JP6459301B2 - 回転電機の固定子 - Google Patents

回転電機の固定子 Download PDF

Info

Publication number
JP6459301B2
JP6459301B2 JP2014170403A JP2014170403A JP6459301B2 JP 6459301 B2 JP6459301 B2 JP 6459301B2 JP 2014170403 A JP2014170403 A JP 2014170403A JP 2014170403 A JP2014170403 A JP 2014170403A JP 6459301 B2 JP6459301 B2 JP 6459301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
output line
phase winding
rotating electrical
electrical machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014170403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016046941A (ja
Inventor
真介 杉浦
真介 杉浦
俊博 武井
俊博 武井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014170403A priority Critical patent/JP6459301B2/ja
Publication of JP2016046941A publication Critical patent/JP2016046941A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6459301B2 publication Critical patent/JP6459301B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Description

本発明は、回転電機の固定子に関し、詳しくは、固定子巻線の相巻線と出力線が接合された回転電機の固定子に関する。
従来、車両において使用される回転電機の固定子として、周方向に配列された複数のスロットを有する円環状の固定子鉄心と、スロットに挿入されて固定子鉄心に巻装された複数の相巻線と、相巻線の端部と外部端子とを接続する出力線と、を有する固定子巻線と、を備えたものが知られている。この固定子では、相巻線及び出力線は銅線よりなり、お互いの端部を溶接して接合(接続)している。
そして、近年では、固定子巻線を形成する導線を銅線に替えて、アルミニウム線を採用することの検討がすすめられている。具体的には、相巻線及び出力線の一方の線に銅線を採用し、他方の線にアルミニウム線を採用する場合が検討されている。
たとえば、特許文献1には、ニッケルめっきしたアルミニウム板から形成されたターミナルに、アルミニウム線を熱カシメし、銅線をハンダ付け又は溶着して接合する技術が開示されている。
特開2013−20983号公報
しかしながら、この場合には、両者の接合部(溶接部)に損傷を生じるおそれがあった。具体的には、回転電機を稼働させると、固定子巻線には大電流が流れ、固定子巻線が発熱する。銅とアルミニウムの熱膨張率には差があり、繰り返しの体積変化(熱膨張)により、異種金属の接合界面に応力が集中して界面の剥離(破損)が生じるおそれがある。なお、銅の熱膨張率は16.8×10−6/Kであり、アルミニウムは23×10−6/Kである。
さらに、車両に搭載される回転電機は、車両の振動も加わるため、この振動に起因する応力の集中も接合部に集中する。車両の振動は、接合部の界面に剥離(破損)が発生すると、その伸展を促進し、最終的に、接合部の破断を生じさせる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の導線を接続(接合)して形成された固定子巻線を備えた回転電機の固定子において、導線の接続部(接合部)での損傷が抑えられた回転電機の固定子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、固定子巻線を形成する複数の導線を強固に接続(接合)する方法について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
本発明の回転電機の固定子は、周方向に配列された複数のスロットを有する円環状の固定子鉄心と、スロットに挿入されて固定子鉄心に巻装された複数の相巻線と、複数の相巻線のそれぞれの端部と外部端子とを接続する複数の出力線と、を有する固定子巻線と、を備えた回転電機の固定子において、相巻線と出力線は固定子巻線のコイルエンドの端面から軸方向に突出し、その先端側が径方向外側に伸び、径方向外側に伸びた両線が互いに平行な状態で、両線の端部のそれぞれが接続ターミナルに接合され、接続ターミナルは、相巻線の端部を囲包した状態で接合する相巻線接合部と、出力線の端部を囲包した状態で接合する出力線接合部と、を有し、相巻線の端部は矩形断面の導体から形成され、相巻線接合部は相巻線の端部の四面のうち三面に当接する3つの平面をもつ形状をなすように形成され、出力線の端部は円形断面の導体から形成され、出力線接合部は出力線の端部の外周面に当接する3つの平面をもつ形状をなすように形成されていることを特徴とする。




本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線を構成する相巻線と出力線の端部のそれぞれを、囲包した状態で接合する二つの接合部を備えている接続ターミナルを有している。この構成によると、相巻線と出力線の端部は、相巻線接合部又は出力線接合部に囲包された状態、すなわち、広い面積で接続ターミナルに接合される。この結果、接合界面を広くすることができ、強固に接合することができる。
また、固定子巻線を構成する相巻線と出力線の端部の伸びる方向が平行な方向となることで、各線が体積変化(熱膨張)を生じても、各線の体積変化(熱膨張)の方向も平行となる。この場合、二つの線の熱膨張率に差があっても、体積変化(熱膨張)を規制する方向に応力が加わり、接合部での破損を抑えることができる。
相巻線の端部と出力線の端部は、同じ方向に伸びていることが好ましい。この構成によると、熱膨張率に差があった場合に、熱膨張率の小さな方が、熱膨張率が大きな方がさらに体積変化しようとするときに、その体積変化を規制する。また、二つの線の端部が同じ方向に伸びることで、接続ターミナルを簡単に組み付けることができる。
なお、本発明において、接続ターミナルの二つの接合部における「端部を囲包した状態」とは、少なくとも各線の端部の周方向の外周面と面接触している状態を示す。すなわち、各線の端部を柱状と見立てたときに、各線の端部と各接合部との接合が少なくとも周方向の長さをもつ状態でなされている状態を示す。ここで、各線の端部が角柱状をなす場合には、二つ以上の外周面で接合された状態を示す。
実施形態1の回転電機の構成を模式的に示す断面図である。 実施形態1の回転電機の固定子の構成を模式的に示す斜視図である。 実施形態1の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を模式的に示す斜視図である。 実施形態1の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を模式的に示す断面図である。 実施形態1の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を絶縁被膜を有する状態で模式的に示す断面図である。 導線の構成を示す断面図である。 導線の構成を示す断面図である。 実施形態2の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を絶縁被膜を有する状態で模式的に示す断面図である。 実施形態2の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を絶縁被膜を有する状態で模式的に示す断面図である。 実施形態2において、相巻線と出力線の接合部に絶縁被膜を形成する工程を模式的に示す図である。 実施形態3の回転電機の固定子の構成を模式的に示す斜視図である。 実施形態3の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を模式的に示す斜視図である。 変形形態1の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を模式的に示す断面図である。 変形形態2の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を模式的に示す断面図である。 変形形態3の回転電機の固定子のうち、相巻線と出力線の接合部の構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の回転電機の固定子の実施の形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
[実施形態1]
実施形態1の回転電機について図1〜図7を参照して説明する。
本形態の回転電機1は、車両用の電動機として使用される。回転電機1は、図1に示すように、有底筒状の一対のハウジング部材10a,10bが開口部同士で接合されてなるハウジング10と、ハウジング10に軸受け11,12を介して回転可能に支承された回転軸13と、回転軸13の外周に固定された回転子14と、回転子14を包囲する位置でハウジング10の内壁面に固定された固定子20と、を備えている。
回転子14は、固定子20の内周側と径方向に対向した外周側に、周方向に所定距離を隔てて配置された複数の永久磁石を有し、これら永久磁石により周方向に極性が交互に異なる複数の磁極が形成されている。回転子14の磁極の数は、回転電機により異なるため限定されるものではない。本形態においては、8極(N極:4、S極:4)の回転子が用いられている。
固定子20は、図2に示すように、円環状に形成されて回転子14の径方向外側に対向して配置された固定子鉄心30と、固定子鉄心30に巻装された複数の相巻線よりなる三相の固定子巻線40と、を備えている。固定子鉄心30は、所定の円環形状に形成された複数の電磁鋼板を固定子鉄心30の軸方向に積層してかしめ固定することにより形成されている。なお、積層された電磁鋼板の間には、絶縁薄膜が配置されている。また、固定子鉄心30は、電磁鋼板の積層体からだけでなく、従来公知の金属薄板及び絶縁薄膜を用いて形成してもよい。
固定子鉄心30は、図2に示すように、その内周部に沿って周方向に等間隔に配列された複数のスロット31を有する。スロット31は、その深さ方向が径方向と一致するように形成されている。固定子鉄心30に形成されたスロット31の数は、回転子14の磁極数(8磁極)に対し、固定子巻線40の一相あたり2個の割合で形成されている。本形態では、8×3×2=48より、スロット数は48個となっている。
固定子巻線40は、複数の導線50を所定の巻回方法で巻回して固定子鉄心30に巻装されてなる。固定子巻線40を構成する導線50は、図6に示すように、電気伝導性を有する導電体製の矩形断面の導体51と、導体51の外周を覆い導体51を絶縁する内層52a及び外層52bよりなる絶縁被膜52とから形成され、絶縁被膜付き平角線が採用されている。
導体51は、電気伝導性を有する導電体(導電性材料)であるアルミニウムで形成される。なお、導体51は、アルミニウム以外の銅等の導電性の金属を用いてもよい。
内層52a及び外層52bを合わせた絶縁被膜52の厚みは、100μm〜200μmの間に設定されている。このように、内層52a及び外層52bからなる絶縁被膜52の厚みが厚いので、導線50同士を絶縁するために導線50同士の間に絶縁紙等を挟み込む必要がなくなっているが、導線50同士の間あるいは固定子鉄心30と固定子巻線40との間に絶縁紙を配設してもよい。
外層52bはナイロン等の絶縁材で形成され、内層52aは外層52bよりもガラス転移温度の高い熱可塑性樹脂又はポリアミドイミド等の絶縁材で形成されている。これにより、回転電機に発生する熱により外層52bは内層52aよりも早く軟化するため、同じスロット31に収容されている複数の導線50が一体化し導線50同士が剛体化するので、スロット31内の導線50の機械的強度が向上する。また、過剰な振動が発生しても、内層52aと導体51の接着箇所よりも内層52aと外層52bとの接着箇所が先に剥離するので、内層52aと導体51との接着を維持し絶縁を確保することができる。
さらに、導線50は、図7に示すように、内層52a及び外層52bからなる絶縁被膜52の外周をエポキシ樹脂等からなる融着材53で被覆してもよい。これにより、融着材53は、回転電機に発生する熱により絶縁被膜52よりも早く溶融するので、同じスロット31に収容されている複数の導線50同士が融着材53同士により熱接着する。その結果、同じスロット31に収容されている複数の導線50が一体化し導線50同士が剛体化することで、スロット31内の導線50の機械的強度が向上する。なお、絶縁被膜52の外層52bには、ポリフェニレンサルファイド(PPS)よりなる被膜を用いてもよい。
また、固定子巻線40を構成する導線50は、固定子鉄心30の内周側でスロット31に挿入されて周方向に沿って波巻きされた形状に成形されている。即ち、導線50は、固定子鉄心30の異なるスロット31に収容される直線状のスロット収容部と、隣り合ったスロット収容部同士をスロット31の外部で接続するターン部とを備えている。
この場合、各導線50のスロット収容部は、所定のスロット数(3相×2個(倍スロット)=6個)ごとのスロット31に収容され、ターン部は、固定子鉄心30の軸方向端面から突出している。これにより、図1に示すように、固定子巻線40の軸方向一端側(図1の右側,軸受け12側)には、多数のターン部の集合体よりなる円環状の第1コイルエンド41が形成されている。また、固定子巻線40の軸方向他端側(図1の左側,軸受け11側)には、多数のターン部の集合体よりなる円環状の第2コイルエンド42が形成されている。
固定子巻線40は、三相(U相,V相,W相)の固定子巻線を形成できるように導線50を巻回して形成される。なお、本発明及び本形態においては、固定子巻線40の導線50の巻回方法(結線の方法)が限定されるものではない。また、本発明を示す各図においては、具体的な導線50の巻回の形態は省略し、固定子巻線40を外形のみで示す。
固定子巻線40は、導線50により形成される各相の相巻線43の出力側の端部が、図2〜5に示すように、接続ターミナル44を介して、出力線45に接続(接合)される。出力線45は、接続ターミナル44に接合されていない端部が、固定子巻線40の外部端子に接続される(又は、外部端子を形成する)。接合部を図3に拡大斜視図で示した。なお、図2〜4では、説明のために絶縁被膜46を図示せず省略する。
相巻線43は、図2に示すように、その端部が、コイルエンド41,42の軸方向の端面から突出して形成される。相巻線43の端部は、後述の図5に示したように、先端部では絶縁被膜52が形成されていない、導体51が露出して形成されている。さらに、本形態では、3本の相巻線43,43,43のすべての端部が、コイルエンド41の軸方向の端面から、軸方向に沿って突出した状態で形成される。
出力線45は、図2に示すように、相巻線43と接合される端部が、コイルエンド41,42の軸方向の端面から突出して配される。本形態では、出力線45は、コイルエンド41の軸方向の端面に沿って伸び、相巻線43に隣接(近接)した位置で、相巻線43の伸びる方向と平行な方向である軸方向に沿って伸びるように曲成する。相巻線43と出力線45は、図3に示したように、各線43,45の先端(先端面)が、コイルエンド41(固定子鉄心30)の端面からの距離が同じ(突出高さが同じ)状態で配されている。
出力線45も、相巻線43の導線50と同様に、導体51’と、絶縁被膜52’と、から形成される。出力線45の導体51’は、導線50の導体51と同じ材質よりなっても、異なる材質よりなってもいずれでもよく、本形態では異なる材質(銅)よりなる。
接続ターミナル44は、図4に軸方向に垂直な断面図で示したように、相巻線43を囲包した状態で接合する相巻線接合部44Aと出力線45を囲包した状態で接合する出力線接合部44Bと、を備えている。相巻線接合部44Aと出力線接合部44Bは、各線43,45のそれぞれの導体51が露出した状態で接合する。
接続ターミナル44は、帯状の金属を略S字形状(クランク形状)に曲成して形成される。接続ターミナル44は、略S字形状(クランク形状)で区画される一方の空間に相巻線接合部44Aが、他方に出力線接合部44Bが、それぞれ形成される。接続ターミナル44を形成する材質は、限定されるものではないが、各線43,45のいずれかの導体51,51’と同じ材質であることが好ましい。本形態では、相巻線43の導体51と同じ材質であるアルミニウムが用いられる。
接続ターミナル44を形成する帯状の金属は、その大きさは限定されない。長手方向の長さは、各接合部44A,44Bを形成できる長さであればよい。長手方向に垂直な幅方向の長さについても、接合したときに各線43,45を固定できる幅があればよい。
各線43,45の接続ターミナル44を介しての接合は、加熱する溶接であっても、接続ターミナル44が各線43,45を囲包した状態でカシメても、両者を併用しても、いずれでもよい。本形態では、接続ターミナル44が各線43,45の端部を囲包した状態でカシメを行い、その後、溶接して接合される。
各線43,45の接合部は、図5に模式図で示したように、絶縁樹脂よりなる絶縁被膜46で被覆されている。
絶縁被膜46は、各線43,45の端部及び接続ターミナル44を覆うように形成される。また、絶縁被膜46は、各線43,45の導体51,51’が露出した部分だけでなく、絶縁被膜52,52’の一部も覆う(絶縁被膜52,52’も被覆する)ように形成される。
本形態での絶縁被膜46は、熱収縮樹脂から形成される。各線43,45の端部と接続ターミナル44の接合部を、熱収縮樹脂シート(フィルム)で被覆し、その後加熱して収縮することで形成される。
(本形態の作用効果)
本形態の回転電機1は、相巻線43の端部と出力線45の端部は、その伸びる方向が平行な状態で、各端部のそれぞれが接続ターミナル44に接合されている。そして、接続ターミナル44は、相巻線43の端部を囲包した状態で接合する相巻線接合部44Aと、出力線45の端部を囲包した状態で接合する出力線接合部44Bと、を有する。
この構成によると、相巻線43と出力線45の端部は、相巻線接合部44A又は出力線接合部44Bに囲包された状態、すなわち、各線43,45の端部と接続ターミナル44とは、広い面積で接合される。この結果、接合面積を広くすることができ、各線43,45のそれぞれを接続ターミナル44に強固に接合することができる。
さらに、本形態では、相巻線43の端部と出力線45の接合部が、接続ターミナル44により、広い表面積を備える。この構成によると、相巻線43の端部と出力線45の接合部の放熱性が高まり、固定子20(固定子巻線40)の放熱性が向上する。
本形態では、略S字形状(クランク形状)の一方の空間に相巻線接合部44Aが、他方に出力線接合部44Bが、それぞれ形成されており、相巻線43が3面という広い面積で接合されている(出力線45も同等)。すなわち、各線43,45のそれぞれをより強固に接合される。
さらに、接続ターミナル44が略S字形状(クランク形状)をなすことで、二つの接合部44A,44Bが帯状の金属の一部を共用する。この構成では、二つの接合部44A,44Bの接合を同時に行うことができるだけでなく、相巻線43の端部と出力線45の端部間の距離を短くでき、電気抵抗によるロスを抑えることができる。
固定子巻線40を構成する相巻線43と出力線45の端部の伸びる方向が平行な方向となることで、各線43,45が体積変化(熱膨張)を生じても、各線43,45の体積変化(熱膨張)の方向も平行となる。この場合、二つの線の熱膨張率に差があっても、熱膨張率の大きい線(アルミニウムよりなる相巻線43)が体積変化を伸びる方向に生じようとしても、熱膨張率の小さい線(銅よりなる出力線45)が熱膨張の差により体積変化(熱膨張)を規制するように働く。そして、接合部での破損が抑えられる。
本形態では、特に、相巻線43と出力線45の端部の伸びる方向が同一方向に伸びているため、体積変化(熱膨張)の方向が同一方向となる。この場合、二つの線の熱膨張率の差から、接合部に加わる応力をより小さくすることができ、より損傷を抑えることができる。
なお、相巻線43と出力線45の端部は、その伸びる方向が平行であればよく、反対方向に伸びていてもよい。この場合には、相巻線43の伸び(膨張)を、出力線45の伸び(膨張)が抑える方向に応力が加わる。この場合、上記した端部の伸びる方向が同一方向である場合と比較して、相巻線43により大きな応力を加えて伸びを規制できる。
本形態では、相巻線43と出力線45の接合部は、熱収縮樹脂から形成された絶縁被膜46が被覆している。絶縁被膜46を有することで、接合部の電気絶縁性が確保される。さらに、絶縁被膜46が熱収縮樹脂から形成されることで、簡単に所定の範囲で絶縁被膜46を形成できる。
また、絶縁被膜46が各線43,45の絶縁被膜52,52’も被覆するように形成されることで、導体51,51’が露出しなくなり、より電気絶縁性が確保できる。
[実施形態2]
本形態は、固定子巻線40の絶縁被膜46が異なること以外は、実施形態1の回転電機1と同様な構成の回転電機である。本形態の相巻線43と出力線45の接合部近傍の構成を、図8に模式図で示した。
本形態では、実施形態1と同様にして、相巻線43と出力線45とが接続ターミナル44を介して接合される。そして、この接合部を覆うように絶縁被膜46’が形成される。
本形態での絶縁被膜46’は、流動性を持つ状態の絶縁樹脂から形成される。各線43,45を接続ターミナル44を介して接合した接合部を加熱された状態のまま、絶縁樹脂を付着させ、冷却して形成される。
本形態では、絶縁被膜46’は、粉末状の絶縁樹脂から形成される。粉末状の絶縁樹脂は、各線43,45の接合部の周囲に簡単に配することができ、絶縁被膜46’を簡単に形成できる。
さらに、粉末状の絶縁樹脂は流動性を備えており、各線43,45の接合部に付着させたときに、絶縁樹脂自身の流動性により隙間を生じさせることなく、絶縁被膜46’を簡単に形成できる。
特に、相巻線43と出力線45とを接続ターミナル44に接合するときに、各線43,45の絶縁被膜52,52’に変形(図9に示した、先端が開く方向での変形)を生じている場合に、粉末状の絶縁樹脂が流入して充填することができ、絶縁被膜46’を隙間無く形成できる。この構成では、絶縁被膜46’により、より長い沿面距離を確保でき、より高い電気絶縁性を得られる。
本形態では、相巻線43の端部と出力線45の端部が、コイルエンド41(固定子鉄心30)の端面からの距離が同じ(突出高さが同じ)状態で配されている。この構成によると、図10に示したように、粉末状の絶縁樹脂をガス(空気)とともに槽状の容器(粉末樹脂槽)に配しておき、各線43,45の接合部を所定の深さで浸漬(挿入)することで、すべての接合部を同じ浸漬深さで浸漬(挿入)できる。これにより、各接合部に同じ絶縁被膜46’を簡単に形成できる。このとき、粉末状の絶縁樹脂は、加熱溶融した状態や分散媒に溶解した状態等の溶液状であってもよい。また、絶縁樹脂粉末を、各線43,45の端部と接続ターミナル44の接合部に吹き付けて付着させて、絶縁被膜46を形成してもよい。
その他、本形態でも、実施形態1の時と同様の効果を発揮できる。
[実施形態3]
本形態は、相巻線43と出力線45の接合部近傍の構成が異なること以外は、実施形態1の回転電機1と同様な構成の回転電機である。本形態の相巻線43と出力線45の接合部近傍の構成を示すために、本形態の固定子20を斜視図で図11に示した。図11は、上記した図2と同様に図示した図である。また、相巻線43と出力線45の接合部近傍の構成を拡大図として図12で示した。
本形態では、相巻線43と出力線45は、その端部が、コイルエンド41の端面から軸方向に伸びた後、径方向外方に向かって伸びるように更に曲成されている。
本形態でも、実施形態1の時と同様の効果を発揮できる。
本形態では、相巻線43と出力線45の接合部の、コイルエンド41の端面からの突出高さを短くすることができる。すなわち、本形態は、固定子30の軸方向長さを短くすることができ、回転電機の全体の体格(軸方向長さ)を小型化できる。
[変形形態]
上記した各形態では、接続ターミナル44が帯状の金属を略S字形状(クランク形状)に曲成して形成されているが、二つの接合部44A,44Bを有する形状であればこの形状に限定されない。
(変形形態1)
本形態の接続ターミナル44は、図13にその構成を断面図で示した接続ターミナル44である。
本形態の接続ターミナル44は、図13に示したように、二つの接合部44A,44Bが背向する方向に開口した断面略H字形状を有する。
本形態でも、上記した各形態と同様な効果を発揮できる。
(変形形態2)
本形態の接続ターミナル44は、図14にその構成を断面図で示した接続ターミナル44である。
本形態の接続ターミナル44は、図14に示したように、二つの接合部44A,44Bが同一方向で開口した断面略E字形状を有する。
本形態でも、上記した各形態と同様な効果を発揮できる。
(変形形態3)
本形態の接続ターミナル44は、図15にその構成を断面図で示した接続ターミナル44である。
本形態の接続ターミナル44は、図15に示したように、二つの接合部44A,44Bが同一方向で開口した断面略W字形状を有する。
本形態では、二つの接合部44A,44Bが接続部44Cで接続された形状となっている。この構成によると、二つの接合部44A,44Bが位置のずれを生じても、接続部44Cがその応力を緩和する。すなわち、相巻線43と出力線45の接合部における応力の集中を抑えることができ、損傷の発生をより抑えることができる。
さらに、上記した各形態と同様な効果を発揮できる。
1:回転電機
10:ハウジング 11,12:軸受け
13:回転軸 14:回転子
20:固定子
30:固定子鉄心 31:スロット
40:固定子巻線 41,42:コイルエンド
43:相巻線 44:接続ターミナル
45:出力線 46:絶縁被膜
50:導線 51,51’:導体
52,52’:絶縁被膜 53:融着材

Claims (10)

  1. 周方向に配列された複数のスロット(31)を有する円環状の固定子鉄心(30)と、
    該スロットに挿入されて該固定子鉄心に巻装された複数の相巻線(43,43,43)と、複数の該相巻線のそれぞれの端部と外部端子とを接続する複数の出力線(45,45,45)と、を有する固定子巻線(40)と、
    を備えた回転電機の固定子(20)において、
    該相巻線と該出力線は該固定子巻線のコイルエンド(41)の端面から軸方向に突出し、その先端側が径方向外側に伸び、径方向外側に伸びた両線が互いに平行な状態で、両線の端部のそれぞれが接続ターミナル(44)に接合され、
    該接続ターミナルは、該相巻線の端部を囲包した状態で接合する相巻線接合部(44A)と、該出力線の端部を囲包した状態で接合する出力線接合部(44B)と、を有し、
    前記相巻線の端部は矩形断面の導体から形成され、前記相巻線接合部は前記相巻線の端部の四面のうち三面に当接する3つの平面をもつ形状をなすように形成され、
    前記出力線の端部は円形断面の導体から形成され、前記出力線接合部は前記出力線の端部の外周面に当接する3つの平面をもつ形状をなすように形成されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記相巻線の端部と前記出力線の端部は、同じ方向に伸びている請求項1記載の回転電機の固定子。
  3. 前記接続ターミナルは、前記相巻線の端部と前記出力線の端部の伸びる方向に垂直な断面がクランク形状をなす請求項1〜2のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記接続ターミナルは、前記相巻線の端部と前記出力線の端部の伸びる方向に垂直な断面がS字形状をなす請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記接続ターミナルは、前記相巻線と前記出力線のいずれかと同じ材質により形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  6. 前記接続ターミナル及び前記相巻線はアルミニウムよりなり、前記出力線は銅よりなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  7. 前記相巻線と前記出力線の接合部は、絶縁被膜(46)が形成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  8. 前記絶縁被膜は、熱収縮樹脂で形成される請求項7記載の回転電機の固定子。
  9. 前記絶縁被膜は、粉末状または溶液状の絶縁樹脂を付着して形成される請求項7記載の回転電機の固定子。
  10. 前記相巻線の端部と前記出力線の端部は、前記固定子鉄心の軸方向の端面から外方に向かって同じ高さに位置して形成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
JP2014170403A 2014-08-25 2014-08-25 回転電機の固定子 Active JP6459301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014170403A JP6459301B2 (ja) 2014-08-25 2014-08-25 回転電機の固定子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014170403A JP6459301B2 (ja) 2014-08-25 2014-08-25 回転電機の固定子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016046941A JP2016046941A (ja) 2016-04-04
JP6459301B2 true JP6459301B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=55637021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014170403A Active JP6459301B2 (ja) 2014-08-25 2014-08-25 回転電機の固定子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6459301B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109617285A (zh) * 2019-01-31 2019-04-12 郑州智驱科技有限公司 一种发卡电机定子绕组插纸结构
CN110474464A (zh) * 2019-09-19 2019-11-19 卧龙电气驱动集团股份有限公司 定子总成、电机及定子总成的制造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5111032Y1 (ja) * 1970-03-24 1976-03-25
JPS5963675A (ja) * 1983-05-25 1984-04-11 株式会社日立製作所 熱圧着用電線接続端子
JP2000341841A (ja) * 1999-05-26 2000-12-08 Sumitomo Wiring Syst Ltd 電線端末接続部の止水方法および止水構造
JP4581479B2 (ja) * 2004-05-14 2010-11-17 株式会社デンソー 回転電機
JP4650284B2 (ja) * 2006-01-26 2011-03-16 日立電線株式会社 リードフレーム及びそれを用いた配電部品
JP2010081771A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Aisin Aw Co Ltd ステータ
JP5282527B2 (ja) * 2008-10-31 2013-09-04 アイシン精機株式会社 モータコイルの配線部品
JP2014011937A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Aisin Aw Co Ltd ステータ
JP5460808B2 (ja) * 2012-10-15 2014-04-02 三菱電機株式会社 ターミナル、モータ及び電気機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016046941A (ja) 2016-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4797728B2 (ja) 回転電機の固定子、固定子に用いられる部品および回転電機の固定子の製造方法
JP7003674B2 (ja) 回転電機のステータおよびステータコイルの製造方法
US11444502B2 (en) Coil bobbin, stator core of distributed winding radial gap-type rotating electric machine, and distributed winding radial gap-type rotating electric machine
JP3275839B2 (ja) 車両用交流発電機
JP2016127629A (ja) 回転電機用ステータ、および、その製造方法
JP4445023B2 (ja) 回転電機の固定子及び回転電機
JP5233441B2 (ja) 回転電機
JP5151738B2 (ja) 回転電機の固定子及び回転電機
JP2007295697A (ja) 回転電機の固定子および固定子に用いられる部品
JP5569289B2 (ja) 回転電機の固定子
US11509181B2 (en) Armature having a core leg position fixing member for reducing thermal stress
US20210391763A1 (en) Armature
US9893594B2 (en) Armature of rotating electrical machine and method for manufacturing same
JP2010239691A (ja) 回転電機の固定子及び回転電機
JP5292973B2 (ja) 回転電機の固定子及び回転電機
JP2009268161A (ja) 回転電機の固定子及び回転電機
US11863036B2 (en) Armature and manufacturing method of armature
JP2007295698A (ja) 回転電機の固定子
JP2011135753A (ja) モータ
US11955857B2 (en) Armature
JP6459301B2 (ja) 回転電機の固定子
JP2011223768A (ja) 温度検出素子の配置方法、モータ
WO2020250600A1 (ja) 整流子と巻線との接続構造及びそれを有するロータ、モータ、並びに整流子と巻線との接続方法
JP2019187179A (ja) 回転電機の固定子およびその製造方法
JP7067344B2 (ja) 電機子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6459301

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250