JP6465635B2 - コイル巻線装置及び多層パンケーキコイルの巻線方法 - Google Patents

コイル巻線装置及び多層パンケーキコイルの巻線方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば核融合装置、超伝導エネルギー貯蔵装置、加速器用電磁石等に使用され超伝導コイル或いは常電導コイルなどの製造に用いられるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に関する。
核融合装置、超伝導エネルギー貯蔵装置等において、超伝導コイルを用いることにより、装置自身の発生ロスを減らし、効率よくエネルギーを発生又は貯蔵することが可能となるが、そのためには安定で信頼性の高い超伝導コイルを製作する必要がある。ところが、超伝導コイルが大型化すると、コイルにかかる電磁力は強大なものとなり、その機械的な支持が問題となる。また、高精度の磁場を発生する必要があるトカマク型、ヘリカル型、あるいはミラー型等の磁気閉込め型核融合装置では、単にコイルが電磁力に耐えるだけでなく、コイル通電中においてコイルの変形が小さくなるように、十分な剛性をコイル自身に持たせる必要がある。そこで、最近ではコイル自身の剛性を高め変形し難いコイルを実現するために、金属性のコンジットの中に多数の細い超伝導線を収納し(ケーブルインコンジット)、コンジット内に超臨界ヘリウム等の冷媒を強制的に流すようにした強制冷却方式の導体が開発され、その適用例が増えてきている。
このような強制冷却方式の導体を用いて超伝導コイルを作る場合、ダブルパンケーキコイルを単位としてこれを1つまたは複数個組合せる構成が多く採用される。ここで、ダブルパンケーキコイルとは、パンケーキコイル(蚊取り線香型に巻かれたコイルの形からそう呼ばれる)を、最初から2枚分が一緒に作られたコイルである。このようにすると、コイルの内径側で導体を接続しないことから、特性の優れたコイルを作ることができる。
更に、核融合装置用の中心ソレノイドコイルなどのように導体接続のための余分な空間を極力少なくするため、多数のダブルパンケーキを導体接続せずに1本の導体で製作する必要があるケースがある。また、加速器用電磁石の水冷導体を用いたコイルでは、導体をパンケーキ巻きし、内周側あるいは外周側等でロー付などにより、導体を接続し、多層のパンケーキコイルを製作する。
このような多層のダブルパンケーキコイルを製作する従来の技術として、円筒状に仮り巻きされた線材を中間部から分け、この中間部から一端部側の線材を曲げ機構で線材曲率を変化させながら繰り出し、同一平面上において内周側から形を保持しつつ渦巻状に巻き付けて一層目のコイル部を成形し、この一層目のコイル部の成形が完了すると、同コイル部を反転して、この一層目のコイル部に重ねて中間部から他端側の線材を前記と同じく線材曲率を変化させながら内周側から形を保持しつつ渦巻状に巻き付けて二層目のコイル部を成形するダブルパンケーキ形コイル巻取り方法を採用することによって、円筒状に仮り巻きされているコイルから、直接、ダブルパンケーキ形状のコイルの成形が行えるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平11−135319号公報(第1頁、図6)
特許文献1のように、導体の中間から巻き始める方法では、2層を超えるパンケーキ形コイルの巻線が可能ではあるが製造の手順が長く複雑であり、巻線装置も大型かつ複雑なものとなるため、多数層のパンケーキ形コイルを導体接続を行わずに製作することは困難であるという問題点があった。
上述のケーブルインコンジット導体の接続は、コンジット内のケーブル同士を重ね合わせて接続し、機械的に強固にクランプした上で両導体のコンジットを繋ぎ合せて、ヘリウム等を封止する構造が必要である。この超電導導体の接続を2層ごとに導体接続を行うと、超電導コイルでは接続構造のための特別なスペースが必要となり、コイルの全体のターン数を制限し、コイル性能を下げることになる。また、常電導の水冷コイルでは、中空導体を使用して製作するが、ロー付などの接続部において、ロー付欠陥、腐食などにより水漏れが発生し、装置が使えなくなるなどの品質上のリスクを含むことになる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、構成が簡素で、導体から多数層のパンケーキ形コイルへの成形が容易で、内周側及び外周側とも導体の接続部を設けずに多層コイルを得ることができるコイル巻線装置、及び多層コイルの巻線方法を提供することを目的としている。
本発明に係るコイル巻線装置は、導体を巻回してコイルに成形する巻枠を備えたコイル巻線装置であって、前記巻枠は、前記コイルの中心側の形状を規定する巻芯部と、この巻芯部の一端部に配設されて該巻芯部を立設状態に保持する巻枠基部と、この巻枠基部上における前記巻芯部の周りに配設され、巻回時に前記導体を係止する導体係止部が、前記コイルの外周側から内周側に向けて渦巻状で、かつ、周方向に沿って傾斜した階段状に形成されて成り、しかも、所定時に分割して、前記巻芯部から取り外し可能に形成された複数のブロックからなるコイル成形部と、を備えたものであり、前記巻芯部は前記巻枠基部に対して着脱可能に保持されて成り、前記コイル成形部は、周方向に複数に分割して形成され、前記巻芯部を前記巻枠基部から取り外した状態において、少なくとも1つは単独で前記コイルの径方向内側に取り外し可能に形成された第1ブロックと、この第1ブロックの取り外しにより前記コイルの径方向内側に取り外し可能な第2ブロックと、を用いて構成されているものである。
また、本発明に係る多層パンケーキコイルの巻線方法は、前述のコイル巻線装置を用い、層方向に隣り合う一方のコイルを外周側から内周側に向けて巻回する際には前記コイル巻線装置のコイル成形部を用いて導体を該コイル成形部の導体係止部に巻回する過程を含む第1の巻回工程を行い、層方向に隣り合う他方のコイルを内周側から外周側に向けて巻回する際には前記コイル成形部を取り外した状態で前記第1の巻回工程を経た内周側のコイル端部から前記コイル巻線装置の巻芯部に対して外周端まで順次重ねて巻回する過程を含む第2の巻回工程を行う操作を順次繰り返すことにより、前記導体から内外周部共に接続部のない2層または2層以上の多層パンケーキコイルを成形加工することを特徴とするものである。
本発明のコイル巻線装置によれば、構成が簡素であるため複雑な手順を要することなく、長尺の導体から2層以上の多数層のコイルへの成形を内外周とも導体の接続部を設けずに容易に行うことができる。そのため、製作時間を短縮できるだけでなく、例えば超電導コイルに適用した場合には導体接続スペースの削減につながり、コイル剛性を高くでき、接続による抵抗増加が抑えられ、信頼性の高いコイルとすることができる。また、常電導コイルに適用した場合においても、接続部がないことで水漏れの恐れがなくなり品質を安定させることが出来る。そして、コイル成形部を構成する複数のブロックをコイルの内周側に取り外すようにしたので、コイル成形部に巻回されたコイルを成形する際に、一旦持ち上げる動作が不要になるため、成形の作業性が改善されるという効果が得られる。
また、本発明の多層パンケーキコイルの巻線方法によれば、構成が簡素であるため複雑な手順を経ることなく、長尺の導体から内外周とも導体の接続部のない2層以上の信頼性の高い多数層のパンケーキコイルへの成形を容易に行うことができ、製作時間も短縮できる。
本発明の実施の形態1によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す斜視図。 図1に示された巻枠の平面図。 図1に示された巻枠の外周部から導体を巻付けるときの動作を概念的に説明する斜視図。 図1に示された巻枠の内周部まで巻回されたときの状態を説明する側面断面図。 図1に示された巻枠による1層目の巻回が終わった後、層間渡りの成形を行い、成形済みのターンを持ち上げて1層目を円盤状のコイルにした状態を示す側面断面図。 図5の過程の後、コイル成形部を構成する第1のブロック及び第2のブロックを巻芯部から径方向外側に取り外したときの動作を説明する図。 本発明の実施の形態1によるコイル巻線装置によって2層目の巻回を行う工程を説明する側面断面図。 本発明の実施の形態1によるコイル巻線装置によって3層目の巻回を行う工程を説明する側面断面図。 図8の工程の後、コイル成形部を構成する第1のブロックを巻芯部から径方向外側に取り外すために3層目のコイルの図における右側部分を持ち上げた状態での動作を説明する側面断面図。 本発明の実施の形態2によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す断面図。 本発明の実施の形態3によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面断面図。 本発明の実施の形態4によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す平面図。 図12に示す実施の形態4によるコイルの変形例を概念的に示す平面図。 図12に示す実施の形態4によるコイルの他の変形例を概念的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は図14(a)のI−I線における断面図。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す斜視図、図2は図1に示された巻枠の平面図である。図において、コイル巻線装置は、長尺の導体4(後述の図4に図示)をコイル状に成形する巻枠10を備え、その巻枠10は、ここでは円筒状の巻芯部1と、巻芯部1の図における下端部に配設されて、その巻芯部1を立設状態に保持するドーナツ形の板状ないしは鍔状に形成された巻枠基部2と、この巻枠基部2の上面において巻芯部1の周りを囲むように配設され、巻回時に導体4を径方向及び層方向に係止する導体係止部31が、コイルの外周側から内周側に向けて一筋の渦巻状で、かつ、周方向に沿って傾斜した階段状に形成され、さらにここでは分割面L1、L2において周方向に2つに分割可能に形成された第1のブロック3A及び第2のブロック3Bを用いて構成されたコイル成形部3を備えている。なお、導体係止部31における最内周部は、巻線時に巻芯部1の外周面が導体4を径方向に係止するように構成されている。
導体4は例えば超伝導線などであるが、その用途や種類、材質、断面形状、断面の構成などは何れも特に限定されるものではない。コイル成形部3は、多層コイルの巻線の過程で巻芯部1から第1のブロック3A及び第2のブロックを取り外し、あるいは巻芯部1に取り付けて組み立てることが可能である。また、コイル成形部3は、組立てた状態ではバベルの塔の坂道、あるいは渦巻状の蚊取り線香の中心部を持ち上げたときのような形状をしている。図2に示すように、導体係止部31は、巻芯部1の周りを1周する都度、隣のターンに移るための渡り形状に合わせたターン渡り部31aが形成され、最内周側端部31bにおいては、導体4に対して後述する層間渡り5a(図5に図示)が成形加工される。外周端部の近傍における巻枠基部2には導体係止部31から取り出す導体端部を固定するための導体固定部21が設けられている。巻芯部1はコイルの中心側の形状を規定するものであり、巻枠基部2に固定され、あるいは着脱可能に固定されている。その巻芯部1の形状は特に円形に限定されるものではない。なお、巻枠10は図示省略している駆動装置によって巻芯部1の軸心O(後述の図4に図示)の周りに回転駆動される。
次に、図3から図9を用いて実施の形態1の動作について説明する。なお、図3は図1に示された巻枠の外周部から導体を巻付けるときの動作を概念的に説明する斜視図、図4は図1に示された巻枠の内周部まで巻回されたときの状態を説明する側面断面図である。通常、コイルのリードはコイル外周側から取り出すことが多く、ここではリードをコイル外周側とし、1層目を外周側から巻き始める第1の巻線工程について説明する。図2の導体固定部21で導体4の一端部を固定し、巻枠10を軸心Oの周りに矢印Aの方向に回転させながら、図3に示すように導体4をコイル成形部3の導体係止部31に係合させつつ矢印Bの方向に供給して、導体4の成形を行う。導体4は螺旋状の坂道を上るように巻枠10の導体係止部31に巻回され、図4のように内周のターンまで巻取成形される。途中、あるターンからその隣の内周ターンに移るターン渡り部31aではターン渡りのための成形を行う。なお、図3において、供給する導体4は直線で図示しているが、供給方向を模式的に示しているに過ぎず、曲線状でも良いことは勿論である。
図5は図1に示された巻枠による1層目の巻回が終わった後、層間渡りの成形を行い、成形済みのターンを持ち上げて1層目を円盤状のコイルにした状態を示す側面断面図、図6は図5の過程の後、コイル成形部3を構成する第1のブロック3A及び第2のブロックを巻芯部1から径方向外側に取り外したときの動作を説明する図、図7は本発明の実施の形態1によるコイル巻線装置によって2層目の巻回を行う工程を説明する側面断面図である。
多層コイル5(図8、図9に図示)の1層目のコイル(パンケーキコイル)51の巻線が図4に示すように終わると、図5に示すように、層間渡り5aの成形を行い、更に導体固定部21を取り外した後、コイル成形部3から成形済みの1層分のターンを持ち上げて円盤状に揃える。次いで、分割構造の第1のブロック3A及び第2のブロック3Bを巻芯部1から図6の矢印C1、C2のように径方向外側に取り外した後、図6の矢印Dの方向に1層目のコイル51を巻枠基部2の上に降ろす。
その後、図7に示すように、2層目のコイル52を成形する第2の巻線工程では、1層目のコイル51の層間渡り5aの成形を行った部分に続けて、導体4を巻芯部1の外周面に、1層目のコイル51に隣接するように巻回して内周ターンを成形した後、その内周ターンの外周面に導体4を巻き付けて外周ターンに向かってコイルを巻回する。この第2の巻線工程は内周のターンに乗り上げながら実施できるので、通常の巻線である。
図8は本発明の実施の形態1によるコイル巻線装置によって3層目の巻回を行う工程を説明する側面断面図、図9は図8の工程の後、コイル成形部3を構成する第1のブロック3Aを巻芯部1から径方向外側に取り外すために3層目のコイルの図における右側部分を持ち上げた状態での動作を説明する側面断面図である。
2層目のコイル52の巻線工程が終わると、3層目に渡る層間渡りを成形し、図8に示すように巻枠基部2上に1層目のコイル51と2層目のコイル52を介して第1のブロック3A及び第2のブロック3Bからなるコイル成形部3を再度設置する。そして、3層目は1層目と同様に、コイル成形部3の導体係止部31の坂道を上るように、外周側から内周側に向けて3層目のコイル53を巻回する。
図8のように3層目の巻線が終わると、4層目に渡る層間渡り5aを図9に示すように成形し、第1のブロック3A及び第2のブロック3Bを取り外す操作を行う。このとき、図8、図9に示す状態では図面の奥側におけるターン渡り部31a(図2に図示)の外周端部側の位置に、2層目から3層目に渡る層間渡りが存在しているので、パンケーキコイル形に成形された3層目のコイル53全体を図5のように持ち上げることが出来ない。そのため、先ず、2層目から3層目に渡る層間渡りが無い、ここでは図の右側を図9のように持ち上げ(各ターンを傾けて、層間渡りの部分とは反対側を持ち上げる)、持ち上げた隙間から、第1のブロック3Aを矢印E方向に取り出す。そして、第2のブロック3Bは第1のブロック3Aを取り出した側に回しこんで、第1のブロック3Aを取り出した方向と同じ方向に取り出す。
前記のように第1、第2のブロック3A、3Bを取り出した後、3層目のコイル53を2層目のコイル52の上に降ろす。なお、各ターンの片側を持ち上げる操作は、径の大きいコイルでは導体4に与える歪も小さく、無理なく行うことが出来る。
以上の手順を順次繰り返すことにより、多数層のパンケーキコイルを内周部及び外周部共に導体接続せずに巻回して、所望の多数層のパンケーキコイルが成形される。
上記のように、実施の形態1のコイル巻線装置においては、長尺の導体4をコイル状に成形する巻枠10として、コイルの中心側の形状を規定する巻芯部1と、巻芯部1の一端部に配設されて該巻芯部1を立設状態に保持する巻枠基部2と、この巻枠基部2上における巻芯部1の周りに配設され、巻回時に導体4を径方向及びその径方向に直交する層方向に係止する導体係止部31が、コイルの外周側から内周側に向けて一筋の渦巻状で、かつ、周方向に沿って傾斜した階段状に形成されて成り、しかも、所定時に分割して、前記巻枠基部2から取り外し可能に形成された複数のブロックからなるコイル成形部3と、を備えるようにしたものである。
この実施の形態1のコイル巻線装置によれば、構成が簡素であるため複雑な手順を経ることなく、長尺の導体4から2層以上の多数層のコイルへの成形を容易に行うことができる。また、1本の導体4からコイルの内外周とも導体4の接続部を設けずに成形できるので、コイル製作の作業性が大幅に改善され製作時間も短縮されるので、製作コストなども大きく改善することができる。また、例えば超電導コイルに適用した場合には導体接続スペースの削減につながり、コイル剛性を高くでき、接続による抵抗増加が抑えられ、信頼性の高いコイルとすることができる。また、常電導コイルに適用した場合においても、接続部がないことで水漏れの恐れがなくなり品質を安定させることが出来るなどの顕著な効果を得ることができる。
また、実施の形態1の多層コイルの巻線方法は、層方向に隣り合う一方のコイルを外周側から内周側に向けて巻回する際には前記巻線装置のコイル成形部3を用いて導体4を該コイル成形部3の導体係止部31に巻回する過程を含む第1の巻回工程を行い、層方向に隣り合う他方のコイルを内周側から外周側に向けて巻回する際には前記コイル成形部3を取り外した状態で前記第1の巻回工程を経た内周側のコイル端部から前記巻線装置の巻芯部1に対して外周端まで順次重ねて巻回する過程を含む第2の巻回工程を行う操作を繰り返すことにより、長尺の導体4から内外周部共に接続部のない2層または2層以上の多層コイルを成形加工するようにしたものである。
この実施の形態1の多層コイルの巻線方法によれば、構成が簡素であるため複雑な手順を経ることなく、長尺の導体4から2層以上の多数層のパンケーキ形コイルへの成形を容易に行うことができるという効果を得ることができる。また、1本の導体4からコイル5の内外周とも接続部を設けずに成形できるので、コイル製作の作業性が大幅に改善され製作時間も短縮されるので、製作コストなども大きく改善することができる。
実施の形態2.
図10は本発明の実施の形態2によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す断面図である。図において、コイル成形部3は、図2に示す分割面L1、L2と同様の周方向に分割するための分割面L1(図示されていない)、及び分割面L2に加えて、層方向に分割するための分割面L3においても分割可能な、第1のブロック3C、第2のブロック3D、第3のブロック3E、及び第4のブロック3F、の4つのブロックによって構成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように構成された実施の形態2においては、分割面L3において層方向にも分割可能としたことにより、1つのブロックの厚さを薄くできるため、図8のコイル成形部3を取り出す場合におけるターン片側の持ち上げ量が少なくてもブロックの取り外し操作を更に容易にできるという効果が得られる。また、成形するコイルの大きさが小さい場合でも成形作業を容易にできるという効果が得られる。
実施の形態3.
図11は本発明の実施の形態3によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。なお、この実施の形態3は、巻芯部1を巻枠基部2から取り外した状態で、複数のブロックからなるコイル成形部3をコイルの内周側に取り外すようにしたものである。図11において、巻枠10Aを構成する巻芯部1は、巻枠基部2に対して着脱自在に固定されている。そして、外観は実施の形態1と同様に形成されたコイル成形部3は、複数の所定の分割面L4において周方向に分割して形成されており、ここでは単独でコイルの径方向内側に取り外し可能に形成された第1ブロック3Gを構成する4つのブロック3G1〜3G4と、第1ブロック3Gの一つまたは複数を取り外すことによってコイルの径方向内側に取り外し可能な第2ブロック3Hを構成する4つのブロック3H1〜3H4によって構成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように構成された実施の形態3においては、例えば1層目のパンケーキコイルが図4のように巻回され、層間渡りを形成した後、まず、図11(b)に示すように、中心の巻芯部1を矢印Fの方向に取り外す。その後、第1ブロック3Gを構成する4つのブロック3G1〜3G4を矢印Gの方向にずらし、中心部分から抜き取る。その後、第2ブロック3Hを構成する4つのブロック3H1〜3H4を矢印Hの方向にずらし、中心部から抜き取る。このようにコイル成形部3を取り外し、巻き終わったパンケーキコイル(図示省略)を巻枠基部2の上に降ろすことによって、その層の巻線を終わらせることが出来る。2層目のコイルを巻回するときは、巻芯部1を巻枠基部2に固定した後、実施の形態1の図7と同様に内周側から外周側に巻回する。以降、多層に巻回する場合は、その2層目のコイルの上に第1ブロック3Gと第2ブロック3Hからなるコイル成形部3を組み立て、外周側から3層目のコイルを巻回する動作を1層目と同様に行うことにより任意の多数層のコイルを成形することが出来る。
上記のように実施の形態3によれば、コイル成形部3を構成する複数のブロックをコイルの内周側に取り外すようにしたので、コイル成形部3に巻回されたパンケーキコイルを円盤状に成形する際に、一旦持ち上げる動作が不要になるため、成形の作業性が改善されるという効果が得られる。また、3層目のパンケーキコイルの成形が終わった後、コイル成形部3を構成する複数のブロックを取り外す際に、2層目と3層目のコイル間の外周端部に設けられた層間渡りの部分と取り外すブロックとが干渉することがないので、成形の作業性が更に改善されるという効果が得られる。
実施の形態4.
図12は本発明の実施の形態4によるコイル巻線装置及び多層コイルの巻線方法に用いる巻枠を概念的に示す平面図、図13は図12に示す実施の形態4によるコイルの変形例を概念的に示す平面図、図14は図12に示す実施の形態4によるコイルの他の変形例を概念的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は図14(a)のI−I線における断面図である。なお、この実施の形態4は、外観形状が円形以外の各種の形状で、コイル内部の層構造が実施の形態1と同様に巻回されている多層コイル巻線にも適用することが出来ることを例示するものである。
まず、図12は角型のコイルの巻線に適用する場合の、巻枠10Bの構造を示したものである。図において、巻枠10Bのコイル成形部3は、巻枠基部2上における巻芯部1の周りに配設され、巻回時に長尺の導体を径方向及びその径方向に直交する層方向に係止する導体係止部31が、コイルの外周側から内周側に向けて一筋の渦巻状で、かつ、周方向に沿って傾斜した階段状に形成され、所定時に分割面L5において分割して巻枠基部2から取り外し可能な4つのブロック3I、3J、3K、3Lからなっている。なお、本書において、円形のコイル及び円形以外のコイルにおいて、コイルの中心側から外周側または外周側から中心側へ向かう方向を「径方向」と呼ぶ。
図12のように長方形状のコイルの場合でも実施の形態1〜3と同様の手順、手法で多層コイルを得ることができる。即ち、層方向に隣り合う一方のコイルを外周側から内周側に向けて巻回する際には巻線装置のコイル成形部3を用いて長尺の導体をコイル成形部3の導体係止部31に巻回する過程を含む第1の巻回工程を行い、層方向に隣り合う他方のコイルを内周側から外周側に向けて巻回する際にはコイル成形部3を取り外した状態で前記第1の巻回工程を経た内周側のコイル端部から巻線装置の巻芯部1に対して外周端まで順次重ねて巻回する過程を含む第2の巻回工程を行う操作を繰り返すことにより、長尺の導体から内外周部共に接続部のない2層または2層以上の多層コイルを成形加工することができる。
更に、図13に示す変形例は加速器の偏向電磁石のコイルのように外観が円弧状(バナナ型)の多層コイル5Aであるが、この場合においても、巻枠(図示省略)を略同様に構成して適用できることは明らかである。なお、多層コイル5Aの周方向の一部(図における下側の部分)が、コイルの中心部に対して凹んだ部分を有する構造となっているが、当該個所については、例えば、コイル成形部の外側に前記凹んだ部分の形状に対応した凸形の曲面を有する成形補助部材(図示省略)を配置して線材を曲げ加工することで、特別な支障なく成形することができる。
更にまた、図14に示す他の変形例は核融合装置用の磁場補正コイルとして用いられる多層コイル5Bであり、図14(b)にI−I線における断面図として示すように断面形状が湾曲したものであるが、このような形状の多層コイルに対しても本発明は適用可能であることは明らかである。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 巻芯部、2 巻枠基部、21 導体固定部、3 コイル成形部、
3A 第1のブロック、3B 第2のブロック、3C 第1のブロック、
3D 第2のブロック、3E 第3のブロック、3F 第4のブロック、
3G(3G1〜3G4) 第1ブロック、3H(3H1〜3H4) 第2ブロック、
3I、3J、3K、3L ブロック、31 導体係止部、31a ターン渡り部、
31b 最内周側端部、4 導体、5、5A、5B 多層コイル、5a 層間渡り、
51 1層目のコイル(パンケーキコイル)、52 2層目のコイル、
53 3層目のコイル、10、10A、10B 巻枠、
L1、L2、L3、L4、L5 分割面、O 軸心。

Claims (4)

  1. 導体を巻回してコイルに成形する巻枠を備えたコイル巻線装置であって、前記巻枠は、前記コイルの中心側の形状を規定する巻芯部と、この巻芯部の一端部に配設されて該巻芯部を立設状態に保持する巻枠基部と、この巻枠基部上における前記巻芯部の周りに配設され、巻回時に前記導体を係止する導体係止部が、前記コイルの外周側から内周側に向けて渦巻状で、かつ、周方向に沿って傾斜した階段状に形成されて成り、しかも、所定時に分割して、前記巻芯部から取り外し可能に形成された複数のブロックからなるコイル成形部と、を備えたものであり、前記巻芯部は前記巻枠基部に対して着脱可能に保持されて成り、前記コイル成形部は、周方向に複数に分割して形成され、前記巻芯部を前記巻枠基部から取り外した状態において、少なくとも1つは単独で前記コイルの径方向内側に取り外し可能に形成された第1ブロックと、この第1ブロックの取り外しにより前記コイルの径方向内側に取り外し可能な第2ブロックと、を用いて構成されていることを特徴とするコイル巻線装置。
  2. 前記導体係止部は前記巻芯部の周りを1周する都度、隣のターンに移るためのターン渡り部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコイル巻線装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたコイル巻線装置を用い、層方向に隣り合う一方のコイルを外周側から内周側に向けて巻回する際には前記コイル巻線装置のコイル成形部を用いて導体を該コイル成形部の導体係止部に巻回する過程を含む第1の巻回工程を行い、層方向に隣り合う他方のコイルを内周側から外周側に向けて巻回する際には前記コイル成形部を取り外した状態で前記第1の巻回工程を経た内周側のコイル端部から前記コイル巻線装置の巻芯部に対して外周端まで順次重ねて巻回する過程を含む第2の巻回工程を行う操作を順次繰り返すことにより、前記導体から内外周部共に接続部のない2層または2層以上の多層パンケーキコイルを成形加工することを特徴とする多層パンケーキコイルの巻線方法。
  4. 前記第1の巻回工程は、前記導体係止部の内周端部で層間渡りを成形加工する過程と、巻回された1層分のコイルを前記導体係止部から外した後、前記コイル成形部を構成するブロックを取り外す過程とを含み、
    前記第2の巻回工程は、前記巻線装置の巻芯部に対して前記層間渡りの部分に連続させて内周側のターンを巻回した後、その内周側のターンの上に順次重ねて外周端まで巻回する過程と、必要に応じて前記コイルの外周端部で層間渡りを成形加工する過程と、を含むことを特徴とする請求項記載の多層パンケーキコイルの巻線方法。
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