JP2005005284A - 微細加工装置およびこれを用いたデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】凹凸型のパターンを形成したモールドを被転写となる基板表面に塗布したレジストに押し付けることによって、レジスト表面にモールドのパターンを凹凸反転させて転写する微細加工装置において、倍率補正手段と工程を有することで、重ね合わせ精度を向上させる。
【解決手段】モールド、特にローラナノインプリントにおけるシリンダモールドの回転軸と平行になる方向から、シリンダモールドに荷重を加え、その変形を利用して倍率補正を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】モールド、特にローラナノインプリントにおけるシリンダモールドの回転軸と平行になる方向から、シリンダモールドに荷重を加え、その変形を利用して倍率補正を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造など微細加工のため、原版となるモールドのパターンをウエハ等基板へ転写する微細加工装置およびこれを用いたデバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紫外線やX線、あるいはEBによる半導体基板への微細なパターン形成方法に代わる技術としてナノインプリントリソグラフィがある。従来のナノインプリントによる微細パターニング方法として、ローラナノインプリントがある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図7を用いて、その従来例としての非特許文献1の技術を説明する。
【0004】
図7において、パターンが描かれ、原版となるシリンダモールド101はローラの周りにパターニングされた金属性薄膜を曲げて装着されている。そして、基板側はウエハ103上にパターニングを形成するレジスト(PMMA)113を塗布する。
【0005】
次に、ナノインプリントの工程を説明する。図7のようにシリンダモールド101とウエハ103を対向させ、シリンダモールド101をレジスト113に押し付けることによって、シリンダモールド101に描かれたパターンをレジスト113へ転写する。転写はシリンダモールド101のパターンにしたがってレジスト113へ凹凸が形成され、その後リアクティブイオンエッチング(RIE)によって、パターニングを行う。
【0006】
【非特許文献1】
J.Vac.Sci.Technol.B16 (16), Nov/Dec1998, p.3926−p.3928
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では以下のような欠点があった。
【0008】
直接レジストへシリンダモールドのパターンを転写するため、被転写面とシリンダモールドの相対的な大きさの差、すなわち倍率が異なっている場合、そのまま転写するしかなかった。そうすると、半導体デバイスなどを製造する際、重ね合わせ精度が低下してしまう。そのためデバイス生産の歩留まりが低下し、デバイスの生産性が低下する。本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み発明したものである。
【0009】
第1の発明の目的はナノインプリントリソグラフィの重ね合わせ精度を向上させるために倍率補正を実現することにある。
【0010】
第2の発明の目的は倍率補正の構成を示すことにある。
【0011】
第3の発明の目的は倍率補正を行うアクチュエータを移動させることにある。
【0012】
第4の発明の目的はモールドの変形量、すなわち倍率補正量を測定することにある。
【0013】
第5の発明の目的はモールドとアクチュエータの接触時に発生する振動を軽減させるため、アクチュエータの接触を拘束させることにある。
【0014】
第6の発明の目的は第2の発明をより具体化させることにある。
【0015】
第7の発明の目的はモールドへの荷重がその回転方向と平行にさせることにある。
【0016】
第8の発明ないし第11の発明の目的は倍率補正の工程を示し、モールドへの倍率補正を荷重の制御によって行うことを示すことにある。
【0017】
第12の発明ないし第15の発明の目的は倍率補正の工程を示し、モールドへの倍率補正を荷重位置の制御によって行うことを示すことにある。
【0018】
第16の発明の目的は倍率補正の工程を示し、モールドへの倍率補正を荷重の制御もしくは荷重位置の制御の少なくともいずれか一方で行うことを示すことにある。
【0019】
第17の発明の目的は転写後の基板のパターニング処理を示すことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、凹凸型のパターンを形成した原版となるモールドを、被転写となる基板表面に塗布したレジストに押し付けることにより、レジスト表面にモールドのパターンを凹凸反転させて転写する微細加工装置において、被転写面となる基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段ごと基板をスキャンさせる基板ステージと、倍率補正手段ならびに倍率補正の工程を有することを特徴とする。
【0021】
本出願に係る第2の発明は、第1の発明において、倍率補正手段はシリンダモールドの回転軸と平行となる方向からシリンダモールドに荷重を加えるアクチュエータを有することを特徴とする。
【0022】
本出願に係る第3の発明は、第1の発明において、倍率補正手段は第2の発明のアクチュエータのシリンダモールドへの加圧位置を移動させる駆動手段を有することを特徴とする。
【0023】
本出願に係る第4の発明は、第1の発明において、倍率補正手段は荷重に伴うシリンダモールドの変形量を直接、もしくは間接的に測定する測定手段を有することを特徴とする。
【0024】
本出願に係る第5の発明は、第1の発明において、モールドはアクチュエータと接触する面に溝を有することを特徴とする。
【0025】
本出願に係る第6の発明は、第2の発明において、アクチュエータは空圧シリンダもしくは油圧シリンダもしくはモータの少なくともいずれか一つを有することを特徴とする。
【0026】
本出願に係る第7の発明は、第2の発明において、シリンダモールドと接触するアクチュエータの先端が球体であることを特徴とする。
【0027】
本出願に係る第8の発明は、第1の発明において、倍率補正の工程は第一の処理部と第一の制御部を有することを特徴とする。
【0028】
本出願に係る第9の発明は、第8の発明において、第一の処理部は倍率補正量とシリンダモールドへの荷重との関係を導くための数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、所望の倍率補正量からシリンダモールドへの荷重を決定する工程を有することを特徴とする。
【0029】
本出願に係る第10の発明は、第8の発明において、第一の処理部は第4の発明の測定手段の測定結果に従い、シリンダモールドへの荷重を決定する工程を有することを特徴とする。
【0030】
本出願に係る第11の発明は、第8の発明において、第一の制御部は第一の処理部で決定したシリンダモールドへの荷重に従い、第2の発明のアクチュエータを制御する工程を有することを特徴とする。
【0031】
本出願に係る第12の発明は、第1の発明において、倍率補正の工程は第二の処理部と第二の制御部を有することを特徴とする。
【0032】
本出願に係る第13の発明は、第12の発明において、第二の処理部は倍率補正量とシリンダモールドへの荷重位置との関係を導くための数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、所望の倍率補正量からシリンダモールドへの荷重位置を決定する工程を有することを特徴とする。
【0033】
本出願に係る第14の発明は、第12の発明において、第二の処理部は第4の発明の測定手段の測定結果に従い、シリンダモールドへの荷重位置を決定する工程を有することを特徴とする。
【0034】
本出願に係る第15の発明は、第12の発明において、第二の制御部は第二の処理部で決定したシリンダモールドへの荷重位置に従い、第2の発明のアクチュエータを第3の発明の駆動手段で位置制御する工程を有することを特徴とする。
【0035】
本出願に係る第16の発明は、第1の発明において、倍率補正の工程は第8の発明ないし第15の発明いずれか記載の工程を有することを特徴とする。
【0036】
本出願に係る第17の発明は、第1の発明ないし第16の発明いずれか記載により転写したパターンをリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターン形成することを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
図1は本実施の形態における全体の構成を表している。図1において、凹凸からなる転写パターンが描かれた原版となるシリンダモールド1をモールド台2に固定する。シリンダモールド1の作成方法はローラの周りにパターニングされた金属性薄膜を曲げて装着するなど公知の技術で良い。転写時は被転写となるウエハ3にパターニングを形成するレジストを塗布する。レジストには例えばPMMA(polymethylmethacrylate)を用いる。そして、ウエハ3はウエハチャック4に保持され、ウエハチャック4はウエハステージ5上に搭載されている。さらに、シリンダモールド1は被転写面との倍率を補正するため、エアシリンダ6でシリンダモールド1の回転軸方向から力を加えることによって、シリンダモールド1の転写位置を変形させ、その倍率を補正する。エアシリンダ6への高圧ガスは圧縮空気とする。そして圧縮空気を減圧弁7で所定の圧力まで減圧し、電空レギュレータ8で制御することによってエアシリンダ6の押し付け力を制御する。
【0038】
転写時はシリンダモールド1とウエハ3の被転写面を押し付ける。このとき、ウエハステージ5をシリンダモールド1方向へ駆動させることによって押し付ける方法や、不図示のアクチュエータでモールド台2ごとシリンダモールド1をウエハ3側へ押し付ける方法が有効である。さらに、その両者を用いて押し付けても良い。そして、シリンダモールド1が転がるようにウエハステージ5をスキャン駆動させて、ウエハ3上のレジストに転写面を形成する。
【0039】
次に、図1ではシリンダモールド1を押す位置を回転軸上とし、さらにモールド台2を介して押す方法を表したが、これに限定されない。
【0040】
図2はシリンダモールド1まわりを示し、図2を用いて別の例を示す。なお、エアシリンダ6によるシリンダモールド1の倍率補正に関して説明するため、モールド台2を一部破断して省略した。エアシリンダ6はモールド台2を介さず、直接シリンダモールド1を押す。シリンダモールド1を押す位置はシリンダモールド1の回転軸上に限らず、図2に示すようにずらしても良い。ただし、シリンダモールド1とエアシリンダ6の接触位置はウエハ3への転写位置に対して相対的に固定されていなければならない。
【0041】
またエアシリンダ6がシリンダモールド1を押す方向はシリンダモールド1の回転軸と平行にするため、エアシリンダ6の接触側に不図示の球体を設置し、接触が点接触にさせることが好ましい。シリンダモールド1とエアシリンダ6が点接触にすれば、シリンダモールド1とエアシリンダ6の接触位置に発生する摩擦が小さくなり、シリンダモールド1の振動を低減でき、転写性能を向上させることができる。
【0042】
さらにシリンダモールド1の接触側にモールド部と同心円上の溝を設け、エアシリンダ6の接触位置がウエハ3への転写位置に対して相対的に動かないように拘束することが好ましい。
【0043】
そして、以上のようにエアシリンダ6によってシリンダモールド1を押すと、図3に示すようにシリンダモールド1は変形し、倍率補正が可能となる。なお図3において、倍率補正前のシリンダモールド1を破線で示し、倍率補正時の変形したシリンダモールド1を実線で示している。通常の倍率補正量は数[ppm]程度であるので、エアシリンダ6の押す力は数[N]から数十[N]程度で十分倍率補正ができる。
【0044】
ここまでは倍率補正を行うための構成について説明してきたが、以下図4を用いて倍率補正を含め、転写までの工程を説明する。
【0045】
(1)ウエハ搬送
ウエハ3を搬送し、ウエハチャック4でウエハ3を保持する。
【0046】
(2)アライメント計測
不図示のアライメント測定系でシリンダモールド1とウエハ3の位置ずれを計測する。そのとき、シリンダモールド1とウエハ3の倍率を算出し、その倍率補正量を決定する。
【0047】
(3)倍率補正
エアシリンダ6でシリンダモールド1へ荷重を加え、シリンダモールド1を変形させることで倍率補正を行う。その際、以下の処理を行う。
【0048】
まず、(2)で決定された倍率補正量に対して、エアシリンダ6へ供給する圧縮空気の圧力を処理部で決定する。そのため、処理部はシリンダモールド1の倍率補正量、すなわち変形とエアシリンダ6へ供給する圧縮空気の圧力との関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、それによって圧力を決定する。
【0049】
そして、処理部で決定された圧力に従って、制御手段は電空レギュレータ8を制御する。
【0050】
また、モールド台2などに歪ゲージなどシリンダモールド1の変形を別の系でモニタできる測定手段を設け、その測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係をあらかじめ求めておき、測定手段によるフィード バック制御で倍率補正を行う方法でも有効である。この場合の処理部は測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
【0051】
(4)転写ショットへの移動
転写ショット位置までは(2)で計測したシリンダモールド1とウエハ3の位置ずれに基づき、ウエハステージ5で移動させる。
【0052】
(5)シリンダモールドとウエハを接触
転写するためにシリンダモールド1とウエハ3上の被転写面が押し付け合うように、ウエハステージ5とモールド台2上の不図示のアクチュエータとの少なくともいずれか一方を駆動させる。
【0053】
(6)転写
ウエハ3の転写ショット位置へシリンダモールド1のパターンを転写するよう、シリンダモールド1を回転させながらウエハステージ5をスキャン駆動させる。
【0054】
(7)次のショットへの移動
転写後はシリンダモールド1からウエハ3上の被転写面を離型するよう に、ウエハステージ5とモールド台2上の不図示のアクチュエータとの少なくともいずれか一方を駆動させる。そして、(4)の処理へ戻り、ウエハ3上の全転写ショットか転写されるまで繰り返す。
【0055】
本実施の形態ではシリンダモールド1の倍率を補正させるため、圧縮空気を用い、エアシリンダ6でシリンダモールド1を押す方法について述べたが、これに限定されない。例えば、エアシリンダ6の替わりにモータを設置し、そのモータによってシリンダモールド1を押す方法でも良い。その他、油圧シリンダによる制御でも有効である。
【0056】
そして、図1ないし図4の通りにエアシリンダ6を用いる場合においても、高圧ガスについては圧縮空気以外でも有効で、例えば、転写雰囲気と同種のガスなどが有効である。また便宜上、エアシリンダ6を単動シリンダとして表したが、当然複動シリンダでも有効である。さらに、圧縮空気のラインに減圧弁7と電空レギュレータ8を示したが、他にもバルブや圧力センサなど空圧機器を入れておくことが好ましい。
【0057】
さらに本実施の形態ではシリンダモールド1を回転軸もしくは回転軸近傍を回転軸方向に押す方法について述べたが、これに限定されず、引張り方向、またはその両者としても良い。
【0058】
以上のように、ウエハ3上への転写が終了した後はリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターニングを仕上げる。
【0059】
[第二の実施の形態]
第一の実施の形態では、倍率補正時のシリンダモールドとエアシリンダの接触位置はウエハへの転写位置に対して相対的に固定し、エアシリンダによる押す力の制御によって倍率補正を行う方法について説明した。第二の実施の形態ではエアシリンダによる押す位置によってシリンダモールドの変形量は変化することを応用して、エアシリンダによる押す力を一定にし、シリンダモールドとエアシリンダの接触位置の制御によって倍率補正を行う方法について説明する。
【0060】
図5は本実施の形態のシリンダモールドまわりを表している。凹凸からなる転写パターンが描かれた原版となるシリンダモールド1をモールド台2に固定する。シリンダモールド1の作成方法はローラの周りにパターニングされた金属性薄膜を曲げて装着するなど公知の技術で良い。シリンダモールド1は被転写面との倍率を補正するため、エアシリンダ6でシリンダモールド1の回転軸と平行となる方向から力を加えることによって、シリンダモールド1の転写位置を変形させ、その倍率を補正する。エアシリンダ6への高圧ガスは圧縮空気とする。そして圧縮空気を減圧弁7で所定の圧力まで減圧し、その圧力を一定に保つことでエアシリンダ6の押し付け力を一定にする。エアシリンダ6の先端、すなわちシリンダモールド1との接触側には不図示の球体を設置し、接触を点接触にさせることが好ましい。エアシリンダ6はエアシリンダホルダ9で固定されており、エアシリンダホルダ9はモータ10に保持されている。モータ10はその駆動によって、エアシリンダホルダ9ごとエアシリンダを動かし、シリンダモールド1との接触位置を変更させることができる。そして、モータ10は例えばモールド台2に設置されている。
【0061】
なお、図5ではエアシリンダ6によるシリンダモールド1の倍率補正に関して説明するため、モールド台2を一部破断して省略した。また、被転写面となるウエハやウエハチャック、ウエハステージの装置構成は第一の実施の形態と同じであるため省略した。
【0062】
次に倍率補正時の工程について説明する。
【0063】
不図示のアライメント測定系でシリンダモールド1とウエハの位置ずれを計測し、シリンダモールド1の倍率補正量を決定する。そして、その倍率補正量に対して、エアシリンダ6でシリンダモールド1を押す位置を処理部で決定する。そのため、処理部はシリンダモールド1の倍率補正量、すなわち変形とエアシリンダ6で押す位置との関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれは一方を有し、それによって押す位置を決定する。
【0064】
次に、処理部で決定された位置までモータ10を駆動し、エアシリンダ6を移動させる。
【0065】
また、モールド台2などに歪ゲージなどシリンダモールド1の変形を別の系でモニタできる測定手段を設け、その測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係をあらかじめ求めておき、測定手段によるフィードバック制御で倍率補正を行う方法でも有効である。この場合の処理部は測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
【0066】
さらに簡易的な倍率補正方法について図6を用いて説明する。
【0067】
図6で示すシリンダモールド1とエアシリンダ6との接触面に複数の溝を設けた。シリンダモールド1のエアシリンダ6との接触面にはシリンダモールド1の接触側にモールド部と同心円上に複数の溝を設けておく。そして倍率補正時において、処理部はエアシリンダ6でシリンダモールド1を押す溝を選択、決定し、制御部は決定された溝までエアシリンダ6を移動させるようにモータ10を駆動させる。したがって、図6では接触面の溝を2本図示したが、これに限定されず、倍率補正の分解能と範囲の仕様によって溝の数が決まる。例えば倍率補正は1[ppm]の分解能で10[ppm]の範囲を補正する場合、少なくとも接触面の溝は10本必要となる。
【0068】
本実施の形態ではシリンダモールド1の倍率を補正させるため、圧縮空気を用い、エアシリンダ6でシリンダモールド1を押す方法について述べたが、これに限定されない。例えば、エアシリンダ6の替わりにモータを設置し、そのモータによってシリンダモールド1を押す方法でも良い。その他、油圧シリンダによる制御でも有効である。
【0069】
そして、図5ないし図6の通りにエアシリンダ6を用いる場合においても、高圧ガスについては圧縮空気以外でも有効で、例えば転写雰囲気と同種のガスなどが有効である。また便宜上、エアシリンダ6を単動シリンダとして表したが、当然複動シリンダでも有効である。さらに、圧縮空気のラインに減圧弁7と電空レギュレータ8を示したが、他にもバルブや圧力センサなど空圧機器を入れておくことが好ましい。
【0070】
さらに本実施の形態ではシリンダモールド1を押す方法について述べたが、これに限定されず、引張り方向、またはその両者としても良い。
【0071】
そして、本実施の形態で述べたシリンダモールドとエアシリンダの接触位置の制御によって倍率補正を行う方法と、第一の実施の形態で述べたエアシリンダによる力の制御によって倍率補正を行う方法を組み合わせた倍率補正方法も有効である。
【0072】
以上のように、ウエハ3上への転写が終了した後はリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターニングを仕上げる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写時における倍率補正が可能となる。したがって、重ね合わせ精度を向上させることができる。そのためデバイス生産の歩留まりを向上させることができ、デバイスの生産性が向上する。そして、デバイス生産に適した微細加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正の装置構成を説明する図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正のシリンダモールドまわりを説明する図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正時のシリンダモールドの変形を説明する図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正と転写の工程を説明する図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係る倍率補正のシリンダモールドまわりを説明する図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る簡易的な倍率補正を説明する図である。
【図7】従来の技術のローラナノインプリントを示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダモールド
2 モールド台
3 ウエハ
4 ウエハチャック
5 ウエハステージ
6 エアシリン
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造など微細加工のため、原版となるモールドのパターンをウエハ等基板へ転写する微細加工装置およびこれを用いたデバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紫外線やX線、あるいはEBによる半導体基板への微細なパターン形成方法に代わる技術としてナノインプリントリソグラフィがある。従来のナノインプリントによる微細パターニング方法として、ローラナノインプリントがある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図7を用いて、その従来例としての非特許文献1の技術を説明する。
【0004】
図7において、パターンが描かれ、原版となるシリンダモールド101はローラの周りにパターニングされた金属性薄膜を曲げて装着されている。そして、基板側はウエハ103上にパターニングを形成するレジスト(PMMA)113を塗布する。
【0005】
次に、ナノインプリントの工程を説明する。図7のようにシリンダモールド101とウエハ103を対向させ、シリンダモールド101をレジスト113に押し付けることによって、シリンダモールド101に描かれたパターンをレジスト113へ転写する。転写はシリンダモールド101のパターンにしたがってレジスト113へ凹凸が形成され、その後リアクティブイオンエッチング(RIE)によって、パターニングを行う。
【0006】
【非特許文献1】
J.Vac.Sci.Technol.B16 (16), Nov/Dec1998, p.3926−p.3928
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では以下のような欠点があった。
【0008】
直接レジストへシリンダモールドのパターンを転写するため、被転写面とシリンダモールドの相対的な大きさの差、すなわち倍率が異なっている場合、そのまま転写するしかなかった。そうすると、半導体デバイスなどを製造する際、重ね合わせ精度が低下してしまう。そのためデバイス生産の歩留まりが低下し、デバイスの生産性が低下する。本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み発明したものである。
【0009】
第1の発明の目的はナノインプリントリソグラフィの重ね合わせ精度を向上させるために倍率補正を実現することにある。
【0010】
第2の発明の目的は倍率補正の構成を示すことにある。
【0011】
第3の発明の目的は倍率補正を行うアクチュエータを移動させることにある。
【0012】
第4の発明の目的はモールドの変形量、すなわち倍率補正量を測定することにある。
【0013】
第5の発明の目的はモールドとアクチュエータの接触時に発生する振動を軽減させるため、アクチュエータの接触を拘束させることにある。
【0014】
第6の発明の目的は第2の発明をより具体化させることにある。
【0015】
第7の発明の目的はモールドへの荷重がその回転方向と平行にさせることにある。
【0016】
第8の発明ないし第11の発明の目的は倍率補正の工程を示し、モールドへの倍率補正を荷重の制御によって行うことを示すことにある。
【0017】
第12の発明ないし第15の発明の目的は倍率補正の工程を示し、モールドへの倍率補正を荷重位置の制御によって行うことを示すことにある。
【0018】
第16の発明の目的は倍率補正の工程を示し、モールドへの倍率補正を荷重の制御もしくは荷重位置の制御の少なくともいずれか一方で行うことを示すことにある。
【0019】
第17の発明の目的は転写後の基板のパターニング処理を示すことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、凹凸型のパターンを形成した原版となるモールドを、被転写となる基板表面に塗布したレジストに押し付けることにより、レジスト表面にモールドのパターンを凹凸反転させて転写する微細加工装置において、被転写面となる基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段ごと基板をスキャンさせる基板ステージと、倍率補正手段ならびに倍率補正の工程を有することを特徴とする。
【0021】
本出願に係る第2の発明は、第1の発明において、倍率補正手段はシリンダモールドの回転軸と平行となる方向からシリンダモールドに荷重を加えるアクチュエータを有することを特徴とする。
【0022】
本出願に係る第3の発明は、第1の発明において、倍率補正手段は第2の発明のアクチュエータのシリンダモールドへの加圧位置を移動させる駆動手段を有することを特徴とする。
【0023】
本出願に係る第4の発明は、第1の発明において、倍率補正手段は荷重に伴うシリンダモールドの変形量を直接、もしくは間接的に測定する測定手段を有することを特徴とする。
【0024】
本出願に係る第5の発明は、第1の発明において、モールドはアクチュエータと接触する面に溝を有することを特徴とする。
【0025】
本出願に係る第6の発明は、第2の発明において、アクチュエータは空圧シリンダもしくは油圧シリンダもしくはモータの少なくともいずれか一つを有することを特徴とする。
【0026】
本出願に係る第7の発明は、第2の発明において、シリンダモールドと接触するアクチュエータの先端が球体であることを特徴とする。
【0027】
本出願に係る第8の発明は、第1の発明において、倍率補正の工程は第一の処理部と第一の制御部を有することを特徴とする。
【0028】
本出願に係る第9の発明は、第8の発明において、第一の処理部は倍率補正量とシリンダモールドへの荷重との関係を導くための数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、所望の倍率補正量からシリンダモールドへの荷重を決定する工程を有することを特徴とする。
【0029】
本出願に係る第10の発明は、第8の発明において、第一の処理部は第4の発明の測定手段の測定結果に従い、シリンダモールドへの荷重を決定する工程を有することを特徴とする。
【0030】
本出願に係る第11の発明は、第8の発明において、第一の制御部は第一の処理部で決定したシリンダモールドへの荷重に従い、第2の発明のアクチュエータを制御する工程を有することを特徴とする。
【0031】
本出願に係る第12の発明は、第1の発明において、倍率補正の工程は第二の処理部と第二の制御部を有することを特徴とする。
【0032】
本出願に係る第13の発明は、第12の発明において、第二の処理部は倍率補正量とシリンダモールドへの荷重位置との関係を導くための数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、所望の倍率補正量からシリンダモールドへの荷重位置を決定する工程を有することを特徴とする。
【0033】
本出願に係る第14の発明は、第12の発明において、第二の処理部は第4の発明の測定手段の測定結果に従い、シリンダモールドへの荷重位置を決定する工程を有することを特徴とする。
【0034】
本出願に係る第15の発明は、第12の発明において、第二の制御部は第二の処理部で決定したシリンダモールドへの荷重位置に従い、第2の発明のアクチュエータを第3の発明の駆動手段で位置制御する工程を有することを特徴とする。
【0035】
本出願に係る第16の発明は、第1の発明において、倍率補正の工程は第8の発明ないし第15の発明いずれか記載の工程を有することを特徴とする。
【0036】
本出願に係る第17の発明は、第1の発明ないし第16の発明いずれか記載により転写したパターンをリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターン形成することを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
図1は本実施の形態における全体の構成を表している。図1において、凹凸からなる転写パターンが描かれた原版となるシリンダモールド1をモールド台2に固定する。シリンダモールド1の作成方法はローラの周りにパターニングされた金属性薄膜を曲げて装着するなど公知の技術で良い。転写時は被転写となるウエハ3にパターニングを形成するレジストを塗布する。レジストには例えばPMMA(polymethylmethacrylate)を用いる。そして、ウエハ3はウエハチャック4に保持され、ウエハチャック4はウエハステージ5上に搭載されている。さらに、シリンダモールド1は被転写面との倍率を補正するため、エアシリンダ6でシリンダモールド1の回転軸方向から力を加えることによって、シリンダモールド1の転写位置を変形させ、その倍率を補正する。エアシリンダ6への高圧ガスは圧縮空気とする。そして圧縮空気を減圧弁7で所定の圧力まで減圧し、電空レギュレータ8で制御することによってエアシリンダ6の押し付け力を制御する。
【0038】
転写時はシリンダモールド1とウエハ3の被転写面を押し付ける。このとき、ウエハステージ5をシリンダモールド1方向へ駆動させることによって押し付ける方法や、不図示のアクチュエータでモールド台2ごとシリンダモールド1をウエハ3側へ押し付ける方法が有効である。さらに、その両者を用いて押し付けても良い。そして、シリンダモールド1が転がるようにウエハステージ5をスキャン駆動させて、ウエハ3上のレジストに転写面を形成する。
【0039】
次に、図1ではシリンダモールド1を押す位置を回転軸上とし、さらにモールド台2を介して押す方法を表したが、これに限定されない。
【0040】
図2はシリンダモールド1まわりを示し、図2を用いて別の例を示す。なお、エアシリンダ6によるシリンダモールド1の倍率補正に関して説明するため、モールド台2を一部破断して省略した。エアシリンダ6はモールド台2を介さず、直接シリンダモールド1を押す。シリンダモールド1を押す位置はシリンダモールド1の回転軸上に限らず、図2に示すようにずらしても良い。ただし、シリンダモールド1とエアシリンダ6の接触位置はウエハ3への転写位置に対して相対的に固定されていなければならない。
【0041】
またエアシリンダ6がシリンダモールド1を押す方向はシリンダモールド1の回転軸と平行にするため、エアシリンダ6の接触側に不図示の球体を設置し、接触が点接触にさせることが好ましい。シリンダモールド1とエアシリンダ6が点接触にすれば、シリンダモールド1とエアシリンダ6の接触位置に発生する摩擦が小さくなり、シリンダモールド1の振動を低減でき、転写性能を向上させることができる。
【0042】
さらにシリンダモールド1の接触側にモールド部と同心円上の溝を設け、エアシリンダ6の接触位置がウエハ3への転写位置に対して相対的に動かないように拘束することが好ましい。
【0043】
そして、以上のようにエアシリンダ6によってシリンダモールド1を押すと、図3に示すようにシリンダモールド1は変形し、倍率補正が可能となる。なお図3において、倍率補正前のシリンダモールド1を破線で示し、倍率補正時の変形したシリンダモールド1を実線で示している。通常の倍率補正量は数[ppm]程度であるので、エアシリンダ6の押す力は数[N]から数十[N]程度で十分倍率補正ができる。
【0044】
ここまでは倍率補正を行うための構成について説明してきたが、以下図4を用いて倍率補正を含め、転写までの工程を説明する。
【0045】
(1)ウエハ搬送
ウエハ3を搬送し、ウエハチャック4でウエハ3を保持する。
【0046】
(2)アライメント計測
不図示のアライメント測定系でシリンダモールド1とウエハ3の位置ずれを計測する。そのとき、シリンダモールド1とウエハ3の倍率を算出し、その倍率補正量を決定する。
【0047】
(3)倍率補正
エアシリンダ6でシリンダモールド1へ荷重を加え、シリンダモールド1を変形させることで倍率補正を行う。その際、以下の処理を行う。
【0048】
まず、(2)で決定された倍率補正量に対して、エアシリンダ6へ供給する圧縮空気の圧力を処理部で決定する。そのため、処理部はシリンダモールド1の倍率補正量、すなわち変形とエアシリンダ6へ供給する圧縮空気の圧力との関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、それによって圧力を決定する。
【0049】
そして、処理部で決定された圧力に従って、制御手段は電空レギュレータ8を制御する。
【0050】
また、モールド台2などに歪ゲージなどシリンダモールド1の変形を別の系でモニタできる測定手段を設け、その測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係をあらかじめ求めておき、測定手段によるフィード バック制御で倍率補正を行う方法でも有効である。この場合の処理部は測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
【0051】
(4)転写ショットへの移動
転写ショット位置までは(2)で計測したシリンダモールド1とウエハ3の位置ずれに基づき、ウエハステージ5で移動させる。
【0052】
(5)シリンダモールドとウエハを接触
転写するためにシリンダモールド1とウエハ3上の被転写面が押し付け合うように、ウエハステージ5とモールド台2上の不図示のアクチュエータとの少なくともいずれか一方を駆動させる。
【0053】
(6)転写
ウエハ3の転写ショット位置へシリンダモールド1のパターンを転写するよう、シリンダモールド1を回転させながらウエハステージ5をスキャン駆動させる。
【0054】
(7)次のショットへの移動
転写後はシリンダモールド1からウエハ3上の被転写面を離型するよう に、ウエハステージ5とモールド台2上の不図示のアクチュエータとの少なくともいずれか一方を駆動させる。そして、(4)の処理へ戻り、ウエハ3上の全転写ショットか転写されるまで繰り返す。
【0055】
本実施の形態ではシリンダモールド1の倍率を補正させるため、圧縮空気を用い、エアシリンダ6でシリンダモールド1を押す方法について述べたが、これに限定されない。例えば、エアシリンダ6の替わりにモータを設置し、そのモータによってシリンダモールド1を押す方法でも良い。その他、油圧シリンダによる制御でも有効である。
【0056】
そして、図1ないし図4の通りにエアシリンダ6を用いる場合においても、高圧ガスについては圧縮空気以外でも有効で、例えば、転写雰囲気と同種のガスなどが有効である。また便宜上、エアシリンダ6を単動シリンダとして表したが、当然複動シリンダでも有効である。さらに、圧縮空気のラインに減圧弁7と電空レギュレータ8を示したが、他にもバルブや圧力センサなど空圧機器を入れておくことが好ましい。
【0057】
さらに本実施の形態ではシリンダモールド1を回転軸もしくは回転軸近傍を回転軸方向に押す方法について述べたが、これに限定されず、引張り方向、またはその両者としても良い。
【0058】
以上のように、ウエハ3上への転写が終了した後はリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターニングを仕上げる。
【0059】
[第二の実施の形態]
第一の実施の形態では、倍率補正時のシリンダモールドとエアシリンダの接触位置はウエハへの転写位置に対して相対的に固定し、エアシリンダによる押す力の制御によって倍率補正を行う方法について説明した。第二の実施の形態ではエアシリンダによる押す位置によってシリンダモールドの変形量は変化することを応用して、エアシリンダによる押す力を一定にし、シリンダモールドとエアシリンダの接触位置の制御によって倍率補正を行う方法について説明する。
【0060】
図5は本実施の形態のシリンダモールドまわりを表している。凹凸からなる転写パターンが描かれた原版となるシリンダモールド1をモールド台2に固定する。シリンダモールド1の作成方法はローラの周りにパターニングされた金属性薄膜を曲げて装着するなど公知の技術で良い。シリンダモールド1は被転写面との倍率を補正するため、エアシリンダ6でシリンダモールド1の回転軸と平行となる方向から力を加えることによって、シリンダモールド1の転写位置を変形させ、その倍率を補正する。エアシリンダ6への高圧ガスは圧縮空気とする。そして圧縮空気を減圧弁7で所定の圧力まで減圧し、その圧力を一定に保つことでエアシリンダ6の押し付け力を一定にする。エアシリンダ6の先端、すなわちシリンダモールド1との接触側には不図示の球体を設置し、接触を点接触にさせることが好ましい。エアシリンダ6はエアシリンダホルダ9で固定されており、エアシリンダホルダ9はモータ10に保持されている。モータ10はその駆動によって、エアシリンダホルダ9ごとエアシリンダを動かし、シリンダモールド1との接触位置を変更させることができる。そして、モータ10は例えばモールド台2に設置されている。
【0061】
なお、図5ではエアシリンダ6によるシリンダモールド1の倍率補正に関して説明するため、モールド台2を一部破断して省略した。また、被転写面となるウエハやウエハチャック、ウエハステージの装置構成は第一の実施の形態と同じであるため省略した。
【0062】
次に倍率補正時の工程について説明する。
【0063】
不図示のアライメント測定系でシリンダモールド1とウエハの位置ずれを計測し、シリンダモールド1の倍率補正量を決定する。そして、その倍率補正量に対して、エアシリンダ6でシリンダモールド1を押す位置を処理部で決定する。そのため、処理部はシリンダモールド1の倍率補正量、すなわち変形とエアシリンダ6で押す位置との関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれは一方を有し、それによって押す位置を決定する。
【0064】
次に、処理部で決定された位置までモータ10を駆動し、エアシリンダ6を移動させる。
【0065】
また、モールド台2などに歪ゲージなどシリンダモールド1の変形を別の系でモニタできる測定手段を設け、その測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係をあらかじめ求めておき、測定手段によるフィードバック制御で倍率補正を行う方法でも有効である。この場合の処理部は測定手段の出力とシリンダモールド1の倍率補正量の関係を数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
【0066】
さらに簡易的な倍率補正方法について図6を用いて説明する。
【0067】
図6で示すシリンダモールド1とエアシリンダ6との接触面に複数の溝を設けた。シリンダモールド1のエアシリンダ6との接触面にはシリンダモールド1の接触側にモールド部と同心円上に複数の溝を設けておく。そして倍率補正時において、処理部はエアシリンダ6でシリンダモールド1を押す溝を選択、決定し、制御部は決定された溝までエアシリンダ6を移動させるようにモータ10を駆動させる。したがって、図6では接触面の溝を2本図示したが、これに限定されず、倍率補正の分解能と範囲の仕様によって溝の数が決まる。例えば倍率補正は1[ppm]の分解能で10[ppm]の範囲を補正する場合、少なくとも接触面の溝は10本必要となる。
【0068】
本実施の形態ではシリンダモールド1の倍率を補正させるため、圧縮空気を用い、エアシリンダ6でシリンダモールド1を押す方法について述べたが、これに限定されない。例えば、エアシリンダ6の替わりにモータを設置し、そのモータによってシリンダモールド1を押す方法でも良い。その他、油圧シリンダによる制御でも有効である。
【0069】
そして、図5ないし図6の通りにエアシリンダ6を用いる場合においても、高圧ガスについては圧縮空気以外でも有効で、例えば転写雰囲気と同種のガスなどが有効である。また便宜上、エアシリンダ6を単動シリンダとして表したが、当然複動シリンダでも有効である。さらに、圧縮空気のラインに減圧弁7と電空レギュレータ8を示したが、他にもバルブや圧力センサなど空圧機器を入れておくことが好ましい。
【0070】
さらに本実施の形態ではシリンダモールド1を押す方法について述べたが、これに限定されず、引張り方向、またはその両者としても良い。
【0071】
そして、本実施の形態で述べたシリンダモールドとエアシリンダの接触位置の制御によって倍率補正を行う方法と、第一の実施の形態で述べたエアシリンダによる力の制御によって倍率補正を行う方法を組み合わせた倍率補正方法も有効である。
【0072】
以上のように、ウエハ3上への転写が終了した後はリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターニングを仕上げる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写時における倍率補正が可能となる。したがって、重ね合わせ精度を向上させることができる。そのためデバイス生産の歩留まりを向上させることができ、デバイスの生産性が向上する。そして、デバイス生産に適した微細加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正の装置構成を説明する図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正のシリンダモールドまわりを説明する図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正時のシリンダモールドの変形を説明する図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る倍率補正と転写の工程を説明する図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係る倍率補正のシリンダモールドまわりを説明する図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る簡易的な倍率補正を説明する図である。
【図7】従来の技術のローラナノインプリントを示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダモールド
2 モールド台
3 ウエハ
4 ウエハチャック
5 ウエハステージ
6 エアシリン
Claims (17)
- 凹凸型のパターンを形成した原版となるモールドを、被転写となる基板表面に塗布したレジストに押し付けることにより、レジスト表面にモールドのパターンを凹凸反転させて転写する微細加工装置において、被転写面となる基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段ごと基板をスキャンさせる基板ステージと、倍率補正手段ならびに倍率補正の工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、倍率補正手段はシリンダモールドの回転軸と平行となる方向からシリンダモールドに荷重を加えるアクチュエータを有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、倍率補正手段は請求項2のアクチュエータのシリンダモールドへの加圧位置を移動させる駆動手段を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、倍率補正手段は荷重に伴うシリンダモールドの変形量を直接、もしくは間接的に測定する測定手段を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、モールドはアクチュエータと接触する面に溝を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項2において、アクチュエータは空圧シリンダもしくは油圧シリンダもしくはモータの少なくともいずれか一つを有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項2において、シリンダモールドと接触するアクチュエータの先端が球体であることを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、倍率補正の工程は第一の処理部と第一の制御部を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項8において、第一の処理部は倍率補正量とシリンダモールドへの荷重との関係を導くための数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、所望の倍率補正量からシリンダモールドへの荷重を決定する工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項8において、第一の処理部は請求項4の測定手段の測定結果に従い、シリンダモールドへの荷重を決定する工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項8において、第一の制御部は第一の処理部で決定したシリンダモールドへの荷重に従い、請求項2のアクチュエータを制御する工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、倍率補正の工程は第二の処理部と第二の制御部を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項12において、第二の処理部は倍率補正量とシリンダモールドへの荷重位置との関係を導くための数式あるいはテーブルの少なくともいずれか一方を有し、所望の倍率補正量からシリンダモールドへの荷重位置を決定する工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項12において、第二の処理部は請求項4の測定手段の測定結果に従い、シリンダモールドへの荷重位置を決定する工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項12において、第二の制御部は第二の処理部で決定したシリンダモールドへの荷重位置に従い、請求項2のアクチュエータを請求項3の駆動手段で位置制御する工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1において、倍率補正の工程は請求項8ないし請求項15いずれか記載の工程を有することを特徴とする微細加工装置。
- 請求項1ないし請求項16いずれか記載により転写したパターンをリアクティブイオンエッチング(RIE)によってパターン形成することを特徴とするデバイス。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |