以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。ランプユニット及び制御部の対向方向をX方向、X方向に直交する特定の方向をZ方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向と示す。X方向及びY方向により規定される平面をXY平面と示し、XY平面に沿う形状を平面形状と示す。Y方向及びZ方向により規定される平面をYZ平面、Z方向及びX方向により規定される平面をZX平面と示す。X方向は、特許請求の範囲に記載の対向方向に相当する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図8に基づき、車両用灯具10の概略構成について説明する。
図1に示すように、車両用灯具10は、ランプユニット20、冷却用ファン50、制御部120、配線150、筐体160を備えている。車両用灯具10は、照射領域に光を照射する装置である。本実施形態において、車両用灯具10は、X方向のうちの一方である車両前方に光を照射する。以下、X方向のうち、車両用灯具10が光を照射する方向を前方、前方と反対の方向を後方と示す。車両用灯具10としては、例えばヘッドライトを採用することができる。
図1〜図4に示すように、ランプユニット20は、発光素子22、基板24、ユニットベース26、リフレクタ28、レンズ30、ヒートシンク32、第1コネクタ34を有している。発光素子22としては、例えばLEDを採用することができる。発光素子22は、基板24に実装されている。
発光素子22は、基板24の一面上に配置され、Z方向において基板24と反対側に光を照射する。基板24は、厚さ方向がZ方向に沿う略平板状をなしている。基板24としては、例えばプリント基板を採用することができる。基板24は、ユニットベース26に固定されている。
ユニットベース26は、基板24、リフレクタ28、レンズ30が固定される部材である。ユニットベース26は、例えば、金属材料を用いて形成されている。リフレクタ28は、発光素子22の光を反射する光学部材である。リフレクタ28におけるユニットベース26に対して固定された箇所は、発光素子22に対して後方に位置している。
リフレクタ28は、ユニットベース26に固定された箇所から前方、且つ、Z方向に延びて、基板24を覆っている。リフレクタ28は、発光素子22の光を反射する反射面28aを有している。反射面28aは、発光素子22とZ方向に対向し、且つ、後方に凹む曲面とされている。発光素子22の光は、反射面28aによって、前方に反射される。
レンズ30は、リフレクタ28が反射した光を、照射領域に投影する光学部材である。レンズ30は、発光素子22の前方に配置されている。本実施形態において、レンズ30は、平凸レンズである。詳しくは、レンズ30において、リフレクタ28と対向する入射面が、YZ平面に沿う平面とされている。また、レンズ30において、入射面と反対の出射面は、前方に向かって突出する曲面とされている。レンズ30が出射した光は、筐体160を透過して、照射領域に投影される。
基板24及びリフレクタ28の後方には、ヒートシンク32が配置されている。ヒートシンク32は、金属材料を用いて形成され、発光素子22の熱を放熱する放熱部材である。本実施形態では、ユニットベース26及びヒートシンク32が、単一の部材により構成されている。そのため、ユニットベース26及びヒートシンク32をまとめてヒートシンクと称することもできる。発光素子22の熱は、基板24及びユニットベース26を介して、ヒートシンク32へ伝達される。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、ヒートシンク32が、本体部36と放熱フィン38とを有している。本体部36は、厚さ方向がX方向に沿う略平板状をなしている。本体部36は、リフレクタ28の後方に配置されている。放熱フィン38は、本体部36におけるリフレクタ28と反対側の面から、後方に向かって突出している。
本実施形態では、複数の放熱フィン38が、本体部36から突出している。各放熱フィン38は、Z方向に延設された略柱状をなしている。図4に示すように、ヒートシンク32には、自身をX方向に貫通する貫通孔40が形成されている。第1コネクタ34は、貫通孔40を挿通している。
第1コネクタ34は、基板24と冷却用ファン50とを電気的に接続するものである。第1コネクタ34は、端子42と、端子42を保持するハウジング44と、を有している。ハウジング44は、樹脂材料を用いて形成されている。本実施形態では、第1コネクタ34が2つの端子42を有している。
端子42は、ワイヤボンディング、はんだ接合等により、基板24と電気的に接続されている。端子42は、基板24を介して発光素子22と電気的に接続されている。端子42は、基板24との接続箇所から後方に延設され、Z方向のうちの一方に屈曲されている。これにより、端子42は、X方向に延設された部分と、Z方向に延設された部分と、を有している。すなわち、端子42は、ZX平面において、L字状をなしている。端子42における基板24と接続された一端と反対の他端は、冷却用ファン50の端子90と接続されている。
ハウジング44は、端子42と同様に、X方向に延設された部分と、Z方向に延設された部分と、を有している。リフレクタ28には、自身をX方向に貫通する貫通孔46が形成されている。ハウジング44のX方向に延設された部分は、貫通孔40に加えて貫通孔46も挿通している。
端子42において、基板24との接続部分、及び、冷却用ファン50の端子90との接続部分は、ハウジング44に対して露出している。図3に示すように、ハウジング44においてZ方向に延設された部分は、放熱フィン38同士の間に配置されている。ハウジング44における冷却用ファン50側の一端は、冷却用ファン50のハウジング92と嵌合している。
冷却用ファン50は、ランプユニット20を冷却する装置である。冷却用ファン50は、ランプユニット20に対して、後方、且つ、Z方向のうちの一方に配置されている。図5〜図7に示すように、冷却用ファン50は、羽根部52、ステータ54、シャフト56、軸受58、ロータマグネット60、ロータケース62、第1基板64、電子部品66、フレーム68を有している。本実施形態では、冷却用ファン50が、さらに、第2コネクタ70、第2基板72、第3コネクタ74を有している。
羽根部52は、Z方向に沿う回転軸Lを中心として回転し、回転により冷却風を発生する。本実施形態において、羽根部52は、回転軸LがZ方向に沿うように形成されている。羽根部52は、自身に対してZ方向の両側の領域において、Z方向のうちの一方に向かう冷却風を発生する。本実施形態では、羽根部52が、Z方向のうちの冷却用ファン50からランプユニット20へ向かう方向に冷却風を発生する。図1の白矢印は、冷却風の向きを示している。
図7に示すように、ステータ54は、ステータコア76と突極78とステータコイル80とを有し、電磁石として機能する。ステータコア76は、XY平面における中心が回転軸Lとほぼ一致する略円筒形状をなしている。ステータコア76の内壁から複数の突極78が円筒の内側に向かって突出している。各突極78にはステータコイル80が巻きつけられている。ステータコイル80には、交流電流が流れるようになっている。
シャフト56は、Z方向に延設された略柱状をなし、XY平面における中心が回転軸Lとほぼ一致している。シャフト56の一端は、ロータケース62に固定されている。XY平面において、シャフト56を囲むように、略円筒形状をなす軸受58が配置されている。軸受58は、シャフト56が回転するときに歳差運動するのを抑制している。
ロータマグネット60は、磁場を形成し、この磁場とステータ54により形成される磁場とが相互作用する。ロータマグネット60は、ステータ54の外周側に配置される板状の部材である。複数のロータマグネット60が、ステータ54に対して互いに等間隔となるように配置されている。ロータマグネット60は、ロータケース62の内周面62aに固定されている。
ロータケース62は、内部空間を形成し、内部空間にステータ54、シャフト56の一部、及びロータマグネット60を収容している。ロータケース62は、Z方向に延設された略有底円筒形状をなし、ランプユニット20と反対側の一端が開口している。ロータケース62及び羽根部52は、単一の部材により構成されている。詳しくは、羽根部52が、ロータケース62の外周面62bから筒の外側へ突出して形成されている。羽根部52及びロータケース62は、例えば樹脂材料を用いて形成されている。なお、図5及び図7では、便宜上、羽根部52及びロータケース62の境界を二点鎖線で示している。
上記した磁場の相互作用により、羽根部52、シャフト56、ロータマグネット60、ロータケース62が回転軸Lを中心として一体に回転する。Z方向において、ロータケース62に対してランプユニット20と反対側には、第1基板64が配置されている。
第1基板64は、厚さ方向がZ方向に沿う略平板状をなしている。第1基板64の平面形状は、略円環形状とされている。Z方向の投影視において、第1基板64の外周端はロータケース62の外周端とほぼ一致し、第1基板64の内周端は軸受58の外周端とほぼ一致している。第1基板64としては、例えばプリント基板を採用することができる。電子部品66は、第1基板64に実装されている。第1基板64に対してロータケース62と反対側には、フレーム68の底部82が配置されている。
フレーム68は、Z方向に延設された略筒形状をなしている。フレーム68の筒内には、羽根部52、ステータ54、シャフト56、軸受58、ロータマグネット60、ロータケース62、第1基板64、電子部品66が配置されている。フレーム68は、筒内を通る冷却風の拡散を抑制する。フレーム68は、例えば、樹脂材料を用いて形成されている。
フレーム68は、底部82、側壁部84、接続部86を有している。底部82は、厚さ方向がZ方向に沿う略平板状をなしている。底部82の平面形状は、ロータケース62の平面形状とほぼ一致している。軸受58及び底部82は、例えば、圧入又はインサート成形により互いに固定されている。
側壁部84は、Z方向に延設され、XY平面において、内周端が略円形状とされ、外周端が略矩形状とされている。XY平面において、側壁部84の内周端は、底部82の外周端に較べて大きい。これにより、冷却風は、底部82の外周端と側壁部84の内周端との間を通ることができる。
側壁部84には、自身をZ方向に貫通する貫通孔88が形成されている。本実施形態では、XY平面において、4つの貫通孔88が側壁部84の内周端を取り囲むように形成されている。冷却用ファン50を筐体160に取り付けるための図示しない取付部材が、貫通孔88を挿通している。
接続部86は、Z方向と直交する方向に延設された略柱状をなし、側壁部84と底部82とを接続している。本実施形態において、図3に示すように、フレーム68は、3つの接続部86を有している。
第2コネクタ70は、第1コネクタ34と第2基板72とを電気的に接続するものである。第2コネクタ70は、端子90とハウジング92とを有している。端子90は、Z方向に延設されている。本実施形態では、第2コネクタ70が、2つの端子90を有している。ハウジング92は、ハウジング44と嵌合可能な形状をなしている。ハウジング92がハウジング44と嵌合することで、端子90が端子42と電気的に接続される。本実施形態では、側壁部84の一部が、ハウジング92をなしている。第2コネクタ70は、特許請求の範囲に記載の第3コネクタに相当する。
側壁部84は、第2基板72に対して、ランプユニット20側に配置された第1壁部94と、第1壁部94と反対側に配置された第2壁部96と、を有している。第2基板72は、Z方向において、第1壁部94及び第2壁部96により挟まれている。
第1壁部94の一部は、ハウジング92をなしている。第1壁部94には、Z方向に自身を貫通する貫通孔98が形成されている。貫通孔98には、端子90が配置されている。Z方向の投影視における貫通孔98の周縁部は、Z方向のうちのランプユニット20側へ突出し、ハウジング44と嵌合している。端子90は、第2基板72と電気的に接続されている。
第2基板72は、第2コネクタ70と第3コネクタ74とを電気的に接続するものである。第2基板72は、側壁部84に対して、ねじ締結等により固定されている。第2基板72は、特許請求の範囲に記載の配線に相当する。図6に示すように、第2基板72の平面形状は、略円環形状をなしている。Z方向の投影視において、第2基板72の内周端は、側壁部84の内周端とほぼ一致している。第2基板72における第1壁部94側の面の一部は、貫通孔98により第1壁部94から露出している。
第2基板72は、端子90と接続される電極100と、下記の端子106と接続される電極102と、電極100及び電極102を電気的に接続する内部配線104と、を有している。電極100、内部配線104、及び電極102は、アルミニウム等の金属材料を用いて形成されている。端子90は、例えば、電極100に対して、はんだ接合されている。なお、第2基板72は、ワイヤーハーネス等の図示しない配線により、第1基板64と電気的に接続されている。
第3コネクタ74は、第2基板72と、制御部120の第4コネクタ124と、を電気的に接続するものである。第3コネクタ74は、端子106とハウジング108とを有している。端子106は、Z方向に延設されている。本実施形態では、第3コネクタ74が、4つの端子106を有している。第3コネクタ74は、特許請求の範囲に記載の第4コネクタに相当する。
ハウジング108は、下記のハウジング136と嵌合している。本実施形態では、側壁部84の一部がハウジング108をなしている。詳しくは、第1壁部94の一部が、ハウジング92をなしている。
第1壁部94には、Z方向に自身を貫通する貫通孔110が形成されている。貫通孔110には、端子106が配置されている。Z方向の投影視における貫通孔110の周縁部は、Z方向のうちのランプユニット20側へ突出している。
端子106は、第2基板72と電気的に接続されている。第2基板72における第1壁部94側の面は、貫通孔110により一部が第1壁部94から露出している。端子106は、例えば、電極102に対して、はんだ接合されている。
本実施形態では、4つの端子106のうちの2つが、電極102、内部配線104、及び電極100を介して端子90と接続されている。4つの端子106のうちの残りの2つは、電極102、内部配線104、及びハーネス等の配線を介して第1基板64と接続されている。
制御部120は、発光素子22及び冷却用ファン50の駆動を制御するものである。制御部120は、ランプユニット20に対して、所定距離を有してX方向に対向配置されている。詳しくは、制御部120が、ランプユニット20の後方に配置されている。また、制御部120は、冷却用ファン50に対して、Z方向のうち、ランプユニット20側に配置されている。図8に示すように、制御部120は、回路基板122、第4コネクタ124、第5コネクタ126、ケース128を有している。
回路基板122は、基板130と、基板130に実装された電子部品132と、を有している。基板130は、厚さ方向がX方向に沿う略平板状をなしている。基板130の両面には、電子部品132が実装されている。基板130としては、例えば、プリント基板を採用することができる。
回路基板122には、発光素子22を駆動する駆動回路が形成されている。発光素子22を駆動する駆動回路としては、例えばスイッチング方式のDCDCコンバータ回路を採用することができる。さらに、回路基板122には、羽根部52の回転を制御する駆動回路が形成されている。羽根部52の回転を制御する駆動回路としては、例えば、スイッチング方式のインバータ回路を採用することができる。
第4コネクタ124は、第3コネクタ74と回路基板122とを電気的に接続するものである。第4コネクタ124は、端子134とハウジング136とを有している。端子134及びハウジング136は、回路基板122から冷却用ファン50側へ延設されている。端子134は、はんだ接合等により、基板130と電気的に接続されている。本実施形態では、第4コネクタ124が、端子106に対応して、4つの端子134を有している。
ハウジング136は、ハウジング108と嵌合可能な形状をなしている。ハウジング108及びハウジング136が互いに嵌合することで、端子134が端子106と電気的に接続される。なお、第4コネクタ124は、特許請求の範囲に記載の第2コネクタに相当する。
本実施形態では、4つの端子134のうちの2つが、端子106、電極102、内部配線104、電極100、端子90、基板24を介して発光素子22と接続されている。これにより、制御部120は、発光素子22の駆動を制御することができる。
また、4つの端子134のうちの残りの2つは、端子106、電極102、内部配線104、及びハーネス等の配線を介して第1基板64と接続されている。これにより、制御部120は、冷却用ファン50の駆動を制御することができる。
第5コネクタ126は、回路基板122と配線150とを電気的に接続するものである。第5コネクタ126は、端子138とハウジング140とを有している。端子134及びハウジング136は、回路基板122から冷却用ファン50と反対側へ延設されている。端子138は、はんだ接合等により、基板130と電気的に接続されている。ハウジング140は、配線150の図示しないコネクタと嵌合している。
ケース128は、内部空間を形成する箱状をなし、回路基板122、第4コネクタ124の一部、第5コネクタ126の一部を内部空間に収容している。ケース128は、例えば、金属材料、樹脂材料を用いて形成されている。
ケース128には、第4コネクタ124が挿通する貫通孔142が形成されている。第4コネクタ124のケース128から露出した部分は、第3コネクタ74と接続されている。また、ケース128には、第5コネクタ126が挿通する貫通孔144が形成されている。第5コネクタ126のケース128から露出した部分は、配線150のコネクタと接続されている。なお、ケース128、ハウジング136、及びハウジング140が、単一の部材により構成された例を採用することもできる。
配線150は、ハーネスと、ハーネスの両端部に形成されているコネクタと、を有している。配線150は、第5コネクタ126と接続された一端と反対の他端で、筐体160と接続されている。
筐体160は、車両用灯具10の外郭を構成するものであり、ランプユニット20、冷却用ファン50、制御部120、配線150を収容する内部空間162を形成している。筐体160は、例えば、樹脂材料を用いて形成されている。筐体160は、前方に配置された透光部164、及び、後方に配置された本体部166を有している。透光部164及び本体部166は、嵌合により互いに固定されている。
透光部164は、レンズ30が出射した光を透過できるように、透明とされている。これにより、車両用灯具10は、照射領域に光を照射することができる。車両用灯具10が車両用に取り付けられた状態で、透光部164の少なくとも一部は、車両外部に露出している。言い換えると、透光部164の少なくとも一部は、車両外部の空気に接触している。本体部166は、配線150のコネクタと電気的に接続される図示しない接続部を有している。本体部166の接続部は、外部機器と電気的に接続されている。
次に、図1、図9、及び図10に基づき、筐体160の詳細構造、及び、冷却風の流れについて説明する。
上記したように、制御部120及びランプユニット20は、所定距離を有して互いに対向配置されている。そのため、制御部120及びランプユニット20の間には、対向空間168が形成されている。冷却用ファン50は、対向空間168に対してZ方向のうちの一方側に配置されている。
Z方向の投影視において、冷却用ファン50は、少なくとも一部が対向空間168と重なっている。図9に示すように、本実施形態では、Z方向の投影視において、羽根部52の回転軸Lが、対向空間168の中心に位置している。
本実施形態では、ヒートシンク32及びケース128が対向空間168を規定している。詳しくは、対向空間168におけるZ方向の両端面のうちの冷却用ファン50側の一方が、ヒートシンク32及びケース128におけるZ方向のうちの冷却用ファン50側の一端同士を結ぶ面である。対向空間168におけるZ方向の両端面のうちの他方は、ヒートシンク32及びケース128におけるZ方向のうちの冷却用ファン50側と反対側の他端同士を結ぶ面である。
対向空間168におけるY方向の両端面のうちの一方は、ヒートシンク32及びケース128におけるY方向のうちの一方側の一端同士を結ぶ面である。対向空間168におけるY方向の両端面のうちの他方は、ヒートシンク32及びケース128におけるY方向のうちの上記一端と反対側の他端同士を結ぶ面である。
本体部166は、ランプユニット20に対してZ方向に対向する第1壁部170と、ランプユニット20に対して第1壁部170と反対側に配置された第2壁部172と、を有している。第1壁部170は、対向空間168に対してZ方向における冷却用ファン50と反対側に配置されている。第2壁部172は、対向空間168に対してZ方向における冷却用ファン50側に配置されている。
第1壁部170は、冷却風を誘導する誘導部174を有している。誘導部174は、第1壁部170における他の部分から内部空間162へ突出する突出部176と、突出部176から透光部164側へ延設された第3壁部178と、を有している。誘導部174は、特許請求の範囲に記載の第1誘導部に相当する。
突出部176は、対向空間168とZ方向に対向する第1面176aを有している。第1面176aは、Y方向の投影視において、X方向及びZ方向に対して所定角度傾斜する傾斜面とされている。図9に示すように、Z方向の投影視において、第1面176aの一部は、対向空間168全体と重なっている。また、第1面176aは、透光部164とX方向に対向している。
第1面176aは、内部空間162を規定する筐体160の壁面である。図10に示すように、第1面176aにおける第2面178aと連なる一端176bから所定範囲では、一端176bに向かうほど第2面178aとのなす角度θが小さくされている。角度θは、第1面176aにおける任意の点Oに対する接線と、X方向と、がなす角度である。以上により、第1面176aにおける一端176bから所定範囲は、曲面とされている。
本実施形態では、第1面176a全体が曲面とされている。第1面176aは、Z方向において対向空間168と対向し、且つ、後方に凹む曲面とされている。言い換えると、第1面176aは、Z方向において対向空間168と対向し、且つ、透光部164に対して凹む曲面とされている。
第3壁部178は、ランプユニット20とZ方向に対向する第2面178aを有している。第2面178aは、内部空間162を規定する筐体160の壁面であって、Z方向と直交する平面である。第2面178aにおける後方側の一端は、第1面176aと連なっている。言い換えると、第2面178aは、第1面176aに対して透光部164側に連なっている。第3壁部178における前方側の一端は、透光部164と嵌合している。
透光部164は、第4壁部180と、第5壁部182と、第6壁部184と、を有している。本実施形態において、透光部164は、特許請求の範囲に記載の第2誘導部に相当する。第4壁部180は、ランプユニット20に対してZ方向のうちの誘導部174側に配置され、第3壁部178と嵌合している。
第4壁部180は、ランプユニット20とZ方向に対向する対向面180aを有している。対向面180aは、内部空間162を規定する筐体160の壁面であって、Z方向と直交する平面である。第4壁部180における前方側の一端は、第5壁部182と連なっている。
第5壁部182は、ランプユニット20の前方に配置されている。第5壁部182は、内部空間162を規定する表面182aと、表面182aと反対の裏面182bと、を有している。表面182aは、ランプユニット20とX方向に対向している。さらに、表面182aは、第1面176aとX方向に対向している。裏面182bは、筐体160の外面をなし、車両外部の空気と接触している。
表面182aは、Z方向における一端182cと、一端182cと反対の他端182dと、を有している。一端182cは、ランプユニット20に対して誘導部174側に位置し、対向面180aにおける前方側の一端と連なっている。他端182dは、ランプユニット20に対して誘導部174と反対側に位置している。表面182aは、一端182cから他端182dへ向かうほど前方に位置する傾斜面とされている。第5壁部182は、第4壁部180と連なった一端と反対の他端で、第6壁部184と連なっている。
第6壁部184は、ランプユニット20に対してZ方向のうちの誘導部174と反対側に配置されている。第6壁部184は、ランプユニット20とZ方向に対向する対向面184aを有している。対向面184aは、内部空間162を規定する筐体160の壁面であって、Z方向と直交する平面である。第6壁部184における後方側の一端は、第2壁部172と嵌合している。
冷却用ファン50は、Z方向のうちの対向空間168と反対側の空間の空気を吸気し、吸気した空気を対向空間168へ排気する。これにより、冷却用ファン50は、Z方向の両側において、Z方向のうちの第1面176aへ向かう方向に冷却風を発生している。冷却風は、対向空間168をZ方向に横切って、第1面176aに当たる。
第1面176aに当たった冷却風は、第1面176a及び第2面178aに沿って進む。冷却風の向きは、第1面176a及び第2面178aにより、Z方向から前方に変わる。そして、冷却風は、対向面180aに沿って前方に進み、表面182aに当たる。
表面182aに当たった冷却風は、一端182cから他端182dへ向かうように表面182aに沿って進み、対向面184aに当たる。対向面184aに当たった冷却風は、対向面184aに沿って後方へ向かう。そして、冷却風は、冷却用ファン50に対して対向空間168と反対側の空間に向かい、冷却用ファン50により対向空間168側へ誘導される。以上により、冷却風は、ランプユニット20の周囲を循環する。
次に、上記した車両用灯具10の効果について説明する。
本実施形態では、冷却風が対向空間168を通過するため、対向空間168の空気の温度が上昇するのを抑制することができる。よって、冷却風により制御部120及びランプユニット20の間の伝熱を抑制することができる。
これによれば、制御部120及びランプユニット20の間の伝熱を抑制するために、制御部120とランプユニット20とを互いに離して配置する必要がない。言い換えると、ランプユニット20と制御部120とを互いに近づけて配置する構成であっても、制御部120及びランプユニット20の間の伝熱を抑制することができる。したがって、車両用灯具10が大型化するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、冷却用ファン50、誘導部174、及び透光部164により、冷却風がランプユニット20の周囲を循環する。そのため、冷却風によりランプユニット20を冷却することができ、発光素子22が高温となるのを抑制することができる。
ところで、誘導部174は、第1面176a及び第2面178aにより、冷却風の向きを透光部164へ向かう方向に変える。第1面176a全体が平坦な面とされた構成では、第1面176a及び第2面178aの境界である一端176bにおいて局所的に大きな角度で冷却風の向きが変わり、冷却風の速度が低下し易い。
これに対して、本実施形態では、第1面176aにおける一端176bから所定範囲において、一端176bに向かうほど第2面178aとのなす角度θが小さくされている。これによれば、一端176bにおいて冷却風の向きが変わる角度を小さくし、冷却風の速度が低下するのを抑制することができる。したがって、冷却風により、制御部120及びランプユニット20の間の伝熱を効果的に抑制しつつ、ランプユニット20を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、筐体160の一部である誘導部174及び透光部164により冷却風を誘導している。これによれば、筐体160と別の部材により冷却風を誘導する構成に較べて、コストを抑制することができる。
また、本実施形態では、筐体160と別の部材により冷却風を誘導する構成に較べて、配置スペースを小さくすることができる。したがって、車両用灯具10が大型化するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、裏面182bが車両外部の空気に接触している。そのため、透光部164が車両外部の空気により冷却される。これによれば、ランプユニット20の周囲を循環する冷却風を、透光部164により冷却することができる。よって、冷却風の温度が上昇するのを効果的に抑制することができる。したがって、冷却風により、制御部120及びランプユニット20の間の伝熱を効果的に抑制しつつ、ランプユニット20を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、冷却用ファン50は、第2コネクタ70、第3コネクタ74、及び第2基板72により、発光素子22と制御部120とを電気的に中継している。これによれば、冷却用ファン50とは別に、発光素子22と制御部120とを中継する中継部材が配置された構成に較べて、配置スペースを小さくすることができる。したがって、車両用灯具10の大型化を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、フレーム68が、第2コネクタ70及び第3コネクタ74を構成している。これによれば、フレーム68とは別に第2コネクタ70及び第3コネクタ74が配置された構成に較べて、配置スペースを小さくすることができる。したがって、車両用灯具10の大型化を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、ランプユニット20がヒートシンク32を有している。これによれば、ヒートシンク32によりランプユニット20の熱容量を大きくすることができる。したがって、ランプユニット20、ひいては発光素子22が高温となるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、ヒートシンク32が対向空間168を規定している。これによれば、ヒートシンク32が冷却風により冷却され易く、ユニットベース26を介して発光素子22からヒートシンク32へ伝熱され易い。したがって、発光素子22が高温となるのを効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した車両用灯具10と共通する部分についての説明は割愛する。
図11に示すように、車両用灯具10は、断熱部材190を備えている。断熱部材190は、制御部120及びランプユニット20の間の伝熱を抑制するものである。断熱部材190は、対向空間168に配置されている。言い換えると、断熱部材190は、ランプユニット20と制御部120との間に配置されている。
本実施形態において、断熱部材190は、厚さ方向がX方向に沿う略平板状をなしている。断熱部材190は、ねじ締結等により、冷却用ファン50のフレーム68に固定されている。冷却用ファン50が発生する冷却風は、断熱部材190の前方及び後方の空間をZ方向に横切って、第1面176aに当たる。
断熱部材190におけるランプユニット20との対向面、及び、制御部120との対向面は、黒色とされている。これにより、断熱部材190は、ランプユニット20からの輻射熱、及び、制御部120からの輻射熱を効果的に吸収することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、冷却用ファン50が対向空間168に対して誘導部174と反対側に配置された例を示したが、これに限定するものではない。図12の第1変形例に示すように、冷却用ファン50が、対向空間168に対して誘導部174側に配置された例を採用することもできる。
この例では、冷却用ファン50が、Z方向のうちの対向空間168と反対側の空間、及び、対向空間168の空気を吸気し、吸気した空気を第1面176aへ排気している。これにより、冷却風は、対向空間168をZ方向に横切って、第1面176aに当たる。第1変形例において、冷却風の循環経路は、第1実施形態と同様である。また、冷却用ファン50が対向空間168内に配置された例を採用することもできる。
また、上記実施形態では、第1面176a全体が曲面とされた例を示したが、これに限定するものではない。図13の第2変形例に示すように、第1面176a全体が平坦な面とされた例を採用することもできる。この例では、第1面176aがY方向に沿う平面とされている。第1面176aは、Z方向において対向空間168と対向し、且つ、X方向において表面182aと対向している。
また、図14の第3変形例に示すように、第1面176aにおける一部のみが曲面とされた例を採用することもできる。この例では、第1実施形態と同様に、第1面176aにおける第2面178aと連なる一端176bから所定範囲において、一端178bに向かうほど第2面178aとのなす角度θが小さくされている。
また、上記実施形態では、筐体160の一部である誘導部174及び透光部164により冷却風を誘導する例を示したが、これに限定するものではない。図15の第4変形例に示すように、車両用灯具10が、筐体160とは別に、冷却風を誘導する第1誘導部200及び第2誘導部210を備える例を採用することもできる。
第1誘導部200及び第2誘導部210は、内部空間162に配置され、図示しない箇所で筐体160に固定されている。第1誘導部200は、対向空間168に対して冷却用ファン50の反対側に配置されている。第1誘導部200は、対向空間168を横切った冷却風が当たる一面200aを有している。第1誘導部200は、一面200aに当たった冷却風を前方に誘導する。
第2誘導部210は、レンズ30と透光部164との間に配置されている。第2誘導部210は、レンズ30と対向する表面210aを有している。表面210aは、レンズ30に対して凹む曲面とされている。第1誘導部200からの冷却風は、表面210aに当たる。第2誘導部210に当たった冷却風は、表面210aに沿って進み、冷却用ファン50へ向かう。なお、車両用灯具10が、第1誘導部200及び第2誘導部210のうちの一方のみを備える例を採用することもできる。
また、上記実施形態では、ランプユニット20が、発光素子22、基板24、ユニットベース26、リフレクタ28、レンズ30、ヒートシンク32、第1コネクタ34を有する例を示した。しかしながら、これに限定するものではない。ランプユニット20は、少なくとも発光素子22を有する構成であれば採用することができる。
また、上記実施形態では、フレーム68が、第2コネクタ70及び第3コネクタ74を構成する例を示したが、これに限定するものではない。第2コネクタ70及び第3コネクタ74が、フレーム68と異なる部材により構成され、フレーム68に固定された例を採用することもできる。