JP6467487B2 - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、インクを吐出させて印刷を行なうインクジェットヘッド、及びインクジェットヘッドを使用したインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)では、インクジェットヘッドを使用している。インクジェットヘッドは、例えば圧電部材に溝状に切削して形成した複数の圧力室を有し、圧力室に電極を形成している。また複数の圧力室はプレートで覆われ、プレートには複数の圧力室に対応してそれぞれノズル(吐出孔)を形成している。圧電部材は、駆動電圧を印加されることで歪を生じ、歪を利用して圧力室を減圧又は加圧状態にし、ノズルからインクを吐出すようにしている。
またインクジェットヘッドのプレートには、複数の圧力室に対応してノズルを形成しているが、大きなインク滴を吐出させるため、ノズル径を大きくしている。またインクジェットヘッドは、インクの供給エリアやインクの排出エリアがノズルのインク吐出エリアに隣接している。
ところで、従来のインクジェットヘッドでは、インクの吐出エリアが複数存在する場合、それぞれの吐出エリアの吐出タイミングを順次にずらしているが、次にインクを吐出するエリアでは、圧力変動の影響を受けて、インクの吐出がうまく行われず、印字不良を生じることがあった。
特開2009−233879号公報
発明が解決しようとする課題は、印字不良を低減したインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することにある。
実施形態に係るインクジェットヘッドは、一方向に並んだ複数の圧電部材の列を複数列平行に配置した基板と、前記複数の圧電部材間に形成された複数の圧力室を覆い、かつ前記複数の圧力室に対応してそれぞれ複数のノズルを形成したノズルプレートと、記複数の圧力室にインクを供給するインク供給口、及び前記複数の圧力室で使用されなかったインクを排出するインク排出口を有するインク室と、を備え、前記複数のノズルを、前記圧力室の中央部に位置し、かつ前記インクの流れ方向に沿うように前記ノズルプレートに形成したものである。
一実施形態に係るインクジェットヘッドの全体的な構成を示す斜視図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の平面図。 一実施形態におけるインクジェットヘッドの動作を説明する説明図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドの変形例を示す断面図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドの変形例を示す平面図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル径について説明する断面図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドの他の変形例を示す平面図。 一実施形態に係るインクジェットヘッドの別の変形例を示す平面図。 第2の実施形態に係るインクジェットヘッドを示す平面図。 インクジェット記録装置を示す構成図。
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係るインクジェットヘッド10の全体的な構成を示す斜視図であり、一部を断面で示す。また図2は、図1の2−2’線に沿って切断したインクジェットヘッド10の断面図である。
インクジェットヘッド10は、図1,図2に示すように、基板11と、基板11に接着された枠部材12を有している。枠部材12にはノズルプレート13が接着され、枠部材12の内側には基板11に接着された圧電部材151,152と、圧電部材151,152を駆動するためのヘッド駆動用の駆動回路(IC20:図2)を有している。ノズルプレート13は、例えば方形のポリイミド製のフィルムで形成されている。ノズルプレート13は、複数のノズル14で構成される一対のノズル列を有している。ノズル列は、列単位で複数個(例えば2個)のノズル14で構成されている。
圧電部材151,152は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)製であり、図2に示すように2枚の圧電体16を互いの分極方向を対向させるように積層して張り合わせている。圧電部材151,152は、断面がほぼ台形状で、棒状に形成されている。圧電部材151,152は、表面に溝状に切削形成された複数の圧力室17と、各圧力室17の両側面および圧力室17の底部に形成される電極18とを有している。
圧電部材151,152は、基板11に接着され、ノズルプレート13には、それぞれの圧力室17に対応する位置に2つのノズル14を形成している。また、基板11上には、複数の配線パターン19(図2)を設けている。各配線パターン19は、その一端が電極18に接続されるとともに、他端がヘッド駆動用のIC20に接続されている。
基板11は、例えばアルミナなどのセラミックスによって方形の板状に形成されている。基板11は、インクの供給口21およびインクの排出口22を有している。図1に示すように、供給口21および排出口22は円形の孔である。
インクジェットヘッド10をプリンタに搭載して、プリンタで印刷処理を行うには、プリンタのインクタンクからインクジェットヘッド10にインクを供給する必要がある。インクの供給は、供給口21を介して行われ、インクタンクから流出したインクは、供給口21を経由して圧力室17内に満たされる。圧力室17内で使用されなかったインクは、排出口22によってインクタンクに回収される。これは、所謂インク循環式と呼ばれるもので、インクは供給口21から排出口22へ循環する。つまり、圧力室17内にインクを満たすため、供給口21から排出口22へつながるインク室が形成されている。
また、ユーザがプリンタに対して印刷を指示すると、プリンタの制御部は、インクジェットヘッド10に対して印字信号をヘッド駆動用のIC20に出力する。印字信号を受けたヘッド駆動用のIC20は、配線パターン19を介して駆動電圧(パルス)を電極18に印加する。これにより、溝の両側に位置する左右一対の圧電板16は、シェアモード変形を行って湾曲するように離反する。そして、離反した左右一対の圧電板16を初期位置に復帰させて圧力室17内の圧力を高くすることで、ノズル14からインク滴が吐出される。
図3は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の平面図である。尚、図3では、ノズルプレート13を外した状態で示しているが、ノズルプレート13に形成したノズル14の位置を点線で示している。
図3において、インクジェットヘッド10は、基板11上の枠部材12の内側に、一方向に並んだ複数の圧電部材の151、152の列を複数列(図3では2列)平行に配置している。枠部材12の内側には、2列の吐出エリア101、102が並んで形成されている。吐出エリア101は、複数の圧電部材151の列を有し、複数の圧電部材151間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。また吐出エリア102も同様に、複数の圧電部材152の列を有し、複数の圧電部材152間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。
そして吐出エリア101、102のそれぞれの圧力室17に対応して、ノズルプレート13に形成した2個のノズル14がそれぞれ位置している。吐出エリア101、102は、複数の圧電部材151、152の列ごとに区分される。
また基板11には、複数の圧力室17内にインクを満たすため、インク室110を設けている。インク室110は、基板11に形成したインクの供給口21および排出口22を有する。図3に示すように、供給口21および排出口22は円形の孔である。供給口21は、隣接する吐出エリア101と102に共有のものである。また排出口22は、吐出エリア101と102の隣接面と反対側にそれぞれ個別に存在する。図3では、吐出エリア101と102に対して共有の供給口21を含む領域をインクの供給エリア201と呼ぶ。
本実施形態では、図3に示すように、インクの吐出エリア101と102があり、かつ、それらのエリア101と102に共有のインク供給エリア201が存在する。また印字を行なう場合には、吐出エリア101から先にインクを吐出させ、続いて吐出エリア102からインクを吐出させるように、吐出タイミングをずらしている。
図4は、インクジェットヘッド10の動作を説明する図である。圧電部材151を構成する2枚の圧電体16は、基板11の上面にアクチュエータ列を形成する。アクチュエータ列は、それぞれ複数のアクチュエータZ1,Z2,…Znの配列により形成されている(図4では、アクチュエータZ1〜Z4のみ図示している)。このアクチュエータZ1,Z2,…Znの相互間にあって、各ノズル14と対応する位置に、圧力室17である溝状のチャンネルC1,C2…Cmが確保される(図4ではチャンネルC1〜C4のみを図示している)。
基板11上の圧電部材151,152の相互間には、共有の供給口21(図3)が形成され、供給口21から供給されるインクは各チャンネルC1〜Cmに導かれ、各チャンネルC1〜Cmを経たインクは基板11に形成された排出口22を通って基板11の外に流出する。
アクチュエータZ1,Z2,…Znは、図4に示すように、静電容量性アクチュエータであるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電体16,16を互いの分極方向が対向する状態に上下に張り合わせて柱状に形成する。また、アクチュエータZ1,Z2,…Znは、その柱状部分の両側面から底面にかけて駆動電圧を受けるための電極18を形成している。電極18は、基板11上の配線パターン19(図2)に接続されている。
図4において、チャンネルC2を挟んで隣り合うアクチュエータZ2,Z3に着目すると、アクチュエータZ2,Z3が通電されない状態では、図4(a)の状態にある。図4(a)の状態で、アクチュエータZ2が順方向に通電され、同時にアクチュエータZ3が逆方向に通電されると、図4(b)に示すようにアクチュエータZ2,Z3が互いに離反するようにシェアモード変形して湾曲し、減圧状態になる。したがって、チャンネルC2の容積が増大して、アクチュエータZ2,Z3の相互間のチャンネルC2にインクが補充される。
またアクチュエータZ2が逆方向に通電され、同時にアクチュエータZ3が順方向に通電されると、図4(c)に示すようにアクチュエータZ2,Z3が互いに近づくようにシェアモード変形して湾曲し、加圧状態になる。したがって、チャンネルC2の容積が減少して、アクチュエータZ2,Z3の相互間のチャンネルC2に存在するインクがノズル14から勢いよく吐出される。
各チャンネルの駆動には、例えば3分割駆動方式が用いられる。各チャンネルC1〜Cmに対して3分割駆動が行われる場合、各々連続したチャンネルC1〜C3,C4〜C6,C7〜C9,…からなる複数のチャンネルグループに区画される。また、チャンネルC1,C4,C7,…、チャンネルC2,C5,C8,…、チャンネルC3,C6,C9,…が順次駆動される。
図5は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの変形例を示す断面図である。また図6は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの変形例を示す主要部の平面図である。図6では、ノズルプレート13を外した状態で示しているが、ノズルプレート13に形成したノズル14の位置を点線で示している。
図5、図6において、インクジェットヘッド10は、枠部材12の内側に2列の吐出エリア101と102が並んで形成されている。吐出エリア101は、複数の圧電部材151の列を有し、複数の圧電部材151間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。また吐出エリア102も同様に、複数の圧電部材152の列を有し、複数の圧電部材152間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。また吐出エリア101、102のそれぞれの圧力室17に対応して、ノズルプレート13に形成した2個のノズル14がそれぞれ位置している。
またインクジェットヘッド10の基板11には、複数の圧力室17内にインクを満たすため、インク室110を設けている。インク室110は、基板11に形成したインクの供給口21および排出口22を有する。図6の例では、供給口21および排出口22の配置が図3とは異なる。即ち、吐出エリア101と102の間に共有の排出口22を設け、吐出エリア101と102の隣接面と反対側に個別に供給口21を設けている。
つまり、図6では、インクの吐出エリア101と102が存在する点は、図3と同じであるが、隣接する吐出エリア101と102間に共有の排出口22を含むインク排出エリア202が存在する。また印字を行なう場合には、吐出エリア101から先にインクを吐出させ、続いて吐出エリア102からインクを吐出させるように、吐出タイミングをずらしている。
ところで、一般的なインクジェットヘッドは、吐出エリア101の圧力室17、17…に対応するアクチュエータ部にそれぞれ1個ずつノズル14が形成されている。同様に吐出エリア102の圧力室17、17…に対応するアクチュエータ部にも、それぞれ1個ずつノズル14が形成されている。しかしながら、吐出エリア101から先にインクを吐出させ、続いて吐出エリア102からインクを吐出させた場合、吐出エリア102で圧力変動が生じ、ノズル14からのインクの吐出に悪影響を及ぼすことがあった。
図7は、ノズル14の個数と直径の関係を示す説明図である。図7(a)は、圧力室17、17…に対応して、それぞれ1個のノズル14が形成された一般的な例を示している。この場合、吐出エリア101から先にインクを吐出させ、続いて吐出エリア102からインクを吐出させた場合、吐出エリア102で圧力変動を生じる。
図7(a)は、ノズル14先端のメニスカス14aを示している。圧力変動の影響はノズル14の負圧の変動を生じやすく、ノズル14内のインク形状が変化する。このため、メニスカス14aが破れやすくなり、ノズル14内に気泡を発生してしまう。つまり、負圧が適正でなくなるため、インクが充分に吐出できなくなり、印字不良を招くことがあった。
本実施形態では、それぞれの圧力室17、17…に対応して、ノズルプレート13に複数のノズル14を形成している。図7(b),(c)は一実施形態に係るインクジェットヘッドにおけるノズル形状を示す。
図7(b)では、圧力室17、17…に対応するアクチュエータ部に、それぞれ2個のノズル14を形成した場合を示している。また、図7(c)では、圧力室17、17…に対応するアクチュエータ部に、それぞれ3個のノズル14を形成した場合を示している。ノズル14の直径は、ノズルの個数が増えるほど、小さくなるようにしている。
図7(a)に示すように、アクチュエータ部に1個のノズル14を設けたときの、ノズル14の吐出口の直径をD1(μm)とする。またノズル14から所定の単位時間に吐出されるインク滴300の規定量をn1(pl)とし、n1(pl)のインク滴によって1画素分のドットが形成されるものとする。
一方、図7(b)に示すように、アクチュエータ部のノズル14の個数を2個にした場合は、上記直径D1を基準にして、ノズル14の直径D2(μm)を直径D1よりも小さくしている(D2<D1)。また、2個のノズル14から個々に吐出されるインク滴の量n2(pl)も、規定量n1よりも少なくなるようにしている。そして2個のノズル14からそれぞれ吐出されるインク滴の総量が規定量n1(pl)に近づくように、(2×n2≒n1)となるようにしている。
さらに、図7(c)に示すように、アクチュエータ部のノズル14の個数を3個にした場合は、上記直径D1を基準にして、ノズル14の直径D3(μm)を直径D1、D2よりも小さくしている(D3<D2<D1)。また、3個のノズル14から個々に吐出されるインク滴の量n3(pl)も、規定量n1よりも少なくなるようにし、3個のノズル14からそれぞれ吐出されるインク滴の総量が規定量n1(pl)に近づくように、(3×n3≒n1)となるようにしている。
上述したように、1つのアクチュエータ部のノズルの個数が増えるほど、ノズル径を小さくする。また複数のノズル14から吐出されるインク滴の総量が、規定のインク滴の量に近づくような直径とすることにより、インク滴によって形成されるドットの大きさを同等になるように設定することができる。
また1つのアクチュエータ部のノズル14の直径を小さくすることにより、例えば、吐出エリア101から先にインクを吐出させ、続いて吐出エリア102からインクを吐出させるようにしても、吐出エリア102のノズルは、圧力変動の影響を受けにくくなる。
つまり、複数の小径のノズル14を形成することにより、個々のノズル14にかかる圧力変動は分散される。したがって、それぞれのノズル14内のインク形状はあまり変化せず、メニスカスが破れにくくなる。したがって、負圧が適正に保たれるため、インクは適正に吐出することができ、印字不良を低減することができる。
図8は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの他の変形例を示す主要部の平面図である。図8では、ノズルプレート13を外した状態で示しているが、ノズルプレート13に形成したノズル14の位置を点線で示している。図8は、1つのアクチュエータ部のノズル14の個数を3つにした例を示す。3つのノズル14の直径は、図7(c)で説明したように、2つのノズルを形成する場合よりも小さい。
図9は、一実施形態に係るインクジェットヘッドの別の変形例を示す主要部の平面図である。図9では、ノズルプレート13を外した状態で示しているが、ノズルプレート13に形成したノズル14の位置を点線で示している。図9は、1つのアクチュエータ部のノズル14の個数を4つにした例を示す。4つのノズル14の直径は、3つのノズルを形成する場合よりも小さい。
尚、1つのアクチュエータ部に複数のノズル14を設ける場合、それぞれのノズル14は、圧力室17の中央の部分に位置し、かつ供給口21から排出口22に向かうインクの流れ方向に沿って形成する。つまり、図3、図7、図8、図9に示すように、供給口21から排出口22に向かうインクの流れ方向をAとしたとき、複数のノズル14は、流れ方向Aに沿って設ける。
また、図3、図7、図8、図9に示すように、複数のノズル14は、吐出エリア101及び吐出エリア102の圧電部材151、152の幅方向の中心線301、302に対して、対称的に配置するとよい。複数のノズル14を流れ方向Aに沿って設け、かつ圧力室17内に対称的に設けることにより、各ノズル14からのインクの吐出量を安定化することができる。
以上述べたように、実施形態に係るインクジェットヘッドによれば、各吐出エリアのそれぞれの圧力室に対応するアクチュエータ部に、それぞれ複数のノズル14を形成することにより、個々のノズル14にかかる圧力変動の影響を低減し、印字不良を低減することができる。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部の平面図である。図10では、ノズルプレート13を外した状態で示しているが、ノズルプレート13に形成したノズル14の位置を点線で示している。
図10のインクジェットヘッド10は、枠部材12の内側に4列のインクの吐出エリア101、102、103、104が並んで形成されている。吐出エリア101は、複数の圧電部材151の列を有し、複数の圧電部材151間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。吐出エリア102は、複数の圧電部材152の列を有し、複数の圧電部材152間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。
また、吐出エリア103は、複数の圧電部材153の列を有し、複数の圧電部材153間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。吐出エリア104は、複数の圧電部材154の列を有し、複数の圧電部材154間に形成された複数の圧力室17、17…が並んでいる。
また吐出エリア101、102、103、104のそれぞれの圧力室17に対応して、ノズルプレート13に形成した複数のノズル14(図10では2個のノズル)がそれぞれ位置している。吐出エリア101、102、103、104は、複数の圧電部材151、152、153、154の列ごとに区分される。
またインクジェットヘッド10の基板11には、複数の圧力室17内にインクを満たすため、インク室110を設けている。インク室110は、基板11に形成した複数のインクの供給口21および排出口22を有し、吐出エリア101、102、103、104の両側にインクの供給口21と排出口22を交互に形成している。
つまり、隣接する吐出エリア101と102に対して共有の供給口21が存在する。また隣接する吐出エリア102と103に対して共有の排出口22が存在する。さらに隣接する吐出エリア103と104に対して共有の供給口21が存在する。そして吐出エリア101と104の外側(隣接面と反対側)に個別に排出口22が存在する。
さらに、吐出エリア101と102に対して共有の供給口21を含むインクの供給エリア201があり、吐出エリア102と103に対して共有の排出口22を含むインクの排出エリア202がある。また、吐出エリア103と104に対して共有の供給口21を含むインクの供給エリア203がある。また印字を行なう場合には、吐出エリア101→102→103→104の順にインクを吐出させるように、吐出タイミングをずらしている。
以上述べたように、第2の実施形態に係るインクジェットヘッドであっても、各吐出エリアのそれぞれのアクチュエータ部に対応して、複数のノズル14を形成することにより、個々のノズル14にかかる圧力変動の影響を低減し、印字不良を低減することができる。
次にインクジェットヘッドを用いたカラーのインクジェット記録装置の実施形態を、図11を参照して説明する。図11は、インクジェット記録装置30の構成図である。
インクジェット記録装置30は、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのインクジェットヘッド31C、31M、31Y、31Kを設けている。インクジェット記録装置30は、例えば記録媒体である用紙Pを搬送しながら画像形成を行う装置であり、外郭を構成する筐体32を有している。筐体32の内部には、用紙供給部としての給紙カセット33と、筐体32上部に用紙排出部としての排紙トレイ34を設けている。
また用紙Pを外周面上に保持して回転するドラム35と、給紙カセット33からドラム35の外周に向かう第1の搬送路61を介して用紙Pを搬送する第1の搬送部36を備えている。またドラム35の外周から排紙トレイ34に向かう搬送路62を介して用紙Pを搬送する第2の搬送部37を備えている。また、ドラム35から剥離された用紙Pの表裏面を反転させ、再びドラム35に向かう搬送路63を介してドラム35に供給する反転装置38を備える。
ドラム35は、時計回り方向CWに回転し、回転方向の上流側から下流側に向かって順番に、保持部39と、画像形成部40と、除電剥離部41と、クリーニング部42を設けている。
第1の搬送部36は、第1の搬送路61に沿ってガイド部材43、及び搬送用ローラであるピックアップローラ44、給紙ローラ対45、レジストローラ対46を有している。これらの搬送用ローラ(44〜46)はモータによって駆動されて回転し、用紙Pをインクジェットヘッド31C、31M、31Y、31Kからインクが吐出される位置に搬送する。また第2の搬送部37は、搬送路62に沿ってガイド部材43、分離ローラ対47、排出ローラ対48、排出ローラ対49を有している。第1の搬送路61におけるレジストローラ対46のニップ近傍には、用紙Pの先端位置を検知する用紙センサ50を設けている。
またインクジェット記録装置30には、ユーザによって各種の処理項目を設定可能な操作パネル51を設けている。また、インクジェット記録装置30内には、装置内の温度を検出する温度センサ52を設けている。そのほか、用紙Pの搬送状況を監視するためのセンサが各所に配置されている。
ドラム35は、回転軸351と、導体であるアルミニウムで構成された円筒フレーム352と、円筒フレーム352の表面に形成された薄い絶縁層353と、を備え、軸方向に一定の長さを有する円筒状に構成されている。
保持部39は、用紙Pをドラム35に対して押圧する押圧ローラ53と、押圧ローラ53の下流側にて帯電による静電気力で用紙Pをドラム35に吸着させる帯電ローラ54と、を備えている。
帯電ローラ54は、回転軸351と平行に延び帯電可能な金属製の帯電軸541と、帯電軸541の外周に形成された表層部を有し、ドラム35の表面に対向配置されている。
画像形成部40は、帯電ローラ54よりも下流側にあって、ドラム35の表面に対向配置した複数(4色)のインクジェットヘッド31C、31M、31Y、31Kを備えている。4色のインクジェットヘッド31C、31M、31Y、31Kは、所定のピッチで設けられたノズルから用紙Pにインクを吐出して画像を形成する。4色のインクジェットヘッド31C、31M、31Y、31Kは、例えば、図1で説明したような構造を有する。
除電剥離部41は、用紙Pの除電を行う除電部55と、除電後にドラム35の表面から用紙Pを剥離させる剥離爪57と、を備えている。除電部55は、除電ローラ56を備えている。
剥離爪57は、除電部55の下流側に設けている。剥離爪57は、用紙Pとドラム35の間に挿入される剥離位置(点線)と、ドラム35から退避する退避位置(実線)との間で回動可能であり、剥離爪57が剥離位置に回動したとき用紙Pをドラム35の表面から剥離させる。
クリーニング部42は、除電剥離部41よりも下流側に設け、ドラム35に接する接触位置とドラム35から退避する離間位置とで移動可能なクリーニング部材421と、クリーニング部材421を回転させるモータとを備えている。
以上説明したインクジェット記録装置によれば、インクの吐出量を安定化したジェットヘッド記録装置を提供することができる。また用紙Pに印字するだけでなく、高濃度印刷や高速印刷の要求が高いセラミック向けの印刷にも有効である。
尚、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…インクジェットヘッド
11…基板
13…ノズルプレート
151,152…圧電部材
16…圧電体
17…圧力室
21…インクの供給口
22…インクの排出口
30…インクジェット記録装置
101、102…吐出エリア
110…インク室

Claims (3)

  1. 一方向に並んだ複数の圧電部材の列を複数列平行に配置した基板と、
    前記複数の圧電部材間に形成された複数の圧力室を覆い、かつ前記複数の圧力室に対応してそれぞれ複数のノズルを形成したノズルプレートと、
    前記複数の圧力室にインクを供給するインク供給口、及び前記複数の圧力室で使用されなかったインクを排出するインク排出口を有するインク室と、
    を備え、
    前記複数のノズルを、前記圧力室の中央部に位置し、かつ前記インクの流れ方向に沿うように前記ノズルプレートに形成したインクジェットヘッド。
  2. 前記複数の圧力室に対応してそれぞれ形成した前記複数のノズルは、前記圧力室の幅方向の中心に対して対称的に配置した請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドからインクが吐出される位置に記録媒体を搬送する搬送ローラと、を備えるインクジェット記録装置。
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