JP6467709B2 - インプリント方法及びインプリント装置 - Google Patents

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本発明は、インプリント方法およびインプリント装置に関する。
近年、ディスプレイ、照明などの商品に用いられる光学部品において、特殊光学特性を発揮するナノメートル(nm)オーダーからミクロン(μm)オーダーの微細パターンを商品の表面に形成することで、光の反射、回折を制御する、従来にない新機能を発現したデバイスを実現することが望まれている。このような微細な構造を形成する方法としてはフォトリソグラフィー技術や電子線描画技術に加えて、近年ではインプリント技術が注目されている。インプリント技術とは、表面に微細パターンが形成されたモールドを、被転写体に押し付けることで、モールドの微細パターンを転写する技術である。
具体的なインプリント方法としては、熱インプリント法と、UVインプリント法とがある。熱インプリント法は、被転写体としての熱可塑性樹脂を基板上に塗布し、熱可塑性樹脂をガラス転移温度以上に加熱して軟化させた熱可塑性樹脂にモールドを押し当てて、熱可塑性樹脂に転写熱可塑性樹脂を冷却して硬化させる方法である。熱インプリント法としては、熱可塑性樹脂の代わりに熱硬化樹脂を使用するものもある。この場合は、未硬化の熱硬化性樹脂をモールドに押し当てて、その状態で加熱を行うことにより熱硬化樹脂を硬化させる。UVインプリント法は、被転写体としてのUV硬化樹脂を基板上に塗布し、未硬化のUV硬化樹脂にモールドを押し当ててモールドの微細パターンをUV硬化樹脂に転写し、モールドを押し当てた状態で、UV硬化樹脂にUV光を照射することにより、UV硬化樹脂を硬化させる方法である。
熱インプリント法は材料の選択性が広いという特徴があるが、形状を転写させる際にモールドを昇温および降温する必要があるため、スループットが低いという問題がある。一方、UVインプリント法は紫外線で硬化する材料に限定されるため、熱インプリントと比較すると材料の選択性が狭いものの、数秒〜数十秒で硬化を完了させることが可能である為、スループットが非常に高いという利点がある。熱インプリント法およびUVインプリント法のいずれを採用するかは、適用するデバイスにより異なるが、材料起因の問題がない場合には、UVインプリント法が量産工法として適していると考えられる。
微細なパターンを形成する方式としては、図9に示すように、微細パターン33が形成された平板モールド30を、基板71の表面に塗布された樹脂70に対して垂直に圧力をかけることにより、モールド30の微細パターン33を樹脂70に転写する平板式インプリントが一般的である。しかしながら、この方式ではモールド30と樹脂70とが面同士で接触するため、モールド30の微細パターン33の内部に微小な気泡が残存し、転写欠陥を生じる可能性が高い。平板式インプリントにおいて、このような気泡による転写欠陥を抑制するには真空環境下でインプリントを行う必要があり、その場合は、真空装置のための装置コストがかかり、また所定の真空度に到達させるために一定時間を要するため、スループットが低下するという問題があった。
特許文献1では、上記問題を解決するため、図10に示すようなロール式UVインプリント法を採用する。この方式では、微細パターン33が形成された薄板状のモールド30を、基板71に塗布されたUV硬化樹脂70に対して押圧ロール5で押圧方向Yに加圧しながら送り方向Xに送ることにより、モールド30の微細パターン33をUV硬化樹脂70に順次転写するものである。UV硬化樹脂70は、押圧ロール10の後方に設置されたUV照射器60によってUV光が照射されることで硬化する。
この方式によれば、モールド30は基板71に対して押圧ロール10を送ることにより順次押し付けられていくため、空気が押圧ロール10の送り方向Xに逃げやすく、モールド30の微細パターン33内部に気泡が残存することなく成形することができる。さらに、モールド30と基板71との接触領域は線形状になるため、転写のための圧力を小さくすることができる。加えて大気圧下での処理が可能であるため、大掛かりな真空装置を必要としない。
特開2014−54735号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインプリント法においては、図10に示すように、押圧ロール10が押圧方向YにUV硬化樹脂70を押圧しながら送り方向Xに送られることによって、UV硬化樹脂70は送り方向Xに押し出され、基板71の縁部72よりも外側に流れ出してしまうことがある。流れ出したUV硬化樹脂70は、基板71を載置するステージ40上で濡れ拡がって硬化してしまい、基板71とステージ40とが固着して基板70の取出しが困難となったり、ステージ40を過度に洗浄したりする必要が生じる。
このようなUV硬化樹脂70の濡れ拡がりを回避するためには、図11に示すように基板71の外周のステージ40上に、基板71との間に一定の間隙部73を形成するようにプレート90を設け、流れ出したUV硬化樹脂70を基板71とプレート90との間の間隙部73に収容する方法が考えられる。
ただし、このようなインプリント方法でも、図12に示すように、基板71がプレート90よりも厚い場合は、押圧ロール10がプレート90と接触する際に、押圧ロール10による応力が基板71の縁部に集中することにより、基板71とプレート90との段差部分付近でモールド30が変形してしまい、UV硬化樹脂70の転写品質が低下してしまうこととなる。一方、図13に示すように、基板71がプレート90よりも薄い場合、押圧ロール10がプレート90の角部に乗り上げた際に、応力がプレート90の角部に集中することにより、基板71とプレート90との段差部付近でモールド30が変形してしまい、UV硬化樹脂70の転写品質が低下してしまうこととなる。このような問題は、ロール式のインプリント法であれば、UVインプリント法のみならず、熱インプリント法においても同様に生じる。
本発明は上記従来の問題点に鑑み、基板上に塗布される光硬化樹脂が基板の縁部よりも外側で濡れ拡がることを防止しつつ、微細パターンの転写品質を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のインプリント方法は、光硬化樹脂が塗布された基板とステージ上に設けられる弾性部材との間に一定の間隙部を形成するように、前記基板を前記ステージ上の載置領域に載置する工程と、薄板状であって、可撓性及び光透過性を有し、所定の張力で保持されるモールドを介して、前記光硬化樹脂及び前記弾性部材を、押圧ロールで順次押圧することにより、前記モールドの第一面に形成された微細パターンを前記光硬化樹脂に押し当てる工程と、前記微細パターンが押し当てられた状態の前記光硬化樹脂に光を照射する工程と、を有し、前記弾性部材の厚さは、前記基板の厚さよりも大きく、前記弾性部材は前記押圧ロールで押圧されることにより変形し、前記弾性部材と前記基板との厚さの差が小さくなることを特徴とする。
本発明のインプリント方法は、基板上に塗布される光硬化樹脂が基板の縁部よりも外側で濡れ拡がることを防止しつつ、微細パターンの転写品質を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るインプリント装置の全体を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るモールドの上面図及び断面図を示す。 本発明の実施の形態に係るステージ、弾性部材及び基板の上面図及び断面図を示す。 本発明の実施の形態に係るインプリント方法を示す上面図である。 本発明の実施の形態に係るインプリント方法を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るインプリント方法を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係るインプリント方法を示す拡大断面図である。 本発明の別の実施の形態に係るインプリント方法を示す拡大断面図である。 従来の平板式インプリントを説明する図である。 ロール式インプリントを示す断面図である。 プレートを使用した場合のロール式インプリントを示す断面図である。 基板がプレートよりも厚い場合における、ロール式インプリント法を示す拡大断面図である。 基板がプレートよりも薄い場合における、ロール式インプリント法を示す拡大断面図である。
以下本発明の実施の形態に係るインプリント装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施の形態に係るインプリント装置1は、押圧ロール10と、保持ロール20と、モールド30と、ステージ40と、弾性部材50と、UV照射器60と、制御部80とを備える。本発明の実施の形態に係るインプリント装置1は、ロール式のUVインプリント法を採用する。
押圧ロール10は、円筒状であって、その中心に軸11を有しており、軸11周りに回転自在である。また、押圧ロール10は、軸11の方向(軸方向Z)に対して垂直な平面を移動可能である。換言すると、押圧ロール10は、ステージ40に向かう方向(押圧方向Y)と、軸方向Z及び押圧方向Yに垂直な方向(送り方向X)とを移動可能である。保持ロール20も、円筒状であって、その中心に軸21を有しており、軸21回りに回転自在で、かつ、軸21の方向は、押圧ロール10の軸方向Zと平行である。保持ロール20は、例えば、押圧ロール10と共通のユニットに保持され、保持ロール20の軸21の中心と押圧ロール10の軸11の中心との間で一定距離を保ちながら、押圧ロール10の移動と同期して移動する。しかしながら、押圧ロール10と保持ロール20とが共通のユニットに保持される必要はなく、互いに同期して移動する態様であれば、別々のユニットに保持されてもよい。例えば、図1に示すように、押圧ロール10及び保持ロール20は制御部80に接続され、制御部80は、押圧ロール10と保持ロール20とが同期して移動するように制御する。
モールド30は、図1及び2に示すように、薄板状であって、押圧ロール10及び保持ロール20と、ステージ40との間に設けられる。モールド30は、ステージ40と向かい合う第一面31と、第一面31と反対側の第二面32とを有し、第一面31の少なくとも一部には微細パターン33が形成されている。また、モールド30は、一端が可動保持部34に保持され、他端が固定保持部35によって保持される。可動保持部34を移動させることにより、モールド30にかかる張力、及びステージ40に対するモールド30の角度を任意に調整することができる。モールド30は、可撓性及びUV透過性を有する材料であって、例えば、PETフィルムであるが、これに限定されない。さらに、モールド30の第二面32の一部には、UV光を透過しない遮光マスク36が設けられる。遮光マスク36の具体的な位置については後述する。遮光マスク36の材料は、例えばクロムであり、スパッタ等の方法により形成される。
ステージ40は、図1及び3に示すように、UV硬化樹脂70が塗布された基板71を載置するための載置領域41を有しており、載置領域41は、モールド30の第一面31と向かい合う。載置領域41の形状は、基板71の平面形状と同一であって、例えば、基板71の平面形状が図3に示されるような円形状である場合、載置領域41も円形状である。ここで、基板71の大きさが定まっておらず、数種類の大きさの基板に対してインプリントを行う装置においては、その数種類の中で最も大きい基板を載置可能な領域を載置領域とする。
弾性部材50は、基板71との間に所定の間隙部73を形成するようにステージ40上に設けられる。弾性部材50の厚さT1は、基板71の厚さT2よりも大きく、押圧ロール10で押圧方向Yに押圧されることによって変形可能である。基板71の厚さT2が300μmの場合、弾性部材50の厚さT1は、例えば330μmであって、厚さの差は30μmである。間隙部7は基板71を囲んで環状に形成されており、その幅Dは例えば50μmである。
UV照射器60は、図1に示すように、モールド30の第二面32側であって、照射されたUV光61が保持ロール20及び押圧ロール10によって遮られない位置に配置され、ステージ40に向かってコリメートされたUV光61を照射可能である。また、UV照射器60は、押圧方向YにUV光61を照射し、この場合、押圧方向Yから見て、UV照射器60は、押圧ロール10と保持ロール20との間に設けられる。モールド30はUV透過性を有するため、UV光61は、モールド30を通過して、ステージ40の載置領域41上に載置される基板71に塗布されるUV硬化樹脂70に照射される。ただし、ステージ40の載置領域41と弾性部材50との間の間隙部73には、モールド30の第二面32の遮光マスク36で遮られるため、UV光が照射されない。また、UV照射器60は、制御部80と接続され、押圧ロール10及び保持ロール20の移動と同期して移動する。UV照射器60は、例えばLEDであるが、これに限定されない。
次に、本実施の形態に係るインプリント装置1を用いたインプリント方法を、図4及び5を参照しながら説明する。なお、図4においては、微細パターン33及びUV照射器60が省略され、図5においては、微細パターン33、遮光マスク36、及びUV硬化樹脂70が省略されている。
まず、未硬化のUV硬化樹脂が塗布された基板71を、UV硬化樹脂70とモールド30の第一面31とが向かい合うように、ステージ40の載置領域41に載置する。そして、モールド30を所定の張力及び角度で保持しつつ、押圧ロール10を押圧方向Yに移動させる。これにより、押圧ロール10は、モールド30第二面32と接触し、可撓性を有するモールド30は、押圧ロール10の移動に沿って変形する。押圧ロール10が押圧方向Yに移動することにより、ステージ40上に載置された基板71に対して垂直に圧力が加えられる。この時、圧力の大きさはロードセル(図示しない)によって計測されており、計測された圧力が所定の大きさに到達すると、押圧ロール10を送り方向Xに移動させる。押圧ロール10が送り方向Xに移動することにより、押圧ロール10は、モールド30の第二面32との摩擦力の影響を受けて回転する。そして、モールド30の第一面31は、基板71上のUV硬化樹脂と順次押圧していき、第一面31に形成された微細パターン33がUV硬化樹脂に順次転写される。
また、保持ロール20は、押圧ロール10と一定の距離を保ちながら、押圧ロール10に追従して移動し、押圧ロール10による押圧が解除された後のモールド30の部分がUV硬化樹脂70から離れないように保持する。基板71の外周のステージ40上には、弾性部材50が設けられるため、弾性部材50がモールド30を押し上げて、UV硬化樹脂70が硬化する前にモールド30がUV硬化樹脂70から離れるおそれがあるが、保持ロール20が押圧ロール10を追従して移動することにより、押圧ロール10と保持ロール20との間のモールド30がUV硬化樹脂70から離れないように保持することができる。
そして、図5に示すように、UV照射器60は押圧ロール10及び保持ロール20と同期して移動し、UV照射器60から照射されるUV光は押圧ロール10と保持ロール20との間を通過し、透光性を有するモールド30を介して基板71に入射する。これにより、UV硬化樹脂が微細パターン内に充填した状態でUV硬化樹脂にUV光が照射され、UV硬化樹脂が硬化する。
図6は、押圧ロール10が弾性部材50と接触した直後の状態を示す拡大断面図である。弾性部材50の厚さT1は、基板71の厚さT2よりも大きいため、UV硬化樹脂70を押圧しようとすると、基板71の周囲に形成される弾性部材50をも押圧する。ここで、弾性部材50は、押圧ロール10で押圧されることによって変形可能であるため、弾性部材50が基板71と弾性部材50との間の厚さの差を小さくすることができる。これにより、基板71の縁部72や弾性部材50の角部で生じる応力集中を緩和し、段差部付近でモールド30が変形することを抑制することができ、インプリントの転写品質を向上させることができる。変形後の弾性部材50の厚さは、基板71の厚さT2と同程度の厚さとなることが好ましい。
例えば、押圧ロール10の押圧方向Yにおける位置を検出する位置検出機構(図示せず)が図1に示す制御部80に接続され、押圧ロール10が弾性部材50と接触する際に、押圧ロール10が押圧方向Yに急激に移動しないように、制御部80が位置検出機構のデータを基にして押圧ロール10の圧力を補正する。仮に、押圧ロール10が弾性部材50と接触する際に押圧ロール10の押圧方向Yにおける位置が上昇したことを位置検出機構が検出した場合、制御部80は、押圧ロール10の圧力を大きくして弾性部材50の変形量を大きくし、弾性部材50の厚さと基板71の厚さとを同程度とする。反対に、押圧ロール10の押圧方向Yにおける位置が下降したことを位置検出機構が検出した場合、制御部80は、押圧ロール10の圧力を低下させて弾性部材50の変形量を小さくし、弾性部材50の厚さと基板71との厚さとを同程度とする。さらに、基板71の厚さT1が予めレーザー変位計等で測定され、制御部80にデータとして蓄えられてもよい。この場合、基板71の厚さのデータを基にして、基板71の厚さと弾性部材50の厚さとが同程度となるような圧力の適正値を算出し、押圧ロール10が弾性部材50と接触する際に押圧ロール10の圧力を適正値に制御しながら、前述した位置検出機構のデータによりその圧力を補正することによって、より高精度な制御が可能となる。
また、簡便には、基板71の厚さT2を測定し、押圧ロール10の圧力をP、弾性部材50の厚さをT1、弾性部材50のヤング率をEとしたときに、P=E×(T1−T2)を満たすように、押圧ロール10の圧力P、弾性部材50の厚さT1及びヤング率Eを調整又は設計する。これにより、弾性部材50は、押圧ロール10によって圧力Pで押圧されたときに、基板71の厚さT2と同程度の厚さに変形可能である。
ここで、押圧ロール10がUV硬化樹脂70を押圧方向Yに押圧しながら送り方向Xに送られることによって、基板71に塗布されるUV硬化樹脂70は送り方向Xに押し出され、押し出されたUV硬化樹脂70は、基板71の縁部72よりも外側に流れ出して、基板71と弾性部材50との間の間隙部73に収容される。このとき、弾性部材50の厚さT1は、基板71の厚さT2よりも大きいため、押し出されたUV硬化樹脂70が間隙部73を超えて弾性部材50上に濡れ広がることを防止できる。
また、モールド30の第二面32の遮光マスク36は、モールド30の微細パターン33がUV硬化樹脂70に押し当てられた状態のときに、少なくとも基板71と弾性部材50との間の間隙部73に照射されるUV光を遮光する。具体的には、UV照射器60が押圧方向YにUV光61を照射する場合は、遮光マスク36は、モールド30の第二面33上であって、モールド30の微細パターン33がUV硬化樹脂70に押し当てられた状態のときに、押圧方向Yから見て少なくとも間隙部73と重なる箇所に設けられる。これにより、間隙部73に収容されるUV硬化樹脂70の硬化を防止することができ、基板71とステージ40との固着を防止し、インプリント後に基板71をステージ40の載置領域41から容易に取出し可能となる。間隙部73に収容されたUV硬化樹脂70は、基板71を取り出した後にステージ40を手拭き洗浄したり、弾性部材50を交換することによってメンテナンスされ、スムーズに次の基板に対してインプリントを行うことができる。
図7は、微細パターンの転写が完了した後、押圧ロールを送り方向Xと逆方向に移動させ、モールド30をUV硬化樹脂70から剥離している状態を示す拡大断面図である。モールド30を剥離した後、間隙部73で未硬化状態を維持するUV硬化樹脂70の内、一部はモールド30の第一面31に付着する。ここで、ステージ40や弾性部材50に付着した未硬化のUV硬化樹脂70は、洗浄もしくは部材交換により除去されるが、モールド30に付着したUV硬化樹脂70は残存させたまま次の基板に対してインプリントを行うことが好ましい。
図8は、1回目のインプリントでモールド30の第一面31に未硬化のUV硬化樹脂70を残存させた場合における、2回目以降のインプリントの様子を示す。モールド30が押圧ロール10で押圧されることにより、基板71上に塗布されるUV硬化樹脂70は、送り方向Xに押し出されるが、1回目のインプリントでモールド30の第一面31に残存させた未硬化のUV硬化樹脂70と衝突して一体化する。この衝突により、押し出されるUV硬化樹脂70の流動速度は著しく低下するため、UV硬化樹脂70が間隙部73を超えて弾性部材50上に濡れ広がることを確実に防止することができる。
なお、本実施の形態に係るインプリント方法において、モールド30の第二面32上に遮光マスク36を設けることを述べたが、必ずしも設けられる必要はなく、遮光マスクを設けない態様としても、前述した弾性部材50の構成によって、転写品質を維持しつつ、UV硬化樹脂70の濡れ拡がりを防止することができる。ここで、遮光マスクが設けられず、間隙部73にUV光61が照射されたとしても、間隙部73に収容されるUV硬化樹脂は、UV光61が照射される方向、すなわちY方向に積層するため、そのUV硬化樹脂70の上部(モールド30側)のみが硬化し、下部(ステージ40側)は硬化されにくい。したがって、UV光61が間隙部73に収容されるUV硬化樹脂70に照射されたとしても、基板71とステージ40とが固着することはほとんどなく、基板71をステージ40の載置領域41から容易に取出し可能である。遮光マスク36が設けられて、間隙部73に照射されるUV光61を遮光する場合は、間隙部73に収容されるUV硬化樹脂70の下部のみならず上部をも未硬化の状態とすることができ、遮光マスク36を設けない場合と比較して、より確実に基板71とステージ40との固着を防止することができる。
また、本実施の形態に係るインプリント方法において、基板71の平面形状は、円形状である態様を説明したが、これに限られず、多角形状であってもよい。
また、本実施の形態では、UV照射器60は、UV透過性を有するモールド30を介してUV光61をUV硬化樹脂70に照射して硬化させることを述べたが、これに限られず、モールド30がUV以外の光に対して透過性を有し、UV以外の光で硬化する樹脂を使用し、UV以外の光を照射する光照射器を使用する態様としてもよい。
また、光インプリント法に限られず、熱インプリント法を採用してもよい。熱インプリント法の場合、モールド30は光透過性を有する材料に限定されない。また、被転写体の材料は、光硬化樹脂の代わりに、熱硬化樹脂や熱可塑性樹脂が使用される。熱硬化樹脂を使用する場合は、光照射器の代わりに、熱硬化樹脂を加熱する機構を備える必要がある。例えば、ステージ40内部にヒータが設けられて、ヒータが基板71を介して熱硬化樹脂を加熱する。なお、ヒータは、ステージ40内部に設けられる代わりに、モールド30の第二面32側に設けられて、近赤外線等を利用して熱硬化樹脂を加熱する構成としてもよい。また、熱可塑性樹脂を使用する場合は、光照射器の代わりに、上記のような加熱機構に加えて、熱可塑性樹脂を冷却する機構をさらに備える必要がある。例えば、押圧ロール10に冷却流路が設けられて、冷却流路に冷却水や冷却ガスを流すことにより、押圧ロール10の表面及びモールド30を介して熱可塑性樹脂を冷却することができる。ただし、熱インプリント法を採用する場合は、基板71の外周のステージ40上には、弾性部材50が設けられるため、弾性部材50がモールド30を押し上げて、熱硬化樹脂又は熱可塑性樹脂を硬化させる前にモールド30が熱硬化樹脂又は熱可塑性樹脂から離れるおそれがあるため、保持ロール20を複数設けるなどして、モールド30が熱硬化樹脂又は熱可塑性樹脂から離れないように保持する必要がある。
なお、インプリント装置1は、円筒状の保持ロール20を備えることを述べたが、これに限られず、押圧ロール10による押圧が解除された後のモールド30の部分がUV硬化樹脂等から離れないように保持できれば、保持ロール20の代わりに、円筒状でない保持部材を用いてもよい。
本発明は、基板上に塗布される光硬化樹脂が基板の縁部よりも外側で濡れ拡がることを防止しつつ、微細パターンの転写品質を向上させることができるインプリント方法に有用である。
1 インプリント装置
10 押圧ロール
20 保持ロール
30 モールド
36 遮光マスク
40 ステージ
41 載置領域
50 弾性部材
60 UV照射器
70 UV硬化樹脂
71 基板
72 縁部
73 間隙部
80 制御部

Claims (7)

  1. 光硬化樹脂が塗布された基板とステージ上に設けられる弾性部材との間に一定の間隙部を形成するように、前記基板を前記ステージ上の載置領域に載置する工程と、
    薄板状であって、可撓性及び光透過性を有し、所定の張力で保持されるモールドを介して、前記光硬化樹脂及び前記弾性部材を、押圧ロールで順次押圧することにより、前記モールドの第一面に形成された微細パターンを前記光硬化樹脂に押し当てる工程と、
    前記微細パターンが押し当てられた状態の前記光硬化樹脂に光を照射する工程と、を有し、
    前記弾性部材の厚さは、前記基板の厚さよりも大きく、前記弾性部材は前記押圧ロールで押圧されることにより変形し、前記弾性部材と前記基板との厚さの差が小さくなる
    ことを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記モールドは、前記第一面と反対の第二面上に遮光マスクを有し、
    前記遮光マスクは、前記間隙部に照射される光を遮光する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記遮光マスクが光を遮光することによって未硬化状態を維持する光硬化樹脂を、前記モールドの前記第一面の一部に残存させた状態で、別の基板に塗布される光硬化樹脂に対してインプリントを行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のインプリント方法。
  4. 前記基板は、平面形状が円形状である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインプリント方法。
  5. 熱硬化樹脂または熱可塑性樹脂が塗布された基板と、ステージ上に設けられる弾性部材との間に一定の間隙部を形成するように、前記基板を前記ステージ上の載置領域に載置する工程と、
    薄板状であって、可撓性を有し、所定の張力で保持されるモールドを介して、前記熱硬化樹脂または前記熱可塑性樹脂と、前記弾性部材とを、押圧ロールで順次押圧することにより、前記モールドの第一面に形成された微細パターンを、前記熱硬化樹脂または加熱により軟化した前記熱可塑性樹脂に押し当てる工程と、
    前記微細パターンが押し当てられた状態の前記熱硬化樹脂または前記熱可塑性樹脂を加熱または冷却して硬化させる工程と、を有し、
    前記弾性部材の厚さは、前記基板の厚さよりも大きく、前記弾性部材は前記押圧ロールで押圧されることにより変形し、前記弾性部材と前記基板との厚さの差が小さくなる
    ことを特徴とするインプリント方法。
  6. 光硬化樹脂が塗布された基板を載置するための載置領域を有するステージと、
    薄板状であって、可撓性及び光透過性を有し、前記ステージの前記載置領域と向かい合う第一面に微細パターンを有し、所定の張力で保持されるモールドと、
    前記モールドの前記第一面と反対の第二面を押圧可能な押圧ロールと、
    前記押圧ロールによる押圧が解除された後の前記モールドの部分を保持する保持部材と、
    前記モールドの前記第二面側に配置され、前記ステージの載置領域に向かって光を照射可能な光照射器と、
    前記ステージ上で、前記載置領域との間に一定の間隙部を形成するように設けられる弾性部材と、を備え、
    前記弾性部材は、その厚さが前記基板の厚さよりも大きく、前記押圧ロールが前記モールドを押圧した時に前記弾性部材と前記基板との厚さの差が非押圧時よりも小さくなるように変形可能であることを特徴とするインプリント装置。
  7. 前記モールドは、前記第二面上に遮光マスクを有し、
    前記遮光マスクは、前記間隙部に照射される光を遮光する
    ことを特徴とする請求項6に記載のインプリント装置。
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