JP2017081146A - インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

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晶也 市川
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】吐出不良を改善するインクジェットヘッド及びインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】実施形態によれば、インクジェットヘッドは、複数の第1の駆動素子と、複数の第2の駆動素子と、共通液室と、制御部と、を備える。複数の第1の駆動素子は、少なくとも2つのノズルを含む複数の第1の一体化ノズルにそれぞれ連通する複数の第1の圧力室を構成する。複数の第2の駆動素子は、少なくとも2つのノズルを含む複数の第2の一体化ノズルにそれぞれ連通する複数の第2の圧力室を構成する。共通液室は、前記複数の第1の圧力室と前記複数の第2の圧力室とに連通する。制御部は、前記第1の駆動素子に吐出パルスを印加し、前記吐出パルスの終了タイミングより前に少なくとも1つの非吐出パルスを前記第2の駆動素子に印加する。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタのインクジェットヘッドには、複数のノズルを有する吐出エリアを複数個備えるものがある。複数の吐出エリアは、異なるタイミングで用紙などの印刷媒体にインクを吐出する。たとえば、インクジェットヘッドは、第1の吐出エリアからインクを吐出した後に第2の吐出エリアからインクを吐出する。従来のインクジェットヘッドは、最初に吐出した吐出エリアに生じたノズル負圧の影響などによって次の吐出エリアからの吐出に不良を生じることがある。
特開2015−100966号公報
上記の課題を解決するために、吐出不良を改善するインクジェットヘッド及びインクジェットプリンタを提供する。
実施形態によれば、インクジェットヘッドは、複数の第1の駆動素子と、複数の第2の駆動素子と、共通液室と、制御部と、を備える。複数の第1の駆動素子は、少なくとも2つのノズルを含む複数の第1の一体化ノズルにそれぞれ連通する複数の第1の圧力室を構成する。複数の第2の駆動素子は、少なくとも2つのノズルを含む複数の第2の一体化ノズルにそれぞれ連通する複数の第2の圧力室を構成する。共通液室は、前記複数の第1の圧力室と前記複数の第2の圧力室とに連通する。制御部は、前記第1の駆動素子に吐出パルスを印加し、前記吐出パルスの終了タイミングより前に少なくとも1つの非吐出パルスを前記第2の駆動素子に印加する。
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンタの構成例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドの斜視図である。 図3は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図4は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドを分解して示した分解斜視図である。 図5は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6は、第1実施形態に係るノズルプレートを第1面側から示した平面図である。 図7は、第1実施形態に係るノズルプレートの断面図である。 図8は、第1実施形態に係るノズルプレートを第2面側から示した平面図である。 図9は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドのノズルプレートの厚み方向に沿った断面図である。 図10は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドの動作例を説明するための図である。 図11は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドの動作例を説明するための図である。 図12は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドに印加されるパルスの例を示すタイミングチャートである。 図13は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドに印加されるパルスの他の例を示すタイミングチャートである。 図14は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドに印加されるパルスの具体例を示すタイミングチャートである。 図15は、第1実施形態に係る非吐出パルス幅と吐出不良との関係を示す図である。 図16は、第1実施形態に係るインクジェットヘッドの他の例を示す図である。 図17は、第2実施形態に係るインクジェットヘッドのノズルプレートの厚さと吐出電圧との関係を示す図である。 図18は、第2実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル構成と吐出不良との関係を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ100の構成例を示す図である。
インクジェットプリンタ100は、所定の搬送経路に沿って、印刷媒体としての用紙Pを搬送しながら画像形成等の各種処理を行う装置である。インクジェットプリンタ100は、インクジェットヘッド10と、筐体110と、用紙供給部としての給紙カセット111と、排出部としての排紙トレイ112と、保持ローラ113と、搬送装置114と、反転装置118と、を備える。
筐体110は、インクジェットプリンタ100の外郭を構成する。給紙カセット111は、筐体110の内部に設けられる。給紙カセット111は、用紙Pを格納する。排紙トレイ112は、筐体110上部に設けられる。排紙トレイ112は、画像を形成された用紙Pを排出する。
保持ローラ113(ドラム)は、用紙Pを外面上に保持して回転する。搬送装置114は、給紙カセット111から保持ローラ113の外周を通って排紙トレイ112に至って形成される所定の搬送路A1に沿って用紙Pを搬送する。反転装置118は、保持ローラ113から剥離された用紙Pの表裏面を反転させて再び保持ローラ113の表面上に供給する。
搬送装置114は、搬送路A1に沿って設けられた複数のガイド部材及び複数の搬送用ローラを備える。搬送用ローラとしては、ピックアップローラ、給紙ローラ対、レジストローラ対、分離ローラ対、搬送ローラ対、及び、排出ローラ対などがある。これらの搬送用ローラは、搬送用モータに駆動されて回転することで、用紙Pを搬送路A1に沿って下流側に送る。
搬送路A1には、用紙の搬送状況を監視するためのセンサSなどが各所に配置される。
保持ローラ113は、その表面上に用紙Pを保持した状態で回転することにより用紙Pを搬送する。
保持ローラ113の外周部分には、上流側から下流側に向かって順番に、保持装置115と、ヘッドユニット116と、除電剥離装置117と、クリーニング装置119とがある。
保持装置115は、押圧ローラ115aと帯電ローラ115bとを備える。押圧ローラ115aは保持ローラ113の外面に押圧する。帯電ローラ115bは、供給された電力によって用紙Pを保持ローラ113の外面に吸着させる方向の静電気力を発生(帯電)する。保持ローラ113は、静電気力により用紙Pを吸着する。
ヘッドユニット116は、保持ローラ113の外面に対向配置された複数(4色)のインクジェットヘッド10を有する。たとえば、ヘッドユニット116は、シアン、マゼンダ、イェロー及びブラックの4色のインクジェットヘッド10C、10M、10Y及び10Kを備える。インクジェットヘッド10C、10M、10Y及び10Kは、所定のピッチで設けられたノズル孔からそれぞれインクを吐出する。インクジェットヘッド10C、10M、10Y及び10Kは、インクを吐出することにより、保持ローラ113の外面に保持された用紙Pに画像を形成する。インクジェットヘッド10(10C、10M、10Y及び10K)については後に詳述する。
除電剥離装置117は、用紙Pを除電する除電ローラ117aと、用紙Pを保持ローラ113から剥離する剥離爪117bと、を備える。
クリーニング装置119は、保持ローラ113に接触した状態で回転することにより保持ローラ113を清浄するクリーニング部材119aを備える。
反転装置118は、保持ローラ113から剥離された用紙Pを反転させて再び保持ローラ113の表面上に供給する。
また、インクジェットプリンタ100は、コントローラ、ROM、RAM及びI/F(インターフェース)を備える。コントローラ(中央制御装置)は、たとえば、CPUなどのプロセッサである。ROMは、各種のプログラムなどを記憶するメモリである。RAMは、各種の可変データや画像データなどを一時的に記憶するメモリである。I/F(インターフェース)は、外部からのデータを入力したり、外部へデータを出力したりする。
なお、インクジェットプリンタ100は、適宜必要な要素をさらに備えてもよいし、不要な要素を削除してもよい。
次に、インクジェットヘッド10について説明する。
以下、図2から図9を参照して、インクジェットヘッド10の構成例について説明する。インクジェットヘッド10は、インクジェットプリンタ100からインク(印刷部材)の供給を受けて、印刷媒体としての用紙Pに対して画像を形成する。印刷部材は、画像を形成するための各種のインクであってもよい。また、印刷部材は、画像を形成する用途以外に用いられる種々の機能を有した機能性インクであってもよい。
インクジェットヘッド10は、インクジェットプリンタ100に搭載されるタンク(インクタンク又は液タンクなど)にチューブ等を介して接続する。インクジェットヘッド10は、タンクからチューブを介してインクの供給を受ける。
インクジェットヘッド10は、ヘッド本体12、ユニット部13、及び制御回路14(制御部)等を備える。ヘッド本体12は、ユニット部13上に形成される。制御回路14は、ユニット部13の側面に配置され、ヘッド本体12へ制御信号などを送信する。
ユニット部13は、ヘッド本体12とタンクとの間の経路の一部を形成するマニホールドと、インクジェットプリンタ100に接続するための部材と、を含む。
図2に示すように、制御回路14は、基板本体15と、一対のフィルムキャリアパッケージ(FCP)16とを有する。基板本体15は、長方形をなしたプリント配線板である。基板本体15には、種々の電子部品及びコネクタが実装される。また、基板本体15には、一対のFCP16が取り付けられる。
一対のFCP16は、複数の配線が形成されるとともに柔軟性を有する樹脂製のフィルムと、複数の配線に接続されたIC17とを有する。フィルムは、テープオートメーテッドボンディング(TAB)などである。一対のFCP16は、基板本体15からユニット部13の側面に沿って取り付けられ、ヘッド本体12に接続する。
IC17は、電極34に電圧を印加するための部品である。IC17は、樹脂によってフィルムに固定される。
図3は、インクジェットヘッド10のF3−F3線に沿った断面図である。図3に示すように、FCP16の端部は、異方性導電性フィルム(ACF)によって、ベースプレート22上の配線パターン21に熱圧着接続される。ACFによって、FCPの複数の配線は、配線パターン21に電気的に接続される。
ヘッド本体12は、印刷媒体(用紙P)に対して液滴(インク滴)を吐出するための装置である。図3に示すように、ヘッド本体12は、ベースプレート22と、ノズルプレート23と、枠部材24と、複数の駆動素子31を形成されたブロック25とを備える。
図3及び図4に示すように、ベースプレート22は、長方形の板状に形成された部材である。ベースプレート22は、例えばアルミナのようなセラミックスなどである。複数の供給孔26及び複数の排出孔27は、ベースプレート22を貫通する孔である。
供給孔26は、ベースプレート22の略中央部において、ベースプレート22の長手方向に並んで設けられる。供給孔26は、ユニット部13のマニホールドのインク供給部28に連通する。供給孔26は、インク供給部28を介してタンクに接続する。
排出孔27は、供給孔26を間に挟んだ両側に長手方向に並んで設けられる。排出孔27は、ユニット部13のマニホールドのインク排出部29に連通する。排出孔27は、インク排出部29を介してタンクに接続する。
枠部材24は、四角の枠状の部材である。枠部材24は、例えば、ニッケル合金などである。枠部材24は、ベースプレート22とノズルプレート23との間に介在する。枠部材24は、実装面とノズルプレート23とにそれぞれ接着される。
駆動素子31は、2つの圧電体によって構成する。駆動素子31は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)によって形成された板状の2つの圧電体である。2つの圧電体は、分極方向がその厚さ方向に互いに逆向きになるように貼り合わされる。
複数の駆動素子31が形成されたブロック25は、ベースプレート22の実装面に接着される。図3に示すように、ブロック25は、断面台形状に形成される。駆動素子31の頂部は、ノズルプレート23に接着される。
図4に示すように、ブロック25には、複数の溝を有する。溝は、ブロック25の長手方向(インクジェットヘッド10の長手方向)と交差する方向にそれぞれ延びる。板状の駆動素子31同士は、溝によって分離される。
図5は、インクジェットヘッド10のF5−F5線に沿った断面図である。図5に示すように、駆動素子31の両面には、電極34が設けられる。電極34は、溝(圧力室32)の底部と、駆動素子31の側面と、を覆う。電極34は、例えば、ニッケル薄膜をレーザーパターニングすることによって形成される。電極34は、IC17と電気的に接続する。
図4に示すように、ベースプレート22の実装面には、複数の駆動素子31からベースプレート22の長手方向と交差する方向に延びる複数の配線パターン21が設けられる。配線パターン21は、例えばベースプレート22上に形成したニッケル薄膜をレーザーパターニングすることによって形成される。
ノズルプレート23は、例えばポリイミド製のフィルムで形成され、略長方形をなしている。ノズルプレート23は、ベースプレート22に対向する。ノズルプレート23は、圧力室32側の第1面23A(圧力室面)と、第1面23Aとは反対側の第2面23B(外面)と、を有する。
ノズルプレート23は、一体化ノズル35を有する。一体化ノズル35は、ノズルプレート23を貫通する。一体化ノズル35は、第1の一体化ノズル35a及び第2の一体化ノズル35bから構成される。第1の一体化ノズル35a及び第2の一体化ノズル35bは、それぞれ少なくとも2つのノズルから構成される。即ち、第1の一体化ノズル35aは、ノズルプレート23に形成されるノズルの少なくとも2つのノズルから構成される。また、第2の一体化ノズル35bは、ノズルプレート23に形成されるノズルの他のすくなくとも2つのノズルから形成される。一体化ノズル35を構成するノズルの個数は、特定の個数に限定されるものではない。図4が示す例では、第1の一体化ノズル35a及び第2の一体化ノズル35bは、それぞれノズルプレート23の短手方向に並ぶ2つにノズルから構成される。
また、ノズルプレート23は、複数個の第1の一体化ノズル35a及び複数個の第2の一体化ノズル35bを備える。複数個の第1の一体化ノズル35a及び複数個の第2の一体化ノズル35bは、それぞれノズルプレート23の長手方向に沿って並んでいる。
ブロック25に設けられた溝の内側の領域は、後述する第1ノズル36および第2ノズル37に対向した圧力室32となる。駆動素子31は、後述する第1ノズル36および第2ノズル37から同時に液滴を吐出させる。共通液室33は、各圧力室32に液(インク)を供給する。図3に示すように、共通液室33は、ノズルプレート23、ベースプレート22の供給孔26付近の部分、およびブロック25の斜面部分によって、構成する。共通液室33は、各圧力室32と連通する。
図4及び5に示すように、各一体化ノズル35には、第1ノズル36と、第2ノズル37と、が含まれている。第2ノズル37は、第1ノズル36の近傍で、例えばノズルプレート23の短手方向において第1ノズル36と隣接して設けられている。第1ノズル36及び第2ノズル37は、同じ圧力室32に面して設けられる。
図5に示すように、インクジェットヘッド10は、一方向に並んだ複数の駆動素子31a及び31bの列を2列(複数列)平行に有する。ここでは、図5において、インクジェットヘッド10は、左側の列として駆動素子31aを備え、右側の列として駆動素子31bを備える。駆動素子31の長手方向は、駆動素子の配列方向に対して直交関係になっているが、配列方向に対して所定の角度を有してもよい。
また、一体化ノズル35の各複数のノズルは、駆動素子の長手方向に対して平行方向に配列されている。
供給孔26の両サイドに、2列の吐出エリア51a及び51bが並んで形成される。吐出エリア51aは第1の吐出エリアであり、吐出エリア51bは第2の吐出エリアである。吐出エリア51aと吐出エリア51bは所定の間隔が設けられる。吐出エリア51aは、複数個の駆動素子31a、電極34a及び第1の一体化ノズル35aから形成される。吐出エリア51bは、複数個の駆動素子31b、電極34b及び第2の一体化ノズル35bから形成される。
各駆動素子31(31a及び31b)の間に圧力室32(32a及び32b)が形成される。圧力室32は2つの駆動素子31及び駆動素子31の両面に設けられた電極34(34a及び34b)によって形成される。圧力室32の長手方向の略中央にインクを吐出するノズル一体化35がノズルプレート23上に設けられる。圧力室32の長手方向は、駆動素子31が配列する方向と直交する。共通液室33は、吐出エリア51aと吐出エリア51bとの間に設けられる。吐出エリア51aの一端側に排出孔27が、他端側に供給孔26がベースプレート22上に設けられる。吐出エリア51bの一端側に供給孔26が、他端側に排出孔27がベースプレート22上に設けられる。供給孔26は駆動素子31の配列方向に複数孔設けられる。排出孔27は駆動素子31の配列方向に複数列で複数設けられる。排出孔27は枠部材24の近傍に設けられる。
第1の一体化ノズル35aは、駆動素子31a(第1の駆動素子)及び駆動素子31aの両面に設けられた電極34aによって形成される圧力室32a(第1の圧力室)に連通する。また、第2の一体化ノズル35bは、駆動素子31b(第2の駆動素子)及び駆動素子31bの両面に設けられた電極34bによって形成される圧力室32b(第2の圧力室)に連通する。
吐出エリア51aにある第1の一体化ノズル35aと吐出エリア51bにある第2の一体化ノズル35bは、駆動素子31の配列方向と直交する方向に対して同一線上には配置されない。即ち、吐出エリア51aにある第1の一体化ノズル35aと吐出エリア51bにある第2の一体化ノズル35bは、駆動素子31の配列方向に対して互い違いの位置に配置される。
次に、第1の一体化ノズル35a及び第2の一体化ノズル35bについて説明する。ここでは、第1の一体化ノズル35aの構成について説明する。第2の一体化ノズル35bの構成は、第1の一体化ノズル35aの構成と同様であるため説明を省略する。
図6は、ノズルプレート23の第1面23Aの例である。図7は、ノズルプレート23のF7−F7線に沿った断面図である。図8は、ノズルプレート23の第2面23Bの例である。
図7に示すように、第1の一体化ノズル35aは、第1ノズル36aと第2ノズル37aとを有する。第1ノズル36a及び第2ノズル37aは、同じ形状を有する。第1ノズル36aおよび第2ノズル37aは、例えば第2面23Bに近づくにつれて直径が小さくなる錐台形をなす。第1の一体化ノズル35aは、第1面23Aと第2面23Bとを貫通する。第1ノズル36aは、第1面23Aに設けられた第1開口部36Aaと、第2面23Bに設けられた第2開口部36Baと、を含む。第2ノズル37aは、第1面23Aに設けられた第3開口部37Aaと、第2面23Bに設けられた第4開口部37Baと、を含む。
第1ノズル36aの第1周面36Ca(内周面、側面、斜面)は、第2面23Bから第1面23Aに向けて直線的に延びる。第1ノズル36aの第1周面36Ca(内周面、側面、斜面)は、第2面23Bから第1面23Aに至る途中で、第2面23Bから第1面23Aに向けて直線的に延びる第2ノズル37aの第2周面37Ca(内周面、側面、斜面)と交差する。
図6に示すように、第1開口部36Aaの一部は、第3開口部37Aaの一部と重複するように設けられる。即ち、第1開口部36Aaは、第3開口部37Aaと連続するように設けられる。このため、図7に示すように、第1ノズル36aの第1面23A側の部分は、第2ノズル37aの第1面23A側の部分と一体になるように連通する。
図8に示すように、第2開口部36Baは、第4開口部37Baとは分離するが、第4開口部37Bの近傍に設けられる。このため、第1ノズル36aの第2面23B側の部分は、第2ノズル37aの第2面23B側の部分から分離する。
第2の一体化ノズル35bは、第3ノズル36bと第4ノズル37bとを有する。また、第3ノズル36bは、第5開口部36Abと第6開口部36Bbとを含む。また、第4ノズル37bは、第7開口部37Abと第8開口部37Bbとを含む。第3ノズル36b、第4ノズル37b、第5開口部36Ab、第6開口部36Bb、第7開口部37Ab及び第8開口部37Bbは、それぞれ、第1ノズル36a、第2ノズル37a、第1開口部36Aa、第2開口部36Ba、第3開口部37Aa及び第4開口部37Baと同様であるので、詳細な説明を省略する。
なお、第1ノズル36aと第2ノズル37aとは、互いに連通せずに、独立していてもよい。即ち、第1ノズル36aと第2ノズル37aとは、第1面23A、第2面23B及び両面の間で連通しない。同様に、第3ノズル36bと第4ノズル37bとは、互いに連通せずに、独立していてもよい。即ち、第3ノズル36bと第4ノズル37bとは、第1面23A、第2面23B及び両面の間で連通しない。
また、インクジェットヘッド10は、吐出エリア51aの各圧力室32と吐出エリア51bの各圧力室32との間に仕切りを設けてもよい。この場合、インクジェットヘッド10は、吐出エリア51a側と吐出エリア51b側とにそれぞれ供給孔を備える。両供給孔は、同一の共通インク室に連通する。共通インク室は、圧力室32の裏面側(即ち、ベースプレート22の外面側)に形成されてもよい。共通インク室の形状及び位置は、特定の構成に限定されるものではない。
次に、インクジェットヘッド10のインクの吐出動作について説明する。
インクジェットヘッド10は、液(インク)循環式のインクジェットヘッド10である。タンクから出たインクは、供給孔26、共通液室33を介して圧力室32(32a及び32b)まで供給される。圧力室32において吐出に利用されなかったインクは、排出孔27からタンクに回収される。このように、インクジェットヘッド10では、インクはタンクとインクジェットヘッド10の内部との間で循環する。
第1の一体化ノズル35aの吐出動作と第2の一体化ノズル35bの吐出動作とは同様であるため、第1の一体化ノズル35aの吐出動作について説明し、第2の一体化ノズル35bの吐出動作の説明を省略する。
図9は、圧力室32aをノズルプレート23の厚み方向に沿った断面図である。
制御回路14は、第1の一体化ノズル35aからインクを吐出させるために、駆動素子31aを駆動して圧力室32aの容積を増減させる。制御回路14は、電極34aに電圧を印加して、駆動素子31aを駆動させ、圧力室32aの体積を増減させる。
図10は、制御回路14が圧力室32aに体積を大きくするように駆動素子31aを駆動した状態を示す。たとえば、制御回路14は、圧力室32aを拡張させるパルス(拡張パルス)を駆動素子31aに印加する。制御回路14が拡張パルスを駆動素子31aに印加すると、図10が示すように、駆動素子31aは、圧力室32aに外側に向かって変形する。その結果、圧力室32aの体積は、初期状態(図9の状態)よりも増加する。
図11は、制御回路14が圧力室32aに体積を小さくするように駆動素子31aを駆動した状態を示す。たとえば、制御回路14は、圧力室32aを収縮させるパルス(収縮パルス)を駆動素子31aに印加する。制御回路14が収縮パルスを駆動素子31aに印加すると、図11が示すように、駆動素子31aは、圧力室32aに内側に向かって変形する。その結果、圧力室32aの体積は、初期状態(図9の状態)よりも減少する。
制御回路14が圧力室32aの容積を一時的に大きくした後、圧力室32aの容積を元の容積よりも小さくすると、圧力室32a内の液が加圧され、第1ノズル36aおよび第2ノズル37aから同時にインクが吐出される。即ち、制御回路14は、拡張パルスと収縮パルスとから構成される吐出パルスを駆動素子31aの電極34に印加し、インクを吐出させる。
なお、吐出パルスの波形は、たとえば、複数段階に変化する波形であってもよいし、矩形の波形であってもよい。吐出パルスの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
インクの吐出直前には、第1ノズル36aおよび第2ノズル37aのメニスカス面43aは外界に向けて突出する。吐出したインクは、印刷対象に向けて液滴として吐出される。液滴の吐出後、第1ノズル36aのメニスカス面43aおよび第2ノズル37aのメニスカス面43aは、第1ノズル36aおよび第2ノズル37aの内側に後退する。
次に、制御回路14の動作例について説明する。
図5に示すように、制御回路14は、吐出エリア51aと吐出エリア51bとを設定する。吐出エリア51aは、ノズルプレート23の長手方向に並べられた第1の一体化ノズル35aの列(たとえば、図5において左側の列)を含む。同様に、吐出エリア51bは、ノズルプレート23の長手方向に並べられた第2の一体化ノズル35bの列(たとえば、図5において右側の列)を含む。
制御回路14は、吐出エリア毎に一体化ノズル35からインクを吐出させる。例えば、印刷媒体が吐出エリア51a側から通過する時に、制御回路14は、吐出エリア51aにインクを吐出させ、続いて吐出エリア51bからインクを吐出させる。
また、制御回路14は、所定の吐出エリア51a及び51bの各圧力室32(チャネル)にチャネルNoを設定する。たとえば、制御回路14は、ノズルプレート23の一端から順に各圧力室32のチャネルNoを設定する。
圧力室32は、それぞれ隣接する圧力室32と駆動素子31を共有する。このため、制御回路14は、各圧力室32を同時に駆動することができない。従って、制御回路14は、各圧力室32をn(nは2以上の整数)個おきのチャネルのグループ(分割)に分割してグループ毎に駆動する。実施形態では、制御回路14が、各圧力室32を2つおきの3つの組に分けて分割駆動する、いわゆる3分割駆動の場合を例示する。
制御回路14は、No.3n−2のチャネル群(第1分割)、No.3n−1のチャネル群(第2分割)、及びNo.3nのチャネル群(第3分割)に分割する(nは、1以上の整数)。たとえば、制御回路14は、第1分割、第2分割、及び、第3分割の順にインクを吐出させる。
制御回路14は、1つのチャネルから連続して複数回インクを吐出させる(マルチドロップ駆動)方式であってもよい。たとえば、制御回路14は、印刷データに応じて、連続してインクを吐出する回数を制御する。
次に、制御回路14がチャネルに印加するパルスについて説明する。
図12は、制御回路14がチャネルに印加するパルスの例を示すタイミングチャートである。ここでは、制御回路14は、吐出エリア51aの所定の分割からインクを吐出させた後に吐出エリア51bの所定の分割からインクを吐出させる。
波形aは、吐出エリア51aの所定の分割(分割a)に印加するパルスの例を示す。波形bは、吐出エリア51aの所定の分割に対応する、吐出エリア51bの分割(分割b)に印加するパルスの例を示す。
図12が示すように、制御回路14は、所定のタイミングで分割aに吐出パルス61aを印加する。また、制御回路14は、分割bに、順に非吐出パルス62b乃至64bを印加し吐出パルス61bを印加する。
非吐出パルスは、インクを吐出させない信号である。即ち、非吐出パルスは、圧力室32に振動を生じさせるが、インクを吐出させるには至らない信号である。たとえば、非吐出パルスは、吐出パルスよりも電圧が小さい信号である。また、非吐出パルスは、吐出パルスよりも幅が小さい信号である。たとえば、非吐出パルスは、矩形のパルス波などである。非吐出パルスの波形は、特定の構成に限定されるものではない。ここでは、非吐出パルスは、矩形のパルス波であるものとする。また、非吐出パルスは、吐出パルスよりも短いパルス波であるものとする。
制御回路14は、分割aに対する吐出パルスの印加を終了するまでに、分割bに少なくとも1つの非吐出パルスを印加する。即ち、制御回路14は、分割aに対する吐出パルスの終了タイミングまでに終了する非吐出パルスを分割bに印加する。
図12が示す例では、制御回路14は、分割aに吐出パルス61aの印加を開始するタイミングで、分割bに非吐出パルス62bの印加を開始する。即ち、制御回路14は、分割aの吐出パルス61aの立ち上がりのタイミングと分割bの非吐出パルス62bを立ち上がりのタイミングとを一致させる。
制御回路14は、分割bに非吐出パルス62bを印加すると、所定の間隔を空けて分割bに非吐出パルス63bを印加する。分割bに非吐出パルス63bを印加すると、制御回路14は、所定の間隔を空けて分割bに非吐出パルス64bを印加する。分割bに非吐出パルス64bを印加すると、制御回路14は、所定の間隔を空けて分割bに吐出パルス61bを印加する。
なお、非吐出パルス62bと非吐出パルス63bとの間隔は、非吐出パルス63bと非吐出パルス64bとの間隔と同じでもよいし、異なってもよい。また、制御回路14は、非吐出パルス62bと吐出パルス61bとの間に、3つ以上の非吐出パルスを印加してもよいし1つの非吐出パルスを印加してもよい。また、制御回路14は、非吐出パルス62bと吐出パルス61bとの間に、非吐出パルスを印加しなくともよい。また、制御回路14は、非吐出パルス62bよりも前に非吐出パルスを印加してもよい。
次に、制御回路14がチャネルに印加するパルスの他の例について説明する。
図13は、制御回路14がチャネルに印加するパルスの他の例を示すタイミングチャートである。ここでは、制御回路14は、吐出エリア51aの所定の分割からインクを吐出させた後に吐出エリア51bの所定の分割からインクを吐出させる。
図13が示すように、制御回路14は、所定のタイミングで分割aに吐出パルス71aを印加する。また、制御回路14は、分割bに、順に非吐出パルス72b乃至74bを印加し吐出パルス71bを印加する。
図13が示す例では、制御回路14は、分割aに吐出パルス71aを印加する前の所定のタイミングで分割bに非吐出パルス72bを印加する。分割bに非吐出パルス72bを印加すると、制御回路14は、分割aに吐出パルス71aの印加を終了するタイミングと同時に終了する非吐出パルス73bを印加する。即ち、制御回路14は、分割aの吐出パルスの71aの立ち下がりのタイミングと非吐出パルス73bの立ち下がりのタイミングとを一致させる。
分割bに非吐出パルス73bを印加すると、制御回路14は、所定の間隔を空けて分割bに非吐出パルス74bを印加する。分割bに非吐出パルス74cを印加すると、制御回路14は、所定の間隔を空けて分割bに吐出パルス71bを印加する。
なお、非吐出パルス72bと非吐出パルス73bとの間隔は、非吐出パルス73bと非吐出パルス74bとの間隔と同じでもよいし、異なってもよい。また、制御回路14は、非吐出パルス73bと吐出パルス71bとの間に、2つ以上の非吐出パルスを印加してもよいし非吐出パルスを印加しなくともよい。また、制御回路14は、非吐出パルス73bよりも前に2つ以上の非吐出パルスを印加してもよいし非吐出パルスを印加しなくともよい。
また、制御回路14は、分割aに吐出パルスを印加している間に、分割bに複数個の非吐出パルスを印加してもよい。
次に、制御回路14が吐出エリア51aの各分割及び吐出エリア51bの各分割に印加するパルスについて説明する。
図14は、制御回路14が吐出エリア51aの各分割及び吐出エリア51bの各分割に印加するパルスの具体例について説明するためのフローチャートである。図14は、吐出パルスが終了するタイミングと非吐出パルスが終了するタイミングとが一致する例(図13の例)を示す。
ここでは、制御回路14は、吐出エリア51aの各分割からインクを吐出させ、次に吐出エリア51aの各分割及び吐出エリア51bの各分割からインクを吐出させるものとする。また、制御回路14は、第1分割、第2分割及び第3分割の順にインクを吐出させるものとする。
図14において、波形a1は、吐出エリア51aの第1分割に印加するパルスの例を示す。波形a2は、吐出エリア51aの第2分割に印加するパルスの例を示す。波形a3は、吐出エリア51aの第3分割に印加するパルスの例を示す。波形b1は、吐出エリア51bの第1分割に印加するパルスの例を示す。波形b2は、吐出エリア51bの第2分割に印加するパルスの例を示す。波形b3は、吐出エリア51bの第3分割に印加するパルスの例を示す。
図14が示すように、まず、制御回路14は、吐出エリア51aの第1分割に吐出パルスを印加する。また、制御回路14は、当該吐出パルスの印加を終了するタイミングと同時に終了する非吐出パルスを吐出エリア51bの第1分割に印加する。
吐出エリア51aの第1分割に吐出パルスを、吐出エリア51bの第1分割に非吐出パルスを印加すると、制御回路14は、吐出エリア51aの第2分割に吐出パルスを印加する。また、制御回路14は、当該吐出パルスの印加を終了するタイミングと同時に終了する非吐出パルスを吐出エリア51bの第2分割に印加する。
吐出エリア51aの第2分割に吐出パルスを、吐出エリア51bの第2分割に非吐出パルスを印加すると、制御回路14は、吐出エリア51aの第3分割に吐出パルスを印加する。また、制御回路14は、当該吐出パルスの印加を終了するタイミングと同時に終了する非吐出パルスを吐出エリア51bの第3分割に印加する。
同様に、制御回路14は、吐出エリア51aの第1分割、第2分割及び第3分割に吐出パルスを印加する。また、同様に、制御回路14は、吐出エリア51bの第1分割、第2分割及び第3分割に非吐出パルスを印加する。
また、制御回路14は、所定のタイミングで、吐出エリア51aの第1分割に吐出パルスを印加すると同時に吐出エリア51bの第1分割に吐出パルスを印加する。たとえば、制御回路14は、吐出エリア51bがインクを吐出する位置に用紙Pが搬送されたタイミングで、両吐出エリアの第1分割に吐出パルスを印加する。また、両吐出エリアの第1分割に吐出パルスを印加すると、制御回路14は、両吐出エリアの第2分割に吐出パルスを印加する。また、両吐出エリアの第2分割に吐出パルスを印加すると、制御回路14は、両吐出エリアの第3分割に吐出パルスを印加する。
なお、制御回路14は、所定のタイミングにおいて、吐出エリア51aの所定の分割に吐出パルスを印加しなくともよい。たとえば、制御回路14は、吐出エリア51bの所定の分割に印加する吐出パルスの終了タイミングより前に吐出エリア51aの所定の分割に非吐出パルスを印加してもよい。
また、制御回路14は、所定のチャネルから最大吐出数に満たない個数のインクを吐出する場合、吐出パルスの空き部分に(即ち、最大吐出数を吐出する場合に吐出パルスを印加するタイミングに)非吐出パルスを印加してもよい。また、制御回路14は、空き部分の一部に非吐出パルスを印加してもよい。
次に、非吐出パルスの幅と吐出不良との関係について説明する。
まず、インクジェットヘッド10が生じる吐出不良について説明する。
実施形態に係るインクジェットヘッド10は、吐出エリア51a及び51bを備える。インクジェットヘッド10は、吐出エリア51a及び51bのどちらかから先にインクを吐出する。インクジェットヘッド10が最初の吐出エリア(たとえば、吐出エリア51a)からインクを吐出すると、当該吐出エリアの圧力室32、当該圧力室と連通する共通液室33、及び、共通液室33と連通する他の吐出エリア(たとえば、吐出エリア51b)の圧力室32は、圧力(ノズル負圧)が低下する。
吐出エリア51aからの吐出後に吐出エリア51bからインクを吐出する場合、インクジェットヘッド10は、ノズル負圧が吐出前のノズル負圧よりも低い状態で吐出エリア51bからインクを吐出することがある。ノズル負圧が低い状態でインクジェットヘッド10がインクを吐出すると、第1の吐出不良(たとえば、かすれや吐出体積の減少)が生じることがある。即ち、インクジェットヘッド10は、吐出前のノズル負圧が低ければ第1の吐出不良が生じやすい。
また、1つの圧力室32に対して複数個のノズル(第1ノズル36及び第2ノズル37)がある場合、第2の吐出不良(たとえば、かすれ)が生じることがある。第2の吐出不良は、ノズルの負圧が高いと生じる。即ち、インクジェットヘッド10は、吐出前のノズル負圧が高ければ第2の吐出不良が生じやすい。
図15は、非吐出パルスの幅と吐出不良との関係を示す図である。
図15の横軸は、非吐出パルスの幅を示す。ALは、ノズル負圧が変化する固有振動周期の半分の時間である。図15の縦軸は、吐出前のノズル負圧である。
図15に示すグラフ61は、第1の吐出不良が生じるノズル負圧を示す。即ち、ノズル負圧がグラフ61よりも低い場合(即ち、グラフ61より下である場合)、第1の吐出不良が生じる。また、ノズル負圧がグラフ61よりも高い場合(即ち、グラフ61より上である場合)、第1の吐出不良が生じない。
図15に示すグラフ62は、第2の吐出不良が生じるノズル負圧を示す。即ち、ノズル負圧がグラフ62よりも高い場合(即ち、グラフ62より上である場合)、第2の吐出不良が生じる。また、ノズル負圧がグラフ62よりも低い場合(即ち、グラフ62より下である場合)、第2の吐出不良が生じない。
第1及び第2の吐出不良を生じないノズル負圧及び非吐出パルスの幅は、グラフ61より上であり、かつ、グラフ62よりも下である領域にあるノズル負圧及び非吐出パルスの幅である。図15に示すように、非吐出パルスの幅が1/3AL以上であれば、インクジェットヘッド10は、第1及び第2の吐出不良が生じないノズル負圧を設定することができる。
次に、第1実施形態に係るインクジェットヘッド10の他の実施形態について説明する。
図16は、他の実施形態について説明するための図である。他の実施形態に係るインクジェットヘッド10は、撥液層70をさらに備える。他の点については同様であるので、同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。
撥液層70は、第2面23B上に形成される。撥液層70は、少なくとも第2面23B上の一体化ノズル35の周囲に形成される。撥液層70は、撥液性を有する素材から形成される。撥液層70は、たとえば、1μm以下の厚みを有する。
撥液層70は、たとえば、フッ素、又は、シリカ系の素材である。撥液層70の素材又は形状は、特定の構成に限定されるものではない。
撥液層70は、たとえば、第2面23B上に蒸着等によって形成される。
以上のように構成されたインクジェットヘッドは、吐出パルスを印加するタイミングで、インクを吐出しない吐出エリアのチャネルに非吐出パルスを印加することができる。その結果、インクジェットヘッドは、ノズル負圧が減少することで生じる吐出不良(第1の吐出不良)を抑制することができる。また、非吐出パルスを印可することにより負圧設定を低くすることが出来ようになり、インクジェットヘッドは、1つの圧力室32に対して複数個のノズル(第1ノズル36及び第2ノズル37)がある場合に生じる吐出不良(第2の吐出不良)も抑制することができる。したがって、インクジェットヘッドは、非吐出パルスを印加することで、両吐出不良が生じないノズル負圧を設定することができる。よって、インクジェットヘッドは、吐出不良を抑制することができる。
また、インクジェットヘッドは、ノズル周辺にインクが付着すると第2の吐出不良が生じやすくなる。実施形態に係るインクジェットヘッドは、ノズルの周辺に撥液性を有する撥液層を形成する。撥液層により、インクジェットヘッドは、ノズル周辺にインクが付着することを抑制することができる。従って、インクジェットヘッドは、ノズル負圧を大きく下げることなくノズル周辺にインクが付着することを抑制することができ、吐出不良を抑制できる。また、インクジェットヘッドは、非吐出パルス幅を大きくしなくても吐出不良を抑制することもできる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るインクジェットプリンタは、一体化ノズルが備えるノズルの個数が2乃至6となる点で第1実施形態のインクジェットプリンタと異なる。従って、その他の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ノズルプレート23は、ヤング率が2Gpa以上100Gpa以下の素材から形成される。
第1ノズル36及び第2ノズル37の径は、35μm程度に形成される。即ち、第2開口部36B及び第4開口部37Bの径は、35μm程度である。
インクジェットヘッド10は、1ドロップ(第1ノズル36又は第2ノズル37から一度の動作で吐出される液滴)あたり10pL以上を吐出する。前述の通り、インクジェットヘッド10は、2つのノズル(即ち、第1ノズル36及び第2ノズル37)を有するため、各圧力室32から一度の吐出で20pL以上を吐出する。
図17は、ノズルプレートの厚さ(μm)とインクを吐出するために電極34に印加する吐出電圧(V)との関係を示す図である。
図17に示すグラフ81は、インクを吐出可能な最大の吐出電圧を示す。インクジェットヘッド10は、グラフ81よりも高い吐出電圧を電極34に印加しても一体化ノズル35からインクを吐出しない。図17が示すように、ノズルプレート23の厚さが増加するほど、吐出可能な最大の吐出電圧は、上昇する。
図17に示すグラフ82は、インクを吐出可能な最小の吐出電圧を示す。インクジェットヘッド10は、グラフ82よりも低い吐出電圧を電極34に印加しても一体化ノズル35からインクを吐出しない。図17が示すように、ノズルプレート23の厚さが増加するほど、吐出可能な最小の吐出電圧は、上昇する。
図17に示すグラフ83は、所望の量のインクを吐出する吐出電圧を示す。インクジェットヘッド10は、グラフ83の吐出電圧を電極34に印加して一体化ノズル35から所望の量のインクを吐出する。図17が示すように、ノズルプレート23の厚さが増加するほど、所望の量のインクを吐出する吐出電圧は、上昇する。
図17が示すように、ノズルプレート23の厚さが25μmである場合、吐出可能な電圧の幅が(グラフ81とグラフ82との間隔)2V程度である。他方、ノズルプレート23の厚さが35μm以上である場合、吐出可能な電圧の幅は、厚さが25μmである場合よりも広い。従って、吐出可能な電圧の幅を確保するために、ノズルプレート23の厚さは、35μm以上に形成される。
次に、ノズルプレート23の厚さとノズル径及び穴数との関係について説明する。
図18は、ノズルプレート23の厚さとノズル径及び穴数との関係を示す図である。
図18が示す例では、ノズルプレート23のヤング率は、3−10Gpaである。
図18において、「○」は、吐出不良が生じないことを示す。「×」は、吐出不良が生じることを示す。「△」は、吐出不要が時折生じることを示す。
ノズル径が35μmでノズルが2つある場合、ノズルプレート23の厚さが25μmであると吐出不良が生じる。また、ノズルプレート23の厚さが35μmから75μmであると、吐出不良が生じない。また、ノズルプレート23の厚さが100μmであると、吐出不良が時折生じる。
また、ノズル径が30μmでノズルが3つある場合、ノズルプレート23の厚さが25μm又は100μmであると吐出不良が生じる。また、ノズルプレート23の厚さが35μmから75μmであると、吐出不良が生じない。
ノズル径が25μmでノズルが4つある場合、ノズルプレート23の厚さが25μmであると吐出不良が時折生じる。また、ノズルプレート23の厚さが35μmから75μmであると、吐出不良が生じない。また、ノズルプレート23の厚さが100μmであると、吐出不良が生じる。
ノズル径が20μmでノズルが5つある場合、ノズルプレート23の厚さが25μmであると吐出不良が時折生じる。また、ノズルプレート23の厚さが35μmから75μmであると、吐出不良が生じない。また、ノズルプレート23の厚さが100μmであると、吐出不良が生じる。
また、ノズル径が15μmでノズルが6つある場合、ノズルプレート23の厚さが25μm又は35μmであると吐出不良が時折生じる。また、ノズルプレート23の厚さが50μmから100μmであると、吐出不良が生じる。
図18に示すように、ノズル径が20μmから35μmで、ノズルプレート23の厚さが35μmから75μmであると、吐出不良が生じない。従って、インクジェットヘッド10は、径が20μmから35μmである複数のノズルを有する一体化ノズル35が形成され、厚さが35μmから75μmであるノズルプレート23を備える。
なお、制御回路14は、第1実施形態と同様にインクを吐出していない吐出エリアのチャネルに非吐出パルスを印加してもよいし、非吐出パルスを印加しなくともよい。
以上のように構成されたインクジェットヘッドは、ヤング率が2Gpa以上100Gpa以下であるノズルプレートから構成される。ノズルプレートのヤング率が2Gpaより小さいとインクの濃度にむらが生じて印刷品質が低下する。また、ノズルプレートのヤング率が100GPaを超えると駆動素子などの接着面への追従性が低下し、高い平面度が必要になる。その結果、加工の増加又は歩留まりの低下などが生じる。
従って、実施形態に係るインクジェットヘッドは、インクの濃度のむらを防止し、かつ、加工の増加又は歩留まりの低下を防止することができる。
また、インクジェットヘッドは、厚さが35μm以上であるノズルプレートから構成される。その結果、インクジェットヘッドは、吐出可能な電圧の幅を拡大することができる。
また、インクジェットヘッドは、径が20μmから35μmである複数のノズルを備え、厚さが35μmから75μmであるノズルプレート23から構成される。従って、インクジェットヘッドは、吐出不良を軽減することができる。
また、ALが長いと、インク液滴が気泡を巻き込みににくくなる。その結果、インク液滴が気泡を巻き込むことによる吐出不良が軽減される。ALは、ノズルプレート23のヤング率及びノズルの穴径等に基づいて変化する。たとえば、ノズルプレート23のヤング率が小さくなり穴径が小さくなると、ALは、長くなる。この点から、ヤング率は、100Gpa以下で、かつ、穴径は、40μm以下であることが望ましい。他方、ALが長いと駆動周期を短くすることができず、高速での印刷が困難となる。そのため、ヤング率は、2Gpa以上で、かつ、穴径は、20μm以上であることが望ましい。
実施形態は、以下の事項を内在する。
[1]
径が20μmから35μmである少なくとも2つのノズルを含む第1の一体化ノズルを有し、厚さが35μmから75μmであり、ヤング率が2Gpa以上100Gpa以下であるノズルプレートと、
前記第1の一体化ノズルから第1の圧力室にあるインクを吐出する第1の駆動素子と、
前記第1の駆動素子に吐出パルスを印加する制御部と、
を備えるインクジェットヘッド。
[2]
前記ノズルプレートは、径が20μmから35μmである少なくとも他の2つのノズルを含む第2の一体化ノズルをさらに有し、
前記第2の一体化ノズルから第2の圧力室にあるインクを吐出する第2の駆動素子と、
前記第1の圧力室と前記第2の圧力室とに連通する共通液室と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第2の駆動素子に吐出パルスを印加する、
前記[1]に記載のインクジェットヘッド。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…インクジェットヘッド、14…制御回路、17…IC、22…ベースプレート、23…ノズルプレート、26…供給孔、27…排出孔、31…駆動素子、32(32a及び32b)…圧力室、33…共通液室、34…電極、35(35a及び35b)…一体化ノズル、36及び37…ノズル、51a及び51b…吐出エリア、70…撥液層、100…インクジェットプリンタ、111…給紙カセット。

Claims (5)

  1. 少なくとも2つのノズルを含む複数の第1の一体化ノズルにそれぞれ連通する複数の第1の圧力室を構成する複数の第1の駆動素子と、
    少なくとも2つのノズルを含む複数の第2の一体化ノズルにそれぞれ連通する複数の第2の圧力室を構成する複数の第2の駆動素子と、
    前記複数の第1の圧力室と前記複数の第2の圧力室とに連通する共通液室と、
    前記第1の駆動素子に吐出パルスを印加し、前記吐出パルスの終了タイミングより前に少なくとも1つの非吐出パルスを前記第2の駆動素子に印加する制御部と、
    を備えるインクジェットヘッド。
  2. 前記制御部は、前記複数の第1の圧力室と前記複数の第2の圧力室とをそれぞれ複数のグループに分割し、前記第1の圧力室の1つのグループに前記吐出パルスを印加し、前記第1の圧力室の前記1つのグループに対応する前記第2の圧力室の1つのグループに前記非吐出パルスを印加する、
    前記請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記複数の第1の駆動素子の配列方向と平行に前記複数の第2の駆動素子は配列され、前記第1の一体化ノズルと前記第2の一体化ノズルは前記配列方向に対して互い違いに配置される、
    前記請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記非吐出パルスは、矩形のパルス波であり、
    前記非吐出パルスの幅は、前記第1の圧力室又は前記第2の圧力室のノズル負圧が変化する固有振動周期の半分の時間の1/3以上である、
    前記請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドが吐出するインクによって画像を形成される印刷媒体を供給する供給部)と、
    を備えるインクジェットプリンタ。
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