JP2007176039A - 微細パターンシート作成装置および微細パターンシート作成方法 - Google Patents

微細パターンシート作成装置および微細パターンシート作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】型のパターンの転写を効率良く行なうことが出来ると共に、型から転写されたパターンのアスペクト比が大きくても、前記転写されたパターンが崩れにくい、微細シートパターン作成装置を提供する。
【解決手段】シート状の基材3をこの長手方向に搬送することが可能な搬送手段5と、基材3の一方の面に、被成形物9を設ける被成形物設置手段7と、微細なパターンが形成されている平面状の転写面13を備えていると共に基材3の厚さ方向に移動自在な型11と、基材3に設けられている被形成物9に転写を行なうために、型11と協働して基材3を挟み込むことが可能なベースユニット15と、基材3を挟み込んでいるときに、被成形物9を硬化すべく被成形物9にエネルギーを供給するエネルギー供給手段19とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細パターンシート作成装置に係り、特に、型に設けられている微細なパターンを基材に転写することによって、微細なパターンが転写されたシートを作成するものに関する。
図13は、従来の微細パターンシート作成装置200の概略構成を示す図である。
従来の微細パターンシート作成装置200(たとえば、非特許文献1参照)は、側面に微細なパターンが形成されているローラ202に、シート状の基材204を巻き掛けローラ202を回転しつつ基材204を一定方向に送りながら、基材204に前記パターンを転写するものである。
より詳しく説明すると、基材204の一方の面(ローラ202に接触する側の面)には、紫外線硬化樹脂206が薄く設けられており、基材204がローラ202に接触する部位で、紫外線硬化樹脂206がローラ202のパターンに倣い、さらに、紫外線照射装置208から基材204に紫外線を照射することにより、紫外線硬化樹脂206が硬化し、基材204への前記パターンの転写がなされるようになっている。
なお、転写がされた基材204は、所定の形状に切断された後、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)のフィルタとして使用される。
次世代高速高精度Sawyer型平面モータの開発、[平成17年12月20日検索]、インターネット<URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/12/04121501/furoku/028/001.pdf:http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/12/04121501/pdf/026_02.pdf
ところで、従来の微細パターンシート作成装置200では、基材204への転写がローラ202により連続的になされるので、基材204へのパターンの転写を効率良く行なうことができるが、この一方で、ローラ202から基材204(紫外線硬化樹脂206)が離れる際、図14(転写のアスペクト比を示す図)に示すように紫外線硬化樹脂206のアスペクト比(パターンの高さH/パターンの幅W)が大きいと、紫外線硬化樹脂206に形成されたパターンが崩れるおそれがあるという問題がある。
すなわち、従来の微細パターンシート作成装置200では、ローラ202から基材204が離れる部位では、ローラ202の側面に倣って円弧状に湾曲していた基材204(紫外線硬化樹脂206)が直線状になるので、ローラ202のパターンの凹部(図示せず)に入り込んでいた紫外線硬化樹脂206の凸部(図示せず)が、前記凹部から抜け出る際に前記凹部と干渉する等して、前記凸部の形状が崩れるおそれがあるという問題がある。
なお、前記問題は、紫外線硬化樹脂以外の材料(たとえば、熱硬化性樹脂)にパターンを転写する場合にも同様に発生する問題である。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、型のパターンの転写を効率良く行なうことが出来ると共に、型から転写されたパターンのアスペクト比が大きくても、前記転写されたパターンが崩れにくい、微細シートパターン作成装置および微細シートパターン作成方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、所定の幅を備えた長いシート状の基材を、この長手方向に搬送することが可能な搬送手段と、前記基材の一方の面に、被成形物を設ける被成形物設置手段と、前記被成形物設置手段の下流側で前記基材の一方の面側に設けられ、微細なパターンが形成されている平面状の転写面を備えていると共に前記基材の厚さ方向に移動自在な型と、前記基材に設けられている被形成物に転写を行なうために、前記型と協働して前記基材を挟み込むことが可能なベースユニットと、前記型と前記ベースユニットとで前記基材を挟み込んでいるときに、前記被成形物を硬化すべく前記被成形物にエネルギーを供給するエネルギー供給手段とを有する微細パターンシート作成装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の微細パターンシート作成装置において、前記型と前記ベースユニットとで前記基材を挟み込んでいるときに前記基材を挟む更なる力を前記型の一端部から他端部に向かって移動して加えることが可能な加圧手段を有する微細パターンシート作成装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の微細パターンシート作成装置において、前記型のパターンが転写されて硬化した被成形物を備えた前記基材を所定の形状に切断するために、前記型と前記エネルギー供給手段との下流側に設けられた切断手段を有する微細パターンシート作成装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の微細パターンシート作成装置において、前記型のパターンが転写されて硬化した被成形物を備えた基材であって、前記切断手段で切断された基材を、所定の場所に搬送する切断基材搬送手段を有する微細パターンシート作成装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、前記被成形物設置手段と前記型との間に、前記基材のバッファ領域が設けられている微細パターンシート作成装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、前記被成形物設置手段は、ミスト状の前記被成形物を前記基材に供給し、前記基材に前記被成形物を設ける手段である微細パターンシート作成装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、前記転写面の微細なパターンを前記被成形物に転写する際に、前記型に貼り付いている前記基材を、前記型から剥がすための離型手段を有する微細パターンシート作成装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、前記被成形物は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂または熱によって硬化する熱硬化性樹脂である微細パターンシート作成装置である。
請求項9に記載の発明は、所定の幅を備えた長いシート状の基材を長手方向に間欠的に搬送しつつ、型に設けられている微細なパターンを前記基材に薄く設けられた被成形物に転写して微細パターンシートを作成する微細パターンシート作成方法において、前記基材の一方の面に、被成形物を設ける工程と、前記被成形物設置工程で設けられた被成形物と前記基材とを、微細なパターンが形成されている平面状の転写面を備えている型と、ベースユニットとで挟み込む工程と、前記型と前記ベースユニットとで前記基材を挟み込んでいるときに、前記被成形物を硬化すべく前記被成形物にエネルギーを供給する工程とを有することを特徴とする微細パターンシート作成方法である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の微細パターンシート作成方法において、前記被成形物は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂または熱によって硬化する熱硬化性樹脂である微細パターンシート作成方法である。
本発明によれば、型のパターンの転写を効率良く行なうことが出来ると共に、型から転写されたパターンのアスペクト比が大きくても、前記転写されたパターンが崩れにくい、微細シートパターン作成装置を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る微細パターンシート作成装置1の概略構成を示す図であり、図2は図1におけるII矢視を示す図である。
本件明細書では、説明の便宜のため、水平方向の一方向をX軸方向とし、水平方向の他の一方向であって前記X軸方向に直角な方向をY軸方向とし、上下方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。
微細パターンシート作成装置1は、微細パターンシート(微細なパターンが転写されたシート状の基材3;より詳しくは、シート状の基材3の厚さ方向の一方の面に薄く設けられた紫外線硬化樹脂9等の被成形物に、型11に設けられた平面状の転写面13に形成されている微細なパターンが転写され、前記被成形物が硬化して前記基材3と一体になっているシート状のもの)を作成する装置である。微細パターンシート作成装置1で作成された微細パターンシートは、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)のフィルタとして使用される。
また、微細パターンシート作成装置1は、所定の幅を備えた長いシート状の基材3を、この幅方向(Y軸方向)および長手方向(X軸方向)で平面状に伸びた状態で、X軸方向に間欠的に搬送することが可能な搬送手段5を備えている。なお、基材3の搬送方向の上流側では、基材3はロール状に巻かれている。
搬送手段5による基材3の搬送方向の上流側には、被成形物設置手段7が設けられている。この被成形物設置手段7は、前記基材3の厚さ方向(Z軸方向)の一方の面(たとえば上面)に、被成形物の例である紫外線硬化樹脂(紫外線が照射されることにより硬化する樹脂)9を薄く設けるためのものである。
搬送手段5の搬送方向における被成形物設置手段7の下流側で基材3厚さ方向の一方の面(基材3の上面)側には、型11が設けられている。この型11は、微細なパターンが形成されている平面状の転写面13を下方に備えていると共に、転写位置と離反位置との間を基材3厚さ方向で移動できるようになっている。なお、各図では、転写面13のパターンの凹凸を強調(拡大)して描いてあるが、実際の凹凸は描いたものよりもずっと小さく、したがって肉眼では、転写面13は平面状に見える。
転写面13は基材3の一方の面と対向し前記一方の面とほぼ平行になっている。前記転写位置は、図4(c)や図5(d)で示すように、転写面13に設けられている微細なパターンを基材3の一方の面に設けられている紫外線硬化樹脂9に転写するための位置、すなわち、転写面13が基材3の一方の面に設けられている紫外線硬化樹脂9に所定の圧力で接触している位置である。また、前記離反位置は、図1や図4(a)等で示すように、型11が基材3から上方に離れている位置である。
また、被成形物設置手段7の下流側であって基材3の他方の面(基材3の下面)側で型11と対向する位置には、ベースユニット15が設けられている。このベースユニット15は、基材3に設けられている紫外線硬化樹脂9に転写を行なうために、型11と協働して基材3を挟み込むものである。
ベースユニット15は、基材3の厚さ方向の他方の面に対向して前記他方の面にほぼ平行な平面17を備えていると共に、基材3に設けられている紫外線硬化樹脂9に転写を行なうべく、平面17と型11の転写面13とで基材3を所定の圧力で挟み込むことが可能なように、基材3の厚さ方向(Z軸方向)に移動自在になっている。すなわち、ベースユニット15も、型11のように、転写位置(図4(c)、図5(d)参照)と離反位置(図1、図4(a)等を参照)の間を移動するようになっている。
また、搬送手段5の搬送方向における被成形物設置手段7の下流側で基材3の厚さ方向の他方の面側には、紫外線照射手段(紫外線ランプ)19が設けられている。この紫外線照射手段19は、型11とベースユニット15とで基材3を挟み込んでいるときに、紫外線硬化樹脂9を硬化すべく紫外線硬化樹脂9に紫外線を照射するものである。
搬送手段5の搬送方向における型11、ベースユニット15、紫外線照射手段19の下流側には、切断手段21が設けられている。この切断手段21は、たとえば、レーザ光LBを用いて、型11のパターンが転写されて硬化した紫外線硬化樹脂9を備えた基材3(硬化した紫外線硬化樹脂9を含む場合もある)を所定の形状に切断することができるようになっている。
また、搬送手段5の搬送方向の下流側には、型11のパターンが転写されて硬化した紫外線硬化樹脂9を備えた基材3であって切断手段21で切断された基材3を、所定の場所に搬送する切断基材搬送手段(たとえば、搬送ロボット)23が設けられている。
なお、微細パターンシート作成装置1では、基材3のベースユニット15側からのみ紫外線を照射しているが、これに代えてまたは加えて、基材3の型11側から紫外線を照射してもよい。この場合、型11は紫外線が透過可能な材料で構成されているものとする。
前述した微細パターンシート作成装置1は、基材3に紫外線硬化樹脂を設けることが可能なように構成されているが、紫外線硬化樹脂に代えて熱硬化性樹脂を用いるように構成してもよい。この場合、紫外線照射手段に代えて、ヒータ、赤外線ランプ、熱風発生装置、スチーム発生装置等を設け、熱硬化性樹脂を硬化させるようにする。さらには、紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂に代えて、外部からエネルギーを受けて硬化する樹脂等の被成形物を基材3に設け、この部材にエネルギー供給手段からエネルギーを供給し、前記被成形物を硬化するようにしてもよい。
微細パターンシート作成装置1についてさらに詳しく説明する。
ロール状の基材3は、微細パターンシート作成装置1のベース部材(図示せず)に設置され、回転することにより、基材3を延出可能なようになっている。
また、搬送手段5は、たとえば、互いが離反して前記ベース部材に回転自在に設けられている2つの回転部材(たとえば同形状のスプロケット)25、27に巻き掛けられている第1の環状の部材(たとえば、チェーン)29と、同様に構成された2つの回転部材33、35と、各回転部材33、35に巻き掛けられている第2の環状の部材37とを備えて構成されている。第1の環状の部材29には、この長手方向で所定の間隔をあけて複数の保持部31が設けられており、第2の環状の部材37にも、この長手方向で所定の間隔をあけて複数の保持部31が設けられている。
各回転部材25、27と第1の環状の部材29とは、基材3の幅方向(Y軸方向)の一端部側で基材3から離れて設けられており、各回転部材33、35と第2の環状の部材37とは、基材3の幅方向の他端部側で基材3から離れて設けられている。
そして、前記各保持部31のうちの所定の保持部31で基材3の幅方向の両端部を保持しつつ、各回転部材25、27、33、35を回転することにより、基材3を搬送するようになっている。
さらに説明すると、各回転部材25、37の間で直線状に延びている第1の環状の部材29の一方(たとえば、図1の上方)の直線状の部位は、基材3の幅方向の一端部の近傍で基材3の幅方向の一端部に対して平行に延伸している。同様にして、各回転部材33、35の間で直線状に延びている第2の環状の部材37の一方の直線状の部位は、基材3の幅方向の他端部の近傍で基材3の幅方向の他端部に対して平行に延伸している。
また、各回転部材25、27、33、35は、サーボモータ等のアクチュエータやギヤ等の動力伝達部材
により同期して回転するようになっている。各回転部材25、27、33、35の回転中心軸は、基材3のたとえば下方でY軸方向に延伸している。したがって、各環状の部材29、37は、基材3の幅方向に対して直交する平面(X、Z平面)内に設置され回動するようになっている。
さらに、第1の環状の部材29と第2の環状の部材37とには、同数の保持部31がほぼ同間隔で設けられており、第1の環状の部材29に設けられている各保持部31と第2の環状の部材37に設けられている各保持部31とは互いが対向した位置に設けられている。したがって、たとえば、第1の環状の部材29に設けられている1つの保持部31の保持位置(基材3を保持した位置)とこの1つの保持部31に対向して第2の環状の部材37に設けられている1つの保持部31の保持位置(基材3を保持した位置)とは、基材3の長手方向(X軸方向)においてほぼ同じ位置に存在している。また、各環状の部材29、37の前記一方の直線状部位における各保持部31の設置間隔(X軸方向での設置間隔)は、型11やベースユニット15の長さ(X軸方向の長さ)よりも長くなっているが、より細かいピッチで保持部31を設けてもよい。
また、前述した搬送手段5では、第1の環状の部材29を2つの回転部材25、27に巻き掛けているが、少少なくとも2つの回転部材に、第1の環状の部材29が巻き掛けられている構成でもよい。たとえば、図1に破線で示すように、4つの回転部材25A、25B、27A、27Bに第1の環状の部材29を巻き掛けてもよい。この場合、第2の環状の部材37も第1の環状の部材29と同様に少なくとも2つの回転部材(たとえば、4つの回転部材33A、33B、35A、35B)に巻き掛けられるものとする。
また、保持部31を設ける部材として、必ずしも環状の部材を採用する必要はなく、たとえば、X軸方向に延びて設けた部材に各保持部31を設け、この保持部31が設けられている部材を、リンク機構等を用いてX軸方向に移動し(間欠的に移動すると共に往復運動するように移動し)基材3を搬送するようにしてもよい。
次に、保持部31についてさらに説明する。
図3は、保持部31の概略構成を示す図であり、図1におけるIII―III矢視図である。
保持部31は、たとえば、基材3の幅方向の端部を、下側部材41と上側部材43とで挟持するクリップ39で構成されている。なお、下側部材41や上側部材43は、各環状の部材29、37が移動する際、前記ベース部材(図示せず)に設けられたカムにより、基材3を搬送等すべく基材3を挟持し、または、搬送等のために挟持していた基材3を開放するようになっている。
また、クリップ39で基材3を挟持した際、第1の環状の部材29に設けられているクリップ39が、たとえば、図示しないバネ等の弾性体を用いて基材3をこの幅方向(図3(b)の矢印の方向)に引っ張るようになっている。さらに、基材3がロール状になっている部位では、搬送手段5の搬送方向とは逆方向の力を基材3に加えている。したがって、搬送手段5で搬送している基材3には、この長手方向および幅方向で適宜の引っ張り力が加わっており、基材3がたるまないようになっている。
被成形物設置手段7は、たとえば、コータユニットを構成しているノズル45を用いて、紫外線硬化樹脂9を基材3に塗布して薄く設けることができるようになっている。ノズル45は、基材3の上方でY軸方向(図1の紙面に直角な方向)に細長く延びたスリット状の吐出口であって紫外線硬化樹脂9を吐出するための吐出口を下方に備えている。
そして、ノズル45から間欠的に紫外線硬化樹脂9を吐出するようになっている。すなわち、搬送手段5で基材3の移動を停止しているときには、紫外線硬化樹脂9の吐出を停止し、搬送手段5で基材3を移動しているときに、所定時間にわたってノズル45から適宜の量の紫外線硬化樹脂9を吐出して、紫外線硬化樹脂9を基材3に塗布する(薄く設ける)ようになっている。なお、基材3の搬送を停止しておいてノズル45を移動し紫外線硬化樹脂9を基材3に塗布するようにしてもよい。
型11は、たとえば、石英ガラスまたはサファイヤで所定の厚さを備えた矩形な板状に形成され、下面に転写面13を備えている。また、型11は、図示しない移動テーブルに、一体的に設けられもしくはジンバル機構等を介して支持されている。前記移動テーブルは、前記ベース部材(図示せず)に、リニアガイド等のガイド部材を介して支持されていると共に、サーボモータやリニアモータのアクチュエータによりZ軸方向に移動自在になっている。また、前記アクチュエータの駆動力を適宜制御することにより、ベースユニット15と協動して所定の圧力で基材3を挟み込むことができるようになっている。
また、ベースユニット15の上部には、所定の厚さを備え矩形な板状に形成され上端に平面17を備えた石英ガラスまたはサファイヤ等で構成された部材47が設けられている。この部材47の上面(平面17)を除く側面部と下側とは、光を遮断する金属等で構成された筐体49で覆われている。また、部材47の下方であって筐体49の内部には、紫外線ランプ19が設けられている。したがって、型11とベースユニット15とで基材3を挟み込んだときには、紫外線ランプ19の紫外線が外部にほとんど漏れず、紫外線硬化樹脂9に効率良く紫外線を照射することができる。
切断手段21は、レーザ光LBを出射可能なノズル51を備えており、このノズル51は、前記ベース部材(図示せず)に、リニアガイド等のガイド部材を介して支持されていると共に、サーボモータやリニアモータ等のアクチュエータによりX軸方向およびY軸方向に移動自在になっている。そして、図2に二点鎖線L1で示すように、転写がされた基材3(微細パターンシート)をたとえば矩形な形状で切り出すことが可能なようになっている。
次に、微細パターンシート作成装置1の動作について説明する。
図4、図5は、微細パターンシート作成装置1の動作を示す図である。
なお、基材3の先端部を、図4、図5において符号3Aで表す。
まず、図4(a)に示すように、保持部31A、31Bで基材3が保持されており、基材3の先端部3Aが型11の直前に位置しているものとする。この状態で、図示しない制御装置の制御の下、各環状の部材29、37を所定の速度で、各保持部31の設置間隔の1ピッチ分だけ移動しつつノズル45から所定の時間だけ紫外線硬化樹脂9を吐出すると、図4(b)に示すように、基材3の先端部3Aが、型11の下流に位置し紫外線硬化樹脂9が設けられた基材3の部位が型11の真下に位置するようになる。なお、前記1ピッチの移動中に、新な保持部31Cも、基材3を保持するようになる。
続いて、図4(c)に示すように、型11とベースユニット15とで、紫外線硬化樹脂9が設けられた基材3を所定の圧力で挟み込んで、転写面13の微細なパターンに紫外線硬化樹脂9を倣わせると共に、紫外線ランプ19から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂9を硬化させて転写を行なう。転写終了後、紫外線ランプ19の発光を停止し、図4(d)に示すように、型11とベースユニット15とによる基材の挟み込みを解除し、型11を基材3から離す。なお、前記転写の際には、搬送手段5による基材3の移動は停止している。
次に、各環状の部材29、37を所定の速度で、各保持部31の設置間隔の1ピッチ分だけ移動しつつノズル45から所定の時間だけ紫外線硬化樹脂を吐出すると、図5(e)に示すように、基材3の先端部3Aが、切断手段21の下流に位置し紫外線硬化樹脂(転写前の紫外線硬化樹脂)9が設けられた基材3の部位が型11に真下に位置し、転写が終了した紫外線硬化樹脂9が設けられている基材3の部位が、切断手段21が設けられている箇所に位置するようになる。なお、前記1ピッチの移動中に、新な保持部31Dも、基材3を保持するようになる。
続いて、前述したように、型11等で転写を行なうと共に、切断手段21で転写が終了した紫外線硬化樹脂9が設けられている基材3の部位を所定の形状に切断し(図5(f)参照)、この切断したものを、切断基材搬送手段23で、所定の場所(図示せず)に搬送し、型11とベースユニットとによる基材の挟み込みを解除し、型11を基材3から離す(図5(g)参照)。この後、搬送手段5で基材3の搬送を行なう等の動作を繰り返すと共に保持部31Aによる基材3の挟み込みを解除し、転写がされ基材3から切り離された微細パターンシートを作成する。
微細パターンシート作成装置1によれば、所定の幅を備えた長いシート状の基材3を、前記長手方向に搬送し、型11の転写面13のパターンを基材3(紫外線硬化樹脂)に転写するので、ほぼ連続的に転写を行なうことができ、したがって、型11からの転写および微細パターンシートの作成を効率良く行なうことが出来る。また、従来の微細パターンシート作成装置200とは異なり、型11の転写面13が平面状に形成されているので、基材3に転写されたパターンのアスペクト比が大きくても、型11からの基材3の引き剥がしを行なう際に、前記転写されたパターンが崩れにくくなっている。
また、微細パターンシート作成装置1によれば、転写が平面状の転写面13で行なわれるので、パターンが転写された後の基材3や被成形物(紫外線硬化樹脂9)に曲がりくせが発生することを防止することができる。
さらに、微細パターンシート作成装置1によれば、切断手段21で切断された基材3(微細パターンシート)を、所定の場所に搬送する切断基材搬送手段23を有するので、生成された微細パターンシートの処理が容易になり、微細パターンシートの生産効率を一層上げることができる。
ところで、微細パターンシート作成装置1に、加圧手段53を設けてもよい。
加圧手段53は、型11とベースユニット15とで基材3を挟み込んでいるときにであって紫外線を紫外線硬化樹脂9に照射する前に、基材3を挟む更なる力を型11の一端部から他端部に向かって移動して加えることが可能なものである。
具体的には、図6に示すように、型11の転写面13とは反対側に設けられている平面(型11の上面)と転がり接触をなす円柱形状のローラ(弾性体や流体圧シリンダ等で構成された付勢手段で下方に付勢されたローラ)55で、型11をベースユニット15側に押しつつ、ローラ55を型11の一端部から他端部に向かって移動して、更なる力を加えることができるようになっている。つまり、直線状の力に作用点(作用線;型11の平面とローラ55との接触部位)が型11の一端部から他端部に向かって移動して加圧を行なうようになっている。
加圧手段53を設けたことにより、基材3を挟む更なる力を型11の一端部から他端部に向かって移動して加えることができるので、紫外線硬化樹脂9内に存在している微小な気泡等を外部に排出することができると共に、型11のパターンに紫外線硬化樹脂9が一層なじんで倣うことになり、一層正確な形態の転写を行なうことができる。
また、微細パターンシート作成装置1の被成形物設置手段7において、ミスト状の紫外線硬化樹脂を基材3に供給し、基材3に紫外線硬化樹脂を設けるようにしてもよい。
なお、前述した微細パターンシート作成装置1では、転写後に型11とベースユニット15と移動して、基材3から型11等を離しているが、この際、転写により型11に基材3が貼り付いて剥がれにくい場合がある。そこで、微細パターンシート作成装置1に、次に示すシート離型装置57を設けてもよい。
シート離型装置57は、型11に設けられた平面状の転写面13に形成されている微細なパターンをシート状の基材3の厚さ方向の一方の面に薄く設けられた紫外線硬化樹脂9に転写した(紫外線硬化樹脂9が前記パターンに倣うように転写面13で前記紫外線硬化樹脂9を押圧すると共に前記紫外線硬化樹脂9を硬化した)ことにより、前記紫外線硬化樹脂9を介して型11の転写面13に貼り付いている基材3を、型11から転写面13と前記紫外線硬化樹脂9との間で剥がすための引き剥がし手段59を備えた装置である。
引き剥がし手段59は、基材3の搬送が停止している状態で、転写面13の一端部から他端部に向かって、ほぼ直線状の引き剥がれる部位(型11に基材3が貼り付いている部位と型11から基材3が引き剥がれた部位との境界の部位)を徐々に進行させつつ、型11から基材3を引き剥がす手段である。
より、具体的に説明すると、図7や図8に示すように、引き剥がし手段59は、転写面13の一端部の近傍で基材3をこの幅方向の両側でこの幅方向に引っ張りつつ保持している保持部31を、基材3の長手方向に引っ張りつつ、図示しないガイド部に倣わせてサーボモータ等のアクチュエータで、型11から離れる方向であって転写面13の他端部(より正確には、紫外線硬化樹脂9が貼り付いている転写面13の部位の他端部)13Aを中心にした円弧状に相対的に移動することにより、引き剥がしを行なうようになっている。
なお、引き剥がし手段59により引き剥がされる部位の少なくとも近傍では、引き剥がれた基材3の部位は平面状に伸びており、この平面状に伸びている基材3の部位と転写面13との交差角度(鋭角の交差角度)θは、引き剥がし時における転写されたパターンが崩れることを防止するために、小さな値(たとえば5°〜25°程度)になっている。
なお、図8に示すように、保持部31を円弧状に移動すると、各環状の部材29、37の長さが不足するが、この不足を補って保持部31を移動可能とし前記引き剥がしを行なうために、バッファ部61(図7参照)が設けられている。このバッファ部61は、移動可能な回転部材62に各環状の部材29、37を巻き掛け、保持部31の移動に応じて回転部材62を移動し、引き剥がしのための保持部31の移動を可能にしているものである。
また、保持部31を設ける部材として、環状の部材ではなくたとえばX軸方向に延びて設けた部材が採用されている場合には、X軸方向に延びて設けた前記部材を、リンク機構等を用いて適宜移動し、保持部31を移動するように構成すればよい。
なお、保持部31を円弧状に移動する代わりに、図9に示すように、転写面13の一端部の近傍(転写面13から僅かに離れた位置)で基材3を保持する保持部31を、転写面13が伸びている方向と引き剥がされた基材3が伸びている方向とが一定の小さい角度αで交差するようにして、型11から離れる方向に型11に対して相対的に移動して、引き剥がしを行なってもよい。
さらに、図10に示すように、基材3の他方の面(型11に貼り付いている面とは反対の面)を、基材3の幅方向(図10の紙面に直角な方向)にわたって直線状に真空吸着する真空吸着部63を設け、保持部31を移動して基材3にたるみ3Bを持たせ、真空吸着部63で基材3の一端部側を真空吸着した後に真空吸着部63を型11から僅かに離すことにより僅かな量の引き剥がしを行ない、続いて真空吸着部63による真空吸着を解除し真空吸着部63をこの姿勢を維持したまま引き剥がれる部位(型11に基材3が貼り付いている部位と型11から基材3が引き剥がれた部位との境界の部位)の近傍に移動して、基材3の他方の面の真空吸着を再び行ない、真空吸着部63を型11から僅かに離すことにより僅かな量の次の引き剥がしを行なう動作を繰り返して、引き剥がしを行なうようにしてもよい。
また、真空吸着部63で基材3の一端部側を真空吸着しつつ真空吸着部63を型11から僅かに離すことにより僅かな量の引き剥がしを行ない、続いて前記真空吸着を行なったまま真空吸着部63を、型11の一端部から他端部に向かう方向に移動して、引き剥がしを行なってもよい。
さらに、微細パターンシート作成装置1では、基材3の搬送方向の下流から上流に向かって引き剥がしを行なっているが、上流から下流に向かって引き剥がしを行なってもよい。
シート離型装置57によれば、従来の微細パターンシート作成装置200とは異なり、型11の転写面13が平面状に形成されており、この転写面13の一端部から他端部に向かって、ほぼ直線状の引き剥がれる部位を徐々に進行させつつ、基材3を引き剥がすので、基材3(基材3の紫外線硬化樹脂9)に転写されたパターンのアスペクト比が大きくても、型11からの基材3の引き剥がしを行なう際に、前記転写されたパターンが崩れにくくなっている。
すなわち、転写面13が平面状であることにより、基材3の型11から剥がれる部位では、転写面13に対して直角に近い角度で基材3が転写面13から離れるので、転写されたパターンのアスペクト比が大きくても、たおえば、転写面13のパターンの凹部に入り込んでいた紫外線硬化樹脂9の凸部が、前記凹部から抜け出る際前記凹部と干渉しずらくなっており、紫外線硬化樹脂9の凸部の形状が崩れることを抑制することができる。
また、シート離型装置57によれば、引き剥がれた基材3の部位と転写面13との交差角度θを小さな値にして引き剥がしを行なうので、転写されたパターンが崩れにくくなっている。
さらに、シート離型装置57によれば、保持部31を円弧状に移動して引き剥がしを行なうので、引き剥がれた基材3の部位と転写面13との交差角度θを小さな値に保ちつつ引き剥がしを行なうことが容易になっており、転写されたパターンが一層崩れにくくなっている。
また、シート離型装置57によれば、保持部31を搬送手段5に設け、この保持部31を移動して型11からの基材3の引き剥がしを行なうので、保持部31が搬送手段5の一部と引き剥がし手段59の一部とを兼用していることになり、したがって、装置の構成が簡素になっている。
また、シート離型装置57において、真空吸着部63を用いて引き剥がしを行なえば、引き剥がれる部位の近傍で基材3を保持するので、型11からの引き剥がし時に基材3に力がかかる時間を短縮することができ、転写がされた基材3にクリープの発生を抑制することができる。
ところで、前述した微細パターンシート作成装置1では、図1に示すように、環状の部材29、37をX、Z平面上に設置してあるが、図11に示すように、環状の部材29、37をX、Y平面上に設置してある構成にしてもよい。
また、図12に示すように、搬送手段5の搬送方向における被成形物設置手段7と型11との間に、基材3のバッファ領域65を設けてもよい。
バッファ領域65を設けたことにより、紫外線硬化樹脂9を基材3に設けたときから、紫外線硬化樹脂9に転写を行なうまでに所定の時間が経過し、この時間の経過により基材3に設けられた紫外線硬化樹脂9の状態が、一層平滑になる等して安定し、一層正確な転写を行なうことができる。
本発明の実施形態に係る微細パターンシート作成装置の概略構成を示す図である。 図1におけるII矢視を示す図である。 保持部の概略構成を示す図であり、図1におけるIII―III矢視図である。 微細パターンシート作成装置の動作を示す図である。 微細パターンシート作成装置の動作を示す図である。 加圧手段の具体例を示す図である。 引き剥がし手段の具体例を示す図である。 引き剥がし手段の具体例を示す図である。 引き剥がし手段の具体例を示す図である。 引き剥がし手段の具体例を示す図である。 微細パターンシート作成装置の搬送手段の変形例を示す図である。 バッファ領域を備えた微細パターンシート作成装置を示す図である。 従来の微細パターンシート作成装置の概略構成を示す図である。 転写のアスペクト比を示す図である。
符号の説明
1 微細パターンシート作成装置
3 基材
5 搬送手段
7 被成形物設置手段
9 紫外線硬化樹脂(被成形物)
11 切断手段
13 転写面
15 ベースユニット
19 紫外線照射手段(エネルギー供給手段)
21 切断手段
23 切断基材搬送手段
31 保持部
29、37 環状の部材
53 加圧手段
57 シート離型装置
59 引き剥がし手段
63 真空吸着部
65 バッファ領域

Claims (10)

  1. 所定の幅を備えた長いシート状の基材を、この長手方向に搬送することが可能な搬送手段と;
    前記基材の一方の面に、被成形物を設ける被成形物設置手段と;
    前記被成形物設置手段の下流側で前記基材の一方の面側に設けられ、微細なパターンが形成されている平面状の転写面を備えていると共に前記基材の厚さ方向に移動自在な型と;
    前記基材に設けられている被形成物に転写を行なうために、前記型と協働して前記基材を挟み込むことが可能なベースユニットと;
    前記型と前記ベースユニットとで前記基材を挟み込んでいるときに、前記被成形物を硬化すべく前記被成形物にエネルギーを供給するエネルギー供給手段と;
    を有することを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  2. 請求項1に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記型と前記ベースユニットとで前記基材を挟み込んでいるときに前記基材を挟む更なる力を前記型の一端部から他端部に向かって移動して加えることが可能な加圧手段を有することを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記型のパターンが転写されて硬化した被成形物を備えた前記基材を所定の形状に切断するために、前記型と前記エネルギー供給手段との下流側に設けられた切断手段を有することを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  4. 請求項3に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記型のパターンが転写されて硬化した被成形物を備えた基材であって、前記切断手段で切断された基材を、所定の場所に搬送する切断基材搬送手段を有することを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記被成形物設置手段と前記型との間に、前記基材のバッファ領域が設けられていることを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記被成形物設置手段は、ミスト状の前記被成形物を前記基材に供給し、前記基材に前記被成形物を設ける手段であることを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記転写面の微細なパターンを前記被成形物に転写する際に、前記型に貼り付いている前記基材を、前記型から剥がすための離型手段を有することを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の微細パターンシート作成装置において、
    前記被成形物は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂または熱によって硬化する熱硬化性樹脂であることを特徴とする微細パターンシート作成装置。
  9. 所定の幅を備えた長いシート状の基材を長手方向に間欠的に搬送しつつ、型に設けられている微細なパターンを前記基材に薄く設けられた被成形物に転写して微細パターンシートを作成する微細パターンシート作成方法において、
    前記基材の一方の面に、被成形物を設ける工程と;
    前記被成形物設置工程で設けられた被成形物と前記基材とを、微細なパターンが形成されている平面状の転写面を備えている型と、ベースユニットとで挟み込む工程と;
    前記型と前記ベースユニットとで前記基材を挟み込んでいるときに、前記被成形物を硬化すべく前記被成形物にエネルギーを供給する工程と;
    を有することを特徴とする微細パターンシート作成方法。
  10. 請求項9に記載の微細パターンシート作成方法において、
    前記被成形物は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂または熱によって硬化する熱硬化性樹脂であることを特徴とする微細パターンシート作成方法。
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