表示パネル200は、各画素領域における電気光学素子(液晶素子、EL素子等)の光学特性を変化させることで表示動作を実現する。なお表示パネル200は、パッシブ方式のLCDパネルであってもよいし、LCDパネル以外のパネル(ELパネル等)であってもよい。
図11(A)に示すように、表示ドライバー100は第1の方向D1を長辺方向とする細長のチップとなっている。そして図11(B)に示すように、駆動信号が出力される複数の端子TQ1、TQ2、TQ3、TQ4・・・は、第1の方向D1に沿って配置される。図11(B)では、第1のラインに沿って、複数の端子TQ1、TQ3・・・が配置され、第1のラインの第2の方向D2側の第2のラインに沿って、複数の端子TQ2、TQ4・・・が配置されている。
また図11(B)に示すように、複数の静電気保護回路PC1、PC2、PC3・・・も、第1の方向D1に沿って配置される。具体的には、表示ドライバー100の長辺を辺SA1とし、辺SA1に直交する短辺を辺SA2、SA3とした場合に、辺SA2から辺SA3に向かって、第1の方向D1に沿って複数の静電気保護回路PC1、PC2、PC3・・・が配置される。例えば、複数の静電気保護回路PC1、PC2、PC3・・・は、表示ドライバー100の辺SA1(表示パネル200側の辺)に沿った領域に配置される。具体的には、辺SA1と端子TQ1、TQ2、TQ3・・・との間の領域に配置される。そして各静電気保護回路PC1、PC2・・・の配置領域は、第1の方向D1を長手方向とする細長の領域になっている。
図12は、本実施形態の回路装置の詳細な配置構成例である。図12は、回路装置が図10の表示ドライバーである場合の静電気保護回路や保護ダイオードの配置構成例である。
図12に示すように、保護ダイオードDID1、DID2は、ダイオード領域ADIDに配置される。静電気保護回路のトリガー回路TRGのキャパシターCB、トリガートランジスターTBは、キャパシター領域ACB、トランジスター領域ATBに配置される。静電気保護回路のサイリスターSCRはサイリスター領域ASCRに配置される。
例えば図11(B)の静電気保護回路PC1のキャパシターCB、トリガートランジスターTBは、図12の左側のキャパシター領域ACB、トランジスター領域ATBに配置される。図11(B)の静電気保護回路PC2のキャパシターCB、トリガートランジスターTBは、図12の右側のキャパシター領域ACB、トランジスター領域ATBに配置される。静電気保護回路PC1のサイリスターSCRは、図12のサイリスター領域ASCRの左半分の領域に配置され、静電気保護回路PC2のサイリスターSCRは、サイリスター領域ASCRの右半分の領域に配置される。
また、図11(B)のTQ1、TQ2、TQ3、TQ4・・・の各端子に対しては、図1に示すように2つの保護ダイオードDID1、DID2が接続されている。そして、これらの複数の端子TQ1、TQ2、TQ3、TQ4・・・に接続される複数の保護ダイオードDID1、DID2が、図12に示すように、第1の方向D1に沿ってダイオード領域ADIDに配置される。
以上のように本実施形態では、図1の端子TQ、保護ダイオードDID1、DID2、静電気保護回路PCとして、複数の端子、複数の保護ダイオード、複数の静電気保護回路が設けられる。そして複数の端子(TQ1、TQ2、TQ3)、複数の保護ダイオード(DID1、DID2)、複数の静電気保護回路(PC1、PC2、PC3・・・)は、表示ドライバー100(回路装置)の長辺SA1の方向である第1の方向D1に沿って配置される。そして、後述する図21に示すように、複数の保護ダイオードの各保護ダイオードは、複数の端子の各端子の少なくとも一部と平面視において重なるように配置される。
そして本実施形態では、図12に示すように、トリガー回路TRG(CB、TB)とサイリスターSCRは第1の方向D1に沿って配置される。そしてサイリスターSCRは、第2の方向D2において、トリガー回路TRGを構成する回路素子に比べて、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置される。
例えばサイリスターSCRは、第2の方向D2において、トリガー回路TRGのキャパシターCBに比べて、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置される。例えばダイオード領域ADIDのダイオード辺SDと、サイリスター領域SCRのサイリスター辺SSとの距離をL1とし、ダイオード辺SDと、キャパシター領域ACBのキャパシター辺SCとの距離をL2とした場合に、L1>L2の関係が成り立つ。
また図12では、トリガートランジスターTBは、第2の方向D2において、キャパシターCBに比べて、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置される。例えばダイオード辺SDとサイリスター辺SSとの距離をL1とし、ダイオード辺SDとキャパシター辺SCとの距離をL2とし、ダイオード辺SDとトランジスター領域ATBのトランジスター辺STとの距離をL3とした場合に、L1>L3>L2の関係が成り立っている。なお、後述する図14に示すように、L1=L3であってもよい。即ち、L1≧L3>L2の関係が成り立っていればよい。
また図12では、トリガートランジスターTBは、第1の方向D1において、キャパシターCBとサイリスターSCRとの間に配置される。例えば図12の一番左側のキャパシターCBの第1の方向D1側に、トリガートランジスターTBが配置され、このトリガートランジスターTBの第1の方向D1側に、サイリスターSCRが配置される。また、このサイリスターSCRの第1の方向D1側に、トリガートランジスターTBが配置され、このトリガートランジスターTBの第1の方向D1側に、キャパシターCBが配置される。
また図12では、サイリスターSCRは、第2の方向D2において、トリガートランジスターTBに比べても、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置される。具体的には、ダイオード辺SDとサイリスター辺SSとの距離をL1とし、ダイオード辺SDとトランジスター辺STとの距離をL3とした場合に、L1>L3の関係が成り立っている。
また図12では、サイリスター領域ASCRは、第1の方向D1に沿ったサイリスター辺SSを長辺とする形状の領域となっている。キャパシター領域ACBは、第1の方向D1に沿ったキャパシター辺SCを長辺とする形状の領域となっている。トランジスター領域ATBは、第1の方向D1に沿ったトランジスター辺STを長辺とする形状の領域となっている。ダイオード領域ADIDは、第1の方向D1に沿ったダイオード辺SDを長辺とする形状の領域となっている。これらの領域は例えば長方形(略長方形)の領域である。
図13は、図4の比較例に対応する配置構成例である。図13では、図12に比べて、サイリスターSCRが保護ダイオードDID1、DID2から近い位置に配置されている。例えばダイオード辺SDと、サイリスター辺SS、キャパシター辺SC、トランジスター辺STとの距離L1、L2、L3について、L1=L2=L3の関係が成り立っている。
この図13の比較例の配置構成では、図5、図6で説明したラッチアップが容易に発生してしまう。これに対して図12の本実施形態の配置構成では、サイリスターSCRが保護ダイオードDID1、DID2から離れた位置に配置されるため、このようなラッチアップの発生を抑制できる。
図14、図15(A)、図15(B)は、本実施形態の種々の配置構成例を示す図である。
図14では、ダイオード辺SDとサイリスター辺SSとの距離L1、ダイオード辺SDとキャパシター辺SCとの距離L2、ダイオード辺SDとトランジスター辺STとの距離L3について、L1=L3>L2の関係が成り立っている。即ち、図12では、L1>L3>L2の関係が成り立っていたが、図14では、L1=L3となっている。
例えばサイリスター領域ASCR、キャパシター領域ACB、トランジスター領域ATBの第2の方向D2での幅を、各々、W1、W2、W3としたとする。
この場合に、図12では、W1<W3<W2の関係が成り立っている。即ち、このようにW1<W3<W2の関係が成り立つサイリスター領域ASCR、トランジスター領域ATB、キャパシター領域ACBを、その上辺が面一(ツライチ)になるように配置することで、L1>L3>L2の関係が成り立つようになる。
一方、図14では、W1=W3<W2の関係が成り立っている。即ち、図14では、図12に比べて、トランジスター領域ATBの第2の方向D2での幅W3が細くなっている。
図15(A)では、キャパシターCBは、第2の方向D2において、トリガートランジスターTBに比べて、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置される。即ち、図12では、トリガートランジスターTBの方が、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置されているが、図15(A)では、キャパシターCBの方が、保護ダイオードDID1、DID2から遠い位置に配置されている。
即ち、ダイオード辺SDと、サイリスター辺SS、キャパシター辺SC、トランジスター辺STとの距離L1、L2、L3について、図12ではL1>L3>L2となっているが、図15(A)では、L1>L2>L3となっている。また図15(B)では、L1=L2>L3となっている。
また図12では、保護ダイオードDID1の第2の方向D2側にダイオードDID2が配置されているが、図15(A)、図15(B)では、保護ダイオードDID2の第2の方向D2側にダイオードDID1が配置されている。即ち、図12では、保護ダイオードDID2の方が、保護ダイオードDID1よりも、キャパシターCB、トリガートランジスターTBから近い距離に配置されている。これに対して図15(A)、図15(B)では、保護ダイオードDID1の方が、保護ダイオードDID2よりも、キャパシターCB、トリガートランジスターTBから近い距離に配置されている。
例えば図16は、保護ダイオードDID2とトリガートランジスターTBの配置関係を説明する断面図である。図16では、図12に示すように、保護ダイオードDID2が、P型のトリガートランジスターTBから近い距離に配置されている。この図16の配置では、N型の不純物領域NDF3、P型の不純物領域PDF3、N型の不純物領域NDF6、P型の不純物領域PDF6等により、サイリスター(PNPN)が形成されて、ラッチアップが発生するおそれがある。例えばVB2に対して負となる電圧が端子TQに印加されて、ダイオードDID2に順方向の電流が流れると、例えばPNPのバイポーラートランジスターとNPNのバイポーラートランジスターとによりサイリスターが形成され、このサイリスターに大電流が流れるラッチアップが発生するおそれがある。
従って、このようなラッチアップの発生を抑制するためには、図12、図14に示すように、P型のトリガートランジスターTBを、保護ダイオードDID2から離れた位置に配置することが望ましい。従って、この場合には、L1>L3>L2又はL1=L3>L2の関係(即ち、L1≧L3>L2)の関係が成り立つことになる。
一方、後述する図17(A)、図17(B)に示すように、キャパシターCBをN型の不純物領域を利用したゲート容量により実現する場合には、保護ダイオードDID1とキャパシターCBとの間でラッチアップが発生するおそれもある。即ち、保護ダイオードDID1からの注入電流により、寄生のサイリスターが形成されてラッチアップが発生するおそれもある。
従って、このようなラッチアップの発生を抑制するためには、図15(A)、図15(B)に示すように、キャパシターCBを、保護ダイオードDID1から離れた位置に配置することが望ましい。従って、この場合には、L1>L2>L3又はL1=L2>L3の関係(即ち、L1≧L2>L3)の関係が成り立つことになる。
次に、キャパシターCB、トリガートランジスターTB、サイリスターSCRの詳細な配置構成例について説明する。
図17(A)、図17(B)は、キャパシターCBのレイアウト配置例である。図17(A)は平面図であり、図17(B)は、図17(A)のE1、E2での断面を模式的に示した図である。
図17(A)、図17(B)ではキャパシターCBは、N型の不純物領域を利用したゲート容量により実現されている。具体的にはキャパシターCBは、ゲートGTと、N型の不純物領域(拡散領域)NDFCと、GTとNDFCの間のゲート酸化膜とにより実現されるゲート酸化膜容量である。ゲートGT、不純物領域NDFC、N型のウェルNWLは第1の方向D1が長辺方向となる形状になっている。そしてゲートGTは、図3の抵抗RBとの接続ノードNB1に接続される。不純物領域NDFCは、N型のウェルNWL及びN型の不純物領域NDFGを介して電源電圧VB2の電源線PL2に電気的に接続される。N型の不純物領域NDFGは、ゲートGTにより実現されるキャパシター部分を囲むように形成されている。このようなN型の不純物領域を利用したゲート容量を用いることで、キャパシターCBの容量値の電圧特性として良好な特性を得ることができる。
そして図17(A)では、キャパシター領域ACBは、キャパシターCBの構成要素であるゲートGTとN型の不純物領域NDFC、NDFGとN型のウェルNWLが形成される領域とすることができる。図12では、このキャパシター領域ACBの第2の方向D2での幅W2は、サイリスター領域ASCRの幅W1やトランジスター領域ATBの幅W3よりも広くなっている。なお、キャパシターCBを、例えば2層のポリシリコンを用いた容量や、MIM(Metal Insulator Metal)などのメタル層間容量で実現することも可能である。
図18は、トリガートランジスターTBのレイアウト配置例である。トリガートランジスターTBは、ゲートGTと、P型の不純物領域(拡散領域)であるソース領域SR及びドレイン領域DRを有する。ソース領域SR及びドレイン領域DRはN型のウェルNWLに形成される。またゲートGT、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ウェルNWLは、第1の方向D1が長辺方向となる形状になっている。ゲートGT、ソース領域SR及びドレイン領域DRで実現されるトランジスター部分を囲むように、N型の不純物領域NDFGが形成されている。
そして図18では、トランジスター領域ATBは、トランジスターTBの構成要素であるゲートGTとP型の不純物領域であるソース領域SR及びドレイン領域DRとN型のウェルNWLが形成される領域とすることができる。図12では、このトランジスター領域ATBの第2の方向D2での幅W3は、サイリスター領域ASCRの幅W1よりは広いが、キャパシター領域ACBの幅W2よりは狭くなっている。
図19(A)、図19(B)は、サイリスターSCRのレイアウト配置例である。図19(A)は平面図であり、図19(B)は、図19(A)のE3、E4での断面を模式的に示した図である。
図19(A)、図19(B)では、NPNのバイポーラートランジスターBP2のベースとなるP型の不純物領域PDF2と、BP2のエミッターとなるN型の不純物領域NDF2と、PNPのバイポーラートランジスターBP1のエミッターとなるP型の不純物領域PDF1と、BP1のベースとなるN型の不純物領域NDF1が、第2の方向D2に沿って配置される。そして不純物領域PDF1、NDF1はN型のウェルNWLに形成される。また不純物領域PDF2、NDF2、PDF1、NDF1、ウェルNWLは、第1の方向D1が長辺方向となる形状となっている。このようなレイアウト配置にすることで、図5、図6に示すように、バイポーラートランジスターBP1とBP2により構成されるサイリスターSCRを実現することが可能になる。
そして図19(A)、図19(B)では、サイリスター領域ASCRは、サイリスターSCRの構成要素である不純物領域PDF2、NDF2、PDF1、NDF1とN型のウェルNWLが形成される領域とすることができる。図19(A)、図19(B)では、このサイリスター領域ASCRの第2の方向D2での幅W1は、キャパシター領域CBの幅W2及びトランジスター領域ATBの幅W3よりも、広くなっている。
図20は、静電気保護回路、保護ダイオード、端子の詳細な配置構成例である。図20に示すように、複数の端子TQ1、TQ2、TQ3、TQ4・・・が第1の方向D1に沿って配置される。具体的には、第1のラインに沿って、端子TQ1、TQ3・・・が配置され、第1のラインの第2の方向D2側の第2のラインに沿って、端子TQ2、TQ4・・・が配置される。第1、第2のラインは第1の方向D1に沿ったラインである。
これらの端子TQ1、TQ2、TQ3・・・の第4の方向D4側には、駆動回路(ADRV)が配置され、第2の方向D2側には、サイリスターSCR、トリガートランジスターTB、キャパシターCBが配置される。
サイリスターSCR、トリガートランジスターTB、キャパシターCBは第1の方向D1に沿って配置される。具体的には表示ドライバー100の長辺である辺SA1に沿って配置される。こうすることで、図11(B)に示すように、サイリスターSCR、トリガートランジスターTB、キャパシターCB等により構成される複数の静電気保護回路PC1、PC2、PC3・・・が、第1の方向D1に沿って配置されるようになる。
平面視において端子TQ1、TQ2、TQ3・・・の下方には、複数の保護ダイオードDID1、DID2が第1の方向D1に沿って配置される。平面視は、回路装置(半導体チップ)の基板に直交(交差)する方向の視線方向で、回路装置の回路形成面を見る視線である。
図21は、端子と保護ダイオードの詳細な配置関係を説明する図である。図21の保護ダイオードDID11、DID12、DID13、DID14、DID15、DID16は、図1の保護ダイオードDID1に相当する。保護ダイオードDID21、DID22、DID23、DID24、DID25、DID26は、図1の保護ダイオードDID2に相当する。
例えば端子TQ1には、保護ダイオードDID11、DID21が接続される。TQ1が図1の端子TQであり、DID11、DID21が保護ダイオードDID1、DID2である。端子TQ2には、保護ダイオードDID12、DID22が接続される。TQ2が図1の端子TQであり、DID12、DID22が保護ダイオードDID1、DID2である。同様に端子TQ3には、保護ダイオードDID13、DID23が接続され、端子TQ4には、保護ダイオードDID14、DID24が接続される。端子TQ5、TQ6も同様である。
図21から明らかなように、本実施形態では、複数の保護ダイオード(DID11、DID12、DID21、DID22、DID13、DID14・・・)の各保護ダイオードは、複数の端子(TQ1、TQ2、TQ3・・・)の各端子の少なくとも一部と平面視において重なるように配置される。即ち、保護ダイオードは平面視において端子(パッド)の下方(回路形成面から基板に向かう方向)に配置されており、端子の少なくとも一部が平面視において保護ダイオードと重なっている。このようなレイアウト配置にすることで、端子(パッド)の下方の領域を有効利用して、保護ダイオードを配置できるようになる。
図2(A)、図2(B)や上述の式(1)、(2)で説明したように、ESDのサージの印加時において、内部回路が破壊に至る電圧VDMGを低くするためには、配線の寄生抵抗RD1、RD2の抵抗値をできる限り小さくする必要がある。
そこで本実施形態では図20、図21に示すように、回路装置のパッドである端子の下方に保護ダイオードを配置している。そして図11(A)、図11(B)において、表示ドライバー100の短辺SA2からSA3に至る細長の領域に、第1の方向D1に沿って、複数の端子に接続される複数の保護ダイオードを配置する。即ち、短辺SA2からSA3に至る細長の形状のダイオード領域ADIDに複数の保護ダイオードを配置する。このようにすることで、複数の端子と複数の保護ダイオードをショートパスで接続することができるようになる。従って、図2(A)、図2(B)の寄生抵抗RD1、RD2の抵抗値を小さくでき、電圧VDMGを低くできるため、ESDの耐圧を高めることが可能になる。
また、図2(A)、図2(B)の寄生抵抗RD1、RD2の抵抗値を小さくするためには、サイリスターSCR及びトリガー回路TRGを有する静電気保護回路PCについても端子の近くに配置することが望ましい。そして図20に示すように、端子(TQ1、TQ2、TQ3・・・)の第4の方向D4側には、端子に対して駆動信号を出力する駆動回路が配置されている。このため本実施形態では、図11(B)に示すように、複数の静電気保護回路(PC1、PC2、PC3・・・)を、端子(TQ1、TQ2、TQ3・・・)の第2の方向D2側に配置する。
この場合に、例えば本実施形態の比較例の手法として、図11(A)に示す表示ドライバー100の中央部にだけ、静電気保護回路を配置する手法が考えられる。しかしながら、この比較例の手法では、例えば表示ドライバー100の短辺SA2側に配置される端子や短辺SA3側に配置される端子では、寄生抵抗RD1、RD2の抵抗値が大きくなってしまう。
そこで本実施形態では、図11(A)、図11(B)において、表示ドライバー100の短辺SA2からSA3に至る細長の領域に、第1の方向D1に沿って、複数の静電気保護回路(PC1、PC2、PC3・・・)を配置する。即ち、図20に示すように、各静電気保護回路を構成するサイリスターSCR、トリガートランジスターTB、キャパシターCBを、第1の方向D1を長辺方向とする細長のサイリスター領域ASCR、トランジスター領域ATB、キャパシター領域ACBに配置する。このようにすることで、図2(A)、図2(B)の寄生抵抗RD1、RD2の抵抗値を小さくでき、電圧VDMGを低くできるため、ESDの耐圧を高めることが可能になる。
5.電源回路
図22に、図10の電源回路110の詳細な構成例を示す。電源回路110は、第1〜第5の昇圧部BC1〜BC5と、第1〜第13のレギュレーターRG1〜RG13を含む。例えば第1〜第5の昇圧部BC1〜BC5はチャージポンプ回路であり、第1〜第13のレギュレーターRG1〜RG13はリニアレギュレーターである。
なお図22において、各電圧の図面上下方向の位置関係は、おおよその電圧の大小関係を表す。例えば、VDDL、VLDO1、VLDO2等はVDDとVSSの間の電圧である。VOUTM、VOUT3等はVSSよりも低電位の電圧(負電圧)である。VOUT等はVDDよりも高電位の電圧(正電圧)である。
レギュレーターRG1、RG2、RG3は、各々、電源電圧VDDを降圧して、電圧VDDL、VLDO1、VLDO2を生成する。電圧VDDLは制御部160(ロジック回路)の電源電圧である。
昇圧部BC1は、電圧VSSを基準に電圧VLDO1を2倍に昇圧して、電圧VOUTを生成する。レギュレーターRG4、RG5、RG6、RG7、RG8、RG9は、各々、電圧VOUTを降圧して、電圧VREG、VDDHSP、VDDRHP、VDDRMP、VOFREG、VONREGを生成する。レギュレーターRG1、RG4は、不図示の基準電圧生成回路(バンドギャップ回路)からの基準電圧に基づいて電圧VDDL、VREGを生成する。その他のレギュレーターRG2、RG3、RG5〜RG13は、電圧VREGを基準電圧として各電圧を生成する。電圧VDDHSPはソースドライバー140用の正極性の電源電圧(ドット反転駆動の正極駆動に用いる電源電圧)である。電圧VDDRHP、VDDRMPは階調電圧生成回路用(ガンマー回路用)の電源電圧であり、電圧VOFREG、VONREGはゲートドライバー150用の電源電圧である。
昇圧部BC2は、電圧VSSを基準に電圧VLDO2を反転して負の電圧VOUTMを生成する。レギュレーターRG10は、電圧VLDO2と電圧VOUTMから電圧VCOMを生成する。電圧VCOMは、表示パネル200のソース線を駆動する際のコモン電圧である。
昇圧部BC3は、電圧VSSを基準に電圧VDDを4倍に反転昇圧して、負の電圧VOUT3を生成する。レギュレーターRG11は、電圧VOUT3から電圧VDDHSNを生成し、レギュレーターRG12は、電圧VDDHSNから電圧VDDRMNを生成する。電圧VDDHSNはソースドライバー140用の負極性の電源電圧(ドット反転駆動の負極駆動に用いる電源電圧)である。電圧VDDRMNはソースドライバー140用の基準電源電圧である。
昇圧部BC4は、電圧VSSを基準に電圧VOFREGを3倍に反転昇圧し、負の電圧VEEを生成する。電圧VEEは表示ドライバー100の半導体基板(P型基板)の基板電位となる電圧である。レギュレーターRG13は、電圧VEEから電圧VGLを生成する。電圧VGLはゲートドライバー150用の負極性の電源電圧であり、ゲートオフ電圧である。
昇圧部BC5は、電圧VONREGと電圧VGLから電圧VDDHG=VONREG×2−VGLを生成する。電圧VDDHGはゲートドライバー150用の正極性の電源電圧である。
図1の電源電圧VB1、VB2は、各々、例えば図22の電源電圧VDDHG、VEEである。このようなVDDHG、VEEの電源間に本実施形態の静電気保護回路を設けることで、回路装置の内部回路が静電気破壊されてしまう事態を効果的に抑制できるようになる。
6.電子機器
図23に、本実施形態の回路装置である表示ドライバー100を含む電気光学装置350と電子機器の構成例を示す。本実施形態の電子機器としては、例えば、携帯型情報端末(スマートフォン、携帯電話機等)、車載用の電子機器(計器類、カーナビゲーションシステム等)、プロジェクター、生体情報検出装置、ロボット、情報処理装置(コンピューター、タブレット型PC等)、テレビション装置、或いは携帯型ゲーム装置等の種々の電子機器を想定できる。
図23に示す電子機器は、電気光学装置350、表示コントローラー300(ホストコントローラー、処理部)、CPU310、記憶部320、ユーザーインターフェース部330、データインターフェース部340を含む。電気光学装置350は表示ドライバー100、表示パネル200を含む。
表示パネル200は例えばマトリックス型の液晶表示パネルである。或いは、表示パネル200は自発光素子を用いたEL(Electro-Luminescence)表示パネルであってもよい。例えば、表示パネル200にはフレキシブル基板が接続され、そのフレキシブル基板に表示ドライバー100が実装され、電気光学装置350が構成される。なお、表示ドライバー100と表示パネル200は電気光学装置350として構成されずに個々の部品として電子機器に組み込まれてもよい。例えば、表示パネル200には配線引き出し用のフレキシブル基板が接続され、表示ドライバー100は表示コントローラー300等と共にリジッド基板に実装され、そのリジッド基板にフレキシブル基板を接続することで表示パネル200が実装されてもよい。
ユーザーインターフェース部330は、ユーザーからの種々の操作を受け付けるインターフェース部である。ユーザーインターフェース部330は、例えばボタン、マウス、キーボード、或いはタッチパネル等により実現できる。データインターフェース部340は、画像データや制御データの入出力を行うインターフェース部である。データインターフェース部340は、例えばUSB等の有線通信インターフェース、或いは無線LAN等の無線通信インターフェースにより実現できる。記憶部320は、データインターフェース部340から入力された画像データを記憶する。或いは、記憶部320は、CPU310や表示コントローラー300のワークメモリーとして機能する。CPU310(MPU)は、電子機器の各部の制御処理や種々のデータ処理を行う。表示コントローラー300は表示ドライバー100の制御処理を行う。例えば、表示コントローラー300は、データインターフェース部340や記憶部320から転送された画像データを、表示ドライバー100が受け付け可能な形式に変換し、その変換された画像データを表示ドライバー100へ出力する。表示ドライバー100は、表示コントローラー300から転送された画像データに基づいて表示パネル200を駆動する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また回路装置、電子機器の構成、動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。