JP6458608B2 - 搬送装置及び画像記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを搬送する搬送装置及び、それを備える画像記録装置に関する。
例えば画像記録装置において紙詰まりが起こったときには、ユーザにより、用紙搬送路などに詰まった記録用紙を取り除く処理(以下、ジャム処理と称する)が行われる。ところが、ジャム処理に際して、紙詰まりを起こした記録用紙が、記録用紙を搬送するための搬送ローラ対などにより挟まれた状態になっていると、記録用紙を取り除く作業は困難になる。特に、搬送ローラ対による記録用紙の搬送精度を高めるために、搬送ローラ対により用紙を挟圧する力(ニップ荷重)を大きくしている場合には、用紙を搬送ローラ対から引き抜くときに用紙が破れ、その破片が装置内部に紛れ込んで装置内から取り除くことが困難になることも考えられる。
上記不都合を解消するために、搬送ローラ対の各ローラが互いに当接して用紙を挟圧しているニップ状態を、給紙トレイが装置本体から引き出されることで自動的に解除するように構成した画像記録装置が知られている(特許文献1及び2参照)。これにより、ユーザは、給紙トレイを装置本体から引き出すだけで、搬送ローラ対のニップ状態を解除でき、紙詰まりを起こしている記録用紙を、例えば給紙トレイが装着されていた装置本体の開口部を通して容易に取り除くことができる。また、上記従来の画像記録装置は、例えばジャム処理が終了してユーザが給紙トレイを記録装置に装着すると、搬送ローラ対を自動的にニップ状態に復帰させる機構も有している。
特開平7−277552号公報 特開平7−33268号公報
上述した通り、上記従来の画像記録装置は、給紙トレイの装着及び引き出しと連動して、搬送ローラ対のニップ状態を自動的に解除し且つ搬送ローラ対を自動的にニップ状態に復帰させる連動機構を有している。そのような連動機構は、給紙トレイが装着及び引き出しされる空間に突出しており、ユーザなどによって移動されるトレイと当接することによって回動などの状態変化が可能なリリース部材を有する。給紙トレイが引き出される過程におけるリリース部材の一方向の状態変化が、搬送ローラ対のうちの一方のローラを他方のローラから離間する動きとして伝達されることにより、搬送ローラ対のニップ状態が解除される。一方、給紙トレイが装着される過程におけるリリース部材の他方向の状態変化が、搬送ローラ対がニップ状態へ復帰する動きとして伝達される。
上記従来の画像記録装置においては、例えばトレイが装置から引き出され、搬送ローラ対のニップ状態が解除された後、ユーザの誤操作などに起因して、給紙トレイが装置から引き出されたままの状態で搬送ローラ対がニップ状態に復帰してしまうことがある。そのような場合には、搬送ローラ対のニップ状態への復帰に追随して、リリース部材がそれと対応する位置へ姿勢変化する。しかしながら、搬送ローラ対がニップ状態であるときのリリース部材の位置は、搬送ローラ対のニップが解除された状態であるときのリリース部材の位置と異なっている。その状態で給紙トレイが当該装置に装着されようとしても、すでに姿勢変化したリリース部材に給紙トレイが衝突して、給紙トレイが装着位置まで移動できない事態が起こり得る。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートを挟持して搬送する搬送手段を、シートを支持可能なトレイの当該装置への装着及び当該装置からの引き出しと連動して、シートを挟持可能なニップ状態と、ニップ状態が解除されたニップ解除状態との間で切り替え可能な連動機構を有する構成において、その連動機構によりトレイの装着及び引き出しが阻害されるのを防止することができる搬送装置及び、それを備える画像記録装置を提供することにある。
(1) 本発明の第1実施形態に係る搬送装置は、搬送ローラと、上記搬送ローラとシートを挟持可能であり、上記搬送ローラと当接する当接位置と、上記搬送ローラから離間する離間位置とに移動可能である挟持部材と、上記シートを支持可能であり、当該装置への装着及び当該装置からの引き出しが可能であり、当該装置に装着された装着状態と、当該装置から引き出された引出状態とに移動可能なトレイと、上記トレイを当該装置に装着するときの装着方向及び上記トレイを当該装置から引き出すときの引出方向と交差する方向に延びる回動軸周りに回動可能に設けられており、第1状態、上記第1状態から上記回動軸周りの第1回動方向へ180°未満の角度θ1だけ回動した第2状態、及び上記第1状態から上記回動軸周りの上記第1回動方向と反対の第2回動方向へ180°未満の角度θ2だけ回動した第3状態をとることが可能であり、上記第1状態を規定位置としており、上記第1状態において、上記トレイと上記装着状態及び上記引出状態の間において当接可能であり、上記トレイが上記装着状態から上記引出状態に移動する場合に、上記トレイとの当接により上記第1状態から上記第2状態に回動し、上記トレイが上記引出状態から上記装着状態に移動する場合に、上記トレイとの当接により上記第1状態から上記第3状態に回動するレバー部材と、上記レバー部材の上記第1状態から上記第2状態への回動によって、上記挟持部材を上記離間位置に移動させ、上記レバー部材の上記第1状態から上記第3状態への回動によって、上記挟持部材を上記当接位置に移動させる連動機構と、を備える。
上記構成によれば、トレイが当該装置に装着された装着状態において挟持部材は搬送ローラと当接する当接位置にあり、搬送ローラ及び挟持部材から構成される搬送手段は、シートを挟持可能なニップ状態になっている。レバー部材は、第1状態を規定位置として付勢されており、トレイが装着状態から引出状態に移動する場合には、トレイが第1状態であるレバー部材と当接し、レバー部材は第1状態から第2状態に第1回動方向へ回動する。レバー部材が第1状態から第2状態に回動すると、連動機構により挟持部材は離間位置へ移動され、上記搬送手段はニップ状態が解除されて、リリース状態となる。また、レバー部材は、規定位置としての第1状態に復帰する。以上により、例えばインクジェット記録装置においては、ジャム処理を行うことが容易になる。
一方、トレイが装着状態から引出状態に移動する場合にも、トレイが第1状態であるレバー部材と当接し、レバー部材は第1状態から第3状態に第2回動方向へ回動する。レバー部材が第1状態から第3状態に回動すると、連動機構により挟持部材は当接位置へ移動され、上記搬送手段はニップ状態となる。また、レバー部材は、規定位置としての第1状態に復帰する。これにより、例えばインクジェット記録装置においては、記録用紙への画像記録が可能となる。以上のように、上記構成によれば、搬送手段がニップ状態であるときにもニップ解除状態であるときにも第1状態に位置するレバー部材にトレイを当接させることにより、搬送手段のニップの解除及び復帰を行うことができる。したがって、ユーザの誤操作などに起因して、例えばトレイが当該装置から引き出された状態において搬送手段のニップが復帰しても、レバー部材との当接によりトレイの当該装置への装着が阻害されるのを防止することが容易になる。
(2) 好ましくは、該搬送装置においては、上記トレイは、上記第1状態に位置するレバー部材と当接可能なレバー当接部を有し、上記レバー当接部は、上記トレイが上記装着状態において上記レバー部材と当接していない。
上記構成によれば、トレイが当該装置に装着された状態においてトレイがレバー部材と当接していないことから、例えば挟持部材を搬送ローラに向かって付勢する付勢力がレバー部材に掛かっている構成においても、その付勢力がレバー部材を介してトレイに掛かることがない。したがって、挟持部材がトレイを基準に位置決めされることがなく、レバー部材とトレイとの位置決め精度や、トレイの当該装置に対する装着精度等が高くない場合にも、搬送ローラと挟持部材とによるシートの十分な搬送精度を確保することが容易になる。
(3) 好ましくは、該搬送装置は、上記挟持部材を保持し、上記挟持部材と一体に移動可能な保持部材を更に備えており、上記連動機構は、上記保持部材と当接可能であり、上記挟持部材が上記当接位置となる第1位置と、上記挟持部材が上記離間位置となる第2位置とに移動可能であり、上記レバー部材の上記第1状態から上記第2状態への回動により上記第1位置に移動し、上記レバー部材の上記第1状態から上記第3状態への回動により上記第2位置に移動する移動部材を有する。
上記構成によれば、挟持部材が例えばローラなどの回動する部材であっても、挟持部材を保持部材により保持することによって、挟持部材を回動可能な状態により移動させることができる。つまり、挟持部材を状態変化可能且つ移動可能に構成することができる。
(4) 好ましくは、該搬送装置は、上記レバー部材を上記第1状態に付勢する第1付勢部材を更に備える。
上記構成によれば、バネなどの構造の簡単な付勢部材により、レバー部材を規定位置である第1状態に付勢することができ、簡単な構成により、トレイの挿抜と連動して、トレイとの当接により搬送手段のニップ及びその解除を切り替える構成において、連動機構によりトレイの装着及び引き出しが阻害されるのを防止することができる。なお、レバー部材は、自重により第1状態に付勢されてもよい。
(5) 好ましくは、該搬送装置においては、上記挟持部材を上記搬送ローラへ向かって付勢する第2付勢部材を更に備えており、上記移動部材は、上記第1位置において上記保持部材と当接しないものである。
上記構成によれば、保持部材を第2位置に位置する移動部材と当接させ、保持部材を第1位置に位置する移動部材と当接させない簡単な構成により搬送手段のニップ及びその解除を切り替えることができる。したがって、搬送装置の製造を容易にすることができる。
(6) 好ましくは、該搬送装置においては、上記移動部材は、上記装着方向及び上記引出方向に沿って上記第1位置と上記第2位置とに移動可能であり、上記装着方向及び上記引出方向において、上記レバー部材に対して上記引出方向に配置されており、上記第1状態から上記第2状態に上記第1回動方向へ回動する上記レバー部材と当接可能であり、当該レバー部材の回動によって、上記移動部材を上記第1位置に移動させる第1当接部と、上記装着方向及び上記引出方向において、上記レバー部材に対して上記装着方向に配置されており、上記第1状態から上記第3状態に上記第2回動方向へ回動する上記レバー部材と当接可能であり、当該レバー部材の回動によって、上記移動部材を上記第2位置に移動させる第2当接部と、を有する。
上記構成によれば、移動部材に例えば棒状または突起状の2つの当接部を設けるだけの簡単な構成によって、レバー部材の回動と連動して移動部材を第1位置と第2位置とに移動させる連動機構を構成することができる。したがって、連動機構を簡単な構造とすることができ、搬送装置の製造を容易にすることができる。
(7) 好ましくは、該搬送装置においては、上記レバー部材は、上記移動部材が上記第1位置に位置する状態において、上記第1当接部と当接することによって上記第1状態に位置決めされるものであり、且つ上記移動部材が上記第2位置に位置する状態において、上記第2当接部と当接することによって上記第1状態に位置決めされるものである。
上記構成によれば、移動部材が第1位置に位置する状態と第2位置に位置する状態の両方において、第1当接部及び第2当接部により、レバー部材を規定位置である第1状態に位置決めすることができる。これにより、トレイの装着及び引き出しの際に確実にレバー部材にトレイを当接させることができる。したがって、トレイの装着及び引き出しと連動して確実に搬送手段のニップ状の切り替えを行うことができる。
(8) 好ましくは、該搬送装置は、上記保持部材を移動可能に支持し且つ上記移動部材を移動可能に支持する第1フレームを更に備える。
上記構成によれば、保持部材と移動部材との位置関係を例えば金属製の第1フレームにより規定することができるので、保持部材と移動部材との当接により、挟持部材を当接位置に正確に位置決めすることが容易になる。これにより、上記搬送手段によるシートの十分な搬送精度を確保することが容易になる。
(9) 好ましくは、該搬送装置は、上記第1フレームにより支持されており、上記レバー部材を回動可能に支持する第2フレームを更に備える。
上記構成によれば、保持部材及び移動部材と、レバー部材との位置関係を例えば金属製の第1フレーム及び第2フレームにより規定することができる。したがって、移動部材を、レバー部材の回動と連動して確実に第1位置と第2位置とに移動させることができる。なお、第1フレームと第2フレームは一体のものにすることももちろん可能である。しかし、第1フレームと第2フレームを別体のものとすることによって、搬送装置の設計の自由度が大きくなり、搬送装置の製造を容易にすることができる。
(10) 好ましくは、該搬送装置においては、上記挟持部材は、ローラである。
(11) 本発明の一実施形態に係る画像記録装置は、上記搬送装置と、シートに画像を記録する記録部と、を備える。
本発明によれば、シートを挟持して搬送する搬送手段を、シートを支持可能なトレイの当該装置への装着及び当該装置からの引き出しと連動して、シートを挟持可能なニップ状態と、ニップ状態が解除されたニップ解除状態との間で切り替え可能な連動機構を有する構成において、その連動機構によりトレイの装着及び引き出しが阻害されるのを防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置としてのプリンタ部11を含む複合機10の斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、搬送ローラ60を支持する第1フレーム51を上方向7Aから見た上面図である。 図4は、移動部材53を第1位置において支持する第1フレーム51を下方向7Bから見た斜視図である。 図5は、図3のV−V線の矢視断面図である。 図6は、レバー部材54と給送トレイ20との位置関係を示す図3のV−V線の矢視断面図であって、給送トレイ20が装着位置P1に位置する状態(a)、及び給送トレイ20がプリンタ部11から引き出される途中の状態(b)を示す。 図7は、レバー部材54と給送トレイ20との位置関係を示す図3のV−V線の矢視断面図であって、給送トレイ20が引出位置P2に位置する状態(a)、及び給送トレイ20が当該装置に装着される途中の状態(b)を示す。 図8は、移動部材53を第2位置において支持する第1フレーム51を下方向7Bから見た斜視図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上方向7A及び下方向7Bが定義され、開口13が設けられている面を手前(前面)として前方向8A及び後方向8Bが定義され、複合機10を手前(前面)から見て左方向9A及び右方向9Bが定義される。
[複合機10の全体構造]
図1に示されるように、複合機10は、薄型の直方体に概ね形成されており、下部にプリンタ部11(画像記録装置の一例)が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。複合機10は、プリント機能として、インクジェット方式で記録用紙12(図2参照)の片面に画像を記録する機能を有している。なお、複合機10は、記録用紙12の両面に画像を記録するものであってもよい。プリンタ部11は、記録用紙12を搬送する搬送装置を有している。搬送装置は、搬送ローラ対59と、給送トレイ20の挿抜と機械的に連動して、搬送ローラ対59のニップ状態とリリース状態(ニップ解除状態)とを切り替える連動機構(連動機構の一例)と、を有している。
[給送トレイ20]
図1に示されるように、プリンタ部11の前面には、開口13が形成されている。給送トレイ20が、前方向8A及び後方向8Bに移動することによって、開口13を介してプリンタ部11に挿入及び脱抜可能である。ここでは、前方向8A及び後方向8Bが装着方向及び引出方向の一例である。
図2に示されるように、給送トレイ20の底板22には、記録用紙12が積層した状態により支持される。給送トレイ20は、上部が開放された箱形状の部材であり、概略長方形の底板22の左方向9A及び右方向9Bの端部に、図6に示されているように、上方向7Aに延びる概略長方形の側板20Bが立設されている。側板20Bの後方向8Bの端部には上方向7Aに突出する突出部20A(レバー当接部の一例)がレバー部材54と当接可能に設けられている。
給送トレイ20の底板22により、左方向9A及び右方向9Bに移動可能な一対のサイドガイド(不図示)が支持されている。各サイドガイドの側面には、それぞれ底板22により支持された記録用紙12の左方向9A及び右方向9Bの端部が当接する。一対のサイドガイドのうちの一方が左方向9A又は右方向9Bに移動すると、他方が連動して右方向9B又は左方向9Aへ移動する。以上より、本実施形態においては、記録用紙12は、給送トレイ20の左方向9A及び右方向9Bの中央を基準として位置決めされる。
[排出トレイ21]
給送トレイ20の前部且つ上部において、排出トレイ21が給送トレイ20により支持されている。排出トレイ21は、給送トレイ20と一体に前方向8A及び後方向8Bに移動する。排出トレイ21には、記録部24によって画像が記録された記録用紙12が排出される。
[給送部16]
図2に示されるように、給送部16は、プリンタ部11に装着された状態の給送トレイ20の底板22の上方向7A且つ記録部24の下方向7Bに設けられている。給送部16は、給送ローラ25、給送アーム26、及び駆動伝達機構27を備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端部において軸支されている。給送アーム26は、基端部に設けられた支軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給送ローラ25は、給送トレイ20または当該給送トレイ20に支持された記録用紙12に対して、当接及び離間が可能である。
給送ローラ25は、複数のギヤを含む駆動伝達機構27によって、搬送用モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転する。これにより、給送トレイ20の底板22により支持された記録用紙12のうち、給送ローラ25と当接している最も上側の記録用紙12が、搬送路65へ給送される。なお、給送ローラ25は、搬送用モータとは別に設けられたモータから駆動力を付与されて回転してもよい。また、駆動伝達機構27は、複数のギヤを含む形態に限らず、例えば支軸28と給送ローラ25の軸とに架け渡されたベルトを含むものであってもよい。
[搬送路65]
図2に示されるように、給送トレイ20の後端部から搬送路65が延出されている。搬送路65は、湾曲部33と直線部34とを備える。湾曲部33は、後方向8Bを湾曲外側とし、前方向8Aを湾曲内側として湾曲しつつ延びている。直線部34は、前方向8A及び後方向8Bに延びている。
湾曲部33は、所定間隔を隔てて互いに対向する第1ガイド部材18と第2ガイド部材19とによって形成されている。第1ガイド部材18は、湾曲部33の湾曲外側を画定している。第2ガイド部材19は、湾曲部33の湾曲内側を画定している。直線部34は、記録部24が配置されている位置では所定間隔を隔てて互いに対向する記録部24とプラテン42とによって形成されている。第1ガイド部材18及び第2ガイド部材19は、図2における紙面と直交する方向である左方向9A及び右方向9Bに延設されている。
給送トレイ20により支持された記録用紙12は、給送ローラ25によって湾曲部33を下から上へUターンするように搬送されて搬送ローラ対59に到達する。搬送ローラ対59により挟持された記録用紙12は、画像記録面を記録部24に向けて直線部34を前方向8Aに搬送される。記録部24の直下に到達した記録用紙12は、記録部24により画像記録面に画像を記録される。画像が記録された記録用紙12は、直線部34を前方向8Aに搬送されて排出トレイ21に排出される。以上のように、記録用紙12は、図2に一点鎖線の矢印により示される搬送方向15に沿って搬送される。
[第1ガイド部材18]
第1ガイド部材18は、下部に形成された軸48を中心として、矢印66の方向に回動可能に構成されている。第1ガイド部材18は、図2に実線で示される位置に位置する第1状態のときに湾曲部33の湾曲外側を画定し、図2に破線で示される位置に位置する第2状態のときに湾曲部33を外部に露出させる。複合機10のユーザは、第1ガイド部材18を第1状態から第2状態に状態変化させることにより、湾曲部33に詰まった記録用紙12を取り出すことができる。
なお、第1ガイド部材18は、回動以外によって状態変化してもよい。例えば、第1ガイド部材18は、プリンタ部11に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合、第1ガイド部材18は、プリンタ部11に取り付けられ且つ湾曲部33の湾曲外側を画定する第1状態と、プリンタ部11から取り外され且つ湾曲部33を外部に露出させる第2状態との間で状態変化する。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、直線部34の上方向7Aに設けられており、キャリッジ40と記録ヘッド38とを備えている。記録部24の下方向7B且つ記録部24と対向する位置には、プラテン42が設けられている。プラテン42は、上部によって直線部34を搬送ローラ対59により搬送される記録用紙12を支持する部材である。
キャリッジ40は、前方向8A及び後方向8Bに間隔を空けて配置された2つのガイドレール56、57によって左方向9A及び右方向9Bへ往復移動可能に支持されている。記録ヘッド38は、キャリッジ40に搭載されている。記録ヘッド38には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド38の下面には、ノズル39が形成されている。キャリッジ40が左方向9A及び右方向9Bに移動している状態において、記録ヘッド38は、ノズル39からインク滴をプラテン42に向けて吐出する。これにより、プラテン42に支持された状態の記録用紙12に画像が記録される。
[搬送ローラ対59]
図2に示されるように、搬送路65の直線部34における記録ヘッド38より搬送方向15上流に、搬送ローラ対59が配置されている。直線部34における記録ヘッド38より搬送方向15下流には、排出ローラ対44が配置されている。
[搬送ローラ60]
搬送ローラ対59は、直線部34の上方向7Aに配置された搬送ローラ60(搬送ローラの一例)と、直線部34の下方向7Bに搬送ローラ60と対向して配置されたピンチローラ61(挟持部材の一例)とを備えている。図3に示されるように、搬送ローラ60は、筐体14の内部において左方向9A及び右方向9Bに延びる円柱状の部材である。搬送ローラ60は、サイドフレーム55によって支持されており、第1フレーム51の上方向7Aに位置する。
[ピンチローラ61]
ピンチローラ61は、筐体14の内部において、左方向9A及び右方向9Bに間隔を空けて複数設けられている。図5に示されるように、ピンチローラ61は、回転軸61Aがローラホルダ85によって回転可能に支持されている。図4に示されるように、ローラホルダ85は、ピンチローラ61と対応して、左方向9A及び右方向9Bに間隔を空けて複数設けられている。ローラホルダ85は、第1フレーム51の上方向7Aにおいて第1フレーム51によって支持されており、第1フレーム51により支持される板バネ状の付勢部材57(第2付勢部材の一例)によって、概ね上方向7Aに搬送ローラ60に向かって付勢されている。
[排出ローラ対44]
図2に示されるように、排出ローラ対44は、直線部34の下方向7Bに配置された排出ローラ62と、直線部34の上方向7Aに排出ローラ62と対向して配置された拍車63とを備えている。拍車63は、左方向9A及び右方向9Bに間隔を空けて複数設けられている。排出ローラ62は、左方向9A及び右方向9Bに延びる軸64と、軸64に取り付けられたローラ部58とを備えている。ローラ部58も、左方向9A及び右方向9Bに間隔を空けて複数設けられており、拍車63と対向する位置に設けられている。拍車63は、図示しない弾性部材によってローラ部58に押圧されている。
搬送ローラ60及び排出ローラ62は、上記搬送用モータから駆動力が伝達されて回転する。搬送ローラ対59に記録用紙12が挟持されている状態(ニップ状態)で搬送ローラ60が回転すると、記録用紙12は、搬送ローラ対59によって搬送方向15に搬送される。また、排出ローラ対44に記録用紙12が挟持されている状態で排出ローラ62が回転すると、記録用紙12は、排出ローラ対44によって搬送方向15に搬送される。
[付勢部材57]
図5に示されているように、付勢部材57は、例えばコイルバネから構成されており、軸方向を上方向7A及び下方向7Bと平行にして、ローラホルダ85の軸受部85Aの下方向7Bの位置に配置されている。付勢部材57の一端部は軸受部85Aと当接し、他端部は第1フレーム51と当接している。これにより、付勢部材57は、ピンチローラ61を、上方向7Aに位置する搬送ローラ60に当接させるように、ローラホルダ85を上方向7Aに付勢している。図5は、ピンチローラ61が搬送ローラ60と当接する当接位置P11に位置する状態を示している。
[ローラホルダ85]
図5に示されているように、ローラホルダ85は、ピンチローラ61の回転軸61Aを回転可能に支持する軸受部85Aと、軸受部85Aから前方向8Aに延設された前延設部85Bとを有している。前延設部85Bは、前方向8Aの端部から下方向7Bに延設された下延設部85Cを有している。下延設部85Cは、下方向7Bの端部に左方向9A及び右方向9Bに突出する当接軸85Dを有している。当接軸85Dは、移動部材53の当接面53Aと当接可能である。移動部材53は、当接面53Aが当接軸85Dと当接する第2位置P3(図6(b)参照)と、当接面53Aが当接軸85Dと当接しない第1位置P4(図6(a)参照)とに前方向8A及び後方向8Bに沿って移動可能である。ここでは、前方向8A及び後方向8Bが装着方向及び引出方向の一例である。移動部材53は、第2位置P3において当接面53Aが当接軸85Dと当接した状態によりローラホルダ85を付勢部材57の付勢力に抗して離間位置P12に維持する(図6(b)参照)。
移動部材53は、第1フレーム51によって、第2位置P3と第1位置P4とに移動可能に支持される。第1フレーム51の左方向9A及び右方向9Bの中央部には、前方向8A及び後方向8Bに延びるスリット51Dが設けられている。移動部材53は、スリット51Dに挿入可能なボス部51Eを上方向7Aの面に有している。ボス部51Eを、スリット51Dを通して第1フレーム51より上方向7Aに突出させた状態において、ボス部51Eの上方向7Aの端部において左方向9A及び右方向9Bに延びる延出部51Fが第1フレーム51の上方向7Aの面と係合している。以上により、移動部材53は、第1フレーム51により前方向8A及び後方向8Bに沿って移動可能に支持される。
[第1フレーム51]
第1フレーム51は、筐体14の内部において、図6に示されているように、プリンタ部11に装着された状態の給送トレイ20の上方向7Aの位置に、前方向8A及び後方向8Bと左方向9A及び右方向9Bとに延びるように配置される板状の部材である。第1フレーム51は、ローラホルダ85の下延設部85Cを下方向7Bに突出させる開口51Bを有している。図3に示されているように、開口51Bは、左方向9A及び右方向9Bに沿ってピンチローラ61と対応して複数が設けられている。下延設部85Cの下端部に設けられた当接軸85Dは、第1フレーム51の下方向7Bに位置している。
[サイドフレーム55]
図3に示されるように、第1フレーム51の左方向9A及び右方向9Bの端部にはそれぞれサイドフレーム55が設けられている。サイドフレーム55は、搬送路65の直線部34に対して左方向9A及び右方向9Bに配置される。サイドフレーム55は、第1フレーム51と垂直な板状部材であり、下方向7Bの端部が第1フレーム51の左方向9A及び右方向9Bの端部と連結されている。あるいは、第1フレーム51と一対のサイドフレーム55は一体の部材であってもよい。
図5に示されるように、サイドフレーム55は、後方向8Bの端部において上方向7A及び下方向7Bの幅が広い幅広部55Aを有している。幅広部55Aは、隣接する部分より上方向7Aに突出しており、その突出部分の前方向8Aの端部に搬送ローラ60を回転可能に支持する軸受80(図4参照)が取り付けられている。サイドフレーム55は、搬送路65の直線部34に対して左方向9A及び右方向9Bの位置において、軸受80を介して搬送ローラ60を回転可能に支持している。
[第2フレーム]
図3に示されているように、第1フレーム51には、左方向9A及び右方向9Bの端部に第2フレーム52が取り付けられている。第2フレーム52は、サイドフレーム55と隣接している。図4、図5及び図8に示されるレバー部材54の回動軸54Aは第2フレーム52によって支持されている。
[レバー部材54]
レバー部材54は、図5に示されているように、給送トレイ20をプリンタ部11に装着するときの装着方向D4(図7(b)参照)及び給送トレイ20をプリンタ部11から引き出すときの引出方向D3(図6(b)参照)と直交する方向(ここでは、左方向9A及び右方向9B)に延びる回動軸54A周りに回動可能に設けられている。レバー部材54は、回動先端部である先端部54Bが回動軸54Aの下方向7Bに位置する第1状態(図5に示された状態)となるように、回動軸54Aに取り付けられたトーションばねである付勢部材54C(第1付勢部材の一例)によって付勢されている。レバー部材54は、この第1状態において、図6(a)に示されているように、装着位置P1に位置する状態(装着状態)における給送トレイ20と当接していない非当接状態となっている。以上により、レバー部材54は規定位置において第1状態に位置する。
[給送トレイ20の移動]
図6(a)に示されているように、給送トレイ20は、プリンタ部11に装着されている装着状態において装着位置P1に位置する。図6(a)に示された装着状態において、レバー部材54は給送トレイ20(側板20Bを含む)及び突出部20Aと当接していない。図6(a)に示された装着状態から、給送トレイ20をプリンタ部11から引き出す場合には、給送トレイ20は前方向8Aへ移動する。このとき、給送トレイ20の突出部20Aが第1状態であるレバー部材54の先端部54Bと当接する。その結果、図6(b)に示されているように、給送トレイ20をプリンタ部11から引き出す途中の状態において、レバー部材54は、第1状態から回動軸54A周りの第1回動方向D1へ角度θ1だけ回動し、第2状態となる。第2状態のレバー部材54の先端部54Bは、第1状態のレバー部材54の先端部54Bより前方向8A且つ上方向7Aに位置する。ここで、角度θ1は、0°より大きく且つ180°より小さい角度である。
図6(b)に示された状態から、給送トレイ20が更に引き出されると、給送トレイ20は引出方向D3に一致する前方向8Aへ移動し、図7(a)に示された引出位置P2に達する。この状態においては、レバー部材54は、付勢部材54Cの付勢力により第1状態に位置する。
図7(a)に示されているように、給送トレイ20は、プリンタ部11から引き出された引出状態において引出位置P2に位置する。図7(a)に示された状態から、給送トレイ20をプリンタ部11に装着する場合には、給送トレイ20を後方向8Bへ移動させる。このとき、給送トレイ20の突出部20Aが第1状態であるレバー部材54の先端部54Bと当接する。その結果、図7(b)に示されているように、給送トレイ20をプリンタ部11に装着する途中の状態において、レバー部材54は、第1状態から、回動軸54A周りの第2回動方向D2へ角度θ2だけ回動し、第3状態となる。第3状態のレバー部材54の先端部54Bは、第1状態のレバー部材54の先端部54Bより後方向8B且つ上方向7Aに位置する。ここで、角度θ2は、0°より大きく且つ180°より小さい角度である。
[移動部材53]
移動部材53は、第1フレーム51に装着方向D4及び引出方向D3(前方向8A及び後方向8B)に沿って移動可能に設けられている。移動部材53は、図4〜図8に示されているように、第1フレーム51の下方向7Bの面に沿っており且つ左方向9A及び右方向9Bと前方向8A及び後方向8Bとに延びる平板部50と、平板部50の左方向9A及び右方向9Bの端部から下方向7Bに延びる延出部50Cとを有している。延出部50Cは、図5に示されているように、左方向9A及び右方向9Bに沿って見た形状が概略長方形の板状部材であり、上方向7A及び下方向7Bに垂直な横断面が概略コの字状である。延出部50Cは、下方向7Bの端面が前方向8A及び後方向8Bと平行である。
移動部材53は、平板部50の下方向7Bの面に長方形の開口を有する凹部50Bを有している。凹部50Bは、平板部50に左方向9A及び右方向9Bに沿ってローラホルダ85と対応して複数が設けられている。凹部50Bは、左方向9A及び右方向9Bの端部にそれぞれカム部50Aを有している。カム部50Aの下方向7Bの面がローラホルダ85と当接可能な当接面53Aを構成している。当接面53Aは、付勢部材57がローラホルダ85を付勢する第1付勢方向(例えば上方向7A)とほぼ直交している。また、移動部材53は、延出部50Cに第1当接部53B及び第2当接部53Cを有している。
[カム部50A、当接面53A]
カム部50Aは、前方向8A及び後方向8Bに延びる台形状の部材であり、図5に示されているように、下方向7Bの端部に、後方向8B端が前方向8A端より下方向7Bに位置する傾斜面50Dを有している。傾斜面50Dの後方向8B端から後方向8Bに当接面53Aが延びている。当接面53Aは、上方向7A及び下方向7Bに垂直である。カム部50の下方向7Bの面は、当接面53Aが最も下方向7Bに位置している。
[第1当接部53B、第2当接部53C]
図5に示されているように、移動部材53の延出部50Cは、前方向8A及び後方向8Bに延びるリブ53Dを有している。リブ53Dから、図4に示されているように、左方向9Aに位置する延出部50Cであれば左方向9Aに突出し、右方向9Bに位置する延出部50Cであれば右方向9Bに突出する円柱状の第1当接部53B及び第2当接部53Cが設けられている。第1当接部53Bは、延出部50Cにおいて前方向8A及び後方向8Bの中央より前方向8Aの位置に配置されており、第2当接部53Cは、延出部50Cにおいて前方向8A及び後方向8Bの中央より後方向8Bの位置に配置されている。レバー部材54の回動軸54Aは、前方向8A及び後方向8Bにおいて第1当接部53Bと第2当接部53Cとの間に配置されている。つまり、第1当接部53Bは、装着方向D4及び引出方向D3(例えば前方向8A及び後方向8B)において、レバー部材54に対して引出方向D3に配置され、第2当接部53Cは、装着方向D4及び引出方向D3において、レバー部材54に対して装着方向D4に配置されている。
図6(a)に示されているように、第1当接部53Bは、移動部材53が第1位置P4に位置する状態において、第1状態のレバー部材54の前方向8Aの面と当接している。図7(a)に示されているように、第2当接部53Cは、移動部材53が第2位置P3に位置する状態において、第1状態のレバー部材54の後方向8Bの面と当接している。以上により、レバー部材54は、移動部材53が第1位置P4に位置する状態において、第1当接部53Bと当接することによって第1状態に位置決めされている。また、レバー部材54は、移動部材53が第2位置P3に位置する状態において、第2当接部53Cと当接することによって第1状態に位置決めされている。図6(b)に示されているように、レバー部材54の第1状態から第2状態への第1回動方向D1への角度θ1の回動により、第1当接部53Bがレバー部材54の前方向8Aの面により前方向8Aに押圧されて、移動部材53が第2位置P3に移動する。図7(b)に示されているように、レバー部材54の第1状態から第3状態への第2回動方向D2への角度θ2の回動により、第2当接部53Bがレバー部材54の後方向8Bの面により後方向8Bに押圧されて、移動部材53が第1位置P4に移動する。なお、角度θ1及び角度θ2は、同じ大きさの角度であっても、異なる大きさの角度であってもよい。
[連動動作]
図6(a)に示されている給送トレイ20の装着状態においては、移動部材53は第1位置P4に位置する。その状態において、ローラホルダ85(具体的には当接軸85D。図5参照)は当接面53Aと当接しておらず、ピンチローラ61は、搬送ローラ60と当接する当接位置P11に位置する。このとき、搬送ローラ対59は、記録用紙12を挟持して搬送方向15に搬送可能なニップ状態になっている。図6(b)に示されているように、給送トレイ20の引出方向D3への移動によって、レバー部材54が、第1状態から第2状態に回動すると、その回動により第1当接部53Bがレバー部材54により前方向8Aに押圧される。これにより、移動部材53が前方向8Aに移動し、第2位置P3に移動する。その過程において、ローラホルダ85の当接軸85Dは、傾斜面50Dと当接し、移動部材53の移動に伴って、傾斜面50Dに導かれて当接面53Aと当接する。これにより、ピンチローラ61は下方向7Bの離間位置P12まで付勢部材57の付勢力に抗して移動して、搬送ローラ60から離間する。これにより、搬送ローラ対59は、ニップ状態が解除されて、ニップ状態が解除されたリリース状態となる。
図7(a)に示されている給送トレイ20の引出状態においては、移動部材53は第2位置P3に位置する。その状態において、ローラホルダ85(具体的には当接軸85D。図5参照)は当接面53Aと当接し、ピンチローラ61は搬送ローラ60から離間する離間位置P12に位置する。このとき、搬送ローラ対59は、ニップ状態が解除されたリリース状態になっている。図7(b)に示されているように、給送トレイ20の装着方向D4への移動によって、レバー部材54が、第1状態から第3状態に回動すると、その回動により第2当接部53Cがレバー部材54により後方向8Bに押圧される。これにより、移動部材53が後方向8Bに移動し、第1位置P4に移動する。その結果、ローラホルダ85が当接面53Aと当接しない非当接状態となり、ピンチローラ61は、上方向7Aの当接位置P11に付勢部材57の付勢力により移動され、搬送ローラ60と当接する。これにより、搬送ローラ対59は、ニップ状態になり、記録用紙12を挟持して搬送可能な状態となる。
以上のように、給送トレイ20の突出部20Aは、第1状態に位置するレバー部材54と装着状態及び引出状態の間において当接可能に給送トレイ20に設けられており、給送トレイ20が装着位置P1から引出位置P2に移動する場合に、レバー部材54を第1状態から第2状態に回動させ、給送トレイ20が引出位置P2から装着位置P1に移動する場合にレバー部材54を第1状態から第3状態に回動させる。
レバー部材54の第1状態から第2状態への回動により移動部材53は第2位置P3に移動する。レバー部材54の第1状態から第3状態への回動により移動部材53は第1位置P4に移動する。このように、レバー部材54の状態変化に連動して移動部材53は第2位置P3と第1位置P4とに移動する。
より詳細には、移動部材53に設けられた第1当接部53Bが、第1状態から第2状態に回動するレバー部材54と当接して、レバー部材54の回動により移動部材53を第2位置P3に移動させる。また、移動部材53に設けられた第2当接部53Cが、第1状態から第3状態に回動するレバー部材54と当接して、レバー部材54の回動により移動部材53を第1位置P4に移動させる。
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、レバー部材54は、第1状態を規定位置として付勢部材57により付勢されている。給送トレイ20は、装着状態(P1)から引出状態(P2)に移動する場合にも、引出状態(P2)から装着状態(P1)に移動する場合にも、第1状態であるレバー部材54と当接する。レバー部材54は、搬送ローラ対59がニップ状態であっても、ニップ解除状態であっても、第1状態から、第1回動方向D1へも、第2回動方向D2へも自在に回動する。
例えば、給送トレイ20がプリンタ部11から引き出された状態において、ユーザの誤操作などに起因して搬送ローラ対59がニップ状態に復帰した場合には、図6(a)に二点鎖線により示すように、給送トレイ20は前方向8Aの引出位置P2(図7(a)参照)に位置している。その状態において、給送トレイ20をプリンタ部11に装着すると、突出部20Aが第1状態のレバー部材54と当接する。このとき、レバー部材54は、第1状態から第2状態に自由に回動可能である。従って、上記のような場合にも、給送トレイ20がレバー部材54と衝突して、給送トレイ20のプリンタ部11への装着が阻害されるのを防止することができる。
[変形例]
上記実施形態においては、画像記録装置としてのインクジェット記録装置に搬送装置を使用する場合を説明した。しかし、本発明の搬送装置は、インクジェット記録装置に限らず、レーザプリンタなどの他の画像記録装置にも使用することができる。また、本発明の搬送装置は、画像記録装置への使用に限定されるものではなく、シートを使用する全ての機器に使用可能である。
また、上記実施形態においては、レバー部材54は付勢部材57により第1状態に付勢されているが、自重により第1状態に位置されてもよい。
また、上記実施形態においては、挟持部材はピンチローラ61により構成されているが、挟持部材はピンチローラ61などの従動ローラに限られない。例えば、記録用紙12を反転ローラ45などの搬送ローラに向かって押しつける、摩擦係数の十分に小さい押しつけ面を有する板状あるいは直方体形状の押し付け部材などであってもよい。
また、上記実施形態においては、モータによって駆動される搬送ローラ60などの駆動ローラが搬送ローラであったが、これに限られない。例えば、搬送ローラ60が下方向7Bに配置され、それに対向するピンチローラ61が上方向7Aに配置される構成においては、ピンチローラ61などの従動ローラを搬送ローラとし、搬送ローラ60などの駆動ローラを挟持部材として、レバー部材54の回動により、搬送ローラ60をピンチローラ61と当接する当接位置と、ピンチローラ61から離間する離間位置とに移動させてもよい。
10…複合機
11…プリンタ部(画像記録装置)
12…記録用紙(シート)
20…給送トレイ
20A…突出部
51…第1フレーム
52…第2フレーム
53…移動部材
53A…当接面
53B…第1当接部
53C…第2当接部
54…レバー部材
54C…付勢部材(第1付勢部材)
57…付勢部材(第2付勢部材)
59…搬送ローラ対
60…搬送ローラ
61…ピンチローラ
61A…回転軸
70…阻止機構
85…ローラホルダ

Claims (11)

  1. 搬送ローラと、
    上記搬送ローラとシートを挟持可能であり、上記搬送ローラと当接する当接位置と、上記搬送ローラから離間する離間位置とに移動可能である挟持部材と、
    上記シートを支持可能であり、当該装置への装着及び当該装置からの引き出しが可能であり、当該装置に装着された装着状態と、当該装置から引き出された引出状態とに移動可能なトレイと、
    上記トレイを当該装置に装着するときの装着方向及び上記トレイを当該装置から引き出すときの引出方向と交差する方向に延びる回動軸周りに回動可能に設けられており、第1状態、上記第1状態から上記回動軸周りの第1回動方向へ180°未満の角度θ1だけ回動した第2状態、及び上記第1状態から上記回動軸周りの上記第1回動方向と反対の第2回動方向へ180°未満の角度θ2だけ回動した第3状態をとることが可能であり、上記第1状態を規定位置としており、上記第1状態において、上記トレイと上記装着状態及び上記引出状態の間において当接可能であり、上記トレイが上記装着状態から上記引出状態に移動する場合に、上記トレイとの当接により上記第1状態から上記第2状態に回動し、上記トレイが上記引出状態から上記装着状態に移動する場合に、上記トレイとの当接により上記第1状態から上記第3状態に回動するレバー部材と、
    上記レバー部材の上記第1状態から上記第2状態への回動によって、上記挟持部材を上記離間位置に移動させ、上記レバー部材の上記第1状態から上記第3状態への回動によって、上記挟持部材を上記当接位置に移動させる連動機構と、を備える搬送装置。
  2. 上記トレイは、上記第1状態に位置するレバー部材と当接可能なレバー当接部を有し、
    上記レバー当接部は、上記トレイが上記装着状態において上記レバー部材と当接していない請求項1に記載の搬送装置。
  3. 上記レバー部材を上記第1状態に付勢する第1付勢部材を更に備える請求項1又は2に記載の搬送装置。
  4. 上記挟持部材を保持し、上記挟持部材と一体に移動可能な保持部材を更に備えており、
    上記連動機構は、
    上記保持部材と当接可能であり、上記挟持部材が上記当接位置となる第1位置と、上記挟持部材が上記離間位置となる第2位置とに移動可能であり、上記レバー部材の上記第1状態から上記第2状態への回動により上記第2位置に移動し、上記レバー部材の上記第1状態から上記第3状態への回動により上記第1位置に移動する移動部材を有する請求項1から3のいずれかに記載の搬送装置。
  5. 上記挟持部材を上記搬送ローラへ向かって付勢する第2付勢部材を更に備えており、
    上記移動部材は、上記第1位置において上記保持部材と当接しないものである請求項4に記載の搬送装置。
  6. 上記移動部材は、
    上記装着方向及び上記引出方向に沿って上記第1位置と上記第2位置とに移動可能であり、
    上記装着方向及び上記引出方向において、上記レバー部材に対して上記引出方向に配置されており、上記第1状態から上記第2状態に上記第1回動方向へ回動する上記レバー部材と当接可能であり、当該レバー部材の回動によって、上記移動部材を上記第位置に移動させる第1当接部と、
    上記装着方向及び上記引出方向において、上記レバー部材に対して上記装着方向に配置されており、上記第1状態から上記第3状態に上記第2回動方向へ回動する上記レバー部材と当接可能であり、当該レバー部材の回動によって、上記移動部材を上記第位置に移動させる第2当接部と、を有する請求項4又は5に記載の搬送装置。
  7. 上記レバー部材は、
    上記移動部材が上記第1位置に位置する状態において、上記第1当接部と当接することによって上記第1状態に位置決めされるものであり、且つ
    上記移動部材が上記第2位置に位置する状態において、上記第2当接部と当接することによって上記第1状態に位置決めされるものである請求項6に記載の搬送装置。
  8. 上記保持部材を移動可能に支持し且つ上記移動部材を移動可能に支持する第1フレームを更に備える請求項から7のいずれかに記載の搬送装置。
  9. 上記第1フレームにより支持されており、上記レバー部材を回動可能に支持する第2フレームを更に備える請求項8に記載の搬送装置。
  10. 上記挟持部材は、ローラである請求項1から9のいずれかに記載の搬送装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の搬送装置と、
    シートに画像を記録する記録部と、を備える画像記録装置。

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