JP2007247308A - 斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造 - Google Patents

斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造 Download PDF

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Abstract

【課題】斜杭からなる組杭の引き抜き耐力を、斜杭を地中部深くまで打設することなく増強することにより、山留め壁を組杭で支持する工法、矢板を組杭で支持する工法で実施する場合は勿論、水平抵抗要素として構造物外周部に配設して実施する場合でも、引き抜きを生じさせることなく組杭本来のメリットを存分に発揮することができる、斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を提供する。
【解決手段】構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用される斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法であって、地盤中へ少なくとも2本の斜杭を各々の杭頭部が集合する配置で打設し、集合した杭頭部を連結部材で接合して組杭とし、前記連結部材に地盤アンカーを下向きに設置して緊張し定着することにより、連結部材に鉛直荷重を負荷して組杭の引き抜き耐力を増強させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用される斜杭からなる組杭の技術分野に属し、更に云えば、前記組杭の引き抜き耐力を増強させる工法及び同工法よりなる構造に関する。
杭を鉛直線に対して傾斜させた所謂斜杭の杭頭部を複数本集合させてなる組杭は、杭を鉛直線上に設ける所謂直杭と比し、水平荷重に対して水平変位が小さく、杭に作用する曲げモーメントも小さいというメリットがあるため、従来、構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用されている(例えば、特許文献1〜5等を参照)。
ちなみに、上記特許文献1〜4は、構造物基礎の下端部等に組杭を設けて構造物基礎を補強する技術が開示されている。上記特許文献5には、山留め壁を組杭で支持する工法が開示されている。図9には、矢板aを斜杭b1、b2からなる組杭bで支持する工法を示している。
特開平10−299005号公報 特開平11−61848号公報 特開平11−200382号公報 特開2001−32296号公報 特開2000−45282号公報
例えば、図7に示したように、斜杭からなる組杭cを水平抵抗要素(或いは耐震補強要素)として構造物10の外周部に配設して実施する場合、構造物基礎12から組杭cへ鉛直荷重の伝達を可能とするためにジャッキ等により鉛直荷重を盛り替えるなどの工夫を施さない限り(特許文献3、及び同文献3の図4を参照)、前記組杭cには鉛直荷重がほとんど作用しない。また、特許文献5に係る山留め壁を組杭で支持する工法、及び前記図9に係る矢板を組杭で支持する工法で実施する場合も同様に、組杭cには鉛直荷重はほとんど作用していない。
ところで、前記組杭を、傾斜角を等しくした2本の斜杭で実施する場合、図8に示したように、水平力Fに対して、押し込み側の杭Yには引き抜き側の杭Zと同じ軸力変動が生じる。一般的に、押し込み側の杭Yには杭先端の支持力抵抗があるため、耐力は引き抜き側の杭Zよりも大きい。よって、鉛直荷重がほとんど作用していない組杭Xは、押し込み側の杭Yが支持力破棄される以前に引き抜きが生じるので、組杭本来の上記メリットを発揮できない虞があった。
そこで、従来は、図9に示したように、水平力に対して大きな引き抜き力が作用する斜杭b2を、押し込み力が作用する斜杭b1よりも地中部深くまで打設して実施するなどの工夫を施していた。
また、図7に示したように、斜杭からなる組杭を耐震補強要素として構造物外周部に配設する場合は、山留め壁を組杭で支持する工法、矢板を組杭で支持する工法で実施する場合と異なり、どの方向から地震等の水平力が作用するのか不明なので、あらゆる角度に対応できるよう施工するほかなく、その結果、すべての斜杭を地中部深くまで打設しなければならなかった。
このように、従来の組杭は、鉛直荷重がほとんど作用しない部位で実施する場合には、組杭を構成する斜杭を地中部深くまで打設しなければならず、不経済であった。また、地盤の性状等によっては実施を断念せざるを得ない場合があった。
本発明の目的は、斜杭からなる組杭の引き抜き耐力を、斜杭を地中部深くまで打設することなく増強することにより、山留め壁を組杭で支持する工法、矢板を組杭で支持する工法で実施する場合は勿論、水平抵抗要素(或いは耐震補強要素)として構造物外周部に配設して実施する場合でも、引き抜きを生じさせることなく組杭本来の上記メリットを存分に発揮することができる、斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法は、
構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用される斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法であって、
地盤中へ少なくとも2本の斜杭を各々の杭頭部が集合する配置で打設し、集合した杭頭部を連結部材で接合して組杭とし、前記連結部材に地盤アンカーを下向きに設置して緊張し定着することにより、連結部材に鉛直荷重を負荷して組杭の引き抜き耐力を増強させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法において、前記組杭を地震時の構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーを鉛直下向きに設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とを接合することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法において、前記組杭を偏土圧荷重を受ける構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーを、前記偏土圧荷重に抵抗する方向に傾斜させて設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とを接合することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法において、前記組杭を山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用する場合に、
前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーを、前記山留め壁、矢板等を引っ張る方向に傾斜させて設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材と山留め壁、矢板等とを切梁等の水平材を介して接合することを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造は、
構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用される斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造であって、
地盤中へ少なくとも2本の斜杭が各々の杭頭部を集合する配置で打設され、集合した杭頭部が連結部材で接合されて組杭とされ、前記連結部材に地盤アンカーが下向きに設置して緊張し定着されることにより、連結部材に鉛直荷重を負荷して組杭の引き抜き耐力が増強されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項5に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造において、前記組杭を地震時の構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、
前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーが鉛直下向きに設置して緊張し定着されると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とが接合されていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項5に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造において、前記組杭を偏土圧荷重を受ける構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーが、前記偏土圧荷重に抵抗する方向に傾斜させて設置して緊張し定着されると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とが接合されていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項5に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造において、前記組杭を山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用する場合に、
前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーが、前記山留め壁、矢板等を引っ張る方向に傾斜させて設置して緊張し定着されると共に、前記連結部材と山留め壁、矢板等とが切梁等の水平材を介して接合されていることを特徴とする。
請求項1〜請求項8に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造によれば、地盤アンカー3により、組杭1の連結部材4に予め鉛直荷重を負荷するので、斜杭2からなる組杭1の引き抜き耐力を、斜杭2を地中部深くまで打設することなく増強することができ、山留め壁を組杭で支持する工法、矢板を組杭で支持する工法で実施する場合は勿論、水平抵抗要素(耐震補強要素)として構造物外周部に配設して実施する場合でも、引き抜きを生じさせることはない。よって、組杭本来の、水平荷重に対して水平変位が小さく、杭に作用する曲げモーメントも小さいというメリットを存分に発揮することができる。
本発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造は、上述した発明の効果を奏するべく、以下のように実施される。
図1は、請求項1と請求項5に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を示している。この発明は、構造物10(又は山留め壁、矢板等)の水平抵抗要素に利用される斜杭2からなる組杭1の引き抜き耐力増強工法および同工法よりなる構造であり、地盤5中へ(少なくとも)2本の斜杭2、2を各々の杭頭部が集合する配置で打設し、集合した杭頭部を連結部材4で接合して組杭1とし、前記連結部材4に地盤アンカー3を下向きに設置して緊張し定着することにより、連結部材4に鉛直荷重を負荷して組杭1の引き抜き耐力を増強させている(請求項1と請求項5記載の発明)。
この実施例1は、前記組杭1を地震時の構造物10の水平抵抗要素に利用する場合の実施例であり、前記組杭1の連結部材4に、前記地盤アンカー3を鉛直下向きに設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材4と前記構造物10の基礎12とを接合している(請求項2と請求項6記載の発明)。山留め壁を組杭で支持する工法、矢板を組杭で支持する工法については、後述する実施例2で説明する。
また、この実施例1に係る組杭1は、構造物の各外周部柱の近傍位置に、2本の斜杭2、2を平面方向に見て直線状の配置で、各々の杭頭部が上部で集合するようにし、杭の下部先端にあっては地盤5中に十分に反力をとる深さまで打設し、集合した杭頭部を連結部材4で接合して組杭1として実施している。
前記地盤アンカー3は、詳しくは図2A、Bに示したように、前記連結部材4における斜杭2、2の杭頭部同士の中間部に鉛直方向に貫通して設け、その頂部に定着具3aを設けて鉛直下向きに設置して緊張し定着している。よって、前記連結部材4、ひいては組杭1を構成する斜杭2、2は、前記地盤アンカー3により常時、鉛直荷重が負荷されるのである。
ちなみに、前記地盤アンカー3は、その径が50〜100mm程度であり、斜杭2、2の杭径が200〜300mm程度以上であるのと比して小径で、且つ、ドリルによる施工が可能である。よって、支持層が浅く、地盤が堅い場合であっても、容易に地中部深くまで設置することができる。一般に、前記地盤アンカー3は、その先端を硬質地盤に定着させることが好ましい。また、前記地盤アンカー3は、連結部材4に所望の鉛直荷重を負荷させるべく、その先端部を太くして実施する等の工夫は適宜なされる。以下に説明する実施例についても同様の技術的思想とする。
なお、前記組杭1を構成する斜杭2の本数は2本に限定されず、3本でも実施できるし(図5参照)、4本以上でも実施可能である。前記連結部材4としてはコンクリートブロック5を打設して実施することにより、前記斜杭2、2の杭頭部を一体化させて組杭1としている。また、前記斜杭2、2の傾斜角度は、正面方向に見ると鉛直面に対して10〜25度程度傾けて実施することが好ましいがこれに限定されず、構造物の構造設計、及び地盤性状等に応じて適正な傾斜角度に決定される。さらに、前記斜杭2、2の材質は、鋼管杭、PHC杭、H形鋼杭など、十分に支持力を伝達し得るものであれば特に限定はしない。以下に説明する実施例についても同様の技術的思想とする。
図3A〜Cは、図2A、Bで示した組杭1を基に行った解析結果を示している。斜杭2、2は、杭径が267mm、曲げ剛性が18,511kNm、長さが9mの鋼管杭2、2で実施している。連結部材4に作用する地震等の水平力は右方向に1250kNの荷重で実施した。連結部材4には、前記地盤アンカー3により1000kNの鉛直荷重を負荷した場合と、地盤アンカー3を一切設けない場合で解析を行った。
先ず、水平変位(図3B参照)と杭頭曲げモーメント(図3C参照)の解析結果を基に、良好な結果を得られる斜杭の傾斜角度を検討すると、10〜25度が好ましいことが分かる。傾斜角度を10度未満で実施すると、水平変位及び杭頭曲げモーメントが大きくて、斜杭2、2で実施する意義がないからである。
これを基に、図3Aを参照すると、地盤アンカー3を設けずに実施した組杭1は、斜杭2の傾斜角度が10〜25度の場合、引き抜き力が作用する方の斜杭2が、引き抜き耐力(−1000kN)を超えて引き抜きが発生するので、組杭1本来の水平荷重に対して水平変位が小さく、杭に作用する曲げモーメントも小さいというメリットを発揮できない(図中の○印を参照)。
これに対して、連結部材4に地盤アンカー3により1000kNの鉛直荷重を負荷した場合は、斜杭の傾斜角度が10〜25度の場合、引き抜き力が作用する方の斜杭2が、引き抜き耐力(−1000kN)を超えることは一切ないので、組杭1本来の水平荷重に対して水平変位が小さく、杭に作用する曲げモーメントも小さいというメリットを十分に発揮できることが分かった(図中の●印を参照)。
したがって、上記構成の斜杭2、2からなる組杭1の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造によれば、地盤アンカー3により、組杭1の連結部材4に予め鉛直荷重を負荷するので、斜杭2、2からなる組杭1の引き抜き耐力を、斜杭2、2を地中部深く(例えば、支持層)まで打設することなく増強させることができ、山留め壁を組杭で支持する工法、矢板を組杭で支持する工法で実施する場合は勿論、水平抵抗要素(耐震補強要素)として構造物外周部に配設して実施する場合でも、引き抜きを生じさせることなく組杭1本来の上記メリットを十分に発揮することができるのである。なお、前記地盤アンカー3により前記連結部材4に作用させる鉛直荷重の大きさは、上記解析例では1000kNで実施しているが勿論これに限定されず、構造物に作用する水平力に対して引き抜かれない適正な大きさで適宜設計変更される。
ちなみに、図4と図5は、前記組杭1のバリエーションを示している。図4A、Bに係る組杭1aは、図2に係る組杭1が、平面方向に見て直線状に配置しているのに対し、斜杭2、2の杭頭部を正面方向に見てわずかにクロスさせて当該杭頭部同士の中間部に、地盤アンカー3を鉛直方向に配設して実施している。図5A、Bに係る組杭1bは、前記図2及び図4に係る組杭1、1aが、2本の斜杭2、2で実施しているのに対し、3本の斜杭2、2、2を平面方向に見てバランス良く配設して実施している。前記地盤アンカー3は、平面方向に見て前記3本の斜杭2の杭頭部のほぼ中央部を鉛直方向に貫通して設けている。この図4及び図5に係る組杭1a、1bで実施する場合においても勿論、前記図2に係る組杭1で実施する場合の同様の作用効果を奏する。
なお、この実施例1は、地震時の構造物について、どの方向から地震等の水平力が作用するのか不明なので、あらゆる角度に対応するべく、地盤アンカー3を鉛直下向きに設置して実施している。よって、図示は省略するが、傾斜地盤に構築される等して偏土圧荷重を受ける構造物に対して実施する場合には、予めどの方向から土圧荷重が作用するのか判明しているので、前記地盤アンカー3を、前記偏土圧荷重に抵抗する方向に傾斜させて設置して実施することが好ましい(請求項3と請求項7記載の発明)。
図6は、請求項4と請求項7に記載した発明に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を示している。この発明は、矢板6(又は山留め壁等)の水平抵抗要素に利用される斜杭2、2からなる組杭1の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造であり、地盤5中へ2本の斜杭2、2を各々の杭頭部が集合する配置で打設し、集合した杭頭部を連結部材4で接合して組杭1とし、前記連結部材4に地盤アンカー3を下向きに設置して緊張し定着することにより、連結部材4に鉛直荷重を負荷して組杭1の引き抜き耐力を増強させている(請求項1と請求項5記載の発明)。さらに、この実施例2では、前記組杭1の連結部材4に、前記地盤アンカー3を、前記矢板6(又は山留め壁等)を引っ張る方向に所要の角度(θ)傾斜させて設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材4と矢板6(又は山留め壁等)とを切梁等の水平材7を介して接合している。なお、図示は省略するが、山留め壁を組杭1で支持する工法で実施する場合もほぼ同様である(請求項4と請求項7記載の発明)。
この実施例2に係る組杭1は、2本の斜杭2、2を、矢板6に対して直交方向に直線状に配置し、各々の杭頭部が上部で集合するようにし、杭の下部先端にあっては地盤5中に反力をとる深さまで打設し、集合した杭頭部を連結部材4で接合して組杭1として実施している。
前記地盤アンカー3を前記矢板6を引っ張る方向に所要の角度(θ)傾斜させて実施する意義は、上記した偏土圧荷重を受ける構造物と同様に、水平力が作用する方向(図示例では左側方向)が自明だからである。よって、前記連結部材4、ひいては組杭1を構成する斜杭2、2には、常時、矢板6を引っ張る方向に鉛直荷重を負荷することにより、大きな引き抜き力が作用する方の斜杭2(図中の右側)の引き抜きを未然に防止することができる。
したがって、上記構成の斜杭2、2からなる組杭1の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造によれば、地盤アンカー3により、組杭1の連結部材4に予め鉛直荷重を負荷するので、斜杭2、2からなる組杭1の引き抜き耐力を、斜杭2、2を地中部深く(例えば、支持層)まで打設することなく増強することができ、矢板6を組杭1で支持する工法(或いは山留め壁を組杭で支持する工法)で実施する場合に、引き抜きを生じさせることなく組杭1本来の水平荷重に対して水平変位が小さく、杭に作用する曲げモーメントも小さいというメリットを十分に発揮することができるのである。
以上に実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。例えば、この実施例1、2では、連結部材5として実施するコンクリートブロック5を、予め地盤アンカー3を通す孔を設けて施工しているが、コンクリートブロック5の施工後に孔を開けて実施することも勿論できる。
実施例1に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を示した立断面図である。 Aは、実施例1に使用する組杭を示した平面図であり、Bは、同正面図である。 A〜Cは、実施例1に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を、地盤アンカーを設けずに実施した場合と比較した解析結果を示したグラフである。 Aは、実施例1に使用する組杭のバリエーションを示した平面図であり、Bは、同正面図である。 Aは、実施例1に使用する組杭のバリエーションを示した平面図であり、Bは、同正面図である。 実施例2に係る斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法及び同工法よりなる構造を示した立断面図である。 従来技術を示した立断面図である。 従来技術に係る組杭を示した立断面図である。 従来技術を示した立断面図である。
符号の説明
1 組杭
2 斜杭
3 地盤アンカー
3a 定着具
4 連結部材
5 地盤
6 矢板
7 水平材
10 構造物
11 柱
12 基礎
13 直杭

Claims (8)

  1. 構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用される斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法であって、
    地盤中へ少なくとも2本の斜杭を各々の杭頭部が集合する配置で打設し、集合した杭頭部を連結部材で接合して組杭とし、前記連結部材に地盤アンカーを下向きに設置して緊張し定着することにより、連結部材に鉛直荷重を負荷して組杭の引き抜き耐力を増強させることを特徴とする、斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法。
  2. 前記組杭を地震時の構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、
    前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーを鉛直下向きに設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とを接合することを特徴とする、請求項1に記載した斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法。
  3. 前記組杭を偏土圧荷重を受ける構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、
    前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーを、前記偏土圧荷重に抵抗する方向に傾斜させて設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とを接合することを特徴とする、請求項1に記載した斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法。
  4. 前記組杭を山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用する場合に、
    前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーを、前記山留め壁、矢板等を引っ張る方向に傾斜させて設置して緊張し定着すると共に、前記連結部材と山留め壁、矢板等とを切梁等の水平材を介して接合することを特徴とする、請求項1に記載した斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強工法。
  5. 構造物、又は山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用される斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造であって、
    地盤中へ少なくとも2本の斜杭が各々の杭頭部を集合する配置で打設され、集合した杭頭部が連結部材で接合されて組杭とされ、前記連結部材に地盤アンカーが下向きに設置して緊張し定着されることにより、連結部材に鉛直荷重を負荷して組杭の引き抜き耐力が増強されることを特徴とする、斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造。
  6. 前記組杭を地震時の構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、
    前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーが鉛直下向きに設置して緊張し定着されると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とが接合されていることを特徴とする、請求項5に記載した斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造。
  7. 前記組杭を偏土圧荷重を受ける構造物の水平抵抗要素に利用する場合に、
    前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーが、前記偏土圧荷重に抵抗する方向に傾斜させて設置して緊張し定着されると共に、前記連結部材と前記構造物の基礎とが接合されていることを特徴とする、請求項5に記載した斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造。
  8. 前記組杭を山留め壁、矢板等の水平抵抗要素に利用する場合に、
    前記組杭の連結部材に、前記地盤アンカーが、前記山留め壁、矢板等を引っ張る方向に傾斜させて設置して緊張し定着されると共に、前記連結部材と山留め壁、矢板等とが切梁等の水平材を介して接合されていることを特徴とする、請求項5に記載した斜杭からなる組杭の引き抜き耐力増強構造。
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