JP6461860B2 - 透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種ディスプレイ等に用いられる透明導電性フィルムの製造方法に関するものである。
テレビのような大型ディスプレイや、携帯電話、パソコン、スマートフォンなどの小型ディスプレイをはじめ、各種のディスプレイには、透明性のベースフィルムの一面に金属酸化膜により透明導電性薄膜を形成した透明導電性フィルムが用いられている。ここで、透明導電性フィルムを製造する際に用いられるベースフィルムとしては、従来より、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムが汎用的に用いられているが、PETフィルムはガラス転移温度が81℃と低いため、耐熱性が低く、高温加熱による変形等の問題があり高温処理が困難とされていた。また、PETフィルムは吸水率が高いため、耐吸湿特性の改善も望まれていた。
そこで、無色透明なポリイミドフィルムに透明導電性薄膜を備えた透明導電フィルムの検討が行なわれてきている(特許文献1及び2)。しかし、このような無色透明のポリイミドは透明性であっても、上記PETフィルムよりは高いものではあるが耐熱性が低いなど他の諸特性との物性バランスに欠けるものであった。例えば、特許文献1の実施例に示された無色透明なポリイミドフィルムは80%以上の光線透過率を有する反面、ガラス転移温度については180〜210℃程度のガラス転移温度しか有していない。ここで、ポリイミドフィルムの耐熱性を高くすることが出来れば、透明電極の成膜温度を上げることによって透明電極の抵抗値を下げ、表示装置の消費電力を減らすことが可能になるが、上記特許文献1に示されたポリイミドフィルムでは、耐熱性が十分でないため、その表面に透明導電性薄膜を形成する場合、十分な透明性を発現させるのに必要な加工温度に耐えうるものではない。
また、特許文献2の実施例に示されたポリイミドフィルムは、その全光線透過率及びガラス転移温度が共にPETフィルムよりも優れているものの、線膨張係数(CTE)についてはPETフィルムの15ppm/℃よりも大幅に劣っている。この他、ポリイミドの骨格にフッ素原子を有するものとして、特許文献3にはいくつかのポリイミドフィルムが示されているが、そこに示されたフィルムも一定以上の透過度は有しているものの、その線膨張係数は22ppm/℃以上となっている。ポリイミドフィルムの線膨張係数が大きいと、ITOなどの金属酸化物(CTE:0〜10ppm/K)との線膨張係数が大きくなり、透明導電性フィルムとした場合にフィルムの反りを生じたり、ITOにクラックが生じたり、フィルムとITOとの剥離等が懸念される。
このように、これまでに検討されてきた透明導電性フィルムのポリイミドフィルムは透明性、耐熱性、線膨張係数(寸法安定性)のバランスを充足するものがなかった。
特開2002−216542号公報 特許第4247448号公報 特表2012−503299号公報
本発明は、ポリイミドをベースフィルムとし、高い透明性を有するだけでなく、優れた耐熱性と低い線膨張係数(寸法安定性)のいずれをも兼ね備えた透明導電性フィルムを製造することができる、透明導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことには、所定の繰返し構造を含み、特定の製造条件で作製されたポリイミドフィルムをベースフィルムとすることにより、これら全ての特性において満足できる性能を備えた透明導電性フィルムを与えることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者等は、このようなポリイミドフィルムをベースフィルムとする透明導電性フィルムが優れた湿度膨張係数を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、基材上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、熱処理して前記ポリアミド酸をイミド化することにより、前記基材上に440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上であり、かつ線膨張係数(CTE)が15ppm/K以下であるポリイミドフィルムを形成した後、該ポリイミドフィルムの温度を250℃以上にして比抵抗が1mΩ・cm以下の透明導電性薄膜からなる導電層を形成、前記基材は、前記熱処理終了後にポリイミドフィルムから除去されることを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法である。
本発明におけるポリイミドフィルムを製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、i)ポリイミドフィルムの原料であるポリアミド酸の樹脂溶液を任意の基体上に流延塗布してフィルム状に成型し、基体上で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後、基体より剥離して、更に高温で熱処理してイミド化させてポリイミドフィルムとする方法や、ii)ポリアミド酸の樹脂溶液を銅箔などの任意の基材上にアプリケーターを用いて流延塗布し、予備乾燥した後、更に、溶剤除去、イミド化のために熱処理し、イミド化時に使用した基材を剥離又はエッチング等により除去する方法等が挙げられる。樹脂溶液を基体又は基材に流延塗布する際、樹脂溶液の粘度は500〜70000cpsの範囲とすることが好ましい。また、樹脂溶液の塗布面となる基体や基材の表面に対して適宜表面処理を施した後に、塗工を行ってもよい。上記において、乾燥条件は150℃以下で2〜30分、また、イミド化のための熱処理は130〜360℃程度の温度で2〜30分程度行うことが適当である。
本発明でベースフィルムとなるポリイミドは、原料のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合し、ポリイミド前駆体樹脂であるポリアミド酸とした後、熱処理によりイミド化することによって製造することができ、これを膜状に形成することでフィルム状の形態とすることができる。ここで、ポリイミドの分子量は、原料のジアミンと酸無水物のモル比を変化させることで主に制御可能であるが、通常、そのモル比は1:1である。
ポリアミド酸の製造方法を例示すると、先ず、ジアミンを有機溶媒に溶解させた後、その溶液に酸二無水物を加え、撹拌することでポリイミド前駆体であるポリアミド酸を製造し得る。使用する有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、これらを1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。ポリアミド酸をイミド化する工程は、加熱脱水による熱イミド化の他、無水酢酸等縮合剤を用いる化学イミド化を用いて行うこともできる。
本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドは、好ましくは、下記一般式(1)で表される構造単位aと下記一般式(2)で表される構造単位bとがモル%の比率でa:b=50:50〜99:1の範囲からなるものがよく、より好ましくは、a:b=85:15〜95:5の範囲からなるものがよい。
Figure 0006461860
ここで、上記一般式(1)の構造単位は主に低熱膨張性と高耐熱性等の性質を向上させ、また、一般式(2)の構造単位は高透明性を向上させるのに有効である。このような好ましい態様のポリイミドフィルムは、一般式(1)及び(2)で表される構造単位a、b以外の構造単位が含まれることを排除するものではない。但し、構造単位a及びb以外の構造単位はモル比率で10%未満の範囲で含まれるのが好適であり、最も好適には、構造単位a及びbのみからなるポリイミドフィルムであるのがよい。
上記、一般式(1)及び(2)で表される構造単位a及びb以外の構造単位を構成する原料のジアミンや酸無水物は、特に限定されるものでなく、公知のジアミンや酸無水物をそれぞれ1種若しくは2種以上適宜選択して使用することができる。
また、本発明におけるポリイミドフィルムは、単層のポリイミドからなるようにしてもよく、複数層のポリイミドからなるようにしてもよく、その好ましい厚み範囲は、5〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmである。ポリイミドフィルムの厚みが、5μmに満たないと、導電性薄膜を形成する場合にしわが生じやすくなるなどハンドリング性が問題となりやすく、100μmを超えるとフィルム製造時の乾燥・イミド化に時間を要するばかりでなく、これを製品に適用化した場合に薄肉・軽量化の要望に反することとなる。ポリイミドフィルムを単層とする場合には、そのポリイミド層自体が上述した構造単位a及びbを有するようにするのが好ましい。一方、複数層とする場合においては、主たるポリイミド層が上述した構造単位a及びbを有するようにするのが好ましい。ここで主たるポリイミド層とは、ポリイミドフィルムを構成する複数のポリイミド層のなかで、厚みが最も大きな比率を占めるポリイミド層を指す。
ポリイミドフィルムが複数層からなる場合には、透明導電性薄膜と接するポリイミド層の弾性率が、当該ポリイミド層と隣接する他のポリイミド層よりも低くなるようにするのがよい。すなわち、主たるポリイミド層の外側に、透明導電性薄膜と接する弾性率の低いポリイミド層を備えるようにするのがよい。上述した構造単位a及びbを有するポリイミドは、弾性率が5〜10GPa程度であって比較的硬い性質を有することから、それよりも弾性率の低いポリイミド層を透明導電性薄膜と接するように配する。具体的には、透明導電性薄膜と接するポリイミド層の弾性率が5GPa未満、好ましくは0.1GPa以上5GPa未満となるようにするのがよく、さらに好ましくは2GPa以上5GPa未満である。透明導電性薄膜と接する側に弾性率の低いポリイミド層を設けることで、ベースフィルムとしての耐熱性を保持したままで、この低弾性率のポリイミド層が応力を緩和し、透明導電性フィルムに生じる反りの発生や、後のディスプレイ製造工程中に懸念されるクラック発生するといった不具合を抑制することができる。
上記のような弾性率を有して透明導電性薄膜に接するポリイミド層は、下記に例示する各成分の構造単位を1種又は2種以上含んだポリイミドのように、広く知られたものによって形成することができるが、一般にこれらのポリイミドの可視光領域での透過率は、上述した構造単位a及びbを有するポリイミドに比べて低く、また、線膨張係数(CTE)も比較的高くなってしまうことから、透明導電性薄膜と接するポリイミド層の厚みは0.5〜10μmであるのがよく、さらに好ましくは1〜5μmである。したがって、主たるポリイミド層の厚みと低弾性率のポリイミド層の厚み比率(主たるポリイミドの厚み/低弾性ポリイミドの厚み)は3〜50が好適であり、さらに好適には5〜20である。
本発明における透明導電性薄膜に接するポリイミド層は、その弾性率が透明導電性薄膜に接する側とは反対側に位置する他のポリイミド層よりも低ければよく、ポリイミドフィルムを複数層で構成した場合に透過率を低下させないものが望ましい。このようなポリイミド層を与えるポリイミドとしては、上記一般式(1)及び(2)で表される構造単位a、bを含むものの他、公知のジアミンや酸無水物を所望の特性が発現し得るように1種若しくは2種以上適宜組み合わせ得られたものであってもよい。
ここで原料として使用されるジアミンや酸無水物を例示すると、ジアミンとしては、ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,5,3',5'-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-ターフェニル、3,3"-ジアミノ-p-ターフェニル、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン、4-(1H,1H,11H-エイコサフルオロウンデカノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H-パーフルオロ-1-ブタノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H-パーフルオロ-1-ヘプタノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H-パーフルオロ-1-オクタノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-ペンタフルオロフェノキシ-1,3-ジアミノベンゼン、4-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(4-フルオロフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ-1-ヘキサノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H,2H,2H-パーフルオロ−1-ドデカノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、(2,5)-ジアミノベンゾトリフルオライド、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5-ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5-ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5-ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7-ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3',5,5'-テトラキス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-p-テルフェニル、1,4-ビス(p-アミノフェニル)ベンゼン、p-(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(3-アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(2-アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)-3.5-ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4'-ビス(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス{4-(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2-〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルサルフォン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4'−ジアミノシクロヘキシルメタン、2,2'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビシクロヘキサン等が挙げられる。
また、酸無水物としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1, 2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2',5,5'-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2-ビス{(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
本発明によって得られる透明導電性フィルムは、ベースフィルムのポリイミドフィルム上に透明導電性薄膜が設けられている。透明導電性薄膜としては、公知の金属酸化物膜を適用できる。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素、亜鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズを2〜15重量%含有した酸化インジウム(ITO)の薄膜が、透明性、導電性が優れており、好ましく用いられる。
これらの透明導電性薄膜をポリイミドフィルム上に積層する場合、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法が適用される。透明導電性薄膜の比抵抗を1mΩ・cm以下にするためには、製膜時のベースフィルム温度を250℃から350℃とする必要があるために、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)は高いことが望ましく、ガラス転移温度は300℃以上とする必要があり、好ましくは320〜450℃の範囲である。また、上記ガラス転移温度が300℃に満たないと、加工温度を上げることができないため透明導電性薄膜の透明性を向上させることが困難となる。
本発明によって得られた透明導電性フィルムを有機EL素子や液晶表示素子用の電極基板として用いる場合は、装置内への水分や酸素の侵入を防ぐため、ポリイミドフィルムの少なくとも片面にはガスバリア層を設けてもよい。ここで、酸素や水蒸気等に対するバリア性を備えたガスバリア層として、酸化珪素、酸化アルミニウム、炭化珪素、酸化炭化珪素、炭化窒化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素等の無機酸化物膜が好適に例示され、1種類の組成のみで構成されてもよいし、2種類以上の組成を混同させた膜を選択してもよい。
また、ガスバリア層の厚みは10nm〜1μmが好ましく、さらに好ましくは50〜200nmである。これら無機酸化物のガスバリア層とベースフィルムであるポリイミドフィルムとのCTEの差が大きいと、その後のTFTの製造工程中にカールが発生したり、寸法安定性が悪化したり、透明導電性薄膜にクラックや剥離の発生が起こるおそれがある。また、反りは、一般に大面積フィルムを製造した場合に反りが問題になるが、本発明のポリイミドフィルムであれば、ガスバリア層とのCTEの差が小さいため、これらのような不具合の問題が解消される。なお、表1には、ガスバリア層を形成する代表的な無機膜とその熱膨張係数を示す。ここで、熱膨張係数は同じ組成であっても製造方法によって変化するため、表1に示す値は目安である。
Figure 0006461860
透明導電性薄膜を構成する金属酸化物の線膨張係数(CTE)が10ppm/K以下であることや表1に示されるガスバリア層を形成する材料のCTEが0〜10ppm/Kに含まれることから、これに隣接するポリイミドフィルムのCTEもこれに近い値でない場合には、透明導電性フィルムに反りが生じたり、透明導電性薄膜に亀裂や剥離等が発生してしまうおそれがある。そこで、本発明のポリイミドフィルムは、熱膨張係数(CTE)が15ppm/K以下、好ましくは0〜10ppm/Kとなるようにする。
また、透明導電性薄膜の厚みは表面抵抗に応じて設定されるが、5〜10nmが好ましい。上記反りは、一般に大面積フィルムを製造した場合に問題になるが、本発明のポリイミドフィルムであれば、透明導電性薄膜やガスバリア層とのCTEの差が小さいため、これらのような不具合の問題が解消される。
本発明で用いられるポリイミドフィルムは、所定の厚さで440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上であればよく、その厚み範囲は制限されるものではない。好ましくは、厚み25μmのフィルムに製膜した場合に、440nmから780nmの波長領域で80%以上の透過率を与えるポリイミドによって形成されていることがよく、このようなポリイミドは上記一般式(1)で表される構造単位aと上記一般式(2)で表される構造単位bとを上記範囲とすることで得ることができる。上記波長領域での透過率が80%未満であると、発光を十分取り出すことができなくなる。
本発明で用いられるポリイミドフィルムは、湿度膨張係数が15ppm/%RH以下であるのがよく、好ましくは0〜10ppm/%RHであるのがよい。湿度膨張係数が15ppm/%RHを超えると製造プロセス中の寸法変化による位置ずれや信頼性試験での不具合が発生する。
また、本発明で用いられるポリイミドフィルムは、面内方向のリタデーションが10nm以下であることが好ましい。リタデーションが10nmを超えると均一なコントラストの視野角特性が得られない場合が有る。
更にまた、本発明で用いられるポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムの透明導電性薄膜が積層される側の表面粗さRaが5nm以下であることが好ましい。表面粗さRaが5nmを超えると透明導電性膜の厚みに対し無視できなくなり、抵抗値が大きくなる可能性がある。
なお、これらのポリイミドフィルムの特性値について、ポリイミドフィルムが複数のポリイミド層から形成される場合には、全てのポリイミド層を含んだフィルム全体で示すものである。
本発明の方法によれば、低熱膨張性で寸法安定性に優れているだけでなく、可視領域における透過率が高くて透明性に優れ、また、耐熱性にも優れていた透明導電性フィルムを製造することができる。そのため、これまで主にPETフィルムをベースフィルムとする透明導電性フィルムが用いられてきたが、その問題点を補ってこれに代わるものとして好適に使用することができる。
以下、実施例等に基づいて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
先ず、ポリイミドを合成する際のモノマーや溶媒の略語、及び、実施例中の各種物性の測定方法とその条件について以下に示す。
TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
6FDA:2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
〔熱膨張係数(CTE)〕
3mm×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(ppm/K)を測定した。
〔透過率(%)〕
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をU4000形分光光度計にて、440nmから780nmにおける光透過率の平均値を求めた。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
ガラス転移温度は、粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
〔リタデーション〕
東京インスツルメント社製の分光ポラリメーター「Poxi-spectra」を用いて、ポリイミドフィルムの面内方向のリタデーションを求めた。
〔表面粗さ(Ra)〕
ポリイミドフィルムの空気面(フィルム作成時に金属箔に触れていない面)の表面粗さRaについて、ブルカー社製の原子間力顕微鏡(AFM)「Multi Mode8」を用いて表面観察をタッピングモードで行った。10μm角の視野観察を4回行い、それらの平均値を求めた。表面粗さ(Ra)は、算術平均粗さ(JIS B0601-1991)を表す。
〔湿度膨張係数(CHE)〕
銅箔とポリイミドフィルムとの積層体の状態で25cm×25cmのサイズに切り出し、銅箔側にエッチングレジスト層を設けて、これを一辺が30cmの正方形の四辺に10cm間隔で直径1mmの点が16箇所配置するパターンに形成した。エッチングレジスト開孔部の露出部分をエッチングし、16箇所の銅箔残存点を有するCHE測定用ポリイミドフィルムを得た。このフィルムを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・50%RH・70%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間静置し、二次元測長機により測定した各湿度での銅箔点間の寸法変化から湿度膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
〔カール〕
得られたフィルムの上に100nmの酸化インジウム・スズ(ITO,In:Sn=9:1)を積層して透明導電性薄膜(導電層)を形成し、透明導電性フィルムを得た。大きさ10cm四方の透明導電性フィルムの凸面を下にして平面に置いた場合の浮いた四隅を目視にて観察し、フラットな場合は◎、わずかにカールが発生した場合○とした。
〔比抵抗〕
JIS K7194に準拠し、4端子法で表面抵抗率を測定し、比抵抗を算出した。
〔実施例1〕
(ポリイミドA)
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB25.2gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA14.5gと6FDA5.2gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Aが生成されていることが確認された。
上記で得られたポリアミド酸溶液を、厚さ18μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製の電解銅箔「DFF」)上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、1分間に22℃の速度で90℃から360℃まで昇温させ、銅箔とポリイミドの積層体を得た。次に、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、銅箔を除去し、フィルム状のポリイミドAを得た。得られたフィルム状のポリイミドAについて、各種評価を行った結果を表2に示す。
〔実施例2〕
(ポリイミドB)
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に攪拌しながら、ジアミンとしてTFMB25.7g、酸無水物としてPMDA15.7g及び6FDA3.6gをそれぞれ仕込み、その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Bが生成されていることが確認された。
上記で得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にして銅箔とポリイミドの積層体を得て、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、銅箔を除去し、フィルム状のポリイミドBを得た。
〔実施例3〕
(ポリイミドC)
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB26.3gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA16.9gと6FDA1.8gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Cが生成されていることが確認された。
上記で得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にして銅箔とポリイミドの積層体を得て、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、銅箔を除去し、フィルム状のポリイミドCを得た。
参考例5〕
(ポリイミドD)
ジアミンとしてTFMB23.4gを、また、酸無水物としてPMDA10.3g及び6FDA11.3gをそれぞれ使用した他は、ポリイミドAと同様に実施し、フィルム状のポリイミドDを得た。
参考例6〕
(ポリイミドE)
ジアミンとしてTFMB23.0gを、また、酸無水物としてPMDA9.3g及び6FDA12.7gをそれぞれ使用した他は、ポリイミドAと同様に実施し、フィルム状のポリイミドEを得た。
参考例7〕
(ポリイミドF)
ジアミンとしてTFMB23.5gを、また、酸無水物としてBPDA21.5gを使用した他は、ポリイミドAと同様に実施し、フィルム状のポリイミドFを得た。
〔実施例4〕
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB18.9gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液に6FDA26.1gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液Gが得られ、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。
次いで、実施例3で得たポリアミド酸溶液Cを厚さ18μmの圧延銅箔上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、90℃から130℃の温度で1分から5分加熱した。その後、得られたポリアミド酸と銅箔の積層体の上に、更にポリアミド酸溶液Gを厚さ5μmになるように塗布し、1分間に22℃の速度で90℃から360℃まで昇温させ、銅箔と2層のポリイミドからなる積層体を得た。
次に、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、ポリイミド積層体フィルムを得た。同様の手法でポリイミドGの単層フィルムを作成し、弾性率を測定したところ、4.5GPaであった。
〔比較例1〕
市販の100μmのPETフィルム上に、ポリイミドフィルムに行なったと同様に酸化インジウム・スズを積層して、透明導電性フィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムA〜F、及びCとGの多層ポリイミドフィルム(C/Gフィルム)の特性値を表2に示す。表2に示したとおり、上記実施例1〜4、参考例5〜7、及び比較例1から得られた結果より明らかなように、本発明の条件を満たしたポリイミドは、透明性にも優れ、反りも無く、ポリイミド樹脂層表面の表面粗さやリタデーションの値は低いものであった。また、透明導電性薄膜を形成した際のカールはほとんど確認されず、クラック発生に関する評価も良好であった。一方、本発明の条件を満たさないフィルムからなるものは、導電層形成時の基板温度を高くすることができず、比抵抗が大きくなった。このため、同一の導電層厚みでは、本発明の条件を満たしたポリイミドと比較し抵抗率が大きくなる。抵抗率を低くするために導電層の厚みを大きくすると十分な透明性を発現させることが困難となる。
Figure 0006461860

Claims (7)

  1. ポリイミドフィルム上に気相堆積法によって透明導電性薄膜を積層して透明導電性フィルムを製造する方法であって、基材上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、熱処理して前記ポリアミド酸をイミド化することにより、前記基材上に440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上であり、かつ線膨張係数(CTE)が15ppm/K以下、面内方向のリタデーションが10nm以下であるポリイミドフィルムを形成した後、該ポリイミドフィルムの温度を250℃以上にして比抵抗が1mΩ・cm以下の透明導電性薄膜からなる導電層を形成し、該基材は、前記熱処理終了後にポリイミドフィルムから除去されることを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記ポリイミドフィルムの少なくとも片面にガスバリア層を形成した後、ガスバリア層上に導電層を形成することを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  3. ポリイミドフィルムのガラス転移温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  4. ポリイミドフィルムにおける導電層が積層される面の表面粗さRaが5nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  5. 導電層を形成する透明導電性薄膜がITOからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  6. ポリイミドフィルムが、単層又は複数層のポリイミド層からなると共に、主たるポリイミド層を構成するポリイミドにおける下記一般式(1)で表される構造単位aと下記一般式(2)で表される構造単位bとの存在比率(モル%)がa:b=50:50〜99:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
    Figure 0006461860
  7. 前記一般式(1)で表される構造単位aと前記一般式(2)で表される構造単位bとの
    存在比率(モル%)がa:b=85:15〜95:5の範囲であることを特徴とする請求
    に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
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