JP6467995B2 - ランウェイガーダ - Google Patents

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本発明は、ランウェイガーダに関し、より詳細には、クレーンを走行させるためのランウェイガーダに関する。
一般に、工場等の屋内で荷物の運搬を行う際にはクレーンが利用される。クレーンは、車輪を有し、天井付近に設けられたランウェイガーダ上のレールを走行する。
クレーンは、荷物の運搬中、基本的に車輪のみでレールによって支持される。このため、レールの継目部分やレールの頭頂面に生じた損傷部分等を車輪が通過するたびに、正常な状態よりも、クレーン及びランウェイガーダの振動が大きくなる。
ランウェイガーダは、複数のランウェイガーダユニットを含む。複数のランウェイガーダユニットは、クレーンの走行方向に沿って配置される。各ランウェイガーダユニットの長手方向の両端部は、支柱によって下方から支持されている。このため、クレーンが特に重量物を運搬する場合、各ランウェイガーダユニットが大きく撓み、ランウェイガーダ及びその他の各種部品において高応力が発生する。さらに、レールの継目部分又は損傷部分をクレーンが通過し、ランウェイガーダが大きく振動した場合、ランウェイガーダで発生する応力が増大する。高応力の発生頻度が多くなるとランウェイガーダの疲労破壊が生じやすくなるため、ランウェイガーダの振動はできるだけ緩和されることが好ましい。
ランウェイガーダの振動を緩和する方法として、ランウェイガーダユニットの下又は支柱の下に弾性部材を配置する技術が開示されている。例えば、特許文献1では、ランウェイガーダユニットの下面を弾性支承で支持する構造が提案されている。弾性支承は、ランウェイガーダユニットの長手方向中央部に配置されている。弾性支承は、各ランウェイガーダユニットに働く曲げモーメントを低減させる。その結果、ランウェイガーダの振動が低減され、ランウェイガーダの疲労破壊の発生が抑制される。
特許文献2には、ランウェイガーダユニットと支持台との間に支点部材を配置した状態で、ランウェイガーダユニットと支持台とをボルトによって固定する構造が開示されている。支点部材は、ランウェイガーダユニットと支持台との間に隙間を生じさせている。このため、ランウェイガーダユニットが撓んだ場合であってもボルトに上向きの力が作用しない。その結果、ボルトの疲労破壊の発生が防止される。
特開2007−276994号公報 特開2013−220920号公報
上述したように、ランウェイガーダユニットの下又は支柱の下に弾性部材を配置することにより、ランウェイガーダの振動を低減させることが可能である。しかしながら、既設のランウェイガーダの下や支柱の下に弾性部材を設ける場合、多大な工事が必要となる。
そこで、本発明は、多大な工事を伴わずに振動を低減することができるランウェイガーダを提供することを課題とする。
本開示に係るランウェイガーダは、クレーンを走行させるためのものである。ランウェイガーダは、複数のランウェイガーダユニットと、第1剛性部材と、第1内側ダンパとを備える。複数のランウェイガーダユニットの各々は、ガーダ本体と、プレートとを含む。ガーダ本体は、クレーンの走行方向に延びる。プレートは、走行方向におけるガーダ本体の端部に固定され、走行方向と交差する。複数のランウェイガーダユニットは、プレートが互いに対向するように配置される。第1剛性部材は、プレートの内側に取り付けられる。第1内側ダンパは、プレートの内面上に配置される。第1内側ダンパは、プレートと第1剛性部材との間に保持される。第1内側ダンパは、ランウェイガーダユニット及び第1剛性部材の弾性係数よりも小さい弾性係数を有する。
本開示に係るランウェイガーダによれば、多大な工事を伴わずに振動を低減することができる。
図1は、第1実施形態に係るランウェイガーダの設置状態を示す模式図である。 図2は、第1実施形態に係るランウェイガーダの概略斜視図である。 図3は、第1実施形態に係るランウェイガーダの部分垂直断面図である。 図4は、クレーンの走行時におけるランウェイガーダユニットの変形を示す模式図である。 図5は、第2実施形態に係るランウェイガーダの部分垂直断面図である。 図6は、第3実施形態に係るランウェイガーダの部分垂直断面図である。 図7は、第4実施形態に係るランウェイガーダの部分垂直断面図である。 図8は、第5実施形態に係るランウェイガーダの部分垂直断面図である。 図9は、実施例1−1、実施例1−2、及び比較例の解析ケースに係るFEM解析モデルを示す図である。 図10は、実施例1−1及び実施例1−2の解析ケースに係るランウェイガーダの正面図である。 図11は、実施例1−1及び実施例1−2の解析ケースに係るランウェイガーダの垂直断面図である。 図12は、各実施例及び比較例の解析ケースに係るFEM解析モデルの応力評価部を示す図である。 図13は、実施例1−1、実施例1−2、及び比較例の解析ケースに係る各応力履歴を示すグラフである。 図14は、実施例2−1〜実施例2−3の解析ケースに係るランウェイガーダの正面図である。 図15は、実施例2−1〜実施例2−3の解析ケースに係るランウェイガーダの垂直断面図である。 図16は、実施例3−1〜実施例3−3の解析ケースに係るランウェイガーダの正面図である。 図17は、実施例3−1〜実施例3−3の解析ケースに係るランウェイガーダの垂直断面図である。 図18は、実施例4の解析ケースに係るランウェイガーダの正面図である。 図19は、実施例4の解析ケースに係るランウェイガーダの垂直断面図である。 図20は、実施例2−1〜実施例2−3及び比較例の解析ケースに係る各応力履歴を示すグラフである。 図21は、実施例3−1〜3−3及び比較例の解析ケースに係る各応力履歴を示すグラフである。 図22Aは、実施例2−1、実施例3−1、及び比較例の解析ケースに係る各応力履歴を示すグラフである。 図22Bは、実施例2−1、実施例4、及び比較例の解析ケースに係る各応力履歴を示すグラフである。
実施の形態に係るランウェイガーダは、複数のランウェイガーダユニットと、第1剛性部材と、第1内側ダンパとを備える。複数のランウェイガーダユニットの各々は、ガーダ本体と、プレートとを含む。ガーダ本体は、クレーンの走行方向に延びる。プレートは、走行方向におけるガーダ本体の端部に固定され、走行方向と交差する。複数のランウェイガーダユニットは、プレートが互いに対向するように配置される。第1剛性部材は、プレートの内側に取り付けられる。第1内側ダンパは、プレートの内面上に配置される。第1内側ダンパは、プレートと第1剛性部材との間に保持される。第1内側ダンパは、ランウェイガーダユニット及び第1剛性部材の弾性係数よりも小さい弾性係数を有する。
ランウェイガーダ上をクレーンが走行する際、クレーンが運搬する荷物の重量によって各ランウェイガーダユニットが下向きに撓み、各ランウェイガーダユニットの端部のプレートが内側に傾くように移動する。実施の形態に係るランウェイガーダでは、プレートの内面上、つまりプレートの移動を遮る位置に第1内側ダンパが配置され、且つ、第1内側ダンパがプレートと第1剛性部材との間に保持されている。この構成によれば、第1内側ダンパによってプレートの移動に抵抗が加えられる。その結果、ランウェイガーダの振動を低減することができる。
実施の形態に係るランウェイガーダにおいて、ランウェイガーダユニットのプレートは、クレーンの走行方向と交差している。第1内側ダンパ及び第1剛性部材は、プレートの内面に設ければよい。このため、既設のランウェイガーダユニットに第1内側ダンパ及び第1剛性部材を取り付ける場合であっても、ランウェイガーダユニットの移動及び再設置等の多大な工事を行う必要がない。このように、実施の形態に係るランウェイガーダによれば、多大な工事を伴わずに振動を低減することができる。
第1内側ダンパは、プレートの上部に配置されていてもよい。
ランウェイガーダユニットが撓む際、プレートの上部の移動量及び移動速度は、プレートの下部の移動量及び移動速度よりも大きい。よって、プレートの上部に第1内側ダンパを配置することにより、より効果的にプレートの移動に抵抗を加えることができる。その結果、ランウェイガーダの振動低減効果を向上させることができる。
実施の形態に係るランウェイガーダは、さらに、第2剛性部材と、第2内側ダンパとを備えることができる。第2剛性部材は、第1剛性部材が取り付けられたプレートと対向する別のプレートの内側に取り付けられる。第2内側ダンパは、別のプレートの内面上に配置される。第2内側ダンパは、別のプレートと第2剛性部材との間に保持される。第2内側ダンパは、ランウェイガーダユニット及び第2剛性部材の弾性係数よりも小さい弾性係数を有する。
上記構成によれば、互いに対向するプレート各々に内側ダンパが設けられる。これにより、互いに対向するプレートを含む複数のランウェイガーダユニット各々の移動に抵抗を加えることができるため、ランウェイガーダの振動をより低減することができる。
プレートの内面上において、複数の第1内側ダンパが上下方向に並んでいてもよい。
上記構成によれば、複数の第1内側ダンパを上下方向に並べているため、より確実にランウェイガーダユニットの移動に抵抗を加えることができる。よって、ランウェイガーダの振動低減効果を向上させることができる。
複数の第1内側ダンパのうち、上側に配置された第1内側ダンパは、下側に配置された第1内側ダンパの減衰係数よりも大きい減衰係数を有していてもよい。
上述したように、プレートの上部は、移動量及び移動速度が比較的大きく、振動が大きい。減衰係数が大きい第1内側ダンパをより上部に配置することにより、プレートの上部の振動を早く減衰させることができる。その結果、ランウェイガーダの振動も早く減衰させることができる。
複数の第1内側ダンパのうち、上側に配置された第1内側ダンパは、下側に配置された第1内側ダンパの弾性係数よりも大きい弾性係数を有していてもよい。
弾性係数が大きい第1内側ダンパを上側に配置することにより、プレートの上部に対する抵抗を大きくすることができる。このため、プレートの振動を抑制することができ、ランウェイガーダの振動を効果的に低減することができる。
複数の第1内側ダンパのうち、上側に配置された第1内側ダンパは、下側に配置された第1内側ダンパの厚みよりも大きい厚みを有していてもよい。
厚みが大きい第1内側ダンパを上側に配置することにより、プレートの上部に対する抵抗を大きくすることができる。このため、プレートの振動を抑制することができ、ランウェイガーダの振動低減効果を向上させることができる。
第1内側ダンパのうち、上側に位置する部分は、下側に位置する部分の厚みよりも大きい厚みを有していてもよい。
第1内側ダンパのうち、より上側に位置する部分の厚みを大きくすることにより、プレートの上部に対する抵抗を高めることができる。このため、プレートの振動を抑制することができ、ランウェイガーダの振動を効果的に低減することができる。
実施の形態に係るランウェイガーダは、さらに、外側ダンパを備えていてもよい。外側ダンパは、互いに対向するプレートの間に配置される。外側ダンパは、ランウェイガーダユニットの弾性係数よりも小さい弾性係数を有する。
ランウェイガーダユニットは、クレーンの走行によって下向きに撓んだ後、元の形状に復帰する。これに伴い、ランウェイガーダユニットの内側に傾いていたプレートも元の位置に戻ろうとする。実施の形態に係るランウェイガーダにおいて、外側ダンパは、隣り合うプレートの間、つまりプレートが元の位置へと戻るのを遮る位置に配置されている。このため、外側ダンパにより、プレートが元の位置に戻る動きにも抵抗を加えることができる。よって、ランウェイガーダの振動をさらに低減することができる。
<実施形態>
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一又は相当する構成には同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
(ランウェイガーダの設置状態)
図1は、第1実施形態に係るランウェイガーダ10の設置状態を示す図である。図1に示すように、ランウェイガーダ10は、複数のランウェイガーダユニット1を備える。複数のランウェイガーダユニット1は、例えば、工場等の屋内の天井付近に設けられる。複数のランウェイガーダユニット1上にはレール2が設置される。クレーン3は、レール2上を走行する。なお、図1は、クレーンが同図に位置した場合のランウェイガーダ変形状態を誇張して示した図である。
各ランウェイガーダユニット1のクレーン3の走行方向における両端部は、支柱4によって支持されている。クレーン3の走行方向は、図1における左右方向である。以下、説明の便宜上、クレーン3の走行方向をX方向、各図における上下方向をZ方向、X方向及びZ方向に垂直な方向をY方向と称する場合がある。
(ランウェイガーダの構成)
図2は、ランウェイガーダ10の概略斜視図である。図2に示すように、ランウェイガーダ10は、ランウェイガーダユニット1と、内側ダンパ5と、剛性部材6とを備える。上述した通り、ランウェイガーダ10は複数のランウェイガーダユニット1を備えているが、説明の便宜上、図2には1つのランウェイガーダユニット1のみを示す。
図2に示すように、ランウェイガーダユニット1は、ガーダ本体11と、プレート12とを含む。ランウェイガーダユニット1は、例えば鋼等の金属で構成される。
ガーダ本体11は、クレーン3の走行方向に延びている。ガーダ本体11の垂直断面(Y−Z断面)は、I字状又はH字状をなす。
ガーダ本体11は、ウェブ111と、上フランジ112と、下フランジ113とを含んでいる。ウェブ111は、X方向に延びる垂直プレートである。上フランジ112及び下フランジ113は、X方向に延びる水平プレートである。ウェブ111の上端は、上フランジ112の下面に固定されている。ウェブ111の下端は、下フランジ113の上面に固定されている。
ガーダ本体11のX方向の両端部には、それぞれ、プレート12が固定されている。各プレート12は、X方向と交差する。各プレート12は、X方向と実質的に垂直に配置されている。
各プレート12は、内面121と、外面122とを含む。内面121は、外面122よりもガーダ本体11に近い面である。内面121には、ガーダ本体11のX方向の一端部が固定される。すなわち、ウェブ111、上フランジ112、及び下フランジ113各々の一端部が内面121に固定されている。
外面122は、ガーダ本体11が固定される内面121の反対面である。一のランウェイガーダユニット1における外面122は、隣接する他のランウェイガーダユニット1における外面122と対向する。
図3は、ランウェイガーダ10のX−Z断面図である。ランウェイガーダ10において、複数のランウェイガーダユニット1は、プレート12が互いに対向するように配置される。すなわち、複数のランウェイガーダユニット1は、その長手方向がクレーン3の走行方向と一致するように並べられている。
図3に示すように、内側ダンパ5及び剛性部材6は、隣り合う2つのランウェイガーダユニット1の双方に設けられている。
内側ダンパ5は、プレート12の内面121上に配置される。内側ダンパ5は、内面121上においてウェブ111の両隣各々に設けられる。内側ダンパ5は、各プレート12の上部に配置される。具体的には、内側ダンパ5は、各プレート12の上下方向中央部よりも上に位置付けられる。内側ダンパ5の弾性係数は、ランウェイガーダユニット1及び剛性部材6の弾性係数よりも小さい。内側ダンパ5は、例えば、ゴムやシリコン等の樹脂で構成することができる。
剛性部材6は、プレート12の内側に取り付けられる。剛性部材6は、内側ダンパ5上に配置されている。剛性部材6は、内側ダンパ5全体を覆っている。剛性部材6は、内側ダンパ5よりも弾性係数が大きい。剛性部材6は、例えば鋼等の金属で構成することができる。剛性部材6は、ランウェイガーダユニット1と同じ材料で構成されていてもよい。剛性部材6の形状は、特に限定されるものではないが、好ましくはプレート状である。
内側ダンパ5は、プレート12と剛性部材6との間に配置される。内側ダンパ5は、プレート12の内面121及び剛性部材6に接して配置されている。内側ダンパ5は、プレート12と剛性部材6との間に保持される。
図3の例では、2つのランウェイガーダユニット1の各プレート12、各内側ダンパ5、及び各剛性部材6にボルト31を通し、ナット32を締めることにより、各ランウェイガーダユニット1のプレート12に内側ダンパ5及び剛性部材6が取り付けられている。このようにすることで、剛性部材6が内側ダンパ5をプレート12に向かって押圧し、プレート12と剛性部材6との間に内側ダンパ5が保持される。
プレート12と剛性部材6との間に内側ダンパ5を保持する手段は、特に限定されるものではない。例えば、万力を使用して剛性部材6をプレート12の方に押し付けることにより、プレート12と剛性部材6との間で内側ダンパ5を保持することもできる。この場合も、プレート12及び剛性部材6によって内側ダンパ5に圧力をかけることができる。よって、内側ダンパ5をプレート12と剛性部材6との間で保持することができる。
内側ダンパ5は、剛性部材6からある程度の圧力を加えられた状態で、プレート12と剛性部材6との間に保持されていることが好ましい。しかしながら、内側ダンパ5は、プレート12及び剛性部材6に単に接触している状態であってもよい。ランウェイガーダユニット1が撓んでプレート12が移動した場合に、プレート12の移動を吸収する内側ダンパ5を剛性部材6が支持することができればよい。
図3に示すように、ランウェイガーダ10は、さらに、外側ダンパ7を備えている。外側ダンパ7は、互いに対向するプレート12の間に配置される。つまり、外側ダンパ7は、2つのランウェイガーダユニット1の間に配置されている。外側ダンパ7は、各ランウェイガーダユニット1の外面122全体を覆うように設けられている。
外側ダンパ7の弾性係数は、ランウェイガーダユニット1の弾性係数よりも小さい。外側ダンパ7の弾性係数は、内側ダンパ5の弾性係数と実質的に同じであってもよい。外側ダンパ7は、内側ダンパ5と同様に、ゴムやシリコン等の樹脂で構成することができる。
(第1実施形態の効果)
図4は、ランウェイガーダユニット1Aの変形を示す模式図である。説明の便宜上、図4では、ランウェイガーダユニット1Aの変形倍率を増加させている。ランウェイガーダユニット1Aは、クレーンが通過中のランウェイガーダユニットである。ランウェイガーダユニット1Bは、ランウェイガーダユニット1Aの隣に位置するランウェイガーダユニットである。ランウェイガーダユニット1A,1Bは、上述のランウェイガーダユニット1と同じ構成を有する。
ランウェイガーダユニット1A上をクレーンが通過する際、ランウェイガーダユニット1Aは下向きに撓む。すなわち、ランウェイガーダユニット1Aのプレート12がランウェイガーダユニット1Bのプレート12から離れるように、ランウェイガーダユニット1Aが変形する。
ランウェイガーダユニット1Aのプレート12の内面121には内側ダンパ5及び剛性部材6が設けられている。ランウェイガーダユニット1Aのプレート12がランウェイガーダユニット1Bのプレート12から離れようとする際、内側ダンパ5及び剛性部材6により、ランウェイガーダユニット1Aのプレート12の移動に抵抗が加えられる。その結果、ランウェイガーダユニット1Aの振動が緩和され、ランウェイガーダユニット1Aにおける高応力の発生を抑制することができる。したがって、ランウェイガーダユニット1Aの寿命を向上させることができる。
図4に示すように、内側ダンパ5及び剛性部材6は、各ランウェイガーダユニット1A,1Bにおいて、クレーンの走行方向と交差するプレート12の内面121に設けられる。このため、ランウェイガーダユニット1A,1Bが既に設置された後であっても、ランウェイガーダユニット1A,1Bの移動及び再設置等の多大な工事を行うことなく、各ランウェイガーダユニット1A,1Bに内側ダンパ5及び剛性部材6を取り付けることができる。
以上のように、第1実施形態に係るランウェイガーダ10によれば、多大な工事を伴わず、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ10の振動を低減することができる。
第1実施形態に係るランウェイガーダ10では、内側ダンパ5がプレート12の上部に配置されている。ランウェイガーダ10上をクレーンが走行する際、プレート12の上部の移動量及び移動速度は、プレート12の下部の移動量及び移動速度よりも大きい。よって、内側ダンパ5をプレート12の上部に配置することにより、より効果的にプレート12の移動に抵抗を加えることができる。その結果、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ10の振動低減効果を向上させることができる。
第1実施形態に係るランウェイガーダ10では、互いに対向するプレート12各々に内側ダンパ5及び剛性部材6が設けられている。このため、互いに対向するプレート12を有するランウェイガーダユニット1各々の移動に抵抗を加えることができる。結果として、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ10の振動低減効果をより向上させることができる。
第1実施形態に係るランウェイガーダ10において、2つのランウェイガーダユニット1の間には外側ダンパ7が配置されている。クレーン3の走行によって下向きに撓んだランウェイガーダユニット1は、元の形状に戻ろうとする。このとき、ランウェイガーダユニット1のプレート12は、隣接するランウェイガーダユニット1のプレート12に接近するように移動する。外側ダンパ7は、このようなプレート12の移動に抵抗を加えることができる。よって、ランウェイガーダ10の振動をさらに低減することができる。
[第2実施形態]
(ランウェイガーダユニットの構成)
図5は、第2実施形態に係るランウェイガーダ20のX−Z断面図である。ランウェイガーダ20は、複数の内側ダンパ51,52,53を備えている点で、第1実施形態に係るランウェイガーダ10と異なる。
図5に示すように、各ランウェイガーダ1のプレート12の内面121上には、内側ダンパ51,52,53が設けられている。内側ダンパ51,52,53は、プレート12の内面121上において上下方向に並んでいる。
内側ダンパ51は、内側ダンパ52,53よりも上方に配置されている。内側ダンパ52は、内側ダンパ53よりも上方に配置されている。図示を省略するが、プレート12の内面121上において、ウェブ111の両隣各々に内側ダンパ51,52,53が設けられていてもよい。
内側ダンパ51,52,53は、互いに異なる減衰係数を有する。内側ダンパ51,52,53のうち、上側に位置する内側ダンパは、下側に位置する内側ダンパの減衰係数よりも大きい減衰係数を有する。内側ダンパ51の減衰係数は、内側ダンパ51の下方に位置する内側ダンパ52,53の各減衰係数よりも大きい。内側ダンパ52の減衰係数は、内側ダンパ52の下方に位置する内側ダンパ53の減衰係数よりも大きい。すなわち、減衰係数の大きさは、内側ダンパ51>内側ダンパ52>内側ダンパ53である。
プレート12の内側には、剛性部材61が取り付けられる。剛性部材61は、内側ダンパ51,52,53を覆っている。内側ダンパ51,52,53は、プレート12と剛性部材61との間に保持されている。剛性部材61は、内側ダンパ51,52,53をまとめてプレート12の方に押し付ける。ただし、剛性部材61は、内側ダンパ51,52,53ごとに分割されていてもよい。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態のランウェイガーダ20では、ランウェイガーダ1のプレート12の内面121上において、複数の内側ダンパ51,52,53が上下方向に並んでいる。このため、クレーン3によってランウェイガーダユニット1が下向きに撓んだ際、より確実にプレート12の動きに抵抗を加えることができる。その結果、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ20の振動を低減することができる。
第2実施形態に係るランウェイガーダ20では、内側ダンパ51,52,53のうち、上側に配置される内側ダンパの減衰係数が下側に配置される内側ダンパの減衰係数よりも大きい。上述した通り、クレーン3の走行時において、プレート12の上部の移動量及び移動速度は、プレートの下部の移動量及び移動速度よりも大きい。よって、減衰係数がより大きい内側ダンパをより上部に配置することで、効果的にプレート12の動きに抵抗を加えることができる。その結果、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ20の振動低減効果を向上させることができる。
[第3実施形態]
(ランウェイガーダユニットの構成)
図6は、第3実施形態に係るランウェイガーダ30のX−Z断面図である。ランウェイガーダ30は、複数の内側ダンパ501,502,503を備えている。
図6に示すように、内側ダンパ501,502,503は、各ランウェイガーダ1のプレート12の内面121上において、上下方向に並んでいる。内側ダンパ501,502,503は、プレート12の内面121上において、ウェブ111(図2)の両隣各々に設けられていてもよい。
内側ダンパ501,502,503は、プレート12と剛性部材601との間に保持されている。剛性部材601は、第2実施形態における剛性部材61と同様、内側ダンパ501,502,503をまとめてプレート12の方に押し付ける。剛性部材601は、内側ダンパ501,502,503ごとに分割されていてもよい。
内側ダンパ501,502,503は、互いに異なる弾性係数を有する。内側ダンパ501,502,503のうち、上側に配置された内側ダンパは、下側に配置された内側ダンパの弾性係数よりも大きい弾性係数を有する。内側ダンパ501の弾性係数は、内側ダンパ501の下方に位置する内側ダンパ502,503の各弾性係数よりも大きい。内側ダンパ502の弾性係数は、内側ダンパ502の下方に位置する内側ダンパ503の弾性係数よりも大きい。すなわち、弾性係数の大きさは、内側ダンパ501>内側ダンパ502>内側ダンパ503である。
内側ダンパ501,502,503は、互いに異なる減衰係数を有していてもよい。例えば、第2実施形態と同様に、内側ダンパ501,502,503のうち、上側に位置する内側ダンパは、下側に位置する内側ダンパの減衰係数よりも大きい減衰係数を有していてもよい。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態のランウェイガーダ30では、内側ダンパ501,502,503のうち、上側に配置される内側ダンパは、下側に配置される内側ダンパの弾性係数よりも大きい弾性係数を有する。このため、プレート12のうち、移動量及び移動速度が大きい上部に対して大きな抵抗を加えることができる。よって、プレート12の振動を効果的に抑制することができ、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ30の振動低減効果を向上させることができる。
[第4実施形態]
(ランウェイガーダユニットの構成)
図7は、第4実施形態に係るランウェイガーダ40のX−Z断面図である。ランウェイガーダ40は、複数の内側ダンパ511,512を備えている。
図7に示すように、内側ダンパ511,512は、各ランウェイガーダ1のプレート12の内面121上において、上下方向に並んでいる。内側ダンパ511,512は、プレート12の内面121上において、ウェブ111(図2)の両隣各々に設けられていてもよい。
内側ダンパ511は、プレート12と剛性部材611との間に保持されている。内側ダンパ512は、プレート12と剛性部材612との間に保持されている。
内側ダンパ511,512は、互いに異なる厚みを有する。内側ダンパ511,512各々の厚みは、プレート12の内面121に直交する方向における内側ダンパ511,512各々の寸法である。内側ダンパ511,512のうち、上側に配置された内側ダンパは、下側に配置された内側ダンパの厚みよりも大きい厚みを有する。すなわち、内側ダンパ511の厚みは、内側ダンパ511の下方に位置する内側ダンパ512の厚みよりも大きい。
内側ダンパ511,512は、互いに異なる減衰係数を有していてもよい。例えば、第2実施形態と同様に、内側ダンパ511,512のうち、上側に位置する内側ダンパは、下側に位置する内側ダンパの減衰係数よりも大きい減衰係数を有していてもよい。
内側ダンパ511,512は、互いに異なる弾性係数を有していてもよい。例えば、第3実施形態と同様に、内側ダンパ511,512のうち、上側に位置する内側ダンパは、下側に位置する内側ダンパの弾性係数よりも大きい弾性係数を有していてもよい。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態のランウェイガーダ40では、内側ダンパ511,512のうち、上側に配置される内側ダンパは、下側に配置される内側ダンパの厚みよりも大きい厚みを有する。このため、プレート12のうち、移動量及び移動速度が大きい上部に対して大きな抵抗を加えることができる。よって、プレート12の振動を効果的に抑制することができ、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ40の振動低減効果を向上させることができる。
[第5実施形態]
(ランウェイガーダユニットの構成)
図8は、第5実施形態に係るランウェイガーダ50のX−Z断面図である。ランウェイガーダ50は、内側ダンパ520と、剛性部材620とを備えている。
図8に示すように、内側ダンパ520は、各ランウェイガーダ1のプレート12の内面121上に設けられている。内側ダンパ520は、少なくとも一部がプレート12の上部に配置されていることが好ましい。図8の例では、内側ダンパ520は、プレート12の上端の近くからプレート12の下端の近くまで、上下方向に延びている。内側ダンパ520は、プレート12の内面121上において、ウェブ111(図2)の両隣各々に設けられていてもよい。
内側ダンパ520の厚みは均一ではない。内側ダンパ520の厚みは、プレート12の内面121に直交する方向における内側ダンパ520の寸法である。内側ダンパ520のうち、上側に位置する部分は、下側に位置する部分の厚みよりも大きい厚みを有する。内側ダンパ520の厚みは、上から下に向かって徐々に小さくなっている。
内側ダンパ520は、プレート12と剛性部材620との間に保持されている。剛性部材620は、内側ダンパ520の全体を覆う。内側ダンパ520の厚みが上から下に向かって小さくなっているため、剛性部材620は上下方向に対して傾いている。すなわち、剛性部材620の下端は、剛性部材620の上端よりもプレート12に近い。
内側ダンパ520及び剛性部材620は、上記各実施形態と同様に、ボルト31及びナット32によってプレート12に取り付けられる。剛性部材620において、内側ダンパ520に対向する面と反対の面には、台座620aが設けられている。台座620aは、剛性部材620とナット32との間に隙間が生じないように、ナット32を支持する。これにより、内側ダンパ520及び剛性部材620に対し、ボルト31及びナット32の締結力が確実に作用する。よって、内側ダンパ520は、剛性部材620によってプレート12の方に押圧される。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態のランウェイガーダ50では、内側ダンパ520のうち、上側に位置する部分は、下側に位置する部分の厚みよりも大きい厚みを有する。このため、プレート12のうち、移動量及び移動速度が大きい上部に対して大きな抵抗を加えることができる。よって、プレート12の振動を効果的に抑制することができ、各ランウェイガーダユニット1及びランウェイガーダ50の振動低減効果を向上させることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
上記各実施形態では、複数のランウェイガーダユニット各々に内側ダンパ及び剛性部材が設けられている。しかしながら、本開示に係るランウェイガーダにおいては、少なくとも1つのランウェイガーダユニットに内側ダンパ及び剛性部材が設けられていればよい。
上記各実施形態では、ガーダ本体の両端部に固定されたプレート双方に内側ダンパ及び剛性部材が設けられている。しかしながら、一方のプレートにのみ、内側ダンパ及び剛性部材を設けることもできる。
上記各実施形態では、剛性部材は、内側ダンパ全体を覆うように配置されている。しかしながら、剛性部材は、内側ダンパの一部を覆うように配置されてもよい。
上記第1実施形態では、プレートの内面の上部に内側ダンパが設けられている。しかしながら、プレートの内面における内側ダンパの位置は特に限定されない。プレートの内面の下部に内側ダンパが配置されていてもよいし、プレートの内面の上下方向中央部に内側ダンパが配置されていてもよい。
上記第2実施形態では、複数の内側ダンパのうち、上側に配置される内側ダンパは、下側に配置される内側ダンパの減衰係数よりも大きい減衰係数を有している。しかしながら、下側に配置される内側ダンパの減衰係数の方が上側に配置される内側ダンパの減衰係数よりも大きくてもよいし、上側に配置される内側ダンパの減衰係数と下側に配置される内側ダンパの減衰係数とが同じであってもよい。
上記第3実施形態では、複数の内側ダンパのうち、上側に配置される内側ダンパは、下側に配置される内側ダンパの弾性係数よりも大きい弾性係数を有している。しかしながら、下側に配置される内側ダンパの弾性係数が上側に配置される内側ダンパの弾性係数よりも大きくてもよいし、上側に配置される内側ダンパの弾性係数と下側に配置される内側ダンパの弾性係数とが同じであってもよい。
上記第4実施形態では、複数の内側ダンパのうち、上側に配置される内側ダンパは、下側に配置される内側ダンパの厚みよりも大きい厚みを有している。しかしながら、下側に配置される内側ダンパの厚みが上側に配置される内側ダンパの厚みよりも大きくてもよい。
上記第5実施形態では、内側ダンパの厚みは、上から下に向かって徐々に小さくなっている。しかしながら、内側ダンパの厚みは、上から下に向かって段階的に小さくすることもできる。
上記第5実施形態では、内側ダンパのうち、上側に位置する部分は、下側に位置する部分配置される内側ダンパの厚みよりも大きい厚みを有している。しかしながら、下側に配置される内側ダンパの厚みが上側に配置される内側ダンパの厚みよりも大きくてもよい。
上記各実施形態では、プレートの外面全体を覆うように外側ダンパが設けられている。しかしながら、プレートの外面の一部に外側ダンパを配置することもできる。あるいは、互いに対向するプレートの間に外側ダンパを設けなくてもよい。
以下、実施例によって本開示に係るランウェイガーダをさらに詳しく説明する。
FEM(有限要素法)解析によって本開示に係るランウェイガーダの効果を検証する。
[解析方法]
図9にFEM解析モデルを示す。長さ(X方向の長さ)が10m、高さ(Z方向の長さ)が1mの仮想的なランウェイガーダユニットを解析対象とする。ウェブ111、上フランジ112、下フランジ113、及びプレート12の各厚みは15mmとした。解析は、1/2対称モデルにて実施した。
図9に示すように、ランウェイガーダユニット1の一方端部に位置するプレート12の下面をピン拘束となるよう支持し、対称面Sの上フランジ112において、ウェブ111の直上部分に集中質量15tonを設定した。FEM解析は、弾性解析とした。まず、静的なつり合いを求めるため、自重たわみ解析を行った。その後、集中質量に対して下方向(Z方向)に初速0.1m/sを付与した動解析を行い、ランウェイガーダユニット1を振動させた。
[解析ケース(1)]
実施例1−1及び1−2の解析ケースを図10、図11、及び表1に示す。図10及び図11に示すように、実施例1−1及び1−2は、プレート12の内面121に6つの内側ダンパ(3つの内側ダンパ5A,5B,5C×2列)を配置したケースである。内側ダンパ5A,5B,5Cの各厚みは20mm、剛性部材6A,6B,6Cの各厚みは10mmとした。実施例1−1では、全ての内側ダンパ5A,5B,5Cの材料特性を同一とした。実施例1−2では、上下方向に並ぶ3つの内側ダンパ5A,5B,5Cのうち、上方に位置するものほど大きい減衰係数を有することとした。比較例は、プレート12の内面121に内側ダンパ5A,5B,5Cを設けないケースである。
Figure 0006467995

内側ダンパ5A,5B,5Cは、効果を検証するための仮想材である。全てのケースで同じ値のせん断弾性係数Gを使用した。減衰応力σdは、ひずみ速度に比例し、下記の数式(1)で与えられる。
Figure 0006467995

ランウェイガーダユニット1及び剛性部材6A,6B,6Cはシェル要素、ボルト31はビーム要素、内側ダンパ5A,5B,5Cはソリッド要素でモデル化した。
ボルト31は、M24ボルトとする。ボルト31は、1/2とし、互いに隣り合うランウェイガーダユニット1を考慮して端部を対称に拘束した。なお、ナットはモデル化されていない。
[解析ケース(1)の評価]
図12に示すように、ランウェイガーダユニット1のX方向中央において、下フランジ113の下部を応力評価部とした。図13に、実施例1−1、実施例1−2、及び比較例各々の応力評価部における応力履歴を示す。図13から、実施例1−1及び1−2は比較例に比べて振動が小さいことがわかる。また、実施例1−2は、実施例1−1よりも早いタイミングで応力が減衰していることがわかる。
以上より、本開示に係るランウェイガーダは、ランウェイガーダユニットの端部のプレートの内面に内側ダンパが設けられているため、ランウェイガーダユニット及びランウェイガーダの振動を低減できることがわかった。また、複数の内側ダンパを上下方向に並べて配置した場合、上側に配置された内側ダンパの減衰係数を下側に配置された内側ダンパの減衰係数よりも大きくすることにより、ランウェイガーダユニット及びランウェイガーダの振動をより早く減衰させられることがわかった。
[解析ケース(2)]
実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−3、及び実施例4の解析ケースを図14〜図19及び表2に示す。比較例は、解析ケース(1)と同様、プレート12の内面121に内側ダンパを設けないケースである。
Figure 0006467995
図14及び図15に示すように、実施例2−1〜2−3は、プレート12の内面121に6つの内側ダンパ(3つの内側ダンパ500A,500B,500C×2列)を配置したケースである。内側ダンパ500A,500B,500Cは、同一の厚みを有する。
実施例2−1では、全ての内側ダンパ500A,500B,500Cの材料特性を同一とした。実施例2−2では、内側ダンパ500A,500B,500Cのうち、上方に位置するものほど大きいせん断弾性係数を有することとした。実施例2−3では、内側ダンパ500A,500B,500Cのうち、上方に位置するものほど小さいせん断弾性係数を有することとした。
図16及び図17に示すように、実施例3−1〜3−3も、プレート12の内面121に6つの内側ダンパ(3つの内側ダンパ510A,510B,510C×2列)を配置したケースである。内側ダンパ510A,510B,510Cは、異なる厚みを有する。実施例3−1〜3−3では、上下方向に並ぶ3つの内側ダンパ510A,510B,510Cのうち、上方に位置するものほど大きい厚みを有する。
実施例3−1では、全ての内側ダンパ510A,510B,510Cの材料特性を同一とした。実施例3−2では、内側ダンパ510A,510B,510Cのうち、上方に位置するものほど大きいせん断弾性係数を有することとした。実施例3−3では、内側ダンパ510A,510B,510Cのうち、上方に位置するものほど小さいせん断弾性係数を有することとした。
図18及び図19に示すように、実施例4は、プレート12の内面121に2つの内側ダンパ(内側ダンパ520A×2列)を配置したケースである。実施例4において、内側ダンパ520Aの厚みは、上から下に向かって徐々に小さくなっている。内側ダンパ520Aの上端の厚みは60mm、内側ダンパ520Aの下端の厚みは20mmである。剛性部材6Dの厚みは、剛性部材6A,6B,6Cと同様、10mmとした。
解析ケース(2)における各内側ダンパは、解析ケース(1)と同様、効果を検証するための仮想材である。内側ダンパの減衰係数βは、全てのケースで同じ値(0.1)とした。上述の数式(1)に示すように、減衰係数βは、ひずみ速度に比例する減衰応力σdに寄与する。
解析ケース(1)と同様、ランウェイガーダユニット1及び各剛性部材はシェル要素、ボルト31はビーム要素、各内側ダンパはソリッド要素でモデル化した。ボルト31は、M24ボルトとし、1/2として端部を対称に拘束した。ナットは、モデル化されていない。
[解析ケース(2)の評価]
解析ケース(1)と同様、ランウェイガーダユニット1のX方向中央において、下フランジ113の下部を応力評価部とした(図12)。
(内側ダンパのせん断弾性係数)
図20に、実施例2−1〜2−3及び比較例各々の応力評価部における応力履歴を示す。図20から、実施例2−1〜2−3では、比較例と比べて応力振動が低減していることがわかる。また、上側に位置する内側ダンパのせん断係数が下側に位置する内側ダンパのせん断係数よりも大きい実施例2−2では、実施例2−1及び2−3よりも応力振動が低減されていることがわかる。
図21に、実施例3−1〜3−3及び比較例各々の応力評価部における応力履歴を示す。図21から、実施例3−1〜3−3では、比較例と比べて応力振動が低減していることがわかる。また、上側に位置する内側ダンパのせん断係数が下側に位置する内側ダンパのせん断係数よりも大きい実施例3−2では、実施例3−1及び3−3よりも応力振動が低減されていることがわかる。
したがって、より大きなせん断弾性係数を有する内側ダンパを上側に配置することが、ランウェイガーダの振動の低減に有効であるといえる。
(内側ダンパの厚み)
図22Aに、実施例2−1、実施例3−1、及び比較例各々の応力評価部における応力履歴を示す。図22Bに、実施例2−1、実施例4、及び比較例各々の応力評価部における応力履歴を示す。図22A及び図22Bから、実施例2−1、実施例3−1、及び実施例4のいずれも、比較例と比べて応力振動が低減していることがわかる。
図22A及び図22Bに示すように、複数の内側ダンパ全てが同一の厚みを有する実施例2−1では、複数の内側ダンパが各々異なる厚みを有する実施例3−1、及び内側ダンパの厚みが一様ではない実施例4と比べて、応力振動が早く減衰している。その一方で、実施例3−1及び実施例4では、実施例2−1と比べて、最大応力値、及び応力値が小さい領域における応力振動が抑制されている。したがって、ランウェイガーダにおいて疲労が問題となる箇所の応力振動に応じ、1又は複数の内側ダンパの厚みを一様にするか、あるいは、1又は複数の内側ダンパの厚みを変化させるかを選択することが有効であるといえる。
10,20,30,40,50:ランウェイガーダ
1:ランウェイガーダユニット
11:ガーダ本体
12:プレート
5,51,52,53,501,502,503,511,512,520:内側ダンパ
6,61,601,611,612,620:剛性部材
7:外側ダンパ

Claims (9)

  1. クレーンを走行させるためのランウェイガーダであって、
    各々が、前記クレーンの走行方向に延びるガーダ本体と、前記走行方向における前記ガーダ本体の端部に固定され、前記走行方向と交差するプレートとを含み、前記プレートが互いに対向するように配置される複数のランウェイガーダユニットと、
    前記プレートの内側に取り付けられるプレート状の第1剛性部材と、
    前記プレートの内面上に配置され、前記プレートと前記第1剛性部材との間に保持され、前記ランウェイガーダユニット及び前記第1剛性部材の弾性係数よりも小さい弾性係数を有する第1内側ダンパと、
    を備え、前記ランウェイガーダユニットの前記プレート、前記第1内側ダンパ及び前記第1剛性部材は複数のボルト及び複数のナットを用いて取り付けられる、ランウェイガーダ。
  2. 請求項1に記載のランウェイガーダであって、
    前記第1内側ダンパは、前記プレートの上部に配置される、ランウェイガーダ。
  3. 請求項1又は2に記載のランウェイガーダであって、さらに、
    前記第1剛性部材が取り付けられたプレートと対向する別のプレートの内側に取り付けられる第2剛性部材と、
    前記別のプレートの内面上に配置され、前記別のプレートと前記第2剛性部材との間に保持され、前記ランウェイガーダユニット及び前記第2剛性部材の弾性係数よりも小さい弾性係数を有する第2内側ダンパと、
    を備える、ランウェイガーダ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のランウェイガーダであって、
    前記プレートの内面上において、複数の前記第1内側ダンパが上下方向に並んでいる、ランウェイガーダ。
  5. 請求項4に記載のランウェイガーダであって、
    前記複数の第1内側ダンパのうち、上側に配置された第1内側ダンパは、下側に配置された第1内側ダンパの減衰係数よりも大きい減衰係数を有する、ランウェイガーダ。
  6. 請求項4又は5に記載のランウェイガーダであって、
    前記複数の第1内側ダンパのうち、上側に配置された第1内側ダンパは、下側に配置された第1内側ダンパの弾性係数よりも大きい弾性係数を有する、ランウェイガーダ。
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載のランウェイガーダであって、
    前記複数の第1内側ダンパのうち、上側に配置された第1内側ダンパは、下側に配置された第1内側ダンパの厚みよりも大きい厚みを有する、ランウェイガーダ。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載のランウェイガーダであって、
    前記第1内側ダンパのうち、上側に位置する部分は、下側に位置する部分の厚みよりも大きい厚みを有する、ランウェイガーダ。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のランウェイガーダであって、さらに、
    前記互いに対向するプレートの間に配置され、前記ランウェイガーダユニットの弾性係数よりも小さい弾性係数を有する外側ダンパを備える、ランウェイガーダ。
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