JP6465666B2 - 固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、固体撮像素子の製造方法に関し、特に光電変換部にCuと、InまたはGaまたはその両方と、SまたはSeまたはその両方と、を含むカルコパイライト構造の化合物半導体膜(以下、CIGS膜)を備えた固体撮像素子の製造方法に関する。
近年、固体撮像素子の高解像度化が進み、それに伴って光電変換部の面積が縮小したことにより受光感度低下の問題が顕在化するようになってきている。これを解決するための手法として、CMOS固体撮像素子の裏面から光を照射する構造を備えた従来技術が知られている(非特許文献1を参照)。
しかし、同手法は光電変換部への光の到達率を高めることが目的であり、光電変換部の材料に用いられたSiの物性である量子効率や光吸収係数に基づく受光感度を超えることはできない。したがって将来のさらなる高解像度化に伴う受光感度低下の問題を解決するためには、光電変換部に、量子効率や光吸収係数の点でSiを超える材料を用いる手法の開発が不可欠となる。
こうした材料は主に有機材料(非特許文献2を参照)と無機材料に大別されるが、無機材料としては、c-Se(非特許文献3を参照)やCuInSe2とCuGaSe2の混晶であるCIGS(特許文献1−7)が知られている。
特に、上述したCIGSは優れた量子効率、光吸収係数および安定性を兼ね備えており、将来の固体撮像素子の光電変換部用材料として期待されている。膜厚が薄くても光を十分に吸収することができるため、印加電圧が低くても高い内部電界を与えることが可能である。このことは、膜中でのキャリア増倍動作を可能とし、さらなる高感度化をもたらす。CIGSの固体撮像素子への応用は1993年に提案され(非特許文献4を参照)、現在では車載や防犯、生体認証用途への応用に向けて実用化の研究が進められている。
従来技術に係る、CIGSを用いた固体撮像素子の製造方法を図7を用いて説明する。
同撮像素子は、例えば、図7(4)に示すように、CMOSで構成された信号読出回路を付設した基板231上に、複数のMo電極232を設け、該基板231またはMo電極232の上方に、CIGS膜213を設け、さらにバッファ層219、N型半導体層215およびITO層(透明電極)216を備えてなる。なお、ITO層(透明電極)216の上面の一部にAlからなるパッド電極が形成されてなる。
国際公開公報第2008−093834号 国際公開公報第2009−078299号 特開2010−263190号公報 特開2011−151271号公報 特許第5520597号 特許第5536488号 特許第5547717号
A Back-illuminated Megapixel CMOS Image Sensor, B. Pain et al., Proc. of International Image Sensor Workshop, pp.35-38 (2005) CMOS Image Sensor with an Overlaid Organic Photoelectric Conversion Layer: Optical Advantages of Capturing Slanting Rays of Light, M. Ihama et al., Proc. of International Image Sensor Workshop, pp.153-156 (2011) Low-voltage-operation avalanche photodiode based on n-gallium oxide/p-crystalline selenium heterojunction, S. Imura et al., Appl. Phys. Lett. 104, 242101 (2014) Photoconductive Imaging Using CuInSe2 Film, K. Tanaka et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.32 pp.113-115 (1993)
ところで、CIGS膜の成膜時における基板温度の上限は、CMOSの配線材料における耐熱性等の観点から350〜450°に制限される。しかしながら、この上限温度はCIGSの特性、例えば高い量子効率を発揮する等の特性を得るためには不十分であるため、結果として膜の品質や感度を上げることが困難となり、CIGSの本来の性能が得られるまでには至っていなかった。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、光電変換層としてCIGS膜を用いた固体撮像素子の製造方法において、CIGS膜の成膜に必要な温度が固体撮像素子の配線材料等についての許容温度以上であっても、その許容温度に拘らず、CIGS膜の成膜を必要十分な温度で行って、高品質のCIGS膜を得ることで感度を高めることができる固体撮像素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
以上の目的を達成するため、本発明の固体撮像素子の製造方法は以下のような構成とされている。
すなわち、本発明の固体撮像素子の製造方法は、
信号の読出処理を行う信号読出回路を付設した半導体基板の上方にCIGSからなる光電変換層を具備する固体撮像素子の製造方法において、
前記半導体基板とは異なる第1のダミー基板の上方に前記光電変換層を所定の温度に設定した状態で成膜し、この光電変換層の上方に、少なくとも、N型の半導体層、仮接合剤および第2のダミー基板を積層して第1の積層体を作製し、
次に、前記第1の積層体における前記第1のダミー基板を除去し、このダミー基板が除去された該第1の積層体の面に画素電極層を成膜するとともにこの画素電極層を所定のパターニングにより複数の画素電極に分離し、
別途、信号読出回路を付設した前記半導体基板の上方に、分離された前記画素電極の各々に対向するように配された基板側電極を形成して第2の積層体を作製し、
この後、前記第1の積層体の画素電極と前記第2の積層体の電極を接合用のバンプを各々挟むように配設し、このバンプをつぶすように、これら2つの積層体を押圧することにより、前記第1の積層体と前記第2の積層体をバンプ接合し、
次に、前記第2のダミー基板を剥離させる剥離処理を行うことにより、固体撮像素子を作製することを特徴とするものである。
また、前記光電変換層はSi層上に成膜されることが好ましい。
また、前記仮接合剤が液状とされており、前記第2のダミー基板の剥離処理においては、前記第1の積層体と前記第2の積層体を接合したものを、所定の温度以上の液体内に収容することにより、前記仮接合剤の接合効果を低減せしめて、前記第1の積層体から前記第2のダミー基板を剥離させることが可能である。
また、前記仮接合剤がシート状とされており、前記第2のダミー基板の剥離処理においては、前記第1の積層体と前記第2の積層体を接合したものを、ホットプレートを用いて
所定の温度以上に加熱することにより、前記仮接合剤の接合効果を低減せしめて、前記第1の積層体から前記第2のダミー基板を剥離させることが好ましい。
また、前記バンプがAuからなるときは、前記第1の積層体の画素電極と前記第2の積層体の電極がバンプを各々挟むように押圧する際に、このバンプに対して所定周波数の超音波による振動を与えて加熱することも好ましい。
また、前記光電変換層を構成するCIGS膜は、多元蒸着法を用いるとともに、成膜の進行程度に伴い、第1段階は相対的に低温、第2段階は相対的に高温、第3段階は相対的に低温、というように温度制御される3段階成長方式を用いて、成膜されることが好ましい。
また、前記固体撮像素子がCMOSからなることが好ましい。
固体撮像素子の製造で、光電変換層であるCIGS膜の成膜を行う際に、信号読出回路を付設した半導体基板(特にCMOS基板)の上方にCIGS膜を形成しようとすると、CIGS膜の成膜処理時の熱によって半導体基板に付設された信号回路部が損傷を受けてしまう。
そこで、本発明の固体撮像素子の製造方法においては、膜転写技術(Layer Transfer
)を用いて、このような問題を解決している。
この膜転写技術は、高い温度を与えることが可能なダミー基板上に、十分に高い温度をかけて高品質なCIGS膜を成膜し、この後、ダミー基板を除去し、その代わりに、本来の信号読出回路を付設した半導体基板を接合することにより、CIGS膜の成膜処理時の熱によって、基板に付設された信号回路部が損傷を受けるという事態を回避する技術である。
すなわち、本発明方法においては、樹脂やフィルムの仮接合剤を用いた接合技術と、InやAuのバンプを用いた接合技術とを用いて、完成したCIGS膜を信号読出回路付き基板上に転写するようにしているので、高品質なCIGS膜をもつ感度の高い固体撮像素子を実現することができる。
なお、本発明方法においては、このような接合処理をすべて大気中で行うことが可能であり、製造コストを低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る方法により製造された固体撮像素子を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る固体撮像素子の製造方法のフロー(その1)を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る固体撮像素子の製造方法のフロー(その2)を示す概略図である。 図1に示す固体撮像素子の点線枠部分を拡大して示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る固体撮像素子の製造方法のフロー(その1)を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る固体撮像素子の製造方法のフロー(その2)を示す概略図である。 従来技術に係る固体撮像素子の製造方法を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態に係る固体撮像素子の製造方法について図面を用いて説明する。
まず、第1の実施形態および第2の実施形態に係る方法により製造された固体撮像素子を図1を用いて説明する。
図1に示すように、第1の実施形態にかかる固体撮像素子は、大きく分けると、基板部30、積層部10およびパッド部20からなり、基板部30上に積層部10が接合され、さらに積層部10上の一部にパッド部20が接合されている。
そして、対向する、基板部30の電極32と積層部10の各画素電極(18、19)との間には各々、球状のバンプ33が配されており、このバンプ33を上下方向から押圧することにより、基板部30と積層部10を接合する。
上記基板部30は、信号読出回路付き基板31の上にAu電極32およびInバンプ33を、順に形成してなる。
また、積層部10は、光電変換層として機能するCIGS膜13と、CIGS膜13の下部に画素電極(Cr膜18、Au膜19)を形成するとともに、CIGS膜13の上部に、バッファ層としてのGa2O3:Sn層14、N型半導体層としてのGa2O3層15、透明電極としてのITO層16を積層してなる。
さらに、パッド部20は、Cr膜18とAu膜19を、中間層10のITO層16上に、
この順に形成してなる(いわゆる金メッキを施してなる)。
そして、前述したように、画素電極(Cr膜18、Au膜19)とIn電極32がInバンプ33を介して接合される。
なお、2つのパッド電極42、42のうち一方は信号読出回路付き基板31の配線パターンに、他方はパッド部29のAu電極に各々接続されている(ワイヤボンディング)。また、上述した構成要素は、セラミックス材(またはプラスチック材)によりパッケージ51として構成されている。
<第1の実施形態の製造方法>
次に、第1の実施形態にかかる固体撮像素子の製造方法について図2および図3のフローを用いて、順に説明する。
(1)処理開始
まず、第1のダミー基板としてSi基板61を用意する。ここでは幅が4インチ、厚さ
が400μmの大きさのものを用いる。最終的には除去されるダミー基板であるから、不純
物濃度やN型かP型か等の内容的な条件は不問とされる。
(2)CIGS成膜処理
CIGS膜13を多元蒸着法による3段階成長方式で成膜する。
3段階成長方式では、バンドギャップを制御するために最初と最後の段階でInとGaを400℃以下の低温で成膜させ、中間ではCuとS(またはSe)を600℃以上の高温で成膜する。
なお、多元蒸着法による3段階成長方式に替えて、バイレイヤー法やセレン化法などを用いることもできる。
膜厚はトータルで1μm(500nm〜2μmの範囲であればよい)程度である。膜全体で
のCu,In,Ga,Sのモル比率は2:1:1:4とする。このCIGS膜13はP型半導体層と
して機能する。この方法では、Si上にCIGS膜13を成膜できるので、結晶性を上げることができる。
(3)Ga2O3:Sn、Ga2O3の成膜処理
続いてN型半導体層を成膜してp-n接合を形成する。N型半導体層(バッファ層として
機能するものも含む)としては、Ga2O3、Ga2O3:Sn、ZnO、CIGS:Zn、In2S3、Zn(Mg,O)、Zn(O,S)、CdS等からなる層を用いることが可能であり、所望の空乏層の形成に応じて選択し、これらを積層することもできる。本実施形態では、CIGS膜13内に空乏層を形成するために、バッファ層としても機能するGa2O3:Sn層14を1μm(2nm〜2μm)の厚みに成膜し
、その後、N型半導体層としてのGa2O3層15を1μm(2nm〜2μm)の厚みに成膜する。
(4)仮接合剤の塗布処理
ITO層16上に仮接合剤24を塗布する。ここでは紫外線硬化・温水剥離タイプの液状
の仮接合剤(例えば、電気化学工業製・テンプロック)をスピンコート法を用いて厚さが5μmとなるように塗布する。
(5)ダミーウエハの貼付処理
仮接合剤24を塗布した上に、第2のダミー基板として、4インチ、厚さ400μmの無ア
ルカリガラスからなるダミーウエハ21を貼り付け、5mW/cm2の紫外線を10秒間照射して
仮接合する。
(6)第1のダミー基板の研削処理
ダイヤモンドホイールを用いて最下層に位置する第1のダミー基板としてのSi基板61を、厚さが50μm程度になるまで研削する。ここでは、ダイヤモンドホイールの回転速度を毎分3000回転とし、研削量の最初の90%ではホイールの進行速度を毎秒5μmとし、仕上げの10%では進行速度を毎秒0.5μmとすることで、膜を剥離させることなしに研削可能である。
(7)XeF2エッチング処理
XeF2エッチングにより、研削処理の後に残されていた50μm厚程度のSi基板61を除去する。
エッチング条件は、XeF2圧力を3Torrとし、エッチング時間を30秒×100回とする。
この結果、最下層にCIGS膜13が露出する。
このように、本実施形態および第2の実施形態においては、XeF2がSiに対して顕著なエッチング効果を示すという特性を利用している。すなわち、本願発明者の実験によれば、XeF2はCIGS膜113に対しては非浸食的であるが、Siに対しては顕著な浸食性を有しているので、本実施形態のように、CIGS膜113は残し、Siのみを除去する必要がある場合に好適である。
(8)Au/Cr成膜処理
Si層61が除去されたCIGS膜13の下面にCr膜18およびAu膜19をスパッタリングにより成膜する(いわゆる金メッキを施す)。膜厚はそれぞれ100nm(50nm〜200nmの範囲で可)とする。
(9)Au/Cr膜にパターンを形成
画素分離を行うために、フォトリソグラフィーを用いて、Au膜119およびCr膜118に所定のパターニングを行う。ここでは16μm角の正方形パターンとし、ピッチを20
μmとする。膜厚1μmのフォトレジストでパターンを形成したのち、Au膜12およびC
r膜11に対するエッチング液を用いてエッチングし、CIGS膜13を露出させる。その後、剥離液を用いてフォトレジストを剥離する。
(10)バンプ接合処理
別途用意しておいた信号読出回路を設けたSi基板(信号読出回路付き基板)31に対し、CIGS膜13を設けた積層部10をバンプ接合する。なお、信号読出回路は図4に示す構成を有している。
なお、図4に示す信号読出回路付き基板31について説明するに、Si層31Aとその上方に位置する層間絶縁膜31Bとからなる。Si層31Aの上部には信号読み取り素子であるCMOSトランジスタ72が設けられており、CMOSトランジスタ72とAu電極(画素電極)とはビア71によって接続されている。なお、層間絶縁膜31B中には配線層が設
けられている(第2の実施形態においても同様である)。
ここでは、図1に示すAu電極32が基板31の表面に形成されている。さらにAu電極32の上には直径10μmのInバンプ33を形成する。このInバンプ33を150℃以上に加熱した状態で、Si基板(信号読出回路付き基板)31と積層部10に1バンプあたり0.1gf以下の圧力を加えて、基板部30と積層部10を接合する。接合後、上下基板間
の間隙に液状封止剤(接着効果を有する)を注入し、ホットプレートを用いて75℃に加熱し、60分間硬化させる。
(11)剥離処理
上述した(10)の処理で作製した接合体を、90℃の温水中に10分間程度浸すことで第2のダミー基板である、ダミーウエハ21を剥離する。
(12)ITO成膜、パッド処理
この後、ダミーウエハ21が除去された面上に、スパッタリングを用いて、ITO膜16
を成膜する。膜厚は30nm(10nm〜50nmの範囲で可)とする。さらに、Cr膜28およびAu膜29をITO膜16上の一部にスパッタリングを用いて成膜し、パッド電極20とする
(13)パッケージング処理、処理終了
完成した固体撮像素子(主要部)をセラミックスのパッケージ51内に実装し、2つのパッド電極42、42のうち一方は信号読出回路付き基板31の配線パターンに、他方は貫通電極22に、各々Au製のワイヤ41、41を用いて接続する(ワイヤボンディング)。
以上の方法を用いることにより、感度の高い固体撮像素子を作製することができる。
<第2の実施形態の製造方法>
次に、第2の実施形態に係る固体撮像素子の製造方法について図5および図6を用いて説明する。なお、第2の実施形態の各要素に付した符号は、それに対応する上記第1の実施形態の各要素に付した符号に100を加えて表す。
(1)処理開始
まず、第1のダミー基板としてSi基板161を用意する。ここでは幅が4インチ、厚
さが400μmの大きさのものを用いる。最終的には除去されるダミー基板であるから、不
純物濃度やP型かN型か等の内容的な条件は不問とされる。
(2)CIGS成膜処理
CIGS膜113を多元蒸着法による3段階成長方式で成膜する。
3段階成長方式では、バンドギャップを制御するために最初と最後の段階でInとGaを400℃以下の低温で成膜させ、中間ではCuとS(またはSe)を600℃以上の高温で成膜する。
なお、多元蒸着法による3段階成長方式に替えて、バイレイヤー法やセレン化法などを用いることもできる。
膜厚はトータルで1μm(500nm〜2μmの範囲であればよい)程度である。膜全体で
のCu、In、Ga、Sのモル比率は2:1:1:4とする。このCIGS膜113はP型半導体層
として機能する。この方法では、Si上にCIGS膜113を成膜できるので、結晶性を上げることができる。
(3)Ga2O3:Sn、Ga2O3の成膜処理
続いてN型半導体層を成膜してp-n接合を形成する。N型半導体層(バッファ層として
機能するものも含む)としては、Ga2O3、Ga2O3:Sn、ZnO、CIGS:Zn、In2S3、Zn(Mg,O)、Zn(O,S)、CdS等からなる層を用いることが可能であり、所望の空乏層の形成に応じて選択したり、これらを積層することもできる。本実施形態では、CIGS膜113内に空乏層を形成するため、まず、バッファ層としても機能するGa2O3:Sn層114を1μm(2nm〜2μm)の
厚みに成膜し、その後、N型半導体層としてのGa2O3層115を1μm(2nm〜2μm)の厚みに成膜する。
(4)仮接合剤の塗布処理
ITO層116上に仮接合剤124を貼付する。ここでは熱剥離タイプの仮止めフィルム
(例えば、日東電工製・リバアルファ)を貼り付ける。
(5)ダミーウエハの貼付処理
仮接合剤124を貼付した上に、第2のダミー基板として、4インチ、厚さ400μmの無
アルカリガラスからなるダミーウエハ121を貼り付け、仮接合する。
(6)第1のダミー基板の研削処理
ダイヤモンドホイールを用いて最下層に位置する第1のダミー基板としてのSi基板161を、厚さが50μm程度になるまで研削する。ここでは、ダイヤモンドホイールの回転速度を毎分3000回転とし、研削量の最初の90%ではホイールの進行速度を毎秒5μmとし、仕上げの10%では進行速度を毎秒0.5μmとすることで、膜が剥離することなしに研削可能である。
(7)XeF2エッチング処理
XeF2エッチングにより、研削処理の後に残されていた50μm厚程度のSi基板161を除去する。
エッチング条件は、XeF2圧力を3Torrとし、エッチング時間を30秒×100回とする。
この結果、最下層にCIGS膜113が露出する。
(8)Au/Cr成膜処理
Si層161が除去されたCIGS膜113の下面に、Cr膜118およびAu膜119をスパッタリングにより成膜する(いわゆる金メッキを施す)。膜厚はそれぞれ100nm(50nm〜200nmの範囲で可)とする。
(9)Au/Cr膜にパターンを形成
画素分離を行うため、フォトリソグラフィーを用いて、Au膜119およびCr膜118に所定のパターニングを行う。ここでは16μm角の正方形パターンとし、ピッチを20μmとした。膜厚1μmのフォトレジストでパターンを形成した後、Au膜112およびCr膜111をエッチング液を用いてエッチングし、CIGS膜113を露出させる。その後、剥離液を用いてフォトレジストを剥離する。
(10)バンプ接合処理
別途用意しておいた信号読出回路を設けたSi基板(信号読出回路付き基板)131に対し、CIGS膜113を設けた基板をバンプ接合する。なお、信号読出回路は上記第1の実施形態と同様に、図4に示す構成を有しており、図中に示すAu電極132が基板131の表面に形成されている。さらにAu電極132の上には直径が10μmの球状のAuバン
プ133が形成されている。
このAuバンプ133を、室温の状態で、上下基板に圧力を1バンプあたり0.5gf以下加えながら振幅1μm、周波数50kHzの超音波を与えて接合する。接合後、CIGS膜113とS
i基板(信号読出回路付き基板)131の間の隙間に液状封止剤(接着剤)を注入し、ホ
ットプレートを用いて75℃に加熱し、60分間にわたり硬化させる。
なお、InはAuと比べて軟化する温度が低く、加熱温度をそれほど高くしなくてもよいので、基板131の信号読出回路に対して悪影響を及ぼす虞は低い。
その一方、第1の実施形態で用いられるバンプ133は、Au製であり、Auを軟化させるには大きなエネルギーを要するから、ホットプレートを用いた加熱ではなく、超音波振動により局所的に温度を上げて軟化させるようにしている。
(11)剥離処理
上述した(10)の処理で作製した接合体を、ホットプレート上に載せ、ホットプレートの温度を150℃まで上昇させ、仮接合剤124としての仮止めフィルムおよびダミー基
板121を剥離する。
(12)ITO成膜、パッド処理
この後、ダミーウエハ121が除去された面上に、スパッタリングを用いてITO膜11
6を成膜する。膜厚は30nm(10nm〜50nmの範囲で可)とする。さらに、Cr膜128およびAu膜129をITO膜116上の一部にスパッタリングを用いて成膜し、パッド電極1
20とする。
(13)パッケージング処理、処理終了
完成した固体撮像素子(主要部)をセラミックスのパッケージ151内に実装し、2つのパッド電極142、142のうち一方は信号読出回路付き基板131の配線パターンに、他方はパッド電極120のAu膜122に、各々Au製のワイヤ141、141を用いて接続する(ワイヤボンディング)。
以上の方法を用いることにより、感度の高い固体撮像素子を作製することができる。
<変更態様>
本発明の固体撮像素子およびその製造方法としては、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、CIGS層の上方に、バッファ層、N型半導体層、仮接合剤およびダミー基板を設けるように設定されているが、これらの間に他の層、例えばCIGS層以外にP型半導体層を設けるようにしてもよい。また、上記バッファ層をN型半導体層に含めるようにしてもよい。
また、「上方に」という用語を用いるときは、直上に、という意味のみならず、間に他の層を介して間接的にという意味を含めるものとする。
また、本発明方法において、第1の積層体と第2の積層体の作製は、いずれを先に行ってもよいし、両者を同時に行ってもよい。
上記実施形態においては、接合剤としてAuやInからなるバンプを用いているが、融点の低い金属であれば、その他の金属を用いることが可能である。
また、ダミー基板はSiによるものでなくてもよいが、エッチングによって除去できるものであることが好ましい。
また、信号読出回路付き基板に付設される電極はAu電極であれば酸化されない等の利点があるが、例えばIn電極等の他の電極を用いることも可能である。
1 固体撮像素子
10、110 積層部
13、113、213 CIGS膜(光電変換膜)
14、114 Ga2O3:Sn層(バッファ層)
15、115 Ga2O3層(N型半導体層)
16、116、216 ITO層
18、28 Cr膜
19、29 Au層
20、120 パッド部
21、121 ダミーウエハ
24、124 仮接合剤
28、128 Cr膜
29、129 Au膜
30、130 基板部
31、131、231 信号読出回路付き基板
31A Si層
31B 層間絶縁膜
32、132 Au電極
33 Inバンプ
34、134 液状封止剤
41、141 ワイヤ
42、142 パッド電極
51、151 パッケージ
61、161 Si基板
71 ビア
72 CMOSトランジスタ
73 配線層
133 Auバンプ
215 i-ZnO層(N型半導体層)
219 CdS層(バッファ層)
232 Mo電極

Claims (7)

  1. 信号の読出処理を行う信号読出回路を付設した半導体基板の上方にCIGSからなる光電変換層を具備する固体撮像素子の製造方法において、
    前記半導体基板とは異なる第1のダミー基板の上方に前記光電変換層を所定の温度に設定した状態で成膜し、この光電変換層の上方に、少なくとも、N型の半導体層、仮接合剤および第2のダミー基板を積層して第1の積層体を作製し、
    次に、前記第1の積層体における前記第1のダミー基板を除去し、このダミー基板が除去された該第1の積層体の面に画素電極層を成膜するとともにこの画素電極層を所定のパターニングにより複数の画素電極に分離し、
    別途、信号読出回路を付設した前記半導体基板の上方に、分離された前記画素電極の各々に対向するように配された基板側電極を形成して第2の積層体を作製し、
    この後、前記第1の積層体の画素電極と前記第2の積層体の電極を接合用のバンプを各々挟むように配設し、このバンプをつぶすように、これら2つの積層体を押圧することにより、前記第1の積層体と前記第2の積層体をバンプ接合し、
    次に、前記第2のダミー基板を剥離させる剥離処理を行うことにより、固体撮像素子を作製することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  2. 前記光電変換層はSi層上に成膜されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子の製造方法。
  3. 前記仮接合剤が液状とされており、前記第2のダミー基板の剥離処理においては、前記第1の積層体と前記第2の積層体を接合したものを、所定の温度以上の液体内に収容することにより、前記仮接合剤の接合効果を低減せしめて、前記第1の積層体から前記第2のダミー基板を剥離させることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子の製造方法。
  4. 前記仮接合剤がシート状とされており、前記第2のダミー基板の剥離処理においては、前記第1の積層体と前記第2の積層体を接合したものを、ホットプレートを用いて所定の温度以上に加熱することにより、前記仮接合剤の接合効果を低減せしめて、前記第1の積層体から前記第2のダミー基板を剥離させることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子の製造方法。
  5. 前記バンプがAuからなるときは、前記第1の積層体の画素電極と前記第2の積層体の電極がバンプを各々挟むように押圧する際に、このバンプに対して所定周波数の超音波による振動を与えて局部的に加熱することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子の製造方法。
  6. 前記光電変換層を構成するCIGS膜は、多元蒸着法を用いるとともに、成膜の進行程度に伴い、第1段階は相対的に低温、第2段階は相対的に高温、第3段階は相対的に低温、というように温度制御される3段階成長方式を用いて、成膜されることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子の製造方法。
  7. 前記固体撮像素子がCMOSからなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子の製造方法。
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