JP6466783B2 - スパイラル杭と構造物の接合構造 - Google Patents
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Description
先ず、図1、図2を用いて、本発明の第1実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造について説明する。図1、図2に示すように、第1実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F1は、スパイラル杭1と、このスパイラル杭1に対して上下変位可能な反力板2と、この反力板2を下方へ加圧する締め込み管3を有した加圧機構K1など、から構成されている。また、第1実施形態に係る接合構造F1には、加圧機構K1を覆う高さ調整カバー4と、上部構造となる構造物の支柱を装着する鞘管5も備えられている。
本実施形態に係るスパイラル杭1は、図2等に示すように、上下に長い帯状の平鋼を長手方向である上下方向に沿った鉛直軸で捩じってスパイラル状に形成されたものであり、一般に杭径が50mm〜150mmm程度の大きさでとなっており、地盤に打ち込まれて上部に接合された構造物を支持する機能を有している。
反力板2は、円盤状の鋼製の板材(平鋼)からなり、中央にスパイラル杭1の上部を挿通する矩形のスリット孔20が穿設されている。この反力板2は、スパイラル杭1に対して上下変位可能となっており、下面が地盤の地表面に接地、密着して、地盤から反力を得る機能を有している。
本実施形態に係る加圧機構K1は、主に、前述の接合ボルト10と、この接合ボルト10と螺合するナットN1と、加圧部材である締め込み管3など、から構成されており、ナットN1を締めることで締め込み管3を介して前述の反力板2を地盤の地表面へ加圧する機能を有している。
次に、高さ調整カバー4について説明する。高さ調整カバー4は、上端が天板40で閉塞され、下端が開放された円筒状の側壁41を有した鋼管からなり、天板40の中心には、前述の接合ボルト10を挿通するボルト孔40aが穿設されている。また、このボルト孔40aの直上の天板40の下面には、接合ボルト10と螺合するナット42が溶接(固着)されている。
本実施形態に係る鞘管5は、下端が底板50で閉塞されて上端が開放された円筒状の鋼管からなり、底板50の中心には、前述の接合ボルト10を挿通するボルト孔50aが穿設されている。また、このボルト孔50aの直下の底板50の下面には、接合ボルト10と螺合するナット51が溶接(固着)されている。
以上説明した第1実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F1によれば、反力板2がスパイラル杭1に対して上下変位可能となっているため、加圧機構K1により反力板2を地表面と確実に密着させるだけでなく、構造物の揺れを抑える方向への応力モーメントとなる反力を地表面から得ることができるまで、ナットN1を締め込んで支圧力を与えることがきる。このため、スパイラル杭1の弱軸方向への構造物の揺れやガタ付きを防いで、構造物を安定して支持することができる。また、地盤が緩く地耐力が小さい場合や、地表面が沈下した場合などでも、ナットN1を締めて構造物の揺れを抑えるのに必要な反力が得られるまで反力板2を地表面に加圧して密着させることができ、地盤の地耐力の強弱にかかわらず経時的にも構造物を安定して支持することができる。
次に、図3を用いて、本発明の第2実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造について説明する。第1実施形態に係る接合構造F1と相違する点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。図3に示すように、第2実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F2は、前述のスパイラル杭1と、前述の反力板2と、前述の鞘管5と略同構成の鞘管5’と、反力板2を下方へ加圧する締め込み板6を有した加圧機構K2など、から構成されている。
本実施形態に係る加圧機構K2は、主に、前述の接合ボルト10と、この接合ボルト10と螺合するナットN1と、加圧部材である締め込み板6などから構成されており、ナットN1を締めることで締め込み板6を介して前述の反力板2を地盤の地表面へ加圧する機能を有している。
鞘管5’は、前述の鞘管5と略同構成であり、下端が底板(図示せず)で閉塞されて上端が開放された円筒状の鋼管からなり、底板の中心には、前述の接合ボルト10を挿通するボルト孔(図示せず)が穿設されている。
第2実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F2によれば、加圧機構K2により加圧部材である締め込み板6を介して加圧しているので、常に一定以上の力で反力板を加圧することができ、地層に乱れのない圧密された地耐力が高い状態の地盤をスパイラル杭1と反力板2との間に挟み込んで掴んで、挟み込んで掴んだ地盤からガタ付き防止に必要な反力を得て、構造物を支持することができる。このため、さらに安定して構造物を支持することができる。
次に、図4を用いて、締め込み板6の変形例である加圧部材の別実施形態に係る締め込み板7について説明する。この締め込み板7は、円盤状の平鋼の外周縁に切れ込みを複数入れ、プレス加工したものであり、円形の天板70と、この天板70外周縁に沿って下方へ折り曲げられた側壁部71と、からなる。
次に、図5を用いて、本発明の第3実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造について説明する。第1実施形態に係る接合構造F1、第2実施形態に係る接合構造F2と相違する点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。図5に示すように、第3実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F3は、前述のスパイラル杭1と、前述の鞘管5’と、締め込み板8を有した加圧機構K3など、から構成されている。なお、前述の反力板2の機能は、締め込み板8で兼用されている。
本実施形態に係る加圧機構K3は、主に、前述の接合ボルト10と、この接合ボルト10と螺合するナットN1と、加圧部材兼は反力板である締め込み板8などから構成されており、ナットN1を締めることにより、締め込み板8で地盤の地表面へ加圧する機能を有している。
第3実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F3によれば、加圧機構K3により加圧部材を兼ねた反力板である締め込み板8により地盤の地表面を加圧しているので、常に一定以上力で地表面を加圧することができ、地層に乱れのない圧密された地耐力が高い状態の地盤をスパイラル杭1と締め込み板8との間に挟み込んで掴んで、挟み込んで掴んだ地盤からガタ付き防止に必要な反力を得て、構造物を支持することができる。このため、さらに安定して構造物を支持することができる。
次に、図6を用いて、本発明の第4実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造について説明する。第1実施形態に係る接合構造F1と相違する点は、主に加圧部材だけであるためその点を中心に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。図6に示すように、第4実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F4は、前述のスパイラル杭1と、前述の反力板2と、この反力板2を下方へ加圧する加圧部材であるゴム弾性体9を有した加圧機構K4など、から構成されている。また、第1実施形態に係る接合構造F1と同様に、接合構造F4には、加圧機構K4を覆う高さ調整カバー4と、前述の鞘管5も備えられている。
本実施形態に係る加圧機構K4は、主に、前述の接合ボルト10と、前述のナットN1と、加圧部材であるゴム弾性体9など、から構成されており、ナットN1を締めることでゴム弾性体9を介して前述の反力板2を地盤の地表面へ加圧する機能を有している。
第4実施形態に係るスパイラル杭と構造物の接合構造F4によれば、前述の接合構造F1の作用効果に加え、加圧機構K4による加圧力がゴム弾性体9により反力板2へ面圧として均等に付与されるため、構造物に水平力が加わりスパイラル杭1に曲げ応力が作用した場合でも、その応力が地表面付近の一部の地盤のみに偏って伝達されるおそれが少ない。このため、経時的にも反力板2を地表面に密着させて、構造物を安定して支持することができる。
次に、図7〜図10を用いて鞘管の変形例(別実施形態)を挙げつつスパイラル杭と構造物の接合構造の上部構造となる構造物と鞘管との接合構造について説明する。取り付ける構造物としてフェンスを例示し、主に、各種フェンス支柱を接合するのに好適な鞘管について説明する。
図7には、ネットフェンスの支柱として一般的な、いわゆるハット型支柱HPをスパイラル杭1に接合するのに適した第1変形例に係る鞘管11を例示している。第1変形例に係る鞘管11は、平鋼から切断、曲げ、プレス加工等により成形された鋼材であり、平面視で台形状の底板110と、その底板110の前面側に立ち上がる略矩形状の前側板111と、底板110の背面側から立ち上がる略矩形状の後側板112と、を備えている。
図8には、メッシュフェンスの支柱として一般的な円形鋼管からなるいわゆる丸型支柱MPをスパイラル杭1に接合するのに適した第2変形例に係る鞘管12を例示している。第2変形例に係る鞘管12は、前述の鞘管5,5’と略同形の丸型支柱MPより一回り径の大きな円形鋼管からなる鞘管であり、下端が底板120で閉塞されて上端が開放されている。
図9には、防獣柵などメッシュフェンスの金網部分が地表面近傍まで必要なフェンスの支柱をスパイラル杭1に接合するのに適した第3変形例に係る鞘管13を例示している。第3変形例に係る鞘管13は、前述の鞘管12にフェンスの金網部分を挿通するスリット130が形成されているものであり、鞘管12と同様に、ボルト挿通孔131が穿設されており、こられのボルト挿通孔131でフェンス支柱が鞘管13にボルト止めされ、固定される。
図10には、防獣柵で支柱の中心間に金網が装着されるのではなく、支柱の一側面に沿って装着されるタイプのフェンスの支柱をスパイラル杭1に接合するのに適した第4変形例に係る鞘管14を例示している。第4変形例に係る鞘管14は、前述の鞘管12に欠き込み140が形成されているものであり、鞘管12と同様に、ボルト挿通孔141が穿設されており、こられのボルト挿通孔141でフェンス支柱が鞘管14にボルト止めされ、固定される。
1 :スパイラル杭
10 :接合ボルト
N1 :ナット
2 :反力板
20 :スリット孔
K1,K2,K3,K4 :加圧機構
3 :締め込み管(加圧部材)
4 :高さ調整カバー
42 :ナット
5,5’,11,12,13,14 :鞘管
6,7 :締め込み板(加圧部材)
8 :締め込み板(加圧部材、反力板)
9 :ゴム弾性体(中実弾性材、加圧部材)
Claims (6)
- 平鋼からスパイラル状に捩じられて地盤に打ち込まれたスパイラル杭と、このスパイラル杭で支持される構造物と、を接合するスパイラル杭と構造物の接合構造であって、
前記スパイラル杭に対して上下変位可能な反力板と、この反力板を下方へ加圧する加圧機構と、を備え、
前記スパイラル杭の上端には、上方へ延伸する接合ボルトが突設され、
前記反力板には、前記スパイラル杭を構成する平鋼及び前記接合ボルトを挿通可能なスリット孔又はスリット溝が形成され、
前記加圧機構は、前記接合ボルトを挿通可能な加圧部材を有し、前記接合ボルトと螺合するナットを締めることで前記加圧部材を介して前記反力板を下方へ変位させて地盤の地表面へ前記反力板を密着させる機構であること
を特徴とするスパイラル杭と構造物の接合構造。 - 前記接合ボルトに螺合するナットが固着され、前記加圧機構を覆って隠蔽する高さ調整カバーを備えること
を特徴とする請求項1に記載のスパイラル杭と構造物の接合構造。 - 前記加圧部材は、弾性変形可能なバネ部を有し、前記加圧機構で前記反力板を下方へ加圧する際に、前記バネ部が弾性変形する反発力を利用して前記反力板を加圧していること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のスパイラル杭と構造物の接合構造。 - 前記加圧部材は、前記スパイラル杭の弱軸での曲げモーメントを相殺する方向への付勢力が強くなるよう装着されていること
を特徴とする請求項3に記載のスパイラル杭と構造物の接合構造。 - 前記反力板と前記加圧部材とが一体となっていること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスパイラル杭と構造物の接合構造。 - 前記加圧部材は、圧縮されると弾性変形して容積が小さくなる中実弾性材からなること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスパイラル杭と構造物の接合構造。
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