JP2004169308A - 基礎およびその施工方法 - Google Patents

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賢紀 大川
Hiroyuki Nunoyama
裕之 布山
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Abstract

【課題】軟弱地盤の場合にも、深く杭を打ち込む必要がなく、容易に設置ができる基礎とその施工方法を提供すること。
【解決手段】貫入式基礎1は、地盤に配置された基礎ブロック(基礎躯体)1aと、該基礎ブロック1aから下方に延び、地盤に貫入される複数の板状部材(側板1b、溝板1c)とを備えている。側板1b、溝板1c、基礎ブロック1aにより囲まれる位置に、共同溝として用いられる地中溝1dが設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎の構造およびその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、構造物の基礎として、地盤が堅牢な場合には直接基礎が用いられるが、地盤が軟弱な場合には杭基礎が用いられるか、または地盤改良が行われていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−181712号公報(段落[0024],[0025]、ならびに図1を参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
軟弱地盤で道路橋などの基礎を施工する場合、安定した支持地盤まで杭を打ち込む杭打ち基礎を施工することが一般的である。しかしながら、杭基礎の施工は、非常に大掛かりであり、長い工期が必要となる。また、工事により排土が大量に発生するため、その処理コストがかさむという問題もある。また、特に長期の交通遮断ができない道路橋の施工や、地下に種々の埋設物が存在して支持地盤まで杭を打設することが不可能な都市部での施工には不適であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、軟弱地盤の場合にも深く杭を打ち込む必要がなく、容易に設置ができる基礎とその施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の基礎は、地盤に配置された基礎躯体と、該基礎躯体から下方に延び、地盤に貫入される複数の板状部材とを備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明においては、板状部材の間に地盤が挟まれることにより、その法線方向への移動が拘束されるから、軟弱地盤であっても基礎躯体を水平方向に堅固に拘束できる。また、板状部材が補強リブの効果を有するため、基礎の曲げ剛性が向上する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基礎において、対向した前記板状部材と、前記基礎躯体とに囲まれる位置に、共同溝が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この発明においては、板状部材と基礎躯体とにより囲まれる地盤を、基礎設置前に予め掘削しておく。そして基礎を設置すると、掘削された部位を容易に共同溝とすることができる。
ここで、共同溝とは、電気、ガス、上下水道、電話回線、光ファイバなどの管路を収容するための地下施設である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基礎において、前記基礎躯体には、地表側と地中側とを連通し地盤中に地盤改良剤を注入するための貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この発明においては、基礎設置後において、貫通孔を通して地盤改良剤を地盤中に注入可能である。したがって地盤を補強することができ、地盤の軟弱さに応じて支持力を強化できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の基礎において、前記板状部材のうち、最も外側に設けられた板状部材には、該板状部材を挟んで両側を連通する孔が複数設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明においては、地盤中に注入された地盤改良剤が、板状部材に設けられた孔を通って基礎の内側の地盤と共に外側の地盤を強化する。したがって周囲の地盤に対する固定力が高まり、基礎の安定性が向上する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の基礎において、前記基礎躯体から下方に延び、地盤中に貫入される杭状部材を備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明においては、杭状部材と地盤との間に大きな摩擦抵抗が生じるので、基礎の支持力が向上する。杭の径や杭どうしの配置、貫入本数を変えることで摩擦抵抗を容易に調整でき、軟弱地盤でも深く杭を打ち込まずとも安定した基礎とすることができる。
【0015】
請求項6に記載の基礎は、地盤に配置された基礎躯体と、該基礎躯体から下方に延び、地盤表層部中に貫入される杭状部材とを備えていることを特徴とする。
【0016】
この発明においては、杭状部材と地盤との間に大きな摩擦抵抗が生じるので、基礎の支持力が向上する。杭の径や杭どうしの配置、貫入本数を変えることで摩擦抵抗を容易に調整でき、軟弱地盤でも深く杭を打ち込まずとも安定した基礎とすることができる。
なお、地表表層部は支持地盤に達しない地盤をいう。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の基礎において、前記杭状部材には、外周部に螺旋ねじが設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、螺旋ねじにより杭状部材をねじ込んで貫入させることができるので、貫入させることが容易である。また、貫入後は、単純な杭形状に比べて地盤に対する杭状部材一本あたりの摩擦抵抗を増大させることができるから、比較的少ない本数で支持力を向上させることができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれかに記載の基礎において、前記杭状部材は管状であると共に、該杭状部材の上端部は前記基礎躯体に設けられた貫通孔に固定され、前記杭状部材と貫通孔を通して地盤中に地盤改良剤を注入可能であることを特徴とする。
【0020】
この発明においては、基礎設置後において、貫通孔および杭状部材の内部を通して地盤改良剤を地盤中に注入可能である。したがって地盤を補強することができ、地盤の軟弱さに応じて支持力を強化できる。
なお、杭状部材によって基礎躯体を支持するには大径である方が望ましいが、単に地盤改良剤を注入するための杭状部材を貫入させても良い。この場合は大径である必要はなく、細い径の杭状部材を使用可能である。そして、好ましくは外側下方に杭状部材を貫入させ、地盤改良剤を注入することで、基礎躯体の設置範囲を超えて、より広い範囲の地盤を補強することができる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、地盤に配置された基礎躯体と、エネルギー吸収部材を介して前記基礎躯体下面に設けられた支持杭とを備えていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、地震などによって基礎躯体が地盤から振動を受ける場合に、エネルギー吸収部材によって振動エネルギーを吸収することができる。したがって、深い杭を打ち込まなくても安定した基礎が得られる。
エネルギー吸収部材としては、例えば免震ゴム、ダンパーなどの免震装置を使用可能である。
【0023】
請求項10に記載の発明は、地盤に配置された基礎躯体と、該基礎躯体から下方に延ばされ、水平方向に互いに対向する部位を有する板状部材と、該板状部材の対向部位間に位置して、下方にすぼまるテーパ形状を有するテーパ杭とを備えていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、板状部材の間に貫入されたテーパ杭により、板状部材の間の地盤が水平方向荷重を受けてテーパ杭と板状部材の間に拘束され、基礎の剛性を向上させることができる。
板状部材は、互いに対向する2枚の板状部材でも良いし、テーパ杭を取り囲む形状(例えば円筒状)などでもよい。
【0025】
請求項11に記載の基礎は、コ字状の下側開口溝部材が開口部を下方に向けて二つ並んで設けられ、さらにこれら下側開口溝部材間に位置して、該下側開口溝部材の下端部を互いに連結する底板が設けられていることにより、前記下側開口溝部材間に上方に開口部が向いた上側開口溝が形成され、該上側開口溝内に、地上構造物を支持する基礎ブロックが配置されていることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、上方および下方に開口を有する溝断面により剛性が高められることにより、軟弱な地盤であっても安定性に富んだ地盤を形成することができ、その溝上に基礎ブロックを配置するので、基礎ブロックの剛性を低減して、軽量・小型化を図ることができる。
【0027】
請求項12に記載の基礎は、コ字状の上側開口溝部材が開口部を上方に向けて二つ並んで設けられ、さらにこれら上側開口溝部材が互いに連結され、前記上側開口溝内に、地上構造物を支持する基礎ブロックが配置されていることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、上方に開口を有する溝断面により剛性が高められることにより、軟弱な地盤であっても安定性に富んだ地盤を形成することができ、その溝上に基礎ブロックを配置するので、基礎ブロックの剛性を低減して、軽量・小型化を図ることができる。
【0029】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の基礎において、前記基礎ブロックと前記上側開口溝との間にエネルギー吸収部材が設けられていることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、地震などによって、基礎躯体が地盤から振動を受ける場合に、エネルギー吸収部材によって振動エネルギーを吸収することができる。
エネルギー吸収部材としては、例えば免震ゴム、ダンパーなどの免震装置を使用可能である。
【0031】
請求項14の基礎の施工方法は、貫入部材が地盤中に貫入され、該貫入部材の上方に基礎躯体が配置された状態とし、次いで前記基礎躯体に設けられた貫通孔を通して地盤中に地盤改良剤を注入することを特徴とする。
【0032】
この発明においては、貫通孔を通して地盤改良剤を地盤中に注入可能である。したがって地盤を補強することができ、地盤の軟弱さに応じて支持力を強化できる。
なお、貫入部材としては、板状部材、杭状部材を挙げることができる。
【0033】
請求項15に記載の基礎の施工方法は、管状の杭状部材が地盤中に貫入され、該杭状部材の上方に基礎躯体が配置された状態とし、次いで前記杭状部材の内部に形成された流路を通じて地盤中に地盤改良剤を注入することを特徴とする。
【0034】
この発明においては、杭状部材の内部を通して地盤改良剤を地盤中に注入可能である。したがって地盤を補強することができ、地盤の軟弱さに応じて支持力を強化できる。
【0035】
請求項16に記載の基礎の施工方法は、基礎躯体から下方に延ばされ、水平方向に互いに対向する部位を有する板状部材を地盤に貫入させて、次いで、前記板状部材の対向部位間に、下方にすぼまるテーパ形状を有するテーパ杭を打ち込むことを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、板状部材の間に貫入されたテーパ杭により、板状部材の間の地盤が水平方向荷重を受けてテーパ杭と板状部材の間に拘束され、基礎の剛性を向上させることができる。
板状部材は、互いに対向する2枚の板状部材でも良いし、テーパ杭を取り囲む形状(例えば円筒状)などでもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。すべての図面において、同一または相当する部材には同一符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
本発明の基礎の第1の実施形態に係る貫入式基礎1について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る貫入式基礎1を説明するための部分断面斜視図である。図2(a)は、図1におけるA視裏面図である。
貫入式基礎1は、大きくは、基礎ブロック1a(基礎躯体)と、側板1b、1b(板状部材)と、溝板1c…(板状部材)とを備える。
【0038】
基礎ブロック1aは、地盤2に対して水平方向に配置されたブロックである。基礎ブロック1aは、図1のように地盤2と同じ高さ(または地盤2より深く)となるように埋め込まれていてもよいし、地盤2を掘削せずに、地盤2の表面に配置されていてもよい。
【0039】
側板1b、1bは、基礎ブロック1aの短手方向の端部からほぼ鉛直下方にほぼ平行に延ばされ、地盤2に貫入された板状部材である。
溝板1c…は、側板1b、1bの間で、基礎ブロック1aの下面から鉛直下方に延ばされてほぼ平行に配置された板状部材である。溝板1cの高さは、いずれも側板1bよりも低く設定されている。
側板1b、1b、溝板1c…は、板状部材であれば、どのような形状でもよい。例えば、下端部に湾曲を備えていても、櫛歯状であってもよい。板厚は一定でも、板厚が変化するテーパ状でもよい。特に、下端部にテーパ部が設けられていると、地盤2に貫入させやすいので好ましい。
【0040】
また、図1に示したように、基礎ブロック1aの直下の一部には、側板1b、基礎ブロック1a、溝板1cにより、上方が囲まれた空洞である地中溝1d(共同溝)が設けられている。
なお、図示はしていないが、側板1bや溝板1cの間の基礎ブロック1aには、貫入施工時の空気抜きのための貫通孔や、地中溝1d内の作業を行うための作業用の開口などが適宜設けられている。
【0041】
貫入式基礎1の材料構成としては、RC造、PC造などのコンクリートブロックが採用できる。例えば、一体成形されたプレキャストコンクリートブロックを採用してもよいし、プレキャストコンクリート版を互いに接合して組み立てたものでもよい。また、それらに適宜の鋼材を組み合わせてもよい。
【0042】
次に貫入式基礎1の施工方法の一例について説明する。
まず基礎ブロック1aを埋め込む深さまで地盤2の表層を掘削する。このとき、地中溝1dを設ける場合は、そのための溝も所定位置に掘削しておく。
この工程は、基礎ブロック1aを地盤2上に直に配置する場合や、地盤2がきわめて軟弱で貫入式基礎1の自重で沈降するような場合は、省略してもよい。あるいは、掘削する代わりに、地盤2の一部を軟化させる工程を設けてもよい。
【0043】
次に、地盤2の所定位置に位置決めして、上方から貫入式基礎1を降下させる。そして貫入式基礎1を地盤2に貫入させる。
基礎ブロック1aの下面が地中溝1dの上面を除いて地盤2と当接する位置まで下降させ、施工を完了する。
【0044】
次に、このようにして施工された貫入式基礎1の作用について説明する。
本実施形態に係る貫入式基礎1によれば、直接基礎と異なり、側板1b、溝板1cのような地盤2への貫入部材が設けられているので、側板1bおよび溝板1c間で地盤が保持され、法線方向における支持力が向上する。なお、側板1bが溝板1cより高く、貫入式基礎1下方の地盤が側板1b間に保持される。
また、側板1b、溝板1cなどが、補強リブの効果を有するので、貫入式基礎1の曲げ剛性が向上される。
【0045】
このように、貫入式基礎1は、地盤表層部に上から板状部材を貫入させるだけで形成できるから、支持岩盤まで杭を打つ必要が無く、施工が容易である。また、軽量でありながら、施工後には、剛性の高い基礎が形成できるという利点がある。
このような基礎は、道路橋などの橋梁基礎として有用であるが、例えば仮橋などの仮設構造物の基礎として用いるのにも好適である。
【0046】
さらに、本実施形態では、地盤2の所定位置を掘削しておくだけで、地中溝1dを形成することができる。この地中溝1dは、電気、ガス、上下水道、電話回線、光ファイバなどの管路を収容するための地下施設であるいわゆる共同溝として利用することができる。したがって、基礎の形成とともに、共同溝を形成することができるから、施工効率が向上するという利点がある。
【0047】
また、上記の第1の実施形態の説明において、溝板1cを側板1bにほぼ平行に配置する例を説明したが、溝板1cは種々の配置を採用することができる。
図2(b)、(c)、(d)に示したのはそのような変形例である。いずれも、図1のA視裏面図のみを示している。
【0048】
図2(b)に示した貫入式基礎11は、側板11b、11bの間に側板11bに対してほぼ直交する方向に平行配列された溝板11c…が設けられている。溝板11cは、その配置を除いて溝板1cと同様の構成を備える。
このような構成によれば、貫入式基礎11は、側板11bに直交する方向には、側板11bにより、側板11bと平行な方向には、溝板11c…により、それぞれ拘束されるから、水平方向の安定性を向上することができる利点がある。
【0049】
図2(c)に示した貫入式基礎12は、側板12b、12bの間に、互いに格子状に直交する溝板12c…、12d…を備えた例である。溝板12c、12dは、その配置を除いて溝板1cと同様の構成を備える。
このような構成によれば、貫入式基礎11に比べて、溝板12cが追加された分だけ、水平方向の安定性が向上する。さらに、補強リブの効果が向上するから、貫入式基礎12の剛性を向上することができるという利点がある。
【0050】
図2(d)に示した貫入式基礎13は、側板13b、13bの間に、貫入式基礎12における溝板12c、12dの交差部分が除去されて、それぞれ櫛歯状に整列され、全体として格子状に直交するように配置された溝板13c…、13d…を備える。
このような構成によれば、貫入式基礎12と同様に水平二方向に強く拘束され、安定性が向上される。それに加えて、櫛歯状であるから、貫入時の抵抗を軽減することができるという利点がある。
なお、上記の変形例の他にも、例えば、板状部材を互いに射交させるように配置してもよいし、板状部材を円筒状に形成してもよい。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の基礎の第2の実施形態に係る貫入式基礎3について説明する。
図3(a)は、本発明の第2の実施形態に係る貫入式基礎3を説明するための部分断面斜視図である。図3(b)は、図3(a)のB視断面図である。
【0052】
貫入式基礎3は、大きくは、基礎ブロック3a(基礎躯体)と、貫入部材である側板3b、3b(板状部材)と、溝板3c…(板状部材)とを備える。それぞれは、貫入式基礎1の側板1b、1b、溝板1c…にほぼ対応し、全く同様の外形状、配置を備え、同様の材料、製法によって製作される。以下では、貫入式基礎1の場合と同様の点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0053】
基礎ブロック3aは、貫通孔3e…を側板3bの近傍の適宜位置に備えている。貫通孔3eには、地盤2にパイプを挿通して地盤改良剤30を注入するための地盤改良剤注入機構4を着脱可能に取り付けられる。
側板3bには、適宜間隔で孔3d…が設けられている。
貫通孔3eの下方には、地盤改良剤30が注入されて地盤補強部32が形成されている。
【0054】
次に、貫入式基礎3の施工方法の一例について説明する。
貫入式基礎3を地盤2に貫入させるまでは、貫入式基礎1の場合と全く同様である。
貫入式基礎3では、その後、貫通孔3eに地盤改良剤注入機構4を取り付け、不図示のポンプや送出器などを用いて、地盤改良剤30を地盤2に注入する。すると、地盤改良剤30は、基礎ブロック3aと側板3bで囲まれる範囲に充填され、一部は孔3d…を透過して側板3bの外側近傍に出る。地盤改良剤30が硬化することにより、基礎ブロック3aの下方および側板3bに隣接した外方に地盤補強部32が形成される。
地盤改良剤30としては、地盤2の性状・種類や所望の補強強度などを考慮して周知の種々の地盤改良剤を採用できる。例えば、セメントミルク、グラウト剤などが採用できる。
【0055】
地盤改良剤30の注入が終了したら、地盤改良剤注入機構4を取り外し、順次、他の貫通孔3eへ移動して地盤補強部32…を形成していく。このようにして、貫入式基礎3が施工される。
【0056】
このような貫入式基礎3によれば、貫入式基礎1で説明した作用に加え、地盤補強部32が形成されるから、貫入式基礎3下の剛性をさらに向上できる。したがって、さらに安定した基礎とすることができる。
【0057】
また、特に側板3b上の孔3d…から側方へ射出される地盤改良剤30により、貫入式基礎3の周囲の地盤に対して貫入式基礎3の固定力が高まり、さらに高い安定性を得ることができる。
【0058】
また、地盤2の軟弱さに対応して形状を変えた貫入式基礎3を用意しなくても、地盤2の軟弱さに応じて、地盤補強部32の大きさや個数を調整することで対応できる。その結果、貫入式基礎3の製造コスト低減されるという利点がある。
【0059】
(第3の実施形態)
次に、本発明の基礎の第3の実施形態に係る貫入式基礎5について説明する。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る貫入式基礎5を説明するための部分断面斜視図である。
貫入式基礎5は、大きくは、基礎ブロック5a(基礎躯体)と、側板5b、5b(板状部材)と、溝板5c(板状部材)とを備える。それぞれは、貫入式基礎1の側板1b、1b、溝板1cにほぼ対応し、全く同様の外形状、配置を備え、同様の材料、製法によって製作される。以下では、貫入式基礎1の場合と同様の点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0060】
基礎ブロック5aから鉛直下方に、短杭6(杭状部材)が設けられ、地盤2に貫入される。
短杭6は、図5(a)に示したように、杭部6aと螺旋ねじ部6b(螺旋ねじ)とを備える。
杭部6aは、小口径の鋼管杭を採用できる。口径の大きさは、地盤2の性状・種類や、設置本数や、コストなどから総合的に決めることができる。
螺旋ねじ部6bは、例えば、鋼板を杭部6aに溶接したものを採用することができる。
【0061】
次に、貫入式基礎5の施工方法の一例について説明する。
基礎設置前には、貫入式基礎5には短杭6を設けずに、短杭6を結合するための貫通孔5dを設けておく。そして、貫入式基礎1と同様にして、側板5b、5bを、そして溝板5cを地盤2に貫入させて、基礎ブロック5aが地盤上に水平となるように配置する。
そして、基礎ブロック5a上に設けた貫通孔5dから、短杭6をねじ込んで地盤2に貫入させる。そして、所定深さまで貫入させてから、基礎ブロック5aと短杭6の上端部を、例えばセメントなどにより接合する。
このようにして、貫入式基礎5が施工される。
【0062】
本実施形態に係る貫入式基礎5は、短杭6…が地盤2にねじ込まれて基礎ブロック5aと接合されることにより、短杭6と地盤2との間に上下方向にも大きな摩擦抵抗が生じるので、貫入式基礎5の支持力が向上する。打ち込む本数を増やすことにより、貫入式基礎5と、側板5b、5b間の地盤2との一体性を強化し、剛性を向上させることができる。
【0063】
なお、短杭6は、一例であって、他にも種々の杭を用いることができる。例えば、図5(b)に示した短杭7を採用することができる。
短杭7は、短杭6と同様の杭部7a(管路)、螺旋ねじ部7b(螺旋ねじ)を備え、さらに杭部7aに孔7cが設けられたものである。このような構成により、短杭6と同様に、基礎ブロック5aを通して地盤2にねじ込んで、基礎ブロック5aに接合してから、杭部7aの内部を排土して、上部からセメントミルク、グラウト剤などの地盤改良剤を地盤2に注入することができる。その結果、短杭7の近傍に地盤補強部が形成できるから、小径の短杭7でも大径の杭と同等の作用が得られ、貫入式基礎5の支持力を向上することができるという利点がある。またさらに、地盤2の性状・種類によっては、短杭6に代えて、螺旋ねじ部6bがなく、杭打ち機などにより上方から打ち込むタイプの杭を採用することもできる。
【0064】
(第4の実施形態)
次に、本発明の基礎の第4の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎8について説明する。
図6(a)は、本発明の第4の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎8の部分断面斜視図である。図6(b)は、図6(a)のC視断面図である。
短杭と直接基礎の併用方式の基礎8は、大きくは、直接基礎9(基礎躯体)と、ねじり杭10…(杭状部材)とを備える。
【0065】
直接基礎9は、地盤2に対して水平方向に配置されたブロックであり、それ自体で基礎として十分な剛性を備えているものである。例えば、RC造、PC造などのプレキャストコンクリートブロックを採用することができる。
長手方向の中央部には、ねじり杭10…をねじ込んでから結合するための杭取付孔9a…が設けられている。
直接基礎9は、図6のように地盤2と同じ高さとなるように埋め込まれていてもよいし、地盤2を掘削せずに、地盤2の表面に配置されていてもよい。
【0066】
ねじり杭10は、管杭部10a(管路)、螺旋ねじ部10b(螺旋ねじ)、孔10c…を備える大口径の鋼管杭である。ねじり杭10は、杭の口径が大きいこと以外は、短杭7と同様の構成を備えており、管杭部10a、螺旋ねじ部10b、孔10c…は、短杭7の杭部7a、螺旋ねじ部7b、孔7c…に対応している。そして、杭取付孔9aを通して、地盤2に貫入され、上端部がセメントなどにより杭取付孔9aと結合されている。なお、直接基礎9の厚さは、直接基礎9とねじり杭10とを互いに高い剛性で固定するのに十分な厚さを有している。
ねじり杭10の下部近傍には、地盤改良剤30により、地盤補強部32が形成されている。
【0067】
次に、短杭と直接基礎の併用方式の基礎8の施工方法の一例を説明する。
まず、直接基礎9を地盤2に埋め込むために、地盤2を掘削する。地盤2上に配置する場合には、この工程は省略することができる。
そして、杭取付孔9aを通して、ねじり杭10をねじ込み、地盤2に貫入させる(例えば1.5m程度)。そして直接基礎9とねじり杭10とをセメントなどで結合する。さらに、管杭部10a内部を排土する。
そして、上部から管杭部10a内に地盤改良剤30を注入する。地盤改良剤30は、孔10c…を通して地盤2内に射出され、その近傍で硬化する。このようにして、ねじり杭10の下端部近傍に地盤補強部32が形成される。
このようにして、短杭と直接基礎の併用方式の基礎8が施工される。
なお、地盤2の性状・種類などにより、ねじり杭10のねじ込みだけで基礎の支持力や安定性が確保される場合には、地盤改良剤30の注入工程を省略してもよい。
【0068】
本実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎8によれば、軟弱地盤など直接基礎の設置が困難な場合であっても、螺旋ねじ部10bを備えるねじり杭10を直接基礎9の下部に設けることにより、地盤2に対する基礎8の固定力を向上することができる。特に本実施形態では大径のねじり杭10を用いることで、高い土圧でねじり杭10が支持され、直接基礎9だけでは足りない支持力を得ることができる。
また、そのようなねじり杭10…を直接基礎9に適宜本数配置することにより、水平方向の安定性も向上することができる。また、管杭部10a内に地盤改良剤30を注入し、地盤補強部32を形成することが可能なので、さらに支持力を向上することができる。
【0069】
なお、さらに基礎の安定性を向上するための変形例を、図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎8の変形例を説明するためのD−D断面図である。
本変形例は、上記に説明した短杭と直接基礎の併用方式の基礎8に加えて、補強杭14(鋼管)を備えるものである。
【0070】
補強杭14は、直接基礎9を貫通して上部から斜め下外方に向けて延ばされ、地盤2内に貫入された鋼管である。また、補強杭14の下端部には、地盤改良剤30を地盤2内に浸透させるための複数の孔が設けられている。
直接基礎9には、あらかじめ挿通孔9bが設けられ、直接基礎9を地盤2上に配置した後、補強杭14を挿通して地盤2内に貫入させる。そして、上端部を挿通孔9bにセメントなどにより接合する。そして、補強杭14の管内に地盤改良剤30を注入し、下端部から地盤2内に浸透させる。
このようにして、補強杭14の下端部に、球根状の地盤補強部32が形成される。この地盤補強部32は平面視において直接基礎9の外側に形成されるので、実際の直接基礎9の面積よりも広い範囲の地盤2との間で拘束力を得ることができる。
【0071】
(第5の実施形態)
次に、本発明の基礎の第5の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎15について説明する。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎15を説明するための短手方向断面図である。
短杭と直接基礎の併用方式の基礎15は、大きくは、直接基礎16(基礎躯体)と、スカート部16b、16b(板状部材)と、テーパ杭17とを備える。
【0072】
直接基礎16は、水平方向に配置されたブロックであり、それ自体として基礎として十分な剛性を備えているものである。短手方向のほぼ中央部にはテーパ杭17を通すための杭取付孔16aが設けられている。
【0073】
スカート部16b、16bは、杭取付孔16aを挟んで直接基礎16の下面両側部から下方に延ばされて地盤2に貫入する板状部材である。なお、スカート部16bは、図8の紙面方向に延びる2枚の平板であってもよいが、杭取付孔16aの中心にほぼ一致する中心を備える円筒状や多角柱管状の板状部材であってもよい。
【0074】
直接基礎16、スカート部16b、16bは、例えば、RC造、PC造などのプレキャストコンクリートブロックを採用することができる。
テーパ杭17は、スカート部16bと同程度の長さにわたって、上方から下方に向かって縮径するテーパ部17aと、その上側に設けられた杭取付孔16aと結合するための取付部17bとを備える杭状部材である。テーパ杭17の軸垂直断面はいかなるものでも良く、円形または多角形等を採用可能である。
テーパ杭17の材質は、テーパ部17aが所定の圧縮強度を備えるならば、どのような材料であってもよく、例えばコンクリート製や鋼製が採用できる。
【0075】
次に、短杭と直接基礎の併用方式の基礎15の施工方法の一例を説明する。
まず、地盤2を掘削して、直接基礎16の配置基盤面を形成する。
そして、スカート部16bの下部を地盤2に貫入させて、直接基礎16を降下させ、直接基礎16を配置基盤面上に配置する。
そして、杭取付孔16aを通してテーパ杭17を打ち込み、杭取付孔16aと取付部17bを、例えばセメントなどで結合する。
このようにして、短杭と直接基礎の併用方式の基礎15が施工される。
【0076】
本実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎15によれば、テーパ杭17を打ち込むことにより、スカート部16b、16bで挟まれる地盤2が、テーパ部17aの法線方向に圧縮される。その結果、直接基礎16の下面、スカート部16bの対向面に囲まれた短杭と直接基礎の併用方式の基礎15の土圧が高まるので、その範囲内の地盤2に強い拘束効果が働く。その結果、短杭と直接基礎の併用方式の基礎15の支持力が向上する。
【0077】
この拘束効果は、スカート部16b、16bによって取り囲まれる容積とテーパ杭17が排除する土量との関係によって加減することができる。スカート部16bに水平方向に開口があると土圧が逃れやすいので、拘束効果を高めるためには、スカート部16bがテーパ杭17を水平方向に連続して取り囲む筒状とすることが好ましい。
なお、テーパ杭17の打ち込みを容易にするために、テーパ部17aの周囲に螺旋ねじ部を設けてねじ込みが可能なようにしておいてもよい。
【0078】
(第6の実施形態)
次に、本発明の基礎の第6の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎18について説明する。
図9は、本発明の第6の実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎18を説明するための短手方向断面図である。
短杭と直接基礎の併用方式の基礎18は、大きくは、直接基礎18a(基礎躯体)と、スカート部18b、18b(板状部材)と、免震ゴム19(エネルギー吸収部材)と、支持杭20とを備える。
【0079】
直接基礎18aは、杭取付孔16aがない点を除いて図8の直接基礎16と同様の構成とする。また、スカート部18bは、スカート部16bと同様の構成とする。
免震ゴム19は、例えば積層ゴムを組み合わせてせん断ひずみや圧縮ひずみを熱に変換することにより、振動エネルギーを減衰する部材である。
支持杭20は、直接基礎18aの下部の地盤2に打ち込まれている。
支持杭20の上端部と直接基礎18aの下面の間に免震ゴム19が配設されている。免震ゴム19は、個別の継手(不図示)により、支持杭20および直接基礎18aに接続される。
【0080】
本実施形態に係る短杭と直接基礎の併用方式の基礎18によれば、例えば地震などにより直接基礎18aが振動すると、支持杭20との間に相対的な変位が生じる。免震ゴム19が直接基礎18aと支持杭20の両方に固定されているため、それらの相対変位は免震ゴム19内のひずみとなり、逐次その振動エネルギーが減衰される。その結果、地震動などによる振動を減衰することができる。
このように、本実施形態では、深い杭を打ち込まなくても耐震性の向上した基礎を得ることができる。
【0081】
なお、免震ゴム19以外でも、エネルギーを吸収できるものであればよく、他にダンパー等を用いても良い。
また、本エネルギー吸収部材と支持杭20とを適用するのは、特に上記実施形態のパイルドラフト式基礎に限定されず、いかなる種類の基礎に対して適用しても良い。
【0082】
(第7の実施形態)
次に、本発明の基礎の第7の実施形態に係る埋め込み式基礎22について説明する。
図10は、本発明の第7の実施形態に係る埋め込み式基礎22を説明するための部分断面斜視図である。図11は、図10の部分拡大図である。
埋め込み式基礎22は、大きくは、基礎保持台23と、基礎ブロック24(基礎躯体)とを備える。
【0083】
基礎保持台23は、短手方向に左から下側、上側、下側にそれぞれ開口するコ字状の溝断面を備え、その断面を断面直角方向に直線的に延ばした薄板構造物である。
具体的には、コ字状の下側開口溝部材23a、23aが開口部を下方に向けて二つ並んで設けられ、さらにこれら下側開口溝部材23a、23a間に位置して、該下側開口溝部材23a、23aの下端部を互いに連結する底板23bが設けられている。これにより、下側開口溝部材23a、23a間に上方に開口部が向いた上側開口溝23cが形成されている。そして、該上側開口溝23c内に、T型橋脚(地上構造物)21を支持する基礎ブロック24が配置されている。
なお、下側開口溝部材23a、23aのそれぞれ外側の板部(外側板)23dの高さは、それぞれ内側の板部(内側板)23eの高さに比べて長いことが好ましい。また、それぞれ上板23f、23fには、後からグラウトセメント25を注入するための孔(不図示)を設けておいてもよい。
【0084】
上板23fは、図10に示したように地盤2と同一面に配置されていてもよいし、上下位置に配置されていてもよいが、いずれの場合にも、上板23f、23fおよび底板23bの下面(基礎保持台の下面)は、地盤2に荷重が伝達されるように支持されている。すなわち、底板23bのように直接地盤2に当接されるか、上板23fのように、隙間に充填剤としてグラウトセメント25が充填されて地盤2に荷重が伝達される構成とされている。
ただし、強度上の問題がなければ、共同溝などのために、一部に地中溝を形成してもよい。
【0085】
基礎保持台23はどのような材料でもよく、例えば鋼板が採用できる。鋼板は、図10に示したように平板でもよいが、長手方向に凹凸を設けて曲げ剛性を向上させた鋼板を採用してもよい。
【0086】
基礎ブロック24は、矩形断面のコンクリート製ブロックであり、上側開口溝23c内に配置される。その配置の仕方は、溝23cに直に載せるだけでもよいし、溝23c内に、例えばモルタルなどで接着してもよい。さらに、図11に示したように、底板23bの上に、例えば積層ゴムなどからなる免震ゴム(エネルギー吸収部材)26を配置し、その上に基礎ブロック24を配置してもよい。また、必要であれば、内側板23e、23eと基礎ブロック24の間にも免震ゴムを設けてもよい。
【0087】
また、基礎ブロック24の構成は、図11に示したように、少なくとも側面および上面を覆うコンクリート製のブロック24aに発泡スチロール24bを内蔵させて軽量化を図ったいわゆるEPS工法を採用してもよい。
【0088】
次に、埋め込み式基礎22の施工方法の一例について説明する。
まず、地盤2に、上側開口溝23cを配置するための溝を掘削する。
そして、地盤2に外側板23d、23dを貫入させて、掘削した溝の所定位置に底板23bが配置されるように、基礎保持台23を下降させる。必要であれば、基礎保持台23と地盤2との隙間にグラウトセメント25を注入する。
そして、必要であれば、内側板23e、23e、底板23bからなる溝内面に免震ゴム26を配置して、基礎ブロック24を溝内に配置する。
このようにして、埋め込み式基礎22が施工される。
【0089】
埋め込み式基礎22によれば、基礎としての強度を基礎保持台23と基礎ブロック24で分担することができる。
基礎保持台23は、下側開口溝部材23a、上側開口溝23cを通して、垂直荷重を地盤2に分散させて伝達する。基礎保持台23は、薄板構造物のため、軽量であるが、断面係数が大きくなるように凹凸溝が形成されている。そして、外側板23dが地盤2中に貫入するため、地盤2を水平方向に拘束することができる。
その結果、軟弱地盤であっても水平方向に安定した基礎を得ることができる。
また、底板23bの上に、免震ゴム26を配置し、その上に基礎ブロック24を配置することで、基礎ブロック24をより安定に支持することができる。
なお、エネルギー吸収部材としては免震ゴムだけではなく、他にダンパーなどの免震装置を使用可能である。
【0090】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図12は、本実施形態の変形例に係る埋め込み式基礎28を説明するための部分断面斜視図である。
埋め込み式基礎28は、大きくは、基礎保持台29と、基礎ブロック24、24とを備える。
【0091】
基礎保持台29は、短手方向に左から上側、下側、上側にそれぞれ開口するコ字状の溝断面を備え、その断面を断面直角方向に直線的に延ばした薄板構造物である。
具体的には、コ字状の上側開口溝部材29a、29aが開口部を上方に向けて二つ並んで設けられ、さらにこれら上側開口溝部材29a、29aが互いに上板29bにより連結されている。そして上側開口溝内29a、29a内に、門型橋脚(地上構造物)27を支持する基礎ブロック24、24が配置されている。
【0092】
上側開口溝部材29aの底板と、上板29bの下面は、いずれも直接またはグラウトセメント25を介して地盤2に支持されており、上下方向の荷重を分散して伝達する。上側開口溝部材29a、29aは、地盤2に埋め込まれることにより、水平方向の拘束を形成する。
【0093】
このように構成されていることにより、本実施形態の埋め込み式基礎28によれば、基礎としての強度を基礎保持台29と基礎ブロック24で分担することができる。
基礎保持台29は、上側開口溝部材29a、上板29bを通して、垂直荷重を地盤2に分散させて伝達する。基礎保持台29は、薄板構造物のため、軽量であるが、断面係数が大きくなるように凹凸溝が形成されている。そして、二つ並んだ上側開口溝部材29a、29aが地盤2中に貫入するため、地盤2を水平方向に拘束することができる。
その結果、軟弱地盤であっても水平方向に安定した基礎とすることができる。
なお、本実施形態においても上記と同様に上側開口溝部材29aと基礎ブロック24との間に免震ゴム26または他のエネルギー吸収部材を挟んでもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
以上のように、上記各実施形態においては、いずれも深く杭を打ち込むことなく基礎を設置することができるため、工期を短縮することができ、排土量も低減することができる。さらに、地下に埋設物がある場合でも基礎の設置が可能である。
なお、上記に説明した実施形態は、いずれも一例であって、それぞれの実施形態を任意に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0095】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る基礎によれば、軟弱地盤の場合にも深く杭を打ち込むことなく基礎を設置することができるため、工期を短縮することができる。また、排土量も低減することができるから、低コストを実現することができる。さらに、地下に埋設物がある場合でも基礎の設置が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基礎の第1の実施形態を説明するための部分断面斜視図である。
【図2】図1におけるA視裏面図である。
【図3】本発明に係る基礎の第2の実施形態を説明するための部分断面斜視図およびB視断面図である。
【図4】本発明に係る基礎の第3の実施形態を説明するための部分断面斜視図である。
【図5】本発明に係る基礎の第3の実施形態に用いる杭状部材を説明するための斜視図である。
【図6】本発明に係る基礎の第4の実施形態を説明するための部分断面斜視図およびC視断面図である。
【図7】本発明に係る基礎の第4の実施形態の変形例を説明するためD−D断面図である。
【図8】本発明に係る基礎の第5の実施形態を説明するための短手方向断面図である。
【図9】本発明に係る基礎の第6の実施形態を説明するための短手方向断面図である。
【図10】本発明に係る基礎の第7の実施形態を説明するための部分断面斜視図である。
【図11】図10の部分拡大図である。
【図12】本発明に係る基礎の第7の実施形態の変形例を説明するための部分断面斜視図である。
【符号の説明】
1、3、5、11、12、13 貫入式基礎
1a、3a、5a 基礎ブロック(基礎躯体)
1b、3b、5b、11b、12b、13b 側板(板状部材)
1c、3c、5c、11c、12c、13c、13d 溝板(板状部材)
1d 地中溝(共同溝)
2 地盤
3d、7c、10c 孔
4 地盤改良剤注入機構
6、7 短杭(杭状部材)
6b、7b、10b 螺旋ねじ部(螺旋ねじ)
8、15、18 基礎
9、16 直接基礎(基礎躯体)
10a 管杭部(管路)
14 補強杭(鋼管)
16b スカート部(板状部材)
17 テーパ杭
17a テーパ部
19、26 免震ゴム(エネルギー吸収部材)
20 支持杭(杭状部材)
22、28 埋め込み式基礎
23、29 基礎保持台
24 基礎ブロック
24b 発泡スチロール
25 グラウトセメント
30 地盤改良剤
32 地盤補強部

Claims (16)

  1. 地盤に配置された基礎躯体と、
    該基礎躯体から下方に延び、地盤に貫入される複数の板状部材とを備えていることを特徴とする基礎。
  2. 請求項1に記載の基礎において、対向した前記板状部材と、前記基礎躯体とに囲まれる位置に、共同溝が設けられていることを特徴とする基礎。
  3. 請求項1または2に記載の基礎において、
    前記基礎躯体には、地表側と地中側とを連通し地盤中に地盤改良剤を注入するための貫通孔が設けられていることを特徴とする基礎。
  4. 請求項3に記載の基礎において、
    前記板状部材のうち、最も外側に設けられた板状部材には、該板状部材を挟んで両側を連通する孔が複数設けられていることを特徴とする基礎。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基礎において、
    前記基礎躯体から下方に延び、地盤中に貫入される杭状部材を備えていることを特徴とする基礎。
  6. 地盤に配置された基礎躯体と、
    該基礎躯体から下方に延び、地盤表層部中に貫入される杭状部材とを備えていることを特徴とする基礎。
  7. 請求項5または6に記載の基礎において、
    前記杭状部材には、外周部に螺旋ねじが設けられていることを特徴とする基礎。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の基礎において、
    前記杭状部材は管状であると共に、該杭状部材の上端部は前記基礎躯体に設けられた貫通孔に固定され、前記杭状部材と貫通孔を通して地盤中に地盤改良剤を注入可能であることを特徴とする基礎。
  9. 地盤に配置された基礎躯体と、
    エネルギー吸収部材を介して前記基礎躯体下面に設けられた支持杭とを備えていることを特徴とする基礎。
  10. 地盤に配置された基礎躯体と、
    該基礎躯体から下方に延ばされ、水平方向に互いに対向する部位を有する板状部材と、該板状部材の対向部位間に位置して、下方にすぼまるテーパ形状を有するテーパ杭とを備えていることを特徴とする基礎。
  11. コ字状の下側開口溝部材が開口部を下方に向けて二つ並んで設けられ、さらにこれら下側開口溝部材間に位置して、該下側開口溝部材の下端部を互いに連結する底板が設けられていることにより、前記下側開口溝部材間に上方に開口部が向いた上側開口溝が形成され、
    該上側開口溝内に、地上構造物を支持する基礎ブロックが配置されていることを特徴とする基礎。
  12. コ字状の上側開口溝部材が開口部を上方に向けて二つ並んで設けられ、さらにこれら上側開口溝部材が互いに連結され、
    前記上側開口溝内に、地上構造物を支持する基礎ブロックが配置されていることを特徴とする基礎。
  13. 請求項11または12に記載の基礎において、
    前記基礎ブロックと前記上側開口溝との間にエネルギー吸収部材が設けられていることを特徴とする基礎。
  14. 貫入部材が地盤中に貫入され、該貫入部材の上方に基礎躯体が配置された状態とし、
    次いで前記基礎躯体に設けられた貫通孔を通して地盤中に地盤改良剤を注入することを特徴とする基礎の施工方法。
  15. 管状の杭状部材が地盤中に貫入され、該杭状部材の上方に基礎躯体が配置された状態とし、
    次いで前記杭状部材の内部に形成された流路を通じて地盤中に地盤改良剤を注入することを特徴とする基礎の施工方法。
  16. 基礎躯体から下方に延ばされ、水平方向に互いに対向する部位を有する板状部材を地盤に貫入させて、
    次いで、前記板状部材の対向部位間に、下方にすぼまるテーパ形状を有するテーパ杭を打ち込むことを特徴とする基礎の施工方法。
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